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JP2005153449A - セラミック成形体の接合方法およびガスセンサ素子の製造方法 - Google Patents

セラミック成形体の接合方法およびガスセンサ素子の製造方法 Download PDF

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JP2005153449A JP2003398844A JP2003398844A JP2005153449A JP 2005153449 A JP2005153449 A JP 2005153449A JP 2003398844 A JP2003398844 A JP 2003398844A JP 2003398844 A JP2003398844 A JP 2003398844A JP 2005153449 A JP2005153449 A JP 2005153449A
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Kenichi Yoneyama
健一 米山
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Abstract

【課題】異種のセラミック材料からなる成形体を積層した積層体を焼成して一体化する際に、反り等が生じるのを抑制することができる異種セラミック成形体の接合方法およびこの方法を用いたガスセンサ素子の製造方法を提供することである。
【解決手段】互いに異なるセラミック材料からなる成形体を積層し、該積層体を焼成して一体化するに際して、互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体の焼成時における収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、収縮開始温度が低い成形体の収縮率が2%である温度において、収縮開始温度が高い成形体との収縮率差ΔSが1.5%以内であるセラミック成形体の接合方法である。また、この接合方法を用いたガスセンサ素子の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セラミック成形体の接合方法およびこの方法を用いたガスセンサ素子の製造方法に関し、より詳しくは自動車の排ガス中の酸素濃度検出等に用いられる板状の酸素センサ素子を製造する際に好適なセラミック成形体の接合方法およびガスセンサ素子の製造方法に関する。
近年、環境問題がクローズアップされ、各業界にて地球環境を最優先とする取り組みがなされている。とりわけ、自動車業界においては、アメリカ合衆国、カルフォルニア州の排ガス規制に代表されるように、排気ガス中のCO2、CO、HC、NOx量を年々低減していくことが世の中の流れになってきている。その中で、更なる排ガス中の上記ガスを低減するためには、如何に効率よく燃料を燃焼させるかが重要であり、そのためにも排ガス中の残存酸素量を瞬時に測定し、その情報を燃焼系に速くフィードバックすることができる酸素センサの要望が高まりつつある。
酸素センサはこれまで、排気ガスの熱を利用して、一端が封止された円筒状のセンサを昇温し、センサ機能を発現させてきた。しかし、センサ機能が発現するまでの間、排ガスは垂れ流しの状態にあり、昨今の厳しい排ガス規制には対応しきれなくなってきた。そこで、円筒状のセンサを積極的にヒータで加熱する酸素センサが開発された。このような酸素センサを用いることで、センサ機能を速く発現できるようになり、よりレスポンス良く情報をフィードバックできるようになった。
ところが、円筒状のセンサでは、どうしてもサイズが大きくなり、しかもヒータとセンサ部との間隔が大きくなるために、センサ機能の発現速度には限界があった。そこで、最近では、センサ部を板状にして小さくし、更にセンサ部とヒータとを一体成形することで昇温スピードを高め、より速くセンサ機能を発現できるようにした板状の酸素センサ素子を備えた酸素センサが開発されつつある(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の酸素センサ素子は、センサ部を構成する固体電解質層、ヒータを内在する絶縁層(絶縁質基体部)などを積層密着し焼成一体化したものである。しかしながら、固体電解質層を構成するセラミック材料と絶縁層を構成するセラミック材料とは成分が異なるため、積層密着条件、脱脂焼成条件等の条件設定が容易ではなく、焼成時にしばしば反りが発生することがある。このように酸素センサ素子を構成する積層焼結体に反りが発生すると、製造歩留まりが低下してコストアップにつながるという問題があった。
特開平8−5603号公報
本発明の課題は、異種のセラミック材料からなる成形体を積層した積層体を焼成して一体化する際に、反り等が生じるのを抑制することができる異種セラミック成形体の接合方法およびこの方法を用いたガスセンサ素子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、互いに異なるセラミック材料からなる成形体を積層した積層体を焼成するに際して、これらの成形体の焼成時における収縮初期の挙動、すなわち各成形体の収縮開始温度および収縮初期の収縮率を所定の範囲内に調整することにより、焼成時に反りが生じるのを抑制することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセラミック成形体の接合方法およびガスセンサ素子の製造方法は、以下の構成からなる。
(1) 互いに異なるセラミック材料からなる成形体を積層し、該積層体を焼成して一体化するセラミック成形体の接合方法であって、互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体の焼成時における収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、収縮開始温度が低い成形体の収縮率が2%である温度において、収縮開始温度が高い成形体との収縮率差ΔSが1.5%以内であることを特徴とするセラミック成形体の接合方法。
(2) 互いに異なるセラミック材料からなる成形体を積層し、該積層体を焼成して一体化するセラミック成形体の接合方法であって、互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体の焼成時における収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、収縮開始温度が低い成形体の収縮率が1.5%である温度において、収縮開始温度が高い成形体との収縮率差ΔSが1%以内であることを特徴とするセラミック成形体の接合方法。
(3) 一方のセラミック材料がジルコニア質セラミックスであり、他方のセラミック材料がアルミナ質セラミックスである(1)または(2)記載の接合方法。
(4) 互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体のうち、一方が固体電解質層用の成形体であり、他方が絶縁質基体部用の成形体である、(1)〜(3)のいずれかに記載の接合方法を用いたガスセンサ素子の製造方法。
前記(1)〜(3)に記載のセラミック成形体の接合方法によれば、一方のセラミック成形体と他方のセラミック成形体の収縮開始温度差および収縮初期における収縮率差を所定の範囲内に調整することにより、焼成時の反りを抑制し、反りの小さい積層焼結体を得ることができる。これにより、製造歩留まりの低下を抑制できるので、量産性が向上し、コストダウンを図ることができる。
前記(4)記載のガスセンサ素子の製造方法によれば、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の接合方法を用いることにより、反りが小さく高品質な酸素センサ素子を提供することができるとともに、製造歩留まりの低下を抑制できるので、量産性が向上し、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかるセラミック成形体の接合方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかるセラミック成形体の接合方法を用いて製造した酸素センサ素子の長手方向に垂直な断面を示す断面図であり、図2は、この酸素センサ素子の構造を説明するための分解斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の酸素センサ素子は、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部11と、このセンサ部11を加熱するためのヒータ21が内在された絶縁質基体部15と、検知電極13を排ガスによる被毒から保護するために形成された多孔質保護層16とを備えており、これらが焼成により一体化されている。
センサ部11は、酸素イオン導電性を有する固体電解質層12と、この固体電解質層12の上面に設けられた検知電極13と、固体電解質層12の下面に設けられた基準電極14とで構成されている。検知電極13および基準電極14にはリード部18,19がそれぞれ接続されている。リード部18の端部には電極パッド31が接続され、リード部19の端部には電極パッド32が接続されている。そして、この電極パッド32は、図示しないスルーホールを介して固体電解質層12の上面に設けられた電極パッド33に電気的に接続されている。
絶縁質基体部15は、積層された絶縁質基体部用のセラミック成形体15a,15b,15cと、成形体15b,15c内に埋設されたヒータ21とが焼成により一体化されたものである。また、成形体15aは金型でコ字形状に打ち抜かれている。これにより、この酸素センサ素子には、一端が封止された空洞部(大気導入孔)17が形成されている。
ヒータ21は、発熱体22と、該発熱体22に電流を供給するために発熱体22に接続されたリード部23と、このリード部23の端部に接続された電極パッド34とから構成されており、これらが絶縁質基体部15内に埋設されている。電極パッド34は、図示しないスルーホールを介して絶縁質基体部15の下面に設けられた電極パッド35に電気的に接続されている。
固体電解質層12用のセラミック材料としては、ジルコニア系セラミック材料、チタニア系セラミック材料等の固体電解質を用いることができる。この固体電解質としては、安定化剤としてY23、Yb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23などの希土類酸化物を酸化物換算で3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2または安定化ZrO2、アルカリ土類元素を固溶させたZrO2などを用いてもよい。
絶縁質基体部15用のセラミック材料としては、絶縁性を有したセラミックスであれば特に限定されず、例えばアルミナ、フォルステライトなどの絶縁性セラミック材料を用いることができる。特に、固体電解質層12用のセラミック材料がジルコニア質セラミックスであり、絶縁質基体部15用のセラミック材料がアルミナ質セラミックスであるのがよい。
発熱体22、リード部18,19,23、検知電極13、基準電極14および電極パッド31〜35の材料としては、公知の導電性金属材料を用いることができる。具体的には、例えば白金、タングステンあるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテチウムおよび金からなる群より選ばれる1種との合金などが使用可能である。特に、これらの材料としては、固体電解質および絶縁質基体部のセラミック材料と同時に焼成できる点で、白金、タングステン等が好適である。また、発熱体22には、該発熱体22の抵抗値、熱膨張係数等を調整するために、無機材料からなる共材を混在させてもよい。
本実施形態の酸素センサ素子を備えた酸素センサでは、発熱体22に通電して固体電解質層12を400〜1000℃程度に加熱した状態で、空洞部17に基準大気(酸素)が導入され、検知電極13が排ガス等の測定雰囲気中に配置される。測定方式としては、検知電極13と基準電極14との間で発生する起電力を測定して排気ガス中の酸素濃度を測定する濃淡電池型でもよく、一定電圧を印加し電流を検出して酸素濃度を測定する限界電流型でもよい。
本発明では、上記のような酸素センサ素子を製造するに際して、互いに異なるセラミック材料からなる成形体、すなわち固体電解質層12用のセラミック成形体と絶縁質基体部15用のセラミック成形体は、これらの成形体間の収縮開始温度差ΔTおよび収縮初期における収縮率差ΔSが下記の所定範囲内に調整されている。
図3は、焼成時の温度とセラミック成形体の収縮率との関係を表すグラフである。実線が収縮開始温度の低い方のセラミック成形体、破線が収縮開始温度の高い方のセラミック成形体の収縮挙動を表している。ここで、収縮開始温度とは、焼成時に温度を上昇させたとき、セラミック成形体が収縮し始めた時点の温度をいう。また、収縮率は、焼成前の成形体の寸法と焼成時のある温度における成形体の寸法との差を、焼成前の寸法で除し、100倍したものである。収縮率および収縮開始温度は、熱機械分析装置(TMA)を用いた測定方法、後述する実施例に示す測定方法などから得ることができる。
図3には、各成形体の収縮開始温度をT1,T2で示している。また、収縮率S1,S2は、ある温度Tにおける各成形体の収縮率である。本発明では、上記成形体の収縮開始温度差ΔT、すなわち(T2−T1)は0〜70℃の範囲にある。また、収縮開始温度がT1の成形体(収縮開始温度が低い成形体)の収縮率S1が2%である温度において、収縮開始温度がT2の成形体(収縮開始温度が高い成形体)との収縮率差ΔS、すなわち(S1−S2)は0〜1.5%の範囲にある。このように各成形体の収縮初期の挙動を制御することにより、反りが生じるのを抑制し、反りの小さい酸素センサ素子を得ることができる。
また、酸素センサ素子の反り量をさらに低減するには、収縮率差ΔSを下記の所定範囲内に調整するのが好ましい。すなわち、収縮開始温度がT1の成形体の収縮率S1が1.5%である温度において、収縮開始温度がT2の成形体との収縮率差ΔSを0〜1%の範囲とする。これにより、反り抑制効果がさらに向上し、反り量がより低減された酸素センサ素子を得ることができる。
以下、本実施形態にかかる酸素センサ素子の製造方法について、図2の分解斜視図をもとに説明する。まず、グリーンシートを作製するためのドクターブレード法などの公知の成形方法を用いて、未焼成の固体電解質層用成形体12を作製する。ついで、同様の成形方法を用いて、未焼成の絶縁質基体部用成形体15a,15b,15cを作製する。さらに、多孔質保護層用の成形体16を上記と同様の成形方法によって作製する。
成形体12と成形体15a,15b,15cとは、互いに異なる前記セラミック材料が用いられている。そして、成形体12と成形体15a,15b,15cとの焼成時における収縮開始温度差ΔTおよび収縮率差ΔSは、上記条件の範囲内に設定されている。なお、多孔質保護層はポーラス体であるので、多孔質保護層用成形体16の収縮開始温度および収縮率が酸素センサ素子の反りに与える影響は、固体電解質層用成形体12および絶縁質基体部用成形体15a,15b,15cの収縮開始温度および収縮率と比較すると極僅かである。したがって、多孔質保護層用成形体16の収縮開始温度および収縮率については特に考慮しなくても、成形体12と成形体15a,15b,15cとの焼成時における収縮開始温度差ΔTおよび収縮率差ΔSを上記条件の範囲内に設定するだけで、反りの小さな酸素センサ素子を得ることができる。
各成形体の収縮開始温度および収縮率は、例えば該成形体に配合するバインダー、可塑剤などの助剤の配合量を変えたり、成形体の主成分であるセラミック材料(セラミック粉末)の粒径を変えることにより調整することができる。助剤の配合量を増やすと収縮開始温度は上昇し収縮率は低下する。一方、助剤の配合量を減らすと収縮開始温度は低下し収縮率は上昇する。また、セラミック粉末の粒径を小さくすると収縮開始温度は低下し収縮率は上昇する。一方、セラミック粉末の粒径を大きくすると収縮開始温度は上昇し収縮率は低下する。
次に、導電性金属材料と必要に応じて共材を混合して発熱体用の印刷ペーストを作製する。混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば3本ロール等のロール混合、ミルを用いたミル混合等を用いることができる。同様に、リード部用、検知電極用、基準電極用および電極パッド用の各印刷ペーストを、ロール混合等を用いて作製する。
次に、成形体12にスクリーン印刷等により上記印刷ペーストを塗布し乾燥させることによって、検知電極13、基準電極14、リード部18,19および電極パッド31〜33の各電極パターンを形成する。成形体12には、電極パッド32と電極パッド33を電気的に接続するための図示しないスルーホールを形成する。
ついで、成形体15cにスクリーン印刷等により上記印刷ペーストを塗布し乾燥させることによって、発熱体22、リード部23および電極パッド34のヒータパターンを形成する。成形体15cの裏面には上記と同様にして電極パッド35の電極パターンを形成する。成形体15cには、電極パッド34と電極パッド35を電気的に接続するための図示しないスルーホールを形成する。
次に、多孔質保護層用の成形体16、電極パターンが形成された成形体12、金型でコ字形状に打ち抜いた成形体15a、成形体15bおよびヒータパターンが形成された成形体15cを位置決めして密着積層し、グリーン体(各成形体を積層した積層体)を得る。なお、酸素センサ素子の厚み調整のために、各種パターンが印刷されていない他の成形体(グリーンシート)を上記成形体間にさらに介在させても何ら問題なく、図2に限定されるものではない。
次に、上記積層体を必要に応じて所定の寸法にカットし、焼成し一体化して酸素センサ素子を得ることができる。焼成温度は、セラミック材料、電極材料等に応じて適宜選択することができ、通常、1300〜1600℃程度とする。上記のように各部材を同時焼成することで、焼成を一回にすることができ、コストダウンを図ることができる。
なお、本発明の目的を逸脱しない範囲において、酸素センサ素子の構成は上記実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、本発明を酸素センサ素子に適用した場合について説明したが、本発明は、例えばNOxセンサ、CO2センサ等の類似した構造のガスセンサ素子に用いられるガスセンサにも適用可能である。
また、本発明のセラミック成形体の接合方法は、上記のようなガスセンサ素子を製造する場合だけでなく、互いに異なる複数のセラミック成形体を焼成し一体化して積層焼結体を製造する種々の用途にも同様に適用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1,2,4,5および比較例1]
まず、平均粒径0.7μmのジルコニア粉末に、ブチラール系バインダー、可塑剤および溶剤を混合し、48時間撹拌してスラリーを得た。その際、ジルコニア粉末100質量部に対して前記バインダーの添加量を8〜20質量%の範囲で調整した。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形し、乾燥させて、収縮開始温度が表1に示す値に調整された厚さ180μmの固体電解質層用の成形体をそれぞれ作製した。
一方、平均粒径0.6μmのアルミナ粉末に、ブチラール系バインダー、可塑剤および溶剤を混合し、48時間撹拌してスラリーを得た。その際、アルミナ粉末100質量部に対して前記バインダーの添加量を10〜25質量%の範囲で調整した。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形、乾燥させて、収縮開始温度が表1に示す値に調整された厚さ200μmの絶縁質基体部用の成形体をそれぞれ作製した。
また、平均粒径1.0μmのアルミナ粉末に、有機質空孔材、ブチラール系バインダー、可塑剤および溶剤を混合し、24時間撹拌してスラリーを得た。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形、乾燥させて、厚さ120μmの多孔質保護層用の成形体を作製した。
次に、平均粒径0.5μmの白金粉末に、平均粒径1.0μmのアルミナ粉末、ブチラール系バインダーおよびテルピネオールを所定量調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整してヒータパターン用の印刷ペーストを得た。
また、平均粒径0.5μmの白金粉末に、平均粒径0.7μmのジルコニア粉末、ブチラール系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した検知電極用印刷ペースト、基準電極用印刷ペースト、電極パッド用印刷ペーストおよびリード部用印刷ペーストを得た。
次に、絶縁質基体部用の成形体にヒータパターン用の印刷ペーストをスクリーン印刷にて形成し、乾燥させて、ヒータパターンが形成された成形体を得た。ついで、この成形体に打ち抜きによりスルーホールを形成し、導電ペーストを充填した後、電極パッドパターンを形成した。また、幅1.6mmの空洞部を形成するために、絶縁質基体部用の成形体を金型で打ち抜いてコ字形状の成形体を得た。
一方、固体電解質層用の成形体の表裏面に、検知電極用、基準電極用およびリード部用の印刷ペーストをスクリーン印刷により形成し、乾燥させて、電極パターンが形成された成形体を得た。ついで、この成形体に打ち抜きによりスルーホールを形成し、導電ペーストを充填した後、電極パッドパターンを形成した。
その後、上記で得られた各成形体を位置決めして、熱圧着にて積層し、加圧プレスしてグリーン体(積層体)を得た。ついで、この積層体を所定形状にホットナイフでカットして酸素センサ素子成形体を得た。そして、この酸素センサ素子成形体を下記焼成条件で焼成して、酸素センサ素子をそれぞれ作製した。
焼成条件:室温から500℃まで6時間で昇温、500℃で1時間保持、500℃から800℃まで2時間で昇温、800℃から1450℃まで7時間で昇温、1450℃で2時間保持
固体電解質層用の成形体と絶縁質基体部用の成形体の収縮開始温度および収縮率は、以下のようにして測定した。まず、実施例および比較例で用いた固体電解質層用成形体および絶縁質基体部用成形体と同じ配合で、幅7mm、長さ60mm、厚さ200μmの収縮挙動測定用成形体をそれぞれ作製し、該成形体の焼成前の長さを測定した。ついで、各成形体の収縮率と温度の関係を調べるために、ある温度で焼成を止めて急冷し長さを測定するという焼成パターンを、焼成を止める温度を変えて15回繰り返し、得られた寸法データから下式により各温度における収縮率を算出し、図3に示すような収縮率と温度の関係を表す収縮曲線をそれぞれ得た。なお、上記焼成パターンにおいて、室温から焼成を止める温度までの昇温では、実際に酸素センサ素子を作製する際の上記焼成条件に示す昇温速度および保持時間に従った条件を用いた。収縮開始温度は収縮率が0.05%に達したときの温度とした。
Figure 2005153449
[実施例3,6]
平均粒径1.0μmのチタニア粉末に、ブチラール系バインダー、可塑剤および溶剤を混合し、48時間撹拌してスラリーを得た。その際、チタニア粉末100質量部に対して前記バインダーの添加量を9〜23質量%の範囲で調整した。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形し、乾燥させて、収縮開始温度が表1に示す値に調整された厚さ180μmの固体電解質層用の成形体をそれぞれ作製した。
一方、平均粒径0.8μmのフォルステライト粉末に、ブチラール系バインダー、可塑剤および溶剤を混合し、48時間撹拌してスラリーを得た。その際、フォルステライト粉末100質量部に対して前記バインダーの添加量を10〜25質量%の範囲で調整した。その後、ドクターブレード成形にて上記スラリーを成形、乾燥させて、収縮開始温度が表1に示す値に調整された厚さ200μmの絶縁質基体部用の成形体をそれぞれ作製した。
その他は、実施例1と同様にして酸素センサ素子成形体を作製し、この酸素センサ素子成形体を1400℃にて2時間焼成して、酸素センサ素子をそれぞれ作製した。
Figure 2005153449
<性能評価>
上記各酸素センサ素子の焼成前後における反りの発生状況を評価した。図4は、酸素センサ素子の反り量の評価方法を示す概略図である。図4に示すように、酸素センサ素子における積層方向の厚みをH1とし、酸素センサ素子を水平板上に載置したときの鉛直方向の最大高さをH2としたとき、H2とH1の差(ΔH=(H2−H1))を反り量とした。結果を表1に示す。
表1から、絶縁質基体部用の成形体と固体電解質層用の成形体の収縮開始温度差ΔTが80℃であり、絶縁質基体部用の成形体の収縮率S2が2%となる測定温度Tにおける収縮率差ΔSが1.9%である比較例1では、反り量ΔHが200μmと大きな値となっていることがわかる。
一方、収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、絶縁質基体部用の成形体の収縮率S2が2%となる測定温度Tにおける収縮率差ΔSが1.5%以内である実施例1〜3では、反り量ΔHが80μm以下と小さく抑えられている。また、収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、絶縁質基体部用の成形体の収縮率S2が1.5%となる測定温度Tにおける収縮率差ΔSが1%以内である実施例4〜6では、反り量ΔHが50μm以下とさらに低減されている。
本発明のセラミック成形体の接合方法を用いて製造した酸素センサ素子の長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 図1の酸素センサ素子の構造を説明するための分解斜視図である。 焼成時の温度と成形体の収縮率との関係を表すグラフである。 実施例における酸素センサ素子の反り量の評価方法を説明するための概略図である。
符号の説明
11 センサ部
12 固体電解質層
13 検知電極
14 基準電極
15 絶縁質基体部
16 多孔質保護層
17 空洞部
18,19 リード部
21 ヒータ
22 発熱体
23 リード部

Claims (4)

  1. 互いに異なるセラミック材料からなる成形体を積層し、該積層体を焼成して一体化するセラミック成形体の接合方法であって、
    互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体の焼成時における収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、
    収縮開始温度が低い成形体の収縮率が2%である温度において、収縮開始温度が高い成形体との収縮率差ΔSが1.5%以内であることを特徴とするセラミック成形体の接合方法。
  2. 互いに異なるセラミック材料からなる成形体を積層し、該積層体を焼成して一体化するセラミック成形体の接合方法であって、
    互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体の焼成時における収縮開始温度差ΔTが70℃以内であり、
    収縮開始温度が低い成形体の収縮率が1.5%である温度において、収縮開始温度が高い成形体との収縮率差ΔSが1%以内であることを特徴とするセラミック成形体の接合方法。
  3. 一方のセラミック材料がジルコニア質セラミックスであり、他方のセラミック材料がアルミナ質セラミックスである請求項1または2記載の接合方法。
  4. 互いに異なるセラミック材料からなる前記成形体のうち、一方が固体電解質層用の成形体であり、他方が絶縁質基体部用の成形体である、請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法を用いたガスセンサ素子の製造方法。
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