JP4300912B2 - 記録媒体搬送装置及び画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体搬送装置及び画像記録装置に関し、詳しくは、記録媒体の厚さ、種類によって搬送ローラの駆動パルス数を変更する必要がなく、駆動モータの分解能以下の搬送を可能としたことにより高精度の搬送量制御ができる記録媒体搬送装置及び画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像記録装置において記録紙を搬送する手段として記録媒体搬送装置が用いられている。この記録媒体搬送装置は、駆動モータに連結された搬送ローラと、該搬送ローラに対して記録紙を押圧しつつ回転する押圧ローラとにより記録紙を狭持しつつ搬送している。
【0003】
このような記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。この記録媒体搬送装置は、記録媒体の搬送方向に沿って配置された第1のローラ対から第2のローラ対へ記録媒体を搬送する際に、第1のローラ対を記録媒体が抜けるまで該記録媒体の後端残り量を検出して、第2のローラ対の搬送量を電気的に変化させている。また、この記録媒体搬送装置では、第2のローラ対が記録媒体の先端をくわえた時に第1のローラ対の搬送量を変化させたり、第1のローラ対と第2のローラ対により協働して搬送している場合とそうでない場合とで搬送量を変化させたりしている。
【0004】
しかし、かかる記録媒体搬送装置は、記録媒体の搬送量の調節が駆動モータを電気的に制御することによって行っているため、その精度は駆動モータの分解能に制約され、駆動モータの分解能以下の高精度の制御を行うことができなかった。搬送量を高精度に制御することは、画像記録装置において高品質の画像を得る上では特に重要なことである。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−148958号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、記録媒体の厚さ、種類によって搬送ローラの駆動パルス数を変更する必要がなく、駆動モータの分解能以下の搬送を可能とすることにより高精度の搬送量制御ができる記録媒体搬送装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の課題は、記録手段の上流に設けられたローラ対と下流に設けられたローラ対とで一定した搬送量を高精度に保つことができ、高画質な記録ができる画像記録装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録媒体に画像記録を行う記録手段と、前記記録媒体の搬送方向において前記記録手段よりも上流側に配置され、前記記録手段に前記記録媒体を搬送する上流側の搬送ローラ対と、前記記録媒体の搬送方向において前記記録手段よりも下流側に配置され、表面が弾性体からなる駆動ローラ、および該駆動ローラに対向配置され該駆動ローラに対して押圧力を作用させる押圧ローラを有し、前記記録手段によって画像記録された前記記録媒体を前記駆動ローラと前記押圧ローラに挟持させて搬送する下流側の搬送ローラ対と、前記押圧ローラの押圧力を調整する押圧力調整手段と、前記押圧力調整手段を制御することにより前記押圧ローラの押圧力を調整して前記記録媒体の搬送量を変化させる搬送量制御手段と、搬送方向における前記記録媒体の後端が前記上流側の搬送ローラ対を抜けたことを検知する検知手段とを備え、前記上流側の搬送ローラ対の搬送量が前記下流側の搬送ローラ対の搬送量よりも低く設定された画像記録装置であり、前記搬送量制御手段は、前記上流側の搬送ローラ対と前記下流側の搬送ローラ対によって搬送されていた前記記録媒体の後端が前記上流側の搬送ローラ対を抜けたことを前記検知手段が検知したときに、前記押圧力調整手段が前記押圧ローラの押圧力を低下させることにより、前記下流側の搬送ローラ対の搬送量を前記設定された搬送量より少なくするように制御することを特徴とする画像記録装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記上流側の搬送ローラ対と前記下流側の搬送ローラ対を回転させる駆動手段と、前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、前記記録媒体の搬送を行う前に、前記駆動手段を制御することにより予め前記下流側の搬送ローラ対の駆動ローラを回転させることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
図1、図2は、本発明に係る記録媒体搬送装置の概略構成図、図3は、その主要部の制御ブロック図である。
【0015】
図中、1は駆動ローラ、2は該駆動ローラ1に対向配置された押圧ローラであり、これら駆動ローラ1及び押圧ローラ2によって、その間で記録媒体Pを挟持して搬送するための搬送ローラ対が構成される。
【0016】
駆動ローラ1は、ここでは少なくともその表面が弾性体からなり、例えば、少なくともその表面が、EPDMゴム、ウレタンゴム、NBRゴム、シリコンゴム等からなるゴムローラが用いられる。
【0017】
駆動ローラ1の回転軸11は、駆動手段を構成する駆動モータ3(図3参照)と連結しており、該駆動モータ3の駆動によって図示しない駆動力伝達機構を介して回転する。ここでは駆動モータ3として、駆動パルス数によって回転角度が規定され、記録媒体Pを間欠的に搬送するようにするステッピングモータが用いられている。
【0018】
押圧ローラ2は、駆動ローラ1に対して押圧力を作用させることにより、該駆動ローラ1との間で記録媒体Pを挟持し、駆動ローラ1の回転によって記録媒体Pを、図中のA方向に搬送すると同時に、記録媒体Pの移動に従動して回転する。この押圧ローラ2の材質としては、POM、PC等の樹脂やSUS、アルミ、鉄等の金属を用いることができる。
【0019】
この押圧ローラ2には、駆動ローラ1に対する押圧力を変化させる押圧力調整手段4が設けられている。ここで、押圧ローラ2は、押圧ローラ2の回転軸21と平行な支点軸41を中心にして回動可能な支持部材42の一端に軸支されており、支点軸41を挟んで押圧ローラ2と反対端には、付勢ばね43の一端が取付けられている。ここでは、付勢ばね43は引っ張りばねにより構成されており、その他端は固定部5に固定されている。従って、この付勢ばね43の付勢力によって、押圧ローラ2は搬送ローラ1に対して押圧する方向に付勢される。この実施形態では、付勢ばね43の付勢力によって押圧ローラ2の最大押圧力が設定される。
【0020】
支持部材42の上方には、軸44を中心にして回動可能に設けられた偏芯カム45が配置されており、カムモータ46(図3参照)によって回動するようになっている。図1に示す状態は、偏芯カム45のカム面が支持部材42に接しておらず、支持部材42は付勢ばね43の付勢力によって、記録媒体Pを駆動ローラ1に対して付勢ばね43による最大押圧力で押圧している。
【0021】
この状態から軸44を中心にして偏芯カム45を回動させると、偏芯カム45のカム面は、支持部材42における支点軸41よりも付勢ばね43側の操作端部42aに当接し、更に偏芯カム45の回動に伴い、付勢ばね43の付勢力に抗して、支持部材43の操作端部42a側を支点軸41を中心にして図示下方に回転させる。これにより押圧ローラ2は駆動ローラ1から離反する方向に移動され、記録媒体Pに対する押圧力が弱められる。
【0022】
図2に示す状態は、偏芯カム45によって支持部材42の操作端部42aが最も下方向に押圧されることにより、記録媒体Pに対する押圧力が最も弱められた状態を示しており、偏芯カム45の回動角度を変化させることにより、図1に示す状態と図2に示す状態との間で押圧ローラ2の押圧力が調整される。
【0023】
本発明において、このように押圧力調整手段4によって押圧ローラ2の押圧力を調整することにより、駆動ローラ1と押圧ローラ2との間で挟持されつつ搬送される記録媒体Pの搬送量を変化させる。
【0024】
ここで、押圧力調整手段4によって押圧ローラ2の押圧力を調整することにより記録媒体Pの搬送量が変化する作用について、図4、図5を用いて説明する。
【0025】
一般に、押圧ローラの押圧力を大きくすると、駆動ローラの見かけ上の径が小さくなることから、駆動ローラと押圧ローラとの間で挟持されつつ搬送される記録媒体の搬送量は小さくなると予想されるが、本発明者が鋭意検討した結果、反対に記録媒体の搬送量は大きくなることが見出された。
【0026】
図4に、押圧ローラの押圧力を変化させた場合の記録媒体の搬送量(送り量)の変化を示す。縦軸は送り量(mm)、横軸は送り回数(回)である。同図から判るように、押圧ローラの押圧力が大きくなる程、記録媒体の送り量は大きくなる。この原因について本発明者が更に検討したところ、これは、押圧ローラの押圧力を変化させることによって、駆動ローラと押圧ローラとの間に挟持される記録媒体が駆動ローラの外周面と接触している部分の長さ(周長)が変化し、これによって記録媒体の搬送量に変化が生じるためであることが判った。
【0027】
すなわち、図5(a)に示すように、駆動ローラ1に対して押圧ローラ2を比較的小さい押圧力をもって押圧すると、駆動ローラ1の表面の弾性体は潰れて撓むが、その撓み量は少なく、これら駆動ローラ1と押圧ローラ2との間で挟持される記録媒体Pが駆動ローラ1の外周面と接触している部分の周長L1は比較的短くなる。これに対して、図5(b)に示すように、駆動ローラ1に対して押圧ローラ2を比較的大きい押圧力をもって押圧すると、駆動ローラ1の表面の弾性体の潰れによる撓み量は多くなり、これら駆動ローラ1と押圧ローラ2との間で挟持される記録媒体Pが駆動ローラ1の外周面と接触している周長L2は比較的長くなる。この記録媒体Pが駆動ローラ1の外周面と接触している周長が長くなる程、記録媒体Pの搬送量は大きくなる。
【0028】
従って、この押圧ローラ2の押圧力を押圧力調整手段4によって調整することにより、記録媒体Pの搬送量を調整できることが判る。
【0029】
図3に示すように、駆動ローラ1を回転させる駆動モータ3及び偏芯カム45を回動させるカムモータ46は、制御部6からの指令によって制御される。従って、この制御部6は、カムモータ46を回転制御して押圧力調整手段4を制御することにより押圧ローラ2の押圧力を調整して記録媒体Pの搬送量を変化させる搬送量制御手段を構成すると同時に、駆動モータ3を含む駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を構成している。
【0030】
このような記録媒体搬送装置によれば、制御部6によってカムモータ46を回転制御し、押圧力調整手段4を制御することで、押圧ローラ2の押圧力を変化させ、駆動ローラ1との間で挟持されつつ搬送される記録媒体Pの搬送量を調整することができるため、例えば記録媒体Pの厚み、媒体種等によって記録媒体Pの搬送量が微妙に異なるようなことがあっても、駆動モータ3の駆動パルス数を変更する必要なく、駆動モータ3の分解能以下の微小な搬送量の調整が可能である。
【0031】
なお、制御部6によって押圧力調整手段4をどのように作動させるかは、種々の態様が可能であるが、例えば以下の態様が採用可能である。
【0032】
a)装置(例えばインクジェット記録装置)使用者が表示部の操作パネルで記録媒体Pの材質等の種類又は厚みを選択し、制御部6において、その選択された種類又は厚みに適した押圧力に調整変更するべく押圧力調整手段4を作動させる態様。
【0033】
b)搬送される記録媒体Pの種類や厚みを電気的抵抗値から自動的に判別し、制御部6において、その判別された種類又は厚みに適した押圧力に変更するべく押圧力調整手段4を作動させる態様。
【0034】
c)装置の製造段階で、搬送される記録媒体Pの材質等の種類又は厚みに適した押圧力で実現される様、予め設定しておく態様。
【0035】
上記a)、b)の場合は、記録媒体Pの材質等の種類又は厚み、電気的抵抗値等のデータに対応する好ましい押圧力のデータを、ルックアップテーブル等の形態で制御部6に設けておくことが好ましい。
【0036】
押圧ローラ2は、駆動ローラ1と略同じ長さとされた1本のローラにより構成されるものに限らず、図6に示すように、1本の駆動ローラ1に対向配置される押圧ローラ2が、その軸方向(図示左右方向)に沿って複数に分割されていることも好ましい。図6は、記録媒体搬送装置を記録媒体Pの搬送方向に沿う方向から見た図である。
【0037】
ここでは4つの小押圧ローラ2a〜2dに分割された例を示しているが、その分割数は限定されず、搬送される記録媒体Pの大きさに応じて適宜設定される。
【0038】
また、各小押圧ローラ2a〜2dの軸方向長さは、全て同一とするものに限らず、それぞれ異ならせたり、一部の小押圧ローラのみを異ならせたりするようにしてもよい。
【0039】
分割された各小押圧ローラ2a〜2dには、駆動ローラ1との間で挟持される記録媒体Pに対する押圧力を調整するための上述した押圧力調整手段4(4a〜4d)がそれぞれに設けられている。これにより各小押圧ローラ2a〜2dは、それぞれ押圧力a、押圧力b、押圧力c、押圧力dで、共通の駆動ローラ1との間で記録媒体Pを押圧するように構成される。
【0040】
かかる記録媒体搬送装置では、各小押圧ローラ2a〜2dに設けられた各押圧力調整手段4a〜4dによって、各押圧ローラ2a〜2d毎に押圧力を変化させることにより、記録媒体Pの搬送量を駆動ローラ1の軸方向で調整させることができる。
【0041】
このような記録媒体搬送装置によれば、駆動ローラ1に軸方向のローラ径の誤差等が存在することによって、駆動ローラ1の軸方向で搬送量が異なっていることにより、記録媒体Pの搬送曲がりやたるみが発生しても、各小押圧ローラ2a〜2dの押圧力a〜dを独自に調整することによって、駆動ローラ1の軸方向で押圧力を変化させることで、記録媒体Pの搬送量を駆動ローラ1の軸方向で均一化させることができ、搬送曲がりやたるみの問題を解消することができる。
【0042】
例えば、小押圧ローラ2aの部位において記録媒体Pの搬送量が他の部位よりも小さいことにより、記録媒体Pの搬送曲がりが生じた場合、この小押圧ローラ2aの押圧力aを他の小押圧ローラ2b〜2dの押圧力b〜dよりも大きくすることで、当該部位の記録媒体Pが駆動ローラ1と接触している部分の周長を長くさせる。これによって小押圧ローラ2aの部位における駆動ローラ1の搬送量が大きくなるように調整され、記録媒体Pの搬送量を駆動ローラ1の軸方向で均一化させることができる。
【0043】
また、これとは逆に、小押圧ローラ2b〜2cの押圧力b〜dを小押圧ローラ2aの押圧力aよりも小さくすることで、当該部位の記録媒体Pが駆動ローラ1と接触している部分の周長を短くするようにしてもよい。これによって小押圧ローラ2b〜2dの部位における駆動ローラ1の搬送量は小さくなるように調整され、記録媒体Pの搬送量を駆動ローラ1の軸方向で均一化させることができる。
【0044】
このような記録媒体搬送装置によれば、駆動ローラ1の軸方向で記録媒体Pの搬送量をきめ細かに調整することができるため、特に幅広の記録媒体Pを搬送する装置、例えば幅広の記録媒体を用いて画像記録するいわゆるLarge Format Printerに対して有効である。
【0045】
かかる記録媒体搬送装置において、制御部6は、駆動ローラ1及び押圧ローラ2によって記録媒体Pの搬送を行う前に、駆動モータ3を駆動制御することにより、予め駆動ローラ1を回転させることが好ましい。
【0046】
駆動ローラ1を構成する弾性体は、押圧ローラ2による押圧力が同じであっても、経時的に変形量が異なってくるため、記録媒体Pを搬送する前の駆動ローラ1が停止している間に押圧ローラ2が駆動ローラ1を押圧している時間と、駆動ローラ1が間欠的に回転して記録媒体Pを搬送している間に押圧ローラ2が駆動ローラ1を押圧している時間との差によって、駆動ローラ1の弾性体の変形量が異なることにより、記録媒体Pの先端が駆動ローラ1と押圧ローラ2との間に挟持された直後の搬送量と、それ以降の搬送量との間に差が生じる場合があるが、記録媒体Pの搬送を行う前に予め駆動ローラ1を回転させることで、記録媒体Pを搬送する前の駆動ローラ1の弾性体の変形量を、記録媒体Pを搬送中の変形量と同等にすることができる。
【0047】
従って、記録媒体Pを送り始めた直後の搬送量とそれ以降の搬送量との差をなくすことができ、記録媒体Pの搬送量を常に一定として安定した搬送を行うことができる。
【0048】
図7は、以上説明した記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置の一例を示す概略構成図、図8は、その搬送系の制御ブロック図である。ここでは、画像記録装置としてインクジェットプリンタを例示している。
【0049】
図中、7は記録媒体Pの記録面(図示上面)に対して画像記録を行う記録手段としての記録ヘッドであり、図示しない移動手段によって図紙面に対して垂直方向に沿って往復移動可能に設けられている。記録ヘッド7の上記記録媒体Pの記録面に対向する下面には多数のノズル(図示せず)が設けられており、これらノズルから所定のタイミングでインクを吐出することにより、上記往復移動と協働して記録媒体Pの記録面に所望のインクジェット画像を記録する。
【0050】
8はプラテンであり、記録媒体Pを挟んで記録ヘッド7と対向配置されており、画像記録位置にある記録媒体Pの記録面裏面を吸引吸着して支持することで、記録面の平滑性を維持する。
【0051】
この記録ヘッド7を間に挟んで、記録媒体Pの搬送方向(図中のA方向)の上流側及び下流側にそれぞれ搬送ローラ対が配置されている。
【0052】
図示右側に配置される下流側の搬送ローラ対100は、上述の記録媒体搬送装置により構成されており、上述の駆動ローラ1及び押圧ローラ2からなり、その押圧ローラ2には上述の押圧力調整手段4が設けられている。
【0053】
これら駆動ローラ1及び押圧力調整手段4は、制御部300からの制御指令によって駆動モータ3及びカムモータ46が駆動されることにより制御される。
【0054】
また、図示左側に配置される上流側の搬送ローラ対200は、駆動ローラ201と、この駆動ローラ201に対向配置され、該駆動ローラ201に対して一定の押圧力を作用させる押圧ローラ202とからなる。駆動ローラ201は、下流側の搬送ローラ対100の駆動ローラ1を回転させる駆動モータ3から、図示しない駆動力伝達機構を介して駆動力が伝達されるように構成されており、この駆動モータ3の駆動によって駆動ローラ3と共に駆動ローラ201も共に回転するように構成されている。
【0055】
ところで、このように記録ヘッドを挟んでその搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ搬送ローラ対を配置した画像記録装置では、記録ヘッドによって画像記録される記録媒体の記録面の平滑性を維持するため、一般に、上流側の搬送ローラ対に対して下流側の搬送ローラ対による搬送量を若干大きく設定することで、両搬送ローラ対間の記録媒体を適度に緊張させる対策が採られている。このためには、各搬送ローラ対をそれぞれ別個の駆動モータを用い、各駆動パルス数を変更するようにしたり、共通の駆動モータを使用する場合には、駆動ローラの径をそれぞれ異ならせたりする等の方法が採られているが、これらの方法によって各搬送ローラ対の搬送量を微細に調整することは困難である。
【0056】
しかし、この画像記録装置によれば、搬送方向下流側の搬送ローラ対100を上述した記録媒体搬送装置により構成したことで、その押圧ローラ2の押圧力を押圧力調整手段4によって微小に変化させることができるため、それぞれ別個の駆動モータを用いる場合でも、駆動モータの駆動パルス数を変更する必要なく、駆動モータの分解能以下での微小な搬送量の調整も可能となり、また、共通の駆動モータを用いる場合でも、容易に搬送量の微調整を行うことが可能となる。
【0057】
また、記録媒体Pの厚み、媒体種等が変更されることによって記録媒体Pの搬送量が微妙に異なるようなことがあっても、押圧ローラ2の押圧力を調整することにより微小に搬送量を調整して、適正な搬送量を維持することが可能である。
【0058】
図7において、9は記録媒体Pの後端を検知するための検知手段としての後端検知センサである。この後端検知センサ9は、記録媒体Pの後端の通過を検出可能であればどのような構造のセンサを用いてもよく、ここでは反射型の光学式センサにより構成されている。
【0059】
後端検知センサ9は、記録媒体Pが予め所定サイズに裁断されたシート状の記録媒体である場合に、その記録媒体Pの後端が搬送方向上流側の搬送ローラ対200のニップ間を通過して抜けたことを検知するべく、上記搬送ローラ200の近傍位置に配置されている。
【0060】
ここで、この後端検知センサ9の検知信号は、制御部300に入力され、制御部300では、この検知信号により記録媒体Pの後端が上流側の搬送ローラ対200を抜け出たことを検知することができる。
【0061】
搬送ローラ対100、200の間では、上述したように記録媒体Pを適度に緊張させる目的で搬送方向下流側の搬送ローラ対100の搬送量の方が若干大きく設定されることから、記録媒体Pが上流側の搬送ローラ対200を抜け出た後は、搬送量の大きい下流側の搬送ローラ対100のみで搬送されることとなり、上流側の搬送ローラ対200を抜け出た瞬間に、記録媒体Pの搬送量が変化してしまう。このような記録媒体Pの搬送量の変化は、記録ヘッド7によって記録される画像品質の著しい低下をもたらす原因となるが、この画像記録装置では、後端検知センサ9の検知信号が制御部300に入力された瞬間に、すなわち、記録媒体Pの後端が上流側の搬送ローラ対200を抜けた瞬間に、制御部300がカムモータ46を駆動制御して押圧ローラ2の押圧力を若干小さくすることにより、下流側の搬送ローラ対100による記録媒体Pの搬送量が小さくなるように制御し、記録媒体Pの搬送量が一定となるように維持することができる。
【0062】
これにより、記録媒体Pの後端の位置に関わらず、記録ヘッド7による画像記録時の記録媒体Pの搬送量を常に一定とすることができ、スジむら等の発生のない高画質の画像記録を行うことが可能となる。
【0063】
この画像記録装置において、搬送方向下流側の搬送ローラ対100の押圧ローラ2は、図6に示したように、各々個別に押圧力の調整を可能とした軸方向に亘って複数に分割された小押圧ローラ2a〜2dとすることにより、記録媒体Pの幅方向に亘る搬送量をそれぞれ微調整可能とすれば、記録媒体Pの直進性を高め、搬送曲がり等による記録媒体Pの弛みを防止することができ、記録ヘッド7との接触事故等の発生を未然に防止することができる。
【0064】
また、この画像記録装置においても、制御部300は、搬送方向下流側の搬送ローラ対100によって記録媒体Pの搬送を行う前に、駆動モータ3を駆動制御することにより、予め駆動ローラ1を回転させることが好ましい。
【0065】
これにより、上述したように、記録媒体Pを送り始めた直後の搬送量とそれ以降の搬送量との差をなくすことができ、記録媒体Pの搬送量を常に一定として安定した搬送を行うことができるため、記録ヘッド7によりスジむら等の発生のない高画質の画像記録を行うことが可能となる。
【0066】
以上説明した画像記録装置では、記録媒体Pの搬送方向下流側の搬送ローラ対100を上述した記録媒体搬送装置によって構成した例を示したが、上流側の搬送ローラ対200にも上述した記録媒体搬送装置を適用し、各搬送ローラ対100、200の双方で各押圧ローラ2、202の押圧力を調整、記録媒体Pの搬送量を調整するようにしてもよい。
【0067】
また、本発明に係る記録媒体搬送装置が適用される画像記録装置は、インクジェットプリンタに限らず、記録媒体を搬送ローラと押圧ローラとの間で挟持することにより搬送するように構成される画像記録装置全てに適用することができる。このような記録装置としては、インクジェットプリンタのほかに、レーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等が挙げられる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、記録媒体の厚さ、種類によって搬送ローラの駆動パルス数を変更する必要がなく、駆動モータの分解能以下の搬送を行うことができ、高精度の搬送量制御を実現できる記録媒体搬送装置を提供することができる。
【0069】
また、本発明によれば、記録手段の上流に設けられたローラ対と下流に設けられたローラ対とで一定した搬送量を高精度に保つことができ、高画質な記録を行うことのできる画像記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録媒体搬送装置の概略構成図
【図2】本発明に係る記録媒体搬送装置の概略構成図
【図3】本発明に係る記録媒体搬送装置の主要部の制御ブロック図
【図4】押圧力と送り量との関係を示すグラフ
【図5】(a)(b)は押圧力と周長との関係を説明する図
【図6】小押圧ロールに分割された押圧ロールを備えた記録媒体搬送装置を示す図
【図7】本発明に係る記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置を示す概略構成図
【図8】本発明に係る記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置の搬送系の制御ブロック図
【符号の説明】
1:駆動ローラ
11:回転軸
2:押圧ローラ
21:回転軸
2a〜2d:小押圧ローラ
3:駆動モータ
4、4a〜4d:押圧力調整手段
41:支点軸
42:支持部材
42a:操作端部
43:付勢ばね
44:軸
45:偏芯カム
46:カムモータ
5:固定部
6:制御部
7:記録ヘッド
8:プラテン
9:後端検知センサ
100:搬送ローラ対
200:搬送ローラ対
201:駆動ローラ
202:押圧ローラ
300:制御部
P:記録媒体
Claims (2)
- 記録媒体に画像記録を行う記録手段と、
前記記録媒体の搬送方向において前記記録手段よりも上流側に配置され、前記記録手段に前記記録媒体を搬送する上流側の搬送ローラ対と、
前記記録媒体の搬送方向において前記記録手段よりも下流側に配置され、表面が弾性体からなる駆動ローラ、および該駆動ローラに対向配置され該駆動ローラに対して押圧力を作用させる押圧ローラを有し、前記記録手段によって画像記録された前記記録媒体を前記駆動ローラと前記押圧ローラに挟持させて搬送する下流側の搬送ローラ対と、
前記押圧ローラの押圧力を調整する押圧力調整手段と、
前記押圧力調整手段を制御することにより前記押圧ローラの押圧力を調整して前記記録媒体の搬送量を変化させる搬送量制御手段と、
搬送方向における前記記録媒体の後端が前記上流側の搬送ローラ対を抜けたことを検知する検知手段とを備え、
前記上流側の搬送ローラ対の搬送量が前記下流側の搬送ローラ対の搬送量よりも低く設定された画像記録装置であり、
前記搬送量制御手段は、前記上流側の搬送ローラ対と前記下流側の搬送ローラ対によって搬送されていた前記記録媒体の後端が前記上流側の搬送ローラ対を抜けたことを前記検知手段が検知したときに、前記押圧力調整手段が前記押圧ローラの押圧力を低下させることにより、前記下流側の搬送ローラ対の搬送量を前記設定された搬送量より少なくするように制御することを特徴とする画像記録装置。 - 前記上流側の搬送ローラ対と前記下流側の搬送ローラ対を回転させる駆動手段と、
前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記記録媒体の搬送を行う前に、前記駆動手段を制御することにより予め前記下流側の搬送ローラ対の駆動ローラを回転させることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
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