JP4317268B2 - 硬化性液状樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明は光ファイバーを被覆及びケーブル化するための輻射線(radiation)硬化性液状樹脂組成物に関し、該組成物は優れた硬化と、粒状物質例えば結晶質介在物の量の減少を示し、そして生じる硬化生成物は最少の黄変(yellowing)を示し、優れた耐久性を発揮する。従って、この硬化性液状樹脂組成物は光ファイバーや光ファイバーリボンマトリックスの上に塗布されるコーティング材料としての使用に特に適している。更に、この樹脂組成物は硬化されたときに安定な接着性を有することができ、それでいて、この組成物が被覆したところの材料から容易に除去できる。従って、この組成物は光ファイバーの上に被覆される軟質被覆としての使用に特に適する。
関連技術の説明
輻射線硬化性組成物は光ファイバー産業において、光ファイバー、リボン、およびケーブルの製造中に、広く使用されている。例えば、光ガラスファイバーはガラスファイバーの所期特性を持ち続けるように、ガラスファイバーが線引き塔(draw tower)で製造された後直ちに慣例的に少なくとも一つの輻射線硬化性塗膜(しばしば、2つの塗膜)で被覆される。ファイバーに塗膜が適用された後直ちに、塗膜は輻射線(普通は、紫外光)に暴露されることによって迅速に硬化される。この産業界はより速い生産速度を、従って、より早く硬化するコーティング組成物を要求している。
輻射線硬化性のマトリックス及びバンドリング(bundling)材料は被覆ファイバーの個々のストランドを束ね合わせて光ファイバーリボン、光ファイバーケーブル、及び集合構造体にするときに、それら個々のストランドを更に支持し保護することができる。また、輻射線硬化性インキは光ファイバーの個々のストランドを色分けするのに使用できる。これらタイプの光ファイバー関連材料はいずれも好ましくは輻射線硬化性であり、そして被覆用及び/又はケーブル化用材料として役立ち得る。
リボン化及びケーブル化の前の光ファイバーの製造においては、慣例的に2つの輻射線硬化性被覆層が使用される。一方の層は軟質の内部1次被覆(「1次被覆(primary coating)」)であり、それはガラスファイバーに直に接触しており、そしてマイクロベンディングを防止する。もう一方の層はより強靱な外部1次被覆(「2次被覆(secondary coating)」)であり、それはより耐久性の外部をガラスファイバーに与える。
輻射線硬化性1次被覆の例は、Coady等の米国特許第5,336,563号に、そして2次被覆は米国特許第4,472,019号に開示されている。光ファイバー被覆技術の別の局面は、たとえば、米国特許第5,595,820(Szum)、第5,199,098号(Nolan等);第4,923,915号(Urruti等);第4,720,529号(キムラ等);第4,474,830号(Taylor等)に開示されている。
光ファイバーを様々な環境条件下に曝すことになる最近の光ファイバーケーブルの拡張する設置とともに、光ファイバーのための軟質被覆、硬質被覆、着色材料、及びバンドリング材料には、より高い耐久性が要求されている。特に、軟質被覆として使用される樹脂は長期間にわたってガラスに対して安全な密着性を示さなければならない。加えて、複数の光ファイバーからなる光ファイバーリボン構造体の拡張された使用は光ファイバーの接続(splicing)のための作業における改善を要求する。詳しくは、光ファイバーリボンにおける全部の材料、例えば、軟質被覆、硬質被覆、着色材料、リボンマトリックス、及びバンドリング材料は、一操作によって光ファイバーガラスから除去されることが強く要望される。更には、光ファイバーに対する需要が増すと、光ファイバーの生産性の改良が要望される。詳しくは、これら材料はガラスファイバー上に塗布され迅速に硬化されて均一厚さの被覆をばらつきなく生成するという特徴を有することを強く要望される。
紫外線硬化における硬化速度を最大にするには、少なくとも一つの光開始剤が要求される(光開始剤は電子線硬化では省くことができる)。表面と全体の硬化を適切に均衡をとって達成するには数種の光開始剤を使用することができる。通例の類の光開始剤が使用されてきた。比較的速い硬化速度を示すLucirinTPO〔(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド〔BASFから商業的に入手可能〕〕のようなモノアシルホスフィンオキシドのタイプの光開始剤が使用できる。しかしながら、市販のLucirin TPOの使用は介在物や光学的明澄度の損失(光学顕微鏡のもとで検出される)を生じることのある望まない結晶化効果(例えばエージング中の)を被覆内に引き起こすことがある。精製したLucirin TPOを使用する試みがなされたが、精製工程は費用がかかる。他のホスフィンオキシド光開始剤(例えば、CGI403、チバ)は有害な結晶化効果の量を軽減することを示すことができるが、それらはより遅い硬化速度も示す。従って、速い硬化速度と良好な光学的明澄度との両方を提供できる光開始剤を見いだす必要性が存在する。この分野では、今までは、かかる性質を如何にして達成するかについての方向性が提供されていない。
加えて、光開始剤は黄変の原因になることがある;特に、光による化学分解を伴うエージング条件(例えば、UV又は蛍光の光)の下での硬化組成物の長期エージング中には、そうである。熱も黄変を誘発することがある。一般的に変色及び特に黄色は望ましくなく、この産業界では禁物である。従って、有害結晶質効果の欠如と速い硬化とを提供するが黄変を生じる光開始剤は、最も厳しい産業界の要求を十分に満足しない。
優れた均衡のとれたこれら性質を提供する光開示剤は従来認識されていない。例えば、極めて多数のホスフィンオキシド光開始剤が例えば米国特許第5,218,099号(Rutsch等)及び第5,534,559号(Leppard等)に開示されている。しかしながら、これら特許は光開始剤のいずれか特定種が上記課題を解決し優れた均衡のとれた性質を提供するであろうことを示唆していない。従って、それらは本発明を予想又は示唆しない。
発明が解決しようとする課題
光ファイバー用のコーティング材料として使用される輻射線硬化性樹脂に要求される特性は次のことを包含する;常温で液体であり、そして優れて塗布されるべく十分に低い粘度を有している;高い硬化速度で良好な生産性を与える;十分な強度及び優れた柔軟性を有している;広範囲にわたる温度変化中に非常に小さな物理的変化しか示さない;優れた耐熱性及び優れた加水分解抵抗性を有している;経時中に物理的変化の殆どない優れた長期信頼性を有している;酸やアルカリのような化学物質に対して優れた抵抗性を示す;低い水分及び吸水性を示す;経時中に最少の変色を示す優れた耐光性を示す;高い耐油性を示す;及び、光ファイバー特性に悪影響を与える水素ガスを殆ど生成しない。
近年における光ファイバーケーブルの拡張する設置とともに、光ファイバーには高い耐久性と生産性が要求されている。詳しくは、光ファイバー用コーティング材料の耐久性が低く、例えば、着色が顕著である場合には、光ファイバーを識別するために彩色された色の可視性は低下する;そのことはケーブルの保守が妨害されるという問題を表している。可視性の低下がバンドリング材料の着色によって起こるばかりでなく硬質被覆又は軟質被覆の着色によっても起こるということは既に確認されている。
更に、光ファイバーの需要増加はコーティング材料が安定な仕方で迅速に硬化することを必要ならしめる。コーティング材料が迅速に硬化するには、速く分解する光開始剤が使用されなければならない。
更に、軟質被覆として使用される樹脂は長期間にわたってガラスに対する安定な密着性を示さなければならない。加えて、全てのコーティング材料が光ファイバーのリボン構造体から除去される場合には、ガラス上に残留物が残るべきでない。
日本特許出願公開第190712/1989には、速い硬化で高い生産性を実現する光硬化性樹脂組成物として、アシルホスフィンオキシドを含んでいる組成物が開示されている。しかしながら、この組成物は光ファイバー被覆材料に要求される特性を維持しながら光ファイバーの生産性を十分に増大させるに足る高い速度では必ずしも硬化されない。
日本特許出願公開第259642/1996には、ビス−アシルホスフィンオキシドを含んでいる別の組成物が、高速度で硬化されることによって高い生産性を示す光硬化性樹脂組成物として提起されている。しかしながら、この日本特許出願に開示されている長鎖脂肪族基を含有するビス−アシルホスフィンオキシドは樹脂組成物中への溶解度が劣っており、従って、高い硬化速度を確保するのに十分な量で樹脂組成物中に溶解することができない。
光ファイバー被覆材料と光ガラスファイバーの間の接着強度の経時低下は光ファイバーの光信号特性の低減衰における悪化を誘発することが知られている。接着強度を安定化させるために様々な手段が提起されているが、いずれも十分な効果を発揮していない。例えば、有機官能性シラン添加物を組み入れることによって高湿かつ高温下でのガラスに対する樹脂組成物の接着強度を増加させる方法が日本特許出願公開第21546/1992に開示されている。この方法は有機官能性シラン化合物がコーティング材料自体の硬化速度を低下させるので制限された量でのみ添加され得ることから、意図する目的を不十分にしか達成できないことが知られている。
リボン構造体の光ファイバーの全被覆材料を一操作で除去する方法の改良が近年増加している。これに関して、Ching−Kee Chien等は一操作で全被覆材料を除去する能力は被覆材料が除去されるときの温度及び除去速度に依存することを報告している(第45回インターナショナル ワイヤー アンド ケーブル シンポジウムの議事録第554頁(1996年))。詳細なメカニズムは現時点では分かっていない。加えて、これらの課題を被覆材料の面から改良するための提案は現時点まで浮上していない。
光ファイバー業界で必要とされているもの、しかしこの業界が表面上未だに提供していないものは、速い硬化速度を付与し、且つ硬化したときには良好な光学的明澄度と最少の変色及び黄変を付与する輻射線硬化性組成物である。性質のこの組合せ無しでは、組成物は厳しい産業界の要求を満足しない。
発明の概要
従って、本発明の目的は優れた硬化を示しそして生じる硬化生成物が黄変を最少程度にしか形成せず優れた耐久性を示すような光ファイバー被覆用輻射線硬化性液状樹脂組成物を提供することである。本発明の更なる目的は硬化後にはそれが被覆している材料から容易に除去できるような輻射線硬化性液状樹脂組成物を提供することである。
本発明は、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性オリゴマー(A)、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性モノマー希釈剤(B)、及び有効量の、式(1)
(式中、Ar1〜Ar3は独立に、非置換及び/又は置換芳香族基を表し、置換基としては、他の基の中でも、O、S及び/又はNを含んでいるヘテロ基が特に挙げられる)
で表される少なくとも一つの光開始剤(C)、を含んでいる光ファイバー被覆用輻射線硬化性組成物を提供する。
更に、本発明は、式(1)によって表される光開始剤を含んでいる、輻射線硬化性を内部1次被覆、外部1次被覆、マトリックス材料、バンドリング材料、インキ、及び光ファイバー技術に使用されるその他のタイプの材料、のような光ファイバー用被覆層を提供する。
更に、本発明は、光ファイバー好ましくは光ガラスファイバーとその上の少なくとも一つの輻射線硬化被覆層とを含んでいる光伝送デバイスであって、被覆層が輻射線硬化前には、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性オリゴマー、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性モノマー希釈剤、及び有効量の式(1)で表される少なくとも一つの光開始剤を含んでいる輻射線硬化性組成物である、前記デバイスを提供する。
更に、本発明は、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性オリゴマー、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性モノマー希釈剤、及び有効量の式(1)で表される少なくとも一つの光開始剤を含んでいる輻射線硬化性組成物によって光ファイバーを被覆することを含む被覆された光ファイバーの製造法を提供する。
更に、本発明は、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性オリゴマー、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性モノマー希釈剤、及び有効量の式(1)で表される少なくとも一つの光開始剤を含んでいる輻射線硬化性組成物によって被覆された光ファイバーをケーブル化する方法を提供する。
更に、本発明は、輻射線硬化された光ファイバー被覆の中の粒状物質の量を低下させることによって明澄度を改良する方法であって、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性オリゴマー、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一つの輻射線硬化性モノマー希釈剤、及び有効量の式(1)で表される少なくとも一つの光開始剤から本質的になる輻射線硬化性組成物を配合する工程を含む前記方法を提供する。硬化によって結晶質介在物を生じさせるような被覆成分は組成物から排除されるべきである。好ましくは、LucirinTPO光開始剤は最小に(例えば、約0.1重量%未満で)使用されるべきであるか又は全く使用されるべきでない。
ガラス光ファイバーの内部1次被覆用に好ましく使用される輻射線硬化性液状樹脂組成物は、(a)40〜95重量%の、炭素原子2〜10個とエチレン性不飽和基を有する少なくとも一つのオキシアルキレン基を含んでいるポリオキシアルキレン構造を含有するポリウレタン、(b)3〜50重量%の、その単独重合体が20℃より低いガラス転移温度を有するところのモノ官能性(メタ)アクリレート、及び(c)0.05〜10重量%の、上記定義通りの式(1)の化学構造を有する化合物である光開始剤を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
図1は、(1)本発明に従う光開始剤を有する硬化被覆組成物(試料I)‐対‐(2)本発明に従わない光開始剤を有する硬化被覆組成物(試料II)についての色変化の比較試験を説明する。
発明の詳細な説明
この輻射線硬化性組成物は光ファイバー用被覆であるように配合できる。「被覆(coating)」はここでは、別に特定されていない限り、内部被覆、外部被覆、及びシングル被覆;マトリックス材料、インキ(被覆光ファイバーに対して適用するための)、及びケーブル化用(バンドリング)材料を称する。組成物は少なくとも一つの輻射線硬化性オリゴマー、少なくとも一つの輻射線硬化性モノマー希釈剤、式1によって表される通りの少なくとも一つの光開始剤、及び添加剤を含んでいることができる。
輻射線硬化性オリゴマーは輻射線硬化性の光ファイバー被覆用組成物に使用されるいずれの輻射線硬化性オリゴマーであってもよい。適する輻射線硬化性オリゴマーの例としては、少なくとも約500の分子量を有しそして少なくとも一つのエチレン性不飽和基を含有しているウレタンオリゴマーが挙げられる。例えば、希釈剤が被覆用組成物の中に存在する場合には、エチレン性不飽和基は組成物が硬化されるときに反応性希釈剤が結合するところのオリゴマーの反応性末端であることができる。好ましくは、オリゴマーは2つの末端の輻射線硬化性官能基を有している。
代表的な内部1次被覆及びオリゴマーは例えば米国特許第5,336,563号及び第4,992,524号に開示されており、それらは本明細書中に組み入れられる。代表的な外部1次被覆及びオリゴマーは例えば第4,472,019号に開示されており、それは本明細書中に組み入れられる。代表的なシングル被覆及びオリゴマーは例えば第4,932,750号に開示されており、それは本明細書中に組み入れられる。他の被覆用組成物は例えば米国特許第5,527,835号及び第5,146,531号に開示されており、それらは本願明細書中に組み入れられる。
好ましくは、オリゴマーの数平均分子量は少なくとも約700、そして多くても約10,000ダルトン(Daltons)である。より好ましくは、分子量は約1,000〜約8,000、そして最も好ましくは、約1,000〜約6,000ダルトンである。
好ましくは、オリゴマーはイソシアネート官能基を実質的に含有しない。
輻射線硬化性オリゴマーは好ましくは約10〜約90重量%、より好ましくは約20〜約90重量%の量で存在する。
オリゴマー上に存在し得る適する輻射線硬化性官能基の例としては、(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、アクリルアミド、マレエート又はフマレート官能基を有するエチレン性不飽和基が挙げられる。用語「(メタ)アクリレート」はここで使用されるときは、メタクリレート、アクリレート、又はそれらの混合物意味する。
好ましくは、オリゴマー中の輻射線硬化性基は(メタ)アクリレートまたはビニルエーテル基である。最も好ましくは、輻射線硬化性基はアクリレート基である。
好ましくは、オリゴマーはオリゴマー主鎖に結合している少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有している。例えば、エチレン性不飽和基はオリゴマー主鎖の各端に反応性末端として存在することができる。オリゴマー主鎖は例えばポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、又はそれらの共重合体を基本とすることができる。好ましくは、オリゴマー主鎖はポリエーテル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、又はそれらの混合物を含んでいる。オリゴマー主鎖が当分野で既知の方法によって輻射線硬化性オリゴマーに転化されるプレポリマーの使用によって製造される場合には、ポリオールプレポリマーの分子量は好ましくは少なくとも250、より好ましくは少なくとも400、最も好ましくは少なくとも約600である。分子量は好ましくは、約10,000以下、より好ましくは約5,000以下、そして最も好ましくは約3,000以下である。用語「オリゴマーポリオール」は「ポリオールプレポリマー」を意味するのにも使用される。
オリゴマー主鎖は例えばウレタン結合によって互いに結合された一つ又はそれ以上のオリゴマーブロックを含んでいることができる。例えば、ポリオールプレポリマーの一つ又はそれ以上のタイプは当分野で既知の方法によって、そして下記に説明されているように、連結されることができる。
オリゴマー主鎖がポリエーテルである場合には、得られる被覆は低いガラス転移温度と良好な機械的性質を有することができる。オリゴマー主鎖がポリオレフィンである場合には、得られる被覆は更に改良された耐水性を有することができる。ポリカーボネート系オリゴマーは良好な安定性を付与できる。
オリゴマーは、例えば、(i)オリゴマーポリオール、(ii)ジ−又はポリ−イソシアネート及び(iii)ヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマー例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応によって製造できる。
オリゴマー骨格ポリオールが使用される場合には、好ましくは、それは平均で少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。オリゴマー主鎖ポリオールは平均で2個より多いヒドロキシル基を有していてもよい。かかるオリゴマージオールの例としては、ポリエーテルジオール、ポリオレフィンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、及びそれらの混合物が挙げられる。ポリエーテル及びポリオレフィンジオール、又はそれらの組合せが好ましい。
成分(A)であるウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオール(i)、ジイソシアネート(ii)、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート(iii)を反応させることによって製造できる。詳しくは、成分(A)は、ジイソシアネートの一つのイソシアネート基をポリオールのヒドロキシル基と、そして第二のイソシアネート基を(メタ)アクリレートのヒドロキシ基と反応させることによって製造される。
反応方法としては、ポリオールとジイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートをバッチプロセスによって反応させる方法;ポリオールをまずジイソシアネートと反応させ、次いでその反応体を(メタ)アクリレートと反応させる方法;ジイソシアネートをまずヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと反応させ、次いでその反応体をポリオールと反応させる方法;ジイソシアネートをまずヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと反応させ、次いでその反応体をポリオールと反応させ、最後に、その得られた反応体をヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと反応させる方法;等が挙げられる
本発明の好ましい態様において成分(A)として使用されるポリウレタンは、炭素原子2〜10個を含有するオキシアルキレンから生成されたポリオキシアルキレン構造を有するジオール化合物、ジイソシアネート化合物、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させることによって得ることができる。
上記プロセスに使用される特定ポリオキシアルキレン構造を有する適切なジオール化合物の例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、及び一つ又はそれ以上のイオン重合性環式化合物の開環共重合によって得られたポリエーテルジオールが挙げられる。イオン重合性環式化合物の例としては、環式エーテル、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン‐1‐オキシド、イソブテンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、及び安息香酸グリシジルエステルが挙げられる。上記のイオン重合性環式化合物の一つと、環式イミン例えばエチレンイミン、β‐プロピオラクトン、環式ラクトン酸例えばグリコール酸ラクチド、又はジメチルシクロポリシロキサンとの開環共重合によって得られたポリエーテルジオールも使用できる。ここで、2つ又はそれ以上のイオン重合性環式化合物の特定の組合せとしては、二元共重合体、例えば、テトラヒドロフランとプロピレンオキシドの共重合体、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフランの共重合体、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの共重合体、テトラヒドロフランとエチレンオキシドの共重合体、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの共重合体、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドの共重合体、及びブテン−1−オキシドとプロピレンオキシドの共重合体、及び三元共重合体、例えば、テトラヒドロフランとブテン−1−オキシドとエチレンオキシドの共重合体が挙げられる。これら開環共重合体はこれらイオン重合性環式化合物のランダム共重合体又はブロック共重合体いずれであってもよい。
ポリエーテルジオールが使用される場合には、好ましくは、ポリエーテルは実質的に非結晶性のポリエーテルである。
使用できるポリエーテルポリオールの例は、20重量%の3‐メチルテトラヒドロフランと80重量%のテトラヒドロフランの重合生成物であり、その両方が開環重合を受けている。このポリエーテル共重合体は枝分れと非枝分れの両方のオキシアルキレン反復単位を含有しており、PTGL 1000として販売されている(日本の保土谷化学工業)。使用できるこのシリーズのポリエーテルのもう一つの例はPTGL 2000(保土谷化学工業)である。
ポリオキシアルキレン構造を含有しているその他のジオール化合物はPTMG1000、PTMG2000(三菱化学製)、PPG1000、EXCENOL2020、1020(アサヒ オリン(Asahi Oline)製)、PEG 1000、Unisafe DC1100、DC1800(日本油脂製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400(保土谷化学工業製)、及びZ−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(第一工業製薬製)の商標のもと入手可能である。
上記ポリエーテルジオールは好ましいジオールであるが、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリオレフィンジオール等が単独で又はポリエーテルジオールとの組合せで使用されてもよい。構造単位の重合のタイプに制限はない。重合はランダム重合、ブロック重合、及びグラフト重合のいずれであってもよい。
ポリエステルジオール化合物の例としては、多価アルコール例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は2−メチル−1,8−オクタンジオールと;多塩基性酸例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸、アゼライン酸、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、2,2−ジメチルコハク酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸等、それらの酸無水物、及びそれらの混合物との反応によって得られるポリエステルジオールが挙げられる。これらポリエステルジオール化合物は例えばKURAPOLP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、又はPNA−2000(クラレ製)の商標のもと入手可能である。
ポリエステルポリオールのクラスにはポリカプロラクトンジオール化合物が包含され、ポリカプロラクトンジオールはε−カプロラクトンと2価ジオール例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又は1,4−ブタンジオールとの反応によって得られ、そしてPLACCEL 205、205AL、212、212AL、220、220AL(ダイセル化学工業製)のような商業的に入手可能な製品が与えられる。その他のポリカプロラクトンはユニオンカーバイドから商品名TONE POLYOLシリーズの製品、例えば、TONE 0200、0221、0301、0310、2201、及び2221のもと商業的に入手可能である。TONE POLYOL 0301及び0310は三官能性である。
ポリオレフィンジオールが使用される場合、ポリオレフィンは好ましくは、複数のヒドロキシル末端基を含有している直鎖又は枝分れ炭化水素である。好ましくは、炭化水素は大部分がメチレン基(−CH2−)である非芳香族化合物であり、それは内部不飽和及び/又は垂下不飽和を含有することができる。硬化された光ファイバー被覆の長期安定性は不飽和度が減少すると増すので、十分に飽和された、例えば、水素化された、炭化水素が好ましい。ポリオレフィンジオールの例として、例えば、ヒドロキシル末端の、完全に又は部分的に水素化された1,2−ポリブタジエン;1,4− 1,2−ポリブタジエン共重合体、1,2−ポリブタジエン‐エチレン又は‐プロピレン共重合体、ポリイソブチレンポリオール;それらの混合物、等を挙げられる。好ましくは、炭化水素ジオールは実質的に完全に水素化された1,2−ポリブタジエン又は1,2−ポリブタジエン‐エテン共重合体である。
ポリカーボネートジオールの例としては、ジオールによるジエチレンカーボネートのアルコーリシスによって普通に製造されたものが挙げられる。ジオールは例えば、約2個〜約12個の炭素原子を有するアルキレンジオール、たとえば、1,4‐ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール、等であることができる。これらジオールの混合物も利用できる。ポリカーボネートジオールはカーボネート基に加えて、エーテル結合を主鎖中に含有することができる。従って、例えば、アルキレンオキシドモノマーと先に記載のアルキレンジオールとのポリカーボネート共重合体が使用できる。アルキレンオキシドモノマーとしては、例えば、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、等が挙げられる。これら共重合体はポリカーボネートジオール単独重合体に比べて、より低いモジュラスを示す硬化被覆を生成し且つ液状の被覆性組成物の結晶化度を抑制する。ポリカーボネートジオールとポリカーボネート共重合体との混合物も利用することができる。
ポリカーボネートジオールとしては、たとえば、DURACARB 122(PPGインダストリーズ)及びPERMANOL KM10−1733(ペルムタン社(Permuthane Inc.)、MA州)が挙げられる。DURACARB 122は、ヘキサンジオールによるジエチルカオボネートのアルコーリシスによって製造される。その他の適する商業的に入手可能な製品、たとえば、DN−980、981、982、983(日本ポリウレタン工業製)、PC−8000(米国のPPG製)、PC−THF−CD(BASF製)が存在する。
上記のもの以外のジオール化合物も、本発明の効果が影響されないような量で使用することができる。かかる他のジオール化合物としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールFのブチレンオキシド付加ジオール、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオール、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加ジオール、水素化ビスフェノールAのブチレンオキシド付加ジオール、水素化ビスフェノールFのエチレンオキシド付加ジオール、水素化ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加ジオール、水素化ビスフェノールFのブチレンオキシド付加ジオール、ヒドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、ナフトヒドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、アントラキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールおよびそのアルキレンオキシド付加ジオール、ペンタシクロペンタデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水素化ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、及びポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオールが挙げられる。
これらのうちでも、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール及びトリシクロデカンジメタノールが望ましい。これらポリオールは、UNIOLDA400、DA700、DA1000、DB400(日本油脂製)及びトリシクロデカンジメタノール(三菱化学製)の商品名のもと市販化合物として入手可能である。
上記ジオール以外に、ジアミンがポリオキシアルキレン構造を有するジオールとの組合せで使用されてもよい。しかしながら、アミンを使用しない方が好ましい。かかるアミンの例としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等のようなジアミン、ヘテロ原子を含有しているジアミン、ポリエーテルジアミン、等が挙げられる。
これらジオール化合物の数平均分子量は通常、50〜15,000、好ましくは、100〜8,000である。
いずれかの有機ポリイソシアネート(ii)は単独で又は混合物で、ポリイソシアネートとして使用できる。従って、分子の少なくとも一つの端でイソシアネート/エチレン性不飽和モノマー反応からの反応生成物によってエンドキャップされた生成物が得られる。「エンドキャップされた(end-capped)」は官能基がオリゴマージオールの2つの端の一つをキャップすることを意味する。
イソシアネート/ヒドロキシ官能性モノマー反応生成物はウレタン結合によってオリゴマー主鎖(i)ジオールに結合する。
ジイソシアネート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレン ジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニレン ジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシル)イソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネート‐エチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられる。これらのジイソシアネートのうちでも、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)が特に好ましい。黄変を最小するためには、完全に脂肪族のイソシアネートが最も好ましい。
一般に、反応性末端(iii)を提供する化合物は化学線の影響下で重合することのできる官能基を含有しており、そしてこの化合物はジイソシアネートと反応することのできる官能基を含有している。ヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和モノマーが好ましい。より好ましくは、ヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマーはアクリレート、(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、マレエート又はフマレート官能基を含有している。
エチレン性不飽和基を有する化合物の例としては、好ましくは、ヒドロキシル基、酸ハライド基、又はエポキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物が挙げられる。
本発明に使用されるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記構造式(2)又は(3)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、nは1〜15の整数を表す)
によって表される(メタ)アクリレートが挙げられる。更に、グリシジル基を含有する化合物、例えば、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸との間の付加反応によって得られた化合物も使用できる。ヒドロキシル基を有するこれら(メタ)アクリレートのうちでも、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシプロピルアクリレートが特に望ましい。
(メタ)アクリル酸のグリシジルエステルはエポキシ基を有する(メタ)アクリル化合物として与えられる。
酸ハライド基を有する(メタ)アクリル化合物として、(メタ)アクリル酸クロライド及び(メタ)アクリル酸ブロマイドのような(メタ)アクリル酸ハライドが与えられる。エチレン性不飽和基を有するこれら化合物は個々又は2つ又はそれ以上の組合せどちらで使用されてもよい。
ビニルエーテル官能基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、及びトリエチレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。マレエート官能基を有するモノマーとしては、例えば、マレイン酸及びヒドロキシ官能性マレエートが挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する化合物の一部を、イソシアネート基に付加できる官能基を有する別のタイプの化合物で置き換えることが可能である。特に、被覆性組成物が1次被覆用に使用されるべき場合には、かかる化合物はγ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノトリメトキシシラン、等であってもよい。ガラスのような基体に対する密着性はこれら化合物を使用することによって改良できる。
(i)のヒドロキシ基と(ii)のイソシアネート基の間の反応には、ヒドロキシとイソシアネートの官能基間の化学量論的均衡をとって使用すること及び少なくとも25℃の反応温度を維持することが好ましい。ヒドロキシ官能基は実質的に使い尽くされるべきである。
ポリオールとジイソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの割合は好ましくは、ジイソシアネートの中に含まれているイソシアネート基およびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの中に含まれているヒドロキシル基が、ポリオールの中に含まれているヒドロキシル基の1当量に対して、それぞれ、1.1〜3当量(好ましくは、1.2〜3、最も好ましくは2〜1.5)および0.2〜1.5当量であるように設計される。ポリオール及びアクリレートの中のヒドロキシル基の当量がジイソシアネートの中のイソシアネート基の当量とほぼ等しいことが特に好ましい。
ジオール化合物とジイソシアネート化合物とエチレン性不飽和基含有化合物を反応させるとき、ウレタン化用の触媒、たとえば、銅ナフタレート、コバルトナフタレート、亜鉛テフタレート、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、又は2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを、全反応生成物100重量部に対して0.01〜1重量部の量で使用することが望ましい。10〜90℃、好ましくは30〜80℃、の範囲の反応温度が使用される。
このようにして製造された成分(A)であるウレタン(メタ)アクリレートは先に説明したように、組成物の全成分中に10〜90重量%の量で好ましく配合される。光ファイバーガラス等に適用されるときの適用性を維持するため及び硬化後の被覆材料の柔軟性と長期信頼性を維持するためには、ウレタン(メタ)アクリレートが20〜70重量%の量で添加されることが最も好ましい。
1次被覆用の好ましい組成物におけるポリウレタン(a)の割合は40〜95重量%、好ましくは45〜85重量%、の範囲にあるべきである。ポリウレタン(a)のこの割合が45重量%未満である場合には、組成物は被覆材料の柔軟性が低すぎることになるほどの高ヤング率を低温において有する硬化生成物を生じる;95重量%を越す場合は、ガラスファイバー上への塗布性が損なわれる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート2モルとジイソシアネート1モルを反応させることによって製造されたウレタン(メタ)アクリレートも、本発明の硬化性液状樹脂組成物に添加されてもよい。かかるウレタン(メタ)アクリレートの例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応生成物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応生成物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応生成物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートの反応生成物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応生成物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートの反応生成物、等が挙げられる。
本発明に従う組成物は少なくとも一つの反応性希釈剤(B)を含んでいてもよい。反応性希釈剤は被覆性組成物の粘度を調節するために使用できる。従って、反応性希釈剤は科学線に暴露されたときに重合可能な少なくとも一つの官能基を含有している低粘度モノマーであることができる。
反応性希釈剤は被覆性組成物の粘度が約1,000〜約10,000mPasの範囲にあるような量で好ましく添加される。反応性希釈剤の適切な量は約10重量%〜約90重量%、好ましくは約10重量%〜約80重量%であることが判明した。
反応性希釈剤は好ましくは、約550以下の分子量、又は約300mPa.s以下の室温における粘度(100%希釈剤として測定)を有する。
反応性希釈剤に存在する輻射線硬化性官能基は輻射線硬化性オリゴマー中に使用されているものと同じ本性のものであってもよい。好ましくは、反応性希釈剤中に存在する輻射線硬化性官能基は、輻射線硬化性オリゴマーに存在する輻射線硬化性官能基と共重合することが可能である。
好ましくは、反応性希釈剤系はアクリレート又はビニルエーテル官能基とC4〜C20アルキル又はポリエーテル成分とを有するモノマー(単数又は複数)を含んでいる。
1次被覆用には、その単独重合体が20℃以下のガラス転移温度を有するような(メタ)アクリレートを本発明の組成物中の成分(B)として用いることが好ましい。これらの例としてはp−クミルフェノールEO変性(1.2モル変性)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(2−アクリロイルエチル)フマレート、2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ノニルフェノールEO変性(8モル変性)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(1モル変性)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(4モル変性)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、ノニルフェノールPO変性(2.5モル変性)アクリレート、イソステアリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノールEO変性(2モル変性)アクリレート、フェノールEO変性(4モル変性)アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、イソオクチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、イソデシルアクリレート、イソ−ミリスチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、トリエチレンオキシドドデシルエーテルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、トリデシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、ジメチルアミノエチル メタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシル メタクリレート、イソデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、及び式4
(式中、R2は炭素原子5個のアルキレン基を表し、pは1〜3の整数である)
によって示される化合物が挙げられる。
成分(b)として使用できる商業的に入手可能な製品としてはARONIXM−101、M−102、M−111、M−113、M−114、M−117、TO−850、TO−851、TO−981、TO−1210、TO−1342(東亜合成製);KAYARAD TC110S、R629、R644(日本化薬製);VISCOAT 3700(大阪有機化学工業製)等が挙げられる。
本発明の組成物のこの態様で成分(B)として使用されるモノ官能性(メタ)アクリレートの割合は、3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲にあるべきである。成分(B)の割合が3重量%未満である場合には、硬化生成物の低温におけるヤング率が増加する傾向にあるので被覆材料の柔軟性が失われる;50重量%を越す場合には、ガラスファイバーに対する塗布性が低い。
上記化合物以外のモノ官能性ビニル重合性化合物が単独又は混合物で本発明の組成物中に成分Bとして使用できる。かかるビニル重合性化合物の例はビニル基含有ラクタム、例えば、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタム;脂環式構造を含有する(メタ)アクリレート、例えば、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニル(メタ)アクリレート;アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、等である。その他の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、セチルアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、及び2−ヒドロキシ−3−(4−tert−ブチルフェノキシ)プロピルアクリレートが挙げられる。
更に、多官能性ビニル重合性化合物も成分Bとして本発明の組成物中に使用できる。かかる多官能性ビニル重合性化合物の例としてはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAへのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加化合物であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAへのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加化合物であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加することによって得られたエポキシ(メタ)アクリレート、およびトリエチレングリコールジビニルエーテルが挙げられる。商業的に入手可能な製品の例としては、YUPIMER UV SA1002、SA2007(三菱化学製);VISCOAT 700(大阪有機化学工業製);KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(日本化薬製);及びARONIX M−210、M−215、M−315、M−325(東亜合成製)が挙げられる。これらのうちでも、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(UV SA1002)又はVISCOAT 700が好ましく使用される。
一般に、ビニル重合性化合物は硬化性液状樹脂組成物の全体量に対して15〜80重量%、特に20〜70重量%、の量で配合される。この量が15重量%未満である場合には、組成物の粘度は増加し、従って適用性が損なわれるばかりでなく、硬化生成物の靱性が減少し、かつ硬化収縮係数が増加する。他方、80重量%を越す量は硬化速度が低下するので望ましくない。
好ましくは、オリゴマー及び反応性希釈剤は各々、輻射線硬化性基としてアクリレート基を含有している。
本発明の主な特徴は組成物が上記式(1)によって表されるビスアシルホスフィンオキシドのタイプの光開始剤を少なくとも一つ含んでいることである。好ましい光開始剤はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと称することができる。この光開始剤は既知の方法によって合成されるか又はチバ‐ガイギーから単独の光開始剤(例えば、CGI 819)として又は少なくとも一つの他の光開始剤とのブレンド(例えば、CGI 1900)として得ることができる。
このタイプのビスアシルホスフィンオキシド化合物を製造する方法は既に開示されている。例えば米国特許第5,218,009号及び第5,534,559号は代表的な製造手法を開示しており、それらの全開示は本明細書中に完全に組み入れられる。式(1)の化合物が光開始剤のブレンドとして得られる場合、化合物は通常のタイプの光開始剤とブレンドされることができる。例えば、価格の考慮は光開始剤ブレンドを更に魅力的にするけれども、価格‐対‐性能比は考慮されなければならない。
本発明の式1の中のAr1、Ar2、又はAr3によって表される基には、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子のようなヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族基が包含される。好ましくは、R1〜R3は独立に、アルキルアリール、アルキルアリールオキシ、アルキルオキシアリールを表し、そして、好ましくは、R1〜R3の少なくとも一つはトリ置換フェニルである。適する芳香族基の例として、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、チオメトキシフェニル基、ナフチル基、チオフェニル基、及びピリジル基が挙げられる。
好ましくは、Ar1はフェニルを包含し、そしてAr2及びAr3はアルキルアリールオキシを包含する。
これらのうちでも、特に下記の化合物が光開始剤として好ましく使用される。詳しくは、これらの化合物には下記のものが包含される:
下記の式(5)によって表されるビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(以後、「BTBPO」と略す):
下記の式(6)によって表されるビス−(2,6−ジメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド:
下記の式(7)によって表されるビスベンゾイルフェニルホスフィンオキシド:
下記の式(8)によって表されるビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド:
及び、下記の式(9)によって表されるビスベンゾイル(2,4,6−トリメチル)フェニルホスフィンオキシド:
これらのうちでも、Ar1がフェニル基であり、そしてAr2及びAr3がそれぞれ2,4,6−トリメチルフェニル基であるときの式(5)によって表されるビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドが好ましい。
光開始剤は一般的には0.05重量%以上の、好ましくは0.1重量%より多い、より好ましくは2重量%より多いプレミックスチャー濃度で組成物中に含有される。一般的には、この量は硬化性液状樹脂組成物の硬化速度及び硬化生成物の耐久性を改良するためには約15重量%以下、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは5重量%以下であろう。量は適用に依存して変動するであろう。「有効量」を考慮する場合、組成物中の他の成分の本性、材料のタイプ(たとえば、内部又は外部1次被覆)、許容できる無黄変(non-yellowing)の程度、表面‐対‐全体の硬化の量などを含めて、幾つかの要因が考えられる。量は具体的適用のための性質の最適均衡を付与するように選択され、主な性質には、良好な硬化速度、無黄変特性、及び有害な結晶化の欠如が包含される。
式(1)によって表されるもの以外の化合物は本発明の硬化性液状樹脂組成物の中に光開始剤として共同して使用されてもよい。また、要求されるならば光増感剤が添加されてもよい。
共同して使用される光開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルテヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,6−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、及びIRGACURE 184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1850、CG24−61(チバ‐ガイギー)、LUCIRIN LR8728(BASF)、DAROCURE 1116、1173(メルク社)、UBECRYL P36(UCB社)、等が挙げられる。
重合中には空中酸素を排除することが好ましく、それはN2パージによって行われてもよいし、又は重合が開始すると重合体への溶解性を欠くために表面に移行しそして系に空気が入るのを防ぐ透明フィルムを形成するパラフィン又は類似ワックス様物質を添加することによって行われてもよい。空中酸素の禁止効果は促進剤(又は相乗剤)を光開始剤と組み合わせることによっても克服できるであろう。かかる促進剤又は光増感剤の例としては、第二アミン及び/又は第三アミン、たとえば、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、およびUBECRYL P102、103、104、105(UCB社)のような商業的に入手可能な製品が挙げられる。
硬化を促進するために、2−クロロメチル−ナフタレンや1−クロロ−2−クロロメチル−ナフタレンのような脂肪族及び芳香族ハライドや、遊離基を生成する化合物例えば過酸化物やアゾ化合物が使用されてもよい。
これら光開始剤は組成物中に0〜10%、好ましくは0〜40%の量で配合される。
輻射線硬化性組成物は無黄変、速い硬化速度、及び結晶質介在物の欠如を含めて所期の均衡のとれた性質に悪い影響を与える成分を含んでいるべきでない。例えば、市販のLUCIRIN TPOは結晶質介在物の原因になる度合まで使用すべきではない。LUCIRIN TPOの量は、好ましくは約0.5重量%未満、より好ましくは約0.1重量%未満、最も好ましくは約0.05重量%未満である。
上記化合物の他に、望むならば、他の硬化性オリゴマー、ポリマー、反応性希釈剤、及びその他添加剤が本発明の硬化性液状樹脂組成物に、組成物の特性に悪影響を与えない程度まで添加されてもよい。
かかる他の硬化性オリゴマーおよびポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シロキサンポリマー、及びアクリル酸とグリシジルメタクリレートと他のビニルモノマーの共重合体を反応させることによって得られた反応性ポリマーが挙げられる。
上記成分に加えて任意的に使用できる各種添加剤としては、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、均展剤、界面活性剤、保存剤、可塑剤、潤滑剤、溶剤、充填剤、老化防止剤、湿潤性改良剤、コーティング表面改良剤、顔料、染料、等が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、IRGANOX 1010、1035、1076、1222(チバ‐ガイギー製)、ANTIGENE P、3C、FR、GA−80(住友化学工業製)が挙げられ;UV吸収剤の例としてはTINUVINP、234、320、326、327、328、329、213(チバ‐ガイギー製)、SEESORB 102、103、501、202、712、704(シプロケミカル社(Sypro Chemical Co.,Ltd.)製)が挙げられ;光安定剤の例としては、TINUVIN 292、144、622LD(チバ‐ガイギー製)、SANOL LS770(サンヨー製)、SUMISORB TM−061(住友化学工業製)が挙げられ;そして、シランカップリング剤の例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、および、SH6062、6030(東レ‐ダウコーニング シリコーン製)、KBE903、603、403(信越化学工業製)が挙げられる。
本発明の硬化性液状樹脂組成物の粘度は通常200〜20,000cp/25℃の範囲、好ましくは1,500〜15,000cp/25℃、にある。
硬化後の組成物は、エレメンタル光ファイバーの2次被覆材料として又は光ファイバーリボンマトリックスのバンドリング材料として使用されたときは、10〜250kg/mm2のヤング率を有すべきである。エレメンタル光ファイバー用の1次被覆材料として使用されたときは、硬化生成物のヤング率は0.05〜0.3kg/mm2であることが好ましい。
本発明の組成物は熱及び/又は輻射線によって硬化される。ここでは、輻射線は赤外線、可視線及び/又は紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線、等を包含する。
好ましくは、輻射線硬化性組成物は通常の手段によって硬化できる。例えば、輻射線源は通常の光源、例えば、フュージョン システムズ社(Fusion Systems Corp.)から入手できるUV灯、であることができる。その他には、低圧、中圧及び高圧の水銀灯、スーパーアクチニック蛍光灯又はパルス灯が適する。本発明による組成物のUV硬化は好ましい。
例えば、本発明による組成物は、PTGL2000ポリエーテルポリオールとIPDI(イソホロンジイソシアネート)とHEA(ヒドロキシエチルアクリレート)から製造されたオリゴマー約60〜70重量%;エトキシル化ノニルフェノールアクリレートモノマー希釈剤約20〜30重量%;ラウリルアクリレートモノマー希釈剤約5〜10重量%;式(I)に従うビスアシルホスフィンオキシド光開始剤約2〜5重量%;Irganox 1035(ヒンダードフェノール抗酸化剤)0.3重量%;及びA−189(メルカプトプロピルトリメトキシシランカップリング剤)約1.0重量%を含んでいるものである。
リボン構成においては、個々のファイバーに容易に接近することを可能にするために被覆組成物は離型剤を含んでいてもよい。適する離型剤としては、シリコーン、シリコーンアクリレート、フルオロカーボン油または樹脂、等が挙げられる。かかる試薬が使用される場合には、光ファイバー被覆は好ましくは、0.5〜20重量%の適切な離型剤を含んでいる。
無黄変は本発明の硬化組成物の重要な特徴である。好ましくは、輻射線硬化性組成物は配合直後から実質的に無色である。しかしながら、若干の輻射線硬化性組成物は配合直後は若干の黄色を示すが、硬化すると光漂白する。測色は、例えば、ハインリック ゾーリンゲルのカラーケミストリー(Heinrich Zollinger’s Color Chemistry)(第2版、VCH(1991年))の第2.7章及びそこに引用されて資料の中に開示されており、それは本明細書中に組み入れられる。測色は、例えば、ビルメイヤーとザルツマン(Billmeyer & Saltzman)著のプリンシプルズ オブ カラー テクノロジー(Principles of Color Technology)第2版(ワイリー‐インターサイエンス(Wiley-Interscienace)(1981年))にも開示されている。無黄変挙動を測定するのには、例えば、デルタE値を用いる通常の方法を使用することができ、それは本明細書中に組み入れられる。
硬化速度は、例えば、当分野で知られている照射線量‐モジュラス曲線によって測定できる。硬化速度は実施例15に示されている通り最大モジュラスの95%を生じるのに必要な照射線量としてとらえることができる。硬化速度は組成物のタイプ(例えば、内部‐対‐外部の1次被覆)に依存して変動するであろう。本発明においては、式(1)の光開始剤を使用すると、Lucirin TPOの使用によって得られる硬化速度(それはIrgacaure 1700の使用によって得られるものより速い)に実質的に匹敵した硬化速度が得られた。
硬化組成物は結晶質介在物のような粒子状物質については光学顕微鏡的方法によって検査することができる。より厳密にするには、高分解分析が必要であるけれども、これら効果について検査するには通常の方法を使用できる。結晶化の効果について試験するには、硬化フィルムの例えば125℃における老化又は95℃/相対湿度95%における老化を実施することができる。相挙動もポラロイドカメラを用いて、反射光使用の示差干渉コントラスト鏡検法及びレイツ(Leitz)顕微鏡で検査できる。結晶化及び相挙動の効果を測定するには、例えば、200倍又は500倍の倍率を使用できる。
実施例
本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、実施例は本発明を制限することを意図してはいない。実施例においては、以後、「重量部」は簡単に「部」と記載される。
ウレタンアクリレート樹脂組成物例1
攪拌機を装着した反応器内に、18.2gの2,4−トリレンジイソシアネート、0.055gのジブチル錫ジラウレート、0.017gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、及び15.7gのトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを入れ、そして15℃未満に冷却した。次いで、攪拌しながらこの混合物に17.0gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを温度を30℃未満に維持するように適加した。添加終了後、得られた混合物を30℃で1時間反応させた。次いで、この反応混合物に、3.0gのトリシクロデカンジメタノール(三菱化学)、30.7gの数平均分子量2,000のテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの開環共重合体を加え、そして得られた混合物を20〜55℃で攪拌して反応させた。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったとき反応を停止して数平均分子量1,670のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に8.1gのN−ビニルピロリドン、6.9gのイソボルニルアクリレート、及び0.3gのIrganox 1035(チバ‐ガイギー)を加え、それに続いて温度を50〜60℃に制御しながら攪拌することを均質な透明な液体が得られるまで行った。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−1」と呼ぶ。ウレタンアクリレート樹脂組成物例2
撹拌機を装着した反応器内に、13.3gの2,4−トリレンジイソシアネート、0.04gのジブチル錫ジラウレート、0.012gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、及び17.9gのイソボルニルアクリレートを入れ、そして15℃未満に冷却した。次いで、攪拌しながらこの混合物に7.0gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを温度を30℃未満に維持するように適加した。添加終了後、得られた混合物を30℃で1時間反応させた。次いで、この反応混合物に10.0gのPLACCEL 205H(ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業製)、5.1gの数平均分子量400のビスフェノールAのポリエチレンオキシド付加ジオール、及び14.5gの数平均分子量1,000のテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの開環共重合体を加え、得られた混合物を50〜60℃で攪拌した。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったときに反応を停止して数平均分子量1,650のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に、15.9gのビニルカプロラクタム、8.0gのSA1002(多官能性反応性希釈剤、三菱化学製)及び0.3gのIRGANOX 1035(チバ‐ガイギー)を加え、それに続いて温度を50〜60℃に制御しながら攪拌することを均質な透明な液体が得られるまで行った。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−2」と呼ぶ。
ウレタンアクリレート樹脂組成物例3
撹拌機を装着した反応容器内に、15.9gのイソホロンジイソシアネート、0.046gのジブチル錫ジラウレート、0.014gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、及び12.4gのトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを入れ、そして15℃未満に冷却した。次いで、攪拌しながらこの混合物に11.0gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを温度を30℃未満に維持するように適加した。添加終了後、得られた混合物を30℃で1時間反応させた。次いで、この混合物に4.5gの数平均分子量400のビスフェノールAのポリエチレンオキシド付加ジオールを加え、そして反応させた。次いで、26.4gの数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコールを加え、そして得られた混合物を50〜60℃で反応させた。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったときに、反応を停止して数平均分子量1,960のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に、9.1gのN−ビニルピロリドン、7.8gのイソボルニルアクリレート、12.5gのVISCOAT700(多官能性反応性希釈剤、大阪有機化学工業製)、0.3gのIRGANOX1035(チバ‐ガイギー)、0.2gのTINUVIN 292(チバ‐ガイギー)、及び0.1gのジエチルアミン、及びSH190(東レ‐ダウコーニングシリコーン社)を加え、それに続いて温度を50〜60℃に制御しながら攪拌することを均質な透明な液体が得られるまで行った。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−3」と呼ぶ。
ウレタンアクリレート樹脂組成物例4
撹拌機を装着した反応器内に3.3gの2,4−トリレンジイソシアネート、51.0gの数平均分子量4,000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体、22.6gのARONIX M−113(東亜合成)、および、0.013gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを入れ、そして攪拌しながら氷で温度が10℃未満になるまで冷却した。温度が10℃未満になったとき、この混合物に0.045gのジブチル錫ジラウレートを加えた。得られた混合物を温度を20〜30℃に制御しながら2時間攪拌した。次いで、この混合物に0.3gのSH6062(東レ‐ダウコーニングシリコーン社)を加え、混合物を30〜40℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、得られた混合物に1.3gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加え、それに続いて50〜60℃で4時間攪拌した。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったときに、反応を停止して数平均分子量8,750のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に3.0gのN−ビニルピロリドン、10.1gのARONIXM−114(モノ官能性反応性希釈剤、東亜合成製)、7.1gのラウリルアクリレート、0.8gのIRGANOX 1035(チバ‐ガイギー)、0.3gのSEESORB 103(シプロケミカル社)、及び0.1gのジエチルアミンを加え、それに続いて40〜50℃で攪拌を行って均質な透明な液体を得た。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−4」と呼ぶ。
ウレタンアクリレート樹脂組成物例5
撹拌機を装着した反応器内に6.7gの2,4−トリレンジイソシアネート、0.049gのジブチル錫ジラウレート、0.051gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、0.005gのフェノチアジン、および、16.5gのARONIX M−113を入れ、そして15℃未満に冷却した。次いで、攪拌しながらこの混合物に、3.0gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを、温度を30℃未満に維持するように適加した。添加終了後、得られた混合物を30℃で1時間攪拌した。次いで、この反応混合物に、51.0gの、数平均分子量2,000のテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの開環共重合体を加え、そして得られた混合物を20〜55℃で攪拌して反応させた。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったときに、反応を停止して数平均分子量4,700のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に、11.0gのイソボルニルアクリレート、4.9gのビニルカプロラクタム、5.7gのラウリルアクリレート、及び0.2gのIRGANOX 1035を加え、それに続いて温度を40〜50℃に制御しながら攪拌することを均質な透明液体が得られるまで行った。次いで、この溶液を温度を30〜40℃に制御しながら更に攪拌し、そして0.1gのジエチルアミンを加え、次いで30分間攪拌した。その後で、0.8gのSH6062を加え、そしてこの混合物を40〜50℃で均質になるまで攪拌し、それによって樹脂溶液を得た。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−5」と呼ぶ。
ウレタンアクリレート樹脂組成物例6
撹拌機を装着した反応器に8.2gのイソホロンジイソシアネート、49.0gの数平均分子量2,000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体、25.4gのARONIX M−113、及び0.015gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを入れ、そして攪拌しながら氷で温度が10℃未満になるまで冷却した。この混合物に0049gのジブチル錫ジラウレートを加えた。得られた混合物を温度を20〜30℃に制御しながら2時間攪拌した。その後で、0.60gのSH6062を加え、それに続いて30〜40℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物に3.0gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加え、その混合物を50〜60℃で4時間攪拌した。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったときに、反応を停止して数平均分子量3,870のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に3.0gのN−ビニルカプロラクタム、9.6gのARONIX M−102(モノ官能性反応性希釈剤、東亜合成製)、1.0gのIRGANOX 1035、及び0.1gのジエチルアミンを加え、それに続いて40〜50℃で攪拌して均質な透明樹脂液体を得た。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−6」と呼ぶ。
ウレタンアクリレート樹脂組成物例7
撹拌機を装着した反応器に、4.6gの2,4−トリレンジイソシアネート、0.041gのジブチル錫ジラウレート、0.021gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、0.004gのフェノチアジン、および、26.4gのARONIX M113を加え、そして15℃未満に冷却した。次いで、攪拌しながらこの混合物に2.0gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを温度を30℃未満に維持するように適加した。添加終了後、得られた混合物を30℃で1時間反応させた。次いで、この反応混合物に26.5gの数平均分子量3,000のポリプロピレングリコールを加え、そして得られた混合物を20〜55℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物に17.6gの数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコールを加え、そして得られた混合物を50〜60℃で攪拌して反応させた。残留イソシアネートの量が0.1重量%になったときに、反応を停止して数平均分子量5,750のウレタンアクリレート重合体の反応溶液を得た。この反応溶液に7.0gのビニルカプロラクタム、15.0gのラウリルアルリレート、及び0.3gのIRGANOX 1035を加え、それに続いて温度を40〜50℃に制御しながら均質透明液体が得られる迄30分間攪拌した。次いで、この透明液体を温度を30〜40℃に制御しながら更に攪拌した。この透明液体に0.15gのジエチルアミンを加え、それに続いて40〜50℃で30分間攪拌して均質にすることによって、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液は以後、「液体樹脂UA−7」と呼ぶ。
実施例1〜7と比較例A〜G
撹拌機を装着した反応器の中に、表1に列挙された組成物の成分を入れ、そして温度を50〜60℃に制御しながら3時間攪拌して本発明の組成物(実施例1〜7)と比較組成物(比較例A〜G)を得た。
表1中の、BTBPOはビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドを表し、上記式(5)によって示される構造をもつ。
IRGACURE 184は下記の式(10)によって示される構造を有する光開始剤である。
LUCIRINは下記の式(11)によって示される構造を有する光開始剤である。
IRGACURE 907は下記の式(12)によって示される構造を有する光開始剤である。
BBTPOはビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドを表し、それは下記の式(13)によって示される構造を有する。
IRGACURE 184、LUCIRIN、IRGACURE 907、及びBBTPOは式(1)によって表される光開始剤の中には包含されない。
試験例
上記例において製造された液状硬化性樹脂組成物を下記の方法によって硬化して試験標本を製造し、それを下記の方法によって評価した。結果は表2に示されている。
1.試験標本の製造
液状の硬化性樹脂組成物を、250ミクロン用塗布バーを使用して、ガラス板に適用して、そして大気中で照射線量1J/cm2のUV線を照射した。ガラス板上に残った硬化フィルムに耐熱試験を受けさせた。
硬化速度を評価する試験では、窒素流のもとで、照射線量10mJ/cm2又は100mJ/cm2のUV線を照射して硬化フィルムを得た。
2.耐熱試験及び色変化の測定
試験標本を恒温槽内で120℃に7日間加熱した。試験標本を耐熱試験の前後に色差計(カラーアナライザーTC−1800N、東京電色製)にかけて、ΔEとYIの値を測定して色変化を測定した。
3.硬化速度の測定
UV硬化樹脂をソックスレー抽出器でメチルエチルセトンによって抽出し、残留物を真空下で乾燥し、そして残留した紫外線硬化樹脂の重量(ゲル含量)を測定することによって、硬化速度を評価した。100mJ/cm2の輻射線のもとで硬化されたフィルムのゲル含量と、10mJ/cm2の輻射線のもとで硬化されたフィルムのゲル含量との比を算出した。
4.溶解度の測定
表1に掲載された組成物の全成分を反応器内に入れ、そして50〜60℃で3時間攪拌した。均質な透明溶液が得られた場合は「合格」と決定し、そして溶解されない固体成分が残った場合は「不合格」と判定した。
表2に示されているように、式(1)によって表される光開始剤を使用する樹脂組成物から製造される硬化生成物は高い硬化速度を有しており、かつ高い温度の条件下及び光照射の条件下どちらにおいても色が僅かしか変化せず、優れた耐久性を示す。また、溶解度が優れているので組成物を3時間攪拌すれば均質溶液を製造できる。
ウレタンアクリレート(8)の合成
撹拌機を装着した反応器に、109.8gの2,4−トリレンジイソシアネート、841.4gの数平均分子量2,000のテトラヒドロフランの開環重合体(PTMG2000、三菱化学製)、200gのラウリルアクリレート(LA、大阪有機化学工業製)、及び0.3gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを加え、そしてこの混合物を攪拌しながら氷によって10℃以下に冷却した。液体温度が10℃未満になったら、0.9gのジブチル錫ジラウレートを加え、そしてこの混合物を30〜40℃で1時間攪拌した。次いで、48.8gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加え、そしてこの混合物を50〜60℃で更に1時間攪拌した。残留イソシアネートの量が0.1重量%以下になったとき、反応を停止し、こうして数平均分子量4,754のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。このウレタンアクリレートをウレタンアクリレート(8)と呼ぶ。この樹脂液体は1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(8)と200gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるラウリルアクリレートの混合物である。
ウレタンアクリレート(9)の合成
数平均分子量2,000のテトラヒドロフランの開環重合体の代わりに、数平均分子量2,000のテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの開環共重合体(PTGL2000、保土谷化学工業製)を使用したこと以外は、ウレタンアクリレート(1)の合成と同じ反応を実施して、ウレタンアクリレートとラウリルアクリレート(モノ官能性アクリレートとして使用)の反応生成物である数平均分子量4,754のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。この樹脂液体は、1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(9)と、200gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるラウリルアクリレートの混合物である。
ウレタンアクリレート(10)の合成
撹拌機を装着した反応容器内に、136gのイソホロンジイソシアネート、815.3gの数平均分子量2,000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体(PBG 2000A、第一工業製薬製)、200gのフェノールEO変性(2モル)アクリレート(M−101、東亜合成製のモノ官能性アクリレート)、及び0.3gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを仕込み、そしてこの混合物を攪拌しながら氷によって10℃以下に冷却した。それから、0.9gのジブチル錫ジラウレートを加え、そしてこの混合物を20〜30℃で2時間攪拌した。次いで、4gのγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(SH6062、東レ‐ダウコーニングシリコーン製のシランカップリング剤)を加え、そしてこの混合物を30〜40℃で1時間攪拌し、それに続いて44.9gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加えた。この混合物を残留イソシアネートの量が0.1重量%以下になったことが確認されるまで50〜60℃でさらに4時間攪拌し、こうして数平均分子量4,906のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。このウレタンアクリレートをウレタンアクリレート(10)と呼ぶ。この樹脂液体は、1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(10)と、200gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるフェノールEO変性(2モル)アクリレートの混合物である。
ウレタンアクリレート(11)の合成
攪拌機を備えた反応器に136gのイソホロンジイソシアネート、816.7gの数平均分子量2,000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体、200gのフェノールEO変性(8モル)アクリレート(M−114、東亜合成製のモノ官能性アクリレート)、及び0.3gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを加え、そしてこの混合物を攪拌しながら氷によって10℃以下に冷却した。次いで、0.9gのジブチル錫ジラウレートを加え、そしてこの混合物を20〜30℃で2時間攪拌した。次いで、47.4gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加え、そしてこの混合物を残留イソシアネートの量が0.1重量%以下になったことが確認されるまで50〜60℃で更に4時間攪拌し、こうして数平均分子量4,898のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。このウレタンアクリレートをウレタンアクリレート(11)と呼ぶ。この樹脂液体は1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(11)と200gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるノニルフェノールEO変性(8モル)アクリレートの混合物である。
ウレタンアクリレート(12)の合成
攪拌機を装着した反応容器内に、96.5gのイソホロンジイソシアネート、869.8gの数平均分子量3,000のプロピレンオキシド開環共重合体、100gのモノ官能性アクリレートであるラウリルアクリレート、及び0.3gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを加え、そしてこの混合物を攪拌しながら氷によって10℃以下に冷却した。次いで、0.9gのジブチル錫ジラウレートを加え、この混合物を20〜30℃で2時間攪拌した。次いで、33.6gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加え、そしてこの混合物を残留イソシアネートの量が0.1重量%以下になったことが確認されるまで50〜60℃で更に4時間攪拌し、こうして数平均分子量6,898のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。このウレタンアクリレートをウレタンアクリレート(12)と呼ぶ。この樹脂液体は1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(12)と100gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるラウリルアクリレートの混合物である。
ウレタンアクリレート(13)の合成
攪拌機を装着した反応器に56.2gの2,4−トリレンジイソシアネート、922.4gの数平均分子量4,000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体(PBG2000B、第一工業製薬製)、200gのノニルフェノールEO変性(4モル)アクリレート(ARONIX M−113、東亜合成製のモノ官能性アクリレート)、及び0.3gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを加え、そしてこの混合物を攪拌しながら氷によって10℃以下に冷却した。次いで、0.9gのジブチル錫ジラウレートを加え、そしてこの混合物を20〜30℃で2時間攪拌した。次いで、21.4gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを加え、そしてこの混合物を残留イソシアネートの量が0.1重量%以下になったことが確認されるまで50〜60℃で更に4時間攪拌し、こうして数平均分子量10,841のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。
このウレタンアクリレートをウレタンアクリレート(13)と呼ぶ。この樹脂液体は1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(13)と200gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるノニルフェノールEO変性(4モル)アクリレートの混合物である。
ウレタンアクリレート(14)の合成
撹拌機を装着した反応器に90.7gの2,4−トリレンジイソシアネート、0.9gのジブチル錫ジラウレート、0.3gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、及び200gのモノ官能性アクリレートであるラウリルアルコールを加え、そしてこの混合物を攪拌しながら15℃以下に冷却した。次いで、攪拌しながら温度を30℃以下に制御しながら、40.3gの2−ヒドロキシエチルアクリレートを滴加し、それに続いて、30℃で更に1時間攪拌した。次いで、521.4gの数平均分子量3,000のポリプロピレングリコールを加え、そしてこの混合物を20〜55℃で1時間攪拌し、それに続いて、347.6gの数平均分子量2,000のテトラヒドロフランの開環重合体であるポリテトラメチレングリコールを加えた。この混合物を残留イソシアネートの量が0.1重量%以下になったことが確認されるまで50〜60℃で反応させ、こうして数平均分子量5,754のウレタンアクリレートポリマー液体を得た。このウレタンアクリレートをウレタンアクリレート(14)と呼ぶ。この樹脂液体は1,000gの成分(a)であるウレタンアクリレート(14)と200gの成分(b)のモノ官能性モノマーであるラウリルアクリレートの混合物である。
実施例8〜14及び比較例H〜K
液状の硬化性樹脂組成物の製造
攪拌機を装着した反応器内に、表3及び4に示されている成分を仕込んだ。この混合物を温度を40〜50℃に制御しながら3時間攪拌して液状の硬化性樹脂組成物を製造した。(実施例8〜14及び比較例H〜K)
表3及び表4の中の、数字は成分の量(g)を表し;ノニルフェノールEO変性(8モル)アクリレートは東亜合成製のARONIX M114であり;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートは、キョ−エイシャ ケミカル社製のエポキシエステルM600Aであり;カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレートは日本化薬製のTC−110Sであり;1,6−ヘキサンジオールジアクリレートは大阪有機化学工業製のVISCOAT#230であり;ポリエチレングリコールジアクリレートは、キョ−エイシャ ケミカル社製のLIGHT ESTER 14EG−Aであり;酸化防止剤はチバ‐ガイギー製のIRGANOX 1035であり;光開始剤は実施例1〜7及びA〜Gで使用したのと同じである。
試験例
上記実施例及び比較例において製造した液状の硬化性樹脂組成物を実施例1〜7のために記載した方法によって硬化させて試験標本を製造した。これら試験標本を実施例1〜7のために記載した試験方法に従って、及び更には下記の試験方法に従って評価した。結果は表5に示されている。
5.ガラスに対する接着強度の安定性の評価
液状の硬化性樹脂組成物を100μm厚さのアプリケーターバーを使用してガラスプレートに適用して幅1cmの塗膜をつくった。このフィルムを空気中で照射線量100mJ/cm2のUV光で照射することによって硬化させた。ガラスに対する接着強度は硬化フィルムを90°の角度で引っ張ったときの1cm幅のフィルムを剥離するための力として測定された。この試験は硬化直後の試験標本と、80℃及びRH95%に30日間放置した試験標本を使用して実施された。80℃及び95%RHの条件下に30日間放置した後に、接着強度が50%以上変化した組成物は許容されないと判断され、そして接着強度の変化が50%未満であった組成物は許容されると判断された。
6.多重被覆の同時除去能力
外径125μmのガラスファイバーに、実施例または比較例で得た組成物を軟質被覆として、そしてDESOLITE R3110(日本合成ゴム製のUV硬化性ポリウレタンアクリレート樹脂)を2次被覆材料として塗布して、2次外径250mmの被覆光ファイバーを製造した。こうした製造した光ファイバー4本をDESOLITE R3059(日本合成ゴム製のUV硬化性ポリウレタンアクリレート樹脂)を使用して束ねて厚さ320μmの光ファイバーリボンを製造した。この光ファイバー4芯のリボンから被覆材料を、ホットストリッパーを使用して1操作で除去した。被覆材料を除去された各ガラスファイバーを肉眼で観察した。表面に被覆材料の認識できる残留物を有する光ファイバーは許容されないとみなされた。
試験の結果は表5に示されている。
表5から明らかなように、本発明の硬化性樹脂組成物は高い硬化速度を示し、そしてその組成物から製造された硬化生成物は高い温度の条件下で最小の色変化と優れた耐久性を示す。加えて、ガラスに対する硬化フィルムの密着安定性が優れていたにもかかわらず、被覆材料は光ファイバーから容易に除去できる。更には、本発明の樹脂組成物を製造するために使用された各成分は優れた溶解性を示し、そしてこれら成分の混合物は3時間の攪拌で均質溶液を生じる。
実施例15及び比較例L〜R
表6にまとめられている通りのプレミックスチャー成分から輻射線硬化性組成物を製造した。オリゴマーとモノマー希釈剤をマスターバッチとして混合した。マスターバッチを8個の試料に分割し、そして各試料に、光開始剤および安定剤(IRGACURE 1035)を加えた。試料をへらで混合しそして炉(88℃)内に30分間入れた。それから、試料を20分間シェークし、そしてシランカップリング剤(A−189)を加え、そして手動で混合した。輻射線硬化性組成物を色及び明澄度について比較した(硬化前)。粘度及び硬化速度の測定も行った。
UV硬化は膜厚3ミルを使用して、窒素雰囲気下でFusion Dランプによって1.0J/cm2で行った。
光開始剤は通例の供給元から得られた。DEAPはジエトキシアセトフェノンである。KIP100Fはオリゴマー性のDarocure 1173である。Esacaure KTO46はサルトマー(Sartomer)から得られたもので、アルキル化ベンゾフェノン(27重量%)、KIP100F(27重量%)、及びLucirin TPO(46重量%)を含んでいると信じられている。
更に下記に説明する結果は驚くべきことには、通例の光開始剤は式(1)によって表される光開始剤によって提供される性質を与えないということを示している。
硬化フィルムは光学顕微鏡検査と無黄変老化試験によって評価された。実験Rの組成物(IRGACURE 1700を含んでいる)及び実施例15からの組成物(CGI 1900を含んでいる)だけが粒状物質を示さなかった。
しかしながら、追加の無黄変試験は本発明による組成物(実施例15、CGI1900を含んでいる)だけが必要な均衡のとれた性質を示したことを明らかにした。CGI 1900は式(1)のビスアシルホスフィンオキシド(25重量%)とIrgacure 184(75重量%)の混合物を含んでいる。
色変化の比較
実験T及び実施例15についての色変化の測定は硬化試料に対する通常の方法によって行った。硬化フィルムのデルタEは通常の方法によって測定した。無黄変効果を評価するには目視検査も使用した。
黄変測定は約2×2インチ平方のフィルム試料で行った。測色データはマクベスシリーズ1500測色システム(モデル2020)から得た。
図1に示されているように、蛍光灯の光に6時間曝したときに、式(1)の光開始剤を含んでいた硬化組成物試料I(表6の実施例15)は光開始剤IRG−1700を含んでいた組成物試料II(表6の比較実験R)よりも実質的に少ない黄変を示した。
発明の効果
上記実験から明らかであるように、本発明の液状の硬化性樹脂組成物は硬化速度が高く、硬化製品の耐久性が優れており、且つ光照射によって起こる着色が低減されるというような特徴を有する材料を提供する。本発明の液状の硬化性組成物が木材、プラスチックシート、光ファイバー、等のための被覆材料として使用される場合には、その硬化能力のせいで生産性が増加し、かつ被覆された材料の耐久性の改良が期待される。
この組成物は光ファイバー好ましくはガラスファイバーの上に塗布される材料として使用するのに特に適している、何故ならば、それは長期にわたってガラスファイバーに対して安定な密着性を示し、それでいて、材料の上に被覆された組成物がその材料から一操作で容易に除去できるからである。
Claims (12)
- 輻射線硬化性オリゴマーが700〜10,000の数平均分子量を有する、請求項1の組成物。
- オリゴマー中の輻射線硬化性基が(メタ)アクリレート基又はビニルエーテル基である、請求項1又は2の組成物。
- 輻射線硬化性モノマー希釈剤が550以下の分子量、又は室温で300mPa.s以下の粘度を有する、請求項1〜3のいずれか1項の組成物。
- 輻射線硬化性モノマー希釈剤がアクリレート、ビニルエーテル、N−ビニル又はアクリルアミド官能基を有する、請求項1〜4のいずれか1項の組成物。
- Ar1、Ar2及びAr3によって表される基が独立に、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、チオメトキシフェニル基、ナフチル基、チオフェニル基、及びピリジル基からなる群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項の組成物。
- 光開始剤がビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである、請求項6の組成物。
- 組成物が式1の光開始剤以外の少なくとも一つの光開始剤を含んでいる請求項1〜7のいずれか1項の組成物。
- (a)炭素原子2〜10個とエチレン性不飽和基を有する少なくとも一つのオキシアルキレン基を含んでいるポリオキシアルキレン構造を含有するポリウレタン40〜95重量%、(b)その単独重合体が20℃以下のガラス転移温度を有するところのモノ官能性(メタ)アクリレート3〜50重量%、および(c)式(1)
(式中、Ar1〜Ar3は独立に、置換又は非置換芳香族基を表す)
の化学構造を有する化合物である光開始剤0.05〜10重量%を含んでいる、光ファイバー被覆用輻射線硬化性液状組成物の硬化生成物であり、硬化後、80℃及び95%RHの条件下に30日間放置した後、接着強度の変化が50%未満である、光ガラスファイバー用内部1次被覆材料。 - 請求項1〜8のいずれか1項の組成物の硬化生成物である、光ガラスファイバー用内部1次被覆材料。
- 請求項9の被覆材料によって被覆された光ガラスファイバー。
- 被覆層の少なくとも一つが請求項10の硬化された被覆材料であるところの少なくとも一つの被覆層によって保護された光ガラスファイバーを含んでいる光伝送デバイス。
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