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JP4225736B2 - フルオロエタンの製造方法およびその用途 - Google Patents

フルオロエタンの製造方法およびその用途 Download PDF

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JP4225736B2
JP4225736B2 JP2002064830A JP2002064830A JP4225736B2 JP 4225736 B2 JP4225736 B2 JP 4225736B2 JP 2002064830 A JP2002064830 A JP 2002064830A JP 2002064830 A JP2002064830 A JP 2002064830A JP 4225736 B2 JP4225736 B2 JP 4225736B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペンタフルオロエタンの製造方法および該方法により得られるペンタフルオロエタンを用いてヘキサフルオロエタンを製造する方法、並びにペンタフルオロエタンの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペンタフルオロエタン(「CF3CHF2」ということがある。)は、例えば低温用冷媒やエッチングガスとして用いられ、またヘキサフルオロエタン(「CF3CF3」ということがある。)製造用原料としても用いられる。
【0003】
ペンタフルオロエタンの製造方法としては、従来から次のような方法が知られている。
例えば、
(1)テトラクロロエチレン(「CCl2=CCl2」ということがある。)またはそのフッ素化物を、フッ化水素でフッ素化する方法(特開平8−268932号公報、特表平9−511515号公報)、
(2)クロロペンタフルオロエタン(「CF3CF2Cl」ということがある。)を水素化分解する方法(特許2540409号公報)、
(3)ハロゲン含有エチレンにフッ素ガスを反応させる方法(特開平1−38034号公報)、
等が挙げられる。
【0004】
これらの製造方法を用いると、クロロフルオロカーボン(CFC)類、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類、ハイドロフルオロカーボン(HFC)類などの種々の不純物が目的物質であるペンタフルオロエタン中に含まれる。
純度の高いペンタフルオロエタンを得るためには、これらの不純物をできる限り除去する必要がある。これらの不純物のうち、クロロフルオロカーボン類については高純度化するという目的以外に、オゾン層の破壊を防止するという観点から種々の精製方法が提案されている。特にクロロペンタフルオロエタンはペンタフルオロエタンと沸点が近く、通常の蒸留では分離が困難なため以下のような精製方法が提案されている。
【0005】
例えば、
(1)抽出蒸留による方法(特表平9−508626号公報)、
(2)クロロペンタフルオロエタンを水素化分解する方法(特開平8−301801号公報)、
(3)クロロペンタフルオロエタンをフッ化水素(HF)によりフッ素化した後に除去する方法。(特開2001−48816公報)、
等が挙げられる。
【0006】
これに対し、ハイドロクロロフルオロカーボン類やハイドロフルオロカーボン類からなる不純物を分離して精製する方法については、ごく少数しか提案がなされていないが、例えば、特表平9−508627号公報には抽出蒸留による精製方法が記載されている。ハイドロクロロフルオロカーボン類やハイドロフルオロカーボン類のうち、ジフルオロメタン(「CH22」ということがある。)と1,1,1−トリフルオロエタン(「CF3CH3)ということがある。)はペンタフルオロエタンと共沸混合物を形成することが知られており、ペンタフルオロエタンと分離することが非常に困難な化合物である。
【0007】
水素化分解を含む方法によってペンタフルオロエタンを製造した場合、過剰水添脱ハロゲン反応の結果、1,1,1−トリフルオロエタンが副生物として生成する可能性が高く、ペンタフルオロエタン中に比較的多量に含まれる。ペンタフルオロエタン中に含まれる1,1,1−トリフルオロエタンを除去する方法としては抽出蒸留による方法が知られている。しかしながら、この方法では蒸留塔など高価な設備を複数必要とするため、設備費が膨大となるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような背景の下、低温用冷媒やエッチングガスとして、あるいは高純度ヘキサフルオロエタン製造用原料として使用することができる、高純度のペンタフルオロエタンを工業的に有利に製造する方法および該方法により得られるペンタフルオロエタンを用いてヘキサフルオロエタンを製造する方法、並びにペンタフルオロエタンの用途を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ペンタフルオロエタンを製造する方法において、テトラクロロエチレンをフッ素化して不純物を含有する粗ペンタフルオロエタンを得る工程(1)と、触媒の存在下、前記不純物を含有する粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を接触させる工程(2)を含む製造方法を用いることにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明のペンタフルオロエタンの製造方法は以下の工程を含むことを特徴とする。
(1)テトラクロロエチレンをフッ素化して粗ペンタフルオロエタンを得る工程
(2)触媒の存在下、前記粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を接触させる工程
工程(2)で用いられる粗ペンタフルオロエタンが、水素と接触させる工程を経て得られたものであることが好ましい。
工程(2)の温度が150〜400℃であることが好ましい。
【0011】
触媒が三価の酸化クロムを主成分とする坦持型または塊状型触媒であることが好ましい。
触媒が、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする坦持型触媒であることが好ましい。
坦持型触媒に用いる坦体が、アルミナ、フッ化アルミナまたはゼオライトであることが好ましい。
【0012】
粗ペンタフルオロエタンが、フルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタンおよび1,1,2−トリフルオロエタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
粗ペンタフルオロエタン中に含まれる不純物の総量が2vol%以下であることが好ましい。
【0013】
本発明のペンタフルオロエタンの製造方法は、三価の酸化クロムを主成分とする触媒の存在下、粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を、150〜400℃で接触させ、次いで蒸留によって不純物を分離することを特徴とする。
また、本発明のペンタフルオロエタンの製造方法は、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする坦持型触媒の存在下、粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を、150〜400℃で接触させ、次いで蒸留によって不純物を分離することを特徴とする。
【0014】
粗ペンタフルオロエタンが少なくともトリフルオロエタンを含んでいてもよい。
酸素および/または含酸素化合物の濃度が、0.1〜20vol%であることが好ましい。
本発明は、前記のいずれかの製造方法によって得られ、不純物の総量が500volppm以下であるペンタフルオロエタンである。
ペンタフルオロエタン中に不純物として含まれるトリフルオロエタンの含有量が100volppm以下であることが好ましい。
本発明は前記のペンタフルオロエタンを含むことを特徴とする冷媒である。
【0015】
本発明のヘキサフルオロエタンの製造方法は以下の工程を含むことを特徴とする。
(1)テトラクロロエチレンをフッ素化して粗ペンタフルオロエタンを得る工程
(2)触媒の存在下、前記粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を接触させる工程
(3)工程(2)を経て得られるペンタフルオロエタンをフッ素ガスと反応させる工程
工程(2)で用いられる粗ペンタフルオロエタンが、水素と接触させる工程を経て得られたものであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
前述したように、ペンタフルオロエタンは、テトラクロロエチレンまたはそのフッ素化物をフッ化水素(HF)でフッ素化する方法、または、クロロペンタフルオロエタンを水素化分解する方法等により製造することができる。いずれの方法を用いて製造した場合でも、一般的に行われる蒸留操作などの精製工程を経て得られるペンタフルオロエタン中には、ペンタフルオロエタンと分離することが困難な不純物であるクロロペンタフルオロエタンが含まれる。ペンタフルオロエタンを高純度化するためにはこのクロロペンタフルオロエタンを分離することが必要であり、また、オゾン層の破壊を防止するという観点からもクロロペンタフルオロエタンを含まないことが要求されている。
【0017】
ペンタフルオロエタン中に含まれるクロロペンタフルオロエタンを分離する方法としては、前述したように、水素化分解による方法、抽出蒸留による方法、吸着による方法などが提案されている。これらの方法のうち、設備コストなどを考えたうえでより安価にペンタフルオロエタンを製造することができるのは水素化分解による方法である。ここで、ペンタフルオロエタンを製造する方法または精製する方法として、水素化分解工程を含む方法を選択した場合の問題点としては、過剰水添反応の結果、1,1,1−トリフルオロエタン等の難分離性のハイドロフルオロカーボン(HFC)類が生成することが挙げられる。特にジフルオロメタンと1,1,1−トリフルオロエタンはペンタフルオロエタンと沸点が非常に近く、また共沸混合物を形成することが知られており、蒸留などの一般的な精製方法では分離が困難な物質である。ペンタフルオロエタン中に含まれるハイドロフルオロカーボン(HFC)類を分離する方法としては、前述の抽出蒸留による方法が提案されているが、蒸留塔などの高価な設備が複数必要であり、設備コストが膨大となるという問題がある。
【0018】
本発明のペンタフルオロエタンの製造方法は、(1)テトラクロロエチレンをフッ素化して不純物を含有する粗ペンタフルオロエタンを得る工程、および(2)触媒の存在下、前記粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を接触させる工程、を含むことを特徴とする。工程(1)の方法は特に制限はなく、触媒の存在下、テトラクロロエチレンをフッ化水素(HF)を用いて2段階でフッ素化して粗ペンタフルオロエタンを得ることができる。
【0019】
本発明は、ペンタフルオロエタン中に含まれるハイドロフルオロカーボン(HFC)のような不純物を、触媒の存在下、酸素および/または含酸素化合物と気相において150〜400℃に高められた温度で接触させることにより、不純物として含まれるハイドロフルオロカーボン類を酸化してCO2などに転化する。例えば、ペンタフルオロエタン中に含まれるジフルオロメタンと1,1,1−トリフルオロエタンは、酸素で酸化すると下記の式(a)や式(b)で示されるような反応が進行すると推定される。
CH22 + O2 → CO2 + 2HF 式(a)
CF3CH3 + 2O2 → 2CO2 + 3HF 式(b)
【0020】
主な酸化生成物はCO2であり、副生物としてHFが生成する。
この反応でCO2に転化する化合物は、前記のフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタンなどである。これらの化合物は、水素化分解工程を含む製造方法または精製方法を用いた場合、ペンタフルオロエタン中には、総量で通常数千volppm程度含まれている。これらの不純物はペンタフルオロエタンを高純度化するという観点から除去することが要求されている。
【0021】
本発明のペンタフルオロエタンの製造方法において、粗ペンタフルオロエタン中に含まれるハイドロフルオロカーボン(HFC)等の不純物の総量は2vol%以下であることが好ましく、0.5vol%以下がより好ましく、0.3vol%以下がさらに好ましい。ハイドロフルオロカーボン類等の不純物の含有量が2vol%を超えると、反応温度を高くする必要があり、触媒の寿命が短くなることがある。
【0022】
反応に用いられる触媒としては、(i)三価の酸化クロムを主成分とする坦持型または塊状型触媒、または(ii)パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする坦持型触媒であることが好ましい。原料としては、これらの金属、金属酸化物または塩などを用いることができる。また、担持型触媒に使用できる坦体としては、アルミナ、フッ化アルミナまたはゼオライトを用いることができる。
【0023】
三価の酸化クロムを主成分とする触媒(i)の調製方法としては、例えばクロムの金属塩の水溶液中にアンモニア等の塩基性物質を滴下して水酸化クロムを沈殿させた後、沈殿を洗浄、濾過、乾燥して得られる水酸化クロムを成型した後、さらに窒素等の不活性ガスの存在下で加熱処理をすることにより調製することができる。また、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および/または金を主成分とする坦持型触媒(ii)の調製方法としては、例えば前記の金属塩を水溶性溶媒、例えば水、メタノールまたはアセトン等に溶解し、坦体を浸漬して必要な元素を吸着させる。次いで溶媒を留去してさらに水素等で加熱還元処理することにより調製することができる。
【0024】
工程(2)の温度は150〜400℃が好ましく、180〜370℃がさらに好ましい。反応温度が400℃より高いと触媒寿命が短くなる傾向が見られ、主反応に起因しない副生物の種類や量が増加することがある。
反応基質ガス中に含まれる酸素および/または含酸素化合物の濃度は0.1〜20vol%が好ましい。酸素は高純度の酸素または空気を用いることができ、高純度の酸素を用いることが好ましい。酸素の濃度が0.1vol%未満となった場合、ペンタフルオロエタン中に不純物として含まれるハイドロフルオロカーボン類の種類、量により異なるが、反応に必要な酸素が充分でないため、転化率が低下するので好ましくない。また酸素の濃度が20vol%より高くなると、過剰の反応が進行して、反応基質ガスの主成分であるペンタフルオロエタンの分解反応が起こり、ペンタフルオロエタンのロス量が増大するため経済的観点等から好ましくない。また、含酸素化合物としては、一酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(N2O)、二酸化窒素(NO2)またはオゾン(O3)を用いることができる。
【0025】
本発明のペンタフルオロエタンの製造方法は、前述のような反応条件の下に実施することができるが、反応生成物にはペンタフルオロエタンの他に、CO2や主反応に起因しないハイドロフルオロカーボン類等の副生物、HF等の酸分が含まれ、CO2や酸分は除去することが好ましい。
酸分の除去方法としては、例えば精製剤と接触させる方法、水やアルカリ水溶液等と接触させる方法等を用いることができる。酸分を除去したガスは、例えばゼオライト等の脱水剤を用いて脱水を行い、その後蒸留を行ってCO2を除去することが好ましく、それと同時に前述した主反応に起因しない副生物を除去することが好ましい。
【0026】
また本発明は、三価の酸化クロムを主成分とする触媒の存在下、粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を、150〜400℃で接触させ、次いで蒸留によって不純物を分離することを特徴とするペンタフルオロエタンの製造方法である。
また、本発明は、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする坦持型触媒の存在下、粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を、150〜400℃で接触させ、次いで蒸留によって不純物を分離することを特徴とするペンタフルオロエタンの製造方法である。
【0027】
反応後に精製する方法としては特に制限はなく、一般的に用いられている蒸留によって精製することができる。蒸留の方法としては例えば以下の方法を用いることができる。
反応器において粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を、150〜400℃で接触させたガスは蒸留塔に導入される。蒸留塔の塔内圧力は、大気圧から2MPaの範囲内とすることが好ましい。大気圧より低くするためには減圧系の設備が必要となり、2MPaを超えると、高圧系の設備が必要となるので好ましくない。例えば酸素を用いて前記の接触反応を行った場合には、蒸留塔の塔頂から酸素を含む低沸分が抜き出され、蒸留塔のボトムから高沸分が抜き出される。この時、塔頂およびボトムから抜き出される成分の中に、目的成分であるペンタフルオロエタンが含まれることがあるが、その際にはそれぞれ別の蒸留塔に導入して精製してペンタフルオロエタンを回収してもよい。その時分離された成分がペンタフルオロエタンの製造中間体である場合には反応工程に戻して再利用してもよい。
【0028】
このようにして精製することにより、より純度の高いペンタフルオロエタンを得ることができる。含まれる不純物の含有量は500volppm以下である。純度が99.95vol%以上であるペンタフルオロエタンの分析方法としては、ガスクロマトグラフィー(GC)法のTCD法、FID法あるいはガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)法等により実施することができる。
【0029】
次に、本発明の製造方法を用いて得られるペンタフルオロエタンの用途について説明する。
高純度のペンタフルオロエタンは、低温用冷凍機の作動流体として現在用いられているクロロジフルオロメタン(CHF2Cl)の代替品として用いることができる。また他のクロロジフルオロメタン代替品である、ジフルオロメタン/ペンタフルオロエタン/1,1,1,2−テトラフルオロエタンやジフルオロメタン/ペンタフルオロエタン等の混合冷媒の原料としても用いることができる。
【0030】
また、高純度のペンタフルオロエタンは高純度のヘキサフルオロエタン製造用原料としても用いることができる。特に、ペンタフルオロエタンとフッ素ガス(F2)との反応によりヘキサフルオロエタンを製造する方法においては、高純度のペンタフルオロエタンを原料として用いることにより、ヘキサフルオロエタンと難分離性の不純物の生成を抑制したり、フッ素化反応条件の設定し得る範囲が広がり、安定的に制御することができ、精製工程を簡略化できる。
【0031】
従って本発明は、(1)テトラクロロエチレンをフッ素化して不純物を含有する粗ペンタフルオロエタンを得る工程、(2)触媒の存在下、前記粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を接触させる工程、および(3)工程(2)を経て得られるペンタフルオロエタンをフッ素ガスと反応させる工程、をを含むことを特徴とするヘキサフルオロエタンの製造方法である。
工程(2)の粗ペンタフルオロエタンが、水素と接触させる工程を経て得られたものであることが好ましい。
【0032】
さらに、高純度のペンタフルオロエタン、あるいはHe、N2、Ar等の不活性ガス、HCl、O2、H2等との混合ガスは、半導体デバイス製造工程の中のエッチング工程におけるエッチングガスとして用いることができる。LSIやTFT、有機EL等の半導体デバイスの製造プロセスでは、CVD法、スパッタリング法、あるいは蒸着法などを用いて薄膜や厚膜を形成し、回路パターンを形成するためにエッチングを行う際に、前述のペンタフルオロエタンを含む混合ガスをエッチングガスとして用いることができる。ペンタフルオロエタンを用いるエッチング方法は、プラズマエッチング、マイクロ波エッチング等の各種ドライエッチング条件で実施することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ペンタフルオロエタンの原料例)
触媒が充填された第1反応器にテトラクロロエチレンとフッ化水素を導入し、中間体である1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンおよび1,1,1、2−テトラフルオロ−2−クロロエタンを主成分とするガスを生成させ、これをHFと共に第2反応器に導入してペンタフルオロエタンを製造した。このペンタフルオロエタンを蒸留し、不純物としてクロロペンタフルオロエタンを0.5%含有するペンタフルオロエタンを得た。
上記ペンタフルオロエタンを、市販の水素化触媒の存在下、水素と反応させた(反応圧力0.35MPa、反応器温度280℃、H2/クロロペンタフルオロエタンモル比=5)。得られた混合ガスから、公知の方法を用いて酸分を除去した後、蒸留精製を行いペンタフルオロエタンを主成分とする留出物を得た。この留出物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、表1に示した組成を有する混合ガスであった。
【0034】
【表1】
Figure 0004225736
【0035】
(触媒の製造例)(触媒1)
硝酸クロム9水和物を水に溶解し、28重量%のアンモニア水と攪拌しながら混合して、水酸化クロムのスラリーを得た。これを濾別し、水でよく洗浄した後、120℃で乾燥した。得られた固まりを粉砕、黒鉛と混合し、打錠成型機によってペレット化した。このペレットをN2気流下400℃で4時間焼成し、三価の酸化クロムを主成分とする触媒1を得た。
【0036】
(触媒の製造例)(触媒2)
塩化第二白金酸を水に溶解し、これに3mmφの球状アルミナ坦体を浸漬し、白金塩を吸着させた。その後、100℃の温度で溶媒を留去し、300℃で空気焼成を行った後、350℃で水素還元した。得られた白金触媒2の白金坦持率は0.25%であった。
【0037】
(実施例1)
内径1インチ、長さ1mのインコネル600製反応器に触媒(触媒1)100mlを充填し、窒素ガスを流しながら温度を300℃に保持した。次に、酸素を2.0NL/hrの流速で供給し、表1に示した組成を有するガスを38.0NL/hrの流速で供給し、その後窒素ガスの供給を停止して反応を開始した。2時間後、反応器からの出口ガスを水酸化カリウム水溶液で洗浄して酸分を除去した後、モレキュラーシーブス3A(ユニオン昭和株式会社製)と接触させて乾燥した。この乾燥したペンタフルオロエタンを主成分とするガスを冷却捕集し、蒸留により精製を行った。精製後のガスをガスクロマトグラフィーにて分析したところ、表2に示した組成を有するガスであった。
【0038】
【表2】
Figure 0004225736
【0039】
(実施例2)
触媒2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、ペンタフルオロエタンを得た。精製後のガスをガスクロマトグラフィーにて分析したところ、表3に示した組成を有していた。
【0040】
【表3】
Figure 0004225736
【0041】
(実施例3)
内径1インチ、長さ50cmのニッケル製反応器(電気ヒーター加熱、反応器は温度500℃でフッ素ガスによる不動態化処理を実施)に、2つのガス導入口から合計30NL/hrの流速で窒素ガスを供給し、反応器の温度を420℃に保持した。次に、前記の2つのガス導入口から合計50NL/hrの流速でHFを流し、一方のガス導入口から実施例1で得たペンタフルオロエタンを主成分とする混合ガスを3.5NL/hrの流速で導入した。また他方のガス導入口から3.85NL/hrの流速でフッ素ガスを導入して反応を行った。3時間後、反応器からの出口ガスを水酸化カリウム水溶液およびヨウ化カリウム水溶液と接触させ、HFおよび未反応フッ素ガスを除去した。次いで脱水剤と接触させて乾燥し、乾燥したガスを冷却捕集した後に蒸留による精製を行った。精製後のガスをガスクロマトグラフィーのTCD法、FID法、ECD法およびGC−MS法により分析したところ、表4に示した結果であった。
【0042】
【表4】
Figure 0004225736
表4に示した分析結果から明らかなように、ヘキサフルオロエタン中には他の不純物はほとんど含まれず、高純度のヘキサフルオロエタンが得られた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の精製方法を用いれば、高純度のペンタフルオロエタンを得ることができる。本発明で得られたペンタフルオロエタンは低温用冷媒、高純度ヘキサフルオロエタン製造用原料として用いることができる。

Claims (9)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とするペンタフルオロエタンの製造方法。
    (1)テトラクロロエチレンをフッ素化して粗ペンタフルオロエタンを得る工程
    (2)パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする坦持型触媒の存在下、前記粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を接触させる工程
  2. 工程(2)で用いられる粗ペンタフルオロエタンが、水素と接触させる工程を経て得られたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(2)の温度が150〜400℃である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 坦持型触媒に用いる坦体が、アルミナ、フッ化アルミナまたはゼオライトである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 粗ペンタフルオロエタンが、フルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタンおよび1,1,2−トリフルオロエタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. 粗ペンタフルオロエタン中に含まれる不純物の総量が2vol%以下である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  7. パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、白金および金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分とする坦持型触媒の存在下、粗ペンタフルオロエタンと酸素および/または含酸素化合物を、150〜400℃で接触させ、次いで蒸留によって不純物を分離することを特徴とするペンタフルオロエタンの製造方法。
  8. 粗ペンタフルオロエタンが少なくともトリフルオロエタンを含むものである請求項に記載の製造方法。
  9. 酸素および/または含酸素化合物の濃度が、0.1〜20vol%である請求項7または8に記載の製造方法。
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