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JP4414789B2 - 伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置 - Google Patents

伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置 Download PDF

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JP4414789B2
JP4414789B2 JP2004061181A JP2004061181A JP4414789B2 JP 4414789 B2 JP4414789 B2 JP 4414789B2 JP 2004061181 A JP2004061181 A JP 2004061181A JP 2004061181 A JP2004061181 A JP 2004061181A JP 4414789 B2 JP4414789 B2 JP 4414789B2
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Description

本発明は、伝動ベルト用プーリ及びベルト伝動装置に関する。
平ベルトを用いた伝動装置においては、平ベルトが走行中に蛇行したり、プーリの片側に寄る片寄り走行をすることがある。これは、平ベルトが、他の伝動ベルトに比べて、プーリ軸の正規位置からのずれや、軸荷重の変化によるプーリ軸のたわみ、プーリの揺れなど、伝動装置構成要素の変化に敏感なためである。このような蛇行・片寄り走行を生じた場合、平ベルトが平プーリのフランジに接触して、該平ベルト側面の毛羽立ちや心線のほつれを生ずる。
この問題に対して、平プーリの外周面にクラウンをつける(中高曲面に形成する)ことが知られている。また、プーリ外周面のクラウンを該プーリの回転中心を中心とする球状に形成するという提案もある(特許文献1参照)。これは、平ベルトの左側部と右側部とに張力差を生じてプーリ軸が傾き、それに伴って平ベルトがプーリ上で片寄ったときに、平ベルトの張力によってプーリに回転モーメントが働くことを利用して、プーリ軸の傾き及び平ベルトの片寄りを解消せんとするものである。
また、平プーリの外周面に多数の溝を周方向に間隔をおいて形成したものが知られている(特許文献2参照)。すなわち、その溝は、プーリの幅中央から両側へ「く」の字状になるように対称に延びたものであり、平ベルトとプーリとの間に平ベルトを中央に寄せるような摩擦力を発生させることにより、該ベルトの蛇行ないしは片寄りを防止するようにしている。
さらに、平ベルトの両側にガイドローラを配置し、この平ベルトの走行位置を規制することも知られている(特許文献3参照)。
実開昭59−45351号公報 特開平6−307521号公報 実公昭63−6520号公報
しかし、プーリにクラウンを形成する場合、平ベルトの走行安定性(蛇行や片寄りの防止)を重要視してクラウンの曲率半径を小さくすれば、ベルトの幅中央に応力が集中し、ベルト幅全体を伝動に有効に利用することができず、心線の早期疲労及び伝動能力の低下を招く。
また、プーリのクラウンを該プーリの回転中心を中心とする球状に形成した場合、仮に伝動ベルトの片寄り防止の効果が高まるとしても、プーリのクラウンによってベルトの幅中央に応力が集中するという問題は依然として残る。
また、平プーリに上述の如き溝加工をすると、該平プーリの製造コストが高くなり、しかも、溝加工だけでは平ベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することは難しい。
さらに、平ベルトの両側にガイドローラ等を配置してその走行位置を規制する方式を採用すると、平ベルトの両側がそのような規制部材に常時接触することになるため、その側面のほころび、心線のほつれを生じ易くなる。従って、それらを防止するための平ベルトに特殊な加工を施すことが必要になり、平ベルトの製造コスト低減に不利になる。
以上のような理由から、平ベルト伝動装置は、Vベルトなど他のベルトに比べて、ベルトの曲げによるロスが少なく伝動効率が非常に高いにも拘わらず、十分に活用されていないのが実情である。
そこで、本発明は、平ベルト、その他の伝動ベルトの蛇行や片寄りを確実に防止することができるようにして、ベルト伝動装置を各種の産業機械、その他の機器に有効利用できるようにせんとするものである。
本発明は、伝動ベルトの片寄りを生じたときに、この伝動ベルトの張力によってプーリ軸にかかる軸荷重の位置が変化することを利用してプーリを変位させ、伝動ベルトの片寄り走行・蛇行を防止するようにした。
すなわち、本発明の伝動ベルト用プーリは、伝動ベルトが巻き掛けられるプーリ本体と、上記プーリ本体を回転中心軸周りに回転自在に支持する軸部材と、上記軸部材を上記プーリ本体と共に、上記回転中心軸に直交する枢軸周りに揺動自在に支持する支持手段と、上記伝動ベルトの走行方向の切り替わりに応じて、上記軸荷重の方向に対する枢軸の傾倒方向を切り替える切替手段と、を備え、上記枢軸は、上記軸部材にかかる軸荷重の方向を基準として、上記伝動ベルトが上記プーリ本体に接触して走行する方向の手前側に所定の傾倒角で傾倒している。
この伝動ベルト用プーリによれば、伝動ベルトがプーリ本体上で片寄って、軸荷重が枢軸の位置からプーリ本体幅方向の片側にずれて軸部材に作用するようになると、その軸荷重によって、この軸部材に枢軸を中心とする回転モーメントが働き、この軸部材がプーリ本体と共に枢軸回りに回転変位する。
上記枢軸は、伝動ベルトの走行方向の手前側に所定の傾倒角で傾倒しているため、上記プーリ本体は、少なくとも上記伝動ベルトが片寄った側とは反対側が高くなるように傾斜し、それによってプーリ本体から伝動ベルトに当該片寄りを戻す力が働く。よって、伝動ベルトは、上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。
つまり、上記プーリ本体の、上記伝動ベルトの片寄りに対する傾斜方向は、伝動ベルトの走行方向及び上記枢軸の傾倒方向に対応する。このため、伝動ベルトの走行方向が逆方向に切り替わったときには、上記枢軸の傾倒方向を軸荷重方向を挟んだ逆方向に切り替えなければ、換言すれば、枢軸の傾倒方向を軸荷重の方向を基準としてベルト走行方向の手前側にしなければ、伝動ベルトが片寄ったときにその伝動ベルトに当該片寄りを助長する力が働くことになる。つまり、上記枢軸の傾倒方向が一方向に固定されているときは、伝動ベルトの走行方向が一方向に定められてしまう。
本発明のプーリは、切替手段によって、伝動ベルトの走行方向の切り替わりに応じて上記枢軸の傾倒方向を切り替える。このことによって、その枢軸は常に、軸荷重の方向を基準として上記伝動ベルトの走行方向の手前側に傾倒することになり、プーリの正転・逆転の何れにおいても、上記伝動ベルトは上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置で走行する。
上記枢軸の傾倒角は、0度を超え90度を超えない角度範囲に設定することが好ましい。
上記傾倒角が90度である場合、すなわち、枢軸が軸荷重の方向と直交している場合、プーリ本体は、伝動ベルトが片寄った側が軸荷重の方向に移動するように回転変位することになる。つまり、軸荷重の方向で高低をみれば、伝動ベルトが片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように傾斜する。言わば、プーリ本体の外周面がクラウンと同様に傾斜した状態となる。これにより、伝動ベルトには上記片寄り方向とは反対の方向の戻し力が働く。従って、伝動ベルトは、上記プーリ本体の傾斜による戻し力と、当該ベルト伝動装置の特性によって伝動ベルトに作用する片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。仮に伝動ベルトが大きく片寄ることがあっても、その伝動ベルトは上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置に戻される。
上記傾倒角が90度未満である場合、伝動ベルトに片寄りを生じたときのプーリ本体の回転変位には、上記軸荷重の方向の成分だけでなく、軸荷重方向に直交する前後方向(上記伝動ベルトが上記プーリ本体に接触して走行している方向)の成分が加わる。つまり、プーリ本体は軸荷重方向に傾斜するだけでなく、伝動ベルトに対して斜交いになって接触した状態になる。
そうして、上記枢軸は上記軸荷重方向を基準として上記ベルト走行方向の手前側に傾倒しているから、伝動ベルトに片寄りを生じたときには、プーリ本体は伝動ベルトが片寄ってきた側がベルト走行方向の先側になった斜交い状態になる。このプーリ本体が斜交い状態で回転することにより、伝動ベルトにはプーリ本体から上記片寄りを戻す方向の力が与えられる。
結局、上記傾倒角が0度を超え且つ90度未満である場合は、伝動ベルトに片寄りを生じたとき、この伝動ベルト用プーリには、プーリ本体が軸荷重の方向に高低差を生ずるように傾斜することによる戻し力と、プーリ本体が伝動ベルトに対して斜交いになることによる戻し力との双方が働くことになる。そうして、この両戻し力の合力と、当該ベルト伝動装置の特性によって伝動ベルトに作用する片寄り力とがつり合う位置で伝動ベルトが走行することになる。
上記傾斜による戻し力と上記斜交いによる戻し力とでは、後者の方が片寄り防止効果が高い。
従って、好ましいのは、上記傾倒角を0度を超え90度未満とすることである。さらに好ましいのは、上記斜交いによる戻し力を有効に利用するために、上記傾倒角を0度を超え45度以下とすることである。一方、上記傾倒角が0度近くになると、上述の枢軸を中心とする回転モーメントが発生しにくくなる。従って、さらに好ましいのは、上記傾倒角を5度以上45度以下、或いは10度以上30度以下とすることである。
上記軸部材は筒状とし、上記支持手段は、上記筒状の軸部材に挿入された支持ロッドと、該軸部材の筒内面と上記支持ロッドの外面との間で上記軸部材及び支持ロッドの双方に係合して上記枢軸を構成するピンと、を含むものとし、上記切替手段は、上記支持ロッドを上記回転中心軸周りに回動可能に保持する保持部材と、上記支持ロッドを、上記伝動ベルトの走行方向に応じて、上記枢軸がそのベルト走行方向の手前側に上記傾倒角で傾倒するように、所定の回動角度だけ回動させる回動機構と、を含むものとしてもよい。
この構成によれば、上記枢軸は、軸部材の筒内面と支持ロッドの外面との間で、その軸部材及び支持ロッドの双方に係合するピンによって構成されるから、上記回動機構が支持ロッドを回動させると、それに伴い上記ピンが上記回転中心軸周りに回動し、その結果、上記枢軸の傾倒角度が変更される。
従って、上記回動機構が、上記伝動ベルトの走行方向に応じて、上記支持ロッドを所定の回動角度だけ回動させることによって、軸荷重の方向に対する枢軸の傾倒方向が変更される。つまり、回動機構によって、枢軸はベルト走行方向の手前側に所定の傾倒角で傾倒することになる。
上記回動機構は、上記プーリ本体の両側に配置され、該プーリ本体から逸れた上記伝動ベルトが接触したときに上記伝動ベルトの動力を回動力として上記支持ロッドに伝える伝動部材と、上記支持ロッド及び保持部材に設けられかつ、上記支持ロッドが上記所定の回動角度だけ回動した際に互いに係合して上記支持ロッドがそれ以上に回動することを規制する係合突起及び係合凹溝、又は係合凹溝及び係合突起と、を含むものとしてもよい。
上記伝動ベルトがプーリ本体から逸れて伝動部材に接触すると、該伝動部材に伝動ベルトの動力(走行力)が加わり、この伝動部材を介して支持ロッドに回動力が与えられる。それによって支持ロッドは、回転中心軸周りに回動するが、支持ロッド及び保持部材に設けられた係合突起及び係合凹溝、又は係合凹溝及び係合突起が互いに係合することによって、その回動は、所定の回動角度だけ回動した時点で規制される。上記支持ロッドの回動方向は、伝動ベルトとの接触側がベルト走行方向の奥側に進み、その接触側とは逆側がベルト走行方向の手前側に進む方向であるため、上記枢軸はその走行方向の手前側に傾倒することになる。こうして、伝動ベルトの走行方向の切り替わりに応じて、軸荷重の方向に対する枢軸の傾倒方向が、自動的に所望の方向に切り替えられる。
本発明のベルト伝動装置は、上述の如きプーリが伝動ベルトに張力を付与するように押し当てられている装置である。
従って、伝動ベルトに対して安定した張力を与えながら、該伝動ベルトの蛇行や片寄り走行を防止することができ、伝動ベルトの伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。
伝動ベルトとしては、平ベルト、歯付ベルト(タイミングベルト)などその種類は問わない。平ベルトの場合は、その内面(伝動面)及び外面(背面)のいずれをプーリ本体に接触させるようにしてもよいが、歯付ベルトでは外面(背面)をプーリ本体に接触させることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、プーリ本体を軸部材にて回転中心軸周りに回転自在に支持し、支持手段によってこの軸部材をプーリ本体と共に上記回転中心軸と直交する枢軸周りに揺動自在に支持し、上記枢軸を、軸荷重の方向を基準としてベルト走行方向の手前側に傾倒したから、伝動ベルトがプーリ本体上で片寄ったときに、プーリ本体を少なくとも傾斜した状態にすることができ、簡単な構造で伝動ベルトの片寄り走行や蛇行を速やかに且つ確実に解消することができる。
また、伝動ベルトの走行方向の切り替わりに応じて、切替手段によって上記軸荷重の方向に対する枢軸の傾倒方向を切り替えるから、プーリの正転・逆転の何れにおいても、伝動ベルトの片寄り走行や蛇行が速やかに且つ確実に解消することができ、プーリの用途範囲が広がる。
また、支持手段を支持ロッドとピンとを含むものとし、切替手段を保持部材と回動機構と、を含むものとし、その回動機構をプーリ本体の両側に配置した伝動部材と係合突起及び係合凹溝とを含むものとしたから、伝動ベルトが伝動部材に接触すると、支持ロッドが回転中心軸周りに所定の回動角度だけ回動して、上記枢軸の傾倒方向を自動的に切り替えることができる。
また、伝動ベルト用プーリが伝動ベルトに張力を付与するように押し当てられているベルト伝動装置によれば、伝動ベルトの走行方向に拘らず、伝動ベルトに対して安定した張力を与えながら、該伝動ベルトの蛇行や片寄り走行を防止することができ、伝動ベルトの伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。このベルト伝動装置は、伝動ベルトの走行方向が切り替わる装置とすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すベルト伝動装置において、1は駆動プーリ(平プーリ)、2は従動プーリ(平プーリ)であり、この両プーリ1,2に伝動ベルト(平ベルト)3が巻き掛けられ、この伝動ベルト3に張力を付与すべく伝動ベルト用プーリ4が伝動ベルト3の背面に押し当てられている。
プーリ4は、図2,3に示すように、伝動ベルト3が巻き掛けられる円筒状のプーリ本体5と、このプーリ本体5をベアリング12によって回転中心軸C1周りに回転自在に支持する筒状の軸部材11と、プーリ本体5及び軸部材11を揺動自在に支持する支持手段7と、伝動ベルトの走行方向の切り替わりに応じて、後述する枢軸C2の傾倒方向を切り替える切替手段20と、を備えている。支持手段7は、支持ロッド8とピン9とを備えて構成され、切替手段20は、上記支持ロッド8を保持する保持部材31と支持ロッド8を回動させる回動機構とを備えて構成され、回動機構は、プーリ本体5の両側に配置された2つの伝動部材6,6と、係合突起21及び係合凹溝22とを備えて構成される。
上記支持ロッド8は、当該ベルト伝動装置が設けられるハウジング等の保持部材31に保持される被保持部8aと、該被保持部8aの一端に続いて設けられ筒状軸部材11の筒孔に挿入された支持部8bとからなる。被保持部8aは、断面円形状のロッドである。これに対し、支持部8bは、断面円形ロッドの直径方向に対応する部位をD字状にカットして形成されたものであり、このDカットによって、図3,5に示すように、互いに平行になった平坦な摺動面8c,8cが形成されている。
従って、支持部8bは、図5,6に示すように、相対応する平坦な摺動面8c,8cと、この摺動面8c,8cの側縁同士を結ぶ両サイドの円弧面とを備えて、断面形状が略長方形状になっている。
一方、軸部材11の筒孔は、支持ロッド8の支持部8bの断面形状に対応して断面略長方形状に形成されている。すなわち、軸部材11の内面には、支持ロッド8の摺動面8c,8cが摺動自在に接触する平坦な摺動面11a,11aが相対向するように形成され、また、この摺動面11a,11aの両側縁を結ぶ両サイドの円弧面が形成されている。
支持手段7のピン9は、支持ロッド8の支持部8bに形成された貫通孔に嵌められ、該ピン9の両端は軸部材11に形成された支持孔に嵌められている。ピン9はプーリ本体5の幅の中央付近に配置され、支持ロッド8の摺動面8cに直交している。
そうして、支持ロッド8の支持部8bの両サイドの円弧面と軸部材11の筒孔の両サイドの円弧面との間に、ピン9によって構成される枢軸C2周りに軸部材11がプーリ本体5と共に揺動することを許容する隙間15,15が形成されている。
図3に示すように、伝動部材6の一方は、軸部材11と一体に成形されていて、該軸部材11の一端から遠心方向にフランジ状に張り出している。他方の伝動部材6は、軸部材11の他端に結合されていて、該他端から延伸方向にフランジ状に張り出している。
伝動部材6,6の周縁部にはベルト受け部13,13が円筒状に形成され、該ベルト受け部13,13の外側縁には遠心方向に張り出したフランジ14,14が形成されている。ベルト受け部13は、プーリ本体5のベルト巻き掛け面と面一になったベルト接触面13aを備えている。このベルト接触面13aは、プーリ本体5から離れるに従ってプーリ本体5のベルト巻き掛け面よりも遠心方向に高くなるように傾斜している。
支持ロッド8の被保持部8aは、図3,4に示すように、保持部材31に形成された断面円形状の保持孔32に内挿され、ベアリング33,33によって回転中心軸C1周りに回動可能に保持されている。上記被保持部8aは、その外周面に嵌め入れられたピンによって形成された、径方向の外方に突出する係合突起21を有している。
上記保持孔32の内周面において上記係合突起21に対応する位置には、その内周面から凹設された係合凹溝22が形成されていて、係合凹溝22は周方向に所定の角度範囲に亘って延びている。この角度範囲は、後述する枢軸C2の傾倒角αに対応しており、上記支持ロッド8が回動したときに、係合突起21と係合凹溝22とが互いに係合することによって、その回動角度を上記軸部材11にかかる軸荷重方向を中心とした傾倒角αの2倍の角度に規制している(図4参照)。
上記伝動ベルト用プーリ4は、図5に示すように、軸荷重(伝動ベルト3の張力によって軸部材11に係る荷重)Lの方向を基準としてピン9(枢軸C2)をベルト走行方向Aの手前側に所定の傾倒角αだけ傾倒させて使用される。このとき、支持ロッド8の被保持部8aにおいては、係合突起21と係合凹溝22とが係合した状態にあり、上記支持ロッド8は、上記傾倒角αを拡大する方向に回動することが規制されている。傾倒角αは、0度を超え90度を超えない角度範囲に設定されることが好ましい。また、傾倒角αは90度としてもよい。
図5に示す使用形態において、図7に示すように、プーリ本体5の幅の中央付近に掛かっていた伝動ベルト3が鎖線で示す如くプーリ本体5の中央からその片側へ寄ると、軸荷重はピン9の位置からプーリ本体5の片側にずれて軸部材11に作用するようになる。これにより、軸部材11にピン9を中心とする回転モーメントが働き、この軸部材11がプーリ本体5と共にピン9の回りに回転変位する。
すなわち、図6に支持ロッド8の支持部8b、ピン9及び軸部材11を示すように、軸荷重の方向がピン9と平行であるとき(L0のとき)は、伝動ベルト3がプーリ本体5の中央からその片側へ寄ったとしても、このピン9周りの回転モーメントは発生しない。これに対して、軸荷重の方向がピン9の方向に対して角度αだけ傾いたLになると、伝動ベルト3がプーリ本体5の中央からその片側へ寄ったときに、その分力L1によってピン9周りの回転モーメントが発生し、軸部材11は回転変位することになる。上記角度αは、軸荷重Lの方向を基準とするピン9の傾倒角αに相当する。
そうして、図5の場合は、軸荷重Lによって、プーリ本体5が傾倒したピン9周りに回転変位することにより、プーリ本体5は、図7(平面図)に示すように、伝動ベルト3が片寄ってきた側がベルト走行方向の先側になるようにこの伝動ベルト3に対して斜交い状態になり、また、図8(図3のVIII矢視図)に示すように、伝動ベルト3が片寄ってきた側が低く、反対側が高くなるように軸荷重Lの方向において傾斜する。図5,7,8ではプーリ本体5が回転変位した状態を鎖線で示している。
従って、伝動ベルト3には、プーリ本体5が斜交い状態になることによる戻し力(片寄りを戻す力)と、プーリ本体5が傾斜することによる戻し力とが働き、これによって、伝動ベルト3の当該片寄りが防止される。すなわち、伝動ベルト3は、プーリ本体5が斜交いになり且つ傾斜することによる戻し力と、当該ベルト伝動装置の特性によって伝動ベルト3に作用する片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。仮に伝動ベルト3が大きく片寄ることがあっても、この伝動ベルト3は上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置に戻される。
また、支持ロッド8及び筒状軸部材11の摺動面8c,11aが軸荷重によって接触し、この両摺動面8c,11a間に適度の摺動抵抗が働く。よって、伝動ベルト3がプーリ本体5の中央付近を走行しているときに、プーリ本体5が伝動ベルト3の走行振動等によって微小揺動することが避けられるとともに、伝動ベルト3に片寄りを生じたときに、プーリ本体5が過敏に反応して回転変位し、それによって、プーリ本体5が左右に小刻みに揺動するハンチングを生ずることが防止される。
そして、伝動ベルト3の走行方向が、図9の上図に示すA方向から、逆方向のB方向に切り替わったとする。このとき、枢軸C2の傾倒方向は変更されていない、換言すると枢軸C2は軸荷重Lの方向を基準として、ベルト走行方向Bの奥側に傾倒した状態であるとする。この状態で、上記伝動ベルト3がプーリ本体5の幅の中央付近からその片側へ寄ったときにも、ピン9周りの回転モーメントが発生し、軸部材11は回転変位することになるが、枢軸C2の傾倒方向がベルト走行方向Bの奥側であるため、上記プーリ本体5は、上述したのとは逆に、伝動ベルト3が片寄ってきた側と逆側がベルト走行方向の先側になるようにこの伝動ベルト3に対して斜交い状態になり、また、伝動ベルト3が片寄ってきた側が高く、反対側が低くなるように軸荷重Lの方向において傾斜する。その結果、伝動ベルト3には、プーリ本体が斜交い状態及び傾斜することによる片寄りを助長する力が働く。そうして伝動ベルト3は、プーリ本体5から逸れて片側の伝動部材6のベルト受け部13に接触することになる。
伝動ベルト3が伝動部材6のベルト受け部13に接触すると、その伝動部材6には、回転中心軸C1周りの回動力が与えられる。これによって、上記支持ロッド8は、伝動ベルト3がプーリ本体5に巻き掛けられている側(図9における下側)がベルト走行方向Bに進み、その逆側(図9における上側)がB方向とは逆方向に進むよう回動する。つまり、上記支持ロッド8は、図9における反時計回りに、係合突起21と係合凹溝22とが互いに係合するまで回動する。それによって、図9の下図に示すように、枢軸C2は、軸荷重Lの方向を基準としてベルト走行方向Bの手前側に所定の傾倒角αだけ傾倒することになり、その後は、伝動ベルト3は、上述したように上記戻し力と片寄り力とがつり合う位置で走行することになる。
このように上記伝動ベルト用プーリ4は、伝動ベルト3の走行方向に拘らず、伝動ベルト3の片寄り走行や蛇行を速やかに且つ確実に解消することができる。
また、仮に伝動ベルト3にプーリ本体5から大きく逸れるような異常な外力が働いても、伝動ベルト3は伝動部材6のフランジ14に当たり、伝動ベルト用プーリ4から脱落することが防止される。尚、上述の如く、伝動ベルト3の片寄り走行や蛇行はプーリ本体5の回転変位によって防止されるから、伝動ベルト3がフランジ14に接触することは殆どなく、フランジ14は省略することも可能である。
また、上記実施形態の如く、プーリ4をテンションプーリとして使用すると、伝動ベルト3に対して安定した張力を与えることができ、伝動ベルト3の伝動能力を十分に発揮させる上で有利になる。
尚、プーリ本体5の外周面には緩やかなクラウンを付けるようにしてもよい。クラウンが緩やかであれば、伝動ベルト3に大きな負荷がかかることは避けられる。
また、上記実施形態では、伝動部材6のベルト受け部13が円筒状に形成されているが、伝動ベルト3がプーリ本体5に巻き掛けられている側にのみ、円弧状に形成して設けてもよい。
また、上記実施形態の如くベルト受け部13を円筒状に形成する場合は、伝動部材6を軸部材11に対して回転自在に設け、伝動ベルト3が伝動部材6に接触したときに伝動部材6が回転するようにすれば、伝動ベルト3の摩耗を極力抑える上で有利になる。その場合、伝動ベルト3が伝動部材6に接触したときに、ベルト走行力の一部が支持ロッド8の回転力に変換されるように、伝動部材6は支持ロッド8よりも回転抵抗を大きくする。
伝動部材の回転抵抗を大きくする手段としては、例えば、伝動部材の回転を発電に利用する発電手段を設けて回転抵抗を発生させる、伝動部材に永久磁石を取り付けて磁力によって回転抵抗を発生させる、伝動部材にフィンを取り付け、当該回転力を風力に変換させて回転抵抗を発生させる、等がある。
また、ベルト走行方向の切り替わりに応じて支持ロッド8を所定の回動角度だけ回動させる回動機構は、伝動部材6、係合突起21、係合凹溝22等からなる上記実施形態の機構に限るものではない。また、ベルト走行方向の切り替わりに応じて枢軸C2の傾倒方向を切り替える切替手段も、上記実施形態の如く支持ロッド8を回動させる機構に限るものではない。
さらに、上記実施形態では、プーリ4をテンションプーリとして用いたが、伝動ベルトの長さ、接触角の調節、ベルト走行方向の変更など伝動装置の他の用途に用いるようにしてもよい。
加えて、本プーリ4は、伝動ベルトの走行方向の切り替わりがない場合においても利用可能であるのは勿論である。
本発明に係るベルト伝動装置の側面図である。 本発明に係るプーリの斜視図である。 同プーリの断面図である。 図3のIV−IV断面図である。 同プーリの使用状態を示す正面図である。 同使用状態において軸荷重によって軸部材に回転モーメントが発生することを説明する図である。 同使用状態の平面図である。 図5のVIII矢視図である。 ベルト走行方向の切り替わりに伴う枢軸の傾倒方向の切り替わりを説明する図である。
符号の説明
1 駆動プーリ
2 従動プーリ
3 伝動ベルト
4 プーリ
5 プーリ本体
6 伝動部材(回動機構)
7 支持手段
8 支持ロッド
8a 摺動面(平坦面)
9 ピン
11 軸部材
11a 摺動面(平坦面)
20 切替手段
21 係合突起(回動機構)
22 係合凹溝(回動機構)
31 保持部材

Claims (5)

  1. 伝動ベルトが巻き掛けられるプーリ本体と、
    上記プーリ本体を回転中心軸周りに回転自在に支持する軸部材と、
    上記軸部材を上記プーリ本体と共に、上記回転中心軸に直交する枢軸周りに揺動自在に支持する支持手段と、
    上記伝動ベルトの走行方向の切り替わりに応じて、上記軸荷重の方向に対する枢軸の傾倒方向を切り替える切替手段と、を備え
    上記枢軸は、上記軸部材にかかる軸荷重の方向を基準として、上記伝動ベルトが上記プーリ本体に接触して走行する方向の手前側に所定の傾倒角で傾倒している伝動ベルト用プーリ。
  2. 請求項1に記載のプーリにおいて、
    上記枢軸の傾倒角は、0度を超え90度を超えない角度範囲に設定されている伝動ベルト用プーリ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプーリにおいて、
    上記軸部材は筒状であり、
    上記支持手段は、上記筒状の軸部材に挿入された支持ロッドと、該軸部材の筒内面と上記支持ロッドの外面との間で上記軸部材及び支持ロッドの双方に係合して上記枢軸を構成するピンと、を含み、
    上記切替手段は、
    上記支持ロッドを上記回転中心軸周りに回動可能に保持する保持部材と、
    上記支持ロッドを、上記伝動ベルトの走行方向に応じて、上記枢軸がそのベルト走行方向の手前側に上記傾倒角で傾倒するように、所定の回動角度だけ回動させる回動機構と、を含む伝動ベルト用プーリ。
  4. 請求項3に記載のプーリにおいて、
    上記回動機構は、
    上記プーリ本体の両側に配置され、該プーリ本体から逸れた上記伝動ベルトが接触したときに上記伝動ベルトの動力を回動力として上記支持ロッドに伝える伝動部材と、
    上記支持ロッド及び保持部材に設けられかつ、上記支持ロッドが上記所定の回動角度だけ回動した際に互いに係合して上記支持ロッドがそれ以上に回動することを規制する係合突起及び係合凹溝、又は係合凹溝及び係合突起と、を含む伝動ベルト用プーリ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された伝動ベルト用プーリが伝動ベルトに張力を付与するように押し当てられているベルト伝動装置。
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