JP4330939B2 - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変動弁機構の制御装置に関し、可変動弁機構によって可変とされるバルブリフト量を検出するリフト量センサの検出ばらつきを補正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特許文献1に開示されるように、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変える可変動弁機構を備え、吸気バルブのバルブリフト量を変更することで内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御方法が知られている。
【0003】
また、上記のようにバルブリフト量を連続的に変化させる場合、バルブリフト量を検出するリフト量センサを設け、該リフト量センサで検出されるバルブリフト量が目標のバルブリフト量に一致するように、可変動弁機構を制御していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−182563号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リフト量センサとしてはポテンショメータなどが用いられるが、機械的及び電気的なばらつきによってセンサ出力と実際のバルブリフト量との相関にばらつきが生じることがあり、これによってリフト量制御の精度が低下し、バルブリフト量引いては吸入空気量を正確に制御することができなくなることがあった。
【0006】
特に、可変動弁機構における最大リフト側のストッパに当たる状態で、センサ出力としてはストッパに突き当たる前のリフト量を検出する場合には、リフト要求が最大リフト量であると、実際にはストッパに突き当たっていてそれ以上にリフト量を大きくすることはできないのに、リフト量を増大させるべく制御が行なわれることになってしまう。
【0007】
そして、ストッパに突き当たっている状態で、更にリフト量を増大させる制御が行なわれると、例えばモータ回転を減速させて可動部を回転させリフト量を変化させる構成の可変動弁機構の場合、減速ギヤの摩耗が発生し、また、消費電力の増大、回路・モータの発熱を招く惧れがある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、最大リフト量側のセンサ出力特性を学習でき、かつ、学習時における可変動弁機構の劣化・故障、消費電力の増大を防止できる可変動弁機構の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明では、バルブリフト量を可変とする可変動弁機構と、前記可変動弁機構によるバルブリフト量を検出するリフト量センサとを備え、前記リフト量センサで検出されるバルブリフト量と目標のバルブリフト量とに基づいて前記可変動弁機構の制御信号をフィードバック制御する可変動弁機構の制御装置において、前記可変動弁機構においてストッパで規制される最大リフト量が前記目標のバルブリフト量であるときに、前記リフト量センサで検出されるリフト量が、前記最大リフト量よりも小さい所定値以上になると、前記可変動弁機構の制御信号のフィードバック制御を中止し、前記制御信号を、バルブリフト量を最大リフト量方向に変化させる所定の制御信号に切り換え、該切り換え後の前記リフト量センサの出力に基づいてセンサ出力とバルブリフト量との相関を学習する構成とした。
【0010】
かかる構成によると、機関運転条件から最大リフト量が要求されると、リフト量センサで検出されるバルブリフト量を要求の最大リフト量に一致させるべく可変動弁機構の制御信号をフィードバック制御するが、センサによる検出結果が最大リフト量に近づき、所定値以上になると、制御信号を所定の制御信号に切り換えてバルブリフト量を最大リフト量方向に変化させ、ストッパへの押し当て状態でのセンサ出力を学習する。
【0011】
従って、学習時に制御信号が制限されることで、可変動弁機構の劣化・故障、消費電力の増大を防止でき、学習後は、最大リフト量をリフト量センサで正しく検出して、バルブリフト量を精度良く制御できるようになる。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記最大リフト量に対応するセンサ出力の学習回数を制限する構成とした。
かかる構成によると、例えば1トリップ中の学習許可回数を予め設定し、該学習許可回数を超える学習を禁止する。
【0013】
従って、最大リフト量に対応するリフト量センサの出力が学習されている状態で、最大リフト量側のストッパへの押し当て状態を保持する学習制御が無用に繰り返されることが回避され、無駄な電力消費を防止できる。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記所定の制御信号に切り換えた後、前回までのストッパ位置相当値よりも前記リフト量センサで検出されるリフト量が大きい状態が所定時間以上継続したときに、リフト量センサの出力を最大リフト量相当として学習する構成とした。
【0015】
かかる構成によると、リフト量の検出値が所定以上にまで増大し、制御信号を切り換え、前回までのストッパ位置相当値よりも前記リフト量センサで検出されるリフト量が大きい状態が所定時間以上継続すると、そのときのセンサ出力を最大リフト量相当として学習する。
【0016】
従って、過剰な力で無用に長い時間ストッパに押し当てられることなく、実際にストッパに押し当てられている状態でのセンサ出力を確実に学習させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
【0018】
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
【0019】
燃焼排気は燃焼室106から排気バルブ107を介して排出され、フロント触媒108及びリア触媒109で浄化された後、大気中に放出される。
前記排気バルブ107は、排気側カム軸110に軸支されたカム111によって一定のバルブリフト量,バルブ作動角及びバルブタイミングを保って開閉駆動される。
【0020】
一方、吸気バルブ105側には、バルブリフト量を作動角と共に連続的に可変制御する可変動弁機構としてのVEL(Variable valve Event and Lift)機構112が設けられる。
【0021】
更に、吸気バルブ105側には、クランク軸に対する吸気側カム軸の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に可変制御する可変バルブタイミング機構としてのVTC(Variable valve Timing Control)機構113が設けられる。
【0022】
尚、前記VTC機構113を排気バルブ107側にのみ設ける構成、又は、前記VTC機構113を吸気バルブ105側及び排気バルブ107側の双方に設ける構成としても良い。
【0023】
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)114は、アクセル開度に対応する目標吸入空気量が得られるように、前記電子制御スロットル104,VEL機構112及びVTC機構113を制御する。
【0024】
前記ECU114には、内燃機関101の吸入空気量を検出するエアフローメータ115、アクセルペダルセンサAPS116、クランク軸120から回転信号を取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、内燃機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119等からの検出信号が入力される。
【0025】
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131が設けられ、該燃料噴射弁131は、前記ECU114からの噴射パルス信号によって開弁駆動されると、噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料を噴射する。
【0026】
図2〜図4は、前記VEL機構112の構造を詳細に示すものである。
但し、吸気バルブ105のバルブリフト量及び作動角を連続的に可変制御する可変動弁機構の構造を、図2〜図4に示したものに限定するものではない。
【0027】
図2〜図4に示すVEL機構112は、一対の吸気バルブ105,105と、シリンダヘッド11のカム軸受14に回転自在に支持された中空状のカム軸13(駆動軸)と、該カム軸13に軸支された回転カムである2つの偏心カム15,15(駆動カム)と、前記カム軸13の上方位置に同じカム軸受14に回転自在に支持された制御軸16と、該制御軸16に制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッカアーム18,18と、各吸気バルブ105,105の上端部にバルブリフター19,19を介して配置された一対のそれぞれ独立した揺動カム20,20とを備えている。
【0028】
前記偏心カム15,15とロッカアーム18,18とは、リンクアーム25,25によって連係され、ロッカアーム18,18と揺動カム20,20とは、リンク部材26,26によって連係されている。
【0029】
上記ロッカアーム18,18,リンクアーム25,25,リンク部材26,26が伝達機構を構成する。
前記偏心カム15は、図5に示すように、略リング状を呈し、小径なカム本体15aと、該カム本体15aの外端面に一体に設けられたフランジ部15bとからなり、内部軸方向にカム軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xがカム軸13の軸心Yから所定量だけ偏心している。
【0030】
また、前記偏心カム15は、カム軸13に対し前記バルブリフター19に干渉しない両外側にカム軸挿通孔15cを介して圧入固定されている。
前記ロッカアーム18は、図4に示すように、略クランク状に屈曲形成され、中央の基部18aが制御カム17に回転自在に支持されている。
【0031】
また、基部18aの外端部に突設された一端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結するピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されている一方、基部18aの内端部に突設された他端部18cには、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されている。
【0032】
前記制御カム17は、円筒状を呈し、制御軸16外周に固定されていると共に、図2に示すように軸心P1位置が制御軸16の軸心P2からαだけ偏心している。
【0033】
前記揺動カム20は、図2及び図6,図7に示すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22にカム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔22aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫通形成されている。
【0034】
また、揺動カム20の下面には、基端部22側の基円面24aと該基円面24aから端部23端縁側に円弧状に延びるカム面24bとが形成されており、該基円面24aとカム面24bとが、揺動カム20の揺動位置に応じて各バルブリフター19の上面所定位置に当接するようになっている。
【0035】
即ち、図8に示すバルブリフト特性からみると、図2に示すように基円面24aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、カム面24bの前記ベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2が所謂ランプ区間となり、更に、カム面24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
【0036】
また、前記リンクアーム25は、円環状の基部25aと、該基部25aの外周面所定位置に突設された突出端25bとを備え、基部25aの中央位置には、前記偏心カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合穴25cが形成されている一方、突出端25bには、前記ピン21が回転自在に挿通するピン孔25dが貫通形成されている。
【0037】
更に、前記リンク部材26は、所定長さの直線状に形成され、円形状の両端部26a,26bには前記ロッカアーム18の他端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18d,23aに圧入した各ピン28,29の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔26c,26dが貫通形成されている。
【0038】
尚、各ピン21,28,29の一端部には、リンクアーム25やリンク部材26の軸方向の移動を規制するスナップリング30,31,32が設けられている。
【0039】
上記構成において、制御軸16の軸心P2と制御カム17の軸心P1との位置関係によって、図6,7に示すように、バルブリフト量が変化することになり、前記制御軸16を回転駆動させることで、制御カム17の軸心P1に対する制御軸16の軸心P2の位置を変化させる。
【0040】
前記制御軸16は、図10に示すような構成によって、ストッパにより制限される所定回転角度範囲内でDCサーボモータ(アクチュエータ)121により回転駆動されるようになっており、前記制御軸16の角度を前記アクチュエータ121で変化させることで、吸気バルブ105のバルブリフト量及びバルブ作動角が連続的に変化する(図9参照)。
【0041】
図10において、DCサーボモータ121は、その回転軸が制御軸16と平行になるように配置され、回転軸の先端には、かさ歯車122が軸支されている。一方、前記制御軸16の先端に一対のステー123a,123bが固定され、一対のステー123a,123bの先端部を連結する制御軸16と平行な軸周りに、ナット124が揺動可能に支持される。
【0042】
前記ナット124に噛み合わされるネジ棒125の先端には、前記かさ歯車122に噛み合わされるかさ歯車126が軸支されており、DCサーボモータ121の回転によってネジ棒125が回転し、該ネジ棒125に噛み合うナット124の位置が、ネジ棒125の軸方向に変位することで、制御軸16が回転されるようになっている。
【0043】
ここで、ナット124の位置をかさ歯車126に近づける方向が、バルブリフト量が小さくなる方向で、逆に、ナット124の位置をかさ歯車126から遠ざける方向が、バルブリフト量が大きくなる方向となっている。
【0044】
前記制御軸16の先端には、図10に示すように、制御軸16の角度を検出するポテンショメータ式の角度センサ127が設けられており、該角度センサ127で検出される実際の角度が目標角度に一致するように、前記ECU114が前記DCサーボモータ121をフィードバック制御する。
【0045】
ここで、制御軸16の角度によって吸気バルブ105のバルブリフト量が決まるので、本実施形態において前記角度センサ127がリフト量センサに相当することになる。
【0046】
尚、本実施形態では、角度センサ127で認識される制御軸16の角度が増大する方向が、バルブリフト量の大きくなる方向としてある。
また、前記制御軸16の外周に突出形成したストッパ部材128が、固定側の受け部材(図示省略)に対してリフトの増大方向及び減少方向の双方で当接することで、制御軸16の回転範囲が規制され、これにより最小リフト量及び最大リフト量が規定されるようになっている。
【0047】
次に、前記VTC機構113の構成を、図11に基づいて説明する。
但し、VTC機構113を、図11に示したものに限定するものではなく、クランク軸に対するカム軸の回転位相を連続的に変化させる構成のものであれば良い。
【0048】
本実施形態におけるVTC機構113は、ベーン式の可変バルブタイミング機構であり、クランク軸120によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット51(タイミングスプロケット)と、吸気側カム軸13の端部に固定されてカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、該回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構60とを備えている。
【0049】
前記カムスプロケット51は、外周にタイミングチェーン(又はタイミングベルト)が噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、該回転部の前方に配置されて前記回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、該ハウジング56の前後開口を閉塞するフロントカバー,リアカバー(図示省略)とから構成される。
【0050】
前記ハウジング56は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング56の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部63が90°間隔で突設されている。
【0051】
前記回転部材53は、吸気側カム軸14の前端部に固定されており、円環状の基部77の外周面に90°間隔で4つのベーン78a,78b,78c,78dが設けられている。
【0052】
前記第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部63間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン78a〜78dの両側と各隔壁部63の両側面との間に、進角側油圧室82と遅角側油圧室83を構成する。
【0053】
前記ロック機構60は、ロックピン84が、回転部材53の最大遅角側の回動位置(基準作動状態)において係合孔(図示省略)に係入するようになっている。
【0054】
前記油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧を給排する第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧を給排する第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路91,92には、供給通路93とドレン通路94a,94bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁95を介して接続されている。
【0055】
前記供給通路93には、オイルパン96内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプ97が設けられている一方、ドレン通路94a,94bの下流端がオイルパン96に連通している。
【0056】
前記第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4本の分岐路91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92dに接続される。
【0057】
前記電磁切換弁95は、内部のスプール弁体が各油圧通路91,92と供給通路93及びドレン通路94a,94bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
【0058】
前記ECU114は、前記電磁切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号に基づいて制御する。
【0059】
例えば、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、オイルポンプ47から圧送された作動油は、第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給されると共に、進角側油圧室82内の作動油が、第1油圧通路91を通って第1ドレン通路94aからオイルパン96内に排出される。
【0060】
従って、遅角側油圧室83の内圧が高、進角側油圧室82の内圧が低となって、回転部材53は、ベーン78a〜78bを介して最大遅角側に回転し、この結果、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が遅くなる。
【0061】
一方、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、作動油は、第1油圧通路91を通って進角側油圧室82内に供給されると共に、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92及び第2ドレン通路94bを通ってオイルパン96に排出され、遅角側油圧室83が低圧になる。
【0062】
このため、回転部材53は、ベーン78a〜78dを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が早くなる。
【0063】
尚、可変バルブタイミング機構は、上記のベーン式のものに限定されず、例えば、特開2001−041013号公報や特開2001−164951号公報に開示されるように、電磁クラッチ(電磁ブレーキ)の摩擦制動によってクランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させる構成の可変バルブタイミング機構や、特開平9−195840号公報に開示される油圧によってヘリカルギヤを作動させる方式の可変バルブタイミング機構であっても良い。
【0064】
前記VEL機構112の制御においては、前記角度センサ127で検出される制御軸16の角度が目標角度に一致するように、換言すれば、前記角度センサ127で検出されるバルブリフト量が目標バルブリフト量に一致するように、前記DCサーボモータ121がフィードバック制御される。
【0065】
しかし、ポテンショメータである前記角度センサ127は、機械的及び電気的ばらつきによってセンサ出力と実際のバルブリフト量との相関にばらつきが生じ、該ばらつきによってバルブリフト量制御の精度が低下してしまう。
【0066】
そこで、本実施形態では、以下に示すようにして、センサ出力と実際のバルブリフト量との相関を学習する。
図12のフローチャートは、低リフト側の学習制御のメインルーチンを示し、ステップS1では、低リフト側の学習許可条件が成立しているか否かの判定処理を行い、ステップS2では、前記VTC機構113によりバルブタイミングを操作する処理を行なう。
【0067】
ステップS3では、VEL機構112を、バルブリフト量が最小となるようにストッパ位置に押し当てる処理を行い、ステップS4では、前記バルブリフト量が最小の状態での角度センサ127の出力を学習する処理を行なう。
【0068】
図13のフローチャートは、前記ステップS1における低リフト側学習許可条件の判定処理を詳細に示す。
ステップS101では、冷却水温度vTWNが所定温度(例えば80℃)以上であるか否かを判定する。
【0069】
冷却水温度vTWNが所定温度未満である冷機状態では、ステップS106へ進んで、低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに0をセットする。
一方、冷却水温度vTWNが所定温度以上であれば、ステップS102へ進んで、燃料カット中であるか否かを判断する。
【0070】
本実施形態においては、アクセル全閉でかつ機関回転速度が所定速度以上である減速運転状態において、前記燃料噴射弁131による燃料噴射を停止させる所謂減速燃料カットを行なうようになっており、前記ステップS102では、前記減速燃料カット中であるか否かを判断する。
【0071】
燃料カット中でない場合には、ステップS106へ進んで、低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに0をセットする。
一方、燃料カット中であれば、ステップS103へ進んで、機関回転数vKNRPM(rpm)が第1回転数(例えば3000rpm)以下であるか否かを判別する。
【0072】
機関回転数vKNRPM(rpm)が第1回転数を超える場合には、ステップS106へ進んで、低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに0をセットする。
一方、機関回転数vKNRPM(rpm)が第1回転数以下であれば、ステップS104へ進んで、機関回転数vKNRPM(rpm)が、前記第1回転数よりも低い第2回転数(例えば1000rpm)以上であるか否かを判別する。
【0073】
機関回転数vKNRPM(rpm)が第2回転数よりも低い場合には、ステップS106へ進んで、低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに0をセットする。
一方、機関回転数vKNRPM(rpm)が第2回転数以上であれば、ステップS105へ進んで、低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに1をセットする。
【0074】
機関101が暖機後であることを条件とするのは、機関101の安定状態で学習を行なわせるためであり、燃料カット中であることを条件とするのは、学習のためにバルブリフト量を絞っても運転性に大きな影響がないためである。
【0075】
更に、機関回転数が所定範囲内であることを条件とするのは、機関回転数が高いとバルブリフト量を最小に制御したときに、シリンダ内負圧が上限値を超えることを回避できないためであり、逆に、機関回転数が低すぎると、バルブリフト量を最小にしたときのポンプング損失によってエンストしてしまう可能性があるためである。
【0076】
図14のフローチャートは、前記ステップS2のVTC操作を詳細に示す。
ステップS201では、前記低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに1がセットされているか否かを判別する。
【0077】
前記低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに0がセットされている場合には、ステップS205へ進んで、VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに0をセットする。
【0078】
前記VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに0がセットされている状態は、学習のためのVTC機構113の操作が完了していないこと、換言すれば、バルブリフト量を最小に制御して学習を行なうことができない状態を示す。
【0079】
一方、前記低リフト側学習許可条件フラグfVTMNLRGOに1がセットされている場合には、ステップS202へ進み、吸気バルブ105のVTC機構113における目標角度vVTCTRGintに最小角である0degをセットする。
【0080】
本実施形態において、前記吸気バルブ105のVTC機構113における初期位置は最遅角位置であって、該初期位置からの進角角度に基づいて吸気バルブ105のバルブタイミングを制御する。
【0081】
従って、vVTCTRGint=0degは、目標を最遅角位置とすることを示すから、ステップS202における目標角度vVTCTRGint=0degの設定は、吸気バルブ105のバルブタイミングを強制的に最遅角位置に向けて操作することになる。
【0082】
尚、吸気バルブ105のバルブリフト量が最小の状態で、バルブタイミングを最遅角位置に制御すると、吸気バルブ105の開時期が上死点後になるように設定される。
【0083】
次のステップS203では、吸気バルブ105のVTC機構113における実角度が所定角度(例えば5deg)以下にまで遅角されたか否かを判別する。
吸気バルブ105のVTC機構113における実角度が所定角度(例えば5deg)以下になるまでは、ステップS205へ進んで、VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに0をセットする。
【0084】
そして、吸気バルブ105のVTC機構113における実角度が所定角度(例えば5deg)以下にまで遅角されると、ステップS204へ進んで、VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1をセットする。
【0085】
吸気バルブ105のバルブタイミングが遅角されて開時期が上死点後に遅れると、吸気行程後半におけるシリンダ内負圧の増大が抑制され、シリンダ内負圧が上限値を超えてしまうことを回避できる。
【0086】
図15のフローチャートは、前記ステップS3の最小リフト制御を示すものであり、ステップS301では、前記VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1がセットされているか否かを判別する。
【0087】
前記VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1がセットされている場合には、冷却水温度,燃料カット,機関回転速度の低リフト側学習許可条件が成立していて、かつ、バルブリフト量が最小に制御されてもシリンダ内負圧が上限値を超えることがないように、吸気バルブ105のバルブタイミングを遅角させてあることになる。
【0088】
そこで、ステップS301でfVTLRVTCOK=1であると判別されると、ステップS302へ進み、VEL機構112の制御軸16を最小リフト側のストッパ位置に向けて回転させるべく、前記DCサーボモータ121を制御する。
【0089】
ステップS302では、前記ストッパ位置に対する押し付け状態を維持させるので、最小リフト位置方向への回転駆動力を弱くすることが好ましく、例えば、デューティ30%程度の力で最小リフト位置方向へ回転駆動する。
【0090】
図16のフローチャートは、前記ステップS4の低リフト側学習処理を示し、ステップS401では、前記VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1がセットされているか否かを判別する。
【0091】
VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに0がセットされているときには、ステップS406へ進み、学習ディレーtVELMNDLYに所定時間(例えば1秒)をセットする。
【0092】
VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1がセットされると、ステップS402へ進み、前記学習ディレーtVELMNDLYを所定値だけ減算する処理を行なう。
そして、次のステップS403では、前記学習ディレーtVELMNDLYが0にまで減算されたか否かを判別し、前記学習ディレーtVELMNDLYが0になるまでは、ステップS403からそのまま終了させることで、前記VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1がセットされてから、ステップS406で設定される所定時間が経過するまでは、学習が行なわれないようにする。
【0093】
これは、VTC操作完了フラグfVTLRVTCOKに1がセットされて、吸気バルブ105のバルブリフト量を最小にする制御を行なってから、実際にバルブリフト量が最小値になるまでに時間遅れがあるためである。
【0094】
ステップS403で学習ディレーtVELMNDLYが0にまで減算されたと判断されると、ステップS404へ進み、そのときの角度センサ127で検出された制御軸16の角度vADREVELが、それまでの低リフト側学習値vVELMNLRNよりも小さいか否かを判別する。
【0095】
ここで、角度センサ127で検出された制御軸16の角度vADREVELが、それまでの低リフト側学習値vVELMNLRNよりも小さい場合には、ステップS405へ進み、前記低リフト側学習値vVELMNLRNにそのときの検出角度vADREVELをセットする。
【0096】
尚、上記では、最小リフト時の学習制御において、シリンダ内負圧が限界値を超えることがないように、吸気バルブ105のバルブタイミングを強制的に遅角させる構成としたが、前記VTC機構113を排気バルブ107側にのみ備える場合には、排気バルブ107のバルブタイミングを強制的に遅角させ、吸気バルブ105と排気バルブ107との双方に前記VTC機構113を備える場合には、双方のバルブタイミングを遅角させることで、シリンダ内負圧が限界値を超えないようにすることができる。
【0097】
図17,18のフローチャートは、最大リフト時における角度センサ127の検出値を学習する高リフト側の学習処理を示す。
ステップS601では、機関運転条件から要求される吸気バルブ105のバルブリフト量が、最大リフト量であるか否かを判別する。
【0098】
そして、要求バルブリフト量が最大リフト量であるときに、ステップS602へ進む。
ステップS602では、最大リフト学習終了フラグfVLMXLRENDに0がセットされているか否かを判別する。
【0099】
最大リフト学習終了フラグfVLMXLRENDに1がセットされていて、最大リフト学習が終了しているときには、本ルーチンをそのまま終了させる。
最大リフト学習終了フラグfVLMXLRENDに0がセットされていると、ステップS603へ進む。
【0100】
ステップS603では、角度センサ127で検出される制御軸16の角度vADREVELが所定角度以上であるか否か、換言すれば、角度センサ127で検出されるバルブリフト量が所定リフト量以上であるか否かを判別する。
【0101】
前記所定角度は、角度センサ127の検出ばらつきがあっても、最大リフト側のストッパに突き当たる前の角度位置になるように設定される。
ここで、ステップS603で検出角度vADREVELが所定角度未満であると判別されたときには、ステップS604へ進む。
【0102】
ステップS604では、検出角度vADREVELと最大リフト量相当の目標角度との偏差に基づいて、前記DCサーボモータ121をフィードバック制御し、検出角度vADREVELが最大リフト量相当の目標角度に一致するようにする。
【0103】
一方、検出角度vADREVELが所定角度以上になると、ステップS605に進み、検出角度vADREVELとは無関係に、制御軸16を一定の制御信号で高リフト側に回転駆動させる。
【0104】
具体的には、例えばONデューティ30%程度の力で最大リフト方向へ回転駆動し、最大リフト側のストッパに比較的弱い力で押し付けられて、ストッパ位置を保持するようにする。
【0105】
ステップS606では、検出角度vADREVELが、前回までの高リフト側学習値vVELMXLRN以上であるか否かを判別する。
そして、検出角度vADREVELが前回までの高リフト側学習値vVELMXLRN未満であるときには、ステップS607に進み、学習ディレーtVELMXDLYに所定値をセットする。
【0106】
一方、検出角度vADREVELが前回までの高リフト側学習値vVELMXLRN以上になると、ステップS608へ進み、前記学習ディレーtVELMXDLYを所定値ずつ減算する処理を行なう。
【0107】
次のステップS609では、前記学習ディレーtVELMXDLYが0にまで減算されたか否かを判別する。
そして、前記学習ディレーtVELMXDLYが0にまで減算されるとステップS610に進み、そのときの検出角度vADREVELを高リフト側学習値vVELMXLRNにセットする。
【0108】
ステップS611では、最大リフト学習回数vVELMXLNCTをカウントアップし、ステップS612では、前記最大リフト学習回数vVELMXLNCTが所定値(例えば10)に一致しているか否かを判別する。
【0109】
そして、vVELMXLNCT=所定値(例えば10)になると、ステップS613に進み、前記最大リフト学習終了フラグfVLMXLRENDに1をセットすることで、その後の学習が禁止されるようにする。
【0110】
前記最大リフト学習終了フラグfVLMXLRENDは、始動時に0に初期設定されるから、前記最大リフト側の学習は、1トリップ毎に所定回数以下に制限されることになる。
【0111】
上記最大リフト側の学習によると、最大リフト側のストッパへの押し当て状態を、最小限の力で保持させるから、学習時における可変動弁機構の劣化・故障、消費電力の増大を防止でき、更に、学習回数を制限することで、無駄な電力消費を防止できる。
【0112】
そして、学習後は、前記高リフト側学習値vVELMXLRNに基づいて最大リフト状態を正しく検出できるから、バルブリフト量を精度良く制御でき、特に、ストッパに押し当てられている状態で、更にバルブリフト量を大きくする方向にフィードバック制御されることを防止できる。
【0113】
図19は、前記学習値vVELMNLRN,vVELMXLRN(換言すれば、センサ出力と実際のバルブリフト量との相関にばらつき)に基づいて、制御軸16の角度(バルブリフト量)を正しく検出させるための処理を示す。
【0114】
ステップS501では、制御軸16の仮実角度(仮実バルブリフト量)vREVELtmpを下式に基づいて算出する。
vREVELtmp=mFULANG×(vADREVEL−vVELMNLRN)/(vVELMXLRN−vVELMNLRN)
上式で、mFULANGは、予め記憶される最大リフトから最大リフトまでの角度幅であり、上式によって、最小リフト学習値vVELMNLRNから最大リフト学習値vVELMXLRNまでの範囲における検出角度vADREVELを、角度幅mFULANG内の値の置き換える処理が行なわれる(図20参照)。
【0115】
次のステップS502では、ステップS501で求めた仮実角度(仮実バルブリフト量)vREVELtmpと0との大きい方を選択して、該選択した方をvREVELtmpにセットする。
【0116】
更に、ステップS503では、前記角度幅mFULANGと前記ステップS502で設定したvREVELtmpとの小さい方を、最終的な検出実角度vREVELにセットする。尚、上記実施形態では、最小リフト量相当値の学習を、燃料カット中に行なわせる構成としたが、例えば機関の停止中に行なわせる構成としても良い。
【0117】
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項3記載の可変動弁機構の制御装置において、
前記可変動弁機構が、モータで回転駆動される制御軸の回転角に応じてバルブリフト量が連続的に変化する機構であり、
前記リフト量センサで検出されるリフト量が所定値以上になると、所定のONデューティで前記モータを高リフト方向に駆動させることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
【0118】
かかる構成によると、制御軸の回転範囲がストッパで制限されることで、最大リフト量が規定され、学習時に最大リフトに近づくと、制御軸を回転駆動するモータを所定のONデューティで高リフト方向に駆動させることで、制御軸の回転を高リフト側で制限するストッパに、予め設定された一定の力で押し付けられる状態となる。
【0119】
従って、ストッパへの押し当て力が過大に制御され、可変動弁機構の劣化・故障、消費電力の増大が発生することを防止できる。
(ロ)請求項2記載の可変動弁機構の制御装置において、
前記最大リフト量に対応するセンサ出力の学習回数を、1トリップ当たり所定回数以下に制限することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
【0120】
かかる構成によると、キースイッチがONされてからOFFされるまでの1トリップの間に、所定回数だけ最大リフト量の学習が行なわれると、それ以上は学習が行なわれず、ストッパに向けて押し当てる状態を保持させる制御が行われない。
【0121】
従って、必要充分な学習を行なわせつつ、学習による可変動弁機構の劣化・故障、消費電力の増大を回避できる。
(ハ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変動弁機構の制御装置において、機関の燃料カット中であって、かつ、前記バルブリフト量を最小値としたときにシリンダ内負圧が所定値以上にならない所定の運転条件において、前記バルブリフト量を強制的に最小値に制御し、該制御時における前記リフト量センサの出力を最小リフト量相当として学習し、該最小リフト量相当として学習した値と前記最大リフト量相当として学習した値との間を、バルブリフト量の可変範囲に割り当てて、センサ出力とバルブリフト量との相関を更新することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
【0122】
かかる構成によると、機関に対する燃料供給が一時的に停止される燃料カット中(例えば減速燃料カット中)であって、機関出力が要求されないときで、然も、センサ出力とバルブリフト量との相関を学習するためにバルブリフト量を強制的に最小値に制御したときにシリンダ内負圧が所定値以上にならない所定の運転条件において、バルブリフト量を強制的に可変範囲内の最小値に制御する。
【0123】
そして、この実際のバルブリフト量が最小値になっている状態でのセンサ出力を最小リフト量相当として学習し、最小リフト量相当として学習した値と前記最大リフト量相当として学習した値との間を、バルブリフト量の可変範囲に割り当てて、センサ出力とバルブリフト量との相関を更新する。
【0124】
従って、最小バルブ相当値を学習するために、バルブリフト量を強制的に最小値に制御しても、機関の運転性に影響を与えることがなく、かつ、シリンダ内負圧の増大によるオイル上がりの発生を防止できる一方、最小バルブ相当値と最大バルブ相当とで挟まれるセンサ出力範囲を、バルブリフト量の可変範囲に割り当てることで、バルブリフト量を全域に渡って精度良く検出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における内燃機関のシステム構成図。
【図2】VEL(Variable valve Event and Lift)機構を示す断面図(図3のA−A断面図)。
【図3】上記VEL機構の側面図。
【図4】上記VEL機構の平面図。
【図5】上記VEL機構に使用される偏心カムを示す斜視図。
【図6】上記VEL機構の低リフト時の作用を示す断面図(図3のB−B断面図)。
【図7】上記VEL機構の高リフト時の作用を示す断面図(図3のB−B断面図)。
【図8】上記VEL機構における揺動カムの基端面とカム面に対応したバルブリフト特性図。
【図9】上記VEL機構のバルブタイミングとバルブリフトの特性図。
【図10】上記VEL機構における制御軸の回転駆動機構を示す斜視図。
【図11】VTC(Variable valve Timing Control)機構を示す縦断面図。
【図12】実施形態における低リフト側学習のメインルーチンを示すフローチャート。
【図13】前記低リフト側学習制御における学習許可条件の判定処理を示すフローチャート。
【図14】前記低リフト側学習制御における吸気側VTCの操作処理を示すフローチャート。
【図15】前記低リフト側学習制御におけるVELの最小リフト制御を示すフローチャート。
【図16】前記低リフト側学習制御における学習処理を示すフローチャート。
【図17】実施形態における高リフト側学習を示すフローチャート。
【図18】実施形態における高リフト側学習を示すフローチャート。
【図19】前記低リフト側及び高リフト側の学習結果に基づくリフト量の検出処理を示すフローチャート。
【図20】前記学習結果に基づくリフト量の検出処理の特性を示す線図。
【符号の説明】
101…エンジン、104…電子制御スロットル、105…吸気バルブ、107…排気バルブ、112…VEL機構(可変動弁機構)、113…VTC機構(可変バルブタイミング機構)、114…エンジンコントロールユニット(ECU)
Claims (3)
- バルブリフト量を可変とする可変動弁機構と、前記可変動弁機構によるバルブリフト量を検出するリフト量センサとを備え、前記リフト量センサで検出されるバルブリフト量と目標のバルブリフト量とに基づいて前記可変動弁機構の制御信号をフィードバック制御する可変動弁機構の制御装置において、
前記可変動弁機構においてストッパで規制される最大リフト量が前記目標のバルブリフト量であるときに、前記リフト量センサで検出されるリフト量が、前記最大リフト量よりも小さい所定値以上になると、前記可変動弁機構の制御信号のフィードバック制御を中止し、前記制御信号を、バルブリフト量を最大リフト量方向に変化させる所定の制御信号に切り換え、該切り換え後の前記リフト量センサの出力に基づいてセンサ出力とバルブリフト量との相関を学習することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。 - 前記最大リフト量に対応するセンサ出力の学習回数を制限することを特徴とする請求項1記載の可変動弁機構の制御装置。
- 前記所定の制御信号に切り換えた後、前回までのストッパ位置相当値よりも前記リフト量センサで検出されるリフト量が大きい状態が所定時間以上継続したときに、前記リフト量センサの出力を最大リフト量相当として学習することを特徴とする請求項1又は2記載の可変動弁機構の制御装置。
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