[go: up one dir, main page]

JP4441245B2 - 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法 - Google Patents

白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4441245B2
JP4441245B2 JP2003403569A JP2003403569A JP4441245B2 JP 4441245 B2 JP4441245 B2 JP 4441245B2 JP 2003403569 A JP2003403569 A JP 2003403569A JP 2003403569 A JP2003403569 A JP 2003403569A JP 4441245 B2 JP4441245 B2 JP 4441245B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
platinum group
group metal
paste
platinum
metal compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003403569A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005166444A (ja
Inventor
孝之 島宗
智弘 丸子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furuya Metal Co Ltd
Original Assignee
Furuya Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furuya Metal Co Ltd filed Critical Furuya Metal Co Ltd
Priority to JP2003403569A priority Critical patent/JP4441245B2/ja
Publication of JP2005166444A publication Critical patent/JP2005166444A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4441245B2 publication Critical patent/JP4441245B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、酸素センサー等を始めとする各種センサー、液晶パネル、強誘電体ゲートFET等の半導体装置、燃料電池等における配線材等の導電性材料、酸化防止保護体、誘電体保護層、抵抗体層として使用可能な白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法に関する。
従来使用されている白金族金属ペーストは、導電体、酸化防止保護体、誘電体保護層又は抵抗体を形成する際に使用されている(例えば特許文献1を参照)。従来の白金族金属ペーストは、図2(a)に示すように、基板1の表面に塗布層4を形成した場合、固体である金属粒子2と、液体で塗布加熱によって相互に焼結しやすいバインダー3とからなり、その形態は図2で示すように、(1)金属粉末(粉末)と(2)バインダー(溶液、コロイド液若しくは懸濁液)の2相に分かれる。白金族金属ペーストの形成方法の一例としては、白金族金属粉末を有機ビヒクル及び必要によりガラス等の無機結合剤と共に混練して、塗料又はペースト状としたメタライズ用組成物とする方法がある。この組成物をセラミック、ガラス、金属等の基板に塗布し、高温で焼成することにより図2(b)で示したように金属粒子2が焼結した金属被膜5が形成される。
上記のようにして得られた金属被覆は、5〜50μmの厚みを有するため、電気抵抗率が良好であると共に、応力等がかかった場合においても耐性を備えていた。
特開平11−242913号公報
しかし、前記バインダーは金属粒子を取り囲む役目を果たす反面、抵抗の増加と塗布層の厚みが増し、しかも金属粉末が占める割合が多い為に、高価な白金族金属の使用量が増大する問題を抱えていた。また、金属粉末同士の焼成結合は、金属粒子間の物理的な接触により為されるため、粒子同士の接触面積が大きくなり電気抵抗率は良好であるが、その一方で使用電気量は多くなってしまう問題も発生する。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、白金族金属をペースト内に初期から粒子として配合するのではなく、金属被膜を形成する段階で白金族金属を析出させることで、従来と同等の電気特性を確保した上で、塗布層の厚みを薄くして、白金族金属の使用量を低減できる白金族金族ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、酸化物等のコロイド粒子あるいは懸濁粒子からなるバインダーをあらかじめペースト層内に均一分布させるとともに、コロイド間あるいは懸濁粒子間において白金族金属を自ら化学結合で繋げて1つの相を形成させることにより、白金族金属を連続的に析出させることが可能であることを見出した。コロイド間あるいは懸濁粒子間において白金族金属を連続的に析出させることにより、本願の白金族金属ペーストから得られる金属被膜は、従来の金属被覆より薄膜化が可能で且つ従来と同等の電気特性を持たせることが可能となる。すなわち、本発明に係る白金族金属ペーストは、溶媒と、該溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、(1)コロイダルシリカ又は(2)金属塩をゾルゲル法によって生成させた一部水和物を含む酸化物コロイド又は(3)チタン塩と2価金属塩を共沈させて生成したペロブスカイト前駆体コロイドのいずれかを含むコロイド粒子と、を含有することを特徴とする。
本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記白金族金属ペーストを塗布した塗布層を加熱処理して形成したペースト焼付け層は、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相と、前記コロイド粒子若しくは前記コロイド粒子の焼成物からなる連続状の析出相若しくは不連続状の析出相とを含むことが好ましい。
本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記ペースト焼付け層において、前記導電析出相は、10〜90wt%を占めることが好ましい。
また本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記白金族金属化合物の白金族金属は、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選択された少なくとも1つであることが好ましい。
さらに本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記白金族金属化合物は、硝酸塩、亜硝酸塩又は塩化物の錯体であることが好ましい。
本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記白金族金属化合物はジニトロジアンミン白金であり、前記溶媒は水であることが好ましい。
また本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記白金族金属化合物は硝酸ルテニウムであり、前記溶媒は希硝酸水溶液中の水であることが好ましい。
また本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記白金族金属化合物は硝酸ルテニウムとジニトロジアンミン白金の混合物であることが好ましい。
本発明に係る白金族金属ペーストでは、前記酸化物コロイドはゾルゲル法によって生成した酸化ジルコニウムコロイド若しくは水酸化ジルコニウムコロイドであり、前記白金族金属化合物はルテニウム塩又はイリジウム塩の少なくともいずれか一方であることが好ましい。
本発明に係るペースト焼付け層の形成方法は、本発明に係る白金族金属ペーストを基体に塗布して塗布層を形成した後、該塗布層を100〜600℃で加熱して、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相を含むペースト焼付け層を形成することを特徴とする。
従来のペースト層より薄く、金属使用量が減少するにも関わらず、溶液状態の金属からペーストを作製する為に、金属の連続的な導電析出相が形成され、従来のペーストと少なくとも同等の電気特性を持たせることが出来る。
以下、本発明について詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
(第1形態)
本実施形態に係る第1形態の白金族金属ペーストは、溶媒と、溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかを含むバインダーを含有することを特徴とする。白金族金属化合物としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムの各化合物であり、これらの白金族金属から選択された少なくとも1つとする。複数種類の白金族金属化合物の混合物としてもよい。白金族金属化合物は硝酸塩、亜硝酸塩、塩化物等の錯塩であり、具体的に列挙すると、ジニトロジアンミン白金(NO(NHPt、あるいは、ヘキサクロロ白金酸HPtCl、塩化イリジウム、塩化パラジウム、塩化ロジウム、塩化ルテニウム等の塩化物、或いは硝酸ルテニウム、硝酸パラジウム等の硝酸塩、がある。複数種類の白金族金属化合物の混合物とする場合には、例えば硝酸ルテニウムとジニトロジアンミン白金の混合物とすることがよい。
溶媒は、白金族金属化合物を溶解可能であるかの観点から選択され、適宜、変更させる。水、アルコール、希硝酸水溶液が例示できる。白金族金属化合物がジニトロジアンミン白金であれば、溶媒として水が適している。白金族金属化合物が硝酸ルテニウムであれば、溶媒としては希硝酸水溶液が適している。
コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかを含むバインダーとしては、コロイダルシリカ、或いは酸化物誘電体若しくは焼成により酸化物誘電体となる原料からなるコロイド、或いは600℃以下の低温度の焼結温度において焼結しうる固体物質からなるコロイド、さらにはこれらのコロイド粒子よりも大きな懸濁粒子である。白金族金属ペーストの溶媒にコロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかが存在する状態となり、溶媒に溶解し溶液化した金属、金属酸化物、金属化合物、金属塩と共存している。ゾルゲル法にて調整したゾル状コロイドも本実施形態で用いるバインダーとして好ましい。
ここで、バインダーは、焼成を行なうときに相互に焼結しない部分が多い程、金属溶液が連続的に成り易い。このような条件を満たす物質として、例えば、金属塩をゾルゲル法によって生成させた一部水和物を含むアルミナ、酸化亜鉛、チタニア又は酸化錫等の酸化物コロイド、或いはゾルゲル法によって生成した酸化ジルコニウムコロイド若しくは水酸化ジルコニウムコロイド、チタン塩と2価金属塩を共沈させて生成したペロブスカイト前駆体コロイドが例示できる。白金族金属化合物としてルテニウム塩又はイリジウム塩の少なくともいずれか一方とする場合には、それに組み合わせるバインダーとしてゾルゲル法によって生成した酸化ジルコニウムコロイド若しくは水酸化ジルコニウムコロイドが好ましい。
さらにバインダーは、塗布される基板と同等の物質を用いることが出来、同等の物質を用いれば、基板とバインダーの親和性が更に増加する。例えば、安定化剤を含有する酸化ジルコニウムからなる酸素イオン伝導性の固体電解質基板であれば、バインダーとしてカルシウムやイットリウム等の安定化剤を含有するコロイド状の酸化ジルコニウムを用いることが好ましい。
本実施形態に係る白金族金属ペーストは、その粘性をニトロセルロース、アクリル酸、キサンタンガム等の増粘剤を適宜添加することで、ペーストの塗布性を向上させてもよい。これにより、はけ塗り、印刷による塗布などの各種塗布方法が適用できる。各種塗布法を適用することにより、図1(a)に示したように、白金族金属ペーストを基板1に塗布して塗布層8を形成する。塗布する厚みは、用途に応じて異なる。塗布層8は、コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかを含むバインダー6と、溶媒に溶解した白金族金属化合物溶液相7とからなる。その後、焼成時間によって異なるが塗布層8を、好ましくは100〜600℃で加熱して、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相9を含むペースト焼付け層11を形成する。100℃未満の加熱では焼成不足となり、600℃を超えると、ペースト内に含まれる物質が揮発する恐れがある。このとき、酸素含有雰囲気中、還元性雰囲気中又は不活性雰囲気中で行なうことが好ましい。熱処理の温度条件、熱処理の雰囲気は、用いられるバインダー及び白金族金属化合物、さらに白金族金属化合物をもとに析出させるものが白金族金属或いは白金族金属酸化物であるかによって適宜選択出来る。そして、白金族金属を析出させる場合には、還元性雰囲気中又は不活性雰囲気中で加熱を行い、白金族金属酸化物を析出させる場合には酸素含有雰囲気中で加熱を行なうことが好ましい。本実施形態に係る白金族金属ペーストは、従来のペーストの焼付け温度が800℃若しくはそれ以上の温度が必要であるところ、600℃以下で焼付けが可能であり、熱に弱い材料用のペースト用として有効である。
白金族金属としては白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムまたはロジウム、白金族金属酸化物としてはこれらの酸化物が挙げられる。
本実施形態において、上記のように白金族金属ペーストを塗布した塗布層を加熱処理して形成したペースト焼付け層は、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相を含むこととなる。金属成分の出発原料を溶液とし、その溶液を含むペーストを熱処理することにより、連続的な導電析出相が形成される。このため、金属粒子を金属成分の出発原料とした場合と比較して、粒子の厚み相当を薄くできるので、ペースト焼付け層を大幅に薄型化することができる。導電性は従来のペーストと同様に確保できるため、粉末の表面が接触する構造の電気伝導性と同等の電気特性を薄膜で得ることが可能になる。なお、ペースト焼付け層は、金属と金属酸化物とを同時に含有させたものでもよい。
本実施形態の白金族金属ペーストは、コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかを含むバインダーを含有することが好ましく、この場合、図1(b)で示すように白金族金属ペーストを塗布した塗布層を加熱処理して形成したペースト焼付け層11は、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相9と、バインダー若しくはバインダーの焼成物からなる連続状の又は不連続状の析出相10とを含むこととなる。連続状の導電析出相9を得るためにペースト焼付け層11において、導電析出相9は10〜90wt%を占めることが好ましい。導電析出相9が10wt%未満の場合には、連続状の導電析出相の形成が困難となる。一方、90wt%を超える場合には、ペーストとしての粘性を確保することが難しくなる。なお、後述するように白金族金属ペーストに増粘剤を添加する場合には粘性調整が可能となるため、90wt%を超えてもよい。
(第2形態)
本実施形態に係る第2形態の白金族金属ペーストは、溶媒と、該溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、増粘剤を含有する。ペーストの粘性調整剤として、増粘剤を添加するものである。溶媒と白金族金属化合物については第1形態と同様である。増粘剤は、水に溶解又は分散して粘稠性を生じる高分子物質であり、ニトロセルロース、アクリル酸、キサンタンガムが例示できる。この場合、白金や白金化合物を用いて純白金ペーストの作製が可能となる。もちろん、第1形態で述べたバインダーを添加しても良い。
第1形態と同様に、第2形態の白金族金属ペーストについて、各種塗布法を適用することにより、基板等の基体に塗布して塗布層を形成する。塗布する厚みは、用途に応じて異なる。その後、焼成時間によって異なるが塗布層を、好ましくは400〜600℃で加熱して、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相を含むペースト焼付け層を形成する。400℃未満の加熱では増粘剤がペースト焼付け層から抜けず、600℃を超えると、ペースト内に含まれる物質が揮発する恐れがある。このとき、酸素含有雰囲気中で行なうことが好ましい。
第2形態において、白金族金属ペーストを塗布した塗布層を加熱処理して形成したペースト焼付け層は、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相を含むこととなる。金属成分の出発原料を溶液とし、その溶液を含むペーストを熱処理することにより、連続的な導電析出相が形成される。このため、金属粒子を金属成分の出発原料とした場合と比較して、粒子の厚み相当が薄くできるので、ペースト焼付け層を大幅に薄型化することができる。導電性は従来のペーストと同様に確保できるため、粉末の表面が接触する構造の電気伝導性と同等の電気特性を薄膜で得ることが可能になる。なお、ペースト焼付け層は、金属と金属酸化物とを同時に含有させたものでもよい。また、第2形態においてバインダーを添加した場合には、ペースト焼付け層は、バインダー若しくはバインダーの焼成物からなる連続状の又は不連続状の析出相10を含むこととなる。
第1形態、第2形態において、白金族金属ペーストを薄める場合には、酢酸nブチル又はイソホロンを添加しても良い。また、シクロヘキサノンとブチルカルビトールの混合液を添加しても良い。
実施例及び比較例では、試薬は特に示されない限りは和光純薬製を用いた。
(実施例1)
バインダーをコロイダルシリカとして多白金ペーストを作製した。コロイダルシリカとして、日産化学製商品名スノーテックス40を使用した。ジニトロジアンミン白金(株式会社フルヤ金属製)を、少量のイソプロパノールアミンとイソプロピルアルコール及び水の混合溶液に溶解し、白金元素分として濃度150g/lのジニトロジアンミン白金溶液を作製した。このジニトロジアンミン白金溶液にコロイダルシリカを添加して、溶液中の白金元素分とコロイダルシリカの割合が重量比で1:1となるように混合して攪拌し安定化させて、多白金ペーストを得た。また、表面に軽くブラストがけをし、更に中性洗剤で洗浄して表面の油分並びに汚れを完全に取り除いた石英硝子板を基板とした。ペーストの特性を調べるために、この基板に上記多白金ペーストを塗布し、風乾後300℃のマッフル炉に入れて15分間加熱熱分解処理を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
(比較例1)
平均粒径100nmの白金をテトラエチルシリコンのエタノール溶液に分散してペーストを得た。このペーストを用いて実施例1と同じ基板上に塗布し、乾燥後、温度400℃で焼き付けた。基板上にペースト焼付け層が得られた。
(実施例2)
バインダーとして酸化ジルコニウムのコロイドと酸化インジウムのコロイドからなる酸化物を使用したルテニウムペーストを作製した。まず塩化ジルコニウムと塩化インジウムの90:10(モル比)からなる希塩酸溶液を作る。この希塩酸溶液をアンモニア水溶液で中和して中和沈殿したコロイド状の溶液を作製する。このコロイド状溶液を水で展開、洗浄し、濾過を行って液分を除き、液分除去後のコロイドをアルコール系の界面活性剤を加えた純水に展開して分散させ、インジウム・ジルコニウムコロイド液を得た。次に三塩化ルテニウムの3%塩酸水溶液を作製し、それを加熱して塩酸分を揮散させた溶液とした。この溶液と前記インジウム・ジルコニウムコロイド液と合わせ、ペーストを作製した。基板を安定化ジルコニア基板とした。基板上にペーストを塗布し、乾燥後450℃のマッフル炉中で15分熱分解を行い、黒色の被膜を作製する操作を3回繰り返した後、温度を550℃まで上げたマッフル炉内で120分間加熱安定化を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
(実施例3)
ブチルチタネートの希塩酸溶液と塩化バリウムをチタン:バリウム=1:1 (モル比)となるように混合し、攪拌しながらアンモニアで中和して沈殿させ、濾過洗浄を行って液と分離し、液分除去後のコロイドをアルコール系の界面活性剤を加えた純水に展開して分散させ、チタン・バリウムコロイド液を得た。チタン・バリウムコロイド液に実施例1で使用したのと同じジニトロジアンミン白金溶液を重量で1:1となるように混合した。これを石英硝子板の表面に塗布し、風乾後350℃で加熱処理を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
(実施例4)
ブチルタンタレートのイソプロピルアルコール溶液にアンモニア水を加えて乳白色のコロイド状の酸化タンタルを懸濁した溶液を作製した。この懸濁液に塩化イリジウム酸のイソプロピルアルコール溶液をイリジウム:タンタル=1:1(モル比)となるように加えて攪拌混合して、粘性液を作製した。その後、安定化ジルコニア基板上に、上記粘性液を塗布した後、乾燥して550℃で加熱、熱処理を行い、この塗布・加熱処理を3回繰り返した。基板上にペースト焼付け層が得られた。
(実施例5)
バインダーをコロイダルシリカとしてパラジウムペーストを作製した。コロイダルシリカとして、日産化学製商品名スノーテックス40を使用した。ジニトロジアンミンパラジウム(株式会社フルヤ金属製)を、少量のイソプロパノールアミンとイソプロピルアルコール及び水の混合溶液に溶解し、パラジウム元素分として濃度150g/lのジニトロジアンミンパラジウム溶液を作製した。このジニトロジアンミンパラジウム溶液にコロイダルシリカを添加して、溶液中のパラジウム元素分とコロイダルシリカの割合が重量比で1:1となるように混合して攪拌し安定化させて、パラジウムペーストを得た。また、ペーストの特性を調べるために、実施例1と同じ基板に上記パラジウムペーストを塗布し、風乾後400℃のマッフル炉に入れて15分間加熱熱分解処理を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
(実施例1の結果)
攪拌によって得られた実施例1の多白金ペーストは、薄く乳白色の色が付いた半透明の液であった。溶液に分散材は加えなかったが、沈殿の生成は認められなかった。多白金ペーストを用いて金属光沢を有するペースト焼付け層を生成したが、使用した白金は0.5mg/cmの塗布量で十分な導電性の得られることがわかった。
(比較例1の結果)
基板上に形成されたペースト焼付け層である白金被膜は実施例1と同様に金属光沢を有していたが、白金層が均一となり且つ導電性を示すためには白金として8mg/cm程度の塗布量を必要とした。実施例1と比較例1とを比べると、実施例1のペーストは従来技術の焼き付けペーストである比較例1のペーストよりも、16分の1と少ない白金量で少なくとも同等の目的が達成できることがわかった。また、実施例1は比較例1と比較して塗布量が少ないため、ペースト焼付け層の厚みは、比較例1が10μmであるのに対して実施例1は2.5μmと小さかった。
(実施例2の結果)
ジルコニウムとインジウムの複合酸化物共沈コロイド液を作製できた。共沈液は乳白色であり、長時間放置しても沈降物は生じず、コロイド液であった。また、ジルコニウムとインジウムを含有したルテニウムペーストを用いることにより、黒色の酸化ルテニウムを含有する被膜を安定化ジルコニア基板の表面に作ることが出来た。付着性は極めて良好であり、均一な被膜を形成することが出来た。作製した被膜は、酸素センサー用電極として有効に使えることがわかった。また、作製した被膜には残留塩素が殆ど無いことが蛍光X線分析により確認された。これは従来の塩化ジルコニウムと塩化ルテニウムの混合液による塗布熱分解法による被膜形成時の残留塩素が1〜5%であることと比較して十分に小さく、従来品が残留塩素を含む故に使用しにくかったことと比較して、塩素フリーで有用に使えることがわかった。なお、この被膜の密着性は、透明感圧付着テープによる剥離試験でも全く剥離が認められず極めて強固であることがわかった。ここで透明感圧付着テープとは、幅が25mmで、IEC60454−2に従い、25mmの幅当たり10±1Nの付着強さを持つものである。
(実施例3の結果)
ペースト焼付け層として金属光沢を有する薄膜が出来た。また、X線回折法により分析を行ったところ、結晶性の悪いペロブスカイト相と結晶性の優れた白金金属からなることがわかった。ペロブスカイトはチタン酸バリウムであると考えられ、誘電性のあることが確かめられた。これから誘電体と白金からなる被膜が形成されたことがわかった。
(実施例4の結果)
ペースト焼付け層として黒色の被膜が形成された。この被膜は極めて良好な導電性のあることが確認された。また、X線回折により形成された結晶相を確認したところ、酸化イリジウムと五酸化タンタルの混合物であることがわかった。
(実施例5の結果)
コロイダルシリカとパラジウムからなる導電ペーストを作製することが出来た。また、通常では熱処理によって酸化するパラジウムが金属光沢を有する金属パラジウムとして析出し、極めて導電性に優れた被膜の形成が可能となった。
前記実施例では、膜厚1〜3μmの薄いペースト焼付け層を形成できるが、従来の5〜50μmの厚さのペーストと同等の電気伝導性が得られた。
本実施形態に係る白金族金属ペーストを基板に塗布したときの模式図であって、(a)は塗布層、(b)は焼付け後のペースト層を示す。 従来の金属ペーストを基板に塗布したときの模式図であって、(a)は塗布層、(b)は焼付け後のペースト層を示す。
1 基板
2 金属粒子
3 バインダー
4 塗布層
5 ペースト焼付け
6 コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかのバインダー
7 溶媒に溶解した白金族金属化合物溶液相
8 塗布層
9 導電析出層
10 バインダー若しくはバインダーの焼成物からなる連続状の又は不連続状の析出相
11 ペースト焼付け

Claims (10)

  1. 溶媒と、該溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、(1)コロイダルシリカ又は(2)金属塩をゾルゲル法によって生成させた一部水和物を含む酸化物コロイド又は(3)チタン塩と2価金属塩を共沈させて生成したペロブスカイト前駆体コロイドのいずれかを含むコロイド粒子と、を含有することを特徴とする白金族金属ペースト。
  2. 前記白金族金属ペーストを塗布した塗布層を加熱処理して形成したペースト焼付け層は、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相と、前記コロイド粒子若しくは前記コロイド粒子の焼成物からなる連続状の析出相若しくは不連続状の析出相とを含むことを特徴とする請求項1に記載の白金族金属ペースト。
  3. 前記ペースト焼付け層において、前記導電析出相は、10〜90wt%を占めることを特徴とする請求項2記載の白金族金属ペースト。
  4. 前記白金族金属化合物の白金族金属は、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の白金族金属ペースト。
  5. 前記白金族金属化合物は、硝酸塩、亜硝酸塩又は塩化物の錯体であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
  6. 前記白金族金属化合物はジニトロジアンミン白金であり、前記溶媒は水であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
  7. 前記白金族金属化合物は硝酸ルテニウムであり、前記溶媒は希硝酸水溶液中の水であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
  8. 前記白金族金属化合物は硝酸ルテニウムとジニトロジアンミン白金の混合物であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
  9. 前記酸化物コロイドはゾルゲル法によって生成した酸化ジルコニウムコロイド若しくは水酸化ジルコニウムコロイドであり、前記白金族金属化合物はルテニウム塩又はイリジウム塩の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の白金族金属ペーストを基体に塗布して塗布層を形成した後、該塗布層を100〜600℃で加熱して、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相を含むペースト焼付け層を形成することを特徴とするペースト焼付け層の形成方法。
JP2003403569A 2003-12-02 2003-12-02 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法 Expired - Fee Related JP4441245B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003403569A JP4441245B2 (ja) 2003-12-02 2003-12-02 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003403569A JP4441245B2 (ja) 2003-12-02 2003-12-02 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005166444A JP2005166444A (ja) 2005-06-23
JP4441245B2 true JP4441245B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=34726848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003403569A Expired - Fee Related JP4441245B2 (ja) 2003-12-02 2003-12-02 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4441245B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005166444A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI327324B (en) Resistor composition and thick film resistor
JP2008091250A (ja) 低温焼成型銀ペースト
JPS59138305A (ja) 酸化ルテニウムベ−ス抵抗体組成物
JP5400307B2 (ja) 白色導電粉末およびその用途
JP3346023B2 (ja) 電極用導電性塗料およびその製造法
JPH11258193A (ja) 無水アンチモン酸亜鉛半導体ガスセンサー及びその製造方法
JP4441245B2 (ja) 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法
JP5400306B2 (ja) 白色導電粉末およびその用途
JPS5868918A (ja) 電極層を有する電子部品とその製造法
JP4540091B2 (ja) 導電性粉末及びその製造方法
CN1254170A (zh) 单片半导体陶瓷电子元件
JP2002334611A (ja) 導電性粒子組成物
JPH0443504A (ja) 積層セラミックコンデンサ内部電極用ペースト
JPH0742120B2 (ja) 導電性パイロクロア系酸化物およびそれを含有する抵抗材料
JP2006273636A (ja) 酸化イリジウム粉及びその製造方法
DE102011000904A1 (de) Elektrischer Widerstand
JPH0690961B2 (ja) 抵抗材料及びこれらから製造された温度測定用センサー中の温度依存性抵抗層
JP3577544B2 (ja) ガスセンサおよび金属酸化物薄層表面状態制御方法。
JP2808639B2 (ja) セラミック電子部品の電極用導電性粒子
JP2799916B2 (ja) 導電性金属被覆セラミックス粉末
JPS61136978A (ja) 厚膜回路形成用導電ペ−スト
JPH043901A (ja) 酸化ルテニウム系薄膜抵抗体及びその製造方法
JP7494583B2 (ja) 厚膜抵抗体組成物及びそれを含む厚膜抵抗ペースト
JP2007302498A (ja) 酸化ルテニウム粉とその製造方法
JP4478526B2 (ja) 非合金金属粉末及び合金金属粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees