JP4450449B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに係り、特に、ビード部の耐久性を向上させた空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
トラック等、特に重荷重で使用され、摩耗後に再びトレッドを更生して複数回使用される空気入りラジアルタイヤにおいては、長期間の使用によってカーカス層の補強コード端末の応力集中部を起点にゴム中にセパレーションを生じ、タイヤが使用できなくなる問題がある。
【0003】
こうしたカーカス端部のセパレーション故障に対して、タイヤを回転軸に沿った断面で見たときのビード部タイヤ外輪郭に凹部を設けてゴム厚さを減じることにより、ビード部での発熱性を低下させる技術(例えば、特開昭57−191104号公報)が開示されているが、カーカス端末部でのゴムの厚さは、カーカス折返部分の存在であまり低減できず、耐久性向上効果は十分とは言えない。
【0004】
さらに、特開平10−193924号公報では、カーカス折返部を内側カーカス層に沿わせてビード部の厚さを減じ、タイヤ外輪郭に凹部を設けたものが提案されているが、カーカス層折返部外側のゴム厚さが減少すると負荷時にリムフランジからの突き上げによる剪断変形に対してカーカス層界面の剪断歪が増し、カーカス層と外側のゴムとの間でセパレーションが発生する問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、トラック、バス用の大型タイヤでは、環境への配慮や経済性からの更生回数の増加により使用条件が厳しくなっていることと、特に近年増加傾向の偏平率の低いタイヤではビード耐久性が悪化することから、従来技術を使用してもビード部でのセパレーション故障の防止は十分ではなく、ビード部故障に対する根本的な解決には至っていない。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、優れたビード耐久性を有する重荷重車両に適した空気入りラジアルタイヤを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一方のビード部のビードコアから他方のビード部のビードコアへ延在する本体部と前記本体部に連続して設けられ前記ビードコアの外周に沿って巻き込んだ巻き込み部とを備えた実質的にラジアル方向に延びる複数本のスチールコードからなる少なくとも1枚のカーカス層よりなるカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられ、前記カーカスのクラウン部を補強するベルトと、を備えた空気入りラジアルタイヤであって、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向内側において、タイヤ外輪郭が凹部を有すると共に、前記凹部は、標準リムに装着し標準空気圧充填のもとで正規荷重を負荷した時の前記ビード部の外皮とリムフランジとの離反点Pよりもタイヤ半径方向外側に位置することを特徴としている。
【0008】
次に、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0009】
トラック、バス用タイヤのように重荷重で使用されるタイヤは、負荷転動時にビード部がリムフランジの方向に大きく倒れ込む曲げ変形を生じるためにビード部での発熱が大きく、これがビード故障の主要因の一つとなっている。
【0010】
請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層を塑性変形によって癖付けしてビードコア外周面周りに巻き込み、応力集中源である端末部が負荷転動時に殆ど変形の生じないビードコア上に配置することで、カーカス層の端末部を起点とするセパレーション故障が根本的に解消され、ビード部のタイヤ外側を凹部形状とすることでビード部のゴム厚さが減少し、負荷転動時のビード部の発熱も低減するので、大幅にビード耐久性を向上することができる。
負荷転動時にビード部がリムフランジの方向に倒れ込む曲げ変形を生じるが、その際、タイヤ外皮がリムフランジに接触する領域が増大する。
負荷時にリムフランジと接触する領域でタイヤ外面を凹部形状とすると、空気圧充填姿勢のタイヤ外面とリムフランジとの空隙量が増大し、負荷時の曲げ変形量はこの領域近傍で増大してビード耐久性に悪影響を及ぼすため、凹部は正規荷重を負荷した時のビード部外皮とリムフランジとの離反点よりもタイヤ半径方向外側に設け、この凹部のタイヤ半径方向内側に位置するタイヤ外皮がリムフランジに接触する領域のタイヤ外皮はタイヤ外側に凸形状とすることが望ましい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、リムフランジの公称径位置を基準にタイヤ半径方向にビード最大幅WM の1.8倍よりも外側で、タイヤ最大幅位置までの外皮の厚さTが、タイヤ最大幅位置での外皮の厚さTW と実質的に等しいことを特徴としている。
【0012】
次に、請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0013】
一般に、タイヤ最大幅位置でのカーカス補強層からタイヤ外皮までのゴム厚さは、外傷を防ぐために必要なゴム厚さを確保すれば良く、ビード部等と比較すると薄く設定されているが、ビード部に関しても発熱だけを考慮すると薄い方が望ましい。
【0014】
他方、リムにタイヤを係止するためにビードコアにはある程度の剛性が必要である。そのため、ビーコアの近傍までカーカス層外側のタイヤ外皮の厚さをタイヤ最大幅位置での厚さと同じように薄くすると、ビードコア近傍にビード曲げ変形が集中し、さらに急激にタイヤ輪郭形状が変化するので、タイヤ外皮の歪集中からタイヤ表面での亀裂発生が問題となる。
【0015】
したがって、リムの公称径位置を基準に、タイヤ半径方向にビード最大幅の1.8倍より外側でタイヤ最大幅位置まで、タイヤ外皮(カーカス補強層の外側のタイヤ外皮)の厚さ(カーカス補強層のコードからタイヤ外輪郭までの距離)Tを、タイヤ最大幅位置での外皮の厚さと実質的に等しく(タイヤ最大幅位置での厚さの0.7倍から1.3倍の間)、1.8倍よりもタイヤ半径方向内側の領域では、ビードコア横までカーカス層からタイヤ外面までの厚さを漸増する(凹部の深さを漸減する)ことが好ましい。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、標準リムに装着し、標準空気圧充填のもとで正規荷重を負荷したときのビード部外皮とリムフランジとの離反点Pにおける前記ビード部の厚さをWP、ビード最大幅をWMとしたときに、WP /WM ≧0.9であることを特徴としている。
【0021】
次に、請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0022】
負荷時にリムフランジと接触する領域においてビード最大幅と比較して急激にビード幅を減じると、タイヤ外面とリムフランジとの空隙量が増してビード部の倒れ込み変形量が増大するので、標準空気圧充填のもとで正規荷重を負荷したときのビード部外皮とリムフランジとの離反点Pにおけるビード部の厚さWP と、ビード最大幅WM との比率WP /WM を0.9以上とすることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10は、一対のビードコア12(図1では片側のみ図示)と、一対のビードコア12にトロイド状に跨がるカーカス14とを有している。
【0024】
カーカス14は、本実施形態では一枚のカーカス層(カーカスプライ)16から構成されているが、カーカス層16は2枚以上であっても良い。
【0025】
カーカス層16は、互いに平行に並べられた実質的にラジアル方向(好ましくはラジアル方向に対して±10°以内)に沿って延びる複数本のスチールコード(図示せず)を備え、これら複数本のスチールコードが薄肉のコーティングゴム(図示せず)に埋設されている通常の構造のものである。
【0026】
カーカス層16は、一方のビード部11のビードコア12から他方のビード部11のビードコア12へ延在する本体部16Aと、ビードコア12の外周に沿って巻き込んだ巻込部16Bとを有している。
【0027】
なお、カーカス層16の巻込部16Bの端末部16Cの位置は、少なくともビードコア12のタイヤ軸方向外側端よりもタイヤ軸方向内側で、ビードコア12の上辺上に位置し、ビードコア12の中心よりもタイヤ軸方向内側に位置することが好ましく、図1に示すように本体部16Aの近傍に位置すること(即ち、カーカス層16がビードコア12の周りを略1周すること。)が更に好ましい。
【0028】
また、巻込部16Bのスチールコードは、ビードコア12の外周面に沿うようにタイヤ製造段階(少なくとも加硫前)で少なくとも1箇所以上の部位で塑性変形されており、製品タイヤにおいてここでのスチールコードには真っ直ぐな状態へ戻ろうとする力は生じていない。
【0029】
このカーカス層16のタイヤ外側には、ビード補強層(所謂チェーファー)18がビードコアの周りに配置されている。
【0030】
ビード補強層18は、互いに平行とされ、ラジアル方向に対して30度〜80度の範囲内の角度で傾斜した複数本のコード(図示せず)をゴムで被覆したものである。なお、このビード補強層18に用いるコードは、スチールコードでも良く、ナイロン等の有機繊維コードであっても良い。
【0031】
ここで、ビード補強層18は、ビードコア12からタイヤ軸方向内側の端末部18Aにかけてはカーカス層16の外周面に沿うように隣接して配置されているが、ビードコア12からタイヤ軸方向外側の端末部18Bにかけては、ビードコア12から離れる方向に直線状に延びている。
【0032】
本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、図1に示すように、タイヤ回転軸に沿った断面で見たとき、タイヤ最大幅位置PW よりもタイヤ半径方向内側のタイヤ外面に凹部24を有している(即ち、タイヤ外輪郭が凹部形状をしている。)。なお、図1は、無負荷状態を示している。
【0033】
なお、ここでの凹部24は、図1に示すように、タイヤ外面に平面H(2点鎖線)を押し付けたときに2点当たりとなり、平面Hとタイヤ外面との間に隙間ができる部分である。なお、本実施形態の凹部24は、断面で見たときにタイヤ外側に曲率中心を有する略円弧形状である。
【0034】
ここで、本実施形態において、標準リム21に組み付けた空気入りラジアルタイヤ10に標準空気圧を充填し、正規荷重を負荷させたとき、図2の実線に示すように(ちなみに、2点鎖線は無負荷状態)、ビード部11の外面がリムフランジ22から離間する点を離反点P、この離反点Pにおけるタイヤ内外面の2等分線をL1、図1に示すように離反点Pを通り2等分線L1に垂直な垂直線をL2、ビードコア12の図心Qを通り垂直線L2に平行な平行線をL3、垂直線L2上でのビード厚さをWP 、平行線L3上でのビード厚さ(以後、ビード最大幅という。)をWM と定義する。
【0035】
ここで、本実施形態において、標準リムとはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book1999年度版規定のリムであり、標準空気圧とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book1999年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、正規荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book1999年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。
【0036】
日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim" 、”Recommended Rim")のことである。
【0037】
規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
【0038】
この空気入りラジアルタイヤ10は、リムフランジ22の公称径位置を基準に、タイヤ半径方向にビード最大幅WM の1.8倍離れた位置P1 よりもタイヤ半径方向外側で、タイヤ最大幅位置PW (なお、図中Wmax はタイヤ最大幅。)までの外皮(ゴム部分)の厚さT(カーカス層16のスチールコードからタイヤ外表面(外輪郭)までの距離)が、タイヤ最大幅位置PW での外皮の厚さTW (カーカス層16のスチールコードからタイヤ外表面(外輪郭)までの距離)と実質的に等しく(ここで実質的とは、タイヤ最大幅位置PW での外皮の厚さTW の0.7倍から1.3倍の間の厚さ。)設定されていることが好ましい。
【0039】
本実施形態では、垂直線L2上でのビード厚さWP /ビード部11のビード最大幅WM が0.88に設定されている。
【0040】
また、ビード部11には、ビードコア12に巻かれたカーカス層16の巻込部16Bのタイヤ径方向外側にビード部11の剛性を確保するスティフナー20が設けられている。
【0041】
なお、図示はしないが、カーカス14のタイヤ半径方向外側には、カーカス14のクラウン部を補強するベルトが設けられている。
(作用)
本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、カーカス層16のスチールコードを塑性変形によって癖付けしてビードコア12の外周面周りに巻き込み、応力集中源である端末部16Cを負荷転動時に殆ど変形の生じないビードコア12に接するように配置したので、カーカス層16の端末部16Cを起点とするビード部11内のゴムのセパレーション故障を防止することができる。
【0042】
さらに、ビード部11の外面に凹部24を設けることでビード部11のゴム厚さが減少し、負荷転動時のビード部11の発熱も低減するので、大幅にビード耐久性を向上することができる。
【0043】
また、カーカス層16のタイヤ外側に配置したビード補強層18は、負荷転動時にリムフランジ22との擦れによるタイヤ外皮の摩滅を防止する。
【0044】
さらに、ビード補強層18の端末部18B側は内圧によって引き抜かれようとする力を殆ど受けず、さらに、このビード補強層18の端末部18Bは従来タイヤと異なりカーカス層16の巻込部16B(従来タイヤのカーカス層の折返部に相当)が隣接しないことと、ラジアル方向に対しコードが傾斜配置されていることから、負荷転動時にビード部11の曲げ変形が生じた際にもビード補強層18内のコードが角度変化し難く、この変形によって端末部18Bの径方向圧縮応力の集中が緩和される。
【0045】
なお、位置P1 よりもタイヤ半径方向外側の外皮の厚さTが、タイヤ最大幅位置PW での外皮の厚さTW と実質的に等しくされていない、即ち、厚さTが厚さTW より薄くなると(Tが0.7TW よりも小さい場合)、ビードコア12近傍が薄くなり過ぎ、ビードコア12近傍にビード曲げ変形が集中し、さらに急激にタイヤ輪郭形状が変化するので、タイヤ外皮の歪集中からタイヤ表面での亀裂が発生し易くなる。
【0046】
なお、ビード補強層18のコードのラジアル方向に対する角度が30度未満になると、カーカス層16の本体部16Aが倒れ込んだ際に、カーカス層16のスチールコードと同様にタイヤラジアル方向に近づく為、ビード補強層18のコードの角度変化によるビード補強層18の端末部18Bでの歪緩和が起きにくく、コード端部に大きな圧縮応力の集中が生じる。
【0047】
一方、コードの角度が80度を越えると、ビード補強層18のコードがほぼ周方向に向く為にビード補強層18の剪断剛性が低下し、タイヤが転動時に踏み蹴りにてサイドウォールが回転方向にずれる周方向剪断変形のビード部11での抑制効果が大幅に低下するので、リムフランジ22とタイヤ外皮との周方向ずれによる摩滅を有効に防止することが出来なくなり、ビード補強層18としての役割が十分に発揮されなくなる。
[第2の実施形態]
本発明の空気入りラジアルタイヤの第2の実施形態を図3にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
図3に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、第1の実施形態と同様に凹部24が形成されているが、凹部24が第1の実施形態よりも深く、垂直線L2上でのビード厚さWP /ビード部11のビード最大幅WM が0.85に設定されているものである。
【0049】
なお、作用効果は第1の実施形態と同様である。
[第3の実施形態]
本発明の空気入りラジアルタイヤの第3の実施形態を図4にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
図4に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、ビード部11の離反点Pよりもタイヤ半径方向外側に凹部24が形成されており、凹部24よりもタイヤ半径方向内側では、ビード部11の外表面がタイヤ内側に曲率中心を有する略円弧凸状に形成されている。
【0051】
本実施形態では、垂直線L2上でのビード厚さWP /ビード部11のビード最大幅WM は、0.92に設定されている。
【0052】
本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、離反点P付近の外皮がタイヤ外側に凸形状であり、垂直線L2上でのビード厚さWP /ビード部11のビード最大幅WM を0.9以上としたので、第1の実施形態及び第2の実施形態よりも負荷時のビード部11の倒れ込み変形を抑えることができ、これにより発熱をより一層抑えることができる。
(試験例)
次に、本発明の効果を確かめるために、タイヤサイズが285/60R22.5である従来例のタイヤと本発明の適用された実施例のタイヤとを用意し、室内のドラム試験機にてタイヤの耐久試験を行った。
【0053】
実施例1のタイヤは図1に示す構造のタイヤ、実施例2のタイヤは図3に示す構造のタイヤ、実施例3のタイヤは図4に示す構造のタイヤ、従来例のタイヤは図5に示す構造のタイヤである。
【0054】
ここで、従来例のタイヤは、図5に示すように、ビード部11の外面に凹部の形成されていないタイヤである。
【0055】
実施例1〜3及び従来例のタイヤのカーカス層は、何れも(1×3+9+15)×0.175mm+1×0.15mmの構造のスチールコードを5cm当たり26本の密度(測定部位:ビードコア周り)で平行に並べてゴム被覆したものであり、コード方向を実質的にラジアル方向としたものである。
【0056】
実施例1〜3及び従来例のタイヤのビード補強層は、何れも(1×3+9+15)×0.175mm+1×0.15mmの構造のスチールコードを5cm当たり21本の密度(測定部位:ビードコア周り)で平行に並べてゴム被覆したものであり、コード方向をラジアル方向に対して60度傾斜させたものである(測定部位:タイヤ軸方向外側の端末部)。
【0057】
なお、実施例1のタイヤではWP /WM が0.88であり、実施例2のタイヤではWP /WM が0.85であり、実施例3のタイヤではWP /WM が0.92である。
【0058】
ドラム試験は、試験タイヤに内圧900kPaを充填した後に、半径1.7mのスチールドラム上に、5200kgの荷重にて圧着し、時速60km/hにてビード部故障(セパレーション)発生まで走行させた。その際の室温は46°Cであった。
【0059】
評価は、ビード部故障が発生するまでの走行距離を測定し、従来例のタイヤがビード部故障を発生するまでの走行距離の逆数を100とする指数で表した。なお、数値が大きい程ビード部故障を発生するまでの走行距離が長く、ビード部の耐久性に優れていることを表す。
【0060】
【表1】
【0061】
試験の結果、本発明の適用された実施例1〜3のタイヤは、ビード部でセパレーションを発生するまでの走行距離が大幅に延び、ビード部の耐久性が大幅に向上していることが分かった。
【0062】
このため、本発明の適用された空気入りラジアルタイヤは、更生タイヤの台タイヤとして用いるのに適していることが分かる。
【0063】
また、WP /WM を0.9より大きく設定した実施例3のタイヤでは、負荷時のビード部の倒れ込み変形が実施例1,2よりも少なく、ビード部の耐久性が更に向上した。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは上記の構成としたので、ビード部の耐久性を向上することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【図2】図1に示す空気入りラジアルタイヤのビード部の変形の様子を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【図5】試験に用いた従来例に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りラジアルタイヤ
11 ビード部
12 ビードコア
14 カーカス
16 カーカス層
18 ビード補強層
21 標準リム
22 リムフランジ
24 凹部
P 離反点
PW タイヤ最大幅位置
WM ビード最大幅
Claims (3)
- 一方のビード部のビードコアから他方のビード部のビードコアへ延在する本体部と前記本体部に連続して設けられ前記ビードコアの外周に沿って巻き込んだ巻き込み部とを備えた実質的にラジアル方向に延びる複数本のスチールコードからなる少なくとも1枚のカーカス層よりなるカーカスと、
前記カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられ、前記カーカスのクラウン部を補強するベルトと、を備えた空気入りラジアルタイヤであって、
タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向内側において、タイヤ外輪郭が凹部を有すると共に、前記凹部は、標準リムに装着し標準空気圧充填のもとで正規荷重を負荷した時の前記ビード部の外皮とリムフランジとの離反点Pよりもタイヤ半径方向外側に位置する、ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - リムフランジの公称径位置を基準にタイヤ半径方向にビード最大幅WM の1.8倍よりも外側で、タイヤ最大幅位置までの外皮の厚さTが、タイヤ最大幅位置での外皮の厚さTW と実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 標準リムに装着し、標準空気圧充填のもとで正規荷重を負荷したときのビード部外皮とリムフランジとの離反点Pにおける前記ビード部の厚さをWP、ビード最大幅をWMとしたときに、
WP /WM ≧0.9であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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