JP4318402B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
重荷重用空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4318402B2 JP4318402B2 JP2001043761A JP2001043761A JP4318402B2 JP 4318402 B2 JP4318402 B2 JP 4318402B2 JP 2001043761 A JP2001043761 A JP 2001043761A JP 2001043761 A JP2001043761 A JP 2001043761A JP 4318402 B2 JP4318402 B2 JP 4318402B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- bead
- inner liner
- carcass
- bead core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビード部の耐久性能を向上させた重荷重用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
カーカスを係止させるビードコアの多くは金属ワイヤを複数回巻回したものが使用され、このビードコアにカーカスコードを、タイヤ軸方向内側から外側に巻上げ、又はタイヤ軸方向外側から内側に巻込むことにより係止している。
【0003】
かかるビードコアによるカーカスの係止構造において、製造工程のばらつき、走行によるカーカスプロファイルの変化の影響によって、走行とともに金属のビードコアとカーカスコードとが接触することがあり、このような接触はカーカスコードの摩滅を招来し、 その破断のおそれがあり、タイヤ寿命を損ないがちとなる。
【0004】
このため、ビードコアとカーカスコードが接触しないように、両者の間に適正な間隙を隔てるためのビードラッピングの技術が、特願平11−251967号により提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この技術により、カーカスコードの破断発生率はかなり低減されたが、検討の結果、ビードコアとカーカスコードが接触していないものにも、ビードコア付近においてカーカスコードの損傷が起こっているタイヤが見うけられた。
【0006】
この原因の探求の結果として、タイヤ内圧充填状態においてカーカスコードにかかる張力が最も大きくなる部位はビードコア付近であり、これにより、ビードコアとビードコア付近のカーカスコード間に生じるせん断応力が、タイヤ走行での繰り返し変形により、走行中はさらに大きなものとなって、ビードコアとカーカスコードが接触しないときにも、大きなせん断力が繰り返し加わることにより、カーカスコードを被覆しているゴムとの接着が破壊されることがあることが見出された。このような機械的な接着破壊部分は微少であり、タイヤ全体の耐久性を低下させるほどには至らない。
【0007】
他方、空気内圧保持を主目的として、タイヤ内腔面に配されたブチルゴムを主成分とする空気を通しにくいインナーライナは、通常、トレッドからサイドウォールを経てビード部で終端し、特に重荷重用空気入りタイヤにあっては、この終端位置がビードコア付近となっている場合が多く、そのため、ビードコアのタイヤ軸方向内方では、インナーライナがないか、あるいは、その一部のみしか存在していないが、空気がリークする量はきわめて微少であり、タイヤ全体からみて、空気内圧保持には影響はなかった。
【0008】
ところが、カーカスコード表面に接着破壊が生じている場合、わずかな空気や水分が、接着破壊を起こしているカーカスコード表面に到達したときには、それが微少であってもカーカスコードを浸食することがあり、特に前記したカーカスコードにスチールコードを使用するトラック・バス用の重荷重用空気入りラジアルタイヤなどの場合において、カーカス外側にスチールコードからなる補強層を配置したものでも、侵入した空気及び水分が補強層のコード/ゴム間に浸入し、さらにはカーカスコードを損傷する場合がある。
【0009】
本発明は、かかるビード部におけるコード、ゴム剥離に伴う損傷を防止しうる重荷重用空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部(1)のビードコア(10)で折り返されて係止されるプライからなるカーカス(2)と、タイヤ内腔面に配されかつ空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナ(3)とを配した重荷重用空気入りタイヤであって、
前記インナーライナ(3)の内端Ipは、前記ビードコア(10)よりも半径方向内方に巻き込まれ、かつビードコア(10)のタイヤ軸方向最内点Biを通る半径線、及び前記タイヤ軸方向最内点Biとタイヤ軸方向最外点Boとのタイヤ軸方向中点Bcを通る半径線との間の領域に位置するとともに、
ビードコア(10)の前記タイヤ軸方向最内点Biとタイヤ軸方向最外点Boとを通る直線L上での前記インナーライナ(3)の厚さTを0.5mm〜2.0mmとし、
さらに、カーカス(2)とインナーライナ(3)との間には、カーカス(2)のトッピングゴムと、インナーライナ(3)との間の界面の剥離を防ぐインスレーション(5)を介在させ、
このインスレーション(5)は、カーカス本体部(2b)に沿ってインナーライナ(3)との間を延在してビードコア(10)のタイヤ半径内方に巻き込まれ、インナーライナの内端Ipを越えた位置で終端することにより、インナーライナ端Ipとカーカス(2)の接触を防止するとともに、
前記ビード部(1)に、前記ビードコア(10)のタイヤ半径方向内側に配されビードシート面に露出する基部(4a)と、この基部(4a)に連なりビードトウ部(t)からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部(4b)と、前記基部(4a)に連なりビードヒール部(h)からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部(4c)とを有するゴムチェーファ(4)が配され、
この内の立上げ部(4b)の半径方向最外点Ciと、ビードコア(10)の半径方向最外点Bhとの間のタイヤ半径方向の距離mが5mm以下であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
【0012】
さらに、請求項2記載の発明は、前記インスレーションは、少なくとも前記ビードコア(10)の軸方向内方において、インナーライナ(3)の軸方向内面に接してかつインナーライナ(3)の内端Ipでの厚さnが1mm〜1.5mmであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図1に基づき説明する。
図1は、例えばトラック、バス、その他これらの類似車両に用いられる重荷重用空気入りタイヤT(以下、単に「空気入りタイヤ」ということがある。)を正規リムとして15°深底のリムJに装着しかつ正規内圧を充填した標準状態におけるビード部1の子午断面を示している。
【0014】
なお本明細書において、「正規リム」とは、JATMA で規定する標準リム、TRA で規定する "Design Rim" 、或いはETRTO 規定する "MeAsuring Rim"のいずれかに従って定め、また「正規内圧」とは、JATMA で規定する最高空気圧、TRA の表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、或いはETRTO で規定する "INFLATION PRESSURE" のいずれかに従って定められる。
【0015】
空気入りタイヤTのカーカス2は、トレッド部からサイドウォール部(図示せず)を経て、ビード部1 のビードコア10でタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返されて係止される本体部2aと、この本体部2aに連なり折り返された巻上げ部2bとからなり、本体部2aと巻上げ部2bとの間にはビードエーペックス6を配置している。またカーカス2は、カーカスコードをタイヤ赤道に対して70〜90°の角度で配列したいわゆるラジアル構造をなし、本例では1枚のカーカスプライ、しかもスチールコードを採用している。
【0016】
空気入りタイヤTは、リムJにリム組されることにより形成されるタイヤ内腔面に、トレッド、サイドウォールを経て、ビード部に至り、空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナ3を配したチューブレスタイプをなす。なお、他の型式の空気入りタイヤ、カーカス構造とすることもできる。
【0017】
前記空気を透過しにくいゴムとは、例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどであって、前記ブチルゴムは、60重量部以上を含有する。60未満であれば空気透過性能が著しく低下する。
【0018】
本例では、以下のゴム組成物を採用する。
【0019】
また、インナーライナ3は、前記のように、タイヤ内腔面に配されることによりトロイダル状をなし、かつカーカス2とともにビードコア10のタイヤ半径方向内方に巻き込まれてビード部1内でその内端Ipが終端する。
【0020】
なお、従来構造のビード部構造では、タイヤ内腔面を覆うインナーライナ3はビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bh付近の高さで終端していた。その結果、前記したせん断力による接着破壊、剥離、空気及び水分によるカーカスコードの錆及び強力低下は、ビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bh付近、乃至その高さよりも半径方向内方で生じがちであった。
【0021】
この発明の空気入りタイヤTにおいては、前記ビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bhよりも内方であって、該最外点Bhから、カーカス2のタイヤ半径方向最内点Piまでの半径方向の領域Aにおいて前記損傷を抑制するものであり、即ちインナーライナ内端Ipを、この領域Aをタイヤ半径方向内方に越えて位置させ、従ってインナーライナ3は前記領域Aをその半径方向の全長さ範囲で覆っている。
【0022】
また、インナーライナの内端Ipのタイヤ軸方向位置は、ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biと中点Bcとを通る各半径線の間にあり、該中点Bcとは、ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biと、タイヤ軸方向最外点Boとの間の2等分中心点をいう。
【0023】
ブチルゴム成分を多量に含むインナーライナ3は、一般的に他のゴム組成物に比べ接着性に劣るため、特にその端部は、動きの小さい場所で終端させるのがよく、そのため、ビードコア1の半径方向内方の前記領域Aは、タイヤ転動中最も動きの少ない場所であり、インナーライナ端を配置するのに適している。しかしこの領域Aでは前記のように剥離防止機能を十分に発揮しえず、とはいえ、ビードトウ端tまでタイヤ内腔面の全面に亘ってブチルゴム層を配置すると、ビード部外周面をなすチェーファ4とのゴム接着性が不良となりやすく、そのため、インナーライナ内端Ipをビードコア10のタイヤ半径方向内方、かつ前記のごとく最内点Biと中点Bcとを通る半径線内に位置させている。
【0024】
又インナーライナ3は、ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biとタイヤ軸方向最外点Boとを通りタイヤ軸方向内方に向く直線L 上でのインナーライナ3の厚さTを、0 .5 mm〜2.0mmとしている。0 .5 mm未満では、空気や水分の透過を十分に防止できず,また2.0mmを越えることは不必要である。
【0025】
さらにビード部の外周面には、リムJへの装着を安定化させかつリムJとの摩擦からビード部を保護するために前記チェーファ4が配置される。チェーファ4は、ビードコア10のタイヤ半径方向内側に配されビードシート面に露出する基部4aと、この基部4aに連なりかつビードトウ部tからタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部4bと、前記基部4aに連なりかつビードヒール部hからタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部4cとを有し、この内の立上げ部4bのタイヤ半径方向最外点Ciとビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bhとのタイヤ半径方向距離mは、その高さの差として5mm以内としている。なお5mmを越えると、ビード耐久性の低下につながる。
【0026】
さらに、本発明においては、カーカス2とインナーライナ3との間には、インスレーション5が配置される。前述のようにブチルゴムは接着性に劣るため、スチールコードからなるカーカス2を使用する場合、スチールコードのトッピングゴムと、ブチルゴムを多量に含むインナーライナ3とを直接接触させると、その界面で剥離が生じやすく、その防止のために、両者の間にインスレーション5を介在させる。インスレーション5は、例えば以下のゴム組成物からなる。
【0027】
【0028】
またこのインスレーション5は、インナーライナ3と同様、カーカス本体部2bに沿ってインナーライナ3との間を延在してビードコア10のタイヤ半径内方に巻き込まれ、インナーライナの内端Ipを越えた位置で終端することにより、インナーライナ端Ipとカーカス2の接触を防止し、このようにインスレーション5は、少なくとも前記ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biと、ビードコア1の半径方向最内点Bdとの間の範囲を含んで配置される。また図1の形態では前記インナーライナ3の内面に接して配置されるとともに、ビードコア(10)のタイヤ半径方向最内点Bdの半径方向内方位置での厚さnを1mm〜1.5mmとしている。これは、1mm未満であるとビードベースにクラックが生じやすくなる。
【0029】
さらに図1に示すビード部1においては、カーカス2のビードコア10での折返し部分を囲んでその外側にビード補強層7が配置される。このビード補強層7は、スチールコードをタイヤ周方向に対し、15°から45°の小角度で傾斜させたプライからなり、本例では1枚のプライからなる。
【0030】
またこのビード補強層7は、ビードコア10の半径方向内方でカーカス2に沿って湾曲する基部7aと、そのタイヤ軸方向両側に巻き上げられ内外で立ち上がる内、外の折曲げ片7i、7oからなり、それらの端部はともにビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bhよりもタイヤ半径外方に、例えば前記領域Aの0.5〜2.0倍程度の高さを付加した高さとしている。これにより、カーカス2を保護するとともに、ビード部全体の曲げ剛性を高め、荷重が加わったときのビード部の変形を抑制し、各部の歪みを減少させてタイヤのビード耐久性を向上させる。
【0031】
図2は、他の実施の形態を示し、ビード補強層7 は、ビードコア10の半径方向内方において、該ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biとタイヤ軸方向の最外点Boとを通る半径線間の領域の前記基部7aと、外の折曲げ片7oとを有し、前記外の折曲げ片7oの端部7oeは、ビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bhよりもタイヤ半径外方かつ図1の形態の場合と同様な高さに位置しているが、前記基部7aのタイヤ軸方向内方の端縁が他方の端部7aeを形成している。
【0032】
これは、省資源、低燃費の必要性からのタイヤの軽量化、及びゴム及びコードの材料とともに接着性の向上から、図1でのビード補強層7の前記内の折曲げ片7iを省略し、またこの構造において、インナーライナ内端Ipは、前記他方の端部7aeのタイヤ軸方向外方かつ好ましくは前記中点Bcのタイヤ軸方向内方に配置する。
【0033】
図3はさらに他の形態を示している。カーカス2 の巻上げ部2bは、前記ビードエーペックスゴム6の外側面に沿って、かつそのタイヤ半径方向の外端2tが、ビードエーペックスゴム6の外端6tをこえて半径方向外方にカーカス本体部2aと小間隙を隔ててほぼ平行(0〜5゜の傾き内)にのびて近接領域を形成する。この近接領域内でカーカス本体部2aはほぼ直線となる部分を有する。
【0034】
さらに該ビードエーペックスゴム6の外端6tの近傍における巻上げ部2bとカーカス本体部2aのカーカスコード間のコード間距離Tの最小値tmin は、カーカスコード径の0.15〜7.0倍に設定され、ビード耐久性を維持している。
【0035】
また図3の形態のタイヤにおいて、図1の形態の空気入りタイヤと同様に、インナーライナ3の内端Ipは、この領域Aをタイヤ半径方向内方にこえて位置し、かつインナーライナ最内点Ipのタイヤ軸方向位置は、ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biを通る半径線、及び前記タイヤ軸方向最内点Biと最外点Boとの間の前記中点Bcを通る半径線の間にある。さらに、ビードコア10のタイヤ軸方向最内点Biと最外点Boを通る直線L 上のインナーライナ3の厚さTは、0 .5 mm〜2.0mmに設定される。
【0036】
さらに、図1のタイヤと同じく、ビードシート面に露出する基部4aと、タイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部4bと、タイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部4cとを有するゴムチェーファ4が配されるとともに、この内の立上げ部4bのタイヤ半径方向最外点Ciとビードコア10のタイヤ半径方向最外点Bhとのタイヤ半径方向距離mは、5mm以内に設定されている
。
【0037】
またカーカス2の本体部2aとインナーライナ3との間には、インスレーション5が配置され、かつこのインスレーション5はインナーライナ3と同様、カーカス2に沿ってビードコア10のタイヤ半径内方に巻き込まれ、インナーライナ端Ipを越えて本例では前記中点Bcのタイヤ軸方向外側、例えば前記カーカスの半径方向最内点Piの内方で終端し、インナーライナ3とカーカス2の接触をインナーライナ3の全範囲で防止している。
【0038】
また図3の形態の空気入りタイヤには、図1の形態のタイヤが有するビード補強層を配置しないことにより、ビード部の剛性の低下からビードコア10のタイヤ半径方向内方においてチェーファ4とインナーライナ3間の界面剥離が生じやすくなり,このため、インナーライナ3と、チェーファ4との間に介在する他のインスレーション8を配置している。
【0039】
図3において、インスレーション8は、少なくとも、前記ビードコア10のタイヤ軸方向内方からタイヤ半径方向内方位置に配置され、インナーライナ3のタイヤ軸方向内方及びタイヤ半径方向内方においてチェーファ4と隔離している。このインスレーション8はインナーライナ内端Ip位置における厚さTiが、1mm〜1.5mmであることが好ましい。1 mm未満では、前記インナーライナ3とチェーファ4間の剥離を十分に防止できない。又1.5mmより大では、チェーファ4のゲージの保持が困難となる。
【0040】
図3の場合には、インスレーション8は、カーカス2の巻上げ部2bのタイヤ軸方向外方面全領域を覆い、ビードコア10のタイヤ半径方向内方域を経て、領域Aを半径方向外側にのび、チェーファ4の内の立上げ部4bのタイヤ半径方向最外点Ci付近で終端する。この構成により、損傷の発生しやすかった領域Aでは、カーカス2のタイヤ軸方向外方に、インスレーション5、インナーライナ3、他のインスレーション8、チェーファ4の4層構造体が形成される。なお、チェーファ4の内の立上げ部4bのタイヤ半径方向最外点Ciに、インスレーション8の内側上向き片の上端を一致させることも、15mm、好ましくは8mm程度の範囲で互いに離間させることもできる。
【0041】
インスレーション8は、接着性を向上させるため、天然ゴムまたはイソプレンゴムを主体とするポリマーと、強度を保持するため比較的高カーボンを含有するゴム組成物から形成される。さらに、スチールコードからなるカーカスプライと接触するため、有機酸コバルトを含有している。本例のインスレーション8に使用した2種類のゴム組成物を以下に示す。
【0042】
【0043】
【実施例】
タイヤサイズが11R22.5で、図1、2、3に示すビード構造を有する本発明タイヤを試作し、おのおのの従来構造と比較評価した。
その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の※で示すビード耐久試験条件は以下の通りである。
・リムサイズ:8.25×22.5
・荷重 :58.52kN
・内圧 :800kPA
・速度 :20km/h
以上の条件で、室内ドラム試験機上で走行させる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、ビード部の耐久性能を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を、正規リムに組み、正規内圧を充填した状態での、ビード部構造を示す断面図である。
【図2】他の形態を例示する断面図である。
【図3】さらに他の形態を例示する断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 カーカス
2a 本体部
2b 巻上げ部
3 インナーライナ
4 チェーファ
5 インスレーション
6 ビードエーペックス
7 ビード補強層
8 インスレーション
Claims (2)
- トレッド部からサイドウォール部を経てビード部(1)のビードコア(10)で折り返されて係止されるプライからなるカーカス(2)と、タイヤ内腔面に配されかつ空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナ(3)とを配した重荷重用空気入りタイヤであって、
前記インナーライナ(3)の内端Ipは、前記ビードコア(10)よりも半径方向内方に巻き込まれ、かつビードコア(10)のタイヤ軸方向最内点Biを通る半径線、及び前記タイヤ軸方向最内点Biとタイヤ軸方向最外点Boとのタイヤ軸方向中点Bcを通る半径線との間の領域に位置するとともに、
ビードコア(10)の前記タイヤ軸方向最内点Biとタイヤ軸方向最外点Boとを通る直線L上での前記インナーライナ(3)の厚さTを0.5mm〜2.0mmとし、
さらに、カーカス(2)とインナーライナ(3)との間には、カーカス(2)のトッピングゴムと、インナーライナ(3)との間の界面の剥離を防ぐインスレーション(5)を介在させ、
このインスレーション(5)は、カーカス本体部(2b)に沿ってインナーライナ(3)との間を延在してビードコア(10)のタイヤ半径内方に巻き込まれ、インナーライナの内端Ipを越えた位置で終端することにより、インナーライナ端Ipとカーカス(2)の接触を防止するとともに、
前記ビード部(1)に、前記ビードコア(10)のタイヤ半径方向内側に配されビードシート面に露出する基部(4a)と、この基部(4a)に連なりビードトウ部(t)からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部(4b)と、前記基部(4a)に連なりビードヒール部(h)からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部(4c)とを有するゴムチェーファ(4)が配され、
この内の立上げ部(4b)の半径方向最外点Ciと、ビードコア(10)の半径方向最外点Bhとの間のタイヤ半径方向の距離mが5mm以下であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記インスレーションは、少なくとも前記ビードコア(10)の軸方向内方において、インナーライナ(3)の軸方向内面に接してかつインナーライナ(3)の内端Ipでの厚さnが1mm〜1.5mmであることを特徴とする請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001043761A JP4318402B2 (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 重荷重用空気入りタイヤ |
EP02729547A EP1350639B1 (en) | 2001-01-11 | 2002-01-11 | Pneumatic tire |
CNB02800065XA CN100395125C (zh) | 2001-01-11 | 2002-01-11 | 充气轮胎 |
EP20070000450 EP1767383A1 (en) | 2001-01-11 | 2002-01-11 | Pneumatic tire |
DE2002619417 DE60219417T2 (de) | 2001-01-11 | 2002-01-11 | Druckluftreifen |
PCT/JP2002/000120 WO2002055323A1 (en) | 2001-01-11 | 2002-01-11 | Pneumatic tire |
US10/250,365 US7172002B2 (en) | 2001-01-11 | 2002-01-11 | Pneumatic tire with specified inner liner |
US11/655,846 US20070113944A1 (en) | 2001-01-11 | 2007-01-22 | Pneumatic tire |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001043761A JP4318402B2 (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 重荷重用空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002240516A JP2002240516A (ja) | 2002-08-28 |
JP4318402B2 true JP4318402B2 (ja) | 2009-08-26 |
Family
ID=18905877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001043761A Expired - Lifetime JP4318402B2 (ja) | 2001-01-11 | 2001-02-20 | 重荷重用空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4318402B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4299516B2 (ja) * | 2002-09-04 | 2009-07-22 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ加硫金型 |
JP4976788B2 (ja) * | 2006-09-04 | 2012-07-18 | 住友ゴム工業株式会社 | 重荷重用タイヤ |
JP5281273B2 (ja) * | 2007-11-20 | 2013-09-04 | 住友ゴム工業株式会社 | 重荷重用タイヤ |
JP4709911B2 (ja) * | 2009-03-13 | 2011-06-29 | 住友ゴム工業株式会社 | 重荷重用タイヤ |
JP6087658B2 (ja) * | 2013-02-22 | 2017-03-01 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6362977B2 (ja) * | 2014-09-19 | 2018-07-25 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6645111B2 (ja) * | 2015-10-14 | 2020-02-12 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6160302A (ja) * | 1984-09-03 | 1986-03-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 2層よりなるライナ−層を有するスチ−ルカ−カスラジアルタイヤ |
JPS6382802A (ja) * | 1986-09-26 | 1988-04-13 | Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JPH07117419A (ja) * | 1993-10-21 | 1995-05-09 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | ビード耐久性を改良した重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JPH09272308A (ja) * | 1996-04-08 | 1997-10-21 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
JP4021521B2 (ja) * | 1996-07-08 | 2007-12-12 | 株式会社ブリヂストン | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JP3464181B2 (ja) * | 1998-10-29 | 2003-11-05 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP3058624B2 (ja) * | 1998-12-10 | 2000-07-04 | 住友ゴム工業株式会社 | チューブレスタイヤ |
-
2001
- 2001-02-20 JP JP2001043761A patent/JP4318402B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002240516A (ja) | 2002-08-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8905102B2 (en) | Pneumatic radial tire with round crosssection lower filler surrounding bead core | |
JP5049050B2 (ja) | 重荷重用タイヤ | |
EP1350639A1 (en) | Pneumatic tire | |
JP2724291B2 (ja) | 重荷重用タイヤ | |
JP3733029B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3464181B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4500117B2 (ja) | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ | |
JP2001225618A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2002166710A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4318402B2 (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
EP1116605B1 (en) | Pneumatic tire, having improved bead portion durability | |
JP2001233013A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3683824B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6910284B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2001010312A (ja) | チューブレスタイヤ | |
JPH05155208A (ja) | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ | |
JP4450449B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JPH11170807A (ja) | 重荷重用タイヤ | |
JP2002337516A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2007045375A (ja) | 重荷重用チューブレスタイヤ | |
JP4615654B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2978472B1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4615653B2 (ja) | ビード部耐久性に優れる空気入りタイヤ | |
JP2003011622A (ja) | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ | |
JP3377453B2 (ja) | 重荷重用タイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090225 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090414 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090519 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090526 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4318402 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130605 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |