JP4441245B2 - 白金族金属ペースト及びペースト焼付け層の形成方法 - Google Patents
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本実施形態に係る第1形態の白金族金属ペーストは、溶媒と、溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかを含むバインダーを含有することを特徴とする。白金族金属化合物としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムの各化合物であり、これらの白金族金属から選択された少なくとも1つとする。複数種類の白金族金属化合物の混合物としてもよい。白金族金属化合物は硝酸塩、亜硝酸塩、塩化物等の錯塩であり、具体的に列挙すると、ジニトロジアンミン白金(NO2)2(NH3)2Pt、あるいは、ヘキサクロロ白金酸H2PtCl6、塩化イリジウム、塩化パラジウム、塩化ロジウム、塩化ルテニウム等の塩化物、或いは硝酸ルテニウム、硝酸パラジウム等の硝酸塩、がある。複数種類の白金族金属化合物の混合物とする場合には、例えば硝酸ルテニウムとジニトロジアンミン白金の混合物とすることがよい。
本実施形態に係る第2形態の白金族金属ペーストは、溶媒と、該溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、増粘剤を含有する。ペーストの粘性調整剤として、増粘剤を添加するものである。溶媒と白金族金属化合物については第1形態と同様である。増粘剤は、水に溶解又は分散して粘稠性を生じる高分子物質であり、ニトロセルロース、アクリル酸、キサンタンガムが例示できる。この場合、白金や白金化合物を用いて純白金ペーストの作製が可能となる。もちろん、第1形態で述べたバインダーを添加しても良い。
バインダーをコロイダルシリカとして多白金ペーストを作製した。コロイダルシリカとして、日産化学製商品名スノーテックス40を使用した。ジニトロジアンミン白金(株式会社フルヤ金属製)を、少量のイソプロパノールアミンとイソプロピルアルコール及び水の混合溶液に溶解し、白金元素分として濃度150g/lのジニトロジアンミン白金溶液を作製した。このジニトロジアンミン白金溶液にコロイダルシリカを添加して、溶液中の白金元素分とコロイダルシリカの割合が重量比で1:1となるように混合して攪拌し安定化させて、多白金ペーストを得た。また、表面に軽くブラストがけをし、更に中性洗剤で洗浄して表面の油分並びに汚れを完全に取り除いた石英硝子板を基板とした。ペーストの特性を調べるために、この基板に上記多白金ペーストを塗布し、風乾後300℃のマッフル炉に入れて15分間加熱熱分解処理を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
平均粒径100nmの白金をテトラエチルシリコンのエタノール溶液に分散してペーストを得た。このペーストを用いて実施例1と同じ基板上に塗布し、乾燥後、温度400℃で焼き付けた。基板上にペースト焼付け層が得られた。
バインダーとして酸化ジルコニウムのコロイドと酸化インジウムのコロイドからなる酸化物を使用したルテニウムペーストを作製した。まず塩化ジルコニウムと塩化インジウムの90:10(モル比)からなる希塩酸溶液を作る。この希塩酸溶液をアンモニア水溶液で中和して中和沈殿したコロイド状の溶液を作製する。このコロイド状溶液を水で展開、洗浄し、濾過を行って液分を除き、液分除去後のコロイドをアルコール系の界面活性剤を加えた純水に展開して分散させ、インジウム・ジルコニウムコロイド液を得た。次に三塩化ルテニウムの3%塩酸水溶液を作製し、それを加熱して塩酸分を揮散させた溶液とした。この溶液と前記インジウム・ジルコニウムコロイド液と合わせ、ペーストを作製した。基板を安定化ジルコニア基板とした。基板上にペーストを塗布し、乾燥後450℃のマッフル炉中で15分熱分解を行い、黒色の被膜を作製する操作を3回繰り返した後、温度を550℃まで上げたマッフル炉内で120分間加熱安定化を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
ブチルチタネートの希塩酸溶液と塩化バリウムをチタン:バリウム=1:1 (モル比)となるように混合し、攪拌しながらアンモニアで中和して沈殿させ、濾過洗浄を行って液と分離し、液分除去後のコロイドをアルコール系の界面活性剤を加えた純水に展開して分散させ、チタン・バリウムコロイド液を得た。チタン・バリウムコロイド液に実施例1で使用したのと同じジニトロジアンミン白金溶液を重量で1:1となるように混合した。これを石英硝子板の表面に塗布し、風乾後350℃で加熱処理を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
ブチルタンタレートのイソプロピルアルコール溶液にアンモニア水を加えて乳白色のコロイド状の酸化タンタルを懸濁した溶液を作製した。この懸濁液に塩化イリジウム酸のイソプロピルアルコール溶液をイリジウム:タンタル=1:1(モル比)となるように加えて攪拌混合して、粘性液を作製した。その後、安定化ジルコニア基板上に、上記粘性液を塗布した後、乾燥して550℃で加熱、熱処理を行い、この塗布・加熱処理を3回繰り返した。基板上にペースト焼付け層が得られた。
バインダーをコロイダルシリカとしてパラジウムペーストを作製した。コロイダルシリカとして、日産化学製商品名スノーテックス40を使用した。ジニトロジアンミンパラジウム(株式会社フルヤ金属製)を、少量のイソプロパノールアミンとイソプロピルアルコール及び水の混合溶液に溶解し、パラジウム元素分として濃度150g/lのジニトロジアンミンパラジウム溶液を作製した。このジニトロジアンミンパラジウム溶液にコロイダルシリカを添加して、溶液中のパラジウム元素分とコロイダルシリカの割合が重量比で1:1となるように混合して攪拌し安定化させて、パラジウムペーストを得た。また、ペーストの特性を調べるために、実施例1と同じ基板に上記パラジウムペーストを塗布し、風乾後400℃のマッフル炉に入れて15分間加熱熱分解処理を行った。基板上にペースト焼付け層が得られた。
攪拌によって得られた実施例1の多白金ペーストは、薄く乳白色の色が付いた半透明の液であった。溶液に分散材は加えなかったが、沈殿の生成は認められなかった。多白金ペーストを用いて金属光沢を有するペースト焼付け層を生成したが、使用した白金は0.5mg/cm2の塗布量で十分な導電性の得られることがわかった。
基板上に形成されたペースト焼付け層である白金被膜は実施例1と同様に金属光沢を有していたが、白金層が均一となり且つ導電性を示すためには白金として8mg/cm2程度の塗布量を必要とした。実施例1と比較例1とを比べると、実施例1のペーストは従来技術の焼き付けペーストである比較例1のペーストよりも、16分の1と少ない白金量で少なくとも同等の目的が達成できることがわかった。また、実施例1は比較例1と比較して塗布量が少ないため、ペースト焼付け層の厚みは、比較例1が10μmであるのに対して実施例1は2.5μmと小さかった。
ジルコニウムとインジウムの複合酸化物共沈コロイド液を作製できた。共沈液は乳白色であり、長時間放置しても沈降物は生じず、コロイド液であった。また、ジルコニウムとインジウムを含有したルテニウムペーストを用いることにより、黒色の酸化ルテニウムを含有する被膜を安定化ジルコニア基板の表面に作ることが出来た。付着性は極めて良好であり、均一な被膜を形成することが出来た。作製した被膜は、酸素センサー用電極として有効に使えることがわかった。また、作製した被膜には残留塩素が殆ど無いことが蛍光X線分析により確認された。これは従来の塩化ジルコニウムと塩化ルテニウムの混合液による塗布熱分解法による被膜形成時の残留塩素が1〜5%であることと比較して十分に小さく、従来品が残留塩素を含む故に使用しにくかったことと比較して、塩素フリーで有用に使えることがわかった。なお、この被膜の密着性は、透明感圧付着テープによる剥離試験でも全く剥離が認められず極めて強固であることがわかった。ここで透明感圧付着テープとは、幅が25mmで、IEC60454−2に従い、25mmの幅当たり10±1Nの付着強さを持つものである。
ペースト焼付け層として金属光沢を有する薄膜が出来た。また、X線回折法により分析を行ったところ、結晶性の悪いペロブスカイト相と結晶性の優れた白金金属からなることがわかった。ペロブスカイトはチタン酸バリウムであると考えられ、誘電性のあることが確かめられた。これから誘電体と白金からなる被膜が形成されたことがわかった。
ペースト焼付け層として黒色の被膜が形成された。この被膜は極めて良好な導電性のあることが確認された。また、X線回折により形成された結晶相を確認したところ、酸化イリジウムと五酸化タンタルの混合物であることがわかった。
コロイダルシリカとパラジウムからなる導電ペーストを作製することが出来た。また、通常では熱処理によって酸化するパラジウムが金属光沢を有する金属パラジウムとして析出し、極めて導電性に優れた被膜の形成が可能となった。
2 金属粒子
3 バインダー
4 塗布層
5 ペースト焼付け層
6 コロイド粒子又は懸濁粒子の少なくともいずれかのバインダー
7 溶媒に溶解した白金族金属化合物溶液相
8 塗布層
9 導電析出層
10 バインダー若しくはバインダーの焼成物からなる連続状の又は不連続状の析出相
11 ペースト焼付け層
Claims (10)
- 溶媒と、該溶媒に溶解可能な白金族金属化合物と、(1)コロイダルシリカ又は(2)金属塩をゾルゲル法によって生成させた一部水和物を含む酸化物コロイド又は(3)チタン塩と2価金属塩を共沈させて生成したペロブスカイト前駆体コロイドのいずれかを含むコロイド粒子と、を含有することを特徴とする白金族金属ペースト。
- 前記白金族金属ペーストを塗布した塗布層を加熱処理して形成したペースト焼付け層は、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相と、前記コロイド粒子若しくは前記コロイド粒子の焼成物からなる連続状の析出相若しくは不連続状の析出相とを含むことを特徴とする請求項1に記載の白金族金属ペースト。
- 前記ペースト焼付け層において、前記導電析出相は、10〜90wt%を占めることを特徴とする請求項2記載の白金族金属ペースト。
- 前記白金族金属化合物の白金族金属は、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の白金族金属ペースト。
- 前記白金族金属化合物は、硝酸塩、亜硝酸塩又は塩化物の錯体であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
- 前記白金族金属化合物はジニトロジアンミン白金であり、前記溶媒は水であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
- 前記白金族金属化合物は硝酸ルテニウムであり、前記溶媒は希硝酸水溶液中の水であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
- 前記白金族金属化合物は硝酸ルテニウムとジニトロジアンミン白金の混合物であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
- 前記酸化物コロイドはゾルゲル法によって生成した酸化ジルコニウムコロイド若しくは水酸化ジルコニウムコロイドであり、前記白金族金属化合物はルテニウム塩又はイリジウム塩の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の白金族金属ペースト。
- 請求項1〜9のいずれか一つに記載の白金族金属ペーストを基体に塗布して塗布層を形成した後、該塗布層を100〜600℃で加熱して、白金族金属又は白金族金属酸化物の少なくともいずれか一方からなる連続状の導電析出相を含むペースト焼付け層を形成することを特徴とするペースト焼付け層の形成方法。
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