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JP4338491B2 - 高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料として水素、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどを用い、酸化剤として空気や酸素を用いる高分子型燃料電池及びそのガス拡散電極の製造方法に関する。
高分子電解質型燃料電池のガス拡散電極は、一般に高分子電解質膜を挟持する触媒層と触媒層を支持する多孔質基材から構成されている。多孔質基材は主に次の3つの機能を持っている。第一は、ガス拡散電極の外面に位置するガス流路から、触媒層内の触媒へ均一に燃料ガスもしくは酸化剤ガスを供給するために、ガスを拡散する機能である。第二は、触媒層内で電極反応により生成した水を、速やかにガス流路に排出する機能である。第三は、電極反応に伴って授受される電子を伝導させる機能である。したがって、多孔質基材は、高いガス透過性と水蒸気透過性と電子導電性とを有する必要がある。
水蒸気透過性を高める観点からは、フッ素樹脂に代表される撥水性高分子を多孔質基材に分散させて、水の滞留(フラッディング)を抑制する検討がなされている。例えば、特許文献1は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す。)またはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(以下、FEPと略す。)の分散液にカーボンペーパーやカーボンクロスを含浸・乾燥する方法を開示している。また特許文献2は、PTFEを添加した炭素微粉末からなる層を形成した多孔質基材を開示している。
しかし、カーボンペーパーやカーボンクロスを無作為に撥水性高分子の分散液に含浸、乾燥する方法では、撥水性高分子が三次元構造を持つ多孔質基材の繊維配列に従って分布してしまうため、撥水剤の分布を制御することは困難である。また、多孔質基材の空隙の分布に反比例して、空隙の大きい部分には撥水剤が集まらず、空隙の小さい部分には撥水剤が集まりやすい傾向がある。さらに、上記含浸法では、多孔質基材の表面に撥水剤が多く偏在することとなる。そのような基材を用いたガス拡散電極では、基材内部に水が閉じ込められて、フラッディングを引き起こす。その結果、燃料電池の放電特性や信頼性も低下してしまう。
また、水蒸気透過性を高めるために、撥水性高分子を多孔質基材に添加しても、基材内における撥水性高分子の分布を適切に制御しないと、ガス透過性や電子導電性が低下するという問題がある。そこで、多孔質基材を単一の基材から構成するのではなく、カーボン繊維からなる層と、炭素粉末および撥水性高分子電解質からなる層とを組み合わせて、相反する機能を両立させる取り組みなどがなされているが、十分な結果は得られていない。
特開平6−203851号公報 特開平7−220734号公報
ガス拡散電極の水蒸気透過性を向上させると共に、ガス透過性を確保するには、ガス拡散電極内の撥水剤の分布を適切に制御することが不可欠である。本発明は、この課題を解決し、フラッディングを抑制し、水蒸気透過性とガス透過性を確保し、放電性能および信頼性の高い燃料電池を提供することを目的とする。
好ましい実施形態において、本発明は、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、触媒を担持した導電性炭素粉末および水素イオン伝導性高分子電解質を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む一対の触媒層と、導電性炭素材料からなる多孔質基材および前記多孔質基材に付与された撥水剤を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜及び前記一対の触媒層を挟むガス拡散層と、を具備する高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびポリビニリデンフルオライドのうちの少なくともいずれかと、を分散した分散液にせん断力を印加し、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子の凝集体を形成して塗布液を調製する調製工程と、
前記塗布液を前記多孔質基材の触媒層を形成しようとする面側から塗布する塗布工程と、
前記多孔質基材を焼成して撥水処理を施す焼成工程と、を有することを特徴とする。前記調製工程は、ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体と、を分散した分散液にせん断力を印加し、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子の凝集体を形成して塗布液を調製する工程であることが好ましい。
別の好ましい実施形態において、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、触媒を担持した導電性炭素粉末および水素イオン伝導性高分子電解質を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む一対の触媒層と、導電性炭素材料からなる多孔質基材および前記多孔質基材に付与された撥水剤を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜及び前記一対の触媒層を挟むガス拡散層と、を具備する高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
ポリテトラフルオロエチレンを分散した分散液にせん断力を印加し、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子の凝集体を形成する、第1の分散液を得る凝集工程と、
前記第1の分散液と、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドのうちの少なくともいずれかを分散した第2の分散液と、を混合して塗布液を調製する調製工程と、
前記塗布液を多孔質基材の触媒層を形成しようとする面側から塗布する塗布工程と、
前記多孔質基材を焼成して撥水処理を施す焼成工程と、を有することを特徴とする。前記調製工程は、前記第1の分散液と、ポリテトラフルオロエチレンを分散した第2の分散液と、を混合して塗布液を調製する工程であることが好ましい。
本発明により、撥水剤が適切に分布して、触媒層に接する側ほど撥水性が高くなるように傾斜し、水蒸気透過性とガス透過性を確保したガス拡散電極が得られる。このガス拡散電極を備えることにより、フラッディングが抑制され、放電性能が優れた信頼性の高い燃料電池を提供することが可能になる。
図1は高分子電解質型燃料電池の代表的な構造を示す。
水素イオン伝導性高分子電解質膜1、これを挟むアノード2およびカソード3、並びにこれら電極の外周縁部において高分子電解質膜を挟むガスケット4からなる電解質膜電極接合体(MEA)5がセパレータ板と交互に積層されてスタックを構成している。図では2種のセパレータ板が使用されている。1つは、一方の面に燃料ガスの流路12を有し、他方の面に酸化剤ガスの流路13を有するアノード側セパレータ板およびカソード側セパレータ板を兼ねる単一のセパレータ板10である。他の1つは、酸化剤ガスの流路15を有するカソード側セパレータ板10aと、燃料ガスの流路16を有するアノード側セパレータ板10bとを組み合わせた複合セパレータ板である。複合セパレータ板は、セパレータ板10aおよび10bがそれぞれ有する溝17および18により両者間に形成される冷却水の流路を有する。
図2は図1においてアノードおよびカソードとして表したガス拡散電極の構成例を示す。ガス拡散電極20は、水素イオン伝導性高分子電解質膜1とその両側に白金族金属などの触媒を担持した導電性炭素粉末および水素イオン伝導性高分子電解質からなる触媒層21と、導電性炭素材料からなる多孔質基材23および多孔質基材に付与された撥水剤からなるガス拡散層22とからなる。ガス拡散層22は、好ましくは、多孔質基材23の触媒層側表面に、撥水剤と導電性カーボン粉末からなる撥水カーボン層24を有する。
上記のような構成の燃料電池において、電極反応は、触媒層21に含まれる触媒表面で生じる。アノード側の触媒層では、H2 →2H++2eの反応が起きる。一方、カソード側の触媒層では、1/2O2+2H++2e→H2Oの反応が起きる。反応全体としては、H2+1/2O2→H2Oとなる。この反応により、起電力が得られ、発電が可能になる。この電極反応により、カソードの触媒層では水が生成する。また、反応の際にはアノード側の触媒層で生じたH+は水素イオン伝導性高分子電解質膜内を移動して、カソード側の触媒層に至る。このとき、1個のH+が5〜20個の水分子を同伴して移動する。
水素イオン伝導性高分子電解質膜は、十分な水で膨潤した状態において、初めて高い水素イオン伝導性を発揮する。しかし、水素イオン伝導性高分子電解質膜中を移動するH+に同伴して多量の水がカソードに移動するため、水を常に水素イオン伝導性高分子電解質膜に供給する必要がある。この水は、ガス流路からガス拡散層基材に水蒸気として供給され、カソードおよびアノードを通って水素イオン伝導性高分子電解質膜に供給される。また、カソード側の触媒層内で生成した水のうち、水素イオン伝導性高分子電解質が必要としない余剰水分は、ガス拡散層基材を通って、ガス流路から外部に排出される。
上述のように、ガス拡散電極では水の出入りが多いことから、ガス拡散電極内の撥水性を制御することが重要となる。特に、信頼性の観点からは、余剰となった水を速やかに外部に排出できるように、撥水性を設計する必要がある。前記理由より、多孔質基材の撥水性が、触媒層側からセパレータ側に向かって連続的に低くなることが好ましい。このように水の排出方向に沿って、撥水性が低下していると、水の移動が容易になり、多孔質基材内に余剰水分が滞留するのを抑制することが可能になる。
本発明によるガス拡散電極の製造方法は、粒子もしくはその凝集体のサイズの異なる少なくとも2種のフッ素樹脂撥水剤を分散した塗布液を調製する工程、および前記の塗布液を多孔質基材の触媒層を形成しようとする面側から塗布し、焼成して撥水処理を施す工程を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記フッ素樹脂撥水剤の1種が繊維化する材料であり、前記塗布液を調製する工程が、前記繊維化する材料を含む分散液にせん断力を印加して前記材料の粒子の凝集体を形成する工程を含む。
本発明の好ましい他の実施の形態においては、前記フッ素樹脂撥水剤がポリテトラフルオロエチレンであり、前記塗布液を調製する工程が、ポリテトラフルオロエチレンの分散液と、せん断力を印加して凝集体を形成したポリテトラフルオロエチレンの分散液とを混合する工程を含む。
前記のような塗布液を多孔質基材の一方の面側から塗布すると、粒子もしくはその凝集体のサイズの小さい方の撥水材は反対側の面側へも浸透するが、粒子もしくはその凝集体のサイズの大きい方の撥水剤は塗布面側に偏在することになる。このようにして、多孔質基材に塗布された撥水剤は、塗布面側から反対側の面に向かって、順次少なくなるように分布する。これを熱処理することにより撥水剤を多孔質基材に固定すれば、塗布面側の撥水性が強く、反対側の面が弱くなるというように、撥水性が厚み方向に傾斜したガス拡散層が得られる。
用いる撥水剤としては、フッ素樹脂が好ましく、例えば、PTFE、FEP、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなどである。なかでも好ましいフッ素樹脂は、PTFEである。PTFEはこれにせん断力を印加すると、繊維化し、凝集する。従って、樹脂としては1種であるが、凝集したPTFEと凝集していないPTFEとの粒径ないし凝集体のサイズの異なる2種の撥水剤分散液を用意できる。
PTFEを凝集させる場合、これに組み合わせる撥水剤はFEPが好ましい。FEPは、熱処理により溶融したときの粘度が小さく、多孔質基材の細部にまで行き渡る。一方、PTFEは、溶融したときの粘度が比較的大きいので、多孔質基材の触媒層の撥水性を強くするのに適している。同じまたは異なる撥水剤で、その粒子のサイズの異なる少なくとも2種を分散した分散液を用いることもできる。
撥水剤の粒子もしくはその凝集体のサイズについては、小さい方のサイズは0.1〜1μm、大きい方のサイズは1〜10μmが好ましい。
多孔質基材には、カーボンペーパーなどのカーボン不織布やカーボンクロスなどのカーボン織布を用いることができる。多孔質基材は、この種の高分子電解質型燃料電池のガス拡散層の基材に用いるものとして知られているカーボン織布を用いることができるが、その細孔径の最大頻度が1〜5μmのものが好ましいものの一例である。これら多孔質基材への撥水剤の付与方法は、多孔質基材の片側から塗布できる方法であればよく、スプレー法、コーター法、スクリーン印刷法などが好ましい。多孔質基材へ撥水剤を付与した後の熱処理温度は、撥水剤中の界面活性剤の分解温度が260℃程度であるので、これ以上であることが好ましい。また、PTFEやFEPの溶融温度が360℃程度であるので、これ以下の温度が好ましい。特に、好ましい温度は、260〜330℃である。
以下、本発明を実施例により説明する。
《実施例1》
PTFE分散液(ダイキン工業(株)製D−1)とFEP分散液(ダイキン工業(株)製ND−1)とを重量比で1:1となるように、ボールミルを用いて、1時間混合した。ここに用いた分散液中のPTFEおよびFEPの粒径はいずれもサブミクロンのオーダーであり、前記のボールミルによる混合操作により、PTFE粒子は繊維化し、1〜10数μmの凝集体を形成した。次に、この混合液と水を容積比1:10の割合で混合し、希釈した。
一方、多孔質基材としてはカーボンペーパー(東レ(株)製のTGPH−H−90)を用いた。このカーボンペーパーに対して、前記撥水剤の混合液をスプレーを用いて一方の面側から塗布した。スプレーによる塗布条件は、吐出量は1cc/秒、霧化圧力は1.0kg/cm2、スプレーノズルから多孔質基材までの距離は20cmとした。このようにして撥水剤を塗布した基材を、280℃で1時間焼成した。こうして基材に付与された撥水剤の量は1.0cm2あたり1.0mgであった。
次に、比表面積約70m2/gの導電性炭素微粉末アセチレンブラック(電気化学工業(株)製)100重量部と、結着剤としてのPTFE粉末13重量部との混合物を水に分散して撥水カーボン層インクを調製した。このインクを前記多孔質基材の撥水剤を塗布した側の面上に、ドクターブレードを用いて塗布し、乾燥して撥水カーボン層を形成した。この基材を280℃で1時間焼成した。撥水カーボン層の量は1.0cm2あたり4.0mgであった。
導電性カーボン粒子であるケッチェンブラックEC(オランダ国、AKZO Chemie社製)に、平均粒径約30Åの白金粒子を50重量%担持させた。これをカソード側の触媒粒子とした。また、ケッチェンブラックECに平均粒径約30Åの白金粒子とルテニウム粒子とをそれぞれ25重量%担持させた。これをアノード側の触媒粒子とした。これらの触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質溶液(デュポン社製のパーフルオロカーボンスルホン酸溶液(SE10072)、10重量%濃度)とを触媒粒子のカーボンの重量と高分子電解質溶液中の固形分重量との比が1:1のとなるように混合し、さらにエタノールを加えてインク粘度を調製した。このようにしてカソード側触媒インクおよびアノード側触媒インクを作製した。
前記のカソード側触媒インクおよびアノード側触媒インクを、それぞれポリテトラフルオロエチレンのシート上にバーコーターを用いて塗布して、カソード側触媒層およびアノード側触媒層を形成した。次に、外寸が20cm×32cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112)の一方の面に前記カソード側触媒層を、また他方の面に前記アノード側触媒層をそれぞれ120℃、30kg/cm2で熱転写した。このようにして高分子電解質膜に転写された触媒層に含まれる触媒金属量は、0.5mg/cm2となるようにした。このときの触媒層の平均厚みは20μmであった。
次に、前述のカーボンペーパーを撥水カーボン層の塗布した面が触媒層に接するようにホットプレスで接合し、さらに水素イオン伝導性高分子電解質膜の外周部には、ゴム製のガスケット板を接合した。こうして作製した電解質膜電極接合体(MEA)の外周縁部には、燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水用の各一対のマニホールド孔を形成した。
一方、外寸が20cm×32cm、厚みが1.3mmの樹脂含浸黒鉛板からアノード側セパレータ板及びカソード側セパレータ板を作製した。いずれのセパレータ板も前記MEAの各マニホールド孔と連通するマニホールド孔を有し、背面には冷却水のマニホールド孔を連絡する冷却水の流路を有する。アノード側セパレータ板は燃料ガスの流路を連絡するガス流路を、またカソード側セパレータ板は酸化剤ガスのマニホールド孔を連絡するガス流路をそれぞれ有している。ガス流路および冷却水の流路の深さは0.5mmである。これらのアノード側セパレータ板及びカソード側セパレータ板により前記のMEAを挟み単電池とした。単電池の両端部には、ステンレス鋼製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板を介して端板で挟み、締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータ板の面積あたり10kgf/cm2とした。
《実施例2》
PTFE分散液(ダイキン工業(株)製D−1)をボールミルを用いて1時間攪拌し、PTFEの繊維化を促進することで、1〜10数μmの凝集体を得た。次に、前記繊維化したPTFEを含む分散液と繊維化させていないPTFE分散液とを重量比1:1となるようにマグネティックスタラーで緩やかに混合した。さらに、このPTFEの混合液と水とを容積比1:10の割合で混合し、希釈した。
一方、多孔質基材としてカーボンクロス(日本カーボン(株)製のGF−20−P7)を用いた。このカーボンクロスの一方の面に、前記の撥水剤混合液をドクターブレードを用いて、塗布した。この基材を280℃で1時間焼成した。基材に付与された撥水剤の量は1.0cm2あたり1.0mgであった。
次に、実施例1で用いたものと同じ撥水カーボン層インクを、前記基材の撥水剤を塗布した側の面上に、ドクターブレードを用いて塗布した。この基材を280℃で1時間焼成した。基材に付与された撥水カーボン層の量は、1.0cm2あたり4.0mgであった。
実施例1で用いたものと同じアノード側触媒粒子及びカソード側触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質溶液(旭硝子(株)製のパーフルオロカーボンスルホン酸溶液(フレミオン)、9重量%濃度)とを触媒粒子のカーボンの重量と高分子電解質溶液中の固形分重量との比が1:1のとなるように混合し、さらにエタノールを加えてインク粘度を調製した。このようにしてカソード側触媒インクおよびアノード側触媒インクを作製した。
外寸が20cm×32cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112)の一方の面に前記のアノード側触媒インクを、他方の面にカソード側触媒インクをそれぞれスプレーを用いて塗布して触媒層を高分子電解質膜に直接形成した。触媒層中に含まれる触媒金属量は、0.5mg/cm2であり、触媒層の平均厚みは20μmであった。
《比較例1》
FEP分散液(ダイキン工業(株)製ND−1)と水を体積比1:10の割合で混合し、希釈した。多孔質基材にはカーボンペーパー(東レ(株)製のTGPH−H−90)を用いた。このカーボンペーパーの一方の面に、前記撥水剤の分散液をスプレーを用いて塗布した。スプレーの塗布条件は、実施例1と同じである。この基材を280℃で1時間焼成した。基材に付与された撥水剤の量は1.0cm2あたり1.0mgであった。このガス拡散層以外は、実施例1と同様にして単電池を作製した。
《比較例2》
FEP分散液(ダイキン工業(株)製ND−1)と水を体積比1:10の割合で混合し、希釈した。多孔質基材にはカーボンクロス(日本カーボン(株)製のGF−20−P7)を用いた。このカーボンクロスの一方の面に、前記撥水剤の分散液をドクターブレードを用いて塗布した。この基材を280℃で1時間焼成した。基材に付与された撥水剤の量は1.0cm2あたり1.0mgであった。このガス拡散層以外は、実施例1と同様にして単電池を作製した。
以上の高分子電解質型燃料電池を、75℃に保持し、アノード側に75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に同じく75℃の露点となるよう加湿・加温した空気をそれぞれ供給した。単電池の電流−電圧特性を図3及び図4に、電流密度0.2mA/cm2における電圧の経時変化を図5及び図6にそれぞれ示す。これらの図から明らかなように、撥水剤の分布を適切に制御されたガス拡散電極を有する実施例の燃料電池は、比較例の電池に比べて優れた特性を示している。
本発明によれば、水蒸気透過性とガス透過性の優れたガス拡散電極が得られ、このガス拡散電極を備えることにより、高分子電解質型燃料電池のフラッディングが抑制され、信頼性が向上する。
代表的な高分子電解質型燃料電池の縦断面図である。 その要部の断面図である。 本発明の実施例1及び比較例1の単電池の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の実施例2及び比較例2の単電池の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の実施例1及び比較例1の単電池の電圧の経時変化を示す図である。 本発明の実施例2及び比較例2の単電池の電圧の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 水素イオン伝導性高分子電解質膜
2 アノード
3 カソード
10、10a、10b セパレータ板
20 ガス拡散電極
21 触媒層
22 ガス拡散層
23 多孔質基材
24 撥水カーボン層

Claims (4)

  1. 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、触媒を担持した導電性炭素粉末および水素イオン伝導性高分子電解質を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む一対の触媒層と、導電性炭素材料からなる多孔質基材および前記多孔質基材に付与された撥水剤を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜及び前記一対の触媒層を挟むガス拡散層と、を具備する高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
    ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびポリビニリデンフルオライドのうちの少なくともいずれかと、を分散した分散液にせん断力を印加し、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子の凝集体を形成して塗布液を調製する調製工程と、
    前記塗布液を前記多孔質基材の触媒層を形成しようとする面側から塗布する塗布工程と、
    前記多孔質基材を焼成して撥水処理を施す焼成工程と、を有する
    燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  2. 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、触媒を担持した導電性炭素粉末および水素イオン伝導性高分子電解質を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む一対の触媒層と、導電性炭素材料からなる多孔質基材および前記多孔質基材に付与された撥水剤を含み、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜及び前記一対の触媒層を挟むガス拡散層と、を具備する高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
    ポリテトラフルオロエチレンを分散した分散液にせん断力を印加し、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子の凝集体を形成する、第1の分散液を得る凝集工程と、
    前記第1の分散液と、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびポリビニリデンフルオライドのうちの少なくともいずれかを分散した第2の分散液と、を混合して塗布液を調製する調製工程と、
    前記塗布液を多孔質基材の触媒層を形成しようとする面側から塗布する塗布工程と、
    前記多孔質基材を焼成して撥水処理を施す焼成工程と、を有する、
    燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  3. 前記調製工程は、ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体と、を分散した分散液にせん断力を印加し、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子の凝集体を形成して塗布液を調製する工程である、請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  4. 前記調製工程は、前記第1の分散液と、ポリテトラフルオロエチレンを分散した第2の分散液と、を混合して塗布液を調製する工程である、請求項2に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
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