JP4294524B2 - ポリエステル系複合繊維 - Google Patents
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すなわち、本発明の目的は、共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなる固有粘度が0.56〜1.2、融点が215〜245℃のポリエステル成分Aと、ポリエステル成分Aとは異なる共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなる固有粘度が0.3〜0.55、融点が215〜245℃のポリエステル成分Bとを、成分A:成分B=30:70〜70:30の重量比率で、サイドバイサイド型又は偏芯芯鞘型に貼り合せてなる複合繊維であり、該共重合ポリエステル成分AとBの融点の差が20℃以下であり、
ポリエステル成分Aとして用いられる共重合ポリエチレンテレフタレートがイソフタル酸、フタル酸、炭素数2〜12の飽和脂肪族ジカルボン酸及び炭素数6〜14の飽和脂環族ジカルボン酸並びにこれらのエステル形成性誘導体、並びに下記一般式(1)及び(2)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を、全ジカルボン酸成分に対して5〜20モル%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートであり、
ポリエステル成分Bとして用いられる共重合ポリエチレンテレフタレートが炭素数3〜10の飽和脂肪族グリコール、炭素数6〜14の飽和脂環族グリコール及びp−ヒドロキシ安息香酸並びにそのエステル形成性誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物を、全ジカルボン酸成分に対して5〜20モル%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートであるポリエステル系複合繊維によって達成される。
本発明に用いるポリエステル成分Aは、共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなり固有粘度が0.56〜1.2、融点が215℃〜245℃の範囲にある共重合ポリエチレンテレフタレートである必要がある。該ポリエステル成分Aの固有粘度が0.56未満の場合、得られる複合繊維の捲縮が不十分となり、十分なストレッチ性が発現されない。また1.2より大きい場合、複合繊維を製造する際の成形性が不十分となり、安定した生産が出来なくなる為好ましくない。ポリエステル成分Aの固有粘度は0.58〜1.1の範囲が好ましく、0.6〜1.0の範囲が更に好ましい。該ポリエステル成分Aは固相重合されたポリエステルであってもよい。また、該ポリエステル成分Aの融点が215℃未満の場合得られる繊維の耐熱性が低下し、245℃より高い場合ポリマーの分解が促進され、口金異物やガス発生の原因となる為好ましくない。ポリエステル成分Aの融点は220℃〜243℃の範囲が好ましく、225℃〜240℃の範囲が更に好ましい。
ポリエステルポリマーの固有粘度は、35℃オルソクロロフェノール溶液にて、常法に従って35℃において測定した粘度の値から求めた。
抱水ヒドラジンを用いてサンプルを分解し、分解物をガスクロマトグラフィー(HEWLETT PACKARD社製、HP6890 Series GC System)を用いてジエチレングリコール量を定量し、測定したポリマーの重量を基準とした時の重量百分率を求めた。
示差走査熱量計(DSC)としてTA Instruments社製 DSC2200 Differential Scanning Calorimeterを用いて、20℃/分の昇温速度で270℃まで昇温したサンプルを0℃に冷却した試験管中で急冷し非晶状態にしたサンプルを更に20℃/分の昇温速度で昇温し、JIS K7121に準じて融解ピーク温度を測定した。
ポリマーサンプルを重水素化トリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子(株)製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定して、そのスペクトルパターンから常法に従って、共重合成分の種類を特定し含有量を定量した。
試料繊維に44.15×10−3cN/dtexの張力をかけて約3333dtexとなる迄巻きカセを作成する。カセ作成後、176.6×10−3cN/dtex相当の荷重を負荷し、1分経過後の長さL0(cm)を測定する。L0測定後、176.6×10−3cN/dtex相当荷重を除去し、1.77×10−3cN/dtex相当の荷重を負荷した状態で100℃沸水中で20分間処理する。沸水処理後直ちに全荷重を除去し、24時間フリー状態で40℃以下で自然乾燥する。自然乾燥後のカセに再び1.77×10−3cN/dtex相当の荷重を負荷し1分間経過後の長さL1(cm)を測定する。L1測定後直ちに176.6×10−3cN/dtex相当荷重を除去し、1分経過後の長さL2(cm)を測定し、下記算出式により捲縮率(TC2)を算出した。
TC2(%)=(L1−L2)/L0×100
試料繊維を10ターンしたカセ(長さ30cm)を作成し、1.77×10−3cN/dtex(2mg/de)の荷重を負荷した状態で100℃沸水中で20分間処理する。沸水処理後、直ちに荷重除去し、24時間後フリー状態で40℃以下の温度で自然乾燥した。次いで88.3×10−3cN/dtex(100mg/de)の荷重をかけてコイル状捲縮を伸びきった状態とし、島津製作所引張り試験機テンシロンにて、初期サンプル長200mm、試験速度200mm/minで10%伸長後、直ちに同速度で回復させて伸長回復曲線をとる。回復時初荷重と同じになったときのサンプル長をL10(mm)とし、下記式で10%伸長回復率を計算した。
10%伸長弾性回復率(%)=(1−(200−L10)/200)×100
5日間紡糸運転中の製糸安定性の目安として、断糸回数を以下のように定める。
○:1回以下
△:2〜10回
×:11回
パッケージ巻き(あるいはパーン巻き)としたポリエステル複合繊維250個を、毛羽検出装置付きの整経機に掛けて、400m/minの速度で、42時間整経引き取りした。整経機が停止するごとに、目視で毛羽の有無を確認し、確認された毛羽の全個数を繊維糸条長106m当たりに換算し、毛羽数とした。
○:0.3ヶ/106m未満
△:0.3ヶ/106m以上1.0ヶ/106m未満
×:1.0ヶ/106m以上
繊維断面写真により混合繊維の断面中心と芯部分の断面中心との距離を測定し、この距離を複合繊維の半径で除した値を%で表した。
テレフタル酸ジメチル90部とイソフタル酸ジメチル10部、エチレングリコール70部との混合物に、酢酸カルシウム一水和物0.064部を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、リン酸トリメチル0.058部を添加し、エステル交換反応を終了させた。次いで得られた反応生成物に、三酸化二アンチモン0.045部、酸化チタン20重量%のエチレングリコールスラリー1.5部を添加後、撹拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、240℃から295℃に徐々に昇温すると共に、70Pa以下の高真空に圧力を下げながら重合反応を行った。反応系の溶融粘度をトレースしつつ、固有粘度が0.65となる時点で重合反応を打ち切った。溶融ポリマーを反応器底部よりストランド状に冷却水中に押し出し、ストランドカッターを用いて切断してチップ化した。結果を表1に示す。
共重合成分の種類、量を表1に示す成分、量に変更したこと以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
共重合成分の種類、量を表1に示す成分、量に変更し、重合反応の最終内温を280℃として固有粘度0.45のポリマーを製造したこと以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部との混合物に、酢酸カルシウム一水和物0.064部を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、リン酸トリメチル0.058部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
重合反応の最終内温を280℃として固有粘度0.45のポリマーを製造したこと以外は比較参考例2と同様に行った。結果を表1に示す。
表1に記載の極限粘度およびポリマー物性からなる参考例1〜6、比較参考例1〜3のポリマーを用いて、図1に記載の吐出後合流型口金を用いて、紡糸温度265℃にて、紡糸速度2600m/minで巻取り、88dtex/36fの未延伸糸を得た。さらに、延伸ローラー温度60℃、延伸倍率1.65倍、スリットヒーター温度170℃にてセットし、パーン形状に巻取り、サイドバイサイド型の複合繊維を得た。ただし、比較例2は紡糸温度を270℃、比較例3は紡糸温度を280℃で実施した。結果を表2に示す。
口金形状を偏芯芯鞘型に変更し、表1、2に記載のポリマーを用いて、紡糸温度260℃にて、紡糸速度2,600m/minで巻取り、88dtex/36fの未延伸糸を得た。さらに、延伸ローラー温度60℃、延伸倍率1.65倍、スリットヒーター温度170℃にてセットし、パーン形状に巻取り、偏芯芯鞘型の複合繊維を得た。芯鞘繊維の偏芯度は25%であった。結果を表3に示す。
Claims (6)
- 共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなる固有粘度が0.56〜1.2、融点が215〜245℃のポリエステル成分Aと、ポリエステル成分Aとは異なる共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなる固有粘度が0.3〜0.55、融点が215〜245℃のポリエステル成分Bとを、成分A:成分B=30:70〜70:30の重量比率で、サイドバイサイド型又は偏芯芯鞘型に貼り合せてなる複合繊維であり、該共重合ポリエステル成分AとBの融点の差が20℃以下であり、
ポリエステル成分Aとして用いられる共重合ポリエチレンテレフタレートがイソフタル酸、フタル酸、炭素数2〜12の飽和脂肪族ジカルボン酸及び炭素数6〜14の飽和脂環族ジカルボン酸並びにこれらのエステル形成性誘導体、並びに下記一般式(1)及び(2)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を、全ジカルボン酸成分に対して5〜20モル%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートであり、
ポリエステル成分Bとして用いられる共重合ポリエチレンテレフタレートが炭素数3〜10の飽和脂肪族グリコール、炭素数6〜14の飽和脂環族グリコール及びp−ヒドロキシ安息香酸並びにそのエステル形成性誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物を、全ジカルボン酸成分に対して5〜20モル%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートであるポリエステル系複合繊維。 - ポリエステル成分Aとして用いられる共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合成分がイソフタル酸及びアジピン酸並びにそのエステル形成性誘導体並びにジエチレングリコールからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1記載のポリエステル系複合繊維。
- ポリエステル成分Bとして用いられる共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合成分が、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及びヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1又は2記載のポリエステル系複合繊維。
- ポリエステル成分Aとポリエステル成分Bの固有粘度の差が0.1〜0.7であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル系複合繊維。
- 1.77×10−3cN/dtexの負荷時の沸水下での捲縮発現率(TC2)が30〜55%、10%伸長弾性回復率が60%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル系複合繊維。
- 共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなる固有粘度が0.8〜1.5、融点が215〜245℃のポリエステル成分Aと、ポリエステル成分Aとは異なる共重合ポリエチレンテレフタレートから主としてなる固有粘度が0.3〜0.7、融点が215〜245℃のポリエステル成分Bとを、溶融紡糸温度240〜280℃にて成分A:成分B=30:70〜70:30の重量比率で、サイドバイサイド型又は偏芯芯鞘型に貼り合せて引取速度1000〜8000m/分で引き取り、必要に応じて延伸及び/又は熱処理を行う請求項1〜5のいずれか1項ポリエステル系複合繊維の製造方法。
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