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JP4420767B2 - ニッケル・水素蓄電池 - Google Patents

ニッケル・水素蓄電池 Download PDF

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Description

この発明は、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池に係り、特に、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)が0.1以上である水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池において、アルカリ電解液の量を少なくして容量を高めた場合においても、十分なサイクル寿命が得られるようにした点に特徴を有するものである。
近年、アルカリ蓄電池としては、高容量で環境安全性にも優れているという点から、負極活物質に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
そして、このようなニッケル・水素蓄電池が各種のポータブル機器に使用されるようになり、このニッケル・水素蓄電池をさらに高性能化させることが期待されている。
ここで、このニッケル・水素蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金に、CaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金や、Ti,Zr,V
及びNiを含むラーベス相系の水素吸蔵合金等が一般に使用されていた。
しかし、これらの水素吸蔵合金は、水素吸蔵能力が必ずしも十分であるとはいえず、ニッケル・水素蓄電池の容量をさらに高容量化させることが困難であるという問題があった。
そして、近年においては、上記の希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金にMg等を含有させて、水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を向上させたCaCu5型以外の結晶構造を有
する水素吸蔵合金を用いるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかし、上記のようなCaCu5型以外の結晶構造を有する水素吸蔵合金は、CaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金に比べて酸化されやすく、アルカリ電解液と反応して、アルカリ電解液が消費されるという問題があった。
特に、近年においては、ニッケル・水素蓄電池におけるエネルギー密度を高めて高容量化させるために、ニッケル・水素蓄電池における正極及び負極の量を増やす一方、アルカリ電解液の量を少なくすることが行われており、このようなニッケル・水素蓄電池において上記のような水素吸蔵合金を用いると、アルカリ電解液が消費されて不足し、サイクル寿命が大きく低下するという問題があった。
また、このようなニッケル・水素蓄電池において、添加するアルカリ電解液の量を多くすると、正極において発生した酸素ガスが負極に導かれにくくなって、酸素ガスが負極において消費されるのが抑制され、これによりニッケル・水素蓄電池の内圧が上昇して、アルカリ電解液が電池内から噴出するという問題もあった。
特開平11−323469号公報 特開2002−164045号公報
この発明は、希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金にMg等を含有させて、水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を向上させたCaCu5型以外の結晶構造を有する水素吸蔵合金を
負極に使用したニッケル・水素蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、この発明は、上記のような水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池において、アルカリ電解液が消費されるのを抑制し、アルカリ電解液の量を少なくした場合においても、十分なサイクル寿命が得られるようにすることを課題とするものである。
この発明におけるニッケル・水素蓄電池においては、上記のような課題を解決するため、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池において、上記の水素吸蔵合金として、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)が0.1以上であるCaCu 5 型以外の結晶構造を有する第1の水素吸蔵合金を用いると共に、マンガンを構成元素として含む第2の水素吸蔵合金を用い、上記の第1の水素吸蔵合金に対するマンガンの量が0.07〜1.0wt%の範囲になるようにしたのである。
また、上記のようにニッケル・水素蓄電池内にマンガンを含有させるにあたっては、上記の第1の水素吸蔵合金に対するマンガンの量を0.3〜0.6wt%の範囲にすることが好ましい。
ここで、この発明におけるニッケル・水素蓄電池において、上記の負極に用いる水素吸蔵合金としては、例えば、組成式RE1-xMgxNiyAlza(式中、REは希土類元素、Mは希土類元素、Mg、Ni及びAl以外の元素であり、0.10≦x≦0.30、2.8≦y≦3.6、0<z≦0.30、3.0≦y+z+a≦3.6の条件を満たす。)で表わされるものを用いることができる。特に、この発明におけるニッケル・水素蓄電池においては、上記の負極における水素吸蔵合金に、構成元素としてコバルトを含んでいる水素吸蔵合金を用いた場合に有効である。
また、上記のマンガンを構成元素として含む第2の水素吸蔵合金としては、特に、平均粒径が35μm以下のものを用いることが好ましい。
この発明においては、上記のように正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池において、上記の水素吸蔵合金として、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)が0.1以上である水素吸蔵合金を用いるようにしたため、CaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金を用いた場合に比べて、高容量のニッケル・水素蓄電池が得られるようになる。
また、この発明におけるニッケル・水素蓄電池のように、このニッケル・水素蓄電池内にマンガンを含有させると、充放電によってこのマンガンがセパレータに析出し、これによりセパレータにおけるアルカリ電解液の保液性能が向上して、アルカリ電解液が消費されるのが抑制されるようになる。
また、上記のようにニッケル・水素蓄電池内にマンガンを含有させるにあたり、含有させるマンガンの量が多くなりすぎると、上記の水素吸蔵合金の耐食性が低下するため、この発明においては、水素吸蔵合金に対してマンガンの量が1.0wt%以下になるようにし、好ましくは、水素吸蔵合金に対してマンガンの量が0.3〜0.6wt%の範囲になるようにする。
この結果、この発明におけるニッケル・水素蓄電池においては、上記のようにマンガンがセパレータに析出して、セパレータにおけるアルカリ電解液の保液性能が向上し、アルカリ電解液が消費されるのが抑制されると共に、水素吸蔵合金の耐食性が低下するのも防止され、十分なサイクル寿命が得られるようになる。
また、負極における水素吸蔵合金に、構成元素としてコバルトを含む水素吸蔵合金を用いた場合、充放電時において、アルカリ電解液中に溶出したコバルトが徐々にセパレータに析出し、これにより正極と負極とが微小短絡を起こし、放電容量が次第に低下してサイクル寿命が悪化するが、この発明におけるニッケル・水素蓄電池のようにマンガンを含有させると、コバルトよりも導電性の低いマンガンがセパレータに析出して、コバルトがセパレータに析出するのが抑制され、放電容量が低下するのが防止されて、サイクル寿命も向上する。
また、この発明におけるニッケル・水素蓄電池のように、負極中に添加させるマンガン化合物として、マンガンを構成元素とする第2の水素吸蔵合金を用いると、このマンガンを構成元素とする水素吸蔵合金自体も充放電に寄与するようになり、負極にマンガンや他のマンガン化合物を加える場合に比べて、容量や特性の低下が抑制され、また負極の水素吸蔵合金に、マンガンを構成元素とする水素吸蔵合金だけを用いた場合に比べても、水素吸蔵合金における耐食性等の特性の低下が少なくなる。また、負極中に添加させるマンガンを構成元素とする水素吸蔵合金として、その平均粒径が35μm以下のものを用いると、この水素吸蔵合金粒子の表面積が大きくなって、マンガンの溶解及びセパレータへの析出が促進され、サイクル寿命が向上されるようになる。
以下、この発明の実施例に係るニッケル・水素蓄電池について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例におけるニッケル・水素蓄電池においては、サイクル寿命が向上することを明らかにする。なお、この発明におけるニッケル・水素蓄電池は、特に下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
参考例1
参考例1においては、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coと、Mnとを、La:Pr:Nd:Zr:Mg:Ni:Al:Co:Mn=0.17:0.33:0.33:0.01:0.17:2.97:0.20:0.10:0.03のモル比になるように混合し、これを高周波誘導溶解した後、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットをアルゴン雰囲気中において950℃の温度で熱処理した後、これを大気中において乳鉢を用いて粉砕し、これをふるいを用いて分級し、粒径が25〜75μmの範囲になったLa0.17Pr0.33Nd0.33Zr0.01Mg0.17Ni2.97Al0.20Co0.10Mn0.03の組成からなるMnを構成元素として含む水素吸蔵合金粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金粉末においては、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が0.53wt%になっていた。
また、このように作製した水素吸蔵合金粉末について、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定装置(リガク社製:RINT2000)を用い、スキャンスピード2°/min,スキャンステップ0.02°,走査範囲20°〜80°の範囲でX線回折測定を行い、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)を求めたところ、強度比I/Iは0.77であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
次いで、上記の水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤のポリエチレンオキシドを0.5重量部、ポリビニルピロリドンを0.6重量部の割合で加え、これらを混合させてスラリーを調製し、このスラリーをニッケル鍍金を施したパンチングメタルからなる導電性芯体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して、負極に用いる水素吸蔵合金電極を作製した。
一方、正極を作製するにあたっては、水酸化ニッケル100重量部に対して、結着剤のヒドロキシプロピルセルロースを0.1重量部の割合で加え、これらを混合させてスラリーを調製し、このスラリーをニッケル発泡体に充填し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して非焼結式ニッケル極からなる正極を作製した。
また、セパレータとしてはポリプロピレン製の不織布を使用し、アルカリ電解液としては、KOHとNaOHとLiOHとが10:1:2の重量比で含まれる30wt%のアルカリ電解液を使用して、設計容量が1500mAhになった図1に示すような円筒型のニッケル・水素蓄電池を作製した。
ここで、この参考例1のニッケル・水素蓄電池を作製するにあたっては、図1に示すように、正極1と負極2との間にセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させると共に、この電池缶4内に上記のアルカリ電解液を2.4g注液した後、電池缶4と正極蓋6との間に絶縁パッキン8を介して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、上記の絶縁パッキン8により電池缶4と正極蓋6とを電気的に分離させた。また、上記の正極蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
(比較例1)
比較例1においては、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを、La:Pr:Nd:Zr:Mg:Ni:Al:Co=0.17:0.33:0.33:0.01:0.17:3.00:0.20:0.10のモル比になるように混合し、その後は、上記の参考例1の場合と同様にして、粒径が25〜75μmの範囲になったLa0.17Pr0.33Nd0.33Zr0.01Mg0.17Ni3.00Al0.20Co0.10の組成からなるMnを含まない水素吸蔵合金粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金粉末においては、水素吸蔵合金にMnを含有させないようにした。
また、この水素吸蔵合金粉末について、上記の参考例1の場合と同様にして、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)を求めたところ、強度比I/Iは0.69であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の参考例1の場合と同様にして、比較例1のニッケル・水素蓄電池を作製した。
(比較例2)
比較例2においては、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coと、Mnとを、La:Pr:Nd:Zr:Mg:Ni:Al:Co:Mn=0.17:0.33:0.33:0.01:0.17:2.94:0.20:0.10:0.06のモル比になるように混合し、その後は、上記の参考例1の場合と同様にして、粒径が25〜75μmの範囲になったLa0.17Pr0.33Nd0.33Zr0.01Mg0.17Ni2.94Al0.20Co0.10Mn0.06の組成からなるMnを構成元素として含む水素吸蔵合金粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金粉末においては、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が1.07wt%になっていた。
また、この水素吸蔵合金粉末について、上記の参考例1の場合と同様にして、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)を求めたところ、強度比I/Iは0.62であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の参考例1の場合と同様にして、比較例2のニッケル・水素蓄電池を作製した。
次に、上記のようにして作製した参考例1及び比較例1,2の各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ150mAの電流で16時間充電させた後、300mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、各ニッケル・水素蓄電池を活性化させた。
そして、このように活性化させた参考例1及び比較例1,2の各ニッケル・水素蓄電池を解体し、それぞれセパレータにおけるアルカリ電解液の保持率、セパレータにおけるMn量を測定し、その結果を下記の表1に示した。
ここで、セパレータにおけるアルカリ電解液の保持率については、それぞれニッケル・水素蓄電池中に保持されている全てのアルカリ電解液の量を求め、この全てのアルカリ電解液の量に対してセパレータに保持されているアルカリ電解液の量の比率を算出し、これを保持率(%)として示した。
また、セパレータにおけるMn量を求めるにあたっては、ニッケル・水素蓄電池中におけるセパレータを水洗し、乾燥させた後、真空雰囲気中において、蛍光X線分析装置(島津製作所社製:EDX−800)を用いてMnに対応するピーク強度(cps)を求め、これをMn量として示した。
Figure 0004420767
この結果、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が0.53wt%になった水素吸蔵合金粉末を使用した参考例1のニッケル・水素蓄電池は、Mnが含まれていない水素吸蔵合金粉末を使用した比較例1のニッケル・水素蓄電池や、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が1.07wt%になった水素吸蔵合金粉末を使用した比較例2のニッケル・水素蓄電池に比べて、セパレータにおけるアルカリ電解液の保持率が高くなっていた。
次に、上記のようにして参考例1及び比較例1,2の各ニッケル・水素蓄電池を活性化させた後、各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ1500mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて1時間放置させた後、1500mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて1時間放置し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、ニッケル・水素蓄電池における放電容量が1サイクル目の放電容量の60%に低下するまでのサイクル数を求めた。そして、上記の比較例1のニッケル・水素蓄電池におけるサイクル数を100とした指数で、各ニッケル・水素蓄電池におけるサイクル寿命を下記の表2に示した。
また、上記のようにして参考例1及び比較例1,2の各ニッケル・水素蓄電池に対して150サイクルの充放電を行った後、各ニッケル・水素蓄電池を解体して、それぞれ負極を取り出し、各水素吸蔵合金中における酸素濃度を測定し、その結果を下記の表2に示した。
Figure 0004420767
この結果、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が0.53wt%になった水素吸蔵合金粉末を使用した参考例1のニッケル・水素蓄電池は、Mnが含まれていない水素吸蔵合金粉末を使用した比較例1のニッケル・水素蓄電池や、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が1.07wt%になった水素吸蔵合金粉末を使用した比較例2のニッケル・水素蓄電池に比べて、サイクル寿命が向上していた。
また、水素吸蔵合金全体の質量に対するMnの量が1.07wt%になった水素吸蔵合金粉末を使用した比較例2のニッケル・水素蓄電池においては、150サイクル後の水素吸蔵合金中における酸素濃度が高くなっており、水素吸蔵合金が腐食してサイクル寿命が大きく低下したと考えられる。
参考例2,3及び比較例3)
参考例2,3及び比較例3においては、希土類元素のPr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを、Pr:Nd:Zr:Mg:Ni:Al:Co=0.41:0.41:0.01:0.17:3.03:0.17:0.10のモル比になるように混合し、その後は、上記の参考例1の場合と同様にして、粒径が25〜75μmの範囲になったPr0.41Nd0.41Zr0.01Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10の組成からなるMnを含まない水素吸蔵合金粉末を得た。
また、この水素吸蔵合金粉末について、上記の参考例1の場合と同様にして、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)を求めたところ、強度比I/Iは0.73であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末に対して、参考例2においてはマンガン化合物のLiMn24を0.5wt%、参考例3においてはLiMn24を1.0wt%加える一方、比較例3においては、マンガン化合物を加えないようにした。なお、上記のように水素吸蔵合金粉末に対してマンガン化合物のLiMn24を添加させた場合、参考例2においては上記の水素吸蔵合金に対するMnの量が0.3wt%、参考例3においては上記の水素吸蔵合金に対するMnの量が0.6wt%になっている。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末又は上記の水素吸蔵合金粉末に対してマンガン化合物のLiMn24を添加させたものを用いる以外は、上記の参考例1の場合と同様にして、参考例2,3及び比較例3の各ニッケル・水素蓄電池を作製した。
また、このように作製した参考例2,3及び比較例3の各ニッケル・水素蓄電池についても、上記の参考例1及び比較例1,2の各ニッケル・水素蓄電池の場合と同様にして活性化させた後、それぞれ1500mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて1時間放置させた後、1500mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて1時間放置し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、ニッケル・水素蓄電池における放電容量が1サイクル目の放電容量の60%に低下するまでのサイクル数を求めた。
そして、上記の比較例3のニッケル・水素蓄電池におけるサイクル数を100とした指数で、各ニッケル・水素蓄電池におけるサイクル寿命を下記の表3に示した。
また、上記の参考例2及び比較例3のニッケル・水素蓄電池については、上記のようにして活性化後における第1回目の放電容量Q1を求め、次いで、1500mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて、これを60℃で3日間放置させた後、上記のように1500mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、この放電容量Q2を求め、下記の式により放電容量Q1に対する放電容量Q2の容量維持率(%)を求め、その結果を表3に合わせて示した。
容量維持率(%)=(Q2/Q1)×100
Figure 0004420767
この結果、上記の水素吸蔵合金粉末に対して、Mn量が1.0wt%以下になるようにしてLiMn24を添加させた参考例2,3の各ニッケル・水素蓄電池は、Mnが添加されていない水素吸蔵合金粉末を用いた比較例3のニッケル・水素蓄電池に比べて、サイクル寿命が向上していた。また、上記の放電容量Q1に対する放電容量Qの容量維持率も、水素吸蔵合金粉末に対してLiMn24を添加させた参考例2のニッケル・水素蓄電池の方が、Mnが添加されていない水素吸蔵合金粉末を用いた比較例3のニッケル・水素蓄電池に比べて高くなっていた。
なお、水素吸蔵合金粉末に対して、Mnの量が0.3wt%になるようにしてLiMn24を添加させた参考例2のニッケル・水素蓄電池に比べて、水素吸蔵合金粉末に対して、Mnの量が0.6wt%になるようにしてLiMn24を添加させた参考例3のニッケル・水素蓄電池におけるサイクル寿命が若干低下していたのは、アルカリ電解液中に溶解した過剰のMnが上記の水素吸蔵合金に移動して析出し、これにより上記の水素吸蔵合金の耐食性が低下したためであると考えられる。
実施例1〜3及び比較例4)
実施例1〜3及び比較例4においては、負極に用いる水素吸蔵合金を製造するにあたり、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを、La:Pr:Nd:Zr:Mg:Ni:Al:Co=0.17:0.41:0.24:0.01:0.17:3.03:0.17:0.10のモル比になるように混合し、これを高周波誘導溶解した後、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットをアルゴン雰囲気中において950℃の温度で熱処理した後、これを大気中において乳鉢を用いて粉砕し、これをふるいを用いて分級して、平均粒径が65μmになったLa0.17Pr0.41Nd0.24Zr0.01Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10の組成からなるMnを含まない水素吸蔵合金粉末Aを得た。
そして、このように作製した水素吸蔵合金粉末Aについて、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定装置(リガク社製:RINT2000)を用い、スキャンスピード2°/min,スキャンステップ0.02°,走査範囲20°〜80°の範囲でX線回折測定を行い、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)を求めたところ、強度比I/Iは0.76であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
また、実施例1〜3においては、負極に添加させるマンガンを構成元素とする水素吸蔵合金を製造するにあたり、Laと、Ceと、Prと、Ndと、Niと、Alと、Coと、Mnとを、La:Ce:Pr:Nd:Ni:Al:Co:Mn=0.80:0.14:0.04:0.02:3.89:0.29:0.90:0.10のモル比になるように混合し、これを高周波誘導溶解した後、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
次いで、この水素吸蔵合金のインゴットをアルゴン雰囲気中において950℃の温度で熱処理した後、これを大気中において乳鉢を用いて粉砕し、これをふるいを用いて分級して、La0.80Ce0.14Pr0.04Nd0.02Ni3.89Al0.29Co0.90Mn0.10からなるMnを含む組成で、平均粒径が55μmになった水素吸蔵合金粉末B1と平均粒径が35μmになった水素吸蔵合金粉末B2とを得た。
そして、実施例1では上記の水素吸蔵合金粉末Aと水素吸蔵合金粉末B1とを95:5の重量比で、実施例2では上記の水素吸蔵合金粉末Aと水素吸蔵合金粉末B2とを95:5の重量比で、実施例3では上記の水素吸蔵合金粉末Aと水素吸蔵合金粉末B1とを90:10の重量比で、比較例4では上記の水素吸蔵合金粉末Aだけを用いるようにした。なお、負極に用いる水素吸蔵合金粉末Aに対するMnの量は、下記の表4に示すように、実施例1及び実施例2では0.07wt%、実施例3では0.14wt%になっている一方、比較例4ではMnが含まれていない。
そして、上記の各水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、それぞれ結着剤のポリエチレンオキシドを0.5重量部、ポリビニルピロリドンを0.6重量部の割合で加え、これらを混合させてスラリーを調製し、このスラリーをニッケル鍍金を施したパンチングメタルからなる導電性芯体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して、負極に用いる各水素吸蔵合金電極を作製した。
一方、正極を作製するにあたっては、上記の参考例1の場合と同様に、水酸化ニッケル100重量部に対して、結着剤のヒドロキシプロピルセルロースを0.1重量部の割合で加え、これらを混合させてスラリーを調製し、このスラリーをニッケル発泡体に充填し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して非焼結式ニッケル極からなる正極を作製した。
また、セパレータとしてはポリプロピレン製の不織布を使用し、アルカリ電解液としては、KOHとNaOHとLiOHとが10:1:2の重量比で含まれる30wt%のアルカリ電解液を使用した。
そして、上記の参考例1の場合と同様にして、図1に示すような円筒型で設計容量が2100mAhになった実施例1〜3及び比較例4の各ニッケル・水素蓄電池を作製した。
そして、このように作製した実施例1〜3及び比較例4の各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ210mAの電流で16時間充電させた後、420mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、各ニッケル・水素蓄電池を活性化させた。
次いで、このように活性化させた実施例1〜3及び比較例4の各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ2100mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて20分間放置させた後、2100mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて10分間放置し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、ニッケル・水素蓄電池における放電容量が1サイクル目の放電容量の60%に低下するまでのサイクル数を求めた。
そして、上記の比較例4のニッケル・水素蓄電池におけるサイクル数を100とした指数で、各ニッケル・水素蓄電池におけるサイクル寿命を下記の表4に示した。
Figure 0004420767
この結果、負極におけるMnを含まない水素吸蔵合金粉末Aに対して、Mnを含む水素吸蔵合金粉末B1,B2を添加させた実施例1〜3の各ニッケル・水素蓄電池は、Mnを含む水素吸蔵合金粉末B1,B2を添加させていない比較例4のニッケル・水素蓄電池に比べて、サイクル寿命が向上していた。
また、実施例1〜3の各ニッケル・水素蓄電池を比較した場合、水素吸蔵合金粉末Aに対して添加させるMnの量が0.14wt%と多くなった実施例3のニッケル・水素蓄電池の方が、添加させるMnの量が0.07wt%である実施例1,2のニッケル・水素蓄電池よりもサイクル寿命がさらに向上していた。
また、水素吸蔵合金粉末Aに対するMn量が同じになった実施例1,2のニッケル・水素蓄電池を比較した場合、水素吸蔵合金粉末Aに対してMnを構成元素とする水素吸蔵合金粉末B1,B2を添加させるにあたり、平均粒径の小さい水素吸蔵合金粉末B2を添加させた実施例2のニッケル・水素蓄電池の方が、平均粒径の大きい水素吸蔵合金粉末B1を添加させた実施例1のニッケル・水素蓄電池よりもサイクル寿命が向上していた。
参考例4〜8及び比較例5)
参考例4〜8及び比較例5においては、負極に用いる水素吸蔵合金を製造するにあたり、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合とほぼ同様にして、粒径が25〜75μmの範囲になったLa0.17Pr0.41Nd0.24Zr0.01Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10の組成からなるMnを含まない水素吸蔵合金粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金粉末も、上記の実施例1〜3及び比較例4の水素吸蔵合金粉末Aと同様に、上記の強度比I/Iは0.76であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
そして、このように作製した水素吸蔵合金粉末に対して、参考例4〜8ではマンガン又はマンガン化合物を添加させるようにし、参考例4ではMnを0.50wt%、参考例5ではMnOを0.50wt%、参考例6ではMn23を0.50wt%、参考例7ではLiMnO2を0.50wt%、参考例8ではLi0.29Mn24を0.50wt%の割合で添加させる一方、比較例5では何も添加させないようにした。なお、上記の水素吸蔵合金粉末に対するMnの量は、参考例4では0.50wt%、参考例5では0.32wt%、参考例6では0.35wt%、参考例7では0.29wt%、参考例8では0.31wt%になっている。
そして、上記のように水素吸蔵合金粉末に対してマンガン又はマンガン化合物を添加させたものや、マンガン又はマンガン化合物を添加させていない水素吸蔵合金粉末だけを用いる以外は、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合と同様にして、図1に示すような円筒型で設計容量が2100mAhになった参考例4〜8及び比較例5の各ニッケル・水素蓄電池を作製した。
次いで、このように作製した参考例4〜8及び比較例5の各ニッケル・水素蓄電池を、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合と同様に、それぞれ210mAの電流で16時間充電させた後、420mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて活性化させた。
そして、このように活性化させた参考例4〜8及び比較例5の各ニッケル・水素蓄電池を、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合と同様に、それぞれ2100mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて20分間放置させた後、2100mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて10分間放置し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、ニッケル・水素蓄電池における放電容量が1サイクル目の放電容量の60%に低下するまでのサイクル数を求めた。
そして、上記の比較例5のニッケル・水素蓄電池におけるサイクル数を100とした指数で、各ニッケル・水素蓄電池におけるサイクル寿命を下記の表5に示した。
Figure 0004420767
この結果、負極におけるMnを含まない水素吸蔵合金粉末に対して、マンガン又はマンガン化合物を添加させた参考例4〜8の各ニッケル・水素蓄電池は、マンガン又はマンガン化合物を添加させていない比較例5のニッケル・水素蓄電池に比べて、サイクル寿命が向上していた。
参考例9,10及び比較例6)
参考例9,10及び比較例6においては、負極に用いる水素吸蔵合金を製造するにあたり、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alとを、La:Pr:Nd:Zr:Mg:Ni:Al=0.17:0.33:0.33:0.01:0.17:3.10:0.20のモル比になるように混合し、これを高周波誘導溶解した後、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットをアルゴン雰囲気中において950℃の温度で熱処理した後、これを大気中において乳鉢を用いて粉砕し、これをふるいを用いて分級して、粒径が25〜75μmの範囲になったLa0.17Pr0.33Nd0.33Zr0.01Mg0.17Ni3.10Al0.20の組成からなるMn及びCoを含まない水素吸蔵合金粉末を得た。
そして、このように作製した水素吸蔵合金粉末について、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定装置(リガク社製:RINT2000)を用い、スキャンスピード2°/min,スキャンステップ0.02°,走査範囲20°〜80°の範囲でX線回折測定を行い、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)を求めたところ、強度比I/Iは0.73であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末に対して、参考例9においてはマンガン化合物のLiMn24を0.25wt%、参考例10においてはLiMn24を0.50wt%加える一方、比較例6においては、マンガン化合物を加えないようにした。なお、上記のように水素吸蔵合金粉末に対してマンガン化合物のLiMn24を添加させた場合、参考例9においては上記の水素吸蔵合金に対するMnの量が0.15wt%、参考例10においては上記の水素吸蔵合金に対するMnの量が0.30wt%になっている。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末又は上記の水素吸蔵合金粉末に対してマンガン化合物のLiMn24を添加させたものを用いる以外は、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合と同様にして、図1に示すような円筒型で設計容量が2100mAhになった参考例9,10及び比較例6の各ニッケル・水素蓄電池を作製した。
次いで、このように作製した参考例9,10及び比較例6の各ニッケル・水素蓄電池を、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合と同様に、それぞれ210mAの電流で16時間充電させた後、420mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて活性化させた。
そして、このように活性化させた参考例9,10及び比較例6の各ニッケル・水素蓄電池を、上記の実施例1〜3及び比較例4の場合と同様に、それぞれ2100mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて20分間放置させた後、2100mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて10分間放置し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、ニッケル・水素蓄電池における放電容量が1サイクル目の放電容量の60%に低下するまでのサイクル数を求めた。
そして、上記の比較例6のニッケル・水素蓄電池におけるサイクル数を100とした指数で、各ニッケル・水素蓄電池におけるサイクル寿命を下記の表6に示した。
Figure 0004420767
この結果、負極に用いるMn及びCoを含まない水素吸蔵合金粉末に対して、LiMn24を添加させた参考例9,10の各ニッケル・水素蓄電池においても、上記の参考例2,3のニッケル・水素蓄電池の場合と同様に、LiMn24を添加させていない比較例6のニッケル・水素蓄電池に比べて、サイクル寿命が向上していた。
また、水素吸蔵合金の組成は異なるが、参考例10のニッケル・水素蓄電池と参考例2のニッケル・水素蓄電池とを比較した場合、Coを含む水素吸蔵合金粉末を用いた参考例2のニッケル・水素蓄電池の方が、Coを含まない水素吸蔵合金を用いた参考例10のニッケル・水素蓄電池よりもサイクル寿命が大きく向上していた。
この発明の実施例、参考例及び比較例において作製したニッケル・水素蓄電池の概略断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極リード
6 正極蓋
7 負極リード
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子
10 コイルスプリング

Claims (4)

  1. 正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池において、上記の水素吸蔵合金として、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度(I)との強度比(I/I)が0.1以上であるCaCu 5 型以外の結晶構造を有する第1の水素吸蔵合金を用いると共に、マンガンを構成元素として含む第2の水素吸蔵合金を用い、上記の第1の水素吸蔵合金に対するマンガンの量が0.07〜1.0wt%の範囲であることを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
  2. 請求項1に記載したニッケル・水素蓄電池において、上記の第1の水素吸蔵合金に対して、上記の第2の水素吸蔵合金の平均粒径が小さいことを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
  3. 請求項1又は請求項2に記載したニッケル・水素蓄電池において、上記の第2の水素吸蔵合金の平均粒径が35μm以下であることを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載したニッケル・水素蓄電池において、上記の第1の水素吸蔵合金にマンガンが含有されていないことを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
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