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JP4427540B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents

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JP4427540B2
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Description

本発明は、格子間の相対移動量を光学的に検出できる光学式エンコーダに関する。
下記の非特許文献1には、3枚の格子を用いた光学式エンコーダにおけるグレーティングイメージ(三格子法)の理論が提案されている。この理論によると、空間的にインコヒーレントな光源を用い、光進行方向に沿って順に第1格子、第2格子、第3格子を並べて、特定の条件を整えてやれば、第1格子に含まれる所定の空間周波数成分を、所定のOTF(光学伝達関数:Optical Transfer Function)で第3格子上に結像することができる。ここで特定の条件とは、第2格子の形状と、第1格子から第2格子までの距離と、第2格子から第3格子までの距離などのパラメータで決まるもので、これらのパラメータによって第1格子に含まれる各々の空間周波数成分の、第3格子までのOTFが決定される。
ここで、グレーティングイメージ(三格子法)の理論におけるそれぞれ3つの格子の作用は、次のようになる。1)第1格子:入射面での空間周波数分布を決定する。2)第2格子:透過率変調又は位相変調による第2格子の形状と、第1格子から第2格子までの距離、第2格子から第3格子までの距離などにより、第1格子から第3格子までの、空間周波数毎のOTFが決定される。3)第3格子:結像された強度分布より、所望の成分のみを透過させ、いわゆるインデックススリットの役割を担う。
一方、下記の特許文献1には、グレーティングイメージ(三格子法)の理論を応用した光電式エンコーダが開示されている。この光電式エンコーダでは、第1格子を光透過性の格子で構成している。この第1格子は、格子素子を透過する際の光の位相差に基づく光干渉によって明暗パターンを形成しており、第1格子で遮断される光が減少する。その結果、より多量の光を受光素子まで送り込むことが可能となる。
特開平10−2761号公報(図3) K. Hane and C. P. Grover, "Imaging with rectangular transmission gratings," J.Opt.Soc.Am.A4 706-711, 1987
特許文献1に記載されている光電式エンコーダは、第2の格子として不透明部と透明部を交互に配置した格子を用いているため、グレーティングイメージ(三格子法)の理論におけるOTFが下がる。また、光透過性の第1格子を拡散光源で照射し、光の位相差による光干渉を利用して明暗パターンを形成しているため、入射面における強度分布のコントラスト、即ち、強度分布に含まれる空間周波数成分のコントラストが低下する。
本発明の目的は、光源から受光素子までのOTFが向上し、光の利用効率を格段に改善できる光学式エンコーダを提供することである。
本発明に係る光学式エンコーダは、空間的インコヒーレントな光源と、第1の格子ピッチを有する振幅格子で構成され、光源からの光を空間的に振幅変調するための第1格子と、第2の格子ピッチを有する位相格子で構成され、第1格子からの光を空間的に位相変調するための第2格子と、第3の格子ピッチを有する振幅格子で構成され、第2格子からの光を空間的に振幅変調するための第3格子と、第3格子からの光を受光するための受光素子とを備え、各々の格子間の相対移動量を検出する。光の波長をλとして、第2の格子の山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/2であり、第1の格子ピッチ、第2の格子ピッチおよび第3の格子ピッチは同じピッチPであり、第1格子と第2格子との間の第1距離および第2格子と第3格子との間の第2距離が、実質的にP /(4×λ)の奇数倍に設定されていることが好ましい。
本発明において、第2の格子の山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/4であり、第2の格子ピッチはPであり、第1の格子ピッチおよび第3の格子ピッチは同じピッチ2Pであり、第1格子と第2格子との間の第1距離および第2格子と第3格子との間の第2距離が、実質的にP /λの奇数倍に設定されていることが好ましい。
また本発明において、第1格子と第2格子との間の第1距離は、第2格子と第3格子との間の第2距離と異なり、第1距離と第2距離の比率は、第1格子のピッチと第3格子のピッチとの比率と実質的に一致していることが好ましい。
また本発明において、第2格子は、山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/2に設定されていることが好ましい。
また本発明において、山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/4に設定されていることが好ましい。
また本発明において、第2格子は、デューティ比が実質的に50%である凹凸形状を有することが好ましい。
また本発明において、第2格子は、光路長差が実質的に正弦波状に変化している位相格子で構成されていることが好ましい。
また本発明において、第1格子、第2格子および第3格子は、ロータリー型のスケールであることが好ましい。
また本発明において、第1格子は、透過率の空間分布が正弦波状に変化していること
が好ましい。
また本発明において、複数の受光素子が第3の格子ピッチで離散的に配置されて、第3格子および受光素子が一体的に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、第2格子として位相格子を採用することによって、グレーティングイメージ(三格子法)の理論におけるOTFを向上でき、光の利用効率を格段に改善できる。
本発明の実施の形態1を示す構成図である。 第1格子の格子パターンの一例を示す平面図である。 第2格子の格子パターンの一例を示す部分断面図である。 第2格子の光路長差がλ/2で、Z1=Z2の場合のOTFと格子間距離との関係の一例を示すグラフである。 図5Aおよび図5Bは、第2格子として位相格子を用いた例を示し、図5Aは受光素子の出力信号の一例を示すグラフであり、図5Bは該出力信号の歪み成分を示すグラフである。 図6Aおよび図6Bは、第2格子として振幅格子を用いた比較例を示し、図6Aは受光素子の出力信号の一例を示すグラフであり、図6Bは該出力信号の歪み成分を示すグラフである。 図7Aおよび図7Bは、本発明の実施の形態2に従って光学距離Z1,Z2を変えた例を示し、図7Aは受光素子の出力信号の一例を示すグラフであり、図7Bは該出力信号の歪み成分を示すグラフである。 本発明の実施の形態3に係る第1格子の格子パターンの他の例を示す部分平面図である。 図9Aおよび図9Bは、図8に示す第1格子を用いた例を示し、図9Aは受光素子17の出力信号の一例を示すグラフであり、図9Bは該出力信号の歪み成分を示すグラフである。 第2格子の光路長差がλ/4で、Z1=Z2の場合のOTFの計算結果を示すグラフである。 N=2の条件下で、第2格子の光路長差(位相差θ)を変えた場合のOTFの計算結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態7を示す構成図である。 距離Z1を固定し、距離Z2を0〜2Tの範囲で変化させた場合に、N=2、光路長差λ/2の条件におけるOTFの計算結果を示すグラフである。 結像条件下での距離Z1,Z2とピッチP1,P3の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態8を示す構成図である。 本発明の実施の形態9を示す構成図である。 本発明の実施の形態10を示す構成図である。 本発明の実施の形態11を示す構成図である。
符号の説明
11 光源、 12 第1格子、 13,15 基板、 14 第2格子、 16 第3格子、 17 受光素子、 21,71 透過部、 22,72 非透過部。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す構成図である。光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17を構成要素として含む。
光源11は、LEDなど空間的にインコヒーレントな光源で構成され、中心波長λの空間的にインコヒーレントな光を放射する。
第1格子12は、透明な基板13上に金属薄膜などのパターニングによって形成され、格子ピッチP1を有する振幅格子を構成して、光源からの光を空間的に振幅変調している。図2の平面図に示すように、格子ピッチP1の半分(=(P1)/2)ごとに透過部21と非透過部22を交互に配置して、デューティ比50%の振幅格子を形成することが好ましい。
第2格子14は、透明な基板15の表面に周期的な凹凸加工を施すことによって形成され、格子ピッチP2を有する位相格子を構成して、第1格子12からの光を空間的に位相変調している。図3の断面図に示すように、格子ピッチP2の半分(=(P2)/2)ごとに山部と谷部を交互に配置して、デューティ比50%の位相格子を形成することが好ましい。また、山部と谷部の光路長差は、光の波長をλとして、λ/2(位相差π)に設定することが好ましい。これにより谷部を通過する光と山部を通過する光の位相差がπに維持されるため、グレーティングイメージ(三格子法)の理論におけるOTFを最大に設定できる。

第3格子16は、格子ピッチP3を有する振幅格子を構成して、第2格子14からの光を空間的に振幅変調している。図2に示した第1格子12と同様に、格子ピッチP3の半分(=(P3)/2)ごとに透過部と非透過部を交互に配置して、デューティ比50%の振幅格子を形成することが好ましい。
受光素子17は、フォトダイオード等で形成され、第3格子16を通過した光を電気信号に変換する。ここでは、第3格子16が受光素子17の受光面に一体的に設けられている。
第1格子12はハウジングなどに、また第3格子16は受光素子などに固定されており、一方、第2格子14は、光進行方向に交差するx方向に沿って移動可能に支持されている。
第1格子12から第2格子14までの光学距離をZ1、第2格子14から第3格子16までの光学距離をZ2とする。一例として、P1とP2とP3が等しく、かつZ1=Z2において、第1格子12に含まれる空間周波数成分が第3格子16上に結像される条件を満たす場合、第2格子14が格子ピッチP2の半周期(=(P2)/2)だけ移動すると、第3格子16上の光強度分布が一周期分移動する。そこで、第3格子16からの透過光を受光素子17で光電変換し、その信号強度の変化をカウントすることによって、第2格子14の相対移動量を検出することができる。
次に、グレーティングイメージ(三格子法)の理論に基づいた、第1格子12に含まれる空間周波数成分が第3格子16上に結像される条件の設計法について説明する。図1の構成例において、第3格子16上に結蔵される像の周波数特性およびそのコントラストは、OTF(光学伝達関数:Optical Transfer Function)を求めることにより知ることができる。OTFは、インパルス応答hの二乗のフーリエ変換で表現できることが知られており、下記の式(1)で表される。
Figure 0004427540
ここで、σ3(=1/P3)は、第3格子16上に結像される空間周波数、x1、x3は、図1における第1格子12と第3格子16のx座標をそれぞれ示す。
このOTFを、第2格子14の形状が、光路長差λ/2(位相差π)およびデューティ比50%の凹凸形状で、かつZ1=Z2の場合について計算すると、図4に示す結果が得られる。
図4において、縦軸は相対出力をDC成分で規格化したもの(OTF)であり、横軸は距離Z(=Z1=Z2)を、波長λと第2格子14のピッチP2で決定されるタルボット位置T(=(P2)/λ)で規格化したものである。図4の中のNは、下記式(2)で定義される結像条件のパラメータNに対応する。
Figure 0004427540
このNが整数となった時のみ、第1格子12に含まれる空間周波数が所定のOTFで第3格子16上に結像される。例えば、N=2の場合、Z1とZ2の距離がT/4の奇数倍の時に、約0.6のOTFでもって第3格子16上に像が結蔵される。このOTFは、第2格子14として振幅格子を用いた場合について非特許文献1に記載してあるOTF値の2倍に相当する。
従って、設計時のP1,P2、P3およびZ1、Z2やλなどのパラメータ選定は、上記式(2)のパラメータNに対応した結像条件と図4のOTFを満足するように、あらゆる組合せが可能となる。
一例として、P1=P2=P3でZ1=Z2であるN=2の場合について、具体的に説明する。光源11の波長λ=850nm、第1格子12の格子ピッチP1=64.7μm、第2格子14の格子ピッチP2=64.7μm、第3格子16の格子ピッチP3=64.7μmとし、Z1=Z2=1230μmとした場合(N=2)、受光素子17の出力信号を図5Aに示す。縦軸は信号強度(任意単位)を示し、横軸は第2格子14の位置(任意単位)を示す。ここで、Z1=Z2=1230μmは、T/4となる距離であり、図4より、N=2の条件下においてOTFが最大となる位置である。なお、図5Bは、位相検出の際の誤差要因となる該出力信号の歪み成分を示すグラフである。
比較例として、第1格子12と第3格子16、光学距離Z1,Z2、および波長λが同じ条件であるが、第2格子14として振幅格子を用いた場合の、受光素子17の出力信号を図6Aに示す。縦軸は信号強度(任意単位)を示し、横軸は第2格子14の位置(任意単位)を示す。ここで、この振幅格子は格子ピッチP2(=64.7μm)で、(P2)/2ごとに(デューティ比:50%)透過部と非透過部が交互に配置されている。なお、図6Bは、該出力信号の歪み成分を示すグラフである。
図5Aと図6Aを比較すると、両者とも第2格子14のピッチP2の半分である32.35μmピッチの出力信号が見られるが、信号のコントラストに関して、図6Aが17%であるのに比べて、図5Aでは38%という良好な波形を示している。なお、受光素子の出力結果から計算できる第3格子16上の強度分布のコントラストは、第3格子16のデューティ比が50%であることから、図5Aの場合、約60%となり、図4に示すOTFの演算結果とほぼ一致している。
このように第2格子14として位相格子を採用することによって、振幅格子と比べてOTFが二倍に改善し、受光素子からの出力信号のコントラストを向上させることができる。また位相格子では、透過部と非透過部をデューティ比50%で繰り返す振幅格子に比べ、透過光量が2倍となることから、光源からの出射光量の利用効率も向上させることができる。
ここでは、光学距離Z1,Z2をT/4=1230μmに設定した例を示したが、3つの格子ピッチP1,P2,P3が等しい場合にOTFが最大となる条件は、図4の結果より、光学距離Z1,Z2がT/4の奇数倍に設定した場合である。従って、上記の例において、光学距離Z1,Z2をT/4の奇数倍に設定した場合も同様の結果が得られる。また、Z1とZ2をT/4の奇数倍以外に設定した場合でも、出射光量の利用効率の向上と、図4に示すようにコントラスト向上の効果が得られる。
実施の形態2.
本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、光学距離Z1,Z2が実施の形態1と比べて相違している。
即ち、実施の形態1では、N=2の条件下において光学距離Z1,Z2をそれぞれ1230μmあるいはその奇数倍に設定しているが、本実施形態では、N=2の条件下において光学距離Z1,Z2をそれぞれ1050μmに設定している。
図7Aは、本実施形態における受光素子17の出力信号を示すグラフであり、図7Bは、該出力信号の歪み成分を示すグラフである。横軸はいずれも第2格子14の位置(任意単位)を示す。図7Aの縦軸は信号強度(任意単位)を示す。図7Bの縦軸は歪み成分を示し、これは出力信号と理想的な正弦波形とのずれ量をピーク−ピーク(peak-to-peak)値で規格化したものである。
図7Bを見ると、測定時の光の強度分布変動によるオフセットの変動が多少見られるが、図5Bおよび図6Bに示した位相格子および振幅格子を用いた場合の歪み成分と比較して、3次の高調波成分を低減できることが判る。
また、信号のコントラストに関して、図7Aは36%という良好な波形を示しており、図5Aとほぼ同程度のコントラストを実現できることが判る。
ここで、3次の高調波成分を低減できる理由について説明する。上述の例において、第1格子12として、格子ピッチP1、デューティ比=50%の矩形波状の透過率分布を有する振幅格子を用いている。この透過率分布をフーリエ級数を用いて空間周波数に分解すると、格子ピッチP1の基本周波数成分、周波数が3倍の3次周波数成分、周波数が5倍の5次周波数成分・・・、というように基本周波数成分と奇数次の高調波成分の合成となる。
グレーティングイメージ(三格子法)の理論では、空間周波数成分ごとにOTFが存在するため、結像条件によっては第1格子に含まれる高調波成分も、第3格子上に結像される。
実施の形態1と実施の形態2における相違点は、格子間の光学距離を変えることで高調波成分のOTFを変化させた点にある。即ち、実施の形態1では、高調波成分のOTFは0ではないが基本周波数成分のOTFが最大となるように調整しているのに対して、実施の形態2では、基本周波数成分のOTFは若干低下するものの、高調波成分のOTFを限りなく0に近づけて、信号歪み成分を抑制している。
このようにグレーティングイメージ(三格子法)の理論を用いて光学距離Z1,Z2を適切に調節することで、第1格子12として図2に示すような矩形波状の透過率分布を有する振幅格子を用いた場合でも、出力波形に含まれる歪み成分を格段に低減できる。
ここでは、Z1とZ2を1050μmに設定した例を示したが、これ以外の条件でも、不要の周波数成分を抑制することが可能であり、同様の効果が得られる。
実施の形態3.
本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、第1格子12の透過率分布が実施の形態1と比べて相違している。
即ち、実施の形態1および実施の形態2では、第1格子12として、格子ピッチP1、デューティ比=50%の矩形波状の透過率分布を有する振幅格子を用いているが、本実施形態では、格子ピッチP1で正弦波状の透過率分布を有する振幅格子を用いている
図8は、第1格子12の他の例を示す部分平面図である。第1格子12は、基本空間周波数である格子ピッチP1の正弦波状の空間形状を有する格子が複数配列して構成される。格子の非透過部32は、互いに逆相の2つの正弦波の間で規定されており、透過部31の開口幅はx方向に沿って正弦波状に変化している。こうした第1格子12に所定面積の光束が入射すると、正弦波状に空間振幅変調され、正弦波状の光強度分布を有する光が生成される。
第2格子14は、上述の実施形態と同様に、格子ピッチP2の半分(=(P2)/2)ごとに山部と谷部を交互に配置した、デューティ比50%の位相格子であり、第1格子12からの光を空間的に位相変調している。
第3格子16は、上述の実施形態と同様に、格子ピッチP3の半分(=(P3)/2)ごとに透過部と非透過部を交互に配置した、デューティ比50%の振幅格子であり、第2格子14からの光を空間的に振幅変調している。
一例としてλ=850nm、第1格子12の格子ピッチP1=64.7μm、第2格子14の格子ピッチP2=64.7μm、第3格子16の格子ピッチP3=64.7μmとし、Z1=Z2=1230μmとした場合(N=2におけるOTFが最大となる位置)、受光素子17の出力信号を図9Aに示す。縦軸は信号強度(任意単位)を示し、横軸は第2格子14の位置(任意単位)を示す。なお、図9Bは、該出力信号の歪み成分を示すグラフである。
これらのグラフを見ると、信号のコントラストは27%であり、第1格子12として矩形開口を用いた場合と比べて若干低下しているが、3次の高調波成分などの歪み成分は発生していない。
ここで、第1格子12の透過率が基本空間周波数で正弦波状に変化すると歪み成分が発生しない理由について説明する。グレーティングイメージ(三格子法)の理論によると、第3格子上の空間周波数成分のコントラストは、第1格子の各空間周波数成分と、第2格子や光学距離Z1,Z2などによるOTFで決定される。換言すると、入射面での空間周波数分布を決定する第1格子として、高次の成分を含まない格子、即ち、基本空間周波数で透過率が正弦波状に変化する格子を配置した場合、光学距離Z1,Z2の誤差などに起因して高調波成分のOTFがどのように変化しようとも、第3格子上には必ず基本空間周波数のみが結像される。
従って、第1格子として正弦波状の透過率分布を有する振幅格子を用いることによって、原理上、高調波成分は発生しなくなるため、Z1やZ2の格子間距離に変動が発生しても、信号コントラストはわずかに変動するが、基本空間周波数以外の高調波成分、即ち、歪み成分の無い出力信号が得られる。
なお、本実施形態では、図8に示すように第1格子12として正弦波状の格子を3個並べた例を示したが、透過部31を構成する格子数は1個でも2個でもよく、あるいは4個以上でも構わない。
実施の形態4.
本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、第2格子14の凹凸高さが実施の形態1と比べて相違している。
即ち、実施の形態1では、第2格子14の山部と谷部の光路長差をλ/2(位相差π)に設定しているが、本実施形態では、第2格子14の山部と谷部の光路長差をλ/4(位相差π/2)に設定している。なお、山部と谷部は、格子ピッチP2の半分(=(P2)/2)ごとに交互に配置して、デューティ比50%の位相格子を形成している点は同様である。
第2格子14の光路長差がλ/4で、Z1=Z2の場合のOTFの計算結果を図10に示す。図10において、縦軸は相対出力をDC成分で規格化したもの(OTF)であり、横軸は距離Z(=Z1=Z2)を、波長λと第2格子14のピッチP2で決定されるタルボット位置T(=(P2)/λ)で規格化したものである。第1格子12に含まれる空間周波数が所定のOTFで第3格子16上に結像するには、図10のOTFの計算結果と、前述のNの結像条件を満足する組み合わせであればどれでも良く、各格子のピッチや距離Zなど、あらゆる組み合わせが可能となる。
一例としてN=1の場合について述べると、結像条件の式よりP3がP2の2倍となり、かつZ1とZ2の距離がTの奇数倍であれば、約0.6のOTFで第三格子上に像が結蔵される。この時のP1はP3と等しくなる。ここで得られた約0.6のOTFは、図4に示すOTF最大値と同等なものとなる。
実施の形態5.
本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、第2格子14の凹凸高さが実施の形態1および実施の形態4と比べて相違している。
即ち、実施の形態1では、第2格子14の山部と谷部の光路長差をλ/2(位相差π)に設定し、実施の形態4では、第2格子14の山部と谷部の光路長差をλ/4(位相差π/2)に設定しているが、本実施形態では、第2格子14の山部と谷部の光路長差を、λ/2(位相差π)、λ/4(位相差π/2)以外の光路長差に設定している。なお、山部と谷部は、格子ピッチP2の半分(=(P2)/2)ごとに交互に配置して、デューティ比50%の位相格子を形成している点は同様である。
N=2の条件下で、第2格子14の光路長差(位相差θ)を変えた場合のOTFの計算結果を図11に示す。図11において、縦軸は相対出力をDC成分で規格化したもの(OTF)であり、横軸は距離Z(=Z1=Z2)を、波長λと第2格子14のピッチP2で決定されるタルボット位置T(=(P2)/λ)で規格化したものである。
光路長差が3λ/8(θ=3π/4)の場合、図11に示すように、光路長差λ/2(θ=π)に比べOTFは若干劣化するが、同じN=2の振幅格子の場合のOTF(約0.3)より上回っている。従って、Nの結像条件とOTFの演算結果より、ピッチや距離、及び第2格子14の光路長差の組み合わせによって、振幅格子に比べ光量は2倍でコントラストを向上させることが可能である。
実施の形態6.
本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、第2格子14として、凹凸形状のデューティ比(格子ピッチP2に対する谷部の割合)が50%以外の値、例えば40%や30%などのデューティ比を有する位相格子を使用している。また、第2格子14の山部と谷部の光路長差も、λ/2(位相差π)、λ/4(位相差π/2)あるいはこれら以外の光路長差に設定している。
この場合も、Nの結像条件とOTFより、ピッチや距離、及び第二格子のデューティ比と光路長差の組み合わせによって、振幅格子に比べ、光量は2倍でコントラストを向上させることが可能である。
実施の形態7.
図12は、本発明の実施の形態7を示す構成図である。本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、第1格子12から第2格子14までの距離Z1および第2格子14から第3格子16までの距離Z2が実施の形態1と比べて相違している。
距離Z1を0.8×T/4、0.9×T/4、T/4、1.4×T/4、2.3×T/4、3.0×T/4のいずれかに固定して、距離Z2を0〜2Tの範囲で変化させた場合に、N=2、光路長差λ/2の条件におけるOTFの計算結果を図13に示す。ここで、Tは、波長λと第2格子14のピッチP2で決定されるタルボット位置(=(P2)/λ)である。
ここで、グレーティングイメージ(三格子法)の理論においては、Z1とZ2の比率に応じて、下記の式(3)の関係を満足しつつ、第1格子の像が拡大または縮小される。
Figure 0004427540
例えば、Z1=0.9×T/4の場合、図14に示すように、Z1とZ2の比率に応じて、空間周波数σ3(=1/P3)とσ1(=1/P1)が変化する。即ち、第1格子12のピッチP1と第3格子16のピッチP3が、Z1とZ2の比率に応じて変化する。
一例として、λ=850nm、P2=64.7μmでZ1=1.1mmの場合、Z2=2.2mmにおいて、OTFは、図13より約0.6となり、この時のP3とP1のピッチは、図14よりP3=97.2μm、P1=48.6μmとなる。即ち、48.6μmの第1格子12の像が2倍に拡大されて、第3格子16上に結像されることになる。
このような構成によれば、第3格子上の像が拡大されることから、コントラストと光量の向上と共に、第3格子のアライメントが容易になるというメリットがある。
なお、上述の例は光路長差λ/2における一例であるが、OTFとNの結像条件、及びZ1とZ2の比率などから求められる空間周波数の各条件を満足できれば、どのような組み合わせでも、拡大または縮小の系を構成することができる。また、光路長差を例えばλ/4のようにλ/2以外とした場合でも、OTFとNの結像条件、及びZ1とZ2の比率などから求められる空間周波数の各条件を満足できれば、どのような組み合わせでも、拡大または縮小の系を構成することができる。
実施の形態8.
図15は、本発明の実施の形態8を示す構成図である。本実施形態は、実施の形態1と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成されるが、第2格子14として光路長差が正弦波状に変化する位相格子を使用している。
この場合も上述と同様に、OTFの計算結果と結像条件に応じて、ピッチや距離Zなどの設計パラメータを組み合わせることで、第3格子16上に第1格子12の像を結像させることが可能である。
例えば、N=1で、第2格子14の山の頂点部と谷の底部の光路長差がλ/4(位相差π/2)の時、Z1=Z2=Tの位置にて、OTFが約0.6となり、振幅格子に比較してコントラストを改善することができ、また光量も2倍となる。
また、図15では、第2格子14として光路長差が正弦波状に変化する位相格子を例に示したが、例えば、三角波形や階段状の波形など、周期的な位相分布を持つ位相格子であれば良く、光量を振幅格子に比べ二倍にすることができ、またコントラストの改善効果も期待できる。
実施の形態9.
図16は、本発明の実施の形態9を示す構成図である。上述した各実施形態では、理解容易のために、格子をリニア形状としたリニアエンコーダの場合を例示したが、本発明は、所定の角度ピッチを有する格子を放射状に配置したロータリーエンコーダへの適用も可能である。
本実施形態の光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成される。第2格子14は、中心軸Cの周りに角変位可能なように支持される。
光源11は、LEDなどで構成され、中心波長λの空間的にインコヒーレントな光を放射する。光源11の光軸Qは、中心軸Cと平行で、中心軸Cから半径Raの位置に位置決めされる。
第1格子12は、透明な基板13上に金属薄膜などのパターニングによって形成され、光軸Qが交差する位置において格子ピッチP1を有する振幅格子型のロータリースケールを構成して、光源からの光を空間的に振幅変調している。図2と同様に、格子ピッチP1の半分(=(P1)/2)ごとに透過部21と非透過部22を交互に配置して、デューティ比50%の扇形の振幅格子を形成することが好ましい。
第2格子14は、中心軸Cの周りに回転可能な円板状に形成された透明な基板15の表面に、周期的な凹凸加工を施すことによって形成され、光軸Qが交差する位置において格子ピッチP2を有する位相格子型のロータリースケールを構成して、第1格子12からの光を空間的に位相変調している。図3の断面図に示すように、格子ピッチP2の半分(=(P2)/2)ごとに山部と谷部を交互に配置して、デューティ比50%の扇形の位相格子を形成することが好ましい。また、谷部を基準とした山部の高さは、光の波長をλとして、λ/2に設定することが好ましい。これにより谷部を通過する光と山部を通過する光の位相差がπに維持されるため、グレーティングイメージ(三格子法)の理論におけるOTFを最大に設定できる。
第3格子16は、光軸Qが交差する位置において格子ピッチP3を有する振幅格子型のロータリースケールを構成して、第2格子14からの光を空間的に振幅変調している。図2に示した第1格子12と同様に、格子ピッチP3の半分(=(P3)/2)ごとに透過部と非透過部を交互に配置して、デューティ比50%の扇形の振幅格子を形成することが好ましい。
受光素子17は、フォトダイオード等で形成され、第3格子16を通過した光を電気信号に変換する。ここでは、第3格子16が受光素子17の受光面に一体的に設けられている。
第1格子12はハウジングなどに、また第3格子16は受光素子などに固定されており、一方、第2格子14は、光軸Qと直交する円周方向に角変位可能なように支持される。
ここで、第1格子12から第2格子14までの光学距離をZ1、第2格子14から第3格子16までの光学距離をZ2とし、上述した直線変位における格子ピッチの代わりに光軸Qと直交する位置での格子ピッチを使用することによって、ロータリーエンコーダにおけるOTFを算出することができ、上述のようなグレーティングイメージ(三格子法)の理論を適用することができる。
一例として、Z1=Z2で、第1格子12に含まれる空間周波数成分が第3格子16上に結像される条件がN=2の場合、第2格子14が格子ピッチP2の半周期(=(P2)/2)だけ角変位すると、第3格子16上の光強度分布が一周期分移動する。そこで、第3格子16からの透過光を受光素子17で光電変換し、その信号強度の変化をカウントすることによって、第2格子14の相対角変位量を検出することができる。
なお、上述の例は光路長差λ/2における一例であるが、OTFとNの結像条件を満足できれば、どのような組み合わせでも、ロータリーエンコーダを構成することができる。また、光路長差を例えばλ/4のようにλ/2以外とした場合でも、OTFとNの結像条件を満足できれば、どのような組み合わせでも、ロータリーエンコーダを構成することができる。
実施の形態10.
図17は、本発明の実施の形態10を示す構成図である。上述した各実施形態では、理解容易のために、第2格子14として透過型の位相格子を使用した例を示したが、本発明は、第2格子14として反射型の位相格子を使用した場合にも適用可能である。
本実施形態の光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源11と、第1格子12と、第2格子14と、第3格子16と、受光素子17などで構成され、各格子12,14,16のスリット方向を紙面垂直方向に設定し、第2格子14の移動方向を紙面に平行な上下方向に設定している。光源11からの光は、第1格子12を斜めに通過し、第2格子14で斜めに反射し、第3格子16を斜めに通過して、受光素子17に到達する。Z1,Z2は、光進行方向に沿った距離で定義される。
このとき、第2格子14の段差を、透過型位相格子の半分に設定すれば、上述したグレーティングイメージ(三格子法)の理論が同様に適用可能である。例えば、透過型の第2格子14における山部と谷部の光路長差がλ/2(位相差π)の場合、反射型の第2格子14における山部と谷部の光路長差はλ/4(位相差π/2)となる。他の例として、透過型の第2格子14における山部と谷部の光路長差がλ/4(位相差π/2)の場合、反射型の第2格子14における山部と谷部の光路長差はλ/8(位相差π/4)となる。
このように第2格子14として反射型の位相格子を使用した場合、光源11および第1格子12と、第3格子16および受光素子17とを第2格子14に関して同じ側に配置できるため、全体構成のコンパクト化が図られる。
実施の形態11.
図18は、本発明の実施の形態11を示す構成図である。本実施形態は、前の実施形態と同様に、第2格子14として反射型の位相格子を使用しているが、各格子12,14,16のスリット方向を紙面に平行な上下方向に設定し、第2格子14の移動方向を紙面垂直方向に設定している。光源11からの光は、第1格子12を斜めに通過し、第2格子14で斜めに反射し、第3格子16を斜めに通過して、受光素子17に到達する。Z1,Z2は、光進行方向に沿った距離で定義される。
こうした構成においても上述したグレーティングイメージ(三格子法)の理論が同様に適用される。また、光源11および第1格子12と、第3格子16および受光素子17とを第2格子14に関して同じ側に配置しているため、全体構成のコンパクト化が図られる。
上述の各実施形態において、第1格子12および第3格子16を固定し、第2格子14が移動する例を示したが、第2格子14を固定し、第1格子12および第3格子16が移動するように構成しても構わない。また、第1格子12に対して、第2格子14および第3格子16を相対的に移動させる構成や、第3格子16に対して、第1格子12と第2格子14を相対的に移動させる構成としても、信号を得ることができる。
また、各実施形態において、第1格子12として透過率が矩形波状または正弦波状に変化する格子を使用した例を示したが、後方の結像面において所望の強度分布(空間周波数分布)が得られるように、第1格子12の透過率分布は適宜設定可能である。
また、各実施形態において、第3格子16のデューティ比を50%に設定した例を示したが、50%以外でもよく、所望の出力が得られるように、第3格子16の透過率分布は適宜設定可能である。
また、各実施形態において、第3格子16を遮光スリットで構成した例を示したが、第3格子16の開口形状に対応した複数の受光素子を格子ピッチP3で離散的に配置して、これらの受光素子からの出力を加算してもよく、これにより第3格子16および受光素子17が一体的に形成可能であり、組立て作業の簡略化、部品点数の削減に資する。
また、各実施形態において、格子12,14,16の光通過面に反射防止コーティングを施すことによって、光量損失を低減できる。この場合、位相差などの光学設計において、コーティング膜厚が考慮される。
また、各実施形態において、光源11からの光を直接に第1格子12に入射させた例を示したが、光源11と第1格子12との間に所定の拡散角を有する拡散板を介在させて、拡散光を第1格子12に入射させるように構成しても構わない。この場合、拡散板の拡散角を調整することによって、受光素子17の受光エリアから外れる光量を低減して、光利用効率を向上できる。
本発明によれば、光源から受光素子までのOTFが向上して、光の利用効率を格段に改善できるため、高性能でコンパクトな光学式エンコーダを実現できる。

Claims (10)

  1. 空間的インコヒーレントな光源と、
    第1の格子ピッチを有する振幅格子で構成され、光源からの光を空間的に振幅変調するための第1格子と、
    第2の格子ピッチを有する位相格子で構成され、第1格子からの光を空間的に位相変調するための第2格子と、
    第3の格子ピッチを有する振幅格子で構成され、第2格子からの光を空間的に振幅変調するための第3格子と、
    第3格子からの光を受光するための受光素子とを備え、
    各々の格子間の相対移動量を検出す光学式エンコーダであって、
    光の波長をλとして、第2の格子の山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/2であり、
    第1の格子ピッチ、第2の格子ピッチおよび第3の格子ピッチは同じピッチPであり、
    第1格子と第2格子との間の第1距離および第2格子と第3格子との間の第2距離が、実質的にP /(4×λ)の奇数倍に設定されていることを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 空間的インコヒーレントな光源と、
    第1の格子ピッチを有する振幅格子で構成され、光源からの光を空間的に振幅変調するための第1格子と、
    第2の格子ピッチを有する位相格子で構成され、第1格子からの光を空間的に位相変調するための第2格子と、
    第3の格子ピッチを有する振幅格子で構成され、第2格子からの光を空間的に振幅変調するための第3格子と、
    第3格子からの光を受光するための受光素子とを備え、
    各々の格子間の相対移動量を検出す光学式エンコーダであって、
    光の波長をλとして、第2の格子の山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/4であり、
    第2の格子ピッチはPであり、第1の格子ピッチおよび第3の格子ピッチは同じピッチ2Pであり、
    第1格子と第2格子との間の第1距離および第2格子と第3格子との間の第2距離が、実質的にP /λの奇数倍に設定されていることを特徴とする光学式エンコーダ。
  3. 空間的インコヒーレントな光源と、
    第1の格子ピッチを有する周期構造で構成され、光源からの光を空間的に振幅変調するための第1格子と、
    第2の格子ピッチを有する位相格子で構成され、第1格子からの光を空間的に位相変調するための第2格子と、
    第3の格子ピッチを有する周期構造で構成され、第2格子からの光を空間的に振幅変調するための第3格子と、
    第3格子からの光を受光するための受光素子とを備え、
    各々の格子間の相対移動量を検出す光学式エンコーダであって、
    第1格子と第2格子との間の第1距離は、第2格子と第3格子との間の第2距離と異なり、
    第1距離と第2距離の比率は、第1格子のピッチと第3格子のピッチとの比率と実質的に一致していることを特徴とする光学式エンコーダ。
  4. 第2格子は、光の波長をλとして、山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/2に設定されていることを特徴とする請求項3記載の光学式エンコーダ。
  5. 第2格子は、光の波長をλとして、山部と谷部にて発生する光路長差が実質的にλ/4に設定されていることを特徴とする請求項3記載の光学式エンコーダ。
  6. 第2格子はデューティ比が実質的に50%である凹凸形状を有すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
  7. 第2格子は、光路長差が実質的に正弦波状に変化している位相格子で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
  8. 第1格子、第2格子および第3格子は、ロータリー型のスケールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
  9. 第1格子は、透過率の空間分布が正弦波状に変化していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
  10. 複数の受光素子が第3の格子ピッチで離散的に配置されて、第3格子および受光素子が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
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