JP4318414B2 - 気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 - Google Patents
気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4318414B2 JP4318414B2 JP2001280290A JP2001280290A JP4318414B2 JP 4318414 B2 JP4318414 B2 JP 4318414B2 JP 2001280290 A JP2001280290 A JP 2001280290A JP 2001280290 A JP2001280290 A JP 2001280290A JP 4318414 B2 JP4318414 B2 JP 4318414B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxidizing agent
- monomer
- alcohol
- group
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物に係り、より詳しく基材の表面に酸化剤を数μm単位で塗布し、乾燥器で乾燥する段階と、酸化剤で塗布された基材に気体状態の単量体を接触させることで、基材の表面で重合反応を行う段階と、重合が完了した後、未反応単量体及び酸化剤を除去する洗浄段階とを含むことを特徴とする伝導性高分子の合成方法及びそれにより製造された伝導性高分子、そして前記伝導性高分子を用いる方法に関する。
【0002】
過去数年間、複素環(heterocyclics)状の伝導性高分子はフィルム状で電子部品及び各種センサなどに適用されてきた。複素環式化合物のうち、ポリピロール(polypyrrole)とポリチオフェン(polythiophene)は合成が容易であり、合成された高分子は高い電気伝導性と優秀な大気安定性を併せ持つので、合成とその応用に関する研究が多く行われていた。
【0003】
前記化合物の合成法として、従来、電気化学重合法(electro-chemical polymerization)や化学酸化法(chemical oxidative polymerization)などが知られているが、これらは他の共役系伝導性高分子と同様に溶融や溶解ができないので、フィルム状に加工しにくいという問題点がある。また、化学酸化法で合成された高分子は粒子状であり、電気化学法で合成された高分子は薄いフィルム状に形成され、機械強度が低いので、実際応用するのに多くの制限がある。
【0004】
上述した問題点を補完するために多くの研究が行われており、一般的な方法としては、粒子状の伝導性高分子を一般高分子と混合し、加工性と物性を強化した複合材料を製造する方法が提案されている。特に、薄い伝導性複合フィルムを製造する方法としては電気化学重合法が広く知られているが、この方法は加工性又は連続工程での製造に難点がある。最近、気相重合法の一部が紹介されており、この方法は大体酸化剤が分散された一般高分子フィルムを主材料として用い、ここに単量体の蒸気を接触させる方法を用いる。しかし、この場合、反応時間がかなりかかるなどの付随的な問題が提起されている。
【0005】
最近、伝導性フィルムは半導体ICチップまたは精密電子機器の運搬用(shipping trayまたはcarrier tape)はもとより、ディスプレイ用材料としても使用できるなどその用途を拡大し得ると報告されており、特に最近は電子波遮蔽材料としての機能が浮き彫りになっている。しかし、前記伝導性フィルムは現在まで伝導性高分子自体を重合した後、別途の塗布工程でフィルム化する方法により製造されてきた。また、真空蒸着による金属薄膜が透明導伝材料として用いられており、これらは電極材料としては優秀な性能を持つが、真空成形などの2次加工を必要とする材料としての使用は困難であり、製造原価が高いという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は従来の方法より製造過程を短縮すると共に、製造原価を節減することができる一方、薄膜特性が優秀であり、電気伝導度を自由に調節することができる気相重合法による伝導性高分子の合成方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は前記合成方法に従って製造された伝導性高分子を提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の目的は前記製造された伝導性高分子を電子部品素材及びディスプレイなどに用いる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は基材表面に酸化剤を数μm単位で塗布し、乾燥器で乾燥する段階と、 酸化剤で塗布された基材にセノフェン、2,3−ジヒドロチオ3,4−ダイオキシン及びこれらの誘導体から構成される群から選択される気体状態の単量体を接触させることで、基材の表面で重合反応を行う段階と、重合が完了した後、未反応単量体及び酸化剤を除去する 洗浄段階とを備えたものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
前記基材はプラスチック材または金属材であり、前記プラスチック材はポリエステル(polyester)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリエーテルサルホン(polyethersulfone)及び非結晶ポリエステル(amorphous polyester)(A−PETまたはPET−G)から構成される群から選択される。
【0011】
前記酸化剤はCuCl3、トルエンスルホン酸鉄(III)(Iron(III)-toluenesulfonate)、過塩素酸鉄(III)(Iron(III)-perchlorate)、FeCl3及びCu(ClO4)2・6H2O(copper(II)-perchloratehexahydrate)から構成される群から選択され、前記酸化剤はメチルアルコール(methyl alcohol)、2−ブチルアルコール(butyl alcohol)、エチルセロソルブ(ethyl cellosolve)、エチルアルコール(ethyl alcohol)、シクロヘキサン(cyclohexane)、アセトン(acetone)、エチルアセテート(ethyl acetate)、トルエン(toluen)及びメチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)から構成される群から選択される有機溶剤の単一または混合物に溶解させて製造される。前記溶剤は単独または2個乃至4個を混合して用いることができ、例えばメチルアルコール、2−ブチルアルコール及びエチルセロソルブから構成される有機溶剤を7:2:1,6:2:2,6:3:1,5:3:2の割合で混合して用いる。前記酸化剤は全体重量に対して0.5重量%乃至10重量%の割合で製造される。
【0012】
前記酸化剤で塗布された基材は50℃乃至80℃の乾燥器で0.1分間乃至8分間乾燥される。
【0013】
前記酸化剤の他にホスト高分子の添加が可能であり、前記ホスト高分子はポリアクリル酸ブチル(poly butyl acrylate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリエステル(polyester)、ポリウレタン(polyurethane)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、メタクリル酸メチル(MMA)を含む共重合樹脂、メチルセルロース(methyl cellulose)及びキトサン(chitosan)から構成される群から選択される紫外線(UV)または熱硬化型アクリル樹脂である。前記ホスト高分子は全体重量に対して0.5重量%乃至5重量%の割合で製造される。
【0014】
前記単量体はピロール(pyrrole)、チオフェン(thiophene)、フラン(furan)、セレノフェン(selenophene)、2,3−ジヒドロチオ(dihydrothio)−3,4−ダイオキシン(dioxin)及びこれらの誘導体から構成される群から選択される。
【0015】
蒸発室(vaporizing chamber)で前記単量体が気化され、酸化剤で塗布された基材に接触されることにより重合反応が行われ、前記反応温度は0℃乃至100℃であり、反応時間は10秒乃至40分である。
【0016】
重合反応後の未反応単量体及び酸化剤はメタノールまたは水で洗浄される。
【0017】
前記一連の工程は段階的もしくは連続的な工程で行われる。
【0018】
本発明に係る合成方法に従って製造された伝導性高分子は次のような化学式の構造を持つ。
【0019】
【化2】
【0020】
ここで、Xは硫黄(S:sulfur)、酸素(O:oxygen)、セレニウム(Se:selenium)及びNHから構成される群から選択され、R1及びR2は水素、3個乃至15個の炭素を含むアルキル基、3個乃至15個の炭素を含むエーテル(ether)、酸素原子を含む環構造、ハロゲン元素及びベンゼン基から構成される群から選択される。
【0021】
前記伝導性高分子は好ましくはポリピロール(polypyrrole)、ポリチオフェン(polythiophene)、ポリフラン(polyfuran)、ポリセレノフェン(polyselenophene)及びこれらの誘導体であり、直径0.05μm乃至5μmのフィルム状に製造される。
【0022】
本発明に従って製造された伝導性高分子は静電気防止用、帯電防止用及び電子波遮蔽用として用い、前記高分子を含めて2層以上の構造を持つ無反射フィルム製造用として用い、また電子ディスプレイの機能膜または透明電極層としても用いることができる。
【0023】
本発明は、酸化剤を高分子または金属などの基材表面に数十Å乃至数百Å単位で薄く塗布した後、伝導性高分子の単量体を気体状態の蒸気として発生させながら、酸化剤で塗布されている前記基材の表面に接触させることにより、直接重合反応を行えるようにしたもので、重合と同時に薄い薄膜の伝導性コーティングフィルム状を得ることができる。
【0024】
従来の方法は伝導性高分子を合成し、ホスト高分子と混合した後、プラスチックまたは金属などの基材表面に塗布する方法であり、合成から最終フィルム状の製造まで5段階乃至6段階の工程を経るべきである。特に、伝導性高分子物質の合成時に伴う原価を考慮すると、本発明に係る伝導性高分子の製造方法は、僅か2段階乃至3段階の簡単な工程を経るので、製造原価を2/3以上節約することができるという長所があることがわかる。
【0025】
本発明により製造される伝導性高分子としては主に複素環式(heterocyclic)構造を持つ共役係高分子、即ちポリピロール(polypyrrole)及びその誘導体、ポリチオフェン(polythiophene)及びその誘導体、ポリフラン(polyfuran)及びその誘導体、ポリセレノフェン(polyselenophene)及びその誘導体などが挙げられ、前記化学式1で表現することができる。
【0026】
本発明は酸化剤としてCu(ClO4)2・6H2O 、遷移金属化合物FeCl3等の強酸性のルイス酸(Lewis acid)を用い、これらは基材の材質に応じて様々な混合溶媒を用いることで接着性を向上させる。場合によっては、前記酸化剤の他に固形分含量で約5%以下のホスト高分子を用いることもできる。この場合、ホスト高分子としてはポリウレタン(polyurethane)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)を用い、場合によってはメチルセルロース(methyl cellulose)、キトサン(chitosan)を用いることもできる。前記高分子物質は一般的にフィルムとしての優秀な成形性と機械的な強度を持ち、ピロール(pyrrole)などの単量体に対して高い親和力を示すので、気相重合時のホスト高分子として挙げられる。場合によっては接着力向上のために添加剤を使用することもできる。
【0027】
本発明により製造された共役係高分子の電気伝導度は102Ω/□乃至108Ω/□程度であり、電気伝導度と機械的強度は酸化剤の濃度、合成時間及び温度によって差違がある。特に、ピロールを単量体として用いた場合は、反応時間、反応温度、反応溶媒及び酸化剤などの変数が合成の伝導性高分子の微細構造及び電気伝導度に大きく影響を及ぼす。また、ピロールは比較的低い酸化電位(oxidation potential)と高い蒸気圧を持つので、気相状態下で容易に化学反応を行うことができる。
【0028】
本発明に係る気相重合による伝導性高分子の合成は温度条件0℃乃至100℃で行われ、合成からフィルム形成までの3段階で行われる。
【0029】
第1段階、プラスチックまたは金属などの基材の表面に0.5重量%乃至10重量%の酸化剤を数μm単位で塗布する。この際の溶剤条件は使用基材の種類によって異なり、通常2種乃至4種の有機溶剤を混合して用いる。酸化剤で塗布された基材は酸化剤の変形を考慮し、80℃以下の熱風乾燥器で乾燥させる。
【0030】
第2段階、酸化剤で塗布された基材に上述の重合単量体を気化して接触させることにより、基材の表面で重合反応を行う。この際、単量体を気化させる方法としては、密閉されたチャンバ内で単量体を0℃乃至100℃で蒸留させる方法と、CVD(chemical vapor deposition)装置による方法などが挙げられる。この時、温度条件と反応時間の調整を必要とし、10秒乃至40分程度所要されるが、一般的には標物性及び単量体の種類によって異なる。
【0031】
第3段階、重合が完了した後、未反応の単量体及び酸化剤を除去するための洗浄工程を行う。この際の使用溶剤としては通常アルコール類を用い、場合によっては水で洗浄することもできる。上記のような一連の工程は、段階的または連続的に行われることができ、重合からフィルム化までの一連の作業工程で処理することができるという特徴を持つ。本発明により製造された伝導性高分子フィルムは1H乃至3H程度の鉛筆強度を維持し、接着性が優秀である。尚、通常アルコール類の溶剤で安定した特性を示す。
【0032】
(実施例1)
酸化剤としてのFeCl3をメチルアルコール、2−ブチルアルコール及びエチルセロソルブがそれぞれ7:2:1の割合で混合された溶媒に重量比で2%溶解させた後、基材としてのポリエステルフィルムにスピンコーティングした後、温度条件約60℃乃至70℃で2分間乃至3分間乾燥させた。酸化剤で塗布されたポリエステルフィルムは薄い黄色であった。飽和状態のピロール単量体が生成されるように設計されたCVDチャンバ内で前記酸化剤塗布の基材を約20秒間乃至30秒間反応させた後、未反応物を除去するためにメタノール溶媒で洗浄した。この時の反応チャンバの温度は20℃であった。結果として透明な褐色の伝導性高分子ポリピロールフィルムを製造した。前記フィルムはそれぞれ透過度が約75%、直径が約1μm乃至2μm、面抵抗が約104Ω/□であり、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)などの有機溶剤に対して安定しており、200℃以上の高温処理に対しても電気伝導度が変化しなかった。
【0033】
(実施例2)
酸化剤としてのFeCl3をメチルアルコール、2−ブチルアルコール及びエチルセロソルブがそれぞれ6:2:2の割合で混合された溶媒に重量比で2%溶解させた後、ホスト高分子としての分子量80,000乃至120,000のポリビニルアルコールを全体重量比で1%添加した後、基材としてのポリエステルフィルムにスピンコーティングした後、温度条件約60℃乃至70℃で2分間乃至3分間乾燥させた。酸化剤で塗布されたポリエステルフィルムは薄い黄色であった。飽和状態のピロール単量体が生成されるように設計されたCVDチャンバ内で前記酸化剤塗布の基材を約20秒間乃至30秒間反応させた後、未反応物を除去するためにメタノール溶媒で洗浄した。その結果として透明色の伝導性高分子フィルムを製造した。前記フィルムはそれぞれ透過度が約75%、直径が約1μm乃至2μm、面抵抗が約104Ω/□であり、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤に対して安定しており、200℃以上の高温処理に対しても電気伝導度が変化しなかった。この場合、形成されたフィルムの均一性が高く、伝導性高分子薄膜の表面程度が向上した。
【0034】
(実施例3)
酸化剤としてのCu(ClO4)2・6H2Oをメチルアルコール、2−ブチルアルコール及びエチルセロソルブがそれぞれ6:2:2の割合で混合された溶媒に重量比で3%溶解させた後、ポリエステルフィルムにスピンコーティングした後、温度条件約60℃乃至70℃で2分間乃至3分間乾燥させた。飽和状態のピロール単量体が生成されるように設計されたCVDチャンバ内で前記酸化剤塗布の基材を約20秒間乃至30秒間反応させた後、未反応物を除去するためにメタノール溶媒で洗浄した。その結果として透明色の伝導性高分子フィルムを製造した。前記フィルムは透過度が約75%、直径が約1μm乃至2μm、面抵抗が約103Ω/□であり、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤に対して安定しており、200℃以上の高温処理に対しても電気伝導度が変化しなかった。
【0035】
(実施例4)
酸化剤としてのFeCl3をメチルアルコール、2−ブチルアルコール及びエチルセロソルブがそれぞれ6:3:1の割合で混合された溶媒に重量比で3%溶解させた後、非結晶ポリエステルフィルムにスピンコーティングした後、温度条件約60℃乃至70℃で2分間乃至3分間乾燥させた。酸化剤で塗布されたポリエステルフィルムは黄色であった。飽和状態の2,3−ジヒドロチオ−3,4−ダイオキシン単量体が生成されるように設計されたCVDチャンバ内で前記酸化剤塗布の基材を約30分間乃至40分間反応させた後、未反応物を除去するためにメタノール溶媒で洗浄した。この時の反応温度は45℃であった。その結果として透明褐色の伝導性高分子フィルムを製造した。前記フィルムは透過度が約75%、直径が約1μm乃至2μm、面抵抗が約550Ω/□であり、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤に対して安定し、200℃以上の高温処理に対しても電気伝導度が変化しなかった。
【0036】
(実施例5)
実施例1において酸化剤としてのFeCl3を重量比で5%製造して用いた。
【0037】
(実施例6)
実施例1において酸化剤としてのFeCl3を重量比で3%溶解させた後、ポリカーボネートフィルムに浸漬コーティングした後、温度条件約60℃乃至70℃で2分乃至3分乾燥させた。
【0038】
(実施例7)
実施例1において酸化剤としてのFeCl3を重量比で3%製造し、この時、溶媒条件としてはメチルアルコール、2−ブチルアルコール及びエチルセロソルブの割合をそれぞれ5:3:2とした。
【0039】
(実施例8)
実施例2においてホスト高分子としてメチルセルロースを使用した。
【0040】
(実施例9)
実施例2において酸化剤としてFeCl3の代わりにCu(ClO4)2・6H2Oを重量比で3%製造して使用し、反応温度は45℃、反応時間は20秒乃至30秒にした。
【0041】
(実施例10)
実施例3において酸化剤としてのFeCl3を重量比で10%製造して使用し、2,3−ジヒドロチオ−3,4−ダイオキシン単量体を使用した。この時の反応時間は40分に調整した。
【0042】
(実施例11)
実施例1において酸化剤としてのFeCl3を重量比で6%製造して使用し、フラン単量体を使用した。この時の反応時間は30分にした。
【0043】
本発明において面抵抗は4単刺法、透過度は分光光度計(UV/VIS spectrophotometer)を用いて測定し、信頼性実験は85℃/85%RHの高温高湿条件下で測定し、そして硬度は鉛筆強度で測定した。熱安定性評価はDupont社のTGA2050分光計を用いて測定範囲30℃乃至500℃で、熱速度10℃/分で行われた。
【0044】
本発明により製造された透明伝導性フィルムは酸化剤の厚さ、反応時間及び反応温度などに応じて、電気伝導度を200Ω/□〜108Ω/□の範囲で自由に調節して製造することができ、静電気及び帯電防止コーティング用はもとより、中抵抗以下の電極材料として用いることができる。また、前記伝導性高分子を含めて2層以上の構造を持つ無反射フィルムの製造用及びディスプレイの機能膜として用いることができる。3倍乃至5倍の延伸までは伝導度を維持することができるので成形材料としての特性もある。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は気相重合法を用いて製造過程を2段階乃至3段階に短縮させることにより、5段階乃至6段階の工程を経る従来の方法に比べて、製造原価を2/3以上節減することができるという効果があり、また薄膜特性が優秀であり、電気伝導度を自由に調節することができるので、電極材料、成形材料などの多様な製品の製造に用いることができる。
Claims (15)
- 基材表面に酸化剤を数μm単位で塗布し、乾燥器で乾燥する段階と、酸化剤が塗布された基材にセノフェン,2,3−ジヒドロチオ3,4−ダイオキシン及びこれらの誘導体から構成される群から選択される気体状態の単量体を接触させることにより、基材の表面で重合反応を行う段階と、重合が完了した後に未反応単量体及び酸化剤を除去する洗浄段階と、を含むことを特徴とする気相重合法による伝導性高分子の合成方法。
- 前記基材はプラスチック材または金属材であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記プラスチック材はポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルサルホン及び非結晶ポリエステルから構成される群から選択されることを特徴とする請求項2記載の方法。
- 前記酸化剤はCuCl3、トルエンスルホン酸鉄(III)(Iron(III)-toluenesulfonate)、過塩素酸鉄(III)(Iron(III)-perchlorate)、FeCl3及びCu(ClO4)2・6H2Oから構成される群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記酸化剤はメチルアルコール、2−ブチルアルコール、エチルセロソルブ、エチルアルコール、シクロヘキサン、アセトン、エチルアセテート、トルエン及び メチルエチルケトンから構成される群から選択される有機溶剤の単一または混合物に溶解させて製造されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記酸化剤は全体重量に対して0.5重量%乃至10重量%の割合で製造されることを特徴とする請求項5記載の方法。
- 前記酸化剤にホスト高分子を添加することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記ホスト高分子はポリアクリル酸ブチル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、メタクリル酸メチル (MMA)を含む共重合樹脂、メチルセルロース及びキトサンから構成される群から選択される紫外線(UV)または熱硬化型アクリル樹脂を特徴とする請求項 7記載の方法。
- 前記酸化剤及びホスト高分子はメチルアルコール、2−ブチルアルコール、エチルセロソルブ、エチルアルコール、シクロヘキサン、アセトン、エチルアセテー ト、トルエン及びメチルエチルケトンから構成される群から選択される有機溶剤の単一または混合物に溶解させて製造されることを特徴とする請求項7記載の方 法。
- 前記ホスト高分子は全体重量に対して0.5重量%乃至5重量%の割合で製造されることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記単量体が蒸発室(vaporizing chamber)で気化され、前記酸化剤で塗布された基材に接触されることにより重合反応が行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記反応温度は0℃乃至100℃であることを特徴とする請求項11記載の方法。
- 前記反応時間は10秒乃至40分であることを特徴とする請求項11記載の方法。
- 前記未反応単量体及び酸化剤をメタノールまたは水で洗浄することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記一連の工程は段階的もしくは連続的に行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001280290A JP4318414B2 (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | 気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001280290A JP4318414B2 (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | 気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003082105A JP2003082105A (ja) | 2003-03-19 |
JP4318414B2 true JP4318414B2 (ja) | 2009-08-26 |
Family
ID=19104317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001280290A Expired - Fee Related JP4318414B2 (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | 気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4318414B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004077131A2 (ja) * | 2003-02-25 | 2004-09-10 | Hs Planning Ltd | 偏光板 |
JP2005114852A (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-28 | Jsr Corp | プラズマディスプレイ前面板用反射防止フィルム及びその製造方法 |
WO2005090473A1 (ja) * | 2004-03-18 | 2005-09-29 | Jsr Corporation | 積層体の製造方法 |
WO2006035475A1 (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Jsr Corporation | 積層体およびその製造方法 |
JP2006231900A (ja) * | 2004-11-16 | 2006-09-07 | Jsr Corp | 積層体の製造方法 |
WO2006054472A1 (ja) * | 2004-11-16 | 2006-05-26 | Jsr Corporation | 積層体の製造方法 |
JP2006231317A (ja) * | 2004-11-16 | 2006-09-07 | Jsr Corp | 積層体の製造方法 |
WO2006054470A1 (ja) * | 2004-11-16 | 2006-05-26 | Jsr Corporation | 積層体の製造方法 |
JP2006209050A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-08-10 | Jsr Corp | 反射防止膜 |
KR100684913B1 (ko) | 2005-10-06 | 2007-02-20 | 연세대학교 산학협력단 | 티오펜 에멀젼의 산화중합에 의한 폴리티오펜 나노입자와이의 유도체 및 이의 제조방법 |
GB0713304D0 (en) * | 2007-07-09 | 2007-08-22 | Imp Innovations Ltd | Highly conductive and stable transparent conducting polymer films |
US20130089659A1 (en) * | 2011-10-06 | 2013-04-11 | Dhiman Bhattacharyya | Selenophene-Based Low Band Gap Active Layers by Chemical Vapor Deposition |
-
2001
- 2001-09-14 JP JP2001280290A patent/JP4318414B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003082105A (ja) | 2003-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6664355B2 (en) | Process for synthesizing conductive polymers by gas-phase polymerization and product thereof | |
JP4318414B2 (ja) | 気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 | |
JP5718050B2 (ja) | 高導電率で安定な透明導電性ポリマー膜 | |
US4699804A (en) | Process for producing electrically conductive composite polymer article | |
KR101356238B1 (ko) | Uv 패터닝 가능한 전도성 고분자 필름의 제조방법 및이에 의해 제조되는 전도성 고분자 필름 | |
CN101023138A (zh) | 导电性组合物及其制造方法、抗静电涂料、抗静电膜、抗静电涂膜、滤光器、光信息记录媒体、电容器及其制造方法 | |
KR101224020B1 (ko) | 유연 전자소자용 전도성 고분자-금속 나노입자 하이브리드 투명전극필름 및 이의 제조방법 | |
Yin et al. | Conducting composite film based on polypyrrole and crosslinked cellulose | |
WO2016029586A1 (zh) | 一种柔性透明导电复合膜的制作方法 | |
JPH07734B2 (ja) | 導電性プラスチック複合物 | |
JP4126789B2 (ja) | 透明電気伝導性ポリマー | |
JP4422918B2 (ja) | π−共役ポリマーの製造方法 | |
JP2013072096A (ja) | 有機無機複合物およびその製造方法 | |
TW200307954A (en) | Transparent polythiophene layers of high conductivity | |
TW201641527A (zh) | Ofet用之可光圖案化的閘極介電質 | |
Jang et al. | Facile Direct C‐H Arylation Polymerization of Conjugated Polymer, PDCBT, for Organic Solar Cells | |
KR100455408B1 (ko) | 기상중합법에 의한 전도성 고분자 박막 필름의 합성방법 및 그 제조물 | |
JP5608443B2 (ja) | 導電性組成物 | |
KR101066019B1 (ko) | 전도성 고분자 및 컴포지트 박막으로 구성된 투명 전극필름또는 유기태양전지의 활성층 및, 이의 제조방법 | |
JP2011508954A (ja) | ポリチオフェンおよびその誘導体に基づく高い導電率を示す塗膜の製造方法 | |
KR102488388B1 (ko) | 클릭반응을 이용한 패턴화된 cnt 필름 코팅 기판 및 이의 제조방법 | |
JPH0363971B2 (ja) | ||
JPH06340754A (ja) | 高分子成形体への導電性付与方法 | |
Drachev et al. | Conducting polymer layers obtained by direct-current discharge polymerization of 1-amino-9, 10-anthraquinone | |
JP4077405B2 (ja) | 導電性パターンの形成のための材料及び方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20040826 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040826 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070710 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20071002 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20071005 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20071109 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20071120 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20071207 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20071220 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080110 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090224 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090428 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090526 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130605 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |