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JP4331393B2 - 1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物 - Google Patents

1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物 Download PDF

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JP4331393B2
JP4331393B2 JP2000366459A JP2000366459A JP4331393B2 JP 4331393 B2 JP4331393 B2 JP 4331393B2 JP 2000366459 A JP2000366459 A JP 2000366459A JP 2000366459 A JP2000366459 A JP 2000366459A JP 4331393 B2 JP4331393 B2 JP 4331393B2
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正弘 松岡
聖二 山下
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非イオン性界面活性剤に関する。さらに詳しくは、脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂肪族系1,2ジオール類に塩基性触媒または酸性触媒の存在下でアルキレンオキサイドを付加重合させて得られる脂肪族系1,2ジオールアルキレンオキサイド付加物(独国特許DE−B−1,190,927号)(独国特許DE−A−4,006,391)は、各種界面活性剤、溶剤、化学品中間体等として知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の脂肪族系1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物は、1位のアルコールと2位のアルコールにアルキレンオキサイドが均一に付加されにくいため、界面活性能が十分に発現されない場合があり、例えば、水溶液としたときに増粘する、発泡剤としては泡切れが悪いという問題があった。
また、工業的に広く用いられている脂肪族アルコールアルコキシレートと比較して優位差が見いだせず、工業的利用には至っていない。
本発明は、これらの問題点を解決し、従来の非イオン性界面活性剤よりも優れた特性を有する脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールの1位のアルコールと2位のアルコールのアルキレンオキサイドの付加モル数の差を小さくした非イオン性界面活性剤が、優れた発泡性、泡切れ性、水溶解性を有することを見いだした。さらに、このような脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物は、特定の触媒を用いることにより直接製造できることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】
すなわち本発明は、下記(I)〜(V)である。
(I)一般式(1)で表される化合物の混合物からなり、下記一般式(2)を満たす脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1);
Figure 0004331393
【0006】
[式(1)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基;AOは炭素数2〜8のアルキレンオキサイド(b1)から選ばれる1種以上;m、nは1≦m+n≦35となる0または1〜20の正数である。]
0<[Ln(X/0.1644)]/[100−Y]≦0.044 (2)
[式(2)中、Yは一般式(1)においてmが0である化合物の割合(mol%);Xはmの平均値とnの平均値の和である。]
【0007】
並びに
(II)Hammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0の酸(d1)及び/又はその金属塩(d2)の一種または2種以上の存在下、下記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜8のアルキレンオキサイド(b2)を一種以上付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)の製造方法;
Figure 0004331393
[式(4)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素を含んでいてもよい炭化水素基である。]
【0008】
(III)シュレディンガーの波動方程式における最低空軌道が−10〜−3である金属の強酸塩(d3)の1種または2種以上の存在下、前記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜8のアルキレンオキサイド(b1)を一種以上付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)の製造方法;
Figure 0004331393
[式(4)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素を含んでいてもよい炭化水素基である。]
【0009】
(IV)上記(d1)及び/又はその金属塩(d2)の一種又は2種以の存在下、上記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜5のアルキレンオキサイド(b2)を一種以上付加したアルキレンオキサイド付加物(e1)に、さらにアルカリ触媒(f)の存在下、アルキレンオキサイド(b3)を付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)の製造方法;
並びに
【0010】
(V)上記(d3)の1種または2種以上の存在下、上記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜5のアルキレンオキサイド(b2)を一種以上付加したアルキレンオキサイド付加物(e1)に、さらにアルカリ触媒(f)の存在下、アルキレンオキサイド(b3)を付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
一般式(1)において、R1としては通常1〜30の酸素原子を含んでいてもよい脂肪族及び/又は脂環式の炭化水素基であり、好ましくは炭素数8〜24の炭化水素基であり、特に好ましくは10〜22の炭化水素基である。炭素数が30を超えると疎水性が大きすぎて充分な界面活性能が得られない。
具体的には、メチル、エチル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、n−デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アイコシル、ドコシル、3,5,7−トリメチルオクチル基等のアルキル基;1−ヘキセニル、オレイル基等のアルケニル基;1−プロピン基等のアルキニル基;シクロヘキシル、シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル基;2−シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;3−デシルオキシメチル、3−ラウリルオキシメチル、セチルオキシメチル、3−ステアリルオキシメチル、6−セチルオキシヘキシル基等の酸素原子を含む炭化水素基等が挙げられる。これらの炭化水素基は直鎖でも分岐していてもよい。これらの内で好ましくはアルキル基、酸素原子を含む炭化水素基であり、特に好ましくはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アイコシル、ラウリルオキシメチル、3−セチルオキシメチル基である。
【0012】
AOはアルキレンオキサイドが開環したものであり、下記一般式(5)で示される。
一般式
Figure 0004331393
2はH又は炭素数1〜6の脂肪族及び/若しくは脂環式の炭化水素基であり、好ましくはH又は炭素数1〜2の脂肪族炭化水素基である。
【0013】
m、nは1≦m+n≦35となる0又は1〜20の正数である。m+nが35を超えると親水性が大きすぎて十分な界面活性効果が発現されなくなり、またm又はnが20を超えても同様な問題が生じる。
また、前記一般式(1)においてmが0である化合物の割合(mol%)を示すYは、すなわち(A1)の2位のアルコールのアルキレンオキサイド(b1)の付加モル数mが0である化合物の割合Yは前記一般式(2)を満たす必要がある。一般式(2)を満たさない場合、すなわち2位のアルコールのAOの付加モル数mが0である化合物の割合Yが多くなると、泡切れ性が低下する等充分な界面活性能が得られない。
【0014】
mの平均値とnの平均値との和であるX、及び前記のYは後記の 核磁気共鳴スペクトル(NMR)による測定ができる。
Xは、4.4〜4.6ppm(一級アルコール)のプロトンの積分値(S1)、5.1〜5.3ppm(二級アルコール)のプロトンの積分値(S2)、3.2〜3.9ppm(エーテル酸素の隣の炭素)のプロトンの積分値(S3)の比により測定できる。例えばエチレンオキサイドのみが付加する場合のXは次の一般式(6)によって求められる。
Figure 0004331393
ここで44はエチレンオキサイドの分子量である。また、その他のアルキレンオキサイドの場合は別の式が適用される。
Yは次の一般式(7)によって計算する。
Y=100×S2/(S1/2+S2) (7)
【0015】
本発明に用いる前記一般式(4)で表される脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオール(a)としては、炭素数が通常1〜30の酸素原子を含んでいてもよい脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールであり、好ましくは炭素数8〜24であり、特に好ましくは10〜22である。炭素数が30を超えると疎水性が大きすぎて充分な界面活性能が得られない。
【0016】
具体的には、1,2−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシヘキサン、1,2−ジヒドロキシオクタン、1,2−ジヒドロキシデカン、1,2−ジヒドロキシドデカン、1,2−ジヒドロキシテトラデカン、1,2−ジヒドロキシヘキサデカン、1,2−ジヒドロキシオクタデカン、1,2−ジヒドロキシアイコサン、1,2−ジヒドロキシドコサン、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジメチルヘキサン、1,2−ジヒドロキシ−3,5,7−トリメチルオクタン等の飽和脂肪族の1,2−ジオール;1,2−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、1,2−ジヒドロキシ−2−シクロヘキセン、1,2−ジヒドロキシ−プロピン等の不飽和脂肪族の1,2−ジオール;1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン等の脂環式の1,2−ジオール;1,2−ジヒドロキシ−3−デシルオキシプロパン、2−ジヒドロキシ−3−ラウリルオキシプロパン、1,2−ジヒドロキシ−3−セチルオキシプロパン、1,2−ジヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロパン、1,2−ジヒドロキシ−6−セチルオキシヘキサン等の酸素原子を含む脂肪族の1、2−ジオール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。これら脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールのアルキル基部分は直鎖状でも分岐状でもよい。
好ましくは、1,2−ジヒドロキシドデカン、1,2−ジヒドロキシテトラデカン、1,2−ジヒドロキシヘキサデカン、1,2−ジヒドロキシオクタデカン、1,2−ジヒドロキシアイコサン、1,2−ジヒドロキシ−3−ラウリルオキシプロパン、1,2−ジヒドロキシ−3−セチルオキシプロパンである。
【0017】
アルキレンオキサイド(b1)としては炭素数2以上、好ましくは炭素数2〜8、特に好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであり、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−又は2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、1,2−オクチレンオキサイド等が挙げられる。好ましくはEO、POである。
【0018】
本発明の前記一般式(1)で表される化合物からなり、前記一般式(2)を満たす脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)は一般式(4)のジオールに例えば酸及び/又はその塩からなる触媒の存在下に(b1)付加させることにより製造することができ、酸及び/又はその塩としては具体的には下記のものが挙げられる。
(1)酸がHammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0である酸(d1)及びその金属塩(d2)
(2)金属がシュレディンガーの波動方程式における最低空軌道(LowestUnoccupied Molecular Orbitals:LUMO)が−10〜−3である金属の塩(d3)
が挙げられる。
【0019】
(1)の場合において、Hammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0の酸(d1)としては、酸強度H0が−30.0〜−11.0である酸であれば特に限定はないが、具体的には例えば、
▲1▼H2SO4−SO3(1:0.2モル比)[H0=−13.4]、H2SO4−SO 3(1:1モル比)[H0=−14.3]等の硫酸系混酸;
▲2▼HF−SbF5(1:0.06モル比)[H0=−14.3]、HF−SbF5(1 :0.14モル比)[H0=−15.3]のHF系混酸;
▲3▼FSO3H[H0=−15.07]、
FSO3H−SO3(1:0.1モル比)[H0=−15.52]、
FSO3H−AsF5(1:0.05モル比)[H0=−16.61]、
FSO3H−SbF5(1:0.05モル比)[H0=−18.24]、
FSO3H−SbF5(1:0.2モル比)[H0=−20.0]等のFSO3H及 びFSO3H系混酸;
▲4▼その他の強酸
HClO4[H0=−13.0];
ClSO3H[H0=−13.8];
HSO3H−SbF5(1:0.1モル比)[H0=−18.94]
等の超強酸が挙げられる。これらの内で、好ましくは酸強度H0が−25.0〜−12.5の酸であり、特に好ましくは−20.0〜−13.0の酸である。
【0020】
上記(d1)の塩(d2)を形成する金属としては、金属塩を形成する金属であれば特に限定されるものではないが、具体的には、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca、Sr、Ba等)、IIB族(例えばZn等)、IIIA族(例えばランタノイド等)、IIIB族(例えばAl等)、IVB族(例えばPb等)、VIIA族(例えばMn等)、VIII族(例えばFe、Co、Ni、Cu、Al等)等が挙げられる。好ましくは、2価以上の塩を形成する金属である。特に好ましくはAlである。
(d2)の製造法としては前記のH0が−30.0〜−11.0の酸(d1)と前記の金属又はその金属の弱酸(炭酸、ホウ酸、酢酸等)塩を反応する方法が挙げられる。配合比は酸の価数、金属の価数によって異なるが、モル比で好ましくは1:0.1〜10であり、さらに好ましくは1:0.2〜5である。反応条件は好ましくは0〜100℃であり、さらに好ましくは10〜80℃である。発熱する場合は冷却する必要がある。反応時間は好ましくは30分〜10時間である。反応物はそのまま又は精製(不純物をトッピング等)して使用することができる。
【0021】
(d2)としては具体的には、Ba(ClO4)2,Ca(ClO4)2,Mg(ClO4)2,Mn(ClO4)2,Pb(ClO4)2,Sr(ClO4)2,Zn(ClO4)2,ZrO(ClO4)2,Fe(ClO4)2,Fe(ClO4)3,La(ClO4)3,Al(ClO4)3,Ba(FSO3)2,Ca(FSO3)2,Mg(FSO3)2,Mn(FSO3)2 ,Pb(FSO3)2,Sr(FSO3)2,Zn(FSO3)2,Fe(FSO3)2,Fe(FSO3)3,La(FSO3)3,Al(FSO3)3,Al(F6SbSO3F)3等が挙げられる。これらの内好ましくは2価以上の金属のClO4塩、 FSO3塩であり、特に好ましくはAlのClO4塩、 FSO3塩である。
酸強度H0が−30.0未満であると、脂肪族系1,2ジオール(a)に対してアルキレンオキサイド(b1)の付加がおこりにくくなる(触媒能の低下)。−11.0を超えると触媒能はあるが脂肪族系1,2−ジールアルキレンオキサイド付加物(A1)が前記の一般式(2)(3)を満たさなくなる。Hammetの酸度関数による酸強度H0については例えば「超強酸・超強塩基」(講談社、1988年6月1日発行)に記載がある。
【0022】
(2)の場合において、シュレディンガーの波動方程式における最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbitals:LUMO)が−10〜−3である金属の強酸塩(d3)は、この条件を満足するものなら特に制限はない。金属としては前記の(d2)を形成する金属が挙げられ、好ましくはAl、Mg、Sb等の2〜5価の金属である。強酸としては、H2SO4,HCl,HClO4,HF,HF−SbF5−FSO3H等が挙げられる。金属のLUMOの値は塩の種類すなわちその金属に配位する配位子(対アニオン)の配位場によって異なり、配位子としては前記強酸のHを除くアニオンであることが必要である。
(d3)としては具体的には例えば、Al(ClO43[LUMO=−6.82],Mg(ClO42[LUMO=−6.6],SbF5[LUMO=−6.63],SbCl5[LUMO=−5.52],Al(F6Sb)3[LUMO=−6.49],Al(F6SbSO3F)3[LUMO=−6.33]等が挙げられる。これらの内好ましくはLUMOが−8〜−5の塩であり、さらに好ましくは−7〜−5である。
【0023】
LUMOが−10未満であると脂肪族系アルコール(a)に対してアルキレンオキサイド(b1)の付加が起こりにくくなる(触媒能の低下)。−3を超えると触媒能はあるが脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A1)が前記の一般式(2)(3)を満たさなくなる。
上記のシュレディンガーの波動方程式による最低空軌道は、CAワークシステム社のMOPAC(The Molecular Orbital Package)により計算した。
【0024】
(d3)の内LUMO−10〜−3の超強酸塩の部分は(d2)と重複するがこの部分は(d2)に含めるものとする。
(d1)及び/若しくは(d2)の一種又は二種以上の存在下、又は(d3)の一種又は二種以上の存在下で(a)に(b1)を付加させるにあたり、これらの触媒の使用量としては、反応速度と経済性の点から、(a)と(b1)の合計100質量部当たり、0.001〜5質量部が好ましい。さらに好ましくは0.003〜1質量部、特に好ましくは0.005〜0.5質量部である。
(b1)の(a)に対する付加モル数は平均1〜35である。好ましくは平均1〜20である。1未満であると(A1)の疎水性が強すぎて十分な界面活性能が得られず、35を超えると(A1)の親水性が強すぎて十分な界面活性能が得られない。
【0025】
(a)と(b1)を反応させる場合の反応条件としては、例えば、(a)と(d1)(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる1種以上の触媒を混合し、窒素置換を行った後、−0.8〜5kgf/cm2Gの圧力で、50〜200℃の温度で(b1)を導入し、所定量の(b1)を投入後、50〜200℃で反応系内の圧力が平衡になるまで熟成を行う方法などが挙げられる。
この様にして得られる前記一般式(1)で表される脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)において、(A1)の2位のアルコールのアルキレンオキサイド(b1)の付加モル数mが0である化合物の割合Yは前記一般式(2)を満たす必要がある。一般式(2)を満たさない場合、すなわち2位のアルコールのAOの付加モル数mが0である化合物の割合Yが多くなると、泡切れ性が低下するなど充分な界面活性能が得られない。好ましくは下記一般式(3)を満たすものである。
一般式
0<[Ln(X/0.1644)]/[100−Y]≦0.0441 (3)
【0026】
得られる脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは124〜2,600、さらに好ましくは300〜1,500である。124〜2,600であると、起泡力等の界面活性能が良好であり、またEOのみの付加の場合は高起泡性でかつ泡切れが良いなどの界面活性能が特に良好であり好ましい。〔分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法による。以下も同じ。〕
(A1)は水溶性であり、且つ濃度35〜65質量%の該水溶液の25℃における粘度は低く好ましくは300mPa・s以下である。また、(A1)の20℃における0.1%水溶液の起泡5分後の泡高さが好ましくは起泡直後の泡高さの60%以下である。
【0027】
また、本発明の一つは、上記(d1)及び/若しくは(d2)の一種又は二種以上の存在下、又は(d3)の一種又は二種以上の存在下、脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオール(a)にアルキレンオキサイド(b2)を付加した脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(e1)に、さらにアルカリ触媒(f)の存在下、アルキレンオキサイド(b3)を付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A3)の製造方法である。好ましくは(e1)の(b2)の付加モル数が平均2〜6モルである脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)の製造方法である。
(e1)に、アルカリ触媒(f)の存在下、アルキレンオキサイド(b2)を付加反応させることにより、1位のアルコールと2位のアルコールへの(b2)および(b3)の付加モルの差が小さい脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物が得られる。(b3)の付加モル数は2〜30であり、好ましくは2〜20である。
アルキレンオキサイド(b2)および(b3)としては、上記(b1)と同じものが挙げられ、2種以上を併用してもよい。2種以上用いる場合は、ブロック付加でもランダム付加でもよい。これらのうちで好ましくは、EOおよびPOである。
【0028】
アルカリ触媒(f)としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、具体的には例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられるが、好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウムである。(f)の使用量としては、反応速度と経済性の点から、(e1)と(b3)の合計100質量部当たり、0.0001〜5質量部が好ましい。さらに好ましくは0.001〜1質量部である。
【0029】
(a)と(b2)を反応させる場合の反応条件としては、例えば前記の(a)と(b1)を反応する条件と同じでよい。
このようにして得られたアルキレンオキサイド付加物(e1)に、アルカリ触媒(f)を添加し、アルキレンオキサイド(b3)を、上記と同様の方法で反応することで、目的とする脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)が得られる。
(A2)の2位のアルコールのアルキレンオキサイド(b1)の付加モル数mが0である化合物の割合Yは前記一般式(2)を満たす必要がある。一般式(2)を満たさない場合、すなわち2位のアルコールのAOの付加モル数mが0である化合物の割合Yが多くなると、泡切れ性が低下するなど充分な界面活性能が得られない。好ましくは前記一般式(3)を満たす。
【0030】
本発明の方法による重合終了後は、生成した脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)又は(A2)をそのまま、あるいはpHを調整することにより各種用途に使用することが可能であり、目的に応じて例えば[「キョーワード600」協和化学工業(株)製]等の吸着剤で吸着処理後、ろ過操作で重合物から触媒を除去することが出来る。この際、必要によりろ過助剤としてケイソウ土系ろ過助剤[例えば昭和化学工業(株)製のラヂオライト等]を用いることによりろ過操作に要する時間を短縮することも可能である。また、特開昭56−112931号公報、特公平2−53417号公報に記載のようなオキシカルボン酸(乳酸など)を用いてアルカリ触媒を中和処理してもよい。
【0031】
本発明の製造法で得られる脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)又は(A2)をその用途に適用する際には、他の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合してもよい。具体的には、非イオン性界面活性剤としては、本発明以外の脂肪族及び/又は脂環式アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8,重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタン、ポリオキシエチレン(重合度=50)ジオレイン酸メチルグルコシド等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテルおよび1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、アルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。前記本発明以外の脂肪族及び/又は脂環式アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)はブロードであれナローであれ分布は問わない。
【0032】
アニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素系カルボン酸またはその塩、[ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、]、炭素数8〜24の炭化水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]及び炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム等]、その他[スルホコハク酸ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウロイルエタノールアミド2ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]等が挙げられる。
【0033】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。# 両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピル等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]等が挙げられる。
これらの1種または2種以上が使用出来る。
併用割合は、全界面活性剤中の(A1)又は(A2)の割合が好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは15〜80重量%である。(A1)又は(A2)の割合が5重量%以上であると十分な泡特性が得られる。
【0034】
本発明の製造法で得られる脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物は、起泡力、泡切れ性、水及び油成分への溶解性などの界面活性能に優れる。また、水溶液の粘度が従来の非イオン界面活性剤に比較して低い。そのため、例えば、シャンプー、ハンドソープ、ボディーソープ等の香粧品用起泡剤;金属加工用乳化剤、農薬乳剤用乳化剤、化粧品用乳化剤、水系塗料用乳化剤、乳化重合用乳化剤等の乳化剤;顔料や脂肪酸金属塩等の紙用薬剤の分散剤;香料用などの可溶化剤;衣料用洗剤、皿洗い用洗剤等の家庭用洗剤、機械金属用洗剤などの工業用洗剤としての洗浄剤;浸透剤;湿潤剤;消泡剤;発泡剤等各種界面活性剤用途及び溶剤等の用途に有用である。ウレタン樹脂やポリエステル樹脂等の樹脂原料としても有用であるし、硫酸化、スルホン化、燐酸化、スルホサクシネート化等のアニオン界面活性剤の原料とすることもできるが、これら用途に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、部は質量部、%は質量%を示す。
【0036】
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと略記)による分子量の測定条件は次の通り。
《GPCの測定条件》
機種 :HLC−8120(東ソー株式会社製)
カラムTSK gel SuperH4000
TSK gel SuperH3000
TSK gel SuperH2000
(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25%
注入量:10μl
標準:ポリオキシエチレングリコール
(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENEOXIDE )
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
【0037】
核磁気共鳴スペクトル(NMR)による未反応の2位のアルコール濃度Yの測定は次のとおりである。
《NMRの測定条件》
機種:AVANCE300(BRUKER製)
試料:試料30mgに重クロロホルム溶液0.5ml、トリフルオロ酢酸0.05mlを添加
定量:4.4〜4.6ppm(一級アルコール)のプロトンの積分値S1と5.1〜5.3ppm(二級アルコール)のプロトンの積分値S2から、次式により定量した。
Y=100×S2/(S1/2+S2) (7)
【0038】
また、ここで本発明の界面活性剤を用いる場合の泡立ち性は、活性剤重量濃度0.1%水溶液とし、液温20℃にてJIS K3362に準じて測定する。
【0039】
実施例1
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシドデカン534.4部(1モル)、過塩素酸アルミニウム9水塩0.06部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO465.6部(4モル)を95℃にて、ゲージ圧が1〜2kgf/cm2となるように導入した。反応物に「キョーワード500(協和化学工業社製)」を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−1)を得た。得られた付加物の一般式(2)におけるYは15.6%であった。
(B−1)による泡立ち性は、直後が120mm,5分後が38mmであった。また25℃での35%水溶液粘度は80mPa・sであった。
【0040】
実施例2
実施例1における1,2−ジヒドロキシドデカンに代えて1,2−ジヒドロキシアイコサン641部(1モル)、EO359部(4モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−2)を得た。得られた付加物の一般式(2)におけるYは16.5%であった。
(B−2)による泡立ち性は、直後が105mm,5分後が30mmであった。また25℃での35%水溶液粘度は75mPa・sであった。
【0041】
実施例3
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、実施例1で得られた1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−1)682部(1モル)に水酸化カリウム0.3部を加え、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO318部(4モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入した。反応物に1%水溶液のpHが6〜8となるように乳酸を投入し触媒を中和して本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−3)を得た。得られた付加物の一般式(2)におけるYは15.6%以下であった。
【0042】
実施例4
実施例3でのEO318部をEO477部(6モル)とPO209部(2モル)の混合物に代えた以外は、実施例3と同様にして本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−4)を得た。得られた付加物の一般式(2)におけるYは15.6%以下であった。
【0043】
実施例5
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシドデカン387部(1モル)、過塩素酸アルミニウム9水塩0.06部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでPO444.7部(4モル)を95℃にて、ゲージ圧が1〜2kgf/cm2となるように導入した。さらに同じ条件にてEO168.6%(2モル)を導入した。反応物に「キョーワード500」を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−5)を得た。得られた付加物の一般式(2)におけるYは18.4%であった。
【0044】
実施例6
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、実施例5で得られた1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−5)747.9部(1モル)に水酸化カリウム0.3部を加え、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO252.1部(4モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入した。反応物に1%水溶液のpHが6〜8となるように乳酸を投入し触媒を中和して本発明の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(B−6)を得た。得られた付加物の一般式(2)におけるYは18.4%以下であった。
【0045】
比較例1
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシドデカン534.4部(1モル)、水酸化カリウム0.3部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO465.6部(4モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入した。反応物に「キョーワード600」を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物Iを得た。
1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物Iの一般式(2)におけるYは32.7%であった。1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物Iによる泡立ち性は、直後が160mm,5分後が158mmであった。
【0046】
比較例2
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、ラウリルアルコール186部(1モル)、水酸化カリウム0.3部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO352部(8モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入した。反応物に「キョーワード600」を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物IIを得た。
1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物IIの一般式(2)におけるYは22.0%であった。による泡立ち性は、直後が100mm,5分後が95mmであった。また25℃での35%水溶液粘度は500mPa・sであった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の製造方法で得られる脂肪族及び/又は脂環式1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物は、乳化力、可溶化力、洗浄力、浸透力などの界面活性能に優れる。また特に泡切れ性,水への溶解性に優れる。
なお、従来この分野でよく使われてきたアルキルフェノール系非イオン性界面活性剤や脂肪族アルコール系非イオン性界面活性剤は泡切れ性が悪く、30〜60%水溶液粘度が上昇してハンドリング性が悪い。これに代わるものとして、本発明の製造方法で得られる脂肪族及び/又は脂環式1,2ジオールアルキレンオキサイド付加物は種々の用途に有用である。

Claims (6)

  1. Hammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0の酸(d1)及び/又はその金属塩(d2)の一種または2種以上の存在下、下記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜8のアルキレンオキサイド(b1)を一種以上付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)の製造方法。
    R1−CH−OH
    | (4)
    CH2−OH
    [式(4)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素を含んでいてもよい炭化水素基である。]
  2. シュレディンガーの波動方程式における最低空軌道が−10〜−3である金属の強酸塩(d3)の一種又は二種以上の存在下、下記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜8のアルキレンオキサイド(b1)を一種以上付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)の製造方法。
    R1−CH−OH
    | (4)
    CH2−OH
    [式(4)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素を含んでいてもよい炭化水素基である。]
  3. 前記(d3)がHammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0の酸の塩である請求項記載の脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A1)の製造方法。
  4. Hammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0の酸(d1)及び/又はその金属塩(d2)の一種または二種以上の存在下、下記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜5のアルキレンオキサイド(b2)を一種以上付加したアルキレンオキサイド付加物(e1)に、さらにアルカリ触媒(f)の存在下、アルキレンオキサイド(b3)を付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)の製造方法。
    R1−CH−OH
    | (4)
    CH2−OH
    [式(4)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素を含んでいてもよい炭化水素基である。]
  5. シュレディンガーの波動方程式における最低空軌道が−10〜−3である金属の強酸塩(d3)の1種または2種以上の存在下、下記一般式(4)のジオール化合物(a)に炭素数2〜7のアルキレンオキサイド(b2)を一種以上付加したアルキレンオキサイド付加物(e1)に、さらにアルカリ触媒(f)の存在下、アルキレンオキサイド(b3)を付加することを特徴とする脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)の製造方法。
    R1−CH−OH
    | (4)
    CH2−OH
    [式(4)中、R1は炭素数1〜30の脂肪族及び/又は脂環式の酸素を含んでいてもよい炭化水素基である。]
  6. 前記(d3)がHammetの酸度関数による酸強度H0が−30.0〜−11.0の酸の塩である請求項5記載の脂肪族及び/又は脂環式の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物(A2)の製造方法。
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