JP4296342B2 - リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法,並びにリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法,並びにリチウム二次電池 Download PDFInfo
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Description
【技術分野】
本発明は,リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法,並びにリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,層状構造のLiMnO2は,その理論放電容量が286Ah/gでありスピネル構造のLiMn2O4と比較して大きいため,リチウム二次電池の有効な正極活物質となりうると考えられていた。
上記層状構造のLiMnO2としては,斜方晶系のジグザグ層状構造(Pmmn)や,LiCoO2及びLiNiO2と同じ結晶構造である層状岩塩構造のものが知られている。
【0003】
これらうち,上記ジグザグ層状構造のLiMnO2は,例えばLiOHとMn2O3をLi/Mn1/1.05の原子比で混合したものを真空中で600〜800℃で12時間焼成して得ることができる(特許文献1参照)。ところが,このジグザグ層状構造のLiMnO2は,容量200mAh/gでの充放電サイクル維持率が30サイクル程度と短いため,リチウム二次電池の正極活物質としては,その実用化が困難であった。
【0004】
一方,上記層状岩塩構造のLiMnO2は,上記のように良好なリチウム二次電池用正極活物質となり得ると考えられていたが,その合成が困難であるという問題があった。近年になってようやく,例えば下記の3つの方法により,上記層状岩塩構造のうち,特にO3型層状構造のLiMnO2の合成が可能になった。
【0005】
第一の方法としては,マンガン源としてMnO2,Mn2O3,MnOOH,MnCO3等の無機塩或いは,酢酸マンガン,酪酸マンガン,蓚酸マンガン,クエン酸マンガン等の有機酸塩を,リチウム源としてLiOH,LiNO3,Li2CO3等を用い,水あるいはアルコール等の有機溶媒を用いて,100〜300℃の飽和蒸気圧下で合成する方法がある(特許文献2参照)。
【0006】
また,第二の方法としては,KMnO4を出発原料とし,イオン交換反応を経て,LiMnO4を調整し,これを硝酸酸性雰囲気下で160℃,3.5日水熱処理を行い,次いで脱水する方法がある(非特許文献1参照)。
また,第三の方法としては,MnO2とNaOHとをアルゴン雰囲気中で700℃で反応させて得られたNaMnO2を,非水溶媒中でLiClにてイオン交換して合成する方法がある(非特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−37027号公報
【特許文献2】
特開平10−3921号公報
【非特許文献1】
“Journal of The Electrochemical Society”,米国,1997,144,p.L64−L67
【非特許文献2】
“Nature”,英国,1996,381,p.499−500
【0008】
【解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら,上記特許文献2に示す方法によって合成されたLiMnO2を正極活物質として用いた二次電池においては,その理論放電容量が286mAh/gであるのに対して,僅か80mAh/gという非常に低い放電容量しか得ることができないという問題があった。
【0010】
また,上記非特許文献1に示す方法は,多段反応であり,各工程での溶液の調整に精度が要求されるという製法上の欠点に加え,合成されたLiMnO2を正極活物質として用いた二次電池は,10サイクル後に初期容量の50%以下の放電容量しか得られず,充放電サイクル特性が極めて劣悪であった。
【0011】
また,上記非特許文献2に示す方法においては,前駆体であるNaMnO2の合成が必要となると共に,非水系でのイオン交換反応が要求されるため,コスト増加につながる。さらに,合成されたLiMnO2を正極活物質として用いた二次電池は,270mAh/gという比較的高い放電容量を示すものの,充放電サイクル特性は劣悪であり,僅か10サイクルで初期容量の50%以下に低減してしまう等の問題があった。
【0012】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,放電容量が高く,かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法,並びに該正極活物質を含有するリチウム二次電池を提供しようとするものである。
【0013】
【課題の解決手段】
第1の発明は,組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなり,
上記リチウム−マンガン複合酸化物は,鱗片状の粒子よりなり,
上記鱗片状の粒子は,厚みが0.05〜5μmであり,かつ,厚み方向に対して略垂直な面の最大径が0.2〜5μmであることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質にある(請求項1)。
また,第2の発明は,組成式Li 1-x MnO 2+y (0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなり,
上記リチウム−マンガン複合酸化物は,表面に複数の突起状部を有する略球状の粒子よりなることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質にある(請求項2)。
【0014】
上記第1の発明及び第2の発明のリチウム二次電池用正極活物質は,組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなる。
このO2型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物は,充放電時の結晶構造の変化がほとんどない。そのため,上記リチウム二次電池用正極活物質は,放電容量が高く,充放電サイクル特性に優れたものとなる。
【0015】
以下,上記O2型層状構造につき,図1を用いて説明する。
なお,図1,及び後述する図8においては,結晶内で同一面上にある3つの酸素原子を線で結び,該3つの酸素原子が存在する面を模様を付して表した。即ち,同一の模様が付された面は,同一の面又は互いに平行な面を示すものである。
【0016】
図1は,本発明のリチウム二次電池用正極活物質における,上記リチウム−マンガン複合酸化物の結晶構造を示すものである。
同図より知られるごとく,上記リチウム−マンガン複合酸化物は,その基本結晶構造が六方晶であり,リチウム原子,マンガン原子,及び酸素原子が規則的に配列している。そして,各原子は,それぞれリチウム層,マンガン層,酸素層を形成しており,リチウム層とマンガン層は,酸素によって隔てられている。
【0017】
図1に示すごとく,上記リチウム−マンガン複合酸化物は,その結晶内における酸素のパッキングがABCBAB・・・であり,所謂O2型層状構造を有している。このO2型層状構造は,非常に安定であり,充放電を繰り返しても結晶内の構造変化がほとんどない。したがって,このO2型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなる上記リチウム二次電池用正極活物質は,充放電を繰り返し行っても,リチウム−マンガン複合酸化物が有する高い放電容量を長い間維持することができ,充放電サイクル特性に優れたものとなる。
【0018】
一方,図8に示すごとく,上記従来の正極活物質としてのリチウム−マンガン複合酸化物の結晶構造においては,その酸素のパッキングは,ABCABC・・・である。即ち,その重なりはスピネル型と同じであり,結晶構造は所謂O3型層状構造となっている。
【0019】
このO3型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物に充放電を行うと,リチウムがマンガン層へ混入,またはマンガンがリチウム層へ混入してしまう。その結果,上記O3型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物は,より安定なスピネル構造に転移してしまう。そして,この安定なスピネル構造への転移が,放電容量の極端な減少を引き起こすと考えられる。
【0020】
このように,上記第1の発明及び第2の発明によれば,放電容量が高く,かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用正極活物質を提供することができる。
【0021】
第3の発明は,組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって,
P2型層状構造を有するナトリウム−マンガン複合酸化物を,塩化リチウムを含む溶液中でイオン交換して,ナトリウムをリチウムに置き換えると共にO2型層状構造に変えるイオン交換工程を有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法にある(請求項4)。
【0022】
上記第3の発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法は,上記イオン交換工程を有する。そして,このイオン交換工程によって,ナトリウム−マンガン複合酸化物中のナトリウムと塩化リチウム中のリチウムとが交換され,リチウム−マンガン複合酸化物が生成する。さらにこのとき,その結晶構造は,P2型層状構造からO2型層状構造に変化する。
【0023】
このようにして,組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を簡単に合成することができる。そして,このリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなるリチウム二次電池用正極活物質は,上記第一の発明と同様のものであり,放電容量が高く,かつ充放電サイクル特性に優れたものとなる。
【0024】
第4の発明は,上記第1の発明及び上記第2の発明のリチウム二次電池用正極活物質を正極に含有してなることを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項9)。
【0025】
上記第4の発明のリチウム二次電池は,上記第1の発明(請求項1)及び上記第2の発明(請求項2)のリチウム二次電池用正極活物質を正極に含有してなる。
そのため,上記リチウム二次電池は,上記第1の発明及び上記第2の発明のリチウム二次電池用正極活物質が有する優れた特徴を生かして,放電容量が高く,サイクル特性に優れたものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,上記リチウム−マンガン複合酸化物は,鱗片状の粒子よりなることが好ましい。
この場合には,上記リチウム二次電池用正極活物質の初期放電容量を大きくすることができる。
【0027】
また,上記鱗片状の粒子は,厚みが0.05〜5μmであり,かつ,厚み方向に対して略垂直な面の最大径が0.2〜5μmであることが好ましい。
【0028】
上記鱗片状の粒子の厚み,及びその厚み方向に対して略垂直な面の最大径は,例えば走査型電子顕微鏡等により,上記鱗片状の粒子を画像化して測定することができる。上記鱗片状の粒子の厚みは,例えば上記鱗片状の粒子における略扁平な面に挟まれる部分の幅をいう。また,上記最大径は,例えば上記鱗片状の粒子を,その厚み方向と略垂直な面で切断したときの断面形状の外縁における2点間の最大距離をいう。
【0029】
上記鱗片状の粒子の厚み及び最大径が上記の範囲を外れる場合には,上記正極活物質を用いてリチウム二次電池の正極を作製することが困難になるおそれがある。
【0030】
また,上記第2の発明(請求項2)において,上記リチウム−マンガン複合酸化物は,表面に複数の突起状部を有する略球状の粒子よりなることが好ましい。
この場合には,上記リチウム二次電池用正極活物質は,その放電電流密度に対する放電容量の変化率が小さく,安定性にすぐれたものなる。
【0031】
また,上記上記突起状部を有する略球状の粒子は,直径が1〜5μmであることが好ましい(請求項3)。
上記突起状部を有する略球状の粒子の直径は,例えば走査型電子顕微鏡等により,上記粒子を画像化して測定することができる。ここで,上記粒子の直径は,上記突起状部を含めた,略球状の粒子全体の直径である。
上記粒子の直径が上記の範囲を外れる場合には,上記正極活物質を用いてリチウム二次電池の正極を作製することが困難になるおそれがある。
【0032】
次に,上記第3の発明(請求項4)においては,上記P2型層状構造を有するナトリウム−マンガン複合酸化物を塩化リチウムを含む溶液中でイオン交換する。
ここで,上記P2構造を有するナトリウム−マンガン複合酸化物の結晶構造の様子を図2に示す。
図2に示すごとく,上記ナトリウム−マンガン複合酸化物においては,その基本結晶構造が六方晶であり,ナトリウム原子,マンガン原子,及び酸素原子が規則的に配列している。そして,結晶内で,各原子は,それぞれナトリウム層,マンガン層,酸素層を形成しており,リチウム層とマンガン層は,酸素によって隔てられている。
【0033】
図2に示すごとく,この結晶構造における酸素のパッキングは,ABBAAB・・・であり,その結晶構造は,所謂P2型層状構造となっている。
なお,図2においては,結晶内で同一面上にある3つの酸素原子を線で結び,該3つの酸素原子が存在する面を模様を付して表した。即ち,同一の模様が付された面は,同一の面又は互いに平行な面を示すものである。
【0034】
また,上記第3の発明においては,上記イオン交換工程の前に,KMnO4を含む第一溶液を加熱してO3型層状構造のカリウム−マンガン複合酸化物を生成する第一水熱工程と,
上記第一水熱工程によって得られたカリウム−マンガン複合酸化物と水酸化ナトリウムとを含む第二溶液を加熱し,上記P2型層状構造のナトリウム−マンガン複合酸化物を生成する第二水熱工程とを行うことが好ましい(請求項5)。
【0035】
この場合には,上記第一水熱工程及び第二水熱工程により,上記イオン交換工程に用いる上記P2型層状構造のナトリウムーマンガン複合酸化物を容易に作製することができる。
さらに,この場合には,上記の一連の工程によって得られる上記リチウム−マンガン複合酸化物は,表面に複数の突起状部を有する略球状の粒子よりなる。そして,この場合には,上記のごとく,上記リチウム二次電池用正極活物質は,その放電電流密度に対する放電容量の変化率が小さく,安定性にすぐれたものなる。
また,上記第一溶液及び上記第二溶液に用いる溶媒としては,例えば,水,グリコール類,又はこれらの混合物等がある。
【0036】
また,上記第一水熱工程においては,上記第一溶液にさらにKOHを添加することが好ましい(請求項6)。
この場合には,上記の一連の工程によって得られるリチウム−マンガン複合酸化物の粒子の形状を鱗片状にすることができる。そして,この場合には,上記のごとく,上記リチウム二次電池用正極活物質の初期放電容量を大きくすることができる。
【0037】
また,上記第一水熱工程及び上記第二水熱工程における加熱は,略飽和水蒸気圧下で温度120℃〜250℃にておこなうことが好ましい(請求項7)。
【0038】
温度120℃未満の場合には,反応が充分に進行せず,未反応物が残存するおそれがある。一方,温度250を越える場合には,生成物には差異が認められないが,飽和水蒸気圧が40kg/cm3を越え,特別な圧力容器を必要とするため,工業的に不適である。
【0039】
また,上記イオン交換工程は,アルコール類,非水系有機溶媒,又は水溶液中で,反応温度50℃〜150℃にておこなうことが好ましい(請求項8)。
この場合には,反応温度がマイルドであるため,形態を保持したままイオン交換ができるという効果を得ることができる。
反応温度が50℃未満の場合には,イオン交換が充分に進行せず,所望のリチウム−マンガン複合酸化物が得られないおそれがある。一方,150℃を越える場合には,Li2MnO3等の別のLi化合物へ変化するおそれがある。
【0040】
次に,上記第4の発明(請求項9)において,上記リチウム二次電池は,上記第1の発明及び第2の発明のリチウム二次電池用正極活物質を正極に含有してなるリチウム二次電池でる。
上記第1の発明及び上記第2の発明のリチウム二次電池用正極活物質は,上記リチウム−マンガン複合酸化物の組成により種々のものが存在する。第4の発明のリチウム二次電池においては,それら1種類を正極に用いるものであってもよく,また2種以上を混合して用いるものであってもよい。さらに,第1の発明及び第2の発明のリチウム二次電池用正極活物質と公知の正極活物質とを混合したものを用いることもできる。
【0041】
上記リチウム二次電池は,例えばリチウムを吸蔵・放出する正極及び負極と,この正極と負極との間に狭装されるセパレータと,正極と負極との間でリチウムを移動させる非水電解液などを主要構成要素として構成することができる。
【0042】
正極は,例えば上記リチウム二次電池用正極活物質に導電時及び結着剤を混合し,適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを,アルミニウム,ステンレスなどの金属箔性の集電体の表面に塗布乾燥し,必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
導電材は,正極の電気伝導性を確保するためのものであり,例えばカーボンブラック,アセチレンブラック,黒鉛等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
【0043】
結着剤は,活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり,例えばポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,フッ素ゴム等の含フッ素樹脂,或いはポリプロピレン,ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
これら活物質,導電材,結着剤を分散させる溶剤としては,例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0044】
負極は,例えば負極活物質である金属リチウムをシート状にして形成するか,あるいはシート状にしたものをニッケル,ステンレス等の集電体網に圧着して形成することができる。負極活物質としては,金属リチウムの代わりに,リチウム合金又はLi4Ti5O12等のリチウム化合物等を用いることができる。
【0045】
また,負極のもう一つの形態としては,例えば負極活物質にリチウムイオンを吸蔵・脱離できる炭素物質を用いて負極を構成させることもできる。使用できる炭素物質としては,例えば天然或いは人造の黒鉛,メソカーボンマイクロビーンズ(MCMB),フェノール樹脂等の有機化合物焼成体,コークス等の粉状体等が挙げられる。
【0046】
この場合には,例えば上記負極活物質に結着剤を混合し,適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を,銅等の金属箔集電体の表面に塗布,乾燥し,その後にプレスにて形成することができる。炭素物質を負極活物質とした場合には,正極同様,負極結着剤としてはポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を,溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0047】
正極及び負極に狭装させるセパレータは,正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり,例えばポリエチレン,ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
【0048】
非水電解液としては,例えば電解質としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解させたものを用いることができる。この場合には,リチウム塩は有機溶媒に溶解することによって解離し,リチウムイオンとなって電解液中に存在する。使用できるリチウム塩としては,例えばLiBF4,LiPF6,LiClO4,LiCF3SO3,LiAsF6,LiN(CF3SO2)2,LiN(C2F5SO2)2等が挙げられる。これらのリチウム塩は,それぞれ単独でもよく,又はこれらのうちから2種以上を併用することもできる。
【0049】
リチウム塩を溶解させる有機溶媒としては,非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては,例えば環状カーボネート,鎖状カーボネート,環状エステル,環状エーテル,鎖状エーテル等から選ばれる1種又は2種以上からなる混合溶媒を用いることができる。
【0050】
ここで,上記環状カーボネートとしては,例えばエチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネート等がある。上記鎖状カーボネートとしては,例えばジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート等がある。上位環状エステルカーボネートとしては,例えばガンマブチロラクトン,ガンマバレロラクトン等がある。上記環状エーテルとしては,例えばテトラヒドロフラン,2−メチルテトラヒドロフラン等がある。上記鎖状エーテルとしては,例えばジメトキシエタン,エチレングリコールジメチルエーテル等がある。上記有機溶媒としては,これらのもののうちいずれか1種を単独で用いることもできるし,2種以上を混合させて用いることもできる。
【0051】
また,上記セパレータ及び非水電解液という構成の代わりに,ポリエチレンオシド等の高分子量ポリマーとLiClO4やLiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を使用した高分子固体電解質を用いることもできる。また,上記非水電解液をポリアクリロニトリル等の固体高分子マトリクスにトラップさせたゲル電解質を用いることもできる。
【0052】
【実施例】
(実施例1)
次に,本発明の実施例につき,図1〜図5を用いて説明する。
本例では,本発明の実施例としてのリチウム二次電池用正極活物質及び該リチウム二次電池用正極活物質を正極に含有してなるリチウム二次電池を作製する。
【0053】
本例のリチウム二次電池用正極活物質は,組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつ図1に示すごとくO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなる。
【0054】
また,本例のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法は,図2に示すP2型層状構造を有するナトリウム−マンガン複合酸化物を,塩化リチウムを含む溶液中でイオン交換するイオン交換工程を有する。
また,本例では,上記イオン交換工程の前に,KMnO4を含む第一溶液を加熱してO3型層状構造のカリウム−マンガン複合酸化物を生成する第一水熱工程と,上記第一水熱工程によって得られたカリウム−マンガン複合酸化物と水酸化ナトリウムとを含む第二溶液を加熱し,上記P2型層状構造のナトリウム−マンガン複合酸化物を生成する第二水熱工程とを行う。
【0055】
以下,本例のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法につき詳細に説明する。
まず,KMnO4(1.2g)とKOH(28.1g)とを混合し,蒸留水25gを加えてスラリーを作製する。このスラリーをテフロン(登録商標)で内張されたオートクレーブ内で,飽和水蒸気下,温度200℃で1日間反応させた(第一水熱工程)。その後,容器内の沈殿物を濾過,水洗し,K0.4MnO2・0.5H2Oを得た。
【0056】
このK0.4MnO2・0.5H2O(0.6g)とNaOH(20g)と水(25g)とを再びテフロン(登録商標)で内張されたオートクレーブ内で,飽和水蒸気下,温度200℃で一日間反応させた(第二水熱工程)。その後,容器内の沈殿物を濾過,水洗し,Na0.75MnO2.6(ナトリウム−マンガン複合酸化物)を得た。
【0057】
ここで,このナトリウム−マンガン複合酸化物の結晶構造をX線回折装置により調べた。その結果,その結晶構造はP2型層状構造であった。図2に示すごとく,P2型層状構造においては,Na原子,Mn原子,酸素原子が規則的に配列し,それぞれリチウム層,マンガン層,酸素層を形成している。そして,ナトリウム層とマンガン層は,酸素によって隔てられており,結晶内における,酸素のパッキングは,ABBAAB・・・となっている。
【0058】
次に,このNa0.75MnO2.61gを1MLiClのエタノール溶液に分散させ,80℃で一日間反応させた(イオン交換工程)。その後,容器内の沈殿物を濾過し,エタノールで洗浄し,Li0.6MnO2.2(リチウム−マンガン複合酸化物)よりなるリチウム二次電池用正極活物質を得た。これを試料E1とする。
【0059】
続いて,上記試料E1の形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果を図3に示す。
SEM観察によれば,試料E1のリチウム−マンガン複合酸化物は,鱗片状の粒子よりなり,その厚みは0.05μm程度であり,かつ,厚み方向に対して略垂直な面の最大径は1μm程度であった。
【0060】
次に,試料E1のX線回折パターンを調べた。その結果を図4に示す。
X線回折測定によれば,上記試料E1のX線回折パターンのすべてのピークは,a軸の長さが2.85Å,c軸の長さが9.6Åで,O2型層状構造のLiMnO2の単位胞で,指数付けすることができた。
【0061】
次に,上記試料E1のリチウム−マンガン複合酸化物を正極活物質として用いて,コイン型のリチウム二次電池を作製した。
上記リチウム二次電池1は,図5に示すごとく,正極活物質を含有してなる正極2と負極活物質を含有してなる負極3と,正極2及び負極3の間に狭装されたセパレータ4とを,コイン型の電池ケース11内に有している。電池ケース11内の端部には,ガスケット5が配置されており,電池ケースは封口板12により密封されている。
【0062】
次に,上記リチウム二次電池1の製造方法につき説明する。
まず,以下のようにして正極2を準備した。
即ち,まず上記試料E1の正極活物質70重量と,導電材としてのカーボンブラック25重量部と,結着剤としてのテフロン(登録商標)F104(ダイキン工業株式会社製)5重量部とを混合して,正極合材とした。この正極合材を加圧成形して13mmφのペレットを作製し,続いて,このペレットをステンレスメッシュ製の正極集電体に圧着して正極2とした。
【0063】
次に,負極3は,金属リチウムの圧延板を15mmφに打ち抜き,これをステンレスメッシュ製の負極集電体に圧着して作製した。
セパレータ4にはポリプロピレン製の微多孔膜を用い,そしてセパレータ4に含浸させる非水電解液には,エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1にて混合した混合溶媒に,LiPF6を溶解させて濃度1Mとした溶液を用いた。
【0064】
次に,図5に示すごとく,正極2と負極3とをセパレータ4により隔てる形で電池ケース11内に配置した。
そして,電池ケース11内の端部にガスケット5を配置し,さらに電池ケース11内に非水系電解液を適量注入して含浸させた。続いて,封口板12を配置し,電池ケース11の端部をかしめ加工することにより,電池ケース11を密封して,リチウム二次電池1(電池E1)を作製した。
【0065】
(実施例2)
次に,本例では,表面に複数の突起状部を有する略球状の粒子よりなるリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなるリチウム二次電池用正極活物質を作製し,さらに該リチウム二次電池用正極活物質を正極に用いてリチウム二次電池を作製した。
具体的には,まず,0.3MのKMnO4水溶液をテフロン(登録商標)で内張されたオートクレーブ内で,飽和水蒸気下,200℃で1日間反応させた。その後,容器内の沈殿物を濾過,水洗し,K0.33MnO2・0.45H2Oを得た。
【0066】
次に,このK0.33MnO2・0.45H2O(0.6g)とNaOH(20g)と水25gを再びテフロン(登録商標)で内張されたオートクレーブ内で,飽和水蒸気下,温度200℃で一日間反応させた(第二水熱工程)。その後,容器内の沈殿物を濾過,水洗し,実施例1と同様のP2型層状構造のNa0.75MnO2.6(ナトリウム−マンガン複合酸化物)を得た。
【0067】
次に,このNa0.75MnO2.6(1g)を用いて,実施例1と同様にイオン交換工程を行い,沈殿物を濾過し,洗浄して,実施例1と同様のLi0.6MnO2.2(リチウム−マンガン複合酸化物)よりなるリチウム二次電池用正極活物質(試料E2)を得た。
【0068】
続いて,実施例1と同様に,上記試料E2について,SEM観察及びX線回折測定を行った。SEM観察の結果を図6に示し,またX線回折測定の結果を図
7に示す。
図6より知られるごとく,上記試料E2は,表面に複数の突起状部を有する略球状の粒子よりなっていた。この粒子は,幅0.1μm,長さ0.5μm程度の短冊粒子が集合し,直径2〜3μmの二次粒子を構成してなっていた。
【0069】
また,図7より知られるごとく,上記X線回折測定より得られた上記試料E2のX線回折パターンのすべてのピークは,上記試料E1と同様に,a軸の長さが2.85Å,c軸の長さが9.6Åで,O2型層状構造のLiMnO2の単位胞で,指数付けすることができた。
【0070】
次に,上記試料E2を正極に用いてリチウム二次電池を作製した。その作製方法は,実施例1の電池E1と同様である。
以下,本例で得られたリチウム二次電池を電池E2とする。
【0071】
(比較例)
次に,本例では,上記試料E1及び試料E2の優れた特性を明らかにするため,比較例として,図8に示すO3型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなるリチウム二次電池用正極活物質を作製し,さらに該リチウム二次電池用正極活物質を正極に用いてリチウム二次電池を作製した。
【0072】
まず,以下のようにしてO3型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物よりなるリチウム二次電池用正極活物質を作製した。作製方法は,“Nature”,英国,1996,381,p.499−500に記載の方法と同様の方法にて行った。
【0073】
即ち,まず,MnO2(1g)とNaOH(0.46g)とをアルゴン雰囲気中で,700℃で12時間反応させNaMnO2を作製した。
次に,上記で得られたNaMnO2を,1MLiClのエタノール溶液中で,80℃で24時間反応させるイオン交換反応を行った。
このようにして,O3型層状構造のリチウム−マンガン複合酸化物(LiMnO2)よりなるリチウム二次電池用正極活物質を得た。これを試料C1とする。
【0074】
次に,この試料C1を正極に用いてリチウム二次電池を作製した。その作製方法は,実施例1の電池E1と同様である。
以下,本例で得られたリチウム二次電池を電池C1とする。
【0075】
(実験例)
本例では,上記実施例1,実施例2,及び比較例1にてそれぞれ作製した電池E1,E2及びC1について,充放電サイクル試験を行った。
即ち,上記電池E1,E2,及びC1を用いて,定電流密度0.5mA/cm2で電圧4.2Vまで充電し10分間放置後,定電流密度0.5〜4.0mA/cm2で電圧2.5Vまで放電を行い10分間放置し,.0再充電を行うことを1サイクルとし,20℃の温度条件下で20サイクルまでの充放電を繰り返し,各サイクル時の放電容量を測定した。
その結果を図9に示す。同図において,横軸はサイクル数(回),縦軸は放電容量(mAh/g)を示すものである。
【0076】
図9より知られるごとく,電池C1においては,サイクル数10回で放電容量が50mAh/g程度まで低下している。
これに対し,電池E1及び電池E2は,10サイクル目では150mAh/gという非常に高い放電容量を維持しており,さらに20サイクル目においても60mAh/g以上という高い放電容量を維持していた。
また,電池E1及び電池E2は,160mAh/gを越える高い初期放電容量を有していた。
このように,電池E1及び電池E2は,放電容量が高く,かつ充放電サイクル特性に優れたものであった。
【0077】
また,上記電池E1と電池E2とを比較すると,鱗片状の粒子よりなる正極活物質を含有してなる電池E1は,電池E2よりも高い放電容量を示した。一方,突状部を有する略球状の粒子よりなる正極活物質を含有してなる電池E2は,電池E1よりも電流密度に対する容量変化率が小さく安定性に優れたものであった。
【0078】
(実施例3)
本例は,実施例1よりも簡単な方法で,上記試料E1と同様のリチウム二次電池用正極活物質を作製する例である。即ち,本例では,上記実施例1において上記第一水熱工程及び上記第二水熱工程という二回の工程によって作製したP2型層状構造のナトリウム−マンガン複合酸化物を一回の工程で作製し,該ナトリウムーマンガン複合酸化物を用いて,O2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を作製した。
【0079】
具体的には,まず,KMnO4(1.2g)とNaOH(28.1g)とを混合し,蒸留水25gを加えてスラリーを作製する。このスラリーをテフロン(登録商標)で内張されたオートクレーブ内で,飽和水蒸気下,温度200℃で1日間反応させた。その後,容器内の沈殿物を濾過,水洗し,Na0.75MnO2.05を得た。
【0080】
次に,このNa0.75MnO2.05(1g)を1MLiClのエタノール溶液に分散させ,80℃で一日間反応させた(イオン交換工程)。その後,容器内の沈殿物を濾過し,エタノールで洗浄し,上記リチウム二次電池用正極活物質としてのLi0.6MnO2.2(リチウム−マンガン複合酸化物)を得た。
【0081】
本例のリチウム−マンガン複合酸化物のX線回折パターンのすべてのピークは,a軸の長さが2.85Å,c軸の長さが9.6ÅでO2型層状構造のLiMnO2の単位胞で,指数付けすることができた。
このように本例によれば,簡単な方法で,組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなるリチウム二次電池用正極活物質を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかる,O2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物の結晶構造を表す説明図。
【図2】実施例1にかかる,P2型層状構造を有するナトリウム−マンガン複合酸化物の結晶構造を表す説明図。
【図3】実施例1にかかる,上記試料E1の形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を示す図。
【図4】実施例1にかかる,上記試料E1のX線回折パターンを示す図。
【図5】実施例1にかかる,リチウム二次電池の断面説明図。
【図6】実施例2にかかる,上記試料E2の形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を示す図。
【図7】実施例2にかかる,上記試料E2のX線回折パターンを示す図。
【図8】比較例にかかる,O3型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物の結晶構造を表す説明図。
【図9】実験例にかかる,充放電サイクル試験の結果を示す説明図。
【符号の説明】
1...リチウム二次電池,
11...電池ケース,
12...封口板,
2...正極,
3...負極,
4...セパレータ,
5...ガスケット,
Claims (9)
- 組成式Li1-xMnO2+y(0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなり,
上記リチウム−マンガン複合酸化物は,鱗片状の粒子よりなり,
上記鱗片状の粒子は,厚みが0.05〜5μmであり,かつ,厚み方向に対して略垂直な面の最大径が0.2〜5μmであることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。 - 組成式Li 1-x MnO 2+y (0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなり,
上記リチウム−マンガン複合酸化物は,表面に複数の突起状部を有する略球状の粒子よりなることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。 - 請求項2において,上記突起状部を有する略球状の粒子は,直径が1〜5μmであることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
- 組成式Li 1-x MnO 2+y (0≦x<1,0<y<1)で表され,かつO2型層状構造を有するリチウム−マンガン複合酸化物を含有してなるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって,
P2型層状構造を有するナトリウム−マンガン複合酸化物を,塩化リチウムを含む溶液中でイオン交換して,ナトリウムをリチウムに置き換えると共にO2型層状構造に変えるイオン交換工程を有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。 - 請求項4において,上記イオン交換工程の前に,KMnO 4 を含む第一溶液を加熱してO3型層状構造のカリウム−マンガン複合酸化物を生成する第一水熱工程と,
上記第一水熱工程によって得られたカリウム−マンガン複合酸化物と水酸化ナトリウムとを含む第二溶液を加熱し,上記P2型層状構造のナトリウム−マンガン複合酸化物を生成する第二水熱工程とを行うことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。 - 請求項5において,上記第一水熱工程においては,上記第一溶液にさらにKOHを添加することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項5又は6において,上記第一水熱工程及び上記第二水熱工程における加熱は,略飽和水蒸気圧下で温度120℃〜250℃にておこなうことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項4〜7のいずれか一項において,上記イオン交換工程は,アルコール類,非水系有機溶媒,又は水溶液中で,反応温度50℃〜150℃にておこなうことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用正極活物質を正極に含有してなることを特徴とするリチウム二次電池。
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