JP4246963B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン、あるいはジメチルエーテルを燃料とするエンジンやガスエンジンなどの内燃機関の潤滑に有用な潤滑油組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、低灰分含量、低リン含量、低硫黄含量、そして低塩素含量でありながらも高温清浄性および摩耗防止性能に優れ、パティキュレートフィルタや排出ガス浄化触媒への悪影響が少なく、近い将来実施が予測される排出ガス規制にも充分対応できる内燃機関用潤滑油組成物に関する。本発明は特に、走行用燃料として硫黄含有量約0.01重量%以下の炭化水素系燃料を用いる自動車、なかでも排出ガス浄化装置(特にパティキュレートフィルタまたは排出ガス浄化触媒)を備えたディーゼルエンジン搭載車において好適に用いられる、環境対応型の内燃機関用潤滑油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、特にディーゼルエンジンにおいては、パティキュレート(粒状物)及びNOXなどの排出ガス成分による環境汚染を軽減するための対策が重要な課題となっている。その対策としては、自動車にパティキュレートフィルタや排出ガス浄化触媒(酸化または還元触媒)などの排出ガス浄化装置を装着することが有力である。そのような排出ガス浄化装置を装着した自動車に従来の内燃機関用潤滑油を用いた場合に、パティキュレートフィルタに付着した煤は酸化、燃焼により取り除かれるものの、燃焼により生成した金属酸化物や硫酸塩、カルボン酸塩などによってフィルタが目詰りするという問題が生じている。
【0003】
燃料における硫黄分の存在は排出ガス中への硫酸もしくは硫酸塩の混入につながり、特に浄化触媒への悪影響を考慮すると極力減らす必要があり、近い将来、燃料の低硫黄化は一段と進むものと考えられている。ディーゼルエンジン搭載自動車用の軽油を例にとれば、その含有硫黄分は、現在の硫黄分の約0.05重量%から0.01重量%以下、そしてさらには0.001重量%前後まで減らされるものと予測される。燃料の低硫黄化が進めば、硫酸等を中和するために必要とされた潤滑油中の金属系清浄剤(金属含有清浄剤)の添加量を低減することができる。一方、潤滑油はエンジン中で潤滑に使用されると同時に、その一部は燃焼し、排出ガスとして排出される。従って、潤滑油中の金属分や硫黄分もまたできるだけ低くする方が好ましいことは当然である。さらに、潤滑油中のリン分および硫黄分も減らすことは触媒の劣化対策のうえで好ましい。また、ダイオキシン類の発生の可能性を考慮すると、潤滑油中の塩素分も極力低減することが好ましい。
【0004】
従来、自動車、建設機械、発電機等で用いられるディーゼル内燃機関は、硫黄分が約0.05重量%以上の燃料(軽油や重油)を用いて運転されることが一般的であって、ディーゼルエンジン用潤滑油としては、通常、硫酸灰分約1.3〜2重量%、硫黄分約0.3〜0.7重量%、リン分約0.1〜0.13重量%、のものが多くの場合用いられてきた。また、塩素分も50〜100重量ppm以上が一般的であった。
【0005】
特開2002−53888号公報には、低灰分量、低リン含量、低硫黄含量、低塩素含量であって、パティキュレートフィルタや酸化触媒などへの悪影響が少なく、かつ良好な高温清浄性を示し、将来の排出ガス規制に充分対応できる内燃機関用潤滑油組成物として、鉱油および/または合成油からなる硫黄含有量0.1重量%以下の基油に少なくとも、組成物の全重量に基づき、
a)アルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体である無灰性分散剤が窒素含有量換算値で0.01〜0.3重量%、
b)硫黄含有量が3重量%以下で全塩基価10〜350mgKOH/gの金属含有清浄剤が硫酸灰分換算値で0.1〜1重量%、
c)ジアルキルジチオリン酸亜鉛が、リン含有量換算値で0.01〜0.1重量%、そして
d)酸化防止性のフェノール化合物および/または酸化防止性のアミン化合物が0.01〜5重量%、
の量にて溶解もしくは分散されていて、組成物の全重量に基づき、硫酸灰分量が0.1〜1重量%の範囲、リン含有量が0.01〜0.1重量%の範囲、そして硫黄含有量が0.01〜0.3重量%の範囲にあって、塩素含有量が40ppm以下であり、さらに金属含有清浄剤に含まれる有機酸金属塩が組成物中に0.2〜7重量%存在することを特徴とする潤滑油組成物が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来用いられている潤滑油組成物に比べて、低灰分量、低リン含量、低硫黄含量かつ低塩素含量であって、パティキュレートフィルタや排出ガス浄化触媒などの排出ガス浄化装置への悪影響が低減され、かつ優れた高温清浄性および摩耗防止性能を示し、将来の排出ガス規制に充分対応できる内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
潤滑油組成物の開発を進める研究者や技術者にとっては一般に知られていることであるが、内燃機関用潤滑油組成物の単なる低灰分化、低リン化、低硫黄化は、潤滑油組成物に一般的に用いられている金属系清浄剤およびジチオリン酸亜鉛の添加量の削減を意味し、このことは高温清浄性や酸化安定性の低下をもたらしている。また、ジチオリン酸亜鉛の削減は摩耗防止性能の低下をもたらす。
【0008】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、潤滑油組成物に特定の無灰系酸化防止剤を添加すること、および金属系清浄剤(金属成分含有清浄剤)に含まれる有機酸金属塩(いわゆる石鹸成分またはソープ成分)を特定範囲の量にて存在させることに加えて、さらに特定のリン含有エステルを特定の範囲で添加することにより、高温清浄性や酸化安定性を低下させることなく、摩耗防止性能も高いレベルに維持できることを見い出した。すなわち、特定のリン含有エステルをジアルキルジチオリン酸亜鉛と特定の比率で組み合わせて用いることによって、得られた潤滑油組成物が、高温清浄性と摩耗防止性能の両面において優れていることを見い出し、本発明に到達したものである。
【0009】
従って、本発明は、潤滑油粘度の鉱油および/または合成油からなる硫黄含有量0.2重量%以下の基油に少なくとも、組成物の全重量に基づき、
a)アルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体である無灰性分散剤が、窒素含有量換算値で0.01〜0.3重量%、
b)硫黄含有量が3.5重量%以下で、全塩基価10〜350mgKOH/gの金属含有清浄剤が、硫酸灰分換算値で0.1〜1重量%、
c)ジアルキルジチオリン酸亜鉛が、リン含有量換算値で0.01〜0.1重量%、
d)アルキル基および/またはアリール基を有する、リン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル、ジチオリン酸トリエステル、および亜リン酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種のリン含有トリエステルが、リン含有量換算値で0.002〜0.05重量%、および
e)酸化防止剤として、モリブデン化合物が、0.01〜5重量%、
の量にて溶解もしくは分散されていて、ジアルキルジチオリン酸亜鉛とリン含有トリエステルとの比率が前者対後者のリン含有量比で20:1〜1:1の範囲にあり、そして組成物の全重量に基づき、硫酸灰分量が0.1〜1重量%の範囲、リン含有量が0.01〜0.1重量%の範囲、硫黄含有量が0.01〜0.5重量%の範囲、塩素含有量が40重量ppm以下であり、さらに金属含有清浄剤に含まれる有機酸金属塩が組成物中に0.2〜7重量%の範囲で存在することを特徴とする内燃機関の潤滑用の潤滑油組成物にある。
【0010】
また、本発明は、潤滑油粘度の鉱油および/または合成油からなる硫黄含有量0.2重量%以下の基油に少なくとも、アルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体である無灰性分散剤、金属含有清浄剤、モリブデン化合物である酸化防止剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、およびアルキル基および/またはアリール基を有する、リン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル、ジチオリン酸トリエステル、及び亜リン酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種のリン含有エステルが添加され、そしてジアルキルジチオリン酸亜鉛:リン含有トリエステルとの比率がリン含有量比で20:1〜1:1の範囲にある内燃機関の潤滑用の潤滑油組成物にもある。
【0011】
本発明の潤滑油組成物は、排気系にパティキュレートフィルタおよび/または排出ガス浄化触媒が装着されたディーゼルエンジンの潤滑に特に有利に利用できる。
【0012】
本発明の潤滑油組成物において、c)成分のジアルキルジチオリン酸亜鉛と、d)成分のリン含有トリエステルとの比率(前者対後者)は、リン含有量比で10:1〜2:1の範囲にあることが好ましい。
【0013】
本発明の潤滑油組成物において、a)成分の無灰性分散剤は、塩素含有量が40重量ppm以下(特に30重量ppm以下)の無灰性分散剤であることが好ましく、特に、少なくとも50%がメチルビニリデン構造を有する高反応性ポリブテンと無水マレイン酸とを熱反応法により反応させて得られたポリブテニルこはく酸無水物を、ポリアルキレンポリアミンと反応させて得られたこはく酸イミドあるいはその誘導体であることが好ましい。また、a)成分の無灰性分散剤に由来する窒素含有量とb)成分の金属含有清浄剤に由来する硫酸灰分量との比率(前者:後者)は、重量比で1:1〜1:20の範囲にあることが好ましい。
【0014】
本発明の潤滑油組成物において、e)成分の酸化防止剤はモリブデン化合物であり、モリブデン含有量換算値で30〜1000重量ppm含有することが好ましい。
【0015】
本発明の潤滑油組成物において、組成物の全重量に基づく硫酸灰分量は0.1〜0.6重量%の範囲にあることが好ましく、また組成物の全重量に基づく硫黄含有量は0.01〜0.35重量%の範囲にあることが好ましい。
【0016】
本発明の潤滑油組成物において、基油は、潤滑油粘度の鉱油系基油(鉱油起源の基油)であって、粘度指数が120以上、蒸発損失が15重量%以下、硫黄含有量が0.01重量%以下、そして芳香族含有量が10重量%以下である油、もしくは該油を10重量%以上含有する混合油であることが好ましい。そして、本発明の潤滑油組成物は、必要に応じて、粘度指数向上剤を添加して、SAE粘度グレードで0W30、5W30、10W30、0W20、あるいは5W20のマルチグレードエンジン油として用いることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
[基油]
本発明の潤滑油組成物における基油としては、通常、100℃における動粘度が2〜50mm2/sの鉱油および合成油が用いられる。鉱油および合成油の種類、並びにその他の性状については特に制限はないが、基油として、硫黄含有量が0.2重量%以下である必要がある。ただし、基油の硫黄含有量は、0.1重量%以下であることが望ましく、さらには0.03重量%以下であることが望ましく、特に0.005重量%以下であることが望ましい。
【0018】
鉱油系基油は、鉱油系潤滑油留分を溶剤精製あるいは水素化処理などの処理方法を適宜組み合わせて処理したものであることが望ましく、特に高度水素化精製(水素化分解)油(例えば、粘度指数が120以上、蒸発損失(ASTM D5800)が15重量%以下、硫黄含有量が0.01重量%以下、芳香族含有量が10重量%以下である油)が好ましく用いられる。あるいは、このような水素化分解油を10重量%以上含有する混合油も好ましく用いられる。この水素化分解油には、鉱油系スラックワックス(粗ろう)あるいは天然ガスから合成された合成ワックスを原料として異性化および水素化分解のプロセスで作られる高粘度指数(例えば、粘度指数が140以上、特に140〜150)の油も含まれる。水素化分解油は、低硫黄分、低蒸発性、残留炭素分が少ないなどの点から、本発明の目的上好ましいものである。
【0019】
合成油(合成潤滑油基油)としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるポリ−α−オレフィン、ジオクチルセバケートに代表されるセバシン酸、アゼライン酸、アジピン酸などの二塩基酸と炭素数4〜18のアルコールとのエステルであるジアルキルジエステル、1−トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールと炭素数3〜18の一塩基酸とのエステルであるポリオールエステル、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼンなどを挙げることができる。一般に合成油は、実質的に硫黄分を含まず、酸化安定性、耐熱性に優れ、一旦燃焼すると残留炭素や煤の生成が少ないので、本潤滑油組成物には好ましい。
【0020】
鉱油系基油および合成系基油は、それぞれ単独で使用することができるが、所望により、二種以上の鉱油系基油、あるいは二種以上の合成系基油を組み合わせて使用することもできる。また、所望により、鉱油系基油と合成系基油とを任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
【0021】
[添加剤]
a)無灰性分散剤
本発明の潤滑油組成物において無灰性分散剤としては、ポリオレフィンから誘導されるアルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体が用いられる。その添加量は、組成物の全重量に基づき窒素含有量換算値で、0.01〜0.3重量%の範囲にある。代表的なこはく酸イミドは、高分子量のアルケニルもしくはアルキル基で置換されたこはく酸無水物と、1分子当り平均4〜10個(好ましくは5〜7個)の窒素原子を含むポリアルキレンポリアミンとの反応により得ることができる。高分子量のアルケニルもしくはアルキル基は、数平均分子量が約900〜5000のポリオレフィンであることが好ましく、特にポリブテンであることが好ましい。
【0022】
ポリブテンと無水マレインとの反応によりポリブテニルこはく酸無水物を得る工程では、多くの場合、塩素を用いる塩素化法が用いられている。しかし、この方法では、反応率は良いものの、こはく酸イミド最終生成物中に多量の塩素(例えば約2000ppm)が残留する結果となる。一方、塩素を用いない熱反応法では、最終生成物中に残る塩素を極めて低いレベル(例えば40ppm以下)に抑えることができる。また、従来のポリブテン(β−オレフィン構造が主体である)に比べて、高反応性ポリブテン(少なくとも約50%がメチルビニリデン構造を有するもの)を用いると、熱反応法でも反応率が向上して有利である。この場合に、未反応のポリブテンが減るため、有効分(こはく酸イミド)濃度の高い分散剤を得ることができる。よって、好ましくは、高反応性ポリブテンを用いて熱反応法によりポリブテニルこはく酸無水物を得た後、このポリブテニルこはく酸無水物を、平均窒素原子数4〜10個(1分子当たり)のポリアルキレンポリアミンと反応させてこはく酸イミドを製造する。こはく酸イミドは、更にホウ酸、アルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルフェノール、環状カーボネート、有機酸等と反応させて、いわゆる変性こはく酸イミドにして用いることができる。特に、ホウ酸あるいはホウ素化合物との反応で得られるホウ素含有アルケニル(もしくはアルキル)こはく酸イミドは、熱・酸化安定性の面で有利である。
【0023】
本発明の潤滑油組成物は、アルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体を必須成分として含有するが、これら以外の無灰性分散剤であるアルケニルベンジルアミン系やアルケニルこはく酸エステル系の無灰性分散剤も適宜組み合わせて用いられる。
【0024】
b)金属系清浄剤
本発明の潤滑油組成物において金属系清浄剤(金属含有清浄剤)としては、硫黄含有量3.5重量%以下で全塩基価10〜350mgKOH/gの金属系清浄剤が、硫酸灰分換算値で0.1〜1重量%の範囲で用いられる。そして、上記無灰性分散剤に由来する窒素含有量と金属系清浄剤に由来する硫酸灰分量との比率(前者対後者)は、重量比で1:1〜1:20の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは1:2〜1:15の範囲にある。
【0025】
一般に金属系清浄剤としては、硫化フェネート、石油もしくは合成系スルホネート、サリシレートなどが用いられてきた。本発明の特徴である低灰分、低硫黄を実現し、高温清浄性を維持するためには、金属系清浄剤として、▲1▼硫黄含有量が小さい、▲2▼過塩基化度があまり高くない、▲3▼金属成分として原子番号が小さい金属(例えば有利な方からLi、Mg、Ca、Baの順)を含む、▲4▼金属に由来する塩基価以上の塩基価が期待できる(例えばアミン反応物)などの性状を持つ金属系清浄剤を用いることが望ましい。
【0026】
金属サリシレートは、通常、平均炭素原子数が約8〜30のα−オレフィンとフェノールの反応で得られたアルキルフェノールから、コルベ・シュミット反応を利用して製造されるアルキルサリチル酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩である。アルカリ土類金属塩は、通常、Na塩もしくはK塩を複分解法あるいは硫酸分解法等により、Ca塩、Mg塩に転換する。塩化カルシウム(CaCl2)等を用いる複分解法は、残留塩素が多くなるので、その点で好ましくない。また、アルキルフェノールを直接中和してCa塩にし、炭酸化工程で直接カルシウムサリシレートを得る方法もあるが、サリシレートへの変換率がコルベ・シュミット法に比べ劣る。よって、コルベ・シュミット法−硫酸分解法を経て製造される、全塩基価が30〜300mgKOH/g(更に好ましくは、30〜100mgKOH/g)の非硫化のアルキルサリシレート(アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩)が好ましい。
【0027】
また、金属系清浄剤として、炭素−窒素結合を有する有機酸あるいはフェノール誘導体のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩も本発明に有効である。一般にアミン化合物を反応させることにより、塩基性の窒素に由来する塩基価が得られ、低灰分でも高い塩基価が得られ有利となる。例えば、アミノカルボン酸の金属塩等の様々なものが考えられるが、マンニッヒ塩基構造を有する非硫化のアルキルフェネート(アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩)が有効である。この化合物は、通常、アルキルフェノール、ホルムアルデヒド、アミンあるいはアミン化合物を用い、マンニッヒ反応により合成し、フェノールの環のアミノメチル化により得られる反応物を水酸化カルシウム等の塩基で中和し、金属塩にすることによって得られる。具体的には、例えば、下記一般式で表される化合物(Rは炭素原子数8〜30のアルキル基であり、nは0あるいは正の整数である)が有効である。
【0028】
【化1】
【0029】
上記一般式の化合物の性状の一例としては、Ca=2.5重量%、N=1.6重量%、全塩基価=135mgKOH/gのものがあり、塩基性の窒素に由来する塩基価が全塩基価の50%近いことを示している。
【0030】
これまでに述べた金属系清浄剤の他に、石油スルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、あるいはアルキルオキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩であるスルホネートも有利に用いられる。高温清浄性の面からは、硫酸灰分を一定にしたとき、過塩基価度の小さいスルホネートが有利である。ただし、過塩基価度の小さいスルホネートは添加量が多くなり、硫黄含有量を増加させ、また添加量の割には全塩基価が大きくならないので、この点は注意を要する。先に述べたような非硫化のサリシレートやフェネート誘導体と組み合わせると、効果的である。
【0031】
従来用いられてきた硫化フェネートは、硫化アルキルフェノールのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩であって、通常、Ca塩あるいはMg塩が知られている。硫化フェネートは、耐熱性が良好であるが、硫化反応に起因する硫黄含有量が約3重量%を越えるものが多い。本発明においては、上述したような金属系清浄剤と組み合わせて、部分的に用いることができる。特に非硫化のサリシレートと組み合わせて用いると効果的である。
【0032】
潤滑油添加剤の代表的成分の一つとして知られている金属系清浄剤は、基油中に、有機酸金属塩(一般に石鹸分あるいはソープ分と呼ばれる)と、その有機酸金属塩の周囲に凝集した塩基性無機塩微粒子(例、炭酸カルシウム微粒子)とを分散状態で含む油性分散物である。潤滑油組成物への金属含有清浄剤の添加量を減らしても、有機酸金属塩の存在量が一定レベル以上に維持されていれば、その潤滑油組成物の高温清浄性(高温環境下でエンジン内部を清浄に維持する性能)の低下は少ないことが分かっている。本発明においては、金属系清浄剤中の有機酸金属塩は、組成物中に0.2〜7重量%の範囲で存在し、好ましくは0.4〜3重量%の範囲で存在する。
【0033】
c)ジアルキルジチオリン酸亜鉛
本発明の潤滑油組成物においてジアルキルジチオリン酸亜鉛は、リン含有量換算値で0.01〜0.1重量%の範囲で用いられるが、低リン含量と低硫黄含量の観点からは、0.01〜0.08重量%の範囲の量で用いられることが好ましい。
【0034】
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、炭素原子数3〜18のアルキル基を有することが望ましい。摩耗防止の面からは、炭素原子数3〜18の第二級アルコールから誘導された第二級アルキル基を含むジアルキルジチオリン酸亜鉛である。これに対して、炭素原子数3〜18の第一級アルコールから誘導された第一級アルキル基を含むジアルキルジチオリン酸亜鉛は耐熱性に優れる傾向がある。これらのジチオリン酸亜鉛は、単独で用いてもよいし、あるいは第二級アルキル基タイプのものおよび/または第一級アルキル基タイプのものを主体とする混合物で用いてもよい。また、必要に応じて、ジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛(例えば、ドデシルフェノールから誘導されたジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛)も用いることができる。なお、硫酸灰分量の少ない潤滑油組成物において、ジチオッリン酸亜鉛の増加は、摩耗防止性能の向上につながるが、一方で、高温清浄性の低下につながることがあり、またリン含有量だけでなく、硫酸灰分量および硫黄含有量もまた増加させるという問題がある。
【0035】
d)リン含有トリエステル
本発明の潤滑油組成物において、リン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル、ジチオリン酸トリエステルおよび亜リン酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種類のリン含有トリエステルが、リン含有量換算値で0.002〜0.05重量%の範囲で用いられる。低リン含量と低硫黄含量の観点からは、0.002〜0.03重量%の範囲の量で用いられることが好ましい。
【0036】
本発明では、高温清浄性と摩耗防止性能の両立の点から、リン含有トリエステルを用いる。一般的には、炭素原子数(平均炭素原子数)が約3〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基(特にフェニル基)、アルキルアリール基またはアリールアルキル基を有するリン酸トリエステル、チオリン酸トリエステルおよび亜リン酸トリエステルである。なお、ジエステルや酸性リン酸エステル・アミン塩は高温清浄性が劣る傾向にあり、場合により、金属(特に鉛)の腐食が発生する場合もある。
【0037】
そのようなリン酸トリエステルの例としては、脂肪族リン酸トリエステル、例えばトリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート;および芳香族リン酸トリエステル、例えばベンジルフェニルホスフェート、アリルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェートを挙げることができる。
【0038】
チオリン酸トリエステルの例としては、脂肪族チオリン酸トリエステル、例えばトリイソプロピルチオホスフェート、トリブチルチオホスフェート、エチルジブチルチオホスフェート、トリヘキシルチオホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルチオホスフェート、トリラウリルチオホスフェート、トリステアリルチオホスフェート、トリオレイルチオホスフェート;および芳香族チオリン酸トリエステル、例えばベンジルフェニルチオホスフェート、アリルジフェニルチオホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリクレジルチオホスフェート、エチルジフェニルチオホスフェート、クレジルジフェニルチオホスフェート、ジクレジルフェニルチオホスフェート、エチルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジエチルフェニルフェニルチオホスフェート、プロピルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルチオホスフェート、トリエチルフェニルチオホスフェート、トリプロピルフェニルチオホスフェート、ブチルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジブチルフェニルフェニルチオホスフェート、トリブチルフェニルチオホスフェートを挙げることができる。
【0039】
ジチオリン酸トリエステルの例としては、ドデシルフェニルジチオリン酸フェニルエチルエステルおよびジオクチルジチオリン酸フェニルエチルエステルを挙げることができる。
【0040】
亜リン酸トリエステルの例としては、脂肪族亜リン酸トリエステル、例えばトリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、エチルジブチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリ−2−エチルヘキシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイト;および芳香族亜リン酸トリエステル、例えばベンジルフェニルホスファイト、アリルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、エチルジフェニルホスファイト、トリブチルホスファイト、エチルジブチルホスファイト、クレジルジフェニルホスファイト、ジクレジルフェニルホスファイト、エチルフェニルジフェニルホスファイト、ジエチルフェニルフェニルホスファイト、プロピルフェニルジフェニルホスファイト、ジプロピルフェニルフェニルホスファイト、トリエチルフェニルホスファイト、トリプロピルフェニルホスファイト、ブチルフェニルジフェニルホスファイト、ジブチルフェニルフェニルホスファイト、トリブチルフェニルホスファイトを挙げることができる。
これらのリン含有トリエステルは、単独で使用してもよいし、あるいは二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0041】
本発明者は、上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛に金属分を含まないリン含有トリエステルを組み合わせて潤滑油組成物に使用することにより、硫酸灰分量を増加させることなく優れた高温清浄性を維持しながら、摩耗防止性能を向上させることができることを見い出した。ジアルキルジチオリン酸亜鉛とリン含有トリエステルの比率は、リン含有量比(前者対後者の重量比)で20:1〜1:1の範囲にあり、好ましくは10:1〜2:1の範囲にある。
【0042】
e)酸化防止剤
本発明の潤滑油組成物には酸化防止剤として、モリブデン化合物が0.01〜5重量%の範囲で用いられる。一般に、低灰分、低リンかつ低硫黄の潤滑油組成物は、金属系清浄剤およびジチオリン酸亜鉛の低減を意味し、高温清浄性や酸化安定性あるいは摩耗防止性の低下につながる。これらの性能を維持するために酸化防止剤が必要となる。本発明では、この酸化防止剤としてモリブデン化合物が用いられる。なお、モリブデン化合物に加えて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤および/またはジアリールアミン系酸化防止剤を用いることもできる。これらの酸化防止剤は高温清浄性の向上にも効果的である。特にジアリールアミン系酸化防止剤は、窒素に由来する塩基価を有しているので、この点で有利である。一方、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、NOx酸化劣化の防止に有利である。
【0043】
ヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、そして3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチル、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸オクチルなどのヒンダードフェノール類を挙げることができる。
【0044】
ジアリールアミン酸化防止剤の例としては、炭素原子数が4〜9の混合アルキルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミン、そしてアルキル化−フェニル−α−ナフチルアミンなどのジアリールアミン類を挙げることができる。ヒンダードフェノール酸化防止剤とジアリールアミン系酸化防止剤とは、それぞれ単独で使用することができるが、所望により組合せて使用する。また、これら以外の油溶性酸化防止剤を併用してもよい。
【0045】
また、モリブデン化合物である酸化防止剤として、多機能型添加剤に属するモリブデン含有化合物も好ましく用いられる。モリブデン含有化合物は、モリブデン含有量換算値で30〜1000重量ppmの範囲で含まれることが好ましい。
【0046】
モリブデン含有化合物としては、イミド、アミドもしくはアミンのモリブデン含有反応物が挙げられる。また、硫黄を含有するオキシモリブデン−こはく酸イミド錯体化合物(特公平3−22438号公報記載)は、高温清浄性や酸化防止性の向上にも効果的であり、好適に用いることができる。硫化オキシモリブデンジチオカルバメートおよび硫化オキシモリブデンジチオホスフェートも、酸化防止、摩耗防止、摩擦係数低減などに有効である。
【0047】
[その他の添加剤]
さらに、本発明の潤滑油組成物には、アルカリ金属ホウ酸塩水和物の添加も高温清浄性あるいは塩基価の付与の点で効果的である。アルカリ金属ホウ酸塩水和物は5重量%以下、特に0.01〜5重量%含有することができる。アルカリ金属ホウ酸塩水和物は灰分あるいは硫黄分等を含むものが多いが、本発明の潤滑油組成物全体の性状を考慮しながら、添加量を調整し効果的に使用することができる。
【0048】
本発明でいうアルカリ金属ホウ酸塩水和物は、米国特許第3929650号および第4089790号に記載の方法により合成された化合物に代表される化合物を表す。例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属中性スルホネートをアルカリ金属水酸化物の存在下で炭酸化して過塩基性スルホネートを得、これにホウ酸を反応させて得られるアルカリ金属ホウ酸塩の微粒子分散体(炭酸化反応の時、こはく酸イミドのような無灰性分散剤を共存させるのが望ましい)を挙げることができる。ここでアルカリ金属としては、カリウム、ナトリウムなどが望ましい。具体例として、中性カルシウムスルホネートおよびこはく酸イミド系に分散させた組成式:KB3O5・H2Oで表される粒径約0.3μm以下の微粒子分散体を挙げることができる。耐水性の点からは、カリウムをナトリウムで置換したものも良好に用いられる。
【0049】
本発明の潤滑油組成物は更に、粘度指数向上剤を20重量%以下(好ましくは1〜20重量%の範囲)の量で含むことが望ましい。粘度指数向上剤の例としては、ポリアルキルメタクリレート、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、そしてポリイソプレンなどの高分子化合物を挙げることができる。あるいは、これらの高分子化合物に分散性能を付与した分散型粘度指数向上剤もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いることができる。これらの粘度指数向上剤は単独で用いることができるが、任意の粘度指数向上剤を二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0050】
本発明の潤滑油組成物は更に、各種の補助的な添加剤を含んでいてもよい。そのような補助的な添加剤の例としては、酸化防止剤あるいは摩耗防止剤として、亜鉛ジチオカーバメート、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメート)、油溶性銅化合物、硫黄系化合物(例、硫化オレフィン、硫化エステル、ポリスルフィド)、有機アミド化合物(例、オレイルアミド)などを挙げることができる。また金属不活性剤として機能するベンゾトリアゾール系化合物やチアジアゾール系化合物などの化合物を添加することもできる。また、防錆剤あるいは抗乳化剤として機能するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などのポリオキシアルキレン非イオン性の界面活性剤を添加することもできる。また、摩擦調整剤として機能する各種アミン、アミド、アミン塩、およびそれらの誘導体、あるいは多価アルコールの脂肪酸エステル、あるいはそれらの誘導体を添加することもできる。さらにまた、消泡剤や流動点降下剤として機能する各種化合物を添加することもできる。なお、これらの補助的な添加剤は、潤滑油組成物に対して、それぞれ3重量%以下(特に、0.001〜3重量%の範囲)の量にて使用することが望ましい。
【0051】
【実施例】
(1)潤滑油組成物の製造
本発明に従う潤滑油組成物と比較用の潤滑油組成物を、下記の添加剤成分と基油成分とを用いて製造した。これらの潤滑油組成物(エンジン油)は、粘度指数向上剤の添加により、5W30の粘度グレード(SAE粘度グレード)を示すように調製した。
【0052】
(2)添加剤及び基油
分散剤1:ホウ素含有こはく酸イミド系分散剤(窒素含量:1.5重量%、ホウ素含量:0.5重量%、塩素含量:5重量ppm未満、数平均分子量が約1300の高反応性ポリイソブテン(少なくとも約50%がメチルビニリデン構造を有する)と無水マレイン酸を熱反応法で反応させて得られたポリイソブテニルこはく酸無水物を、平均窒素原子数6.5個(1分子当たり)のポリアルキレンポリアミンと反応させ、次いで得られたビスタイプこはく酸イミドをホウ酸で反応処理したもの)
【0053】
分散剤2:炭酸エチレン反応処理こはく酸イミド系分散剤(窒素含量:0.85重量%、塩素含量:30重量ppm、数平均分子量約2300の高反応性ポリイソブテン(少なくとも約50%がメチルビニリデン構造を有する)と無水マレイン酸を熱反応法で反応させて得られたポリイソブテニルこはく酸無水物を、平均窒素原子数6.5個(1分子当たり)のポリアルキレンポリアミンと反応させ、次いで得られたビスタイプこはく酸イミドを炭酸エチレンで反応処理したもの)
【0054】
清浄剤1:硫化カルシウムフェネート(Ca:9.3重量%、S:3.4重量%、TBN:255mgKOH/g、シェブロンテキサコジャパン(株)製OLOA219)
清浄剤2:カルシウムスルホネート(Ca:2.4重量%、S:2.9重量%、TBN:17mgKOH/g、シェブロンテキサコジャパン(株)製OLOA246S)
【0055】
ZnDTP1:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(P:7.2重量%、Zn:7.85重量%、S:14重量%、原料として炭素原子数3〜8の第二級アルコールを使用)
ZnDTP2:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(P:7.3重量%、Zn:8.4重量%、S:14重量%、原料として炭素原子数8の第一級アルコールを使用)
【0056】
ホスフェート1:トリクレジルホスフェート(P:8.4重量%)
ホスフェート2:トリス〔アルキル(炭素数1−3)−フェニル〕ホスフェート(P:7.3重量%)
ホスファイト1:トリクレジルホスファイト(P:8.8重量%)
ホスファイト2:トリラウリルホスファイト(P:5.3重量%)
チオホスフェート:トリフェニルチオホスフェート(P:9.0重量%、S:9.4重量%)
【0057】
酸化防止剤1:アミン化合物〔ジアルキルジフェニルアミン(アルキル基:C4とC8の混合)、N:4.6重量%、TBN:180mgKOH/g〕
酸化防止剤2:フェノール化合物〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチル〕
酸化防止剤3:モリブデン化合物(硫黄を含有するオキシモリブデン−こはく酸イミド錯体化合物、Mo:5.4重量%、S:3.7重量%、TBN:45mgKOH/g)
酸化防止剤4:モリブデン化合物〔硫化オキシモリブデンジチオカルバメート(アルキル基:C8とC13の第一級アルキルの混合)、Mo:4.5重量%、S:4.7重量%〕
【0058】
粘度指数向上剤(VII):非分散型のエチレンプロピレン共重合体
流動点降下剤(PPD):ポリメタクリレート系化合物
【0059】
基油:▲1▼水素化分解鉱油(100℃の動粘度:4.1mm2/s、粘度指数:127、蒸発損失(ASTM D5800):15重量%、硫黄含有量:0.001重量%未満、芳香族含有量:8重量%)、▲2▼溶剤精製鉱油(100℃の動粘度:4.4mm2/s、粘度指数:101、蒸発損失:23重量%、硫黄含有量:0.14重量%、芳香族含有量:32重量%)、および▲3▼溶剤精製鉱油(100℃の動粘度:7.5mm2/s、粘度指数:95、蒸発損失:6重量%、硫黄含有量:0.20重量%、芳香族含有量:35重量%)からなる、重量比50:35:15の混合油(硫黄含有量:0.08重量%)
【0060】
(3)有機酸金属塩含量(石鹸分)の測定
通常のゴム膜透析法により、金属系清浄剤中の鉱油分および低分子量成分を透析し、ゴム膜中に残存する清浄剤有効成分である透析残渣(A)の重量を測定した。一方、金属含有清浄剤中の炭酸塩に由来する二酸化炭素の測定を行い、これと金属分析をもとに、炭酸カルシウムあるいは炭酸マグネシウム等の過塩基性成分(B)の重量を求めた。この(A)と(B)の重量の差から有機酸金属塩(石鹸分)の含量を求めた。
【0061】
(4)潤滑油組成物の摩耗防止性能の評価
シェル四球試験を次のように実施し、潤滑油組成物の摩耗防止性能を評価した。
シェル四球試験機に試料油を装填した後、試験機を試料油温度90℃、荷重30kg、回転数1800rpmで30分間作動させた。試験後に、摩耗痕の平均径を測定した。
【0062】
(5)潤滑油組成物の高温清浄性の評価
ホットチューブ試験(KES−07−803)を下記のように実施し、潤滑油組成物の高温での清浄性能を評価した。
内径2mmのガラス管を垂直にヒーターブロックにセットし、試料油を0.31cc/時間、そして空気を10cc/分の割合で、それぞれガラス管の下部より送り込んだ。この操作を、ヒーター部の温度を280℃に保ちながら、16時間続けた。試験終了後に、ガラス管内部に付着したデポジット(堆積物)を10点満点で評価した(10点は、デポジットの堆積が無い状態を意味する)。
【0063】
[実施例1]本発明の潤滑剤組成物の配合
(1)無灰性分散剤:
分散剤1(添加量:2.1重量%、窒素量換算添加量:0.031重量%)
分散剤2(添加量:7.0重量%、窒素量換算添加量:0.06重量%)
(2)金属含有清浄剤:
清浄剤1(添加量:0.74重量%、硫酸灰分換算添加量:0.23重量%、有機酸金属塩換算添加量:0.3重量%)
清浄剤2(添加量:0.85重量%、硫酸灰分換算添加量:0.07重量%、有機酸金属塩換算添加量:0.4重量%)
(3)ジアルキルジチオリン酸亜鉛:
ZnDTP1(添加量:0.69重量%、リン量換算添加量:0.050重量%)
ZnDTP2(添加量:0.33重量%、リン量換算添加量:0.024重量%)
(4)リン含有トリエステル:
ホスフェート1(添加量:0.27重量%、リン量換算添加量:0.023重量%)
(5)酸化防止剤
酸化防止剤1(添加量:0.3重量%)
酸化防止剤2(添加量:0.2重量%)
酸化防止剤3(添加量:0.2重量%)
酸化防止剤4(添加量:0.2重量%)
(6)他の添加剤
粘度指数向上剤(添加量:6.1重量%)
流動点降下剤(添加量:0.3重量%)
(7)基油(使用量:80.72重量%)
【0064】
[実施例2]本発明の潤滑剤組成物の配合
(4)のリン含有トリエステルをホスフェート2(添加量:0.32重量%、リン量換算添加量:0.023重量%)に変更し、基油(使用量:80.67重量%)を使用したこと以外は実施例1と同じ配合にて潤滑油組成物を調製した。
【0065】
[実施例3]本発明の潤滑剤組成物の配合
(4)のリン含有トリエステルをホスファイト1(添加量:0.26重量%、リン量換算添加量:0.023重量%)に変更し、基油(使用量:80.73重量%)を使用したこと以外は実施例1と同じ配合にて潤滑油組成物を調製した。
【0066】
[実施例4]本発明の潤滑剤組成物の配合
(4)のリン含有トリエステルをホスファイト2(添加量:0.43重量%、リン量換算添加量:0.023重量%)に変更し、基油(使用量:80.56重量%)を使用したこと以外は実施例1と同じ配合にて潤滑油組成物を調製した。
【0067】
[実施例5]本発明の潤滑剤組成物の配合
(4)のリン含有トリエステルをチオホスフェート(添加量:0.26重量%、リン量換算添加量:0.023重量%)に変更し、基油(使用量:80.73重量%)を使用したこと以外は実施例1と同じ配合にて潤滑油組成物を調製した。
【0068】
[比較例1]比較用の潤滑剤組成物の配合
(4)のリン含有トリエステルを未使用とし、基油(使用量:80.99重量%)を使用したこと以外は実施例1と同じ配合にて潤滑油組成物を調製した。
【0069】
【表1】
【0070】
上記の評価試験結果から明らかなように、ジアルキルジチオリン酸亜鉛とリン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル又は亜リン酸トリエステルとを特定の比率で添加した本発明の潤滑油組成物(実施例1〜5)はいずれも、ジアルキルジチオリン酸亜鉛のみを添加した潤滑油組成物(比較例1)と比較して、硫酸灰分量を増加させることなく、同等の高レベルの高温清浄性を維持しながら、摩耗防止性能が顕著に向上した。
【0071】
【発明の効果】
本発明の潤滑油組成物は、低硫酸灰分含量、低リン含量、かつ低硫黄含量であるにもかかわらず、優れた高温清浄性および摩耗防止性能を示す。従って、本発明の潤滑油組成物は、走行用燃料として硫黄含有量が約0.01重量%以下の炭化水素系燃料を用いる自動車、なかでも排出ガス浄化装置(特にパティキュレートフィルタおよび酸化触媒あるいは還元触媒)を備えたディーゼルエンジン搭載車に好適に用いることができる。
Claims (13)
- 潤滑油粘度の鉱油および/または合成油からなる硫黄含有量0.2重量%以下の基油に少なくとも、組成物の全重量に基づき、
a)アルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体である無灰性分散剤が、窒素含有量換算値で0.01〜0.3重量%、
b)硫黄含有量が3.5重量%以下で、全塩基価10〜350mgKOH/gの金属含有清浄剤が、硫酸灰分換算値で0.1〜1重量%、
c)ジアルキルジチオリン酸亜鉛が、リン含有量換算値で0.01〜0.1重量%、
d)アルキル基および/またはアリール基を有する、リン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル、ジチオリン酸トリエステル、および亜リン酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種のリン含有トリエステルが、リン含有量換算値で0.002〜0.05重量%、および
e)酸化防止剤として、モリブデン化合物が0.01〜5重量%、
の量にて溶解もしくは分散されていて、ジアルキルジチオリン酸亜鉛とリン含有トリエステルとの比率が前者対後者のリン含有量比で20:1〜1:1の範囲にあり、そして組成物の全重量に基づき、硫酸灰分量が0.1〜1重量%の範囲、リン含有量が0.01〜0.1重量%の範囲、硫黄含有量が0.01〜0.5重量%の範囲、塩素含有量が40重量ppm以下であり、さらに金属含有清浄剤に含まれる有機酸金属塩が組成物中に0.2〜7重量%の範囲で存在することを特徴とする内燃機関の潤滑用の潤滑油組成物。 - c)成分のジアルキルジチオリン酸亜鉛とd)成分のリン含有トリエステルとの比率が、前者対後者のリン含有量比で10:1〜2:1の範囲にある、請求項1に記載の潤滑油組成物。
- d)成分のリン含有トリエステルが、リン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル、および亜リン酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
- a)成分の無灰性分散剤が、塩素含有量が40重量ppm以下の無灰性分散剤である、請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- a)成分の無灰性分散剤が、少なくとも50%がメチルビニリデン構造を有する高反応性ポリブテンと無水マレイン酸とを熱反応法により反応させて得られたポリブテニルこはく酸無水物を、ポリアルキレンポリアミンと反応させて得られたこはく酸イミドあるいはその誘導体である、請求項4に記載の潤滑油組成物。
- a)成分の無灰性分散剤に由来する窒素含有量とb)成分の金属含有清浄剤に由来する硫酸灰分量との比率が、前者対後者の重量比で1:1〜1:20の範囲にある、請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- さらに、酸化防止剤であるヒンダードフェノール化合物および/またはジアリールアミン化合物が含有されている請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 組成物の全重量に基づく硫酸灰分量が0.1〜0.6重量%の範囲にある請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 組成物の全重量に基づく硫黄含有量が0.01〜0.35重量%の範囲にある、請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 基油が、潤滑油粘度の鉱油起源の基油であって、粘度指数が120以上、蒸発損失が15重量%以下、硫黄含有量が0.01重量%以下、そして芳香族含有量が10重量%以下である油、もしくは該油を10重量%以上含有する混合油である請求項1乃至9のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- SAE粘度グレードが、0W30、5W30、10W30、0W20、および5W20のいずれかである、請求項1乃至10のうちのいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 潤滑油粘度の鉱油および/または合成油からなる硫黄含有量0.2重量%以下の基油に少なくとも、アルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体である無灰性分散剤、金属含有清浄剤、モリブデン化合物である酸化防止剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、およびアルキル基および/またはアリール基を有する、リン酸トリエステル、チオリン酸トリエステル、ジチオリン酸トリエステル及び亜リン酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種のリン含有トリエステルが添加され、そしてジアルキルジチオリン酸亜鉛:リン含有トリエステルとの比率がリン含有量比で20:1〜1:1の範囲にある内燃機関の潤滑用の潤滑油組成物。
- リン含有量が0.01〜0.1重量%の範囲にある請求項12に記載の潤滑油組成物。
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