JP4289542B2 - 光回折icタグ表示体と製品情報管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高級ブランド品等の流通管理における認証性の向上を目的とするものである。詳しくは、非接触ICタグに光回折構造体を付与した表示体と、それを用いた製品情報管理システム、等に関する。
従って、本発明の適用分野は、バッグ、カバン、時計等の輸出入高級ブランド品や家電製品、医薬品、化粧品等の純正品認証や保護、音楽・映像・ゲームソフト等の著作権保護、等に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、光回折構造体を物品に持たせて真贋判断することは行われており、本願発明に近接した先行技術を列挙すれば、以下のようになる。
特許文献1の請求項5は、非接触ICタグにホログラム層を設けることを記載し、非接触ICタグの偽造防止を目的としている。しかし、ホログラム自体の完全な偽造は困難であるが、類似の見え方をする模造品の製造は可能である。
そうすると、そのような模造品を付された場合は確実、迅速な真贋判断は困難である。また、非接触ICタグに記録したデータは目視できないので読み取り装置が無い場合は情報を確認できない問題がある。
【0003】
特許文献2や特許文献3には、光回折構造体を有する物品の製造方法やホログラム付きカードが記載されている。これらの文献は、光回折構造体と光反射層を有する物品にレーザー光を照射して、光反射層を破壊して情報を記録する技術に関するが、本願のように非接触ICタグと一体になった光回折構造体に関するものではない。
したがって、このように光回折構造体だけを有する類似品の作製はある程度可能であって、市販のレーザーマーカがあれば、当該類似品に文字、数字等の個別情報の記録ができ、改ざんされ易い問題がある。
また、非接触ICタグの情報をリライト記録層またはサーマル記録層に表示させることも行われているが、リライトやサーマル方式は表示情報を改ざんされ易い問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−13874号公報
【特許文献2】
特開2000−47555号公報
【特許文献3】
特公平6−85102号公報
【0005】
特許文献4には、商品に対して割り当てられた個別商品情報をホログラムの形式でホログラム情報記録媒体を商品と一対にして流通させ、流通拠点でホログラムに記録された個別商品情報を読取りし、読取った商品情報に基づき管理サーバとのデータ照合により商品管理を行うことが記載されている。
しかし、ホログラムに記録されているデータは製造工場出荷時のものであり、その後の流通拠点毎の記録表示はホログラムにはされず、外観上その商品が正規な店舗、流通経路を経由していることの確認はできない。また、非接触ICタグと一体にしたものではないので大量の情報の記録ができない問題がある。さらに、情報の書き換えや追記ができない問題もある。
【0006】
特許文献5は、複数情報を記録したホログラムを物品に付与し、流通拠点毎に前記情報の再生読取り→管理データベースとの照合→新たな情報の書き込み、を行い、商品管理を行う、ことが記載されている。
しかし、ホログラムへの記録情報は、ランダムドットの破壊による組合せであって、目視的に表示情報および情報の正確性を把握できない、読取り精度が低い、等の問題がある。読取り装置は、ホログラムのランダムドットの回折再生像を撮像素子を通じて読み込むため、装置が非常に高額となる問題もある。
【0007】
また、RFIDタグ(非接触ICタグ)に光回折構造層を持たせることも特許文献6に記載され公知であるが、当該技術はRFIDタグの意匠性向上のみを目的とするもので、隠しパターンの記録とは無関係である。
一方、公開された情報ではないが、本願出願人にかかる特許文献7には隠しパターンを出現させ得る識別媒体が記載されている。
【0008】
【特許文献4】
特開2001−180813号公報
【特許文献5】
特開2002−245420号公報
【特許文献6】
特開2002−366915号公報
【特許文献7】
特願2002−315207号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、先行技術の光回折構造体やホログラム付きラベル等は、それ単体を認証媒体とするか、あるいは固定情報を記録して認証媒体として用いるもので、記録媒体としては複製を完全に防止できるものではない。
しかも光学的な単一の情報であるため、電気的な記録情報を加えた複数の情報源から信憑性を確認できない問題がある。
また、特許文献1のように非接触ICタグラベルにホログラムを設けた先行技術も存在するが、ホログラムは単に装飾的効果や偽造困難性を高める役割のみとしてしか機能しないものであった。
【0010】
さらに、特許文献7は光学的に隠しパターン情報を担持しえるが、非接触ICタグを持たないので、複数種の情報記録ができないことや、今後の商品管理に求められる大量の情報記録ができない問題がある。
そこで、本発明では、非接触ICタグと光回折構造体を同一の基材シートに一体に形成し、非接触ICタグに情報記録することと、光回折構造体の隠しパターンとを一つの表示体に持たせることで、情報の信頼性を一層高められることを着想し、本発明の完成に至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、基材シートの一方側面に、アンテナとICチップからなる非接触ICタグが形成され、他方側面には光回折構造体が形成されている光回折ICタグ表示体において、前記光回折構造体には判別具により出現し判別可能となる隠しパターンが記録されており、光回折構造体が、光回折を生じさせるエンボス形成層と金属反射層を有し、隠しパターンが判別具との干渉またはモアレにより出現するものであり、異なる判別具で異なるパターンを出現する2以上の隠しパターンを有することを特徴とする光回折ICタグ表示体、にある。
【0012】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、非接触ICタグと隠しパターンを出現させ得る光回折構造体が基材シートの表裏に形成された光回折ICタグ表示体を用い、製造メーカー、卸売店、小売店、消費者間において製品に関する情報を管理する製品情報管理システムであって、製品の製造または出荷段階で製造メーカーが出荷製品に添付する当該光回折ICタグ表示体の非接触ICタグに、当該出荷製品に関する情報を記録して当該製品に添付して出荷すると共に、製造メーカー、卸売店、小売店が共有する製品管理データベースに当該記録した情報を登録することと、当該製品の流通過程における卸売店または小売店において、前記製品管理データベースにアクセスして前記登録情報を読み取りして製造元や製品履歴を認証し、また光回折構造体の前記隠しパターンを判別具を使用して出現させて製品の真正性を確認し、また当該光回折ICタグ表示体の非接触ICタグに取り扱い店に関する情報を記録し前記製品管理データベースに当該記録した情報を登録することと、消費者は、光回折ICタグ表示体の情報をリーダライタにより読取りした情報に基づいて、製造メーカー、卸売店、小売店のいずれかに製品内容や履歴を問い合わせすることができることを特徴とする製品情報管理システム、にある。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、光回折ICタグ表示体と製品情報管理システムに関するので、まず、それぞれについて概説することとする。
図1は、本発明の光回折ICタグ表示体を示す図であって、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のA−A線に沿う断面図である。
図2は、本発明の製品情報管理システムを説明する図である。
【0018】
図1(A)のように、本発明の光回折ICタグ表示体1は、基材シート1bの表面側面に、光回折構造体2が形成され、他方側面には、ICチップ31とアンテナ32とからなる非接触ICタグ3が形成されている。
光回折ICタグ表示体1は、隠しパターンが記録されている光回折構造体2が、人目に触れるように貼着されるので、当該光回折構造体2側面を表面としている。したがって、非接触ICタグ3は基材シート1bの裏側面に有り、当該面で製品や商品に貼着されることになる。
【0019】
図1(A)において、光回折構造体2は基材シート1bの一部分に設けられているが、全面を覆うように形成するものであっても良い。
光回折構造体2は、後に詳述するが、表面にホログラム像または回折格子パターン7のような微細凹凸からなるエンボス形成層や金属反射層を有している。
これにより受けた光を回折したり反射する効果を有する。また、当該光回折構造体2は、後述する判別具により出現し判別可能となる隠しパターンが記録されている特徴がある。
【0020】
図1(B)の断面図のように、非接触ICタグ3側には、接着剤層4を介して、ICタグを保護する保護シート3bが設けられ、当該保護シート3bを介して粘着剤層5やセパレート紙6が設けられている。セパレート紙6を剥がして当該粘着剤層5により製品や商品に貼着するものである。
【0021】
非接触ICタグ3は、外部リーダライタと非接触で交信するデータキャリアであって、ICチップ31は、一般に制御部とメモリーを有する。
アンテナ32は外部リーダライタからの電波(誘導電波)を受信し、これに応答して非接触ICタグ3のデータを送信し書込みするデータを受信するものである。アンテナ32には、図示のようなコイル型のほかに2片に分離した静電結合型(パッチ型)のアンテナ等を採用できる。ただし一般に、誘導結合型のアンテナコイルによるものが通信距離を大きくできるとされている。
【0022】
光回折ICタグ表示体1の非接触ICタグ3は、図1(A)のように、アンテナコイル32にICチップ31を装着した構成になっている。
アンテナコイル32とICチップ31に内在するか、または回路が有する浮遊容量とにより共振回路を形成し、特定周波数の電波を受信し、また発信できるようにされている。
通信周波数は、13.56MHz(ISO15693準拠)、125kHz(中波)、2.45GHz(マイクロ波)、等である。
【0023】
非接触ICタグ3の製造は、基材シート1bとアルミ箔等をラミネートした材料にアンテナコイル形状にレジストパターンを形成してアルミ箔をエッチングすることにより製造できるが、アンテナを導電性インキにより印刷したり、細線を捲線状に配線するものであっても良い。
ICチップ31を装着するために、アンテナコイルの一端側を基材シート1bの背面を通して導通させたり、ICチップ装着部を極めて細線にしてコイルの両端部を接近させ、その狭幅になったコイル部分を跨いでICチップ31を装着する方法等が行われている。コイル形成後にアンテナコイルの両端部にICチップ31のパッドを導電性接着剤等を使用して装着する。
【0024】
次に、本発明の製品情報管理システムについて説明する。
本発明の製品情報管理システム10は、図2のように、製造メーカー11と卸売店12、小売店13、および消費者14の間で、製品情報を共有して管理するシステムである。さらに製品情報管理システム10は、製造メーカー11、卸売店12、小売店13で共有または共通使用する製品管理データベース15を有していて、それぞれから随時アクセスできるようにされている。
良く知られるように、非接触ICタグ3のICチップ31は、相互に重複しない固有のユニークIDを有しているので、基本的には当該ユニークIDをキーコードとして特定し管理データベース15にデータを蓄積すれば、リーダライタにおいて検索対象を誤ることはないが、各光回折ICタグ表示体1のICチップに、ユニークIDとは別に、それぞれ固有の識別コードを持たせて管理するものであっても良い。
【0025】
製品情報管理システム10では、製品に添付された光回折ICタグ表示体1が共通に使用される。そのため、製造メーカー11、卸売店12、小売店13は、光回折ICタグ表示体1に書込みまたは読込みする非接触ICタグリーダライタ11a,12a,13aと製品管理データベース15にアクセスするための端末機11c,12c,13cをそれぞれ保有している。また、卸売店12と小売店13は、光回折構造体2に記録されている隠しパターンを出現させるための判別具12b,13bを有している。
判別具12bと判別具13bとは、異なるピッチであるように図示しているのは、卸売店と小売店では異なる隠しパターンを出現させ得るようにするためであるが、その必要のない場合は同一ピッチのものであっても構わない。
消費者14が非接触ICタグリーダライタ14aや端末機14cを有していても良い。
【0026】
光回折ICタグ表示体1を読取りする際は、製品管理データベース15との通信によりデータの照合を行い、書込み時には、製品管理データベース15との通信により新規データの蓄積を行うこともできる。
消費者14から光回折ICタグ表示体1を小売店の店頭で回収する場合は、製品自体または製品の包装に暗号化コードを印字しておき、消費者14がインターネットでメーカーホームページ(HP)9にアクセスして暗号内容を確認できるようにしても良い。
【0027】
次に、本発明の光回折ICタグ表示体1における光回折構造体2の構成と製法について説明することとする。
図3は、光回折構造体の断面図、図4は、光回折構造体の他の例を示す断面図、図5は、隠しパターンが設けられた確認領域の拡大図、図6は、確認領域内の確認パターン部を拡大した図、図7は、判別具の平面図、図8は、隠しパターンを出現させた状態の平面図、図9は、判別具によって異なる隠しパターンが現われる場合を説明する図、図10は、ホログラム原パターンの製造工程を説明する図、である。
【0028】
光回折構造体2の構成を詳細図示すると図3,図4の断面構造になる。
これらの光回折構造体2は非接触ICタグの基材シート1bとは異なるベースフィルム2bに形成したもので、最下面の粘着剤層2nにより非接触ICタグ3の基材シート1bに貼着されている。
ベースフィルム2bには、剥離層2sを介して、エンボス形成層2eと金属反射層2r、粘着剤層2nが形成されている。ベースフィルム2bは製品に貼着後は剥離除去してもよい。従ってその場合、光回折ICタグ表示体1を製品に貼着した状態では、剥離層2s以下であって粘着剤層2nの間が光回折構造体2となる。
【0029】
エンボス形成層2eは、ホログラムの干渉縞波面や光回折格子を記録したもので、これらの記録原版を複製した複製用型版から熱硬化性や熱可塑性樹脂材料面にエンボス的に複製再現するので、エンボス形成層2eと表現している。
通常、エンボス形成層2eには、光の波長の1/4から2倍程度の干渉縞ピッチや回折格子が記録されているが、波形の凹凸高さは一般に、それよりは小さい値となる。エンボス形成層2eの厚みは、0.1〜6μm程度に形成する。
このエンボス形成層2eにより、ホログラム像や光の回折光パターンが生じることになるが、図3の光回折構造体2では、このエンボス形成層2eに、隠しパターンを同時に記録している特徴がある。
一方、図4の光回折構造体2では、このエンボス形成層2eとは別に隠しパターン形成層2kを有し、当該層に隠しパターンを記録している特徴がある。
隠しパターン形成層2kとエンボス形成層の間は、粘着剤層2mで接着されている。
【0030】
光回折構造体2は、粘着剤層2n側面に、反射性金属材料を蒸着またはスパッタリングして設けた金属反射層2rを有している。当該金属反射層2rにより、ホログラム像や回折格子パターン、あるいは隠しパターンをより明るく鮮明にすることができる。
金属反射層2rの使用材料は、後述するように各種の材料があるが、蒸着等が容易なものとしては、アルミニウムが最適と考えられる。ただし、ニッケル、錫、インジウム、等も実用性が望める。
当該金属反射層2rの厚みは、5nm〜1μmもあれば十分である。
【0031】
剥離層2sはベースフィルム2bからエンボス形成層2eを容易に剥離させるための層であり、選択するフィルムとエンボス形成層樹脂材料の相互間の関係で、本来的に易剥離性の場合は設けなくても良い場合もある。
通常、剥離層材料には、後述するようにベースフィルム2bに対して強接着しない材料を選択する。
【0032】
上記は光回折構造体2の一般的な層構成であるが、上記以外に、(1)粘着ラベル形態、(2)脆性ラベル形態、(3)転写箔形態、(4)ラミネートフィルム形態、とすることもできる。以下、その層構成について簡単に説明する。
(1)粘着ラベル
この場合の層構成は、支持体シート/ホログラム層/光反射層/粘着剤層、であるが、支持体シート/ホログラム層間に中間層を入れても良い。
(2)脆性ラベル
この場合の層構成は、支持体シート/剥離層/ホログラム層/光反射層/粘着剤層、であるが必要に応じて、剥離層/ホログラム層間に中間層、光反射層/粘着剤層間にアンカー層を入れても良い。
脆性ラベルの場合は脆い層構成とするために、剥離層/ホログラム層間に強弱パターンを設けて均一な剥離を防止したり、光反射層/粘着剤層間のアンカー層を微細パターン化して、剥離した際には光反射層が不規則に分裂するような加工が行われる。
【0033】
(3)転写箔
この場合の層構成は、支持体シート/剥離層/ホログラム層/光反射層/接着剤(ヒートシール)層、であるが必要に応じて、剥離層/ホログラム層間に中間層、光反射層/接着剤層間にアンカー層を入れても良い。また剥離層のない場合もある。
(4)ラミネートフィルム
この場合の層構成は、支持体シート/ホログラム層/光反射層/接着剤(ヒートシール)層、であるが必要に応じて、支持体シート/ホログラム層間に中間層、光反射層/接着剤層間にアンカー層を入れても良い。
なお、上記各場合において、ホログラム層はエンボス形成層と表現しても良いものである。
【0034】
次に、隠しパターン形成層2kの製法について説明する。光回折構造体2中の隠しパターン形成層2kには、万線パターンが好適に用いられるが、これに限らず、網点パターンや回折格子等のいわゆるOVD(Optical Variable Device )効果を有するものを使用することができる。
隠しパターン形成層2kの製法には、印刷法と製版フィルムを利用する方法があるが、コスト低減と量産を目的とする場合は印刷法によるのが一般的である。高精細印刷により高度の印刷を施すことが可能であるからである。
印刷の場合、色は任意に選択可能であるが、コントラストが高い方が隠しパターンがよりよく確認できることから濃い色が望ましい。ただし、隠しパターン形成層2kがエンボス形成層2eの上にある場合はホログラム自体が暗くなる問題が生じる。
【0035】
図5は、隠しパターンが設けられた確認領域40Tの拡大図であって、万線パターンを用いた例である。
確認領域40は、確認パターン部41、パターン縁取り部42、背景領域43を有する。確認領域40を含む隠しパターン形成層は、同一網%濃度を持つ網点もしくは万線にて構成されるため、確認パターン部41に隠しパターンがあることは、光回折構造体2の平面状態だけからは分からない。
【0036】
図6は、確認領域内の確認パターン部41を拡大した図である。確認パターン部41は、例えば、右45度上がりの白と黒の100μmの等間隔ストライプの繰り返しである規則的なパターンを有する。パターン縁取り部42は確認パターン部41の周囲に設けられ、確認パターン部41のパターンと半周期ずれたパターンを有する。
【0037】
背景領域43は確認パターン部41およびパターン縁取り部42に対して、見た目で判断できないほどの色と濃度を有し、確認パターン部41またはパターン縁取り部42のパターンと同一かあるいは任意の細かいパターンを有する。
光回折構造体2に判別具12b、13bを載せると、「A」という文字が見えるが、光回折構造体2自体を肉眼で見ても、「A」という文字を認識することは困難である。
【0038】
図7は、判別具12b,13bの拡大図である。判別具12b,13bは、光を透過するベースフィルム上に万線印刷層を設けてなり、確認パターン部のストライプと同様に一定間隔の直線状ストライプライン121とスペース部分122で構成されている。ストライプライン121は、黒色や銀色等の比較的隠蔽性の高い色で印刷される。スペース部分122は印刷の無い透明なベースフィルムからなる部分である。
この判別具により、確認パターン部41およびパターン縁取り部42と干渉し、背景領域43とは干渉またはモアレを生じない。
【0039】
図8は、光回折構造体に判別具を適用した場合の平面図であって、図8(A)は、判別具を光回折構造体2の背景領域の万線に平行に、かつ半ピッチずらして重ねた場合、図8(B)は、判別具を光回折構造体2万線に直交して重ねた場合、を示している。
図8(A)の場合は、万線が平行で半ピッチずれているので、背景領域43は完全に黒い状態となり、確認パターン部41と縁取り部42の干渉した明るいグレー部分を明瞭に識別することができる。
図8(B)の場合は、両者の万線が直交しているので、背景領域43は完全には暗くならないで、全体的に均一なハーフトーンの状態になる。確認パターン部41と縁取り部42も明るいグレー部分となるが、図8(A)の場合よりは明瞭性に欠けることとなる。
【0040】
以上は、光回折構造体2に判別具を適用しない場合には、隠しパターンが現われずパターンが認められない状態であり、判別具を適用した場合には、隠しパターンが出現する例を説明している。
次に、判別具12bを適用した場合は、隠しパターン「A」が現われ、判別具13bを適用した場合は、隠しパターン「B」が現われるようにする例について説明する。
【0041】
図9のように、光回折構造体2に目の細かい判別具12bを適用した場合には、隠しパターン「A」が現われ(図9(A))、目の粗い判別具13bを適用した場合には、隠しパターン「B」が現われている(図9(B))。
このように判別具によって異なるパターンが出現するようにするためには、光回折構造体2にそれぞれの判別具で異なるパターンを生じる2種の隠しパターンを設けておくことが必要になる。
これにより、卸売店では隠しパターン「A」により、小売店では隠しパターン「B」により、製造メーカーを識別できるようにでき、より偽造し難い真贋判別媒体とすることができる。
【0042】
このような隠しパターンは、万線を使用するパターンに限らず、網点パターンであっても良い。
網点パターンの場合は、網点の大小を変化させ、網%をほぼ同一とした部分の組合せによりパターンを構成する。網点パターンの違いだけでは肉眼で濃淡を識別することができないが、これに大の網点ストライプと小の網点ストライプからなる判別具を適用することにより、万線パターンの場合と同様に隠し文字やパターン等を再現することができる。
【0043】
エンボス形成層2eは、まず、ホログラムの干渉縞を記録したホログラム原パターンを形成する。ホログラム原パターン自体もエンボス形成層に使用できるが、量産する場合は、これをホログラム型に記録した後、ベースフィルム上のホログラム転写層材料に連続的に転写することにより行なう。
エンボス形成層材料は一般に熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂が用いられ、ホログラムパターンを転写した後、熱または紫外線等の電離放射線を照射して熱硬化させることが行なわれる。
【0044】
図10は、ホログラム原パターンの製造工程を説明する図でる。始めに、ホログラム用フォトポリマー感材71にホログラム画像の撮影を行う。
ホログラム画像を撮影するには、撮影対象となる物体をレーザー光などの干渉性の高い光で照射し、撮影対象となる物体から直接反射した物体光と、ハーフミラー等で照射位置をずらした参照光とで生じる干渉縞を、ホログラム用フォトポリマー感材71内に記録させる。ホログラム画像の撮影後、ホログラム用フォトポリマー感材71は、ホログラム画像を干渉縞として記録する。
【0045】
続いて、ホログラム用フォトポリマー感材71に干渉縞膨潤用フィルム72を密着させてホログラム記録層70(エンボス形成層2e)とし、隠しパターン形成層2kをホログラム記録層70の干渉縞膨潤用フィルム72の上に載置して、隠しパターン形成層側から紫外線8を照射する。
隠しパターン形成層2k上の万線の黒い部分は、紫外線を通さないが、透明な部分は紫外線を通し、干渉縞膨潤用フィルム72に紫外線が入射し、干渉縞膨潤用フィルムの能力が失われる。
【0046】
以上の露光処理が終了後、ホログラム記録層70に熱処理を施し、干渉縞膨潤を促進させる。ホログラム記録層70に熱処理を行なうと、紫外線を通さなかった部分は干渉縞の間隔が広がり、反対に、紫外線を通した部分は、ホログラム画像の持つ干渉縞の本来の間隔が保たれている。つまり、ホログラム記録層70は、ホログラム画像の干渉縞の間隔がもとのままの部分と干渉縞の間隔が広がった部分として、隠しパターンを記録する。
このホログラム記録層70をニッケル金属等で型取りし、ベースフィルムに塗工したホログラム転写層材料に型押しすることによりホログラムが転写記録され、エンボス形成層2eが完成する。
【0047】
エンボス形成層2eを単体で見ると、ホログラム画像が表示され、隠しパターンがあることは分からない。エンボス形成層2eに判別具12b,13bを重ねると、干渉またはモアレパターンによる隠しパターンが確認できる。
エンボス形成層に代えて、隠しパターンの書き込まれていないホログラム形成体に判別具を重ねても、隠しパターンは検出できない。
このように、干渉またはモアレパターンの発生の有無により、オリジナルのホログラム形成体であるか、または偽造したホログラム形成体であるかを判別することができる。
【0048】
金属反射層2rは、光反射や光回折効率を高めるためにエンボス形成層や隠しパターン形成層に薄膜状に設けるものである。光を全反射するシルバータイプと半透明な透明タイプとが用いられる。透明タイプはエンボス形成層2eの上面に用いることもできる。
金属反射層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法が挙げられる。
【0049】
<その他の材質に関する実施形態>
(1)ベースフィルム、基材シート
積層する各層を順次コーティングなどにより形成する際の耐熱性および耐溶剤性、また形成された光回折ICタグ表示体を製品やカードなどの物品の基材に転写する際、熱転写方式を利用する場合には、その耐熱性が必要とされる。
これらの性能を備えるプラスチックフィルムとしては、例えば2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と表示する。)を好ましく使用できる。PETフィルムを使用する場合、ベースフィルム2bの厚みは、5〜250μmのものが好ましく、加工適性や引張り強度、熱転写の際の熱効率を考慮すると10〜50μmがさらに好ましい。
非接触ICタグの基材シート1bの場合は、アンテナコイルを形成する関係から50μm〜250μmの厚みのあるものが好ましい。
【0050】
(2)剥離層
光回折構造体2の剥離層2sには、アクリル骨格樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸セルロースと熱硬化型アクリル樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース樹脂、およびこれらとポリエチレンワックスとの混合物等から形成されるが、特にアクリル骨格樹脂を主成分とすることが好ましい。
または剥離層とベースフィルム2bとの密着力を調整するために、ポリエステル樹脂等が好ましく用いられる。逆に剥離性を高めるためには、ワックス、シリコン系樹脂を添加することが行われる。
剥離層は、上記樹脂を適宜な溶剤に溶解または分散して、剥離層用塗工液を調整しこれをベースフィルム上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはリバースコーティング法、等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
剥離層の厚みは、0.1〜10μm程度の薄層にして用いる。
【0051】
(3)エンボス形成層
ホログラムや光回折格子の精細パターンを再現できる樹脂材料が使用される。一般的には、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン、エポキシ、アクリレート等の熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、あるいは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、さらにラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、あるいはこれらにラジカル重合性不飽和単量体を加え、電離放射線硬化性としたものなどを使用することができる。
このようなエンボス形成層の膜厚は、0.1〜6μmの範囲が好ましく、1〜4μmの範囲がさらに好ましい。
【0052】
(4)金属反射層材料
光を全反射する金属材料は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、錫(Sn)、セレン(Se)、チタニウム(Ti)、テルル(Te)、鉄(Fe)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)などの単体金属もしくはそれらの合金を使用し得る。
金属薄膜の厚みは、色調やデザイン、用途等に応じて調整し得るが、一般的には5nm〜1μmの範囲が好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲である。透明性を有する着色金属反射層を設けたい場合は、膜厚を20nm以下にするのが好ましい。また、隠蔽性を有する着色金属反射層を設けたい場合は、膜厚を20nm以上にするのが望ましい。
薄膜は、上記のように、転写箔の用途、トータルデザインを考慮し、色調、隠蔽性あるいは透明性等の必要に応じて設定することができる。
【0053】
(5)粘着剤層
粘着剤層5や粘着剤層2n,2mに使用する粘着剤としては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレンブタジエン共重合体樹脂、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、シリコーン樹脂、または、アルファシアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、等の粘着剤を挙げることができる。
【0054】
また、粘着剤として、ヒートシール剤を使用してもよく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合体樹脂等の各種熱可塑性エラストマー、または反応ホットメルト系樹脂等が挙げられる。
粘着剤層の厚みとしては、3μm〜30μmとするのが好ましい。
【0055】
次に、本発明の製品情報管理システムの利用方法、等について説明する。
図11は、光回折ICタグ表示体を製品に添付した状態を示す図、図12は、製品の流通経路を説明する図、である。
本発明の製品情報管理システムは、各種の利用方法があるので、図2を再度参照して説明することとする。
【0056】
利用方法の第1は、主として製品の製造メーカー11と卸売店12、小売店13との間で利用を図るものである。この利用形態では、製造メーカー11が製品20に光回折ICタグ表示体1を添付して出荷するが、その段階で出荷製品に関する情報を、非接触ICタグ3に記録する。光回折ICタグ表示体1の光回折構造体2には、製造メーカーを表示する隠しパターンがあらかじめ記録されている。
【0057】
出荷製品に関する情報とは、製造メーカー名、製造ロットや製造日、製造工場や製造地の情報、あるいは原材料の産地や材質、等の情報であるが、必要な情報内容は任意に選択または追加できる。
非接触ICタグへの記録は、非接触ICタグリーダライタ11aで行う。
非接触ICタグ3に記録した情報データを管理データベース15に送信して蓄積しても良いが請求項6と請求項7では、これを必須の要件とはしていない。
【0058】
情報を記録した光回折ICタグ表示体1を、図11のように製品20に添付して出荷する。製品20が卸売店12または小売店13に着荷した際、店主等は、当該製品20が真正品であるか否かを、非接触ICタグ3を読取りしてあるいは光回折構造体2の隠しパターンを判別具12b,13bを使用して出現させ確認することができる。
非接触ICタグ3の読取り情報が正確なものであるか、あるいは光回折構造体2の隠しパターンが製造メーカーに対応するものである場合は、製品の真正性を裏付けすることになる。
【0059】
製品20が真正品であることが確認できた場合には、卸売店12または小売店13は、取り扱い店に関する情報を光回折ICタグ表示体1の非接触ICタグ3に同様に記録する。
これらは、後に製品が返品されたり、トラブルを発生させた場合には、自己の店舗が扱ったものであることの証明に役立つことになる。
非接触ICタグ3に暗号化コードを記入する場合は、暗号化コードの店舗リストを製造メーカーが所持しておき、流通拠点毎に抜き打ち的にチェックを行う。また流通拠点毎に店舗リストを所持しておき、製品の入荷もしくは出荷時に流通業者が確認するようにもできる。
【0060】
製品の流通経路は、図12のように各種の形態がある。製造メーカー11から卸売店12Aを介して小売店13Aに直結して流通する場合もあれば、卸売店12Bと卸売店12Dを介して小売店13Bに流通する場合もある。また、卸売店12Cから小売店13Cと13D、等に分岐して流通する場合も生じる。
このように流通経路は多岐にわたるので、表示や記録が無い場合は流通経路を特定するのは一般には困難である。そこで、上記のように、光回折ICタグ表示体1に取り扱い店情報を記録すれば、トラブル製品の究明や処理迅速化に有益となる。
【0061】
表1は、製造メーカーおよび各流通拠点における非接触ICタグの読取り情報と書込み情報の例を示す表である。図12で図示した流通経路で製品が流通した場合を示している。
製造メーカー11では、初期データを読取りし、製造メーカーコードと製造番号、出荷日、等を記録する。卸売店A,B,C,Dでは製造メーカー11が書込みした情報を読取りし、卸売店コードと入荷日、出荷日、等を記録する。
小売店Aでは製造メーカー11と卸売店Aの書込み情報を読取りし、販売日を記録する。小売店Bでは製造メーカー11と卸売店B,Dの書込み情報を読取りし、販売日を記録する。小売店Cと小売店Dでは製造メーカー11と卸売店Cの書込み情報を読取りし、販売日を記録する。
ただし、上記は情報記録の一例であり、必要に応じて各種の記録方法を採用できるのは勿論のことである。
【0062】
【表1】
【0063】
利用方法の第2は、利用方法の第1と同様に、主として製品の製造メーカー11と卸売店12、小売店13との間で利用を図るものである。
この利用形態では、製造メーカー11が製品に、請求項1記載の光回折ICタグ表示体1を添付して出荷するが、その段階で出荷製品に関する情報を非接触ICタグに記録する。出荷製品に関する情報とは、製造メーカー名、製造ロットや製造日、製造工場や製造地の情報、あるいは原材料の産地や材質、等の情報であり、利用方法の第1と同様である。流通過程における卸売店12や小売店13においても、非接触ICタグへの書込みを行う。
【0064】
利用方法の第3は、利用方法の第1、第2と同様に、主として製品の製造メーカー11と卸売店12、小売店13との間で利用を図ることを目的としている。ただし、製品管理データベース15を使用することが必須の要件となっている。
この場合は、非接触ICタグに記録した情報の全部または一部が端末機11cを介して製品管理データベース15に蓄積されるので、卸売店12または小売店13では、光回折ICタグ表示体から読み取った属性情報に基づき、通信回線を介して製品管理データベース15にアクセスすれば製品内容または履歴を確認することができる。
また、利用方法の第3では、製造メーカー11の他に、卸売店12、小売店13が、光回折ICタグ表示体1に取り扱い店に関する情報を記録することと、製品管理データベース15にアクセスして製品内容または履歴を確認することを要件とする。
【0065】
利用方法の第4は、製品の製造メーカー11と卸売店12、小売店13の間で利用を図るものであるが、製造メーカー11が、光回折ICタグ表示体1に製品に関する情報を記録して製品に添付して出荷することと、前記製品管理データベース15に記録した情報を登録することと、卸売店12、小売店13が、当該製品管理データベース15にアクセスして製造元や製品履歴を読み取って製品の真正性を認証することを目的とするものである。
【0066】
利用方法の第5は、製品の製造メーカー11と卸売店12、小売店13、消費者14との間で利用を図るものである。製造メーカー11が光回折ICタグ表示体1の非接触ICタグ3に書込みするが、卸売店12、小売店13は必要に応じて、光回折ICタグ表示体1に書込みし、製品管理データベースに当該記録した情報の登録をする。
これにより、消費者は光回折ICタグ表示体1の情報を非接触ICタグリーダライタ14cにより読取りした情報に基づいて、製造メーカ11、卸売店12または小売店13に製品内容や履歴を問い合わせを可能とするものである。
これらの問い合わせは、携帯電話等の通信手段によることになるが、製造メーカーへの問い合わせは、メーカーのホームページ9に対して行っても良い。
【0067】
この場合、流通拠点毎に光回折構造体2に記録する流通拠点の暗号化コードと同一もしくはリンクさせた暗号化コードを製品自体または製品の包装に付与しておき、光回折ICタグ表示体1を店頭にて回収した後、消費者がインターネット経由でメーカーのホームページ9より暗号コード一覧により流通履歴を確認することもできる。
なお、参考のためであるが、非接触ICタグリーダライタの市販品としては、松下産業機器株式会社製「I−codeリーダライタ」、株式会社マーステクノサイエンス製「ICU150」、ハンディーリーダ・ライタとして田村電機製作所製「TR−100」等がある。
【0068】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように本発明によれば以下の効果が得られる。
(1)本発明の光回折ICタグ表示体は、隠しパターンが記録された光回折構造体と電気的に書込み可能な非接触ICタグを有しているので、非接触ICタグにもその情報を記録することで、光回折構造体にデータキャリアの機能を持たせることができる。
(2)従来のホログラム単体の表示体に比較して、非接触ICタグとしての機能を有しているので、製品から剥離して他に転用しても、非接触ICタグの履歴を確認すれば、製品が真正品でないことを容易に明らかにできる。
【0069】
(3)本発明の製品情報管理システムでは、光回折ICタグ表示体を製品と一体にして流通させ、流通拠点毎に非接触ICタグの情報をリードライトし、隠しパターンを判別具で出現させて商品の真正性を証明できるので、従来の非接触ICタグまたはホログラム単体による流通管理に比較して、信頼性の高い製品の管理を行うことができる。
(4)また、製品管理データベースを使用する実施形態では、当該データベースを介して製品の確実な履歴認証管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光回折ICタグ表示体を示す図である。
【図2】 本発明の製品情報管理システムを説明する図である。
【図3】 光回折構造体の断面図である。
【図4】 光回折構造体の他の例を示す断面図である。
【図5】 隠しパターンが設けられた確認領域の拡大図である。
【図6】 確認領域内の確認パターン部を拡大した図である。
【図7】 判別具の平面図である。
【図8】 隠しパターンを出現させた状態の平面図である。
【図9】 判別具によって異なる隠しパターンが現われる場合を説明する図である。
【図10】 ホログラム原パターンの製造工程を説明する図である。
【図11】 光回折ICタグ表示体を製品に添付した状態を示す図である。
【図12】 製品の流通経路を説明する図である。
【符号の説明】
1 光回折ICタグ表示体
1b 基材シート
2 光回折構造体
2b ベースフィルム
3 非接触ICタグ
3b 保護シート
4 接着剤層
5 粘着剤層
6 セパレート紙
7 ホログラム像または光回折パターン
8 紫外線
9 メーカーホームページ
10 製品情報管理システム
11 製造メーカー
12 卸売店
13 小売店
14 消費者
11a,12a,13a 非接触ICタグリーダライタ
12b,13b 判別具
11c,12c,13c,14c 端末機
15 製品管理データベース
20 製品
31 ICチップ
32 アンテナ、アンテナコイル
70 ホログラム記録層
Claims (5)
- 基材シートの一方側面に、アンテナとICチップからなる非接触ICタグが形成され、他方側面には光回折構造体が形成されている光回折ICタグ表示体において、
前記光回折構造体には判別具により出現し判別可能となる隠しパターンが記録されており、
光回折構造体が、光回折を生じさせるエンボス形成層と金属反射層を有し、隠しパターンが判別具との干渉またはモアレにより出現するものであり、
異なる判別具で異なるパターンを出現する2以上の隠しパターンを有する、
ことを特徴とする光回折ICタグ表示体。 - 金属反射層がアルミニウム層であることを特徴とする請求項1記載の光回折ICタグ表示体。
- 光回折構造体が、脆性構造にされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光回折ICタグ表示体。
- 非接触ICタグと隠しパターンを出現させ得る光回折構造体が基材シートの表裏に形成された光回折ICタグ表示体を用い、製造メーカー、卸売店、小売店、消費者間において製品に関する情報を管理する製品情報管理システムであって、
製品の製造または出荷段階で製造メーカーが出荷製品に添付する当該光回折ICタグ表示体の非接触ICタグに、当該出荷製品に関する情報を記録して当該製品に添付して出荷すると共に、製造メーカー、卸売店、小売店が共有する製品管理データベースに当該記録した情報を登録することと、
当該製品の流通過程における卸売店または小売店において、前記製品管理データベースにアクセスして前記登録情報を読み取りして製造元や製品履歴を認証し、また光回折構造体の前記隠しパターンを判別具を使用して出現させて製品の真正性を確認し、また当該光回折ICタグ表示体の非接触ICタグに取り扱い店に関する情報を記録し前記製品管理データベースに当該記録した情報を登録することと、
消費者は、光回折ICタグ表示体の情報をリーダライタにより読取りした情報に基づいて、製造メーカー、卸売店、小売店のいずれかに製品内容や履歴を問い合わせすることができる、
ことを特徴とする製品情報管理システム。 - 光回折ICタグ表示体が異なる判別具で異なるパターンを出現する2以上の隠しパターンを有することを特徴とする請求項4に記載の製品情報管理システム。
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