JP4359908B2 - アルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤、その製造方法、並びに当該サイズ剤を含有する紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤、その製造方法、並びに当該サイズ剤を含有する紙に関して、中性域で紙を製造する際の抄紙系の汚れを低減し、乳化安定性とサイズ性を改善できるものを提供する。
【0002】
【発明の背景】
近年、紙の保存中の劣化を防止する見地から、中性紙への製造指向が強まって来た。
従来、中性紙の製造に用いるサイズ剤としては、アルケニルコハク酸無水物やアルキルケテンダイマー(AKD)系が常用されているが、AKD系サイズ剤は抄紙系の汚れ、紙の滑り、或はサイズ性の立ち上がりが遅いなどの問題が依然として残っている。
また、最近の中性ロジン系サイズ剤を用いる方法では、抄造系のpHが7.0以上の場合、或は填料として炭酸カルシウムを多用する場合に、高サイズ性が得にくいという問題が少し残っている。
【0003】
【従来の技術】
一方、アルケニルコハク酸無水物系のサイズ剤を使用した抄造方法には様々な従来技術がある。
先ず、特公昭53−36044号公報には、アルケニルコハク酸無水物を添加直前に、ポリオキシアルキレンアルキル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、或は相当するモノ又はジエステルなどの乳化剤で乳化分散して水性エマルションを製造し、抄紙系に添加する方法が開示されている。
【0004】
また、アルケニルコハク酸無水物の乳化剤にカチオン性ポリマーを使用する従来技術としては、特開昭60−246893号公報に、少なくとも1万の分子量を有する水溶性カチオンのビニル付加重合体をカチオン性ポリマーとする方法が、特公平6−33597号公報に、カチオン性の(メタ)アクリルアミド系ポリマーを油中水型界面活性剤と共に使用する方法が、特開平9−111692号公報に、(メタ)アクリルアミドを含むモノマー類をグラフト重合させたグラフト化カチオン澱粉をカチオン性ポリマーとする方法が夫々開示されている。
【0005】
さらに、アルケニルコハク酸無水物を乳化分散するために両性ポリマーを使用する従来技術としては、特公平3−4247号公報に、特定の両性アクリルアミド系ポリマーとカチオン性澱粉との混合物の存在下にアルケニルコハク酸無水物を水中に乳化分散し、得られたエマルションを用いて中性抄造する方法が開示され、特開昭58−45731号公報、特公平6−72395号公報、特開平6−116894号公報、特開平6−128896号公報、或は特開平6−166985号公報に、同じく両性アクリルアミド系ポリマーとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等の界面活性剤との存在下に、アルケニルコハク酸無水物を水中に乳化分散する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の方法では、アルケニルコハク酸無水物の組成の不適合やカチオン性ポリマーのカチオン種、その含有量と界面活性剤の存在、或は、アルケニルコハク酸無水物とカチオン性ポリマーとの乳化方法の不適合などの理由により、当該従来技術のアルケニルコハク酸無水物系サイズ剤を少量用いて抄紙しても、高いサイズ性の紙は得られず、サイズ性を高めるためにサイズ剤の添加量を増すと、抄紙系の汚れを引き起こしてしまう。
また、これらのアルケニルコハク酸無水物の乳化物は安定性が悪く、乳化後に加水分解を起こし易くて、加水分解したサイズ剤によって抄紙系の汚れが増すなどの問題がある。
【0007】
本発明は、アルケニルコハク酸無水物系の水性エマルションサイズ剤において、乳化安定性を向上して、中性域での抄紙系の汚れを低減し、優れたサイズ性を紙に付与することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルケニルコハク酸無水物と両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液の両者を特定種に限定したうえで乳化分散すると、乳化安定性とサイズ性の両方を良好に確保できること、また、その際に特定の機種の回転式乳化機で乳化分散すると、適正な平均粒子径の乳化物が得られて、抄紙系の汚れを低減しながら、乳化分散性とサイズ性をさらに改善できることなどを見い出して、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明1は、アルケニルコハク酸無水物と両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を含有するアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤において、
アルケニルコハク酸無水物が、炭素数16のα−位より内部に二重結合を有する内部オレフィン60〜85重量%と炭素数18のα−位より内部に二重結合を有する内部オレフィン40〜15重量%から成る混合オレフィンに、無水マレイン酸を付加させたものであり、
両性(メタ)アクリルアミドポリマーが、第4級アンモニウム基含有カチオン性(メタ)アクリルアミド3.0〜5.0モル%と、α,β−不飽和ジカルボン酸0.2〜3.0モル%と、(メタ)アクリルアミド92.0〜96.8モル%より成る混合モノマーの共重合体である ことを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤である。
【0011】
本発明2は、上記本発明1において、両性(メタ)アクリルアミドポリマーの分子量が1万〜50万であることを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤である。
【0012】
本発明3は、上記本発明1又は2において、界面活性剤の不存在下で、アルケニルコハク酸無水物100重量部に対して、両性(メタ)アクリルアミド系ポリマー水溶液を固形分として10〜50重量部含有することを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤である。
【0013】
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、エマルションの平均粒子径が0.7〜1.3μmであることを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤である。
【0014】
本発明5は、アルケニルコハク酸無水物と両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を高剪断型回転式乳化機に通して、上記本発明1〜4のいずれかのアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤を製造する方法であって、
上記高剪断型回転式乳化機は、複数の環状体が乳化機本体側に同心状に固定されたステータと、複数の環状体が乳化機の回転軸側に同心状に固定されたロータとから構成され、ステータとロータの複数の環状体同士が互い違いの積層状に嵌挿して対向配置されて、当該高剪断型回転式乳化機のステータと高速回転するロータの各環状体間で生じる高剪断力により、アルケニルコハク酸無水物を水中に乳化分散することを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤の製造方法である。
【0015】
本発明6は、上記本発明1〜4のいずれかのアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤と炭酸カルシウムをパルプスラリーに含有させて、湿式抄造した紙である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、第一に、所定の混合オレフィンに無水マレイン酸を反応させた特定のアルケニルコハク酸無水物と、第4級アンモニウム基含有カチオン性(メタ)アクリルアミド及びα,β−不飽和ジカルボン酸などを共重合させた特定の両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液とを含有するアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤であり、第二に、所定の高剪断型回転式乳化機に通すことにより上記アルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤を製造する方法であり、第三に、このサイズ剤を内添サイズ剤として含有する紙である。
尚、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドとメタクリルアミドの両方を包含する上位概念である。
【0018】
上記アルケニルコハク酸無水物(ASA)は、各種オレフィン類(プロピレン、ブテンのオリゴマーなどを含む)に無水マレイン酸を付加反応させたものであり、具体的には、ヘキサデセニルコハク酸無水物、ヘプタデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、テトラプロペニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、1−メチル−2−ペンタデセニルコハク酸無水物などが挙げられるが、本願発明のASAは、炭素数16(即ち、C16)のα−位より内部に二重結合を有する内部オレフィン60〜85重量%、炭素数18(即ち、C18)の同内部オレフィン40〜15重量%を含む混合オレフィンに、無水マレイン酸を付加することにより生成したASAである。
C15以下のオレフィンに無水マレイン酸を付加したものや、上記組成以外のオレフィンに無水マレイン酸を付加した場合には、乳化した後の安定性が不良になったり、サイズ性が低下する。また、二重結合位置がα位にある、いわゆるα−オレフィンを原料に用いると生成物が固体になったり、サイズ性で劣るため、オレフィンはα−位より内部に二重結合を有する内部オレフィンが好適である。
【0019】
また、混合オレフィンに無水マレイン酸を付加させる通常の反応では着色成分や高分子量の副生成物を生じるが、この成分が1重量%を越えるとサイズ性が低下することから、例えば、GPC(Gel Permeation Chromatography;ゲル浸透クロマトグラフィー)による測定でメインのASAより高分子量の成分が1重量%以下とした精製ASAが好適である。ASAは、蒸留、吸着除去、或はその他の常法により、上記不純物を1重量%以下にまで精製される。
【0020】
一方、上記両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液は、(メタ)アクリルアミドとカチオン性モノマーとアニオン性モノマー、或は他のモノマーを共重合させたり、この共重合体にホフマン分解反応やマンニッヒ反応を適用した後にカチオン性基やアニオン性基を導入したり、また、ポリ(メタ)アクリルアミドにカチオン性基とアニオン性基を導入することなどにより得られる。
好ましくは、第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド系単量体3.0〜5.0モル%とα,β−不飽和ジカルボン酸0.2〜3.0モル%と(メタ)アクリルアミド92.0〜96.8モル%を含む混合単量体の共重合体から成る両性(メタ)アクリルアミド系ポリマー水溶液である。
当該両性ポリマーの分子量は1万〜50万が好ましい。
【0021】
上記第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド系単量体としては、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジエチルベンジルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
第4級アンモニウム基以外のカチオン基では乳化後のASAが加水分解し易くなったり、パルプスラリーに添加したときのASAの繊維への定着性が劣る。
第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド系単量体の含有率が3.0モル%未満ではパルプスラリーに添加したときのASAの繊維への定着性が劣り、逆に、5.0モル%を越えるとASAの乳化後の加水分解が速くなって好ましくない。
【0022】
上記α,β−不飽和ジカルボン酸としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられ、イタコン酸がより効果的である。
α,β−不飽和ジカルボン酸の含有率が0.2モル%未満では乳化するときの効果が低く、逆に、3.0モル%を越えるとサイズ性が劣る。また、モノカルボン酸を使用するとサイズ性が劣る。
【0023】
第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド系単量体とα,β−不飽和ジカルボン酸と(メタ)アクリルアミドから上記両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を合成する方法としては、これら構成モノマーとしての3化合物と水を混合し、開始剤類を添加して加熱して重合する方法、加熱水中に単量体類と開始剤類を滴下して重合する方法、或はその他の一般的な水溶液重合方法により合成される。
上記開始剤類としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の過酸化物、アゾイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、或はレドックス開始剤などが用いられる。
前述の通り、上記両性ポリマーの分子量は1万〜50万が好ましく、50万を越えるとASAの乳化性が低下する。当該分子量は、水系連鎖移動剤やアルコールの添加、或は重合温度のコントロールなどにより調整できる。
【0024】
本発明5は乳化安定性とサイズ性の改善を促進するために、所定の高剪断型回転式乳化機を通してアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤を製造する方法である。
当該高剪断型回転式乳化機は、複数の環状体が乳化機本体側に同心状に固定されたステータと、複数の環状体が乳化機の回転軸側に同心状に固定されたロータとから構成され、ステータとロータの複数の環状体同士が互い違いの積層状に嵌挿して対向配置されて、このステータと高速回転するロータの各環状体間で生じる高剪断力により、ASAを水中に乳化分散する形態の乳化機であり、具体的には、ウルトラ・タラックスやディスパックス・リアクター(共にIKA社製)、エバラマイルダー(荏原製作所製)、キャビトロン(CAVITRON社製)を初め、同様の構造を持つ乳化機が望ましい。
【0025】
上記高剪断型回転式乳化機の基本構造を図4に基づいて説明すると、当該乳化機1は乳化機本体10とこれに締結具9を介して着脱可能に固定した蓋体11とから構成され、乳化機本体10の乳化室6内に臨ませてステータ2とロータ3から成るジェネレータ部8が形成され、ステータ2は蓋体11に、また、ロータ3は乳化機本体10に夫々設けられ、当該ロータ3は電動源(図示省略)に連動連結される。
上記ステータ2には3層の櫛歯型環状体4が同心状に固定され、同様に、ロータ3にも3層の櫛歯型環状体5が同心状に固定されており、ステータ2の櫛歯型環状体4とロータ3の櫛歯型環状体5同士が互い違いの積層状に嵌挿して対向配置される。
当該高剪断型回転式乳化機1の乳化機本体10内に設けた搬入路(図示省略)から乳化室6内に送給されたASAと両性ポリマー水溶液は、ステータ2と高速回転するロータ3の各櫛歯型環状体4・5の隙間で生じる周方向の高剪断力を受け、或はこれに加えてキャビテーション作用を受けて、適正な粒子径と粒度分布を持った乳化物になり、乳化機本体10の搬出路7から搬出される。
【0026】
本発明の高剪断型回転式乳化機は、基本的に1パスでの乳化を目的としたものであり、ステータ2とロータ3を組み合わせたジェネレータ部8は、図4に示すように、乳化室6内に1対だけ設けても良いし、直列状に複数対並設しても差し支えない。ジェネレータ部8の対数が増すと1パスでの乳化効率が向上する。
また、ステータ2とロータ3に設ける環状体4・5の形態としては、対向配置する環状体4・5が複数層で噛み合う構造であれば良い。環状体4・5自体の形状も櫛歯型に限らず、単なる円筒体や周壁に丸孔、スリットなどの各種形状の透孔を開けた円筒体などでも良い。
当該高剪断型回転式乳化機を用いた乳化方法では、ASAと両性ポリマーの混合液を乳化機に供給する方式が一般的であるが、ASAと両性ポリマーを別々に乳化機に供給することもできる。
【0027】
ちなみに、固定側の翼と高速回転する撹拌翼との間で樹脂粒子を乳化分散することを基本原理とするホモジナイザー、ホモミキサー、ラインミキサー、或はコロイドミルなどは、機械的な剪断力で乳化分散する点で本発明の高剪断型回転式乳化機と共通するが、その一方で、ステータとロータの複数の環状体同士が積層状に噛み合って対向配置され、互いに噛み合うこの環状体同士の夫々で剪断力が発生する構造を具備しない点で、本発明の高剪断型回転式乳化機とは根本的に異なる。
従って、公知のホモジナイザー、ホモミキサー、ラインミキサー、超音波乳化機、或はオリフィス型乳化装置などに比べて、本発明の高剪断型回転式乳化機では、ASAを乳化するに際して、強過ぎない一定の剪断力が付与されるので、適正な平均粒子径を具備するとともに、乳化粒子径分布の比較的狭い乳化物が得られる。このため、有効に作用しない大粒径粒子と極小粒子が少なくなって、使用したASAの全てを有効に乳化させることができ、少量のASAの添加量で高サイズ度の中性紙が得られる。
【0028】
乳化時のASAと両性(メタ)アクリルアミド系ポリマーの含有量としては、ASA100重量部に対して両性ポリマー水溶液を固形分として10〜50重量部の割合で混合し、界面活性剤を含有させずに、上記高剪断型回転式乳化機を用いてASAの平均粒子径を0.7〜1.3μmに乳化分散することが有効である。
上記両性ポリマー水溶液の含有量が固形分として10重量部未満であれば、乳化粒子径は大きくなって乳化物の安定性が低下する。逆に、含有量が50重量部を越えると、この乳化物を使用して得られる紙のサイズ性が劣る。
また、乳化工程では、上述のように、界面活性剤を用いないで乳化分散することが好ましく、これは、界面活性剤を使用すると、極小粒径の乳化物が多くなり、ASAが加水分解され易くなって、サイズ剤として有効に作用しないためである。
高剪断型回転式乳化機を用いてASAと両性ポリマー水溶液を乳化する場合、その平均粒子径は0.7〜1.3μmが好ましく、より好ましくは0.9〜1.2μmである。
平均粒子径が0.7μm以下では加水分解し易くなったり、抄紙系でパルプ繊維への定着が不良になって、サイズ性が低下するためである。逆に、平均粒子径が1.3μm以上では乳化物の安定性が悪くなり、サイズ性が低下したり、抄紙系の汚れを引き起こすからである。
【0029】
本発明6は、安価な填料である炭酸カルシウムの存在下で、本発明1〜4のASA系エマルションサイズ剤を内添サイズ剤としてパルプスラリーに添加して、中性湿式抄造した紙である。
パルプスラリーを構成するパルプ繊維には、製紙用に通常使用されるNBKP、LBKP等の木材パルプ、脱墨パルプ(DIP)などの外、リンターパルプ、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、ワラ等の非木材パルプ、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、或は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維などを使用できる。
上記パルプスラリーには、炭酸カルシウム以外の填料、染料、紙力増強剤、歩留り向上剤、消泡剤などを必要に応じて添加できることはいうまでもない。
湿式抄造で得られる紙は、電子写真用紙、インクジエット用紙等の印刷・筆記・図画用紙、新聞紙、包装用紙、薄葉紙、雑種紙、或は板紙、厚紙などを含む広い概念である。
【0030】
【作用】
所定の混合内部オレフィンと無水マレイン酸を反応させた特定のASAと、第4級アンモニウム基含有カチオン性(メタ)アクリルアミド及びα,β−不飽和ジカルボン酸などを共重合させた特定の両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液とを乳化分散して得られたアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤では、乳化安定性やパルプへの定着性が増大し、引いてはサイズ性を有効に改善することができる。
一方、上記特定のASAと両性(メタ)アクリルアミド系ポリマー水溶液を高剪断型回転式乳化機を用いて乳化分散すると、当該乳化機のステータとロータの互い違いに嵌挿した複数層の環状体同士の間で生じる剪断力により、適正な平均粒子径の乳化物が得られ、また、乳化物の粒度分布も比較的狭い範囲に揃うため、乳化物が加水分解されにくいうえ、パルプ繊維にスムーズに定着して、乳化安定性とサイズ性がさらに向上するものと推定できる。但し、ASAと両性ポリマーの両方を前述のように特化すると、乳化機を機種選別しない状況下でも、乳化安定性とサイズ性を改善できる。
【0031】
【発明の効果】
ASAと両性ポリマーの両者を特定化して乳化分散すると、後述の試験例に示すように、乳化機種の選別を離れた条件でも、乳化安定性やサイズ性を改善できる。
また、この特定のASAと両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を高剪断型回転式乳化機を用いて乳化分散すると、乳化物は適度な乳化粒子径と比較的狭い範囲の粒度分布などを具備するため、少量のサイズ剤の使用によっても、抄紙系の汚れを少なくでき、高サイズ度の紙が円滑に得られ、乳化安定性やサイズ性をさらに改善できる。
さらには、ASAの乳化分散に際して界面活性剤を使用すると、乳化物の粒子径が微小化し、加水分解を受け易くなってサイズ性が低下するなどの弊害があるが、本発明においては界面活性剤を添加する必要がないため、このような弊害がない。
【0032】
【実施例】
以下、両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液の合成例、当該両性ポリマーを用いたASA系エマルションサイズ剤の製造実施例、当該サイズ剤で内添サイジングした中性紙のサイズ性試験例を順次説明する。
また、以下の合成例、実施例、試験例などの「部」、「%」は、特に限定しない限り、「重量部」、「重量%」を指す。
尚、本発明は下記の実施例、試験例などに拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0033】
《両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液の合成例》
そこで、先ず、界面活性剤の不存在下で、第4級アンモニウム基含有カチオン性(メタ)アクリルアミドと、α,β−不飽和ジカルボン酸と、(メタ)アクリルアミドとを構成モノマーとして特定割合で混合し、当該混合モノマーを共重合させて製造した各種の両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液の合成例1〜4を示す。
【0034】
(1)合成例1
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管の付いた1Lの4つ口フラスコに、水460gと、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの75%水溶液20.3gと、イタコン酸1.5gと、アクリルアミドの50%水溶液250gと、チオグリセロール2.5gを入れ、窒素ガスを吹き込んでフラスコ内の空気を置換した。
フラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱し、8%過硫酸アンモニウム水溶液2.5gを加え、次いで3%重亜硫酸ナトリウム水溶液1.8gを加えて、20分で90℃まで温度上昇した。
そして、60分熟成した後、冷却して、濃度20%まで水で希釈した。
合成したポリマー水溶液を水系GPC検出器(LS−8000;東ソー社製)で測定したところ、分子量は21万であった。
【0035】
(2)合成例2〜4
上記合成例1を基本として、各モノマー種、含有量を図1に示す通りに変化させて、合成例1と同様の条件で反応させて、合成例2〜4の両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を得た。
【0036】
そこで、上記合成例1〜4の各種両性ポリマーと、各種のASA(即ち、後述の(a)〜(c)種のASA)とを高剪断力型回転式乳化機を通して乳化分散したASA系エマルションサイズ剤の実施例1〜5及び比較例1〜4を示す。
尚、ASAのGPC測定では、Shodex GPC SYSTEM−21Hを用いた。
【0037】
《実施例1》
炭素数16の内部オレフィンを80%、炭素数18の内部オレフィンを18%の割合で含有する混合オレフィンに無水マレイン酸を付加した後、蒸留処理によって、GPC測定での高分子量の副生物の含有量を0.5%以下に精製した(a)種のASAを製造した。
そして、上記(a)種のASAと前記合成例1の両性ポリマー水溶液を図2の混合割合により、各々100g/分と75g/分の二つの条件下で、ジェネレータ部が直列状に3対並設された高剪断型回転式乳化機(ディスパックス・リアクター;IKA社製)に注入して連続乳化した。
その後、連続的に水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は1.2μmであった。
【0038】
《実施例2》
上記実施例1の(a)種のASAと前記合成例2の両性ポリマー水溶液を図2の混合割合により、上記実施例1と同様の条件で高剪断型回転式乳化機に注入して連続乳化した後、連続的に水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。
当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は0.9μmであった。
【0039】
《実施例3》
上記実施例1の(a)種のASA8gと、前記合成例1の両性ポリマー水溶液8gと、水517.3gを1000mL家庭用ミキサー(MX−15;松下電器産業社製)に入れ、1分間撹拌してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。 当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は1.2μmであった。
【0040】
《比較例1》
上記実施例1の(a)種のASA100gと、前記合成例3の両性ポリマー水溶液100gを500mLトールビーカーに入れ、回転式撹拌型のホモミキサー
(T.K.ホモミキサー4C;特殊機化工業社製)で2分間乳化した後、水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。
当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は2.2μmであった。
【0041】
《比較例2》
前記実施例3の(b)種のASA200gと、前記合成例4の両性ポリマー水溶液400gを混合して、高圧乳化機(15M−8TA;GAULIN社製)にて200kg/cm 2 で乳化した後、水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は0.6μmであった。
【0042】
《比較例3》
炭素数16の内部オレフィンを5%、炭素数18の内部オレフィンを90%の割合で含有する混合オレフィンに無水マレイン酸を付加して、(c)種のASAを製造した。このASAは、GPC測定により高分子量の副生物を2.4%含有していた。
上記(c)種のASA8gと、前記合成例3の両性ポリマー水溶液2gと、水523.3gを前記実施例5と同様の1000mL家庭用ミキサーに入れ、1分間撹拌してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。
当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は1.3μmであった。
【0043】
《比較例4》
上記実施例1の(a)種のASA100gと、前記合成例4の両性ポリマー水溶液400gを前記実施例5と同様の1000mL家庭用ミキサーに入れて2分間攪拌した後、水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。
当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は1.0μmであった。
【0044】
《比較例5》
炭素数16の内部オレフィンを55%、炭素数18の内部オレフィンを40%の割合で含有する混合オレフィンに無水マレイン酸を付加して、(b)種のASAを製造した。このASAは、GPC測定により高分子量の副生物を1.2%含有していた。
そして、上記(b)種のASAと前記合成例2の両性ポリマー水溶液を図2の混合割合により、前記実施例1と同様の条件で高剪断型回転式乳化機に注入して連続乳化した後、連続的に水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。
当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は1.1μmであった。
【0045】
《比較例6》
上記実施例1の(a)種のASAと前記合成例3の両性ポリマー水溶液を図2の混合割合により、上記実施例1と同様の条件で高剪断型回転式乳化機に注入して連続乳化した後、連続的に水希釈してASA濃度1.5%のエマルションサイズ剤を得た。
当該ASA系エマルションサイズ剤の平均粒子径は1.0μmであった。
【0046】
そこで、上記実施例1〜3及び比較例1〜6の各ASA系エマルションサイズ剤を用いて、炭酸カルシウムを填料とした湿式抄造によって各種の中性紙を製造し、サイズ性試験を行った
【0047】
《ASA系エマルションサイズ剤を含有する紙のサイズ性試験例》
パルプ:LBKP C.S.F:430ml
上記パルプの2.5%分散スラリーに、攪拌しながら軽質炭酸カルシウム(タマパールTP−121;奥多摩工業社製)を20%(対絶乾パルプ固形分量)添加した後、糊化したカチオン化デンプン(Cato102;日本エヌエスシー社製)を0.8%(対絶乾パルプ固形分量)添加した。
次いで、硫酸バンドを0.5%(対絶乾パルプ量)添加して攪拌を続け、乳化直後の上記実施例1〜5並びに比較例1〜4の各ASA系エマルションサイズ剤を0.08%と0.1%(対絶乾パルプ固形分量)の2つの条件下で夫々添加した(図3参照)。
次に、歩留まり剤(ハイモロックNR12MLH;ハイモ社製)を0.05%(対絶乾パルプ固形分量)添加し、定法に従って角形シートマシンで抄造pHを7.5に調整して抄紙し、ドラムドライヤーにて100℃、90秒の条件で乾燥して、坪量75g/m2の中性紙を製造した。
得られた中性紙は、温度20℃、湿度65%の恒温・恒湿室内に1日放置して調湿した後、ステキヒト法(JIS P8122)によりサイズ剤の各添加量ごとにサイズ度を測定した。
【0048】
図3はその試験結果を示す。
実施例1〜2は、C16の内部オレフィン60〜85%とC18の内部オレフィン40〜15%の混合オレフィンを無水マレイン酸に反応させた特定のASAと、第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド3.0〜5.0モル%及びα,β−不飽和ジカルボン酸0.2〜3.0モル%及び(メタ)アクリルアミド92.0〜96.8モル%を構成モノマーとして共重合させた特定の両性ポリマーとを、高剪断型回転式乳化機で乳化分散したサイズ剤であるため、当該サイズ剤を用いて中性抄造した紙は顕著なサイズ性を示した。
また、実施例3に示すように、上記実施例1と同様の特定のASAと特定の両性ポリマーを使用した場合には、高剪断型回転式乳化機に替えて家庭用ミキサーで乳化分散しても(つまり、乳化機を機種選別しない条件でも)、得られたサイズ剤を用いた中性紙は、やはり実施例1〜2に準じる良好なサイズ性を示すことが確認できた。
【0049】
これに対して、比較例1は、上記実施例1と同様の本発明の特定のASAと特定外の両性ポリマーをホモミキサーで乳化分散したサイズ剤であり、当該サイズ剤を用いた紙のサイズ性は低かった。
比較例2は、本発明で特定した以外の(b)種のASAと、第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド8.0モル%とα,β−不飽和ジカルボン酸0.5モル%と(メタ)アクリルアミド91.5モル%を構成モノマーとして共重合させた本発明で特定した以外の両性ポリマーとを高圧乳化機で乳化分散したサイズ剤であり、当該サイズ剤を用いた紙のサイズ性は低かった。
比較例3は、C16の内部オレフィン5%とC18の内部オレフィン90%の混合オレフィンを無水マレイン酸に反応させた高分子量の副生物を2.4%含有する本発明で特定した以外の(c)種のASAと、本発明で特定した以外の両性ポリマーとを家庭用ミキサーで乳化分散したサイズ剤であり、また、比較例4は上記実施例1と同様のASAと上記比較例2と同様の両性ポリマーとを同じく家庭用ミキサーで乳化分散したサイズ剤であって、比較例3〜4を用いた紙のサイズ性は共に低かった。
比較例5は、C 16 の内部オレフィンの含有量が55%であり、高分子量の副生物を1.2%含有する本発明で特定した以外の(b)種のASAと、上記実施例2と同様の両性ポリマーから得られたサイズ剤であり、また、比較例6は、実施例1と同様のASAと、第4級アンモニウム基含有カチオン性アクリルアミド1.5モル%及びα,β−不飽和ジカルボン酸0.3モル%及び(メタ)アクリルアミド98.2モル%を構成モノマーとして共重合させた本発明で特定した以外の両性ポリマーとから得られたサイズ剤であり、ASAと両性ポリマーのうちの一方が本発明で特定化したものであり、且つ、所定の高剪断型乳化機を通して乳化したため、比較例1〜4より良好なサイズ性を示したが、実施例1〜3には及ばなかった(但し、実施例3のサイズ性(0.1%)は、高剪断型乳化機ではなく家庭用ミキサーを用いたため、比較例5に近似する数値を示した)。
【0050】
以上のように、ASAと両性ポリマーの両方を反応物、組成などで特定化した実施例1〜3ではサイズ性を良好に改善でき、また、この特定条件では、実施例3に示すように、乳化機種が高剪断型回転式乳化機でない場合でも、比較例1〜6に比べて良好なサイズ性を確保できることが明らかになった。
上記実施例1〜2と実施例3を対比すると、特定のASAと両性ポリマーの乳化分散においては、乳化機の機種を高剪断型回転式乳化機に特定化するとサイズ性がさらに改善することが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】両性(メタ)アクリルアミドポリマーを構成する各モノマーの種類と混合割合などを示す図表である。
【図2】実施例1〜3及び比較例1〜6の各ASA系エマルションサイズ剤に使用したASA、両性ポリマーの種類、混合割合、乳化機の種類などを示す図表である。
【図3】実施例1〜3及び比較例1〜6の各ASA系エマルションサイズ剤で内添サイジングした中性紙のサイズ性試験の結果を示す図表である。
【図4】高剪断型回転式乳化機の基本構造を示す要部分解斜視図である。
【符号の説明】
1…乳化機、2…ステータ、3…ロータ、4…ステータの櫛歯型環状体、5…ロータの櫛歯型環状体、6…乳化室、7…搬出路、8…ジェネレータ部、10…乳化機本体、11…蓋体。
Claims (6)
- アルケニルコハク酸無水物と両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を含有するアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤において、
アルケニルコハク酸無水物が、炭素数16のα−位より内部に二重結合を有する内部オレフィン60〜85重量%と炭素数18のα−位より内部に二重結合を有する内部オレフィン40〜15重量%から成る混合オレフィンに、無水マレイン酸を付加させたものであり、
両性(メタ)アクリルアミドポリマーが、第4級アンモニウム基含有カチオン性(メタ)アクリルアミド3.0〜5.0モル%と、α,β−不飽和ジカルボン酸0.2〜3.0モル%と、(メタ)アクリルアミド92.0〜96.8モル%より成る混合モノマーの共重合体である ことを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤。 - 両性(メタ)アクリルアミドポリマーの分子量が1万〜50万であることを特徴とする請求項1に記載のアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤。
- 界面活性剤の不存在下で、アルケニルコハク酸無水物100重量部に対して、両性(メタ)アクリルアミド系ポリマー水溶液を固形分として10〜50重量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤。
- エマルションの平均粒子径が0.7〜1.3μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤。
- アルケニルコハク酸無水物と両性(メタ)アクリルアミドポリマー水溶液を高剪断型回転式乳化機に通して、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤を製造する方法であって、
上記高剪断型回転式乳化機は、複数の環状体が乳化機本体側に同心状に固定されたステータと、複数の環状体が乳化機の回転軸側に同心状に固定されたロータとから構成され、ステータとロータの複数の環状体同士が互い違いの積層状に嵌挿して対向配置されて、当該高剪断型回転式乳化機のステータと高速回転するロータの各環状体間で生じる高剪断力により、アルケニルコハク酸無水物を水中に乳化分散することを特徴とするアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤と炭酸カルシウムをパルプスラリーに含有させて、湿式抄造した紙。
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