JP4287983B2 - プーリユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方向クラッチを備えるプーリユニットに関する。このプーリユニットは、例えば自動車などのエンジンのクランクシャフトや当該クランクシャフトからベルトを介して駆動される補機に装備される。補機としては、例えば自動車のオルタネータ、エアコンディショナ用コンプレッサ、ウォーターポンプ、冷却ファンなどが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ころやスプラグなどのくさび部材を用いる一方向クラッチがいろいろ知られているが、いずれの構成でも、くさび部材の食い込み力を強弱変化させることによって駆動環体に従動環体を同期回転させるロック状態と、両環体を相対回転させるフリー状態とを切り換えるような形態になっている。
【0003】
このような一方向クラッチは、例えば駆動環体の角速度が増減変動するような状況において、この角速度変動を従動環体に伝達させないようにするために、利用することがある。つまり、駆動環体の角速度の増減変動に応じて一方向クラッチをロック状態やフリー状態にさせて、駆動環体から従動環体へ回転動力を伝達させたり遮断させたりすることによって、駆動環体側の角速度変動を吸収させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の一方向クラッチでは、動力伝達するロック状態と動力伝達を遮断するフリー状態の2状態に切り換えるものであり、ロック状態において、過大なトルクが作用したときに、増速の高角加速度がかかると、過大なトルクが一方向クラッチに作用することがある。
【0005】
このような一方向クラッチを自動車の補機などに装着されるプーリユニットに組み込んだ構造の場合だと、前述したような過大トルクが作用して、プーリに対してベルトが滑ったり、ベルトの張力変動が大きくなり、ベルトの寿命低下につながる。
【0006】
このような事情に鑑み、本発明は、一方向クラッチにおいて、過大トルク作用時にクラッチ部で滑らせて、過大トルクを伝達させずに吸収できるようにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプーリユニットは、プーリとその内周に挿通される軸との対向環状空間に、径方向内外に同心状に配設される駆動環体と従動環体との回転速度差に応じて駆動環体に対して従動環体を同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り換える一方向クラッチと、この一方向クラッチの少なくとも軸方向一側に配設される転がり軸受とが介装されているプーリユニットであって、前記両環体のうち径方向内側の環体の外周面の円周数カ所に、他方環体の内周面との間で周方向一方で狭くかつ周方向他方で広くなったくさび状空間を形成するカム面が設けられていて、このくさび状空間にころが、内側環体に対して周方向に位置決めされた状態で内側環体に外装された保持器のポケットに、前記ころを押圧する弾性部材とともに収納されることで、所定の周方向転動範囲内でくさび空間の狭い側に押圧される状態で1つずつ配置されており、前記カム面が、内側環体の外周面から急峻に立ち下がる急峻立ち下がり部と、そこから深さが周方向一方へ向けて漸次深くなるように傾斜された凸状球面部とを有する形状に形成され、前記急峻立ち下がり部の手前の前記凸状球面部上の位置では、ころがロックするよう、その位置でのくさび角度が4〜6度の範囲に設定される一方、ころがさらにくさび空間の狭い側に移動して、内側環体の外周面と前記急峻立ち下がり部との角部に当接した状態では、ころが滑り回転するよう、その当接位置でのくさび角度が11度以上に設定されていることを特徴とする。
【0012】
以上、本発明のプーリユニットでは、所要値以上の回転トルクが加担されたときに、一方向クラッチのくさび部材をロック状態から滑り状態にさせることにより、伝達する回転トルクの伝達を遮断させる形態にしている。
【0013】
また、本発明のプーリユニットでは、上述したような一方向クラッチを組み込んだ構成であるから、過大な回転トルクの入力時にプーリに対してそれに巻き掛けられるベルトの滑りを抑制または防止できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1ないし図5は本発明の実施形態1である。図1は、プーリユニットの縦断面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、図3は、一方向クラッチのポケット内を示す平面展開図、図4は、一方向クラッチにおける内輪のカム面を示す斜視図、図5は、プーリユニットの回転変動波形を示すグラフである。
【0016】
図例のプーリユニット1は、プーリ2、中空軸3、一方向クラッチ4、2つの転がり軸受5,5を有している。
【0017】
プーリ2は、例えば自動車エンジンのクランクシャフトによりVリブ形状のベルト6を介して回転駆動されるもので、その外周にはベルト6が巻き掛けられる波状溝が形成されている。
【0018】
中空軸3は、プーリ2の内周に挿通されて、図示しないが自動車エンジンの補機の入力軸(例えばオルタネータのロータ)に固定される。
【0019】
一方向クラッチ4は、プーリ2と中空軸3との対向環状空間の軸方向中央に介装されるもので、内輪10、外輪11、合成樹脂製の円環状の保持器12、複数のころ13、弾性部材として楕円形のコイルバネ14とを備えている。
【0020】
2つの転がり軸受5,5は、プーリ2と中空軸3との対向環状空間の軸方向両側に1つずつ介装されるもので、この実施形態ではいずれも一般的な深溝型玉軸受が用いられている。これらの転がり軸受5,5の軸方向外端側には、それぞれシール(符号省略)が装着されており、グリースなどの潤滑剤が封入されている。また、外側の転がり軸受5の外側には、さらに泥水などが転がり軸受5に直接かかることを防止するために、環状板からなるシールリング7が装着されている。
【0021】
上記一方向クラッチ4の各構成要素を説明する。
【0022】
内輪10は、上記中空軸3に対して圧入により外嵌されるもので、その外周面の円周数カ所には凹状のカム面10aが設けられている。このカム面10aは、周方向一方へ向けて漸次深さが深くなるような凹形状に形成されており、このカム面10aと外輪11の内周面との対向部分が周方向一方に向けて狭くなるくさび状空間となる。この各カム面10aの形状に特徴があるので、後で詳細に説明する。
【0023】
外輪11は、上記プーリ2に対して圧入により内嵌されるもので、その内周面は円筒形に形成されている。
【0024】
保持器12は、上記内・外輪10,11の対向環状空間に配設されて内輪10に対して周方向ならびに軸方向に位置決めされた状態で外装されるもので、その円周数カ所つまり内輪10のカム面10aに対応する領域には、径方向内外に貫通形成されるポケット12aが設けられている。
【0025】
ころ13は、保持器12の各ポケット12aに1つずつ周方向転動範囲が規制された状態で収納される。
【0026】
コイルバネ14は、保持器12の各ポケット12aの内壁面に突設される突起12bに対して装着されて、ころ13をカム面10aと外輪11の内周面とで形成するくさび状空間の狭い側(ロック側)へ押圧するものである。
【0027】
なお、保持器12の軸方向ならびに周方向での位置決めについては、保持器12の一方軸端に設けてある凸部12cと、内輪10の一方軸端に設けてある凹部10bとの嵌合により行わせている。
【0028】
次に、上記プーリユニット1の動作を説明する。ここでは、ベルト6によりプーリ2が回転駆動されて、このプーリ2から中空軸3に対して動力伝達される形態になっている。ここで、プーリ2の回転速度が中空軸3よりも相対的に速くなると、一方向クラッチ4のころ13がくさび状空間の狭い側へ転動させられてロック状態となるので、プーリ2と中空軸3とが一体化して同期回転する。しかし、プーリ2の回転速度が中空軸3よりも相対的に遅くなると、一方向クラッチ4のころ13がくさび状空間の広い側へ転動させられてフリー状態となるので、プーリ2から中空軸3へ回転動力の伝達が遮断されることになって中空軸3が回転慣性力のみで回転を継続するようになる。
【0029】
そして、上記実施形態1では、プーリユニット1に用いられる一方向クラッチ4について、プーリ2から入力される回転トルクが所要値を越えると、ころ13をくさび状空間の狭い側においてプーリ2と中空軸3とに対して滑り回転させるようにして、プーリ2から中空軸3への動力伝達を遮断させる形態にしていることに特徴がある。
【0030】
このような動作を実現するために、内輪10のカム面10の形状を次のようにしている。
【0031】
このカム面10aは、内輪10の外周面から急峻に立ち下がる急峻立ち下がり部10a1と、そこから深さが周方向一方へ向けて漸次深くなるように傾斜された凸状球面部10a2とを有する形状に形成されている。なお、図4に示すように、凸状球面部10a2は、その曲率中心O1を内輪10の曲率中心からずらした位置に確保することにより、形成される。
【0032】
このようなカム面10aでは、凸状球面部10a2のロック位置P1におけるくさび角度θ1が、ころ13を強く食い込ませるよう小さい角度になり、角部10a3の滑り回転位置P2におけるくさび角度θ2が、ころ13を滑らせるよう大きい角度になる。但し、前述のくさび角度θ1は、例えば4〜6度の範囲に、また、くさび角度θ2は、例えば11度以上に設定するのが好ましい。
【0033】
そして、カム面10aの浅い側の所要位置P1にころ13が位置したときにロックするように設定し、このロック位置P1からさらに浅い側へころ13が移動したときにころ13が内輪10の外周面とカム面10aとの角部10a3に当接してころ13を受け止めるとともにこの位置P2までくると、ころ13を滑り回転させる状態になるように設定している。
【0034】
ここで、前述したロック位置P1と滑り回転位置P2との離隔間隔と、内輪10、外輪11のばね定数により、ころ13が滑り回転するトルクを設定できる。
【0035】
なお、上記ころ13のかみ合い性は、前述したくさび角度θ1,θ2の他に、くさび状空間を形成する外輪11の内周面や、カム面10aにおける急峻立ち下がり部10a1および角部10a3の摩擦係数μも関係する。つまり、ロック時において、トルク伝達に必要な条件としては、一般的に周知であるが、μ>tanθ/2の関係式であらわせる。θは、くさび角度である。
【0036】
このような構成により、一方向クラッチ4の動作としては、ころ13がロックしている状態つまり動力伝達状態において、ベルト6の回転変動に伴いプーリ2に対して所要の規定値以上の回転トルクが加わると、ころ13がくさび状空間の狭い側へさらに押し込まれることになる。このときにころ13が角部10a3に当接する位置P2まで移動させられると、ころ13が滑り回転することになって、プーリ2と中空軸3とが相対的に回転することになるので、プーリ2から中空軸3に対する動力伝達が遮断されることになる。これにより、ベルト6がプーリ2上で滑らずに共回りして滑らずに済むので、ベルト6の張り側(回転方向上流側)の張力がより強くなって緩み側(回転方向下流側)の張力が弱くなるといった張力変動を抑制できるようになり、しかも、ベルト6に余分なストレスが作用せずに済むので、ベルト6の寿命向上に貢献できるようになる。
【0037】
但し、ベルト6からプーリ2に対して加わる回転トルクが所要の規定値未満になると、ころ13が角部10a3から離れてロック位置P1側へ戻されることになって、再度、ころ13がロックすることになるので、プーリ2から中空軸3に対する動力伝達が行われる。
【0038】
このように、一方向クラッチ4の本来のロック、フリー動作の他に、上述した滑り回転という動作を可能としているから、動力伝達する回転トルクの上限値を規制できるようになり、結果的に、動力伝達する回転トルクの下限値と上限値とを規定できるようになる。
【0039】
参考までに、上記実施形態1のプーリユニット1の回転変動と張力変動とについて調べているので、説明する。
【0040】
試験条件は、エンジンに付設されるオルタネータに試料としてのプーリユニット1を搭載した状態とし、オルタネータ回転数を2000rpmとし、オルタネータの負荷電流を5Aに設定している。
【0041】
図5には、本実施形態に関する結果を、また、図6には、一方向クラッチを用いていない従来例に関する結果を、それぞれ示している。これらの図から明らかであるが、従来例の場合だと、プーリ2の角速度がサインカーブのように微小に増減変動していて、それがそのまま中空軸3に対して伝達されるのに対して、本実施形態の場合では、プーリ2の角速度がサインカーブのように微小に増減変動しているような場合であっても、中空軸3の回転変動幅が小さくなることを確認している。また、従来例の場合だと、プーリ2に巻き掛けられるベルト6の張り側(回転方向下流側)と、緩み側(回転方向上流側)との張力変動が大きくなるのに対して、本実施形態の場合では、それらの張力変動量が小さく抑制されることを確認している。
【0042】
図7ないし図11に本発明の参考例を示している。図7は、プーリユニットの上半分の縦断面図、図8は、図7の(8)−(8)線断面の矢視図、図9は、一方向クラッチにおけるスプラグの動作を示す説明図、図10は、一方向クラッチにおけるばね体を示す斜視図、図11は、一方向クラッチにおけるスプラグの設計要件を示す説明図である。
【0043】
この参考例のプーリユニット1は、スプラグを用いるタイプの一方向クラッチ20を用いている点が、上記実施形態1と相違している。
【0044】
ここでの一方向クラッチ20は、一般的に周知の構成であるが、一対の環状板21、22と、複数のスプラグ23と、保持器24と、ばね体25とを備えている。
【0045】
スプラグ23は、鼓状断面を有する形状とされ、一対の環状板21,22間に配置される。
【0046】
保持器24は、例えば合成樹脂などで円環状に形成されており、その円周数ヶ所に各スプラグ23が挿通されるポケット24aが設けられている。この保持器24は、一対の環状板21,22間に介装される。
【0047】
ばね体25は、薄肉のばね鋼材などで円環状に形成されており、図10に示すように、その円周数ヶ所に各スプラグ23が挿通される貫通孔25aが設けられているとともに、この貫通孔25a内においてスプラグ23を起立姿勢に押圧する押さえ片25bが設けられている。このばね体25は、保持器24の内径側に嵌合装着される。
【0048】
この一方向クラッチ20では、上述した実施形態1と同様の機能を持たせるために、プーリ2や中空軸3に対するスプラグ23の各ストラト角度α、βが、ロック方向に所要角度以上傾いた姿勢のときにロック状態から滑り状態に変化させるように設定されている。
【0049】
具体的に、スプラグ23が起立姿勢となるように傾いてその径方向寸法が最も大きくなるとロック状態になるが、その状態において、所要の規定値以上の回転トルクが作用したときに、スプラグ23がロック状態の起立姿勢からさらに倒れてその径方向寸法が若干小さくなると、滑り回転状態になって、動力伝達が遮断される。
【0050】
そして、スプラグ23が滑り状態になっている状況において、入力される回転トルクが所要の規定値未満になると、スプラグ23とプーリ2、中空軸3の弾性変形の反力でもってロック状態に戻されることになる。
【0051】
ここで、上記スプラグ23を用いた一方向クラッチ20の設計条件について説明する。
【0052】
まず、図11に示すように、スプラグ23がプーリ2と中空軸3とに対して接する点をそれぞれA,Bとすると、直線ABと、プーリ2と中空軸3の軌道径の中心Oからひかれる直線OA,OBとのなす角α,βをストラト角という。なお、直線OAとOBのなす角度をγとすると、α=β+γとなり、常に、α>βとなる。
【0053】
スプラグ23が軌道輪とかみ合い、トルクを伝達するためには、tanαが接触面の摩擦係数μより小さくなければならない。つまり、tanα<μとなる。
【0054】
スプラグ23がトルクを受けると、ストラト直線A,B上に力Qを生じ、接触点Aにおいて垂直分力をP、接触分力をFとすると、
F=P・tanαとなる。
【0055】
このときの伝達トルクTは、
T=N・P・tanα・R1・lとなる。
【0056】
ここで、Nはスプラグ23の数、R1は中空軸3の軌道半径、lはスプラグ23の有効長さである。
【0057】
以上のようなスプラグ式の一方向クラッチ20を備えるプーリユニットでは、プーリ2と中空軸3に対するスプラグ23の各ストラト角度α、βを、ロック方向に所要角度以上傾いた姿勢のときにロック状態から滑り状態に変化させるように大きく設定すれば、上記実施形態1で説明したことと同様に、一方向クラッチ20の本来のロック、フリー動作の他に、上述した滑りという動作を可能とすることができるので、動力伝達する回転トルクの下限値と上限値とを規定できるようになる。このように、過大な回転トルクを伝達させないようにすることによって、ベルト6とプーリ2との間の滑りを無くすことができて、ベルト6の張力変動を抑制するとともに、ベルト6の寿命向上に貢献できるようになる。
【0058】
なお、本発明は上述した実施形態1のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0060】
(1)上記実施形態での一方向クラッチ4,20における細部の構成についても限定されるものでなく、種々な変形が考えられる。
【0061】
【発明の効果】
本発明のプーリユニットは、それに備えられる一方向クラッチの本来のロック、フリー動作の他に、くさび部材を滑り回転状態または滑り状態という動作を行えるような形態にしているから、動力伝達する回転トルクの上限値を規制できるようになる。したがって、動力伝達する回転トルクの下限値と上限値とをシビアに規定できるようになるから、使用対象に応じて最適なものを選定できるなど、使い勝手が向上することになる。
【0062】
本発明のプーリユニットは、上述したように過大な回転トルクを伝達させないように構成した一方向クラッチを備えているから、過大な回転トルクの入力時に動力伝達を遮断させる状態にできて、ベルトとそれに巻き掛けられるプーリとの間の滑りを無くすことができるとともに、ベルトの張力変動を抑制することができるようになるなど、ベルトの寿命向上に貢献できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るプーリユニットの上半分の縦断面図
【図2】 図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】 実施形態1の一方向クラッチのポケット内を示す平面展開図
【図4】 実施形態1の一方向クラッチにおける内輪のカム面を示す斜視図
【図5】 実施形態1のプーリユニットの回転変動波形を示すグラフ
【図6】 実施形態1の比較例とする従来例のプーリユニットの回転変動波形を示すグラフ
【図7】 本発明の参考例に係るプーリユニットの上半分の縦断面図
【図8】 図7の(8)−(8)線断面の矢視図
【図9】 参考例の一方向クラッチにおけるスプラグの動作を示す説明図
【図10】 参考例の一方向クラッチにおけるばね体を示す斜視図
【図11】 参考例の一方向クラッチにおけるスプラグの設計要件を示す説明図
Claims (1)
- プーリとその内周に挿通される軸との対向環状空間に、径方向内外に同心状に配設される駆動環体と従動環体との回転速度差に応じて駆動環体に対して従動環体を同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り換える一方向クラッチと、この一方向クラッチの少なくとも軸方向一側に配設される転がり軸受とが介装されているプーリユニットであって、
前記両環体のうち径方向内側の環体の外周面の円周数カ所に、他方環体の内周面との間で周方向一方で狭くかつ周方向他方で広くなったくさび状空間を形成するカム面が設けられていて、このくさび状空間にころが、内側環体に対して周方向に位置決めされた保持器のポケットに、前記ころを押圧する弾性部材とともに収納されることで、所定の周方向転動範囲内でくさび空間の狭い側に押圧される状態で1つずつ配置されており、
前記カム面が、内側環体の外周面から急峻に立ち下がる急峻立ち下がり部と、そこから深さが周方向一方へ向けて漸次深くなるように傾斜された凸状球面部とを有して、内側環体の外周面から内径側に凹入する形状に形成され、
前記急峻立ち下がり部の手前の前記凸状球面部上の位置では、ころがロックするよう、その位置でのくさび角度が4〜6度の範囲に設定される一方、ころがさらにくさび空間の狭い側に移動して、内側環体の外周面と前記急峻立ち下がり部との角部に当接した状態では、ころが滑り回転するよう、その当接位置でのくさび角度が11度以上に設定されている、
ことを特徴とするプーリユニット。
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