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JP2005306913A - エンジン潤滑油組成物 - Google Patents

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JP2005306913A
JP2005306913A JP2004122137A JP2004122137A JP2005306913A JP 2005306913 A JP2005306913 A JP 2005306913A JP 2004122137 A JP2004122137 A JP 2004122137A JP 2004122137 A JP2004122137 A JP 2004122137A JP 2005306913 A JP2005306913 A JP 2005306913A
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Yoshihisa Takeuchi
佳尚 竹内
Shigeru Iwamoto
滋 岩本
Morikuni Nakazato
守国 中里
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Chevron Japan Ltd
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ChevronTexaco Japan Ltd
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Abstract

【課題】 低硫黄含有量の炭化水素系燃料を用いるディーゼルエンジン搭載車において特に好適に用いられる、低灰分含量、低リン含量、かつ低硫黄含量の潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】 潤滑油基油に、下記の成分が溶解もしくは分散されてなるエンジン潤滑油組成物:
a)窒素含有無灰性分散剤;
b)金属含有清浄剤;
c)アルカリ金属ホウ酸塩水和物;そして
d)ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛、但し、該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛中のヒドロカルビル基の52〜98モル%は第二級アルキル基であり、残余の2〜48モル%は第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基である。
【選択図】 なし






Description

本発明は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンあるいはジメチルエーテルなどの液体燃料を燃料とするエンジン、そして気体燃料を利用するガスエンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)の潤滑に有用な潤滑油組成物に関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンに関し、パティキュレート(煤などの微粒子状未燃物)およびNOXなどの排ガス成分による環境汚染に対する対策が重要な課題となっている。その対策としては、自動車へのパティキュレートフィルタ及び酸化触媒などの排ガス浄化装置の装着が利用されている。しかし、それらの排ガス浄化装置を装着した自動車のエンジンに従来のエンジン潤滑油を用いた場合には、パティキュレートフィルタに付着した煤は、排ガス浄化装置中での燃焼により取り除かれるものの、燃焼により生成する金属酸化物や硫酸塩、カルボン酸塩などによるフィルタ閉塞の問題は解決されない。
一方、燃料中の硫黄分の存在は排ガス中への硫酸もしくは硫酸塩の混入につながり、特に酸化触媒への悪影響を考慮すると、極力減らす必要があり、このため、近い将来において、燃料の低硫黄化は一段と進むものと考えられている。ディーゼルエンジン搭載自動車用の軽油を例にとれば、その含有硫黄分は、現在の硫黄分の約0.005質量%から0.001質量%へ、そしてさらには0.001質量%以下まで減らされるものと予測されている。燃料の低硫黄化が進めば、硫酸等を中和するために必要とされた潤滑油中の金属系清浄剤(金属元素含有清浄剤)の添加量を低減することができる。良く知られているように、潤滑油はエンジン中で潤滑に使用されると同時に、その一部が燃料とともに燃焼し、排ガスの一部と排出される。従って、潤滑油中の金属分、硫黄分もまた、できるだけ低くする方が好ましいことは当然である。さらに、潤滑油中のリン分も減らすことが触媒の劣化対策のうえで好ましい。またダイオキシン類の発生の可能性を考慮すると、潤滑油中の塩素分も極力低減することが好ましい。
しかしながら、従来の自動車、建設機械、発電機等で用いられるディーゼルエンジン用の潤滑油としては、通常、硫酸灰分約1.3〜2質量%、硫黄分約0.3〜0.7質量%、リン分約0.1〜0.13質量%、のものが多くの場合用いられてきた。また、塩素分も50〜100質量ppmもしくはそれ以上の潤滑油が一般的であった。
特許文献1には、前記したような低硫黄含有量の燃料を用いたディーゼルエンジンの潤滑に適した潤滑油組成物として、(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)カルボン酸アルキルエステル、コハク酸イミド型無灰性分散剤、そしてアミン系またはフェノール系の無灰系酸化防止剤をそれぞれ特定量含有する無灰型潤滑油組成物が記載されている。
特許文献2には、特定の無灰系分散剤、油溶性酸化防止剤、そして油溶性ジヒドロカルビルジチオホスホレートを含み、全硫酸灰分量が少ない重質ディーゼルエンジン用潤滑油組成物が記載されている。
特許文献3には、高温清浄性に優れ、パティキュレートトラップや酸化触媒への悪影響が少なく、将来の排気ガス規制に対応できる潤滑油組成物として、潤滑油基油にホウ素含有無灰性分散剤とジチオリン酸亜鉛、そして場合により、無灰性酸化防止剤を配合した潤滑油組成物であって、ホウ素含有量が0.1質量%以上、ホウ素/リン含有量比が0.8以上、そして全硫酸灰分量が1.0質量%以下の潤滑油組成物が記載されている。
特許文献4には、低硫黄含有量の炭化水素系燃料を用いるディーゼルエンジン搭載車において特に好適に用いられる潤滑油組成物として、アルケニル/アルキルコハク酸イミド無灰分散剤、金属系清浄剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、フェノール系/アミン系酸化防止剤を含み、金属系清浄剤の成分として含まれる有機酸金属塩の含有量が潤滑油組成物中に0.2〜7重量%の量にて含まれるように調整した潤滑油組成物が記載されている。また、この特許文献4には、当該発明の潤滑油組成物には、アルカリ金属ホウ酸塩水和物を含有させることができる旨の記載がある。
特許第2922675号 特許第2877887号 特開平8−48989号公報 特開2002−53888号公報
本発明は、自動車に装着されている、パティキュレートフィルタや、未燃焼の煤および燃料や潤滑油を酸化するための酸化触媒などの排ガス浄化装置への悪影響が少なく、かつ高温清浄性と耐摩耗性に優れ、近い将来に実施が予測されている排ガス規制にも充分対応できるエンジン潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明は特に、走行用燃料として、硫黄含有量が約0.005質量%以下、特に0.001質量%以下の炭化水素系燃料を用いる自動車、なかでも排ガス浄化装置(特にパティキュレートフィルタおよび酸化触媒あるいは還元触媒)を備えたディーゼルエンジン搭載車において特に好適に用いられる、低灰分量、低リン含量、そして低硫黄含量の環境対応型のエンジン潤滑油組成物を提供することを目的とする。
潤滑油組成物を研究する研究者や技術者にとって、一般的に知られていることであるが、エンジン潤滑油組成物の単なる低灰分化、低リン化、かつ低硫黄化は、従来の潤滑油組成物に一般的に用いられいる金属系清浄剤およびジチオリン酸亜鉛(すなわち、ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛)の添加量の削減を意味し、高温清浄性そして耐摩耗性の低下につながる。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、低灰分化、低リン化、かつ低硫黄化を行ないながらも、潤滑油組成物中に、窒素元素含有無灰性分散剤と金属元素含有清浄剤とに加えて、アルカリ金属ホウ酸塩水和物と特定組成のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛とを組合せて用いることにより、従来の灰分量が高く、またリン含有量と硫黄含有量が比較的高いエンジン潤滑油組成物と同等もしくはさらに優れた高温清浄性や耐摩耗性を示すエンジン潤滑油組成物とすることができることを見いだし、本発明に到達した。
従って、本発明は、潤滑油基油に、下記の成分が、潤滑油組成物の全量に基づき下記の量にて溶解もしくは分散されてなるエンジン潤滑油組成物にある。
a)窒素含有量換算値で0.02〜0.3質量%の窒素含有無灰性分散剤;
b)金属含有量換算値で0.02〜0.4質量%の金属含有清浄剤;
c)アルカリ金属含有量換算値で0.005〜0.3質量%のアルカリ金属ホウ酸塩水和物;そして
d)リン含有換算値で0.01〜0.12質量%のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛[但し、該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛中のヒドロカルビル基の52〜98モル%は第二級アルキル基であり、残余の2〜48モル%は第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基である]。
なお、本発明の潤滑油組成物は、組成物の全重量に基づき、硫酸灰分が0.1〜1.1質量%、硫黄含有量が0.01〜0.5質量%、リン含有量が0.01〜0.12質量%となるように各成分が選ばれていることが好ましい。また、特に、本発明の潤滑油組成物は、組成物の全重量に基づき、硫酸灰分が0.1〜0.6質量%、硫黄含有量が0.01〜0.3質量%、リン含有量が0.01〜0.08質量%となるように各成分が選ばれていることが好ましい。そして、本発明の潤滑油組成物の全重量に基づき、塩素含有量が50質量ppm未満(特に、30質量ppm未満)であることが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、低灰分含量(低硫酸灰分含量)、低リン含量、かつ低硫黄含量であるにもかかわらず、現在一般的に利用されている高硫酸灰分、高リン含量かつ高硫黄含量のディーゼルエンジン油と同程度もしくはそれ以上の高温清浄性と耐摩耗性を示す。従って、本発明の潤滑油組成物は、走行用燃料として、低硫黄含有量の炭化水素系燃料を用いる自動車、なかでも排ガス浄化装置(特にパティキュレートフィルタおよび酸化触媒)を備えたディーゼルエンジン搭載車において好適に用いられる。
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油としては、通常、100℃における動粘度が2〜50mm2/sの鉱油や合成油が用いられる。この鉱油や合成油の種類、あるいはその他の性状については特に制限はないが、硫黄含有量が0.1質量%以下であることが望ましく、0.03質量%以下であることがさらに望ましく、特に0.005質量%以下であることが望ましい。
鉱油系基油は、鉱油系潤滑油留分を溶剤精製あるいは水素化処理などの処理方法を適宜組み合わせて利用して処理したものであることが望ましく、特に高度水素化精製(水素化分解)基油(例えば、粘度指数が100〜150、芳香族含有量が5質量%以下、窒素および硫黄の含有量がそれぞれ50ppm以下である基油)が好ましく用いられる。この中には、鉱油系スラックワックス(粗ろう)あるいは天然ガスから合成された合成ワックスを原料として異性化および水素化分解のプロセスで作られる高粘度指数基油が含まれる。水素化分解基油は、低硫黄分、低蒸発性、残留炭素分が少ないなどの点から、本発明の目的上好ましいものである。最も好ましい潤滑油基油は、蒸発損失(ASTM D5800)が15質量%以下、芳香族含有量が10質量%以下、硫黄含有量が0.01質量%以下の鉱物油であるか、あるいは該鉱物油を10質量%以上含有する基油混合物である。
合成油(合成潤滑油基油)としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるポリ−α−オレフィン、ジオクチルセバケートに代表されるセバシン酸、アゼライン酸、アジピン酸などの二塩基酸と炭素数4〜18のアルコールとのエステルであるジアルキルジエステル、1−トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールと炭素数3〜18の一塩基酸とのエステルであるポリオールエステル、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼンなどを挙げることができる。
一般に合成油は実質的に硫黄分を含まず、酸化安定性、耐熱性に優れ、いったん燃焼すると残留炭素や煤の生成が少ないので、潤滑油組成物の基油として優れている。
鉱油系基油および合成系基油は、それぞれ単独で使用することができるが、所望により、二種以上の鉱油系基油、あるいは二種以上の合成系基油を組合わせて使用することもできる。また、所望により、鉱油系基油と合成系基油とを任意の割合で組合わせて用いることもできる。
本発明の潤滑油組成物におけるa)成分としての窒素含有無灰性分散剤(すなわち、窒素元素含有無灰性分散剤)としては、ポリオレフィンから誘導されるアルケニルもしくはアルキルコハク酸イミドあるいはその誘導体が好ましく用いられる。代表的なコハク酸イミドは、高分子量のアルケニルもしくはアルキル基で置換された、コハク酸無水物と1分子当り平均4〜10個(好ましくは5〜7個)の窒素原子を含むポリアルキレンポリアミンとの反応により得ることができる。高分子量のアルケニルもしくはアルキル基は、数平均分子量が約900〜5000のポリブテンであることが好ましい。
ポリブテンと無水マレインとの反応により、ポリブテニルコハク酸無水物を得る工程では、多くの場合、塩素を用いる塩素化法が用いられている。しかし、この方法では、コハク酸イミド最終製品中に多量の塩素(例えば約2000質量ppm)が残留する結果となる。一方、塩素を用いない熱反応法では、最終製品中に残る塩素を極めて低いレベル(例えば0〜30質量ppm)におさえることができる。従って、潤滑油組成物中の塩素含有量を0〜30質量ppmの範囲の量に抑えるためには、熱反応法によって得られたポリブテニルコハク酸無水物からのコハク酸イミドを用いることが望ましい。コハク酸イミドは更にホウ酸、アルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルフェノール、環状カーボネート(例、炭酸エチレン)、有機酸等と反応させ、いわゆる変性コハク酸イミドにして用いることができる。特に、ホウ酸あるいはホウ素化合物との反応で得られるホウ素含有アルケニル(もしくはアルキル)コハク酸イミドは、熱・酸化安定性の面で有利である。
本発明の潤滑油組成物は、アルケニルもしくはアルキルコハク酸イミドあるいはその誘導体、あるいはアルケニルベンジルアミンなどの窒素含有無灰性分散剤を必須成分として含有しているが、さらにアルケニルコハク酸エステル系などの窒素非含有の無灰性分散剤も適宜組合わせて用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物におけるb)成分である金属含有清浄剤(すなわち金属元素含有清浄剤、金属系清浄剤ともいう)としては、硫黄含有量3%以下で、全塩基価10〜350mgKOH/gの金属含有清浄剤を硫酸灰分換算値で0.1〜1質量%の範囲で用いることが望ましい。
金属含有清浄剤としては、硫化フェネート(例、硫化カルシウムフェネート)、石油もしくは合成系スルホネート(例、カルシウムスルホネート)、サリシレート(例、カルシウムサリシレート)もしくはカルボキシレートなどを用いることが好ましい。
硫化フェネートは耐熱性が高いため有効であり、本発明の潤滑油組成物の構成成分として好適に用いられる。一方、非硫化のサリシレートやカルボキシレートは実質的に硫黄分を含まないため、低硫黄化の点からは有利である。なお、石油スルホン酸あるいはアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩であるスルホネートも有効に用いられる。
本発明の潤滑油組成物のc)成分であるアルカリ金属ホウ酸塩水和物は、米国特許第3929650号明細書および第4089790号明細書に記載されている方法により合成される化合物に代表される化合物を表す。例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属中性スルホネートをアルカリ金属水酸化物の存在下で炭酸化して過塩基性スルホネートを得、これにホウ酸を反応させて得られるアルカリ金属ホウ酸塩の微粒子分散体(炭酸化反応の時、コハク酸イミドのような無灰性分散剤を共存させるのが望ましい)を挙げることができる。ここでアルカリ金属としては、カリウム、ナトリウムなどが望ましい。具体例としては、中性カルシウムスルホネートおよびコハク酸イミド系に分散させた組成式:KB35・H2Oで表される粒径が約0.3μm以下の微粒子分散体を挙げることができる。耐水性の点からは、カリウムをナトリウムで置換したものもまた良好に用いられる。
なお、上記のアルカリ金属ホウ酸塩水和物由来のアルカリ金属の含有量(AM)と前記の窒素含有無灰性分散剤由来の窒素含有量(AN)との質量比を表わすAM:ANは、3:1乃至1:30の範囲にあることが好ましい。
本発明の潤滑油組成物のd)成分であるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は、該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛中のヒドロカルビル基の52〜98モル%は第二級アルキル基であり、残余の2〜48モル%は第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基である。
本発明で用いるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛とヒドロカルビル基が第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基であるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛とからなる混合物であることが好ましい。すなわち、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛52〜98モル%とヒドロカルビル基が第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基であるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛2〜48モル%とからなる混合物である。
なお、上記のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛では、ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛由来のリン量のうち、55〜95質量%、特に60〜90質量%が、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛に起因するものであることが好ましい。
第二級アルキル基と第一級アルキル基、そしてアルキルアリール基のアルキル基は、いずれも、炭素原子数が3〜18のアルキル基であることが望ましい。
従来より、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は、摩耗防止の効果に優れることが知られており、一方、ヒドロカルビル基が第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基であるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は耐熱性に優れることが知られている。本発明では、これらのジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛を、前者(ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛)を主成分として用いることにより、本発明の目的に特に好適に利用する。
あるいは、本発明で用いるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は、一分子のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛中に、第二級アルキル基、第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基が混在している化合物(いわゆるケミカルミックス品)であってもよい。
本発明の潤滑油組成物は、さらに、酸化防止剤として、酸化防止性のフェノール化合物および/または酸化防止性のアミン化合物を0.01〜5質量%(好ましくは0.1〜3質量%)の範囲で含むことが好ましい。一般に、低灰分、低リンかつ低硫黄の潤滑油組成物は、金属含有清浄剤およびジチオリン酸亜鉛の低減を意味し、高温清浄性や酸化安定性あるいは耐摩耗性の低下につながる。これらの性能を維持するために、追加的な酸化防止剤の使用が好ましい。このような酸化防止剤としては、ジアリールアミン系酸化防止剤及び/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤は高温清浄性の向上にも効果的である。特にジアリールアミン系酸化防止剤は、窒素に由来する塩基価を有しているので、この点で有利である。一方、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、NOx酸化劣化の防止に有利である。
ヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、そして3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチル、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルなどのヒンダードフェノール類を挙げることができる。
ジアリールアミン酸化防止剤の例としては、炭素原子数が4〜9の混合アルキルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミン、そしてアルキル化−フェニル−α−ナフチルアミンなどのジアリールアミン類を挙げることができる。ヒンダードフェノール酸化防止剤とジアリールアミン系酸化防止剤とは、それぞれ単独で使用することができるが、所望により組合せて使用する。また、これら以外の油溶性酸化防止剤を併用してもよい。
本発明の潤滑油組成物はさらに、多機能添加剤に属するモリブデン含有化合物を5質量%以下、特に0.01〜5質量%含有することができる。これらの化合物は灰分あるいは硫黄分等を含むが、本発明の潤滑油組成物全体の性状を考慮しながら、添加量を調整し効果的に使用することができる。
上記のモリブデン含有化合物は、潤滑油組成物中で、主として摩擦調整剤、酸化防止剤あるいは摩耗防止剤として機能し、また高温での清浄性の向上に寄与する。モリブデン含有化合物の潤滑油組成物中の含有量は、モリブデン金属含有量換算で10〜2500ppmの範囲にあることが望ましい。モリブデン含有化合物の例としては、コハク酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体、硫化オキシモリブデンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、アミンモリブデン錯体化合物、オキシモリブデンジエチラートアミド、そしてオキシモリブデンモノグリセリドを挙げることができる。特に、コハク酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体は高温での清浄性向上に効果的である。
本発明の潤滑油組成物は更に、粘度指数向上剤を20質量%以下(好ましくは1〜20質量%の範囲)の量で含むことが望ましい。粘度指数向上剤の例としては、ポリアルキルメタクリレート、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、そしてポリイソプレンなどの高分子化合物を挙げることができる。あるいは、これらの高分子化合物に分散性能を付与した分散型粘度指数向上剤もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いることができる。これらの粘度指数向上剤は単独で用いることができるが、任意の粘度指数向上剤を二種以上を組合せて使用しても良い。
本発明の潤滑油組成物は更に、各種の補助的な添加剤を含んでいてもよい。そのような補助的な添加剤の例としては、酸化防止剤あるいは摩耗防止剤として、亜鉛ジチオカーバメート、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメート)、油溶性銅化合物、硫黄系化合物(例、硫化オレフィン、硫化エステル、ポリスルフィド)、リン酸エステル、亜リン酸エステル、有機アミド化合物(例、オレイルアミド)などを挙げることができる。また金属不活性剤として機能するベンゾトリアゾール系化合物やチアジアゾール系化合物などの化合物を添加することもできる。また、防錆剤あるいは抗乳化剤として機能するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などのポリオキシアルキレン非イオン性の界面活性剤を添加することもできる。また、摩擦調整剤として機能する各種アミン、アミド、アミン塩、およびそれらの誘導体、あるいは多価アルコールの脂肪酸エステル、あるいはそれらの誘導体を添加することもできる。さらにまた、消泡剤や流動点降下剤として機能する各種化合物を添加することもできる。なお、これらの補助的な添加剤は、潤滑油組成物に対して、それぞれ3質量%以下(特に、0.001〜3質量%の範囲)の量にて使用することが望ましい。
(1)潤滑油組成物の製造
本発明に従う潤滑油組成物と比較用の潤滑油組成物を、下記の添加剤成分と基油成分とを用いて製造した。これらの潤滑油組成物は、粘度指数向上剤の添加により、10W30の粘度グレード(SAE粘度グレード)を示すように調製された。
(2)添加剤及び基油
無灰分散剤A:ホウ素含有コハク酸イミド分散剤[窒素含量:1.95質量%、ホウ素含量:0.66質量%、塩素含量:5質量ppm未満、数平均分子量が約1300のポリブテン(少なくとも50%以上がメチルビニリデン構造を有する)と無水マレイン酸とから熱反応法で製造し、これを平均窒素原子数6.5個(1分子当り)のポリアルキレンポリアミンと反応させ、ついで得られたビス型コハク酸イミドをホウ酸で反応処理したもの]
無灰分散剤B:炭酸エチレン反応処理コハク酸イミド分散剤[窒素含量:1.0質量%、塩素含量:30質量ppm、数平均分子量約2300のポリブテン(少なくとも50%以上がメチルビニリデン構造を有する)と無水マレイン酸とから熱反応法で製造し、次いで、これを平均窒素原子数6.5個(1分子当り)のポリアルキレンポリアミンと反応させ、ついで得られたビス型コハク酸イミドを炭酸エチレンで反応処理したもの]
清浄剤A:硫化カルシウムフェネート(Ca:9.3質量%、S:3.4質量%、TBN:255mgKOH/g)
清浄剤B:カルシウムスルホネート(Ca:2.4質量%、S:2.9質量%、TBN:17mgKOH/g)
ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)−1:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(P:7.2質量%、Zn:7.85質量%、S:14質量%、原料として炭素原子数3〜8の第二級アルコールを使用して製造したもの)
ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)−2:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(P:7.3質量%、Zn:8.4質量%、S:14質量%、原料として炭素原子数8の第一級アルコールを使用して製造したもの)
ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)−3:ジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛(P:2.85質量%、Zn:3.15質量%、S:5.9質量%、原料としてドデシルフェノールを使用して製造したもの)
酸化防止剤A:アミン系化合物[ジアルキルジフェニルアミン(アルキル基:C4とC8の混合)、N:4.6質量%、TBN:180mgKOH/g]
酸化防止剤B:フェノール系化合物[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチル]
酸化防止剤C:モリブデン(Mo)化合物[硫黄を含有するオキシモリブデン−コハク酸イミド錯体化合物(Mo:5.5質量%、S:0.2質量%、TBN:10mgKOH/g)
アルカリ金属ホウ酸塩:ホウ酸カリウム水和物の微粒子分散体(実験式KB35・H2O、K:8.3質量%、B:6.8質量%、S:0.26質量%、TBN:125mgKOH/g)
粘度指数向上剤(VII):非分散型のエチレンプロピレン共重合体
流動点降下剤(PPD):ポリメタクリレート系化合物
基油:水素化分解鉱油A(100℃における動粘度が6.5mm2/sで、粘度指数が132、蒸発損失(ASTM D5800)が5.6質量%、硫黄含有量が0.001質量%未満、芳香族分が9質量%)と水素化分解鉱油B(100℃における動粘度が4.1mm2/sで、粘度指数が127、蒸発損失(ASTM D5800)15質量%、硫黄含有量0.001質量%未満、芳香族分8質量%)とを65:35の質量比で混合した基油
[実施例1]
(1)基油に下記の成分(添加量は、潤滑油組成物全量を基準)を添加混合して本発明の潤滑剤組成物を調製した。
無灰性分散剤A(添加量:0.51質量%、窒素量換算添加量:0.01質量%)
無灰性分散剤B(添加量:6.0質量%、窒素量換算添加量:0.06質量%)
金属含有清浄剤A(添加量:0.75質量%、カルシウム量換算添加量:0.07質量%)
金属含有清浄剤B(添加量:0.83質量%、カルシウム量換算添加量:0.02質量%)
ZnDTP−1(添加量:0.69質量%、リン量換算添加量:0.05質量%)
ZnDTP−2(添加量:0.34質量%、リン量換算添加量:0.025質量%)
酸化防止剤A(添加量:0.2質量%)
酸化防止剤B(添加量:0.2質量%)
酸化防止剤C(添加量:0.2質量%)
アルカリ金属ホウ酸塩水和物(添加量:0.24質量%、カリウム量換算添加量:0.02質量%)
VII(添加量:4.2質量%)
PPD(添加量:0.3質量%)
(2)得られた潤滑油組成物の化学的特性を以下に記す。
硫酸灰分:0.49質量%
リン(P)量:0.075質量%
硫黄(S)量:0.3質量%
塩素(Cl)量:5質量ppm未満
ZnDTP−1のリン量/ZnDTP−2のリン量=67/33(質量比)
アルカリ金属ホウ酸塩のアルカリ金属/無灰分散剤の窒素=1/3.5(質量比)
[実施例2]
(1)基油に下記の成分(添加量は、潤滑油組成物全量を基準)を添加混合して本発明の潤滑剤組成物を調製した。
無灰性分散剤A(添加量:1.5質量%、窒素量換算添加量:0.03質量%)
無灰性分散剤B(添加量:6.0質量%、窒素量換算添加量:0.06質量%)
金属含有清浄剤A(添加量:0.75質量%、カルシウム量換算添加量:0.07質量%)
金属含有清浄剤B(添加量:0.83質量%、カルシウム量換算添加量:0.02質量%)
ZnDTP−1(添加量:0.83質量%、リン量換算添加量:0.06質量%)
ZnDTP−2(添加量:0.21質量%、リン量換算添加量:0.015質量%)
酸化防止剤A(添加量:0.2質量%)
酸化防止剤B(添加量:0.2質量%)
酸化防止剤C(添加量:0.2質量%)
アルカリ金属ホウ酸塩水和物(添加量:0.24質量%、カリウム量換算添加量:0.02質量%)
VII(添加量:4.2質量%)
PPD(添加量:0.3質量%)
(2)得られた潤滑油組成物の化学的特性を以下に記す。
硫酸灰分:0.49質量%
リン(P)量:0.075質量%
硫黄(S)量:0.3質量%
塩素(Cl)量:5質量ppm未満
ZnDTP−1のリン量/ZnDTP−2のリン量=80/20(質量比)
アルカリ金属ホウ酸塩のアルカリ金属/無灰分散剤の窒素=1/4.5(質量比)
[実施例3]
(1)ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛の配合を下記のように変えた以外は、実施例1と同様にして、本発明の潤滑剤組成物(粘度グレード:5W30)を調製した。
ZnDTP−1(添加量:0.9質量%、リン量換算添加量:0.065質量%)
ZnDTP−3(添加量:0.35質量%、リン量換算添加量:0.01質量%)
(2)得られた潤滑油組成物の化学的特性を以下に記す。
硫酸灰分:0.49質量%
リン(P)量:0.075質量%
硫黄(S)量:0.3質量%
塩素(Cl)量:5質量ppm未満
ZnDTP−1のリン量/ZnDTP−3のリン量=87/13(質量比)
アルカリ金属ホウ酸塩のアルカリ金属/無灰分散剤の窒素=1/3.5(質量比)
[比較例1]
(1)ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛として、ZnDTP−1のみを、添加量:1.04質量%、リン量換算添加量:0.075質量%にて用いた以外は、実施例1と同様にして、比較用の潤滑剤組成物(粘度グレード:5W30)を調製した。
(2)得られた潤滑油組成物の化学的特性を以下に記す。
硫酸灰分:0.49質量%
リン(P)量:0.075質量%
硫黄(S)量:0.3質量%
塩素(Cl)量:5質量ppm未満
金属含有清浄剤のアルカリ金属/無灰分散剤の窒素=1/3.5(質量比)
[比較例2]
(1)ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛の配合を下記のように変えた以外は、実施例1と同様にして、本発明の潤滑剤組成物(粘度グレード:5W30)を調製した。
ZnDTP−1(添加量:0.42質量%、リン量換算添加量:0.03質量%)
ZnDTP−2(添加量:0.62質量%、リン量換算添加量:0.045質量%)
(2)得られた潤滑油組成物の化学的特性を以下に記す。
硫酸灰分:0.49質量%
リン(P)量:0.075質量%
硫黄(S)量:0.3質量%
塩素(Cl)量:5質量ppm未満
ZnDTP−1のリン量/ZnDTP−2のリン量=40/60(質量比)
アルカリ金属ホウ酸塩のアルカリ金属/無灰分散剤の窒素=1/3.5(質量比)
[比較例3]
(1)アルカリ金属ホウ酸塩水和物を用いなかった以外は、実施例2と同様にして、比較用の潤滑剤組成物(粘度グレード:5W30)を調製した。
(2)得られた潤滑油組成物の化学的特性を以下に記す。
硫酸灰分:0.47質量%
リン(P)量:0.075質量%
硫黄(S)量:0.3質量%
塩素(Cl)量:5質量ppm未満
ZnDTP−1のリン量/ZnDTP−2のリン量=80/20(質量比)
[潤滑油組成物の性能評価]
(1)ディーゼルエンジン試験(JASO清浄性試験:JASO M336−98):ピストンのトップリング溝の清浄性(溝詰り(平均)の発生率%の評価:低い方が好ましい)
実施例と比較例で調製した潤滑油組成物の性能を、水冷、4気筒、排気量2.5リットルの副燃焼室式ディーゼルエンジンを用いて試験した。エンジン試験は、油温:120℃、エンジン回転数:4300rpm、全負荷運転で200時間(100時間でオイル交換)運転し、試験後のピストンの評価を石油学会法により行なった。燃料として、硫黄分0.05質量%の軽油を用いた。
(2)ディーゼルエンジン試験(JASO動弁系摩耗試験:JASO M354−99):カムの摩耗の評価(低い方が好ましい)
実施例と比較例で調製した潤滑油組成物の性能を、水冷、4気筒、排気量3.9リットルの燃料直接噴射式、ターボ・インタークーラー付きディーゼルエンジンを用いて試験した。エンジン試験は、油温:105℃、エンジン回転数:3200rpm、全負荷運転で160時間運転し、試験後のカムの評価を石油学会法により行なった。燃料として、硫黄分0.05質量%の軽油を用いた。
[評価試験結果]
────────────────────────────────────
JASO清浄性試験 JASO動弁系摩耗試験
[トップリング溝詰り(平均):%] [カム摩耗(平均):μm]
────────────────────────────────────
実施例1 41 45
実施例2 46 32
実施例3 39 45
────────────────────────────────────
比較例1 65 30
比較例2 40 229
比較例3 48 67
────────────────────────────────────
上記の評価試験結果から明らかなように、本発明の潤滑油組成物(実施例1乃至3)は、高温清浄性を評価する試験において、トップリング溝詰りの発生の割合が低く、また動弁系摩耗試験においてもカム摩耗が低い。すなわち、本発明の潤滑油組成物は、低灰分含量、低リン含量、かつ低硫黄含量であるにもかかわらず、バランスのとれた優れた高温清浄性と耐摩耗性を示す。

Claims (14)

  1. 潤滑油基油に、下記の成分が、潤滑油組成物の全量に基づき下記の量にて溶解もしくは分散されてなるエンジン潤滑油組成物:
    a)窒素含有量換算値で0.02〜0.3質量%の窒素含有無灰性分散剤;
    b)金属含有量換算値で0.02〜0.4質量%の金属含有清浄剤;
    c)アルカリ金属含有量換算値で0.005〜0.3質量%のアルカリ金属ホウ酸塩水和物;そして
    d)リン含有換算値で0.01〜0.12質量%のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛、但し、該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛中のヒドロカルビル基の52〜98モル%は第二級アルキル基であり、残余の2〜48モル%は第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基である。
  2. 該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛が、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛52〜98モル%とヒドロカルビル基が第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基であるジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛2〜48モル%とからなる請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  3. 該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛由来のリン量のうち、55〜95質量%が、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛に起因するものである請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  4. 該ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛由来のリン量のうち、60〜90質量%が、ヒドロカルビル基が第二級アルキル基のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛に起因するものである請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  5. 該アルカリ金属ホウ酸塩水和物由来のアルカリ金属の含有量(AM)と該窒素含有無灰性分散剤由来の窒素含有量(AN)との質量比を表わすAM:ANが3:1乃至1:30の範囲にある請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  6. 該窒素元素含有無灰性分散剤が、ホウ酸もしくは環状カーボネートで反応処理したビス型のコハク酸イミドである請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  7. 該金属含有清浄剤が、硫化カルシウムフェネートを主成分として含む金属含有清浄剤である請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  8. 該潤滑油基油が、蒸発損失(ASTM D5800)が15質量%以下、芳香族含有量が10質量%以下、硫黄含有量が0.01質量%以下の鉱物油であるか、あるいは該鉱物油を10質量%以上含有する基油混合物である請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  9. さらに、フェノール化合物、アミン化合物、およびモリブデン化合物からなる群より選ばれる酸化防止剤を0.01〜5質量%含有する請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  10. 組成物の全重量に基づき、硫酸灰分が0.1〜1.1質量%、硫黄含有量が0.01〜0.5質量%、リン含有量が0.01〜0.12質量%となるように各成分が選ばれている請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  11. 組成物の全重量に基づき、硫酸灰分が0.1〜0.6質量%、硫黄含有量が0.01〜0.3質量%、リン含有量が0.01〜0.08質量%となるように各成分が選ばれている請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  12. 組成物の全重量に基づき、塩素含有量が50質量ppm未満である請求項1に記載のエンジン潤滑油組成物。
  13. ディーゼルエンジンを潤滑するための請求項1乃至12に記載のエンジン潤滑油組成物。
  14. 排気系に浄化触媒及び/又はパティキュレートフィルタを装着したエンジンを潤滑するための請求項1乃至13に記載のエンジン潤滑油組成物。
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