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JP4346424B2 - ガスセンサおよびガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサおよびガスセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスセンサおよびその製造方法に関し、詳しくは自動車の排ガス中の酸素濃度を検出するための酸素センサに代表される板状のガスセンサおよびその製造方法に関する。
近年、環境問題がクローズアップされ、各業界にて地球環境を最優先とする取り組みがなされている。とりわけ、自動車業界においては、アメリカのカルフォルニア州の排ガス規制に代表されるように、排気ガス中のCO2、CO、HC、NOx量を年々低減していくことが世の中の流れになってきている。その中で、更なる排ガス中の上記ガスを低減するためには、如何に効率よく燃料を燃焼させるかが重要であり、そのためにも排ガス中の残存酸素量を瞬時に測定し、その情報を燃焼系に速くフィードバックすることができる酸素センサの要望が高まりつつある。
酸素センサはこれまで、排気ガスの熱を利用して、一端が封止された円筒状のセンサを昇温し、センサ機能を発現させてきた。しかし、センサ機能が発現するまでの間、排ガスは垂れ流しの状態にあり、昨今の厳しい排ガス規制には対応しきれなくなってきた。そこで、円筒状のセンサを積極的にヒータで加熱する酸素センサが開発された。このような酸素センサを用いることで、センサ機能を速く発現できるようになり、よりレスポンス良く情報をフィードバックできるようになった。
ところが、円筒状のセンサでは、どうしてもサイズが大きくなり、しかもヒータとセンサ部との間隔が大きくなるために、センサ機能の発現速度には限界があった。そこで、最近では、センサ部を板状にして小さくし、更にセンサ部とヒータとを一体成形することで昇温スピードを高め、より速くセンサ機能を発現できるようにした板状の酸素センサが開発されつつある。
この酸素センサは、凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、凹部および貫通孔に挿入された板状の酸素センサ素子とを備え、この酸素センサ素子と凹部との隙間に封止ガラス等の封止材を充填して気密状態に封止したものである(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような従来の酸素センサでは、封止材の溶融、冷却を伴う封止工程において、セラミックホルダの凹部内面と封止材との界面に接合不良が生じ、気密状態が不十分となってガス漏れが生じるという問題があった。
特開2000−146901号公報
本発明の課題は、セラミックホルダの凹部内面と封止材との界面に接合不良が生じるのを抑制し、良好な気密状態を得ることができるガスセンサおよびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、セラミックホルダにおける凹部の内周面の表面粗さを所定値よりも大きくすることで、アンカー効果により内周面と封止材との界面で良好な接合状態を得ることができ、しかも凹部の底部の表面粗さを前記内周面よりもさらに大きくすることで、接合不良が特に生じやすい底部と封止材との界面において良好な接合状態を得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するための本発明のガスセンサおよびその製造方法は、以下の構成からなる。
(1) 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、前記凹部および貫通孔に挿入された板状のガスセンサ素子とを備え、このガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材が充填されたガスセンサであって、前記セラミックホルダは、前記凹部の内周面の表面粗さが0.3μm以上であり、かつ前記凹部の底部の表面粗さが前記内周面の表面粗さよりも大きいことを特徴とするガスセンサ。
(2) 前記内周面の表面粗さが2.0μm以上である(1)記載のガスセンサ。
(3) 前記底部の表面粗さが5.0μm以上である(1)または(2)記載のガスセンサ。
(4) 前記ガスセンサ素子の外周面のうち、少なくとも前記封止材と接する部分の表面粗さが2.0μm以上である(1)〜(3)のいずれかに記載のガスセンサ。
(5) 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダ成形体を成形し、この成形体を焼成してセラミックホルダを作製する工程と、このセラミックホルダの凹部および貫通孔にガスセンサ素子を挿入し位置決めした後、前記ガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材を充填し、さらにこの封止材を加熱溶融させて前記隙間を封止する工程とを備えたガスセンサの製造方法であって、前記凹部の内周面の表面粗さが0.3μm以上で、かつ前記凹部の底部の表面粗さが前記内周面の表面粗さよりも大きくなるように、前記セラミックホルダ成形体を成形する金型の表面が粗面加工されていることを特徴とするガスセンサの製造方法。
(6) 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダ成形体を成形し、この成形体を焼成してセラミックホルダを作製する工程と、前記凹部の内周面および底部を粗面加工して、前記内周面の表面粗さを0.3μm以上とし、かつ前記底部の表面粗さを前記内周面の表面粗さよりも大きくする工程と、前記セラミックホルダの凹部および貫通孔にガスセンサ素子を挿入し位置決めした後、前記ガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材を充填し、さらにこの封止材を加熱溶融させて前記隙間を封止する工程とを備えたガスセンサの製造方法。
(7) 前記凹部の内周面および底部をブラスト法により粗面加工する(6)記載のガスセンサの製造方法。
前記(1)記載のガスセンサによれば、セラミックホルダにおける凹部内周面の表面粗さを0.3μm以上とし、さらに凹部底部の表面粗さを内周面よりも大きくしているので、凹部の内周面および底部と封止材との界面において接合不良が生じるのを抑制し、良好な気密状態を得ることができ、ガス漏れを抑制できる。これにより、製造歩留まりを向上させることができるので、コストダウンを図ることができる。
前記(2)記載のように、内周面の表面粗さは2.0μm以上であるのが好ましく、前記(3)記載のように、底部の表面粗さは5.0μm以上であるのがより好ましい。これにより、凹部の内周面および底部と封止材との界面におけるこれらの接合状態をより向上させることができる。また、前記(4)記載のように、ガスセンサ素子の外周面のうち、封止材と接する部分の表面粗さが2.0μm以上であるのがさらに好ましい。これにより、ガスセンサ素子と封止材との界面におけるこれらの接合状態をも向上させることができる。
前記(5)記載の製造方法によれば、セラミックホルダ成形体を成形する金型の表面が粗面加工されているので、セラミックホルダ成形体における凹部と貫通孔を成形する際に、同時に凹部の内周面および底部を所定の表面粗さに調整することができる。これにより、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
また、前記(6)記載の製造方法のように、セラミックホルダ成形体を焼成してセラミックホルダを作製した後で、凹部の内周面および底部を粗面加工することもできる。例えば、前記(7)記載の製造方法では、凹部の内周面および底部をブラスト法により粗面加工するので、一度に多数のセラミックホルダを短時間で任意の表面粗さに調整することができる。これにより、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の一実施形態にかかるガスセンサおよびその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる酸素センサを示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の酸素センサは、凹部11と該凹部11の底部11aに形成された貫通孔12とを有するセラミックホルダ14と、凹部11および貫通孔12に挿入された板状の酸素センサ素子15とを備えている。
酸素センサ素子15は、固体電解質層17、セラミック層18、基準大気と接するように中空にした空洞部19等によって構成されており、先端部付近には検知電極37と基準電極38が固体電解質層17の両面にそれぞれ形成されている。これらの電極37,38と固体電解質層17によりセンサ部が構成されている。また、空洞部19の開口部19a側と、検知電極37側とは一点鎖線で示す仕切板21で仕切られている。なお、公知の金属ハウジングに収容されて、測定ガス側と基準大気(O2)とが仕切られていても何ら問題ない。酸素センサ素子15と凹部11との隙間には封止材16が充填され気密状態に封止されている。なお、図1では、後述する図3に記載のヒータ39、電極パッド42は図示していない。
本実施形態の酸素センサは、セラミック層18内に内在されたヒータを加熱して固体電解質層17を400〜1000℃程度に加熱した状態で、空洞部19に基準大気(酸素)が導入され、検知電極37が排ガス等の測定雰囲気中に配置される。測定方式としては、検知電極37と基準電極38との間で発生する起電力を測定して排気ガス中の酸素濃度を測定する濃淡電池型でもよく、一定電圧を印加し電流を検出して酸素濃度を測定する限界電流型でもよい。
図2は、上記酸素センサにおけるセラミックホルダ14の周辺を拡大した拡大断面図である。図2に示すように、本実施形態では、セラミックホルダ14における凹部11の内周面11aおよび底部11bと、酸素センサ素子15における外周面のうち封止材16と接する部分17a,18aとが粗面加工されている。
凹部11の内周面11aの表面粗さは、0.3μm以上、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは2.0μm以上、さらに好ましくは2.0〜8.0μmであるのがよい。また、凹部11の底部11bの表面粗さは、内周面11aの表面粗さよりも大きいことが重要であり、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは5.0μm以上、さらに好ましくは5.0〜15μmであるのがよい。内周面11aおよび底部11bの表面粗さが上記範囲外になると、アンカー効果が十分に得られないため、内周面11aおよび底部11bと封止材16との界面で接合不良が生じて気密状態が不十分となる。また、酸素センサ素子15における外周面のうち封止材16と接する部分17a,18aの表面粗さは2.0μm以上、好ましくは2.0〜5.0μmであるのがよい。本発明における表面粗さは、JIS B 0601に定義されている中心線平均粗さ(Ra)である。測定方法としては、例えば触針法を用いることができる。
次に、酸素センサの製造方法の一例について、図3および図4に基づいて説明する。なお、図3では電極接続用のスルーホールは省略してある。
<酸素センサ素子の作製>
まず、グリーンシート30〜36を、例えばドクターブレード法を用いたテープ成形等の公知の成形方法によって作製する。ついで、電極用金属材料と共材を混合してヒータ電極用の印刷ペーストを作製する。混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば3本ロール等のロール混合、ミルを用いたミル混合等を用いることができる。同様に、検知電極用の印刷ペースト、基準電極用の印刷ペースト、絶縁層用の印刷ペースト、ヒータパターン用の印刷ペーストおよび電極パッド用の印刷ペーストを、ロール混合等を用いて作製する。これらの材料としては、例えば白金、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテチウムおよび金からなる群より選ばれる1種との合金などが使用可能である。
ついで、グリーンシート30、31にスクリーン印刷等により電極ペーストを塗布し、検知電極37および基準電極38の電極パターンを形成する。これらの電極パターンは、1枚のグリーンシートの両面に印刷してもよい。グリーンシート30、31はセル部を構成するものであるため、材料としてジルコニア等の固体電解質からなるセラミックス材料が用いられる。また、固体電解質としては、安定化剤としてY23、Yb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23などの希土類酸化物を酸化物換算で3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2または安定化ZrO2、アルカリ土類元素を固溶させたZrO2などを用いてもよい。その他のグリーンシート32〜36の材料としては、特に限定されるものではなく、グリーンシート30,31と同じ固体電解質を用いてもよく、アルミナ含有材料等の種々のセラミック材料を用いることもできる。
次に、グリーンシート34に印刷等により絶縁層用の印刷ペースト40を塗布、乾燥し、ついで印刷ペースト40にスクリーン印刷等によりヒータ電極用の印刷ペーストを塗布し、ヒータ39のパターンを形成し、さらに絶縁層用の印刷ペースト41をヒータ39のパターン上に塗布、乾燥する。これにより、絶縁層用の印刷ペースト40,41に内在されたヒータ39のパターンを、グリーンシート34上に形成することができる。絶縁層としては、例えばアルミナ含有材料などの絶縁材料を用いることができる。
また、グリーンシート36に印刷等により電極パッド用の印刷ペーストを塗布し、ヒータの取り出し電極パッド42のパターンを形成する。ついで、各種電極、絶縁層、ヒータパターン等が形成された各グリーンシート、基準大気と接するようにコ字形状に金型で打ち抜いたグリーンシート32、厚み調整用のグリーンシート33、35等を、位置決めして密着積層し、グリーン体(グリーンシートの積層体)を得ることができる。なお、酸素センサ素子の厚み調整のために、各種パターンが印刷されていない他のグリーンシートを上記グリーンシート間にさらに介在させても何ら問題なく、図3に限定されるものではない。また、上記のように絶縁層用の印刷ペースト41を用いずに、絶縁性材料からなるグリーンシート内にヒータ39を内在させてもよい。
次に、各種電極、絶縁層、ヒータパターン等を有するグリーン体を同時焼成する。これにより、酸素センサ素子15を得ることができる。焼成温度は、セラミック材料及び電極材料等との関係に応じて適宜選択することができる。同時焼成によって、焼成工程を一回にすることができ、コストダウンを図ることができる。
<セラミックホルダの作製>
セラミックホルダ14は、例えばプレス成形によって作製することができる。セラミックホルダ14を構成するセラミックスは、特に限定されず、ジルコニア、アルミナ等の種々のセラミックスを使用できるが、好ましくはその熱膨張係数がガスセンサ素子15を構成する主なセラミックスの熱膨張係数とほぼ同等であるのがよく、より好ましくはガスセンサ素子15を構成する主なセラミックスと同じ材料であるのがよい。
プレス成形としては、1軸プレス、CIP(冷間静水圧加圧)等を用いることができる。これらのプレス成形により、凹部11と該凹部11の底部11bに形成された貫通孔12とを有するセラミックホルダ成形体を成形し、この成形体を焼成してセラミックホルダ14を得る。
1軸プレスでは、凹部11の内周面11aの表面粗さが0.3μm以上で、かつ凹部11の底部11bの表面粗さが内周面11aの表面粗さよりも大きくなるように、金型表面のうち凹部11の内周面11aおよび底部11bに相当する部分がそれぞれ所定の表面粗さに粗面加工された金型を用いる。これにより、セラミックホルダ成形体を成形すると同時に、内周面11aおよび底部11bの表面を所望の表面粗さに粗化することができるので、内周面11aおよび底部11bの粗面加工を行う工程を別途設ける必要がなく、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。したがって、プレス成形のなかでも、特に量産性を考慮すると1軸プレスが好適である。
CIPでは、冷間静水圧加圧後のブロックを切削加工することによりセラミックホルダ成形体を得ることができる。必要に応じて、セラミックホルダ14の外周の角部にC面やR面を形成することもできる。
また、得られたセラミックホルダ14における凹部11の内周面11aおよび底部11bを後工程において粗面加工することもできる。図4は、ブラスト法により凹部11の内周面11aおよび底部11bを粗面加工する工程を示す概略図である。図4に示すように、ブラスト法では、圧縮空気などにより凹部11にノズル23から研磨材(ブラスト材)22を高圧で吹き付けて、凹部11の内周面11aおよび底部11bを粗面加工する。
研磨材22としては、セラミックホルダ11の材質に応じて種々の材料を用いることができ、例えばジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素等の粒子が挙げられる。凹部11の内周面11aおよび底部11bの表面粗さは、研磨材22の材質、粒径、吹き付け時間、吐出圧などを変えることで調整することができる。
<封止工程>
次に、セラミックホルダ14の凹部11および貫通孔12に酸素センサ素子15を挿入し、冶具にて位置決めした後、封止ガラス粉等の封止材16を凹部11と酸素センサ素子15との隙間に充填する。その後、封止材16が溶融する温度に加熱し、その後冷却して、気密化された酸素センサを得ることができる。封止材の材質としては、Li―Al−ケイ酸塩ガラス、Li―Ba−Al−ケイ酸塩ガラス等を挙げることができる。
なお、上記実施形態では、本発明を酸素センサに適用した場合について説明したが、本発明は、酸素センサのみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲において、NOxセンサ、CO2センサ等の類似した構造のガスセンサにも適用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3]
<酸素センサ素子の作製>
まず、平均粒径0.5μmのジルコニア粉末に、ブチラール系バインダーおよび溶剤を混合し、48時間撹拌してスラリーを得た。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形、乾燥させて、厚さ200μmのグリーンシートを作製した。
次に、平均粒径0.8μmの白金粉末に、共材比が40体積%となるようにジルコニア粉末を混合し、さらにブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整してヒータパターン用の印刷ペーストを得た。
また、平均粒径0.8μmの白金粉末に、ブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した検知電極用の印刷ペーストおよび基準電極用の印刷ペーストを得た。
得られた各印刷ペーストを用いて、前記グリーンシートに各電極パターンをスクリーン印刷にて形成し、その後、乾燥させて、電極が形成されたグリーンシートを得た。
一方、平均粒径0.5μmのアルミナ粉末に、ブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した絶縁層用の印刷ペーストを得た。
得られた絶縁層用の印刷ペーストを用いて、前記グリーンシートに絶縁層パターンをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させた後、ヒータ用の印刷ペーストをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させた後、更にその上に絶縁層用の印刷ペーストを用いて絶縁層パターンをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させて、ヒータパターンが絶縁層に内在されたグリーンシートを得た。
一方、基準大気と接する空洞部に位置する各グリーンシートは、金型を用いて、検知部分となる幅1.6mmの空洞部を有するコ字形状に打ち抜き、空洞部を有するグリーンシートを得た。
その後、上記で得られた各グリーンシートを位置決めして積層し、加圧プレスして全積層層数10層のグリーン体(酸素センサ素子成形体)を得た。ついで、所定の寸法にホットナイフでカットし、グリーン体を1450℃にて2時間焼成して、酸素センサ素子を作製した。
<セラミックホルダの作製>
平均粒径0.8μmのジルコニア粉末に、アクリル系バインダーおよび溶剤を混合し、48時間撹拌して、スプレードライ用のスラリーを得、ついでスプレードライを行って、ジルコニア顆粒を作製した。ついで、このジルコニア顆粒を1軸プレスの金型に充填し、150MPaにて1軸プレスを行ってセラミックホルダ成形体を成形した。ついて、この成形体を1400℃で焼成してジルコニア質セラミックホルダを得た。
ついで、得られたセラミックホルダにおける凹部の内周面および底部の表面粗さが表1に示す値となるように、ブラスト法により粗化した。研磨材には粒径5μmの炭化珪素を用いた。また、研磨材の吐出圧は0.1MPaとした。表面粗さは、JIS B 0601に規定されている中心線平均粗さ(Ra)の測定方法に基づき触針法を用いて測定した。
次に、セラミックホルダの凹部および貫通孔に酸素センサ素子を挿入し、治具にて位置決めした後、Li―Ba−Al−ケイ酸塩ガラスからなる封止ガラス粉(封止材)を前記セラミックホルダの凹部と酸素センサ素子との隙間に充填した。その後、1100℃で10分間加熱して、封止ガラスにて気密化されたセラミックホルダと一体化した酸素センサを各100個ずつ得た。
<性能評価>
得られた酸素センサについて窒素ガスを用いたリーク試験を行い、ガスリークの有無からリーク発生率を求めた。リーク試験では、図5に示すように、酸素センサにおけるセラミックホルダ14の上部外周面を覆うように筒状の冶具51を気密状態に取り付けた試験体52を作製し、この試験体52の一部を水中に浸漬した状態で冶具51内にガス圧0.1MPaを印加して、セラミックホルダ14の貫通孔12端部から気泡53が生じるか否かを観察することにより、凹部11の内周面11a、凹部11の底部11bおよび酸素センサ素子15の外周面と、封止材16との界面における接合状態を評価した。リーク発生率はガスリークが発生した個数を全数(100個)で除し、100倍して算出した。結果を表1に示す。
[実施例4,5]
酸素センサ素子の外周面のうち封止材と接する部分の表面粗さが2μmとなるようにブラスト法にて粗化した他は、実施例1と同様にして酸素センサ素子を各100個ずつ作製し、リーク試験を行った。研磨材には粒径5μmの炭化珪素を用いた。また、研磨材の吐出圧は0.1MPaとした。結果を表1に示す。
[実施例6,7]
酸素センサ素子の外周面を実施例4と同様にして粗化した他は、実施例1と同様にして酸素センサ素子を作製した。また、セラミックホルダの材料としてジルコニア粉末に代えて平均粒径2μmのアルミナ粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてアルミナ顆粒を作製した。また、セラミックホルダ成形体を1500℃で焼成した他は、実施例1と同様にしてアルミナ質セラミックホルダを得た。その他は、実施例1と同様にして酸素センサを各100個ずつ作製し、リーク試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例8,9]
酸素センサ素子の外周面を実施例4と同様にして粗化した他は、実施例1と同様にして酸素センサ素子を作製した。また、ブラスト法に代えて、セラミックホルダ成形体を成形する1軸プレスの金型表面を粗面加工することによってセラミックホルダの凹部内周面および底部を表1に示す値に粗化した他は、実施例1と同様にして酸素センサを各100個ずつ作製し、リーク試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例10,11]
ブラスト法に変えて、セラミックホルダ成形体を成形する1軸プレスの金型表面を粗面加工することによってセラミックホルダの凹部内周面および底部を表1に示す値に粗化した他は、実施例6と同様にして酸素センサを各100個ずつ作製し、リーク試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
酸素センサ素子の外周面、並びにセラミックホルダの凹部内周面および底部をブラスト法により粗面加工していない他は、実施例1と同様にして酸素センサを各100個ずつ作製し、リーク試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
酸素センサ素子の外周面、並びにセラミックホルダの凹部内周面および底部をブラスト法により粗面加工していない他は、実施例6と同様にして酸素センサを各100個ずつ作製し、リーク試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004346424
表1から、凹部の内周面の表面粗さが0.2μmで、内周面と底部の表面粗さが同じである比較例1,2では、リーク発生率が大きくなっている。一方、凹部の内周面の表面粗さが0.3μm以上で、かつ底部の表面粗さが内周面の表面粗さよりも大きい実施例1〜11では、リーク発生率が3%以下と小さく、良好な結果が得られた。特に、内周面の表面粗さが2.0μm以上で、底部の表面粗さが5.0μm以上である実施例3〜11では、リーク発生率が1%以下であり、さらに酸素センサ素子の外周面の表面粗さが2.0μmである実施例4〜11では、リーク発生率がゼロという極めて良好な結果が得られた。
本発明の一実施形態にかかる酸素センサを示す断面図である。 図1の酸素センサにおけるセラミックホルダの周辺を拡大した拡大断面図である。 本発明における酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。 ブラスト法により凹部の内周面および底部を粗面加工する工程を示す概略図である。 リーク試験の試験方法を示す概略断面図である。
符号の説明
11 凹部
11a 凹部の内周面
11b 凹部の底部
12 貫通孔
14 セラミックホルダ
15 酸素センサ素子
16 封止材
17 固体電解質層
17a 酸素センサ素子の外周面のうち封止材と接する部分
18 セラミック層
18a 酸素センサ素子の外周面のうち封止材と接する部分
19 空洞部

Claims (7)

  1. 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダと、前記凹部および貫通孔に挿入された板状のガスセンサ素子とを備え、このガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材が充填されたガスセンサであって、
    前記セラミックホルダは、前記凹部の内周面の表面粗さが0.3μm以上であり、かつ前記凹部の底部の表面粗さが前記内周面の表面粗さよりも大きいことを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記内周面の表面粗さが2.0μm以上である請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記底部の表面粗さが5.0μm以上である請求項1または2記載のガスセンサ。
  4. 前記ガスセンサ素子の外周面のうち、少なくとも前記封止材と接する部分の表面粗さが2.0μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダ成形体を成形し、この成形体を焼成してセラミックホルダを作製する工程と、
    このセラミックホルダの凹部および貫通孔にガスセンサ素子を挿入し位置決めした後、前記ガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材を充填し、さらにこの封止材を加熱溶融させて前記隙間を封止する工程とを備えたガスセンサの製造方法であって、
    前記凹部の内周面の表面粗さが0.3μm以上で、かつ前記凹部の底部の表面粗さが前記内周面の表面粗さよりも大きくなるように、前記セラミックホルダ成形体を成形する金型の表面が粗面加工されていることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  6. 凹部と該凹部の底部に形成された貫通孔とを有するセラミックホルダ成形体を成形し、この成形体を焼成してセラミックホルダを作製する工程と、
    前記凹部の内周面および底部を粗面加工して、前記内周面の表面粗さを0.3μm以上とし、かつ前記底部の表面粗さを前記内周面の表面粗さよりも大きくする工程と、
    前記セラミックホルダの凹部および貫通孔にガスセンサ素子を挿入し位置決めした後、前記ガスセンサ素子と前記凹部との隙間に封止材を充填し、さらにこの封止材を加熱溶融させて前記隙間を封止する工程とを備えたガスセンサの製造方法。
  7. 前記凹部の内周面および底部をブラスト法により粗面加工する請求項6記載のガスセンサの製造方法。
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