JP4381797B2 - クッション材用立体編物 - Google Patents
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Description
特許文献1には、生体内に埋め込まれる材料として使用される生分解性の繊維からなる医療用立体編物が開示されている。この特許文献1には、体内で分解する速度をある程度コントロールするために一定の空隙を設けることが重要であり、立体編物が使用する状況に応じて厚みを任意に調整できる材料として適していること、該立体編物の厚みは1〜10mmの範囲が好ましいこと、および連結糸としてモノフィラメントを使用できることが記載されているが、クッション性に関する詳細な記載はなく、この立体編物はクッション材として要求される適度な弾力感や、厚み方向への繰り返し圧縮後の回復性が必ずしも満足できるレベルのものではなかった。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントの連結糸とを有する立体編物であって、上記編地および連結糸が生分解性を有する繊維で構成され、かつ連結糸が脂肪族ポリエステル系繊維からなるモノフィラメントで構成されており、該モノフィラメントの曲率が0.01〜1.6であり、裏側編地を構成する地組織が、鎖編と3〜8針振のトリコット編との組合せ組織で構成され、裏側編地のタテ方向またはヨコ方向に、挿入糸が直線状またはジグザグ状に挿入されていることを特徴とするクッション材用立体編物。
本発明の立体編物は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸で構成され、該連結糸としてモノフィラメントが用いられる。
立体編物をダブルラッセル編機、ダブル丸編機、横編機等を用いて編成する場合、表裏の編地を連結する連結糸は、必ずどちらかの方向に湾曲した状態で編み込まれ、その連結糸に、厚み方向から力を加えると、既に湾曲している状態から更に湾曲し、力を取り除くと元の状態に戻ることになるが、この際に生じる連結糸の曲げと回復の挙動が、立体編物の反発感のあるクッション性に大きく影響するため、本発明の立体編物には、連結糸として曲げ剛性の高いモノフィラメントを用いることが必要である。
連結糸に用いるモノフィラメントの繊度には特に限定はないが、通常、20〜1500dtexが用いられる。立体編物に弾力感のあるより優れたクッション性を付与する点からは、モノフィラメントの繊度は50〜1000dtexが好ましく、より好ましくは200〜800dtexである。
ここでいうモノフィラメントの曲率とは、立体編物中でモノフィラメントが最大に湾曲した部分におけるモノフィラメントの中心線でできる円弧の曲率のことをいう。図1は、表編地2と、裏編地3と、これらの編地を連結する連結糸(モノフィラメント)4とで構成された立体編物1のウエール列に沿った切断面の説明図である。モノフィラメントの曲率は、該モノフィラメント4の中心線5の曲率半径r1 の逆数で表され、該曲率が大きいほど湾曲が大きくなる。
モノフィラメントの曲率が0.01未満では、立体編物の厚み方向に荷重が加わった場合、表と裏の編地が立体編物の長さ方向(ウエール列に沿った方向)にずれ、せん断変形が生じやすく、圧縮回復時のヒステリシスロスが大きくなり、クッション材に適した弾力感やクッション性が得られず、また繰り返し圧縮によりその傾向がさらに増長する。モノフィラメントの曲率が1.6を超えるとせん断変形は生じ難くなるが、クッション材に適した弾力感やクッション性が得られない。
モノフィラメントの屈曲伸長率が20%を超えると、立体編物を圧縮した後の残留歪が大きくなり、圧縮回復性の悪い立体編物となりやすく、繰り返しまたは長時間圧縮後に弾力感のあるクッション性が低下し易くなる。
これらのうちモノフィラメントの編組織と立体編物の厚みの関係については、連結糸を編地の幅方向(コース列に沿った方向)に斜めに傾斜させて表と裏の編地を連結し、適正幅出し率で仕上げ加工することにより、図3のコース列に沿った切断面図に示すように、圧縮前の立体編物の連結糸の長さH1 (mm)と、図4に示す50%圧縮後の連結糸の長さH2 (mm)の関係が、H1 /H2 ≧0.55となるようにすることが、立体編物が50%圧縮された時の屈曲伸長率を20%以下にする上で好ましい。なお、連結糸の長さH1 およびH2 は、図3および図4に示すように、立体編物をコース列に沿った切断面から見た時に、表と裏の編地の間にある連結糸の見掛け上の長さであり、コース列に沿った切断面を写真撮影して計測される長さである。
本発明において、モノフィラメントの曲率が0.01〜1.6であり、50%圧縮時のモノフィラメントの屈曲伸長率が20%以下であるモノフィラメントの使用割合は、立体編物の単位面積あたりの表裏編地を連結するモノフィラメントの全本数に対して20%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上である。
立体編地中の連結糸の密度は、立体編物2.54cm平方あたりの面積中にある連結糸の本数をN(本/2.54cm平方)、連結糸のデシテックスをT(g/1×106 cm)、連結糸の比重をρ0 (g/cm3)としたとき、立体編物2.54cm平方あたりの面積中にある連結糸の総断面積(N・T/1×106 ・ρ0)が0.03〜0.35cm2 であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.25cm2 である。この範囲に設定することにより、より適度な剛性による良好なクッション性を有する立体編物が得られ易くなる。
ここで生分解性を有する繊維とは、微生物により直接主として水と二酸化炭素に分解されるもの、加熱処理や加水分解等で予備的に分解させた後に微生物により主として水と二酸化炭素に分解されるものをいう。
このような繊維の具体例としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクタン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸等の脂肪族系ポリエステル、該脂肪族系ポリエステルと芳香族系ポリエステルの共重合体、ポリビニールアルコール、ポリアミノ酸類、ポリアミド類、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生セルロース、澱粉、酢酸セルロース、綿、絹、麻、ウール等の天然繊維等、またはこれらの複合物等が挙げられる。
ポリ乳酸繊維の強度は2〜6cN/dtexの範囲が好ましく、より好ましくは3〜5.5cN/dtex、さらに好ましくは4〜5cN/dtexである。また伸度は15〜60%が好ましく、より好ましくは20〜45%、さらに好ましくは25〜35%である。初期引張抵抗度は100cN/dtex以下が好ましく、より好ましくは30〜80cN/dtex、さらに好ましくは50〜75cN/dtexである。10%伸長時の弾性回復率は20%以上が好ましく、より好ましくは40%以上である。このような特性により、クッション材に適したクッション性が得られ易くなる。
またポリ乳酸繊維の融点は150℃以上であることが好ましく、より好ましくは160℃以上、さらに好ましくは170℃以上である。融点の測定は、JIS−L−1013の融点の測定方法(A法)に準拠して測定することができる。融点が150℃未満では、クッション材の使用環境温度が80℃程度の高温となる場合、弾力感、圧縮回復性が低下する場合がある。
生分解性を有する繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよい。連結糸のモノフィラメントが編地表面に露出しないように被覆率を上げるには、立体編物の少なくとも片側面にマルチフィラメントの仮撚加工糸、紡績糸等の嵩高糸を用いることが好ましい。
この際、編機の針1本にかかるモノフィラメントの繊度T(デシテックス)と全マルチフィラメントの繊度d(デシテックス)は、T/d≧0.9であることが、モノフィラメントをマルチフィラメントで被覆して立体編物表面へのモノフィラメントの露出を防止し、モノフィラメント固有の光沢により立体編物表面がギラギラと光るギラツキを抑えると共に、表面の風合いを良好にする上で好ましい。
本発明に用いられる繊維は着色されていてもよい。着色方法としては、未着色の糸をかせやチーズ状で糸染めする方法(先染め)、紡糸前の原液に顔料、染料等を混ぜて着色する方法(原液着色)、立体編物状で染色したりプリントする方法等が用いられる。立体編物状で染色すると、立体形状を維持するのが困難であったり、加工性が悪い場合があるため、先染めまたはマスターバッチによる原着方式が好ましい。
立体編物における表裏面形状には特に限定されず、フラットなものや、畝状に0.5mm以上の凹凸を有するもの、起毛処理等で立毛されたものであってもよいが、立体編物の表裏の編地を4角、6角等のメッシュ編地、マーキゼット編地等複数の開口部を有する編地とすることにより軽量性や通気性を向上させることができ、また表面を平坦な組織にすることにより肌触りを良好にすることもできる。また表面を起毛することにより肌触りの良好なものが得られる。特に立体編物の難燃性を向上させる面からは、表裏の編地の何れかまたは両面共に複数の開口部を有する編地とするのが好ましい。
立体編物の仕上げ加工方法は、先染め糸や原液着色糸を使用した立体編物の場合は生機を精練、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができる。連結糸または表裏糸のいずれかが未着色の立体編物の場合は、生機を精練、染色、ヒートセットやスチームセット等の工程を通して仕上げることができる。先染め糸や原液着色糸を使用した立体編物や用途として意匠性が要求されない場合は、精練や染色工程を省いて生機をすぐにヒートセットやスチームセットのみや難燃剤付与とヒートセットで仕上げることが生産性が向上する点で好ましい。
仕上げ加工後の立体編物は、融着、縫製、樹脂加工等の手段で端部を処理したり、熱成形等により所望の形状に加工してもよい。
本発明において、クッション性とは、厚み方向への適度な変形があり、かつ、変形後に元の厚みに戻ることをいい、双方の特性を有することが重要である。
このような観点から、本発明の立体編物の圧縮回復率は85%以上であることが好ましい。回復率が85%未満では、回復が不十分となり、クッション材としての機能が十分発揮しない場合がある。
本発明の立体編物はハンモック式の椅子や乗り物用シートとして使用することも可能である。この場合、立体編物の面で荷重を支えるため、圧縮撓み量は10〜80mmであることが、人体とのフィット感を有し、快適な座り心地を得る上で好ましい。ここでいうハンモック式の椅子や乗り物用シートとは、立体編物の周囲または少なくとも2辺をシートフレームまたは椅子の枠組みに緊張状態または弛ませた状態で張ることにより、立体編物が帆の様な状態でシートの座部や背もたれ部を形成するものをいう。また圧縮撓み量とは、四角にカットした立体編物の周囲を枠に固定し、立体編物の表面に対し直角方向に荷重を加えた時の立体編物の撓み量のことをいい、立体編物の表裏の編地の伸長特性によって大きく左右される。圧縮撓み量が10mm未満では、人が座った際の沈み込みが少な過ぎ、立体編物によるシート面が人体にフィットせず、硬く座り心地の悪いものとなる。また圧縮撓み量が80mmを超えるとフィット感は良好なものの、座った後に元の形状に復元しないヘタリが発生しやすく、形態保持性が不十分なものとなる。圧縮撓み量はより好ましくは15〜70mm、さらに好ましくは15〜60mmである。
さらに立体編物は、圧縮撓み時のヒステリシスロスが65%以下であることが、ハンモック式の椅子や乗り物用シートとして使用する場合に反発感のあるクッション性を有する上で好ましい。より好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下であり、0に近いほどよい。また、立体編物は、圧縮撓み時の残留歪量が30mm以下であることが、長時間または繰り返し座った後にヘタリが少なく形態保持性を向上させる上で好ましい。より好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下であり、0に近いほどよい。
立体編物の圧縮撓み時のヒステリシスロスおよび残留歪量を低下させるには、表裏を構成する繊維を0%以上の伸長率で伸長熱処理する方法等で達成することができる。熱処理は、原糸製造の段階や、仮撚、流体噴射加工等の糸加工段階でアンダーフィードの熱処理を施してもよく、または編地の段階で伸長熱処理してもよい。編地で伸長熱処理する場合は、幅方向に5%以上の伸長率で熱処理することが好ましい。
立体編物の5%伸長時の応力が、A方向で300N/4cmを超えると、人が座った際の沈み込みが少なく、立体編物によるシート面が人体にフィットし難くなり、風合いが硬くて座り心地が低下する傾向がある。5%伸長時の応力が、40N/4cm巾未満では、着座時の沈み込みが大きく、着座した瞬間からの反発感が低下し、底付き感を感じ易く、回復性が悪くてクッション性に欠けるものとなる。また、2辺固定で張設される座席での幅入りが大きく、臀部での違和感が生じるなど安定した座り心地を得られない。応力比(A方向の応力/B方向の応力)が1.5未満または15.0を超えると人体とのホールド性が劣る傾向になり、座り心地が悪くなる。なお、2辺固定で張設される椅子や乗り物用シートの場合は、A方向の両端2辺を固定することが好ましい。
さらに裏側編地に用いる糸の沸水収縮率は初期の引張り弾性率を向上させる点から2〜20%であるのが好ましく、より好ましくはは5〜15%である。また、裏側編地に用いる糸の少なくとも1種類に沸水収縮率が2〜20%である原糸(未加工糸)を用いることがより好ましい。
裏側編地の編組織としては、比較的低伸長で形態安定性の良好な編地とするために、少なくとも1枚の筬に鎖編を用い、もう一方の筬にアンダーラップが3針振以上8針振のトリコット編を用い、かつ、2枚以上の筬で形成される編組織とすることが好ましい。
裏側編地は、特に立体編物がフレームに張設されて座部および/または背部を形成される座席において、人の体重を支える最も重要な役割を果たす。立体編物は周囲または少なくとも2辺を、背部または座席のフレームに、緊張状態または弛ませた状態で張られて用いられる場合、裏側編地のタテおよびヨコ方向の破断強度は140N/cm以上が好ましく、より好ましくは150N/cm以上、最も好ましくは170N/cm以上が必要である。140N/cm未満であると、例えば、立体編物の2辺をフレームに張設した座席の場合に、高温環境下で勢いよく膝をつく行為など、高負荷が加わる際に立体編物が破断もしくは塑性変形し易くなる。
立体編物の裏側編地のタテおよびヨコ方向の破断強度を140N/cm以上とするには、好ましくは4cN/dtex以上、より好ましくは5cN/dtex以上の高強度で、トータル繊度が300デシテックス以上の繊維を少なくとも20重量%用いることが好ましい。
本発明の立体編物は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成されるが、立体編物をハンモック式の椅子や乗り物用シートとして用いた場合にも連結糸による厚み方向のクッション感を良好な状態で保持させる点から、表側編地の面伸長率(F)は好ましくは4.5〜15%であり、表側編地の面伸長率(F)と裏側編地の面伸長率(B)との比(F/B)は好ましくは3.6〜10.0、より好ましくは3.6〜9.0以下、さらに好ましくは4.0〜8.0である。本発明において、表側編地は最終製品で表側に使われる側を意味するが、最終製品が明瞭でない場合は、立体編物のどちら側を表とみなしてもよい。
また表側編地および裏側編地の面伸長率とは、立体編物から表側編地と裏側編地に分離し、それぞれの編地を枠に張設した状態で、編地面を直角方向に直径100mmの圧縮治具で245Nの荷重を掛けた時に、編地が面方向にどの程度伸長するかを便宜的に示すものである。
また立体編物の面伸長率の比(F/B)が3.6〜10.0の面伸長バランスであると、連結糸によるクッション性が発揮され易く、座り心地が良好となる。面伸長率の比を適正な範囲とするには、表側編地と裏側編地の組織を同一にせずに異なる編組織とし、それぞれの編組織と糸使いを適宜選定し、調整することによって得られる。糸使いとしては、素材の乾熱収縮率が重要であり、乾熱収縮率と編組織を十分に考慮して、表裏の編地の面伸長率比を適正範囲に導く必要がある。
さらに本発明の立体編物が、張設式の椅子や乗り物用シートにおいてソフトな弾力感を有するためには、立体編物の圧縮弾性率が20〜150N/mmであることが好ましく、より好ましくは25〜100N/mm、最も好ましくは25〜80N/mmである。圧縮弾性率が150を超えるとソフトな弾力感が得られなくなり、20未満であると着座時に底付き感が発生しやすくなる。立体編物の圧縮弾性率は、立体編物を構成する連結糸の繊度、単位面積当たりの連結糸の本数、連結糸の傾斜角度、立体編物の厚み、仕上げ加工時のヒートセット温度等の要因によって調整されるものであり、これらを十分考慮して設定する必要がある。
(1) モノフィラメントの曲率C1 :
立体編物の連結糸のモノフィラメントの湾曲状態の拡大写真を、モノフィラメントが湾曲してできた円弧(半円)に対して直角方向から撮影する。この際連結糸が傾斜している場合は傾斜の角度にあわせて撮影する。拡大写真をイメージスキャーナーでコンピューターに読み込み、高精細画像解析システムIP1000PC(商品名、旭化成社製)の画像解析ソフトを用いて、モノフィラメントの湾曲が最も激しい個所の内接円(モノフィラメントの凹側)と外接円(モノフィラメントの凸側)を書き、それぞれの円の半径の平均値(実寸に直した値)を算出し、モノフィラメントの中心線に対する曲率半径r1 (mm)を求め、下記式により曲率を算出する。
C1 =1/r1
立体編物の厚みT0 (mm)を490Paの荷重をかけて測定し、立体編物の厚みがT0 /2(mm)となるように立体編物を50%圧縮した状態で、モノフィラメントの湾曲状態の拡大写真を、モノフィラメントの湾曲によってできた円弧(半円)に対して直角方向から撮影する。拡大写真をイメージスキャーナーでコンピューターに読み込み、前述のようにモノフィラメントの湾曲が最も激しい個所のモノフィラメントの中心線でできる円弧に対する曲率半径r2 (mm)を求め、下記式により屈曲伸長率S(%)を算出する。但し、式中のDはモノフィラメントの直径(mm)である。
S(%)=50D/r2
50%圧縮した状態の拡大写真を撮影するには、50%圧縮した時に立体編物の編み終わり側の端部から、湾曲してはみ出してくるモノフィラメントを撮影すると、傾斜したモノフィラメントも撮影しやすい。また、写真撮影しやすくするために立体編物を50%圧縮した状態で樹脂で硬化させてもよい。
東洋ボールドウィン社製のテンシロンを用い、試料長20cm、引張速度20cm/分の条件で、引張強度(cN/dtex)、伸度(%)を測定する。
(4) 繊維の初期引張抵抗度: JIS―L―1013化学繊維フィラメント糸試験方法の初期引張抵抗度の試験方法に準じ、試料の単位繊度当たり0.882mN/dtexの初荷重を掛けて引張試験を行い、得られた荷重−伸長曲線から初期引張抵抗度(cN/dtex)を算出し、10回の平均値を求める。
(5) 繊維の弾性回復率:
繊維を、チャック間距離20cmに0.0294cN/dtexの初荷重をかけて引張試験機に取り付け、引張速度20cm/分で伸長率10%まで伸長し、1分間放置する。その後、再び同じ速度で収縮させ、応力−歪み曲線を描く。収縮中、応力が0.08826cN/dtexになった時の伸びを残留伸び(A)とする。
10%伸長時の弾性回復率は下記の式にしたがって求める。
10%伸長時の弾性回復率(%)={(10−A)/10}×100
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円盤状圧縮治具により、剛体面上に置いた15cm角、厚みT0(mm)の立体編物を10mm/minの速度でT0 /2の厚みに圧縮し、所定の厚みになったら直ぐに10mm/minの速度で開放する。この際に得られる図7に示す荷重−変位曲線から、行き(圧縮)の曲線と変位軸(x軸)で形成される面積A0(cm2)と、帰り(回復)の曲線と変位軸(x軸)で形成される面積A1(cm2)を求め、次式でヒステリシスロスL(%)を算出する。
L(%)=(A0 −A1 )/A0 ×100
(7) 圧縮撓み量E(mm)、圧縮撓み時のヒステリシスロスQ(%)および圧縮撓み時の残留歪量E1(mm):
4隅に高さ15cmの足を取付けた内径が1辺30cm、外径が1辺41cmの四角形の板状の金属枠(上面に40番のサンドペーパーを貼りつけて滑り止め性を付与)と内径が1辺30cm、外径が1辺41cmの四角形の板状の金属枠(下面に40番のサンドペーパーを貼りつけて滑り止め性を付与)の間に立体編物を弛まないように挟み、周囲を万力で固定する。
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円形平面状の圧縮端子により、張設した立体編物の中央部を100mm/分の速度で圧縮し、245Nの荷重になったら同速で元に戻す。この際に得られる図7に示す荷重−変位曲線から、245N荷重時の変位を撓み量E(mm)、回復曲線の荷重が0となる変位を残留歪量E1 (mm)とする。また、行き(圧縮)の曲線と変位軸(x軸)で形成される面積をa0(cm2)、帰り(回復)の曲線と変位軸(x軸)で形成される面積をa1(cm2)とした時に、次式でヒステリシスロスQ(%)を算出する。
Q(%)=(a0 −a1 )/a0 ×100
厚みがT0(mm)の立体編物をT0 /2(mm)となるように50%圧縮した状態で、常温下(23±0.5℃)で22時間放置する。22時間後に圧縮を開放し常温下で30分間放置した後、490Paの荷重下での立体編物の厚みT2 を測定し次式で圧縮回復率R(%)を算出する。
R(%)=(T2 /T0 )×100
(9) 繰り返し圧縮残留歪ε(%):
フォームラバー繰り返し圧縮試験機A型(テスター産業社製)を用い、立体編物を厚みT0(mm)がT0 /2の厚みになるように50%圧縮を25万回繰り返した後、厚みT3 (mm)を測定し、次式で繰り返し圧縮残留歪ε(%)を算出する。
ε(%)=(T0 −T3 )/T0 ×100
(10) モノフィラメントの曲げ回復時のヒステリシスロス2HB:
26本のモノフィラメントを1mm間隔でシート状に引き揃えて並べ、11mmのサンプル長となるようにモノフィラメントシートの両端の上下面を両面接着テープを介して厚紙で固定してつかみ代とする。両端のつかみ代は20mm長、30mm幅である。
KES−FB2純曲げ試験機(カトーテック製)を用い、モノフィラメントのシート状サンプルを正および逆方向に曲率2.5まで曲げ、曲率1における曲げ回復のヒステリシスロス2HB(cN・cm/yarn)を測定する。
仕上げした立体編物を20cm×4cm(幅)の短冊状にカットした試験片をタテ方向(ウエール列に沿った方向)とヨコ方向(コース列に沿った方向)のものをそれぞれ5枚ずつ採取する。島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、つかみ幅4cm、つかみ間隔10cm、引張り速度50mm/minの条件で、破断および5%まで伸長させた時の引張り応力を求める。タテ方向とヨコ方向を各5回測定し、それぞれの平均値をより、破断強度および5%時のタテ・ヨコの引張り応力を算出した。
(12)面伸長率(F)および面伸長率(B)の測定:
仕上げした立体編物(40cm角)の連結糸をほぼ中央部でカットし、表側と裏側の編地をそれぞれ分離する。
4隅に高さ80cmの足を取付けた下側の金属枠(内側が1辺30cmの四角形に刳り貫いた外側が1辺41cmの四角形で、厚み5mmの金属板)の上面に40番のサンドペーパーを貼りつけて滑り止めを付与させたものと、上側の金属枠(下側の金属枠と同様で高さ15cmの足がないもの)の下面に40番のサンドペーパーを貼りつけて滑り止めを付与させたものとの間に、立体編物を分離した表側または裏側の編地を弛まないように連結糸をカットした側を下にして挟み、周囲を万力で固定する。
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円盤状圧縮治具により、張設した表側編地の中央部を50mm/分の速度で圧縮し、245Nの荷重時の変位を測定して圧縮撓み量(M)(mm)とする。
さらに次式により表側編地の面伸長率(F)および裏側編地の面伸長率(B)を求める。
F(%)={(1502 +M2 )0.5 −150}×100/150
B(%)={(1502 +M2 )0.5 −150}×100/150
上記、面伸長率(F)と(B)の測定に用いた4辺固定式の金属枠と同じ物の2辺(向かい合う側)を取り除いた2辺固定式の金属枠を作製し、立体編物(40cm角)を弛まないように挟み、2辺を万力で固定する。予め、試料の表面に固定されない両端から50mmの位置にそれぞれ印線を書き込んでおく。
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円盤状圧縮治具により、張設した表側編地の中央部を50mm/分の速度で圧縮し、245Nの荷重で保持させる。この時、図8に示す幅入り後の変化量(H1)を測定し、次式により幅入り率(H)を算出する。
H(%)=(H0 −H1 )/300×100
(14)圧縮弾性率(E)の測定:
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円盤状の圧縮治具により、剛体面に置いた40cm角、厚みT0(mm)の立体編物を、10mm/minの速度で245Nの荷重になるまで圧縮し、直ぐに10mm/minの速度で開放する。この際に得られる図9に示す荷重−変位曲線のうち、行き(圧縮)の曲線の立ち上がり部分の略直線領域の傾きを、{荷重P(N)/変位ε(mm)}の式により算出し、圧縮弾性率E(N/mm)とする。
JIS−1013の熱水収縮率測定法(B法)に準じて測定を行う。この際の水温は100℃とする。
(16)クッション性(弾力感):
立体編物をテーブルの上に置き、立体編物を上から指先(3本)で軽く3回押さえ、弾力感を以下の基準にしたがって官能評価する。繰り返し圧縮前後で評価する。なお、繰り返し圧縮は(14)圧縮弾性率(E)の測定に記載した圧縮を100回繰り返した後に1hr放置したものである。
◎:弾力感が高い
○:弾力感がやや高い
△:弾力感が低い
×:弾力感が殆どない
座部が幅52cm、奥行き47cm、高さ32cmの口型金属パイプ材からなる座席フレーム(背もたれなし)を作製し、幅50cm×奥行き57cmの立体編物((11)の5%伸長時の応力の測定で得たA方向を奥行き方向で使用する)を弛まないように、座席フレームの前後となる立体編物の2辺をフレームの外側で直角に折り返し、立体編物の折り返した2辺を金属板からなる押さえ部材によりフレームに押さえつけて、1辺に対し4箇所ボルト止めした2辺固定式の座席を作製する。なお、押さえ部材の内側および座席フレームの2辺には、立体編物がスリップしないように40番のサンドペーパーをそれぞれ貼付しておき、ボルトの位置には立体編物に穴を開けておく。その上に体重65Kgの男性が5分間座った後、1分間退席することを10回繰り返す。
座った瞬間(立体編物に接した瞬間)の反発感を官能評価により、◎:反発感がある、○:反発感がややある、△:反発感がやや少ない、×:反発感が少ない、の4段階で相対評価する。
同時に座り心地の評価として、違和感(尻の割れ目に編地が盛り上がって異物上に座ったような感覚)または痛みを官能評価によって、◎:違和感または痛みがない、○:違和感または痛みが殆どない、△:違和感または痛みがややある、×:違和感または痛みが激しい、の4段階で相対評価する。
同時にホールド性を官能評価により、◎:フィット感が高く、安定して座れる、○:フィット感がやや高く、安定して座れる、△:フィット感がやや低く、やや不安定である、×:フィット感が低く、不安定である、の4段階で相対評価する。
(18)ハンモックシートでの形態保持性:
(17) の試験後、椅子に張った立体編物のへたり状態を外観評価によりし、◎:へたりが全くない、○:へたりが殆どない、△:ややへたりがある、×:へたりが激しい、の4段階で評価した。
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間13mmのダブルラッセル編機を用い、表側の編地を形成する筬(L1 、L2 )に500デシテックス/210フィラメントの再生セルロース繊維の仮撚加工糸(旭化成せんい株式会社製のベンベルグ(登録商標))、沸水収縮率3.5%をオールインの配列で供給し、連結部を形成する筬(L3 )に420デシテックスのポリ乳酸繊維のモノフィラメント(カネボウ合繊株式会社製のラクトロン(登録商標))をオールインの配列で供給し、さらに裏側の編地を形成する筬(L4 、L5 )に500デシテックス/144フィラメント(167デシテックス/48フィラメントの3本合糸)のポリ乳酸繊維の原糸、沸水収縮率11.5%をオールインの配列で供給し、裏側編地の経糸挿入部を形成する筬(L6 )に420デシテックスのポリ乳酸繊維のモノフィラメント(カネボウ合繊株式会社製のラクトロン(登録商標)、破断強度4.2cN/dtex、破断伸度28%、初期引張抵抗度66.8cN/dtex、10%伸長回復率44%)を2本引き揃えたものをオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で打ち込み12.7コース/2.54cmの密度で立体編物の生機を編成した。
L1 :1211/1011/(オールイン)
L2 :0111/2111/(オールイン)
L3 :3410/4367/(オールイン)
L4 :1110/0001/(オールイン)
L5 :5510/1156/(オールイン)
L6 :2222/0000/(オールイン)
得られた生機を1%幅出しして110℃×3分で乾熱ヒートセットした。
得られた立体編物は、厚み方向への弾力性、繰り返し圧縮後の回復性に優れたものであり、ハンモックのシートへ使用した場合、クッション性、ホールド性、形態保持性に優れ、着座後の幅入りによる違和感がなく安定した座り心地のものであった。
実施例1において、連結部を形成する筬(L3 )に500デシテックス/144フィラメント(167デシテックス/48フィラメントの3本合糸)のポリ乳酸繊維の原糸を用い、裏側編地の経糸挿入部を形成する筬(L6 )を使用しなかった以外は、実施例1と同ようにして立体編物を得た。
得られた立体編物は、厚み方向への弾力性、繰り返し圧縮後の回復性に劣り、ハンモックのシートへ使用した場合、クッション性、ホールド性、形態保持性に劣るものであった。
Claims (1)
- 表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントの連結糸とを有する立体編物であって、上記編地および連結糸が生分解性を有する繊維で構成され、かつ連結糸が脂肪族ポリエステル系繊維からなるモノフィラメントで構成されており、該モノフィラメントの曲率が0.01〜1.6であり、裏側編地を構成する地組織が、鎖編と3〜8針振のトリコット編との組合せ組織で構成され、裏側編地のタテ方向またはヨコ方向に、挿入糸が直線状またはジグザグ状に挿入されていることを特徴とするクッション材用立体編物。
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