JP4248872B2 - 重合体の水素添加方法 - Google Patents
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Description
本発明は、オレフィン性不飽和基含有重合体の溶液を水素添加触媒の存在下、水素と接触させてオレフィン性不飽和基を水素添加する方法に関する。さらに具体的には、上記方法において、水素添加された重合体溶液の少なくとも一部をリサイクルして水素添加する重合体の水素添加方法に関する。
背景技術
オレフィン性不飽和基を含有する重合体は、オレフィン性不飽和基が加硫等に有利に利用される反面、オレフィン性不飽和基に起因して耐熱性、耐酸化性等の安定性に劣るという欠点を有している。これらの欠点は、重合体鎖中のオレフィン性不飽和基を水素添加してなくすことにより著しく改善される。
本出願人らは既に特開昭61−28507号公報、特開昭61−33132号公報、特開昭61−47706号公報、特開昭62−209103号公報、特公昭63−5402号公報、特公平1−53851号公報等でメタロセン系触媒を用いる水素添加方法を開示してきた。これらの発明はバッチ水素添加方法に関するものである。しかし、メタロセン系触媒は、価格が高い上に、水素添加反応の反応熱による温度上昇等によって容易に活性を失いやすいという欠点を有する。そのため、触媒を必要以上に使用したり、水素添加反応時間が長くなることがあり、生産コスト上問題があった。
一方、特開平8−109219号公報には、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液と水素ガス、水素添加触媒とを連続的に攪拌機付きの反応槽に添加し、連続的に反応生成物を取り出す耐候性に優れた水素添加重合体の製造方法が開示されている。また、特開平11−286513号公報には複数の反応器を直列に連結させ、少なくとも一つの反応器の下部より水素を供給するオレフィン性不飽和基含有重合体水素化物の連続製造方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法では長期連続運転時に所望の水素添加率を維持・制御することが困難であった。特に高度に水素添加された重合体を製造する場合、水素添加反応が不調になると目標とする水素添加率以下の重合体が得られてしまう、あるいは連続水素添加反応を一旦停止し、水素添加反応条件を適正にしてから反応を再開しなくてはならないという欠点があった。さらに、これらの連続水素添加の場合には、バッチ水素添加に比べて生産性は高いものの、触媒使用量が多くなるという欠点もあった。
そのため、これらの問題を克服するための方法の開発が強く望まれていた。
発明の開示
本発明は、長期にわたり安定して所望の水素添加率を維持・制御できるオレフィン性不飽和基含有重合体の水素添加方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の問題点について鋭意検討した詰果、水素添加された重合体溶液中の一部を反応器へリサイクルすることにより、上記の欠点を改善できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)オレフィン性不飽和基含有重合体溶液と水素とを水素添加触媒の存在下接触させて該重合体のオレフィン性不飽和基を水素添加する方法であって、水素添加された重合体溶液の少なくとも一部をリサイクルして水素添加することを特徴とする重合体の水素添加方法。
本発明は、以下の好適な実施態様をも包含する。
(2)オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を反応器に連続的に供給し、該重合体のオレフィン性不飽和基を連続的に水素添加すること、かつ水素添加された重合体溶液を該反応器から連続的に取り出し、その一部を該反応器に連続的にリサイクルして水素添加することを特徴とする上記(1)の重合体の水素添加方法。
(3)水素を反応器の底部付近から供給する上記(2)の重合体の水素添加方法。
(4)反応器が槽型反応器であって、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を反応器の上部付近から供給すること、かつ水素添加された重合体溶液を該反応器の底部付近又は該反応器を出た後の配管から取り出し、その一部を該反応器にリサイクルして水素添加することを特徴とする上記(2)又は(3)の重合体の水素添加方法。
(5)反応器がL/Dが1以上8以下の攪拌装置付き槽型反応器である上記(2)〜(4)いずれかの重合体の水素添加方法(ここで、Lは反応器の上部タンジェントラインと下部タンジェントラインとの間の長さを意味し、Dは反応器の内径を意味する)。
(6)反応器が塔型反応器又は管型反応器であって、該反応器の底部付近からオレフィン性不飽和基含有重合体溶液を供給し、該反応器で水素添加された重合体溶液の一部を該反応器の上部付近又は該反応器から出た後の配管から連続的に取り出し、その一部を該反応器にリサイクルする上記(2)又は(3)の重合体の水素添加方法。
(7)水素添加触媒を2回以上に分けて供給して水素添加反応を行う上記(1)〜(6)いずれかの重合体の水素添加方法。
(8)直列に連結した2基以上の反応器からなる反応器群を用いること、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を該反応器群の第1段目の反応器に連続的に供給し、水素を該反応器群のうち少なくとも1基の反応器に供給して、該重合体のオレフィン性不飽和基を連続的に水素添加すること、かつ該反応器群の少なくとも1基の反応器で水素添加された重合体の溶液を連続的に取り出し、その一部を該反応器及び/又は該反応器よりも上流の反応器に連続的にリサイクルして水素添加することを特徴とする上記(1)の重合体の水素添加方法。
(9)水素を反応器群の少なくとも1基の反応器の底部付近から供給する上記(8)の重合体の水素添加方法。
(10)第1段目の反応器がL/Dが1以上8以下の攪拌装置付き槽型反応器であり、2段目以降の反応器がL/Dが1以上8以下の攪拌装置付き槽型反応器、L/Dが2以上の塔型反応器、L/Dが2以上の管型反応器から選ばれる少なくとも1種である上記(8)又は(9)の重合体の水素添加方法。
(11)少なくとも一つの反応器が槽型反応器であって、該反応器の上部付近からオレフィン性不飽和基含有重合体溶液を供給すること、かつ該反応器で水素添加された重合体溶液の一部を該反応器の底部付近又は該反応器から出た後の配管から連続的に取り出し、該反応器又は該反応器の上流の反応器にリサイクルすることを特徴とする上記(8)〜(10)いずれかの重合体の水素添加方法。
(12)少なくとも一つの反応器が塔型反応器又は管型反応器であって、該反応器の底部付近からオレフィン性不飽和基含有重合体溶液を供給すること、該反応器で水素添加された重合体溶液の一部を該反応器の上部付近又は該反応器から出た後の配管から連続的に取り出し、該反応器又は該反応器の上流の反応器にリサイクルすることを特徴とする上記(8)〜(10)いずれかの重合体の水素添加方法。
(13)第1段目の反応器に水素添加触媒の溶液を供給し、第2段目以降の反応器のうち少なくとも1基の反応器に水素添加触媒の溶液を更に追加供給する上記(8)〜(13)いずれかの重合体の水素添加方法。
(14)予めオレフィン性不飽和基含有重合体溶液を所望の水素添加率にまで水素添加した後、連続水素添加を開始する上記(2)〜(13)いずれかの重合体の水素添加方法。
(15)反応器に供給するオレフィン性不飽和基含有重合体とリサイクルされる水素添加重合体との質量比が1/50以上50/1以下である上記(1)〜(14)いずれかの重合体の水素添加方法。
(16)水素添加反応をバッチ式に行う上記(1)の重合体の水素添加方法。
(17)水素添加触媒を2回以上に分けて供給して水素添加反応を行う上記(16)の重合体の水素添加方法。
(18)水素添加触媒の2回目以降の供給時期を水素の吸収速度を測定することにより決定する上記(17)の重合体の水素添加方法。
(19)水素添加触媒の2回目以降の供給時期が、水素の吸収速度が反応開始時の水素の吸収速度の80%以下に低下したときである上記(18)の重合体の水素添加方法。
(20)2回目以降の水素添加触媒供給時の水素添加率が50%以上90%以下となるように、1回目に供給する水素添加触媒量を調節する上記(17)の重合体の水素添加方法。
(21)水素添加された重合体溶液を熱交換器を通してリサイクルする上記(1)〜(20)いずれかの重合体の水素添加方法。
(22)水素添加触媒がメタロセン系化合物である上記(1)〜(21)いずれかの重合体の水素添加方法。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一例(実施例1)を示す概念フロー図である。
図2は従来法の一例(比較例1)を示す概念フロー図である。
図3は本発明の一例(実施例2)を示す概念フロー図である。
図4は本発明の一例(実施例3)を示す概念フロー図である。
図5は本発明の一例(実施例4)を示す概念フロー図である。
図6は本発明の一例(実施例5)を示す概念フロー図である。
図7は本発明の一例(実施例11)を示す概念フロー図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液と水素とを水素添加触媒の存在下に接触させて該重合体のオレフィン性不飽和基を水素添加する方法であって、水素添加された重合体溶液の少なくとも一部をリサイクルして水素添加することを特徴とする。本発明のように水素添加されてはいるが、まだオレフィン性不飽和基を含有している重合体の少なくとも一部を、該重合体よりも水素添加率が低い重合体が水素添加される領域にリサイクルして両者の水素添加反応を行うと、水素添加反応が安定して進行し、所望の水素添加率の水素添加重合体を安定して得ることができることは従来知られていなかった。
本発明者らは、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液の水素添加では、重合体溶液の粘度が高いために、水素と重合体溶液との混合、接触が困難であり、単量体に比べて水素添加反応が進行しにくいことに着目し、検討を重ねた。その結果、水素添加されてはいるが、まだオレフィン性不飽和基を含有している重合体の一部をリサイクルして水素添加することによって、攪拌効果を高めることができることを見出し、安定して水素添加反応を行うことに成功した。また、メタロセン系触媒を用いる水素添加の場合には、触媒が温度上昇だけではなく、反応系の残存二重結合の減少によっても失活することをも発見し、二重結合を有する重合体溶液を反応系に戻すことにより、系内の二重結合を増やし、触媒の失活を抑制することで安定した水素添加反応を行うことに成功した。
本発明の方法は、予め反応器に供給したオレフィン性不飽和基含有重合体溶液のみを水素添加し、所望の水添率に達した後、系外に取り出すバッチ水素添加プロセスと、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を連続的に供給し、水素添加された重合体溶液を連続的に取り出す連続水素添加プロセスを包含する。これらのうち、連続水素添加プロセスは、重合体溶液の供給速度を調整することにより反応及び反応温度を制御しやすい点から好ましい。
本発明の水素添加反応は1基の反応器により行ってもよいし、2基以上の反応器によって行ってもよい。
1基の反応器を用いる場合には、水素との接触時間を長くし、かつ、重合体溶液が全く水素添加されずに取り出されることを防ぐという点から、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を反応器の上部付近から供給し、水素を反応器の底部付近又は重合体溶液のリサイクルラインに供給し、水素添加された重合体の溶液を該反応器の底部付近又は該反応器を出た後の配管から連続的に取り出し、該反応器にリサイクルして水素添加することが好ましい。なお、本発明において、上部付近、底部付近とは、上部及び上部寄りの位置、底部及び底部寄りの位置を各々包含する。水素添加された重合体の溶液をリサイクルする位置は、該反応器の下部のタンジェントラインより上、好ましくは下部のタンジェントラインからL/10以上上の位置が好ましい。ここで、Lは反応器の上部タンジェントラインと下部タンジェントラインとの間の長さを意味する(以下、同様)。
本発明の方法では、2基以上の反応器を直列に連結して使用することも可能である。この場合には、直列に連結した反応器群のうち少なくとも1基の反応器で水素添加された重合体溶液を該反応器及び/又は該反応器より上流の反応器にリサイクルして水素添加する。特に、1)第1段目の反応器で水素添加された重合体の溶液を第1段目の反応器にリサイクルする、2)第2段目の反応器で水素添加された重合体の溶液を第1段目及び/又は第2段目の反応器にリサイクルする、3)上記1)と2)を併用する、のいずれかの方法により行うことが好ましい。
リサイクルする重合体溶液は、水素添加される重合体溶液を反応器の上部付近から供給する場合は、該反応器の底部付近又は該反応器を出た後の配管から連続的に取り出し、該反応器又は他の反応器にリサイクルすることが好ましい。このようなリサイクル方法は、反応器が槽型反応器、塔型反応器、管型反応器の場合に好適である。この場合、水素添加された重合体の溶液をリサイクルする位置は、水素添加された重合体の溶液を抜き出す反応器においては該反応器の下部のタンジェントラインより上、好ましくは下部のタンジェントラインからL/10以上上の位置が好ましい。他の反応器にリサイクルする場合は特に位置の制限はない。
リサイクルする重合体溶液は、水素添加される重合体溶液を反応器の底部付近から供給する場合は、該反応器の上部付近又は該反応器を出た後の配管から連続的に取り出し、該反応器又は他の反応器にリサイクルすることが好ましい。このようなリサイクル方法は、反応器が塔型反応器又は管型反応器である場合に好適である。この場合、水素添加された重合体の溶液をリサイクルする位置は、水素添加された重合体の溶液を抜き出す反応器においては該反応器の上部のタンジェントラインより下、好ましくは上部のタンジェントラインからL/10以上下の位置が好ましい。他の反応器にリサイクルする場合は特に位置の制限はない。
本発明において、リサイクルする重合体溶液の量は特に制限はない。反応器から取り出された、水素添加された重合体溶液を全量リサイクルしてもよいし、その一部をリサイクルしてもよい。連続水素添加の場合には、反応器から取り出された、水素添加された重合体溶液の1/51以上50/51以下(質量比)をリサイクルすることが好ましい。バッチ水素添加の場合には水素添加された重合体溶液を全量リサイクルすることが好ましい。
反応器(リサイクル元)に供給され、水素添加されるオレフィン性不飽和基含有重合体に対する、該反応器(リサイクル元)から該反応器又は他の反応器(リサイクル先)にリサイクルされる重合体の割合(質量比)は、水素添加反応の安定性、得られる重合体の水素添加率の点から、1/50以上が好ましく、より好ましくは1/30以上、更に好ましくは1/25以上であり、商業生産性の点から、50/1以下が好ましく、より好ましくは30/1以下、更に好ましくは25/1以下である。この質量比はリサイクルされる重合体溶液の量を変えることや水素添加反応器へ供給する重合体溶液の量を変えることにより調節できる。
リサイクルされる重合体の水素添加率は、3%以上100%未満が好ましく、5%以上99.5%以下がより好ましく、10%以上99%以下が更に好ましい。ここで、水素添加率は後述の方法により測定できる。
本発明の方法では、リサイクルされる重合体の溶液を熱交換器が付設された配管を経由してリサイクルし、リサイクルされる重合体の溶液が供給される反応器の反応温度を制御しても良い。かかる方法は、反応器に設けられているジャケットや内部冷却コイルによる水素添加反応温度の制御が困難な場合や反応熱量の多い水素添加反応初期や粘度の高い重合体溶液の水素添加反応温度の制御に効果的である。
本発明におけるオレフィン性不飽和基含有重合体とは、水素添加される重合体であって、原料である、全く水素添加されていないオレフィン性不飽和基含有重合体はもちろんのこと、ある程度水素添加されたもので、オレフィン性不飽和基が残っている重合体をも包含する。
本発明でいうオレフィン性不飽和基含有重合体とは、共役ジエン重合体又は共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム若しくはテーパード若しくはブロック共重合体又はこれらを任意の割合で含む混合物であって、共役ジエンが1,4−結合、1,2結合または3,4−結合により該重合体中に組み込まれ、共役ジエンから由来するオレフィン性不飽和基を有するものである。オレフィン性不飽和基含有重合体中の共役ジエンユニットは、付加形態により1,2−付加あるいは3,4−付加、1,4−付加を包含するが、これらの割合は特に限定されず、すべての場合に本発明の方法が適用可能である。
共役ジエンとしては、炭素数4から20の共役ジエン、具体的には1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。工業的に有利に展開でき、物性の優れた弾性体を得る点からは、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。
本発明でオレフィン性不飽和基含有重合体が共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合体である場合、重合体中に含まれる共役ジエンとビニル芳香族化合物との割合は、質量比で5/95〜95/5であることが好ましい。
本発明に使用される共役ジエン重合体又は共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム若しくはテーパード共重合体の数平均分子量は、好ましくは10000〜3000000、更に好ましくは50000〜1500000である。
また、本発明に使用されるブロック共重合体は、下記一般式のいずれかで表されるブロック共重合体やそれらの任意の混合物を包含する。
(A−B)n、A−(B−A)n、B−(A−B)n
[(B−A)n]m+1−X、[(A−B)n]m+1−X
[(B−A)n−B]m+1−X、[(A−B)n−A]m+1−X
(上記の式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上であり、1〜5の整数が好ましい。Xは例えば四塩化ケイ素等の多価ハロゲン化有機ケイ素化合物、四塩化スズ等の多価ハロゲン化有機スズ化合物、エポキシ化大豆油、2〜6官能のエポキシ基含有化合物、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物、炭酸ジメチル等の炭酸ジアルキル類などのカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。mは1以上であり1〜10の整数であることが好ましい。)
上記の式において、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとは一般にビニル芳香族炭化水素を50wt%以上、好ましくは70wt%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示す。共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは一般に共役ジエンを50wt%以上、好ましくは70wt%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、テーパー状に分布していてもよい。又、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分とテーパー状に分布している部分とがそれぞれ複数個共存していてもよい。ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、好ましくは5000〜300000、より好ましくは7000〜200000である。共役ジエンを主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、好ましくは5000〜500000であり、より好ましくは10000〜300000である。ブロック共重合体全体としての数平均分子量は、好ましくは20000〜1000000、より好ましくは30000〜800000である。尚、本発明において、数平均分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めたものである。
オレフィン性不飽和基含有重合体は、例えば有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とする不活性炭化水素溶媒中の重合により得られる。ここで不活性炭化水素溶媒とはオレフィン性不飽和基含有重合体の重合や水素添加の際に反応に悪影響を与えない溶媒である。重合段階と水素添加反応段階で組成の異なる不活性炭化水素溶媒を用いても良いが、重合に引き続いて同じ不活性炭化水素溶媒中で水素添加が行われることが好ましい。好適な溶媒は、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭化水素類、また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素である。溶媒として芳香族炭化水素を用いる場合、芳香族二重結合が水素添加されない条件で使用することが好ましい。
オレフィン性不飽和基含有重合体の重合開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物には、脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等が含まれ、アルカリ金属にはリチウム、ナトリウム、カリウム等が含まれる。好適な有機アルカリ金属化合物は、炭素数1から20の脂肪族又は芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が含まれる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンの反応生成物等があげられる。さらに、米国特許5,708,092号公報に開示されている1−(t−ブトキシ)プロピルリチウムおよびその溶解性改善のために1〜数分子のイソプレンモノマーを挿入したリチウム化合物、英国特許2,241,239号公報に開示されている1−(t−ブチルジメチルシロキシ)ヘキシルリチウム等のシロキシ基含有アルキルリチウム、米国特許5,527,753号公報に開示されているアミノ基含有アルキルリチウム、ジイソプロピルアミドリチウムおよびヘキサメチルジシラジドリチウム等のアミノリチウム類も使用することができる。
有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として共役ジエンまたは共役ジエンとビニル芳香族化合物を重合してオレフィン性不飽和基含有重合体を製造する際に、共役ジエンのビニル構造(1,2または3,4結合)を増やすために第3級アミン化合物またはエーテル化合物を添加することができる。第3級アミン化合物としては一般式R1R2R3N(ただしR1、R2、R3は炭素数1から20の炭化水素基または第3級アミノ基を有する炭化水素基である)の化合物が挙げられる。たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジアミン等である。エーテル化合物は、直鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物のいずれでもよい。直鎖状エーテル化合物としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類が挙げられる。また、環状エーテル化合物としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5−ジメチルオキソラン、2,2,5,5−テトラメチルオキソラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、フルフリルアルコールのアルキルエーテル等が挙げられる。
オレフィン性不飽和基含有重合体は、バッチ式重合、連続式重合のいずれの方法によっても得られる。
オレフィン性不飽和基含有重合体は、高分子化又はゲル化の要因となるポリマー鎖間でのメタレーション反応等を抑制する点から、水素添加する前に、そのリビング成長末端を失活剤により予め失活させておくことが好ましい。また、失活させる代わりに分岐状あるいは星状重合体を形成する目的で一分子中に2個以上の官能基を有する多官能性化合物を加えても良い。
失活剤は特に限定されないが、水酸基、カルボニル基、エステル基、エポキシ基等の有機金属化合物と反応してアルコキシ金属類を生成するもの、ハロゲン化合物のようにハロゲン化金属類を生成するものが好ましい。また、場合によりエステル基、ケトン基、アルデヒド基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、酸無水物基を有する化合物や多価エポキシ化合物、多価ハロゲン化合物も使用できる。これらは重合体のアルカリ金属末端と反応させて重合体末端に極性基を付与したり、カップリングさせ分子量を増大させたり、分岐を生成させたりする目的で利用することもできる。失活剤の例としては、(多価)アルコール類、(多価)フェノール類、有機カルボン酸類、有機カルボン酸無水物類、有機カルボン酸エステル類、ケトン類、エポキシ化合物などの他、水、水素、炭酸ガスなどが挙げられ、これらは単独で使用しても二種以上混合しても構わない。
オレフィン性不飽和基含有重合体溶液の溶媒は、不活性炭化水素溶媒であって、オレフィン性不飽和基含有重合体の重合で使用できる溶媒と同様のものが挙げられる。
オレフィン性不飽和基含有重合体溶液の溶媒や重合で用いられる溶媒は、1−ブテンやイソブテンのようなブテン類等の不飽和基含有化合物を例えば30wt%以下の割合で含んでいても良いが、これらのブテン類の一部は水素添加されるため、水素添加反応に供する前に、フラッシング等の操作により、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液中のブテン類の割合をできるだけ下げた方が好ましい。
オレフィン性不飽和基含有重合体溶液中の重合体の濃度は、水素添加された重合体と溶媒を分離する後工程のエネルギー負荷、生産コストの点から、5wt%以上が好ましく、10wt%以上がより好ましい。また、水素、水素添加触媒などとの混合性や伝熱性の点から、40wt%以下が好ましく、30wt%以下がより好ましい。
本発明の方法で用いられる水素添加触媒は、特に制限がなく、(1)ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水素添加触媒、(2)ニッケル、コバルト、鉄、クロム等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水素添加触媒、(3)チタン、ルテニウム、ロジウム、ジルコニウム等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水素添加触媒を含む。これらのうち、好ましい水素添加触媒は、チタノセン化合物やチタノセン化合物と還元性有機金属化合物との混合物である。チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物を使用できる。具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格、又はフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも一つ以上有する化合物が挙げられる。還元性有機金属化合物としては有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物又は有機亜鉛化合物等が挙げられる。
本発明は、水素添加触媒としてメタロセン系化合物を用いる場合により効果が発揮される。メタロセン系水素添加触媒は、配位子として同一又は異なる2個の(置換)シクロペンタジエニル基を持つチタン、ジルコニウム、ハフニウム等の有機金属化合物であり、好ましくは還元性の有機金属化合物、例えばアルキルリチウム、アルキルナトリウム、アルキルカリウム、アルキルマグネシウム、アルキルアルミニウム、アルキル亜鉛等と用いられる。
メタロセン系化水素添加触媒の中でも、チタノセン系触媒が好ましい。チタノセン系触媒を用いる水素添加方法としては、例えば、特定のチタノセン化合物とアルキルリチウムを組み合わせて、オレフィン化合物を水素添加する方法(特開昭61−33132号公報、特開平1−53851号公報)、メタロセン化合物と有機アルミニウム、亜鉛、マグネシウムと組み合わせでオレフィン性不飽和(共)重合物を水素添加する方法(特開昭61−28507号公報、62−209103号公報)、特定のチタノセン化合物とアルキルリチウムとの組合せでオレフィン性不飽和基含有リビングポリマーを水素添加させる方法(特開昭61−47706号公報、特開昭63−5402号公報)、チタノセン化合物とトリメチルアルミニウムのメタラサイクル化合物であるTebbe試薬によるオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマー中のオレフィン性二重結合を水素添加する方法(特開平11−71426号公報)、チタノセン化合物を、特定された量のリチウムアルコキサイトと組み合わせオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマー中のオレフィン性二重結合を水素添加する方法(特開平1−275605号公報)等が好ましく、また水素添加条件も、この様な水素添加触媒に合わせた、各明細書に書かれた方法を用いることができる。
水素添加触媒の添加量は、オレフィン性不飽和基を効率よく水素添加する点から、オレフィン性不飽和基含有重合体100g当り0.001ミリモル以上であることが好ましい。また、水素添加反応後の触媒脱灰、除去や経済性の点から、オレフィン性不飽和基含有重合体100g当り5ミリモル以下が好ましい。より好ましい触媒添加量は、重合体100g当り0.002〜1ミリモル、さらに好ましくは重合体100g当り0.005〜0.2ミリモルである。
水素添加触媒は、一般に溶液の形で反応器に供給される。溶媒としては、水素添加の際に悪影響を与えないものであれば良く、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素類が用いられる。また、これらの溶媒中には、本発明の目的を損なわない範囲で、少量のテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等の環状および直鎖上エーテル類やトリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン類が含まれていても良い。水素添加触媒濃度は特に限定はない。例えば、水素添加触媒がメタロセン系化合物である場合、メタロセン錯体として1〜10wt%の濃度にして使用することが好ましい。溶解度がさらに高い場合には、濃度を濃くして使用しても構わない。
水素添加触媒はオレフィン性不飽和基含有重合体の溶液と別々に水素添加反応器に供給してもよいし、水素添加触媒を予めオレフィン性不飽和基含有重合体溶液あるいはリサイクルされる水素添加された重合体溶液と混合した後、反応器に供給してもよい。
水素添加触媒は、急激な発熱反応を抑え、水素添加反応をより安定化し、水素添加触媒の使用量を削減すると共に、水素添加反応に要する時間を短縮してより効率的な水素添加を行う点から、2回以上に分けて供給したり、反応器に連続的に添加したりすることが好ましい。このような添加方法は、特に、反応温度が高くなると触媒の分解や二量化等で失活しやすいメタロセン系水素添加触媒を使用する水素添加方法で効果を発揮する。また、工業的な大きな反応器では、除熱が困難であるので、このような添加方法による効果が顕著となる。
連続水素添加プロセスでは、オレフィン性不飽和基含有重合体の溶液と同様、水素添加触媒を連続的に反応器内に供給することが好ましい。その供給速度を調整することにより、反応および反応温度を比較的制御しやすいからである。また、水素添加触媒を2回以上に分けて供給することも好ましい。連続水素添加プロセスでは、例えば以下のような方法で水素添加触媒を添加することができる。1基の水素添加反応器を使用する場合は、該反応器に水素添加触媒の溶液を連続的に供給する。直列に連結した2基以上の水素添加反応器を使用する場合は、第1段目の反応器に水素添加触媒の溶液を連続的に供給する、或いは第1段目の反応器に水素添加触媒の溶液を連続的に供給し、更に第2段目以降の反応器のうち少なくとも1基の反応器に水素添加触媒の溶液を連続的あるいは断続的に追加供給する。追加供給する水素添加触媒の量は、各反応器での目標水素添加率を達成するために適宜設定することができる。
バッチ水素添加プロセスでは、反応初期の激しい水素添加反応を抑制し、反応温度を制御するために、水素添加触媒を一度に全量添加するのでなく、少量づつ複数回に分けて添加するか、少量ずつ連続的あるいは断続的に添加することが好ましい。
水素添加触媒を2回以上に分けて供給する場合に、1回目に添加する水素添加触媒量は、一度の触媒添加で水素添加反応が完結する通常使用量を添加する必要はなく、むしろその量より少ないことが望ましい。好ましくは、水素添加率が50%以上かつ90%以下となる量を供給する。例えば、通常使用量の70%以下が好ましく、更に好ましくは50%以下である。このような少量の触媒量の場合には水素添加反応は途中で停止してしまうが、追加する触媒で反応は継続し、結果として少ない水素添加触媒使用量で、短時間で水素添加反応を完了することができる。
水素添加触媒を2回以上に分けて供給する場合、水素添加触媒の追加時期は、水素の吸収速度から判断することが好ましい。水素の吸収速度は例えば反応器に加えた水素の量を測定することにより求められ、反応器の圧力、温度が変動する場合には圧力、温度を補正して、反応器に残存する水素量を算出し、反応器に加えた水素の量から加減することにより求められる。さらに、水素添加反応の制御がやや困難にはなるが、予め反応器に必要量の水素を仕込んでおき、反応器の圧力低下から測定することも可能である。
水素添加触媒を2回以上に分けて供給する場合、触媒の添加量、水素添加反応時間の点から、2回目以降の供給時期は、水素の吸収速度が反応開始時の水素の吸収速度に対して80%以下に低下した時点が好ましく、更に好ましくは60%以下に低下した時点である。ここで、反応開始時の吸収速度とは、水素添加反応開始後、水素の吸収速度が安定した時点での吸収速度を示す。通常、水素添加反応開始後、数分程度で安定した水素の吸収速度を示す。水素添加率が所定の値を越えていれば、水素の吸収速度が低下していても更に水素添加触媒を添加する必要は無いが、高い水素添加率を得るために更に少量の水素添加触媒を添加しても良い。
上記のような触媒添加方法は、メタロセン系水素添加触媒を使用する場合に特に有用である。水素添加触媒として、メタロセン系化合物を使用しオレフィン性不飽和基含有重合体を水素添加する方法では、水素添加反応速度は水素添加反応の進行に依存せず、ほぼ一定の速度で推移し、反応後半はむしろ加速する傾向がある。このため、水素の吸収速度を観測することで水素添加触媒の劣化の程度が推定でき、触媒の追加の必要性、追加の時期を的確に判断することができる。
水素添加触媒の追加供給時期は、条件が同じなら再現性があることが多い。このような場合には、水素添加触媒の添加タイミングを1回或いは数回この方法で測定し、的確な追加の時期を確認したならば、この追加のタイミングを別の管理指標、例えば時間、水素添加率或いは反応温度等で代行させても良い。
本発明において追加する水素添加触媒の量は、オレフィン性不飽和基の残存量により適宜選択すれば良い。触媒追加の時点で残存オレフィン性不飽和基量が多ければ、多量に添加すれば良いし、少なければ少量添加すれば良い。具体的には最初に添加する触媒量の等量以下、好ましくは70%以下が良い。
水素添加触媒を2回以上に分けて供給する場合、供給回数に特に制限はないが、水素添加反応の安定性、操作性の点から、最初の1回を含めて、好ましくは2〜10回、更に好ましくは2〜5回に分けて添加することが好ましい。
水素添加触媒は、1回目の供給分は共役ジエン系の重合体と混合した後で活性化しても良いが、追加供給分は、水素添加活性を発現した後か水素雰囲気で直ちに活性化する状態で添加することが好ましい。
初回供給分の水素添加触媒と追加供給分の水素添加触媒とは異なるものでも構わないが、同じものの方が運転の簡便性から望ましい。
本発明の水素添加反応は、水素雰囲気下で行われる。水素は、好ましくはガス状でオレフィン性不飽和基含有重合体溶液中に供給される。本発明の目的を害さない範囲で、窒素、アルゴン等のような不活性ガスが含まれていても良い。ここで、不活性ガスとは水素添加触媒と反応せず、触媒の失活を引き起こさないガスのことを言う。
水素は、オレフィン性不飽和基含有重合体と効率よく接触させるために、液相中に細かく分散させて供給することが好ましい。水素を液相中に効果的に細かく分散させるために、アトマイザーのような設備を使用することも可能である。水素は、反応器の底部付近から供給することが好ましい。また、未反応水素を回収しリサイクルすることが、生産コスト上好ましい。例えば、供給された水素のうち、未反応の水素を反応器の気相より溶剤蒸気とともに回収し、溶剤回収タンクにて溶剤と水素を分離した後、コンプレッサーにて加圧後リサイクルすることもできる。さらに、水素添加後の重合体溶液中に溶解していた水素もフラッシュタンク等を通じて水素を分離回収しコンプレッサーにて加圧後リサイクルすることもできる。
水素添加反応に使用される水素の圧力は、水素添加の速度の点から、0.1MPa以上が好ましく、副反応の抑制や水素添加反応器の耐圧強度等設備コストの点から、15MPa以下が好ましい。水素圧力は、より好ましくは0.2MPa以上10MPa以下、更に好ましくは0.3MPa以上5MPa以下である。最適水素圧力は触媒添加量等との相関で選択され、実質的には前記好適触媒添加量が少量になるに従って水素圧力は高圧側を選択して実施するのが好ましい。また、水素添加圧力は所望の水素添加率によって上記範囲内で適宜選択して実施される。なお、直列に連結した2基以上の反応器を用いる場合、各反応器の圧力は同一でも、或いは異なっていても良い。一般的には、重合体溶液の移送をスムーズに行うため、反応器間の圧力差が小さい方が好ましく、例えば反応器間の圧力差は好ましくは2MPa以下、より好ましくは1MPa以下、更に好ましくは0.5MPa以下である。
水素添加反応器としては、例えば、槽型反応器、塔型反応器、管型反応器等が使用でき、特に制限は無い。水素添加反応器として1基の反応器を用いる場合は、L/Dが1〜8の攪拌装置付き槽型反応器を用いることが好ましい。ここでLは反応器の上部のタンジェントラインと下部のタンジェントラインの間の長さを意味し、Dは反応器の内径を意味する。また、複数の反応器を連結して使用する場合には、第1段目の反応器としてL/Dが1〜8の攪拌装置付き槽型反応器を用い、第2段目以降の反応器としてL/Dが1〜8の攪拌装置付き槽型反応器、L/Dが2以上、好ましくは3以上、更に好ましくは5以上の塔型反応器又は管型反応器から選ばれる反応器を用いることが好ましい。塔型反応器又は管型反応器の場合、水素添加率分布をできるだけ狭くし、比較的均一な水素添加率のポリマーを得るためには、L/Dの大きな反応器を選ぶことが好ましい。このような目的で、ループ型反応器のようにL/Dが極めて大きいものでも使用できる。塔型反応器又は管型反応器のL/Dは、操作性、反応器内の清掃作業性の面から工業的には50以下が好ましく、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
反応器の攪拌装置については特に制限はないが、供給された水素を迅速にオレフィン性不飽和基含有重合体と接触させる目的で、攪拌下で水素添加反応を行わせることがより好ましく、攪拌能力の高い攪拌装置付きの反応器を使用することが好ましい。特にバッチ水素添加における反応初期や生産速度の高い連続水素添加時のように水素消費量が多い場合には、水素添加反応の均一性、反応熱の除去、局部的な異常反応の防止の点から、攪拌下で水素添加反応を行わせることが好ましい。攪拌装置としてはタービン型、パドル型、スクリュー型、アンカー型、フルゾーン型、スタティック型等いかなる型のものでも使用できるが、一般に液相中に気体を細かく分散させるためには、ディスクタービンまたはパドル型の攪拌装置が効率的であり、最も好ましい。また、攪拌速度を大きくできない場合は、環状スパージャーを攪拌翼直下に取り付けることが有効な手段となる。攪拌翼は垂直方向に多段階に配置することができる。更に反応器内には必要に応じて目皿、邪魔板等を設けても良い。管型反応器の場合は、スタティック型の攪拌装置が好ましい。また、配管の途中にスタティックミキサー状のエレメントを設置してもよい。
水素添加反応の温度は、触媒の種類等により適宜選択すればよいが、反応速度や触媒の使用量の点から0℃以上であることが好ましく、副反応やポリマー鎖の分解、ゲル化を抑制する点や触媒活性の点から、200℃以下が好ましい。より好ましい温度範囲は30℃以上150℃以下、更に好ましい温度範囲は50℃以上130℃以下である。
連続水素添加プロセスの場合の水素添加反応における平均滞留時間は、運転の安定性、生産性、目標とする水素添加率を勘案して適宜選択すればよいが、一般的に3分以上10時間以下が好ましく、より好ましくは10分以上5時間以下、更に好ましくは30分以上3時間以下である。
連続水素添加プロセスの場合、予め、反応器内でオレフィン性不飽和基含有重合体を水素添加し、所望の水素添加率にした後、連続水素添加をスタートさせると運転初期から目的とする水素添加率の重合体が得られるため好ましい。一方、最初から連続水素添加する方法により水素添加率の高い重合体を得ようとする場合で、運転初期に目的とする水素添加率以外の重合体が大量に得られた場合には、重合体の処理を行うことが好ましい。
本発明の方法により得られる水素添加重合体の水素添加率は、目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。オレフィン性不飽和基含有重合体に含まれるオレフィン性不飽和基のほぼ全て(1H−NMRで測定した水素添加率で95%以上、好ましくは98%以上)が水素添加されていても良いし、一部のみが水素添加されていても良い。一部のみを水素添加する場合には、水素添加率が3%以上95%未満、又は5%以上90%未満、所望によっては10%以上85%以下になるように、反応器に供給する水素の供給量で制御する方法が好ましいが、所望の水素添加率に達した時点で水素添加触媒を失活させる方法等によっても可能である。水素添加率を3%以上95%未満に制御する場合、水素添加率を95%以上にする場合に比較して触媒量が後者の9割以下、更には8割以下、6割以下でも所望の水素添加率が達成できると言う特徴がある。なお、水素添加率は、1H−NMRを利用して容易に測定できる。また、水素添加率は、便宜的にFT−IRを利用して水素添加前の重合体と比較することで測定することも可能である。
本発明の方法により水素添加反応を行った重合体溶液からは、必要に応じて触媒残査を除去し、水素添加された重合体を溶液から分離することができる。分離の方法としては、例えば水素添加後の反応液にアセトンまたはアルコール等の水素添加重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、または直接反応液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜5、11及び比較例1の概念フロー図を図1〜7に示す。これらの図中、1、1'は水素添加触媒の供給ライン、2はオレフィン性不飽和基含有重合体溶液の供給ライン、3、3'、3”は水素の供給ライン、4は水素添加された重合体溶液の排出ライン、5、5'は水素添加された重合体溶液のリサイクルライン、6、6'、6”は反応器、7、7'は熱交換器を各々示す。
本実施例、比較例中の物性の測定方法、重合体、水素添加触媒の調整例を以下に示す。
1)オレフィン性不飽和基含有重合体の物性測定
1−1)スチレン含量:紫外線分光光度計(日立社製 UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
1−2)ピーク分子量及び組成比:GPC(島津製作所社製、型式LC−10AD)で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。ピーク分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレン(アメリカンポリマースタンダーズコーポレーション社製、商品名:ポリスチレンスタンダーズ)の測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた。又、重合体が複数の成分から成る場合の組成比は、クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求めた。
1−3)ビニル結合及び水素添加率
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
2)オレフィン性不飽和基含有重合体の調製例
2−1)重合体A
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間、さらにスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。その後、メタノールを添加して反応を停止し、スチレン含量が20wt%、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が40wt%、数平均分子量が10万であるブロック共重合体を得た。
2−2)重合体B
重合体Aと同様の方法で重合を行い、スチレン含量が30wt%、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が45wt%、数平均分子量が30万のブロック共重合体を得た。
2−3)重合体C
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン30質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。その後、ジクロルジメチルシランを添加してカップリング反応させた。一部失活していないポリマーはメタノールを添加して反応を停止した。得られた重合体は、スチレン含量が30wt%、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が40wt%、カップリングした高分子成分の分子量が14万でその含有率が30wt%、カップリングしなかった低分子量成分の分子量が7万でその含有率が70wt%のブロック共重合体であった。
2−4)重合体D
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したブタジエン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を加え、次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加して70℃で1時間重合した後、予め精製したスチレン17.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。1時間重合した後、予め精製したブタジエン55質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合し、その後さらにスチレン17.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。その後、メタノールを添加して反応を停止し、スチレン含量が40wt%、ポリプタジエン部の1、2ビニル結合量が50wt%、数平均分子量が15万のブロック共重合体を得た。
2−5)重合体E
n−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンの添加量を変えた以外は、重合体Aと同様の方法で重合を行い、スチレン含量が70wt%、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が30wt%、数平均分子量が6万のブロック共重合体を得た。
2−6)重合体F
テトラメチルエチレンジアミンの添加量を増加し、重合温度を30℃で行う以外は、重合体Aと同様の方法で重合を行い、スチレン含量が20wt%、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が75wt%、数平均分子量が20万のブロック共重合体を得た。
2−7)重合体G
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。次いでn−ブチルリチウムを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したイソプレン70質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間、さらに15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。得られた重合体は、スチレン含量が30wt%、ポリイソプレン部のビニル結合総量が5wt%、数平均分子量が35万のブロック共重合体であった。
2−8)重合体H
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したブタジエン20wt%を含むノルマルヘキサン溶液とn−ブチルリチウムのノルマルヘキサン溶液、テトラメチルエチレンジアミンを含むノルマルヘキサン溶液をそれぞれ反応器の底部から連続的に投入し、反応温度100℃、滞留時間約40分で連続重合した。得られた重合体溶液にメタノールを添加して反応を停止し、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が45wt%、数平均分子量が30万のポリブタジエン重合体を得た。
2−9)重合体I
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したブタジエンを15wt%含むシクロヘキサン溶液を投入した。反応器内の温度を50℃に調整した後、n−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加して約30分重合した。反応器内の温度上昇がなくなった時点で、四塩化シリカを添加してカップリングさせた。得られた重合体は、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が40wt%、カップリングした高分子成分の分子量が約45万でその含有率が75wt%、カップリングしなかった低分子量成分の分子量が約12万でその含有率が25wt%のポリブタジエン重合体であった。
2−10)重合体J
16m3の撹拌機付き反応器中にシクロヘキサン4.3トン、スチレンモノマー0.20トンを入れた後、15wt%n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液4.8Kg、更にテトラメチルエチレンジアミン0.62Kgを加え、初期温度を70℃に設定し撹拌下で40分間重合した。次いで、1,3ブタジエンモノマーを0.924トンを含むシクロヘキサン溶液を追加し、1時間重合した。更にスチレンモノマーを0.20トンを含むシクロヘキサン溶液を追加し40分間重合した。得られた重合体は、結合スチレン含有量30wt%、ブロックスチレン含有量30wt%、ブタジエン単位の1,2−ビニル結合含有量37wt%であり、数平均分子量が約23万であるスチレン−ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体であった。
2−11)重合体K
16m3の撹拌機付き反応器中にシクロヘキサン3.88トン、スチレンモノマー0.264トンを入れた後、15wt%n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液17Kgを加え、更にテトラメチルエチレンジアミン2.1Kgを加え、初期温度を70℃に設定し撹拌下で30分重合した。次いで、1,3ブタジエンモノマーを1.242トン含むシクロヘキサン溶液を追加し45分間重合した。更にスチレンモノマーを0.264トン含むシクロヘキサン溶液を追加し30分間重合した。得られた重合体は、結合スチレン含有量30wt%、ブロックスチレン含有量30wt%、ブタジエン単位の1,2−ビニル結合含有量51wt%である数平均分子量が約6.1万のスチレン−ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体であった。
3)水素添加触媒の調製例
水素添加触媒は、下記の方法で調製した溶液を使用した。
3−1)水素添加触媒I(TPM/Li)
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1000の1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合量約85%)150グラムを溶解した後、n−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミリモルを添加攪拌して室温で保存した。
3−2)水素添加触媒II(Tebbe試薬)
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
3−3)水素添加触媒III(TPM/Mg)
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1000の液状1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合量約85%)80グラムを溶解した後、ジブチルマグネシウム20ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加し、室温で保存した。
3−4)水素添加触媒IV(Tebbe試薬)
特開平11−71426号公報に記載の方法に準拠した方法により水素添加触媒の調製を行った。ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド(TC)5Kgをシクロヘキサン70.1Kgに添加し、撹拌後、10%トリメチルアルミニウム(TMAL)溶液24.9Kgを追加し72時間反応させ、水素添加触媒(Tebbe試薬)溶液として調製した。
3−5)水素添加触媒V(TPM/Li)
特開平8−33846号公報に記載の方法に準拠した方法により調整した水素添加触媒を加えた。すなわち、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)(TPM)6Kgをシクロヘキサン526Kg中に溶解し、液状1,2ポリブタジエン60Kgを添加した後、15%ブチルリチウム溶液を7.1Kg添加、更にはエタノール0.6Kgを添加し反応させ、水素添加触媒(TPM/Li)として調製した。
[実施例1(連続水素添加プロセス)]
内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器にオレフィン性不飽和基含有重合体1576グラムを含む重合体Aの溶液10.5リットルを仕込み、温度を70℃に昇温した。次に内部を水素置換した後、反応器内の圧力を水素で約1MPa(ゲージ圧)に昇圧し、攪拌しながらTi量が1.64ミリモルとなるように水素添加触媒Iの溶液を添加するとともに反応器内の圧力が1MPaになるように水素を1時間供給した。このポリマーを少量サンプリングしたところ、ブタジエンに起因するオレフィン性不飽和基の水素添加率は98%であった。
次に重合体Aの溶液を約120ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約18グラム/分)の流量で、水素添加触媒Iの溶液をTi量が約30マイクロモル/分となるような流量で上記の反応器の上部からそれぞれ供給するとともに、反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約600ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約90グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を反応器の下部のタンジェントラインから上側L/4の位置にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Aの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/4となるように調整した。なお、反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して反応器の温度が90℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を反応器の底部に供給した。この概念フロー図を図1に示す。
反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を脱ガス槽に供給し、溶液中に含まれる水素を脱気して水素添加重合体を得た。
上記の方法で連続水素添加を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、97.5〜99.5%に維持されており、極めて安定していた。
[比較例1(連続水素添加プロセス)]
実施例1において反応器の底部から抜き出す水素添加重合体のリサイクルを行わない以外は、実施例1と同様の方法で連続水素添加を行った。この概念フロー図を図2に示す。水素添加反応の温度は、反応器に付設されているジャケットで調整するようにしたが、反応温度が上昇し、安定した反応温度にコントロールすることが難しかった。また、連続水素添加反応で得られた水素添加重合体の水素添加率も85〜93%であり、不安定な水素添加反応であった。
[実施例2(連続水素添加プロセス)]
内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器にオレフィン性不飽和基含有重合体1576グラムを含む重合体Bの溶液10.5リットルを仕込み、温度を70℃に昇温した。次に内部を水素置換した後、反応器内の圧力を水素で約1MPa(ゲージ圧)に昇圧し、攪拌しながらTi量が3.28ミリモルとなるように水素添加触媒Iの溶液を添加するとともに反応器内の圧力が1MPaになるように水素を1時間供給した。このポリマーを少量サンプリングしたところ、ブタジエンに起因するオレフィン性不飽和基の水素添加率は98%であった。
次に、上記の反応器を第1段目の反応器とし、該反応器に連結された内容積が15リットル、L/Dが6の攪拌装置付き槽型反応器を第2段目の反応器として用い、直列に連結された2基の反応器による連続水素添加反応を行った。
まず、上記の第1段目の反応器に、重合体Bの溶液を約100ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約15グラム/分)の流量で、水素添加触媒Iの溶液をTi量が約22マイクロモル/分となるような流量で上記の反応器の上部からそれぞれ供給するとともに、反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約2リットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約300グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を第1段目の反応器の下部のタンジェントラインから上側L/2の位置にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Bの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/19になるように調整した。なお、第1段目の反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、第1段目の反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して反応器の温度が110℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第1段目の反応器の底部に供給した。
第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を第2段目の反応器の上部から供給するとともに、第2段目の反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約100ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約15グラム/分)の流量で抜き出した。第2段目の反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、第2段目の反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。
尚、第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液には、水素添加触媒Iの溶液を約8マイクロモル/分の流量で添加し、混合して第2段目の反応器に供給した。水素添加反応の温度は、第2段目の反応器に付設されたジャケットにより反応器の温度が110℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第2段目の反応器の底部に供給した。この概念フロー図を図3に示す。
第2段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を脱ガス槽に供給し、溶液中に含まれる水素を脱気して水素添加重合体を得た。
上記の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が80〜93%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が97.5〜99.5%に維持されており極めて安定していた。
[実施例3(連続水素添加プロセス)]
内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器にオレフィン性不飽和基含有重合体1576グラムを含む重合体Cの溶液10.5リットルを仕込み、温度を70℃に昇温した。次に内部を水素置換した後、反応器内の圧力を水素で約1MPa(ゲージ圧)に昇圧し、攪拌しながら水素添加触媒IIの溶液をTi量が1.64ミリモルとなるように添加するとともに反応器内の圧力が1MPaになるように水素を1時間供給した。このポリマーを少量サンプリングしたところ、ブタジエンに起因するオレフィン性不飽和基の水素添加率は98%であった。
次に、上記の反応器を第1段目の反応器とし、該反応器に連結された内容積が10リットル、L/Dが15の管型反応器を第2段目の反応器として用い、直列に連結された2基の反応器による連続水素添加反応を行った。なお、管型反応器の内部にはスタティックミキサーを設置した。
まず、上記の第1段目の反応器に、重合体Cの溶液を約180ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約27グラム/分)の流量で、水素添加触媒IIの溶液をTi量が約17マイクロモル/分となるような流量で上記の反応器の上部からそれぞれ供給するとともに、反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約760ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約108グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を第1段目の反応器の下部のタンジェントラインから上側L/4の位置にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Cの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/3になるように調整した。なお、第1段目の反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、第1段目の反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して反応器の温度が90℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1.5MPaになるように水素を第1段目の反応器の底部に供給した。
第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を第2段目の反応器の底部から供給するとともに、第2段目の反応器の上部から水素添加された重合体の溶液を約760ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約108グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を第2段目の反応器の下部にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Cの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/3になるように調整した。尚、第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液には、水素添加触媒IIの溶液をTi量が約8マイクロモル/分となるような流量で添加し、混合して第2段目の反応器に供給した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して反応器の温度が90℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1.5MPaになるように水素を第2段目の反応器の底部に供給した。この概念フロー図を図4に示す。
第2段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液は脱ガス槽に供給し、溶液中に含まれる水素を脱気して水素添加重合体を得た。
上記の方法で連続水素添加反応を約10時間継続したが、この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が85〜95%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が98%以上に維持されており極めて安定していた。
[実施例4(連続水素添加プロセス)]
内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器にオレフィン性不飽和基含有重合体1576グラムを含む重合体Dの溶液10.5リットルを仕込み、温度を70℃に昇温した。次に内部を水素置換した後、反応器内の圧力を水素で約1MPa(ゲージ圧)に昇圧し、攪拌しながら水素添加触媒IIの溶液をTi量が1.64ミリモルとなるように添加するとともに反応器内の圧力が1MPaになるように水素を1時間供給した。このポリマーを少量サンプリングしたところ、ブタジエンに起因するオレフィン性不飽和基の水素添加率は98%であった。
次に、上記の反応器を第1段目の反応器とし、核反応器に連結された内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器を第2段目の反応器とし、更に内容積が10リットル、L/Dが15の管型反応器を第3段目の反応器として用い、直列に連結された3基の反応器による連続水素添加反応を行った。
まず、上記の第1段目の反応器に、重合体Dの溶液を約180ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約27グラム/分)の流量で、水素添加触媒IIの溶液をTi量が約12マイクロモル/分となるような流量で上記の反応器の上部からそれぞれ供給するとともに、反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約1.8リットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約270グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を第1段目の反応器の下部のタンジェントラインから上側L/8の位置にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Dの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/9になるように調整した。なお、第1段目の反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、第1段目の反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して第1段目の反応器の温度が110℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第1段目の反応器の底部に供給した。
第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を第2段目の反応器の上部から供給するとともに、第2段目の反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約760ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約108グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を第2段目の反応器の下部のタンジェントラインから上側L/8の位置にリサイクルした。リサイクル量は、第2段目の反応器に供給する重合体Dの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/3になるように調整した。なお、第2段目の反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、第2段目の反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。尚、第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液には、水素添加触媒IIの溶液をTi量が約6マイクロモル/分となるような流量で添加し、混合して第2段目の反応器に供給した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して第2段目の反応器の温度が110℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第2段目の反応器の底部に供給した。
第2段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を第3段目の反応器の底部から供給するとともに、第3段目の反応器の上部から水素添加された重合体の溶液を約180ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約27グラム/分)の流量で抜き出した。水素添加反応の温度は、第3段目の反応器に付設されたジャケットにより反応器の温度が110℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第3段目の反応器の底部に供給した。この概念フロー図を図5に示す。
第3段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液は脱ガス槽に供給し、溶液中に含まれる水素を脱気して水素添加重合体を得た。
上記の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が75〜85%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が90〜95%であり、第3段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が98%以上に維持されており極めて安定していた。
[実施例5(連続水素添加プロセス)]
内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器にオレフィン性不飽和基含有重合体1386グラムを含む重合体Hの溶液10.5リットルを仕込み、温度を70℃に昇温した。次に内部を水素置換した後、反応器内の圧力を水素で約1MPa(ゲージ圧)に昇圧し、攪拌しながら水素添加触媒IIの溶液をTi量が1.64ミリモルとなるように添加するとともに反応器内の圧力が1MPaになるように水素を1時間供給した。このポリマーを少量サンプリングしたところ、ブタジエンに起因するオレフィン性不飽和基の水素添加率は98%であった。
次に、上記の反応器を第1段目の反応器とし、該反応器に連結された内容積が10リットル、L/Dが15の管型反応器を第2段目の反応器として用い、直列に連結された2基の反応器による連続水素添加反応を行った。なお、管型反応器の内部にはスタティックミキサーを設置した。
まず、重合体Hの連続重合を行いながら、その連続重合された重合体H溶液を約200ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約26グラム/分)の流量で、上記の第1段目の反応器の上部から供給すると共に、水素添加触媒IIの溶液をTi量が約12マイクロモル/分となるような流量で、第1段目の反応器の上部からそれぞれ供給した。また、第1段目の反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約3.2リットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約422グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を第1段目の反応器の下部のタンジェントラインから上側L/8の位置にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Hの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/15になるように調整した。なお、第1段目の反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、第1段目の反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して第1段目の反応器の温度が90℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第1段目の反応器の底部に供給した。
第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液は第2段目の反応器の底部から供給した。尚、第1段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液には、水素添加触媒IIの溶液をTi量が約6マイクロモル/分となるような流量で添加し、混合して第2段目の反応器に供給した。水素添加反応の温度は、第2段目の反応器に付設されたジャケットにより反応器の温度が90℃に維持されるように調整した。反応器内の圧力は1MPaになるように水素を第2段目の反応器の底部に供給した。この概念フロー図を図6に示す。
第2段目の反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を脱ガス槽に供給し、溶液中に含まれる水素を脱気して水素添加重合体を得た。
上記の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が85〜95%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が98%以上に維持されており極めて安定していた。
[実施例6(連続水素添加プロセス)]
下記の方法により、水素添加率が約40%に制御された水素添加重合体を連続的に製造した。
まず、内容積が15リットル、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器にオレフィン性不飽和基含有重合体1244グラムを含む重合体Iの溶液10.5リットルを仕込み、温度を70℃に昇温した。次に内部を水素置換した後、反応器内の圧力を水素で約1MPa(ゲージ圧)に昇圧し、攪拌しながら水素添加触媒Iの溶液をTi量が0.66ミリモルとなるように添加するとともにブタジエンに起因するオレフィン性不飽和基の水素添加率が約40%になるように水素を供給して水素添加反応を行った。
次に重合体Iの溶液を約200ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約24グラム/分)の流量で、水素添加触媒Iの溶液をTi量が約12マイクロモル/分となるような流量で上記の反応器の上部からそれぞれ供給するとともに、反応器の底部から水素添加された重合体の溶液を約220ミリリットル/分(オレフィン性不飽和基含有重合体として約26グラム/分)の流量で抜き出し、その一部を反応器の下部のタンジェントラインから上側L/4の位置にリサイクルした。リサイクル量は、反応器に供給する重合体Iの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が10/1になるように調整した。なお、反応器の底部から抜き出す水素添加重合体の溶液量は、反応器内の溶液量が約10リットルに維持されるように調整した。水素添加反応の温度は、リサイクルされる水素添加重合体の溶液を熱交換器に通して除熱或いは必要に応じて加熱して反応器の温度が90℃に維持されるように調整した。また、連続水素添加反応における水素の供給量は、連続水素添加反応器に供給される重合体Iのオレフィン性不飽和基を完全に水素添加するのに必要な水素の約40%(0.178モル/分)を反応器の底部から供給した。連続水素添加反応器内の圧力は約0.5〜1MPaであった。この概念フロー図を図1に示す。
反応器から抜き出した水素添加重合体の溶液を脱ガス槽に供給し、溶液中に含まれる水素を脱気して水素添加重合体を得た。
上記の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、35〜45%に維持されており極めて安定していた。
[実施例7(連続水素添加プロセス)]
下記の方法により、水素添加率が約55%に制御された水素添加重合体を連続的に製造した。
重合体Bの代わりに重合体Eを用い、連続水素添加反応における水素の全供給量を、連続水素添加反応器に供給される重合体E中のオレフィン性不飽和基を完全に水素添加するのに必要な水素の約55%(0.046モル/分)を供給する以外は実施例2と同様の方法で連続水素添加反応を行った。尚、連続水素添加反応器内の圧力は約0.5〜1MPaであった。
上記の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が28〜38%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が50〜60%に維持されており極めて安定していた。
[実施例8(連続水素添加プロセス)]
重合体Cの代わりに重合体Fを使用する以外は、実施例3と同様の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が85〜95%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が98%以上に維持されており極めて安定していた。
[実施例9(連続水素添加プロセス)]
重合体Bの代わりに重合体Gを用い、水素添加触媒Iの代わりに水素添加触媒IIIを使用する以外は実施例2と同様の方法で連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、第1段目で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が80〜93%であり、第2段目の反応器で水素添加された水素添加重合体の水素添加率が97%以上に維持されており極めて安定していた。
[実施例10(連続水素添加プロセス)]
下記の方法により、水素添加率が約70%に制御された水素添加重合体を連続的に製造した。
連続水素添加反応における水素の供給量を、連続水素添加反応器に供給される重合体A中のオレフィン性不飽和基を完全に水素添加するのに必要な水素量の約70%(0.187モル/分)とし、かつリサイクル量を、反応器に供給する重合体Aの質量とリサイクルされる水素添加重合体の質量との比率が1/15となるように調整する以外は、実施例1と同様の方法で連続水素添加反応を行った。尚、連続水素添加反応器内の圧力は約0.5〜1MPaであった。
連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間65〜75%であり、極めて安定していた。
[実施例11(連続水素添加プロセス)]
実施例2の連続水素添加方法において、第1段目の反応器の底部から抜き出す水素添加された重合体の溶液の量を約2.2リットル/分の流量とし、その一部を第1段目の反応器の上部にリサイクルした。リサイクル量は、第1段目の反応器に供給する重合体Bの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率が1/10になるように調製した。また、第2段目の反応器の底部から抜き出した水素添加された重合体の溶液の一部を約100ミリリットル/分の流量(第1段目の反応器に供給する重合体Bの質量の、リサイクルされる水素添加重合体の質量に対する比率は1/1)で第2段目の反応器の下部のタンジェントラインから上側L/2の位置にリサイクルした。その他の条件は、実施例2と同様の方法で連続水素添加反応を行った。この概念フロー図を図7に示す。
連続水素添加反応を約10時間継続した。この間に得られた水素添加重合体の水素添加率は、連続水素添加反応開始から終了するまでの間、最終的に得られた水素添加された水素添加重合体の水素添加率は98%以上に維持されており極めて安定していた。
[実施例12(バッチ水素添加プロセス)]
重合体Jに、前処理として、エチルアルコールをn−ブチルリチウムのモル数の0.9倍分(10.1モル)加え、次いでこの重合体溶液を内容積が20m3、L/Dが3の攪拌装置付き槽型反応器に全量移送した。さらに該反応器に、精製乾燥したシクロヘキサンを加えて12wt%の重合体濃度のシクロヘキサン溶液に調整した後、撹拌下で反応器内を初期温度80℃に設定した。次に、反応器底部から重合体溶液を抜き出し、その全量を反応器の下部のタンジェントラインから上側L/8の位置に戻すことのできるリサイクルライン(熱交換器付き)を通じて、150m3/時の流量で循環した。このリサイクル操作は反応が終了するまで継続した。反応器内を水素ガスで置換し、更に0.7MPaの水素ガス加圧下とした。この重合体溶液に、水素添加触媒V(TPM/Li)を、Ti質量基準で重合体質量に対し20wtppm(Ti0.55モル相当)となるように反応容器内に添加し、水素添加を開始した。水素添加反応開始2分後に水素の吸収速度が安定し、7.2Nm3/分となった。なお、Nm3とは標準状態での体積を表す(以下、同様)。水素の吸収速度がスタート時の速度の70%(5.0Nm3/分)まで低下した時点で追加の触媒20wtppm(Ti0.55モル相当)を添加した。この時点の水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率は85.4%であった。さらに水素添加反応を継続し、水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率が100%となり、水素の重合体溶液への吸収も停止したので水素添加を終了し、NMR法により重合体の水素添加率を測定したところ99.7%であった。なお水素添加中の最高到達温度は92℃、反応に要した時間は42分であった。
[比較例2(バッチ水素添加プロセス)]
リサイクルラインを使用しなかったことを除いて実施例12と同様に水素添加反応を行った。追加の触媒を添加した時点の水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率は72.4%であった。反応開始後1時間を過ぎても水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率は88.1%であり、それ以上反応が進まなかった。なお、著しい反応熱を十分に除熱することができず、水素添加中の最高到達温度は123℃にまで達した。
[実施例13(バッチ水素添加プロセス)]
重合体Jに、前処理として、エチルアルコールをn−ブチルリチウムのモル数の0.9倍分(10.1モル)加え、次いでこの重合体溶液を内容積が20m3、L/Dが3の撹拌装置付き槽型反応器に全量移送した。更に該反応器に、精製乾燥したシクロヘキサンを加えて12wt%の重合体濃度のシクロヘキサン溶液に調整した後、撹拌下で反応器内を初期温度80℃に設定した。次に、反応器底部から重合体溶液を抜き出し、その全量を反応器の下部のタンジェントラインから上側L/8の位置に戻すことのできるリサイクルライン(熱交換器付き)を通じて、150m3/時の流量で循環した。このリサイクル操作は反応が終了するまで継続した。反応器内を水素ガスで置換し、更に0.7MPaの水素ガス加圧下とした。この重合体溶液に、水素添加触媒V(TPM/Li)を、Ti質量基準で重合体質量に対し15wtppm(Ti0.41モル相当)となるように反応容器内に添加し、水素添加を開始した。水素添加反応開始2分後に水素の吸収速度が安定し、5.8Nm3/分となった。
水素の吸収速度がスタート時の速度の70%(4.1Nm3/分)まで低下した時点で追加の触媒10wtppm(Ti0.28モル相当)を添加した。この時点の水素の消費量からみた重合体の水素添加率は80.1%であった。再度水素の吸収速度がスタート時の70%(4.1Nm3/分)まで低下したので追加の触媒5wtppm(Ti0.14モル相当)を添加した。この時点の水素の消費量から見た重合体の水素添加率は94.5%であった。さらに水素添加反応を継続し、水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率が100%となり、水素の重合体溶液への吸収も停止したので水素添加を終了し、NMR法により重合体の水素添加率を測定したところ99.9%であった。なお水素添加中の最高到達温度は90℃、反応に要した時間は39分であった。
[実施例14(バッチ水素添加プロセス)]
重合体Kに、前処理として、トリメチルクロルシランをn−ブチルリチウムのモル数の0.9倍分(35.8モル)加え、次いでこの重合体溶液を内容積が20m3、L/Dが3の撹拌装置付き槽型反応器に全量移送した。更に該撹拌装置付き反応器に、精製乾燥したシクロヘキサンを加えて17wt%の重合体濃度のシクロヘキサン溶液に調整した後、撹拌下で反応器内を初期温度80℃に設定した。次に、反応器底部から重合体溶液を抜き出し、その全量を、反応器の下部のタンジェントラインから上側L/8の位置に戻すことのできるリサイクルライン(熱交換器付き)を通じて、150m3/時の流量で循環した。このリサイクル操作は、反応が終了するまで継続した。反応器内を水素ガスで置換し、更に0.7MPaの水素ガス加圧下とした。この重合体溶液に、水素添加触媒IV(Tebbe試薬)をTi質量基準で重合体質量に対し12wtppm(Ti0.44モル相当)反応容器内に添加し、水素添加を開始した。水素添加反応開始2分後に水素の吸収速度が安定し、6.3Nm3/分となった。水素の吸収速度がスタート時の速度の50%(3.2Nm3/分)に低下した時点で追加の触媒(水素添加触媒IV)を5wtppm(Ti0.18モル相当)を添加した。この時点で水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率は82.0%であった。再度水素の吸収速度がスタート時の50%(3.2Nm3/分)に低下した時点で追加の触媒(水素添加触媒IV)を5wtppm(Ti0.18モル相当)を添加した。この時点の水素の吸収量からみた重合体の水素添加率は91.1%であった。更に水素の吸収速度がスタート時の速度の50%(3.2Nm3/分)に低下した時点で追加の触媒(水素添加触媒IV)を3wtppm(Ti0.11モル相当)を添加した。この時点の水素の吸収量からみた重合体の水素添加率は97.5%であった。さらに水素添加反応を継続し、水素ガスの消費量からみた重合体の水素添加率が100%となり、水素の重合体溶液への吸収も停止したので水素添加を終了し、NMR法により重合体の水素添加率を測定したところ100%であった。なお水素添加中の最高到達温度は90℃、反応に要した時間は38分であった。
産業上の利用可能性
本発明の方法によれば、オレフィン性不飽和基含有重合体と水素とを接触させてオレフィン性不飽和基を水素添加する際に、長期に渡り安定して所望の水素添加率を有する水素添加重合体を得ることができる。また、その結果、触媒使用量を従来よりも低減できる。
本発明の方法で得られた水素添加重合体は、そのままで或いは各種添加剤を配合した組成物として、シート、フィルム、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成型品、真空成形品、押出成形品、不織布や繊維状の成形品等多種多様の成形品として活用できる。これらの成形品は、食品包装材料、医療用器具材料、家電製品及びその部品、自動車部品・工業部品・家庭用品・玩具等の素材、履物用素材、粘・接着剤用素材、アスファルト改質剤などに利用できる。
Claims (21)
- オレフィン性不飽和基含有重合体溶液と水素とを水素添加触媒の存在下接触させて該重合体のオレフィン性不飽和基を水素添加する方法であって、水素添加された重合体溶液の少なくとも一部をリサイクルして水素添加することを特徴とする重合体の水素添加方法。
- オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を反応器に連続的に供給し、該重合体のオレフィン性不飽和基を連続的に水素添加すること、かつ水素添加された重合体溶液を該反応器から連続的に取り出し、その一部を該反応器に連続的にリサイクルして水素添加することを特徴とする請求項1記載の重合体の水素添加方法。
- 水素を反応器の底部付近から供給する請求項2記載の重合体の水素添加方法。
- 反応器が槽型反応器であって、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を反応器の上部付近から供給すること、かつ水素添加された重合体溶液を該反応器の底部付近又は該反応器を出た後の配管から取り出し、その一部を該反応器にリサイクルして水素添加することを特徴とする請求項2記載の重合体の水素添加方法。
- 反応器がL/Dが1以上8以下の攪拌装置付き槽型反応器である請求項2記載の重合体の水素添加方法(ここで、Lは反応器の上部タンジェントラインと下部タンジェントラインとの間の長さを意味し、Dは反応器の内径を意味する)。
- 反応器が塔型反応器又は管型反応器であって、該反応器の底部付近からオレフィン性不飽和基含有重合体溶液を供給すること、かつ該反応器で水素添加された重合体溶液の一部を該反応器の上部付近又は該反応器から出た後の配管から連続的に取り出し、その一部を該反応器にリサイクルすることを特徴とする請求項2記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加触媒を2回以上に分けて供給して水素添加反応を行う請求項1記載の重合体の水素添加方法。
- 直列に連結した2基以上の反応器からなる反応器群を用いること、オレフィン性不飽和基含有重合体溶液を該反応器群の第1段目の反応器に連続的に供給し、水素を該反応器群のうち少なくとも1基の反応器に供給して、該重合体のオレフィン性不飽和基を連続的に水素添加すること、かつ該反応器群の少なくとも1基の反応器で水素添加された重合体の溶液を連続的に取り出し、その一部を該反応器及び/又は該反応器よりも上流の反応器に連続的にリサイクルして水素添加する請求項1記載の重合体の水素添加方法。
- 水素を反応器群の少なくとも1基の反応器の底部付近から供給する請求項8記載の重合体の水素添加方法。
- 第1段目の反応器がL/Dが1以上8以下の攪拌装置付き槽型反応器であり、第2段目以降の反応器がL/Dが1以上8以下の攪拌装置付き槽型反応器、L/Dが2以上の塔型反応器、L/Dが2以上の管型反応器から選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の重合体の水素添加方法。
- 第1段目の反応器に水素添加触媒を供給し、第2段目以降の反応器のうち少なくとも1基の反応器に水素添加触媒を更に追加供給する請求項8記載の重合体の水素添加方法。
- 予めオレフィン性不飽和基含有重合体溶液を所望の水素添加率にまで水素添加した後、連続水素添加を開始する請求項2又は8記載の重合体の水素添加方法。
- 反応器に供給するオレフィン性不飽和基含有重合体とリサイクルされる水素添加重合体との質量比が1/50以上50/1以下である請求項1〜11のいずれかに記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加反応をバッチ式に行う請求項1記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加触媒を2回以上に分けて供給して水素添加反応を行う請求項14記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加触媒の2回目以降の供給時期を水素の吸収速度を測定することにより決定する請求項15記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加触媒の2回目以降の供給時期が、水素の吸収速度が反応開始時の水素の吸収速度の80%以下に低下したときである請求項16記載の重合体の水素添加方法。
- 2回目以降の水素添加触媒供給時の水素添加率が50%以上90%以下となるように、1回目に供給する水素添加触媒量を調節する請求項15記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加された重合体溶液を熱交換器を通してリサイクルする請求項1〜11、14〜18のいずれかに記載の重合体の水素添加方法。
- 水素添加触媒がメタロセン系化合物である請求項1、7、11、15〜18のいずれかに記載の重合体の水素添加方法。
- オレフィン性不飽和基含有重合体溶液と水素とを水素添加触媒の存在下接触させて該重合体のオレフィン性不飽和基を水素添加することにより水素添加重合体を製造する方法であって、水素添加された重合体溶液の少なくとも一部をリサイクルして水素添加することを特徴とする重合体の水素添加重合体の製造方法。
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