JP4221978B2 - 金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属帯の製造方法に関する。より具体的には、金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置で常温で降伏点伸びを持つ金属帯を製造する際に該装置内で発生する腰折れを防止できる金属帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属帯は、熱処理等が施されることから、ライン内に加熱手段を有する連続ラインで製造されることが多い。例えば、冷延鋼帯等の鋼帯は、連続焼鈍ラインで製造される。図6は一般的な連続焼鈍ラインを示す概略図である。図6において、1は鋼帯、2は巻き戻し装置、3は連続焼鈍炉で、加熱焼鈍帯4、冷却帯5、OA/冷却帯6がこの順に配置され、7は巻取り装置である。
【0003】
本連続焼鈍ラインで、冷間圧延された鋼帯などの素材鋼帯1は、巻き戻し装置2から繰り出され、焼鈍炉3に導入され、加熱焼鈍帯4で焼鈍され、冷却帯5で冷却され、さらにOA/冷却帯6で冷却された後、または300℃〜400℃程度の温度に再加熱された後冷却されて、焼鈍炉3外に導出される。焼鈍炉3外に導出された鋼帯は、調質圧延機(図示なし)で調質圧延され、巻取り設備7で巻取られる。
【0004】
前記連続焼鈍ラインで鋼帯を製造すると、例えば、200℃程度に加熱すると時効硬化する鋼帯(以後、BH鋼帯と記載することもある)等は、降伏点伸びを有するため、焼鈍炉3通板中に「腰折れ」と呼ばれる歪み模様が発生する場合がある。この欠陥は調質圧延機で調質圧延することにより目立たなくすることが可能であるが、需要家でのプレス成形時等に再び顕在化することがあるため、用途によっては製品の歩留りが大きく低下する。
【0005】
従来の腰折れ防止技術として、板厚、温度、ロール径等から定まる計算式で通板速度を規定する方法がある(特許文献1参照)。また、特定温度域で圧延を行い、結晶粒径の分布状態を制御する方法がある(特許文献2参照)。鋼帯の材質を腰折れが発生しない材質に変える方法(例えば、特許文献1参照)、鋼帯に予歪を付与し、腰折れを目立ち難くする方法(例えば、非特許文献1参照、)。
【0006】
しかしいずれの方法でも問題があった。例えば通板速度を規定する方法では、腰折れ防止に必要な速度が大きく設備によっては実現不可能であるし、粒径制御は温度制御が困難であり安定した効果が得られない。
【0007】
また材質変更は一定の効果が得られるが、同時に材質に影響があるほか、コスト的にも不利である。さらに予歪による方法は、一定の効果は認められるが、予歪自体による腰折れが懸念されるため、大きな予歪は与えられず、効果が限定的になる場合が多い。
【0008】
このように従来技術では腰折れを根本的に防止できる技術がなかったため、外観に厳しい顧客に対しては厳格な品質管理を行って対処せざるを得ず、歩留まり低下の問題があった。
【0009】
以下に、先行技術文献情報について記載する。なお、特許文献4〜6については、説明の都合上、[発明の実施の形態]の項目において説明する。
【0010】
【特許文献1】
特開昭55−136510号(第1頁)
【0011】
【特許文献2】
特開昭58−217637号公報(第1頁)
【0012】
【特許文献3】
特開平6−299292号公報(第1頁)
【0013】
【特許文献4】
特公平7−94704号公報(第1−3頁、第1図)
【0014】
【特許文献5】
特開平10−130801号公報(第1−4頁、図1)
【0015】
【特許文献6】
特開2000−204460号公報(第2頁、図1)
【0016】
【非特許文献1】
荒谷 昌利、外4名、“3ピース缶用鋼板のフルーテリング性に及ぼす製缶条件の影響”、鉄と鋼、日本鉄鋼協会、1997年、83巻、第4号、p.19−24
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置で常温で降伏点伸びを持つ金属帯を製造する際に該装置内で発生する腰折れを防止できる金属帯の製造方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の手段は次の通りである。
(1)金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置で常温で降伏点伸びを持つ金属帯を製造する方法であって、
金属帯を下記しきい温度以上に加熱する加熱工程と、
前記金属帯の温度が下記しきい温度T1以上650℃以下の温度域で金属帯に塑性歪を付与する歪付与工程とを備え、
前記塑性歪は、(イ)金属帯を曲げ変形させるロールを用いて付与されるとともに、該塑性歪は金属帯の表面塑性歪量が0.1%超1.5%以下である、または、(ロ)圧延ロールにより付与される圧延歪であり、該塑性歪量は0.1%超1.5%以下である
ことを特徴とする金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0019】
但し、しきい温度T1は、該温度以上で金属帯の降伏点伸びがなくなる温度である。
【0020】
(2)前記歪付与工程は、加熱焼鈍工程の最大金属帯温度到達地点下流側、腰折れ発生危険部上流に設けられることを特徴とする(1)に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0021】
但し、腰折れ発生危険部とは、前記塑性歪が付与されないときに金属帯に腰折れが発生する箇所である。
【0024】
(3)前記塑性歪は、1〜5回に分割して付与されることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0025】
(4)前記塑性歪付与工程は、加熱焼鈍工程内の最大金属帯温度到達地点下流に設けられることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0026】
(5)前記歪付与工程以降から前記腰折れ発生危険部までの間、前記金属帯温度は650℃以下とされることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0027】
(6)前記塑性歪を2本以上のロールを用いて付与するときに、前記塑性歪は、鋼帯通板方向出側に配置された最終ロールで付与される表面塑性歪量が前記最終ロールの上流側ロールで付与される表面塑性歪量より小さくなるように付与されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0028】
(7)前記塑性歪は、金属帯通板方向の金属帯両側に千鳥配置された3本のロールを用いて付与されるとともに、前記3本のロールのうち、金属帯通板方向出側に配置された最終ロールは略パスライン位置に配置され、金属帯通板方向入側に配置された入側ロールは前記金属帯をパスラインと略直角方向に前記パスラインを超えて押し込まれ、前記入側ロールと前記最終ロールの間に配置された中間ロールは、前記金属帯をパスラインと略直角方向に前記パスラインを超えて押し込まれることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0029】
(8)前記入側ロールのパスラインからの押し込み量と前記中間ロールのパスラインからの押し込み量は略同一であることを特徴とする(7)に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0030】
(9)前記3本のロールのうち、前記最終ロールのロール径は、前記入側ロール及び前記中間ロールのロール径より大きいことを特徴とする(7)または(8)に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0031】
(10)前記塑性歪は、金属帯通板方向の金属帯両側に千鳥配置された3本のロールを用いて付与されるとともに、前記3本のロールのうち、金属帯通板方向出側に配置された最終ロールのロール径は、金属帯通板方向入側に配置された入側ロール及び前記入側ロールと前記最終ロールの間に配置された中間ロールのロール径より大きいことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0032】
(11)前記入側ロールと前記最終ロールは、略パスライン位置に配置され、前記中間ロールは、前記金属板をパスラインと略直角方向に前記パスラインを超えて押し込まれることを特徴とする(10)に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、連続焼鈍設備における鋼帯の腰折れ発生原因とその回避方法を鋭意検討した。まず、腰折れの発生原因について検討した結果、以下の知見が得られた。鋼帯は、連続製造装置内を通板される際、種々の鋼帯温度範囲でロールにより曲げ加工を受け、強い応力が加わる。その応力の大きさが降伏応力を超えた時に、曲げ部が局所的に降伏し、腰折れとなる。ここで、前記応力は、ロールによる曲げ応力であるため、表面近傍が最も大きい。
【0044】
本発明者らは、曲げ加工による材料試験、および実機における試験を行った。その結果、常温で降伏点伸びがある鋼帯であっても、鋼帯温度がある一定温度以上になると降伏点伸びがなくなる。前記しきい温度T1は鋼帯の降伏点帯がなくなる温度であることがわかった。しきい温度T1以上で、鋼帯に腰折れが発生しないのは、この温度域では、鋼帯に降伏点伸びがないため、降伏点を超えた応力でも局所的な歪集中が発生しないためと考えられる。
【0045】
また、一般に、常温では予め歪を加えておけば次加工での腰折れは発生しにくくなることが知られている。本発明者らは、この歪付与効果がしきい温度T1以上でも、効果を持つこと、すなわち、鋼帯温度がしきい温度T1以上にあるときに鋼帯に予歪を付与すると、その後、鋼帯がしきい温度T1より低い温度でロールで曲げ加工されても腰折れが発生しないことを新規に見出した。しきい温度T1は鋼種等によって異なり、該しきい温度T1は鋼帯温度を変えて引張試験を行い、降伏点伸びがなくなる鋼帯温度から決定される。また、温度が高すぎると歪付与効果が減少し、650℃超となるとほとんど防止効果が見られなくなること、導入する塑性歪量は表面歪で0.1%超が必要であるが、1.5%以上になるとその効果は頭打ちとなること、前記表面塑性歪は1回の曲げロールで加える必要は無く、前記温度域で、数回に分けて加えても良いが、6回以上に分けて付与すると効果が頭打ちになることが判明した。したがって、塑性歪は1〜5回に分けて付与されることが好ましい。ここで、歪量は弾性歪+塑性歪であり、弾性歪はσ/E(σ;材料の降伏応力、E;ヤング率)で表される。
【0046】
腰折れ欠陥を発生させる応力は、ロールによる曲げ応力であるため、表面近傍が最も大きい。このことから、腰折れ欠陥を防止するには、最も強い応力が加わると考えられる表面近傍への対策が有効である。係る観点からは、曲げロールにより予歪を付与する方法が考えられる。試験の結果、曲げロールにより予歪を付与する場合、ロール本数は1〜5本が好ましい。
【0047】
なお、特許文献4〜6には、焼鈍炉で鋼帯にロール曲げ加工することが記載されている。
【0048】
特許文献4は、外径50mm以上500mm以下のロールで曲げ加工してから鋼帯を焼鈍することで結晶粒径を整え、亜鉛めっき浴中での固液反応及びそれに続くFe−Zn合金化反応を均一に進ませ、合金化処理で発生する表面凹凸欠陥を防止する。本件発明と課題、構成が異なる。
【0049】
特許文献5は、曲げ半径300mm以下で曲げ、曲げ戻し加工を施し、鋼帯表面に残留歪を付与することで鋼板とめっき界面での拡散反応を均一化する。これによって、Si、P、Mn等が添加されている鋼帯において添加元素の不均一分布に起因する初期合金化むらを防止し、また熱延鋼帯において表面粗度が大きいことに起因する初期合金化むらを防止し、もってめっきの光沢むら、光沢度低下及び合金化反応むらを防止する。本件発明と課題が異なる。
【0050】
特許文献6は、帯板を非酸化雰囲気の通板室から溶融金属のめっき浴中に通板してめっきする装置の前記通板室内に、パスライン内の2点を支点として帯板を通板位置の向こう側に押し込み可能な押し込みロールを設けて、帯板の反りを矯正する。
【0051】
前記特許文献4〜6は、いずれも対象とする鋼帯が溶融めっき鋼帯であり、さらに腰折れを防止することは考慮されていない。
【0052】
本発明は、上記知見に基づきなされた。
【0053】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照してさらに説明する。金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置の一例として、連続焼鈍ラインを例に挙げて説明する。なお以下の説明では、金属帯として鋼帯を念頭において説明する。図1は本発明の実施の形態に係る連続焼鈍ラインの要部を示す概略図で、前記図6に示した一般的な連続焼鈍ラインに歪付与装置8を設置したものである。加熱手段として、金属帯を加熱焼鈍する加熱焼鈍帯4を備える。
【0054】
本実施の形態では、最大鋼帯温度到達地点の下流で、前記しきい温度T1以上650℃以下の焼鈍炉2内に歪付与装置を設ける。温度が前記しきい温度T1より低い鋼帯に歪を付与すると、歪付与時に帯に腰折れが発生し、腰折れを防止する効果が奏されない。また温度がしきい温度650℃℃超の鋼帯に歪を付与すると、予歪付与効果が認められなくなり、鋼帯に腰折れが発生する。
【0055】
予歪付与装置は、最大鋼帯温度到達地点より下流側に設ける。予歪付与装置を最大鋼帯温度到達地点より上流側に設けると、その後前記温度に加熱されることで、予歪付与効果が消失し、腰折れの発生を防止することができなくなる。
【0056】
通常、鋼帯は、加熱焼鈍帯4で、650℃以上の温度に加熱、焼鈍された後、しきい温度T1より低い温度まで冷却帯5で冷却される。本発明で規定する温度域であるしきい温度T1以上650℃以下の温度域は加熱焼鈍帯4〜冷却帯5間に存在する。したがって、歪付与装置は加熱焼鈍帯4〜冷却帯5間の前記温度部分、すなわち加熱焼鈍帯4の前記温度部分、冷却帯5の前記温度部分及び両者の連接部の少なくとも一方に設ける。通常、加熱焼鈍帯4には、鋼帯温度がしきい温度T1以上、650℃以下の温度域が存在する。したがって、歪付与装置8は加熱焼鈍炉4内に設けるのが適する。鋼帯温度が前記しきい温度T1以上にならない場合は新たに加熱セクションを設けて鋼帯温度を前記温度域まで加熱することで本発明で規定する温度範囲を実現させ、しかる後に歪を付与してもよい。
【0057】
歪付与は曲げロールで付与することができる。表面塑性歪が複数回に分けて付与される場合、本発明で規定する表面塑性歪は各々の歪付与で金属帯表面に付与される塑性歪量の和である。すなわち、i回目で付与される表面塑性歪量をεiとしたときに、本発明で規定する表面塑性歪εは、ε=Σεiで定義される。圧縮歪、引張歪のいずれでであってもその和として算出される。引張り、圧縮に関わらずその和であるのは、この腰折れ防止メカニズムが圧縮、引張りには無関係の転移に起因しているためと推定される。
【0058】
その際のロール(曲げロール)は、歪付与部における当該鋼帯に対して塑性歪を、表面塑性歪で0.1%超1.5%以下付与できるロール径および本数とする必要がある。複数本で分割して歪を付加する場合、以下の計算式で必要ロール本数Nが決定される。
【0059】
【数1】
ただし、t;板厚mm、T;板張力kg、w;板幅mm、σ;降伏応力kg/mm2、E;ヤング率kg/mm2であり、Rはロールに巻きつく際の曲率半径である。例えば、板厚1mm、板張力1000kg、板幅1000mm、降伏応力20kg/mm2、ヤング率20000kg/mm2で、曲率半径を300mmとした場合は、
1.33 ≦ N ≦ 19.95
となり、結局必要本数は2本以上19本以下となる。実際には対象となる鋼帯の板厚や、降伏応力等に幅があるため、その変動に対応できるように、ロールの押込み量を調整し、曲率半径を調整できるようにするのが好適である。なお、ロール本数が6本以上になると、歪付与効果が飽和し、設備費用や保守費用等が高くなるので、本数は1〜5本の範囲で選定することが好ましく、2〜3本がより好ましい。
【0060】
ロールで曲げ加工する場合、少なくとも一本のロールで付与される金属帯の曲率半径が400mm以下となるようにロール径を選択し、該ロールの押し込み量を調整して金属帯を曲げ加工することが好ましい。金属帯を曲率半径400mm以下で曲げるには、ロール径がφ800mm以下のロールを用いる必要があり、ロール本数は1本以上であればよい。例えばφ800mmのロール(大径ロール)で金属帯が該ロールに十分巻きつくように押込み量を調整する方法やロール径がφ400mmのロールで押込み量を調整する方法を例示できる。但し、ロールの押し込み量は金属帯材質、厚さ等で異なる。付与する表面塑性歪量を大きくするには、ロールの押し込み量を大きくすることや小径ロールを使用することがよい。曲げロールのロール径は、φ400mm以下の小径ロールが好ましい。なお、なお、縦型焼鈍炉ではハースロール径は通常φ800mm以上、特殊の専用炉にあってもφ500mm超、一般にはφ600mmある。
【0061】
このようにしてロールの径、設置数、設置場所を決定することで、本発明で必要な温度域および、塑性歪量を実現できる。
【0062】
図1の連続焼鈍ラインでは、歪付与装置8は加熱焼鈍炉4内の出側近傍に近い最終パスに設置されている。図2は、図1の装置に設置されている歪付与装置を示す概略図で、3本のロールが配置されている例である。すなわち、予歪付与装置8は、鋼帯1通板方向(上下方向)位置をずらし、鋼帯1の両側に千鳥配置された3本のロール11〜13で構成されている。前記ロール11〜13はそれぞれ独立にパスラインと略直角方向に移動自在に構成されている。14、15はハースロールである。
【0063】
図2の装置を用い、ロール11〜13のうちの少なくとも1本以上をパスラインと略直角方向にパスラインを超えて押し込むことで鋼帯の表面に塑性歪を付与する。一例を挙げると、図3(a)に示すように、ロール11及び13をパスラインにほぼ接するように配置し、ロール12をパスラインと略直角方向にパスラインを超えて押し込むことで、鋼帯1を曲げ加工してその表面に塑性歪を導入する。あるいは、図3(b)に示すように、ロール13をパスラインにほぼ接するように配置し、ロール11と12をそれぞれパスラインと直角方向に互いに異なる方向、すなわちロール12はロール11側に押し込み、ロール11はロール12とは反対方向に、各々パスラインを超えて押し込むことで、鋼帯1を曲げ加工してその表面に塑性歪を導入する。図3(a)及び(b)では、ロール11は、鋼帯1のシンクロール6と接触する面側に配置されている。なお、本明細書において、「ロールがパスライン位置にある」とは、ロールがパスラインに接する位置にあることを意味している。図3(a)、(b)で、ロール12は、鋼帯1に対してハースロール15と同じ側に配置されている。
【0064】
図3(c)、(d)に示すように、鋼帯1に対する各々のロール配置は、前記(a)、(b)と逆の配置であってもよい。
【0065】
導入される表面塑性歪量は、鋼帯の曲げ曲率で決定され、曲げ曲率は、隣り合うロール同士の金属帯通板方向間隔、ロール径とその押込み量(パスラインを超える押し込み量)を制御することで制御できる。なお、鋼種等の金属帯材質、板厚、温度等の操業変数、隣り合うロール同士の金属帯通板方向間隔、ロール径、ロールの押し込み量等と、表面塑性歪量の関係を予め求めて、対応表を作成しておき、この対応表に基き、操業変数値に応じて、前記各場合におけるロールの押し込み量を設定する。
【0066】
図2に示した装置は、3本の曲げロールが配置されている例であるが、ロール本数は3本に限定されず、1〜5本の範囲内とすることが好ましい。
【0067】
歪付与装置8で鋼帯1に塑性歪を付与する際に鋼帯1幅方向反り(C反り)に影響を与える。C反りが大きいと、冷却帯5での鋼帯1の均一冷却を妨げ鋼帯1形状を悪化させたり、スリキズを発生させたり等するため、歪付与装置出側で鋼帯1のC反りが少ないことが望ましい。
【0068】
本発明者等は、前記塑性歪付与と同時に歪付与後の鋼帯形状(C反り)を良好ならしめることについても検討した。その結果、鋼帯通板方向最終ロールで付与される歪量を小さくすることが有効であること明らかになった。3本のロールを使用する場合、図3(b)及び(d)に示されるように、金属帯通板方向最終ロールであるロール13は略パスライン位置(パスラインに接する位置またはその近傍位置)、中間ロール(ロール13の上流側ロール)であるロール12は、パスラインを超えて前記ロール13側に押し込まれた位置、入側ロール(ロール12の上流側ロール)であるロール11は、パスラインを超えて前記ロール12側に押し込まれた位置に配置することが好ましい。
【0069】
前記において、ロール11のパスラインからの押し込み量(d1)、ロール12のパスラインからの押し込み量(d2)を略同一にすることがより好ましい。
【0070】
最終ロールで付与される歪量としては、例えば、金属帯に付与される塑性歪(各ロールで付与される塑性歪の和)が0.5%程度である場合、最終ロールで付与される塑性歪を0.1%程度とする例を例示できる。前記ロール配置の一例を挙げると、ロール11〜13の径をφ250mm、ロール同士の間隔を300mmとし、ロール13をパスライン位置に配置し、ロール11と12をパスラインから50mm押し込む例を例示できる。但し、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0071】
最終ロールで付与される歪量を小さくするには、前記ロール押し込みと組み合わせて、あるいは前記ロール押し込み方に代えて、最終ロールのロール径を該ロールの上流側に配置される曲げロールのロール径より大きくするようにしてもよい。例えば図2において、最終ロールのロール径を入側ロール、中間ロールの各ロール径より大きくすることが有効である。図2において、最終ロールのロール径を大きくした場合、各ロールのロール配置(押し込み方法)は、図3(a)及び(d)のように、入側ロールと最終ロールをパスライン位置に配置し、中間ロールをパスラインと略直角方向にパスラインを超えて押し込む配置であってもよい。このロール配置の一例を挙げると、ロール11とロール12のロール径を150mm、ロール13のロール径を400mmとし、ロール11と13をパスライン位置に配置し、ロール12のパスラインからの押し込み量を100mmとする例を例示できる。但し、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0072】
また、前記と組み合わせ、あるいは前記に代えて、入側ロールと中間ロールの間隔(鋼帯通板方向間隔)よりも、中間ロールと最終ロールの間隔を大きくするようにロールを配置してもよい。
【0073】
曲げロールを2本使用するときは、前記最終ロール13に代えて、ハースロール15を使用できるようなロール配置にすることが好ましい。また、曲げロールを4〜5本使用するときは、最終ロールで付与される塑性歪を小さくする観点から、最終ロールはパスライン位置に配置されることが好ましい。
【0074】
但し、最終ロールで付与される歪は、最終ロールとその上流側のロールの相対的な位置関係で決まるものであるから、最終ロールの上流側ロールの押し込み量が大きい場合は、最終ロールのパスラインに対する位置をパスラインからずらす場合もある。したがって、最終ロールの位置はパスライン位置に限定される訳ではない。
【0075】
例えば、図4において、ロール22〜24のパスラインに対する押し込み位置が各々x1〜x3(パスライン位置が「0」、右側への移動量は「+」、左側への移動量は「−」である。)であり、ロール22の押し込み量(|x1|)を小さく、ロール23の押し込み量(|x2|)を大きくした場合、最終ロールで付与される歪は、最終ロール24と中間ロール23の相対的な位置関係(|x2−x3|)で決まるので、ロール24は、パスラインより左側に移動させるように配置する方が好ましい。
【0076】
歪付与装置出側の鋼帯反りを少なくするには、鋼帯表面に前記で説明したような表面塑性歪みが付与されることが必要である。鋼帯反りを少なくする曲げロールの押し込み量は、前記塑性歪の付与で説明したのと同様にして、前記操業変数と、所定表面塑性歪量の付与とC反り防止効果を両立できるロールの押し込み量の対応表を作成しておき、この対応表に基き、操業変数値に応じて、ロールの押し込み量を設定することで、腰折れを防止できるだけでなく、ガスワイピングノズル部におけるC反り発生を防止できる。
【0077】
前記のようにして歪を付与することで、腰折れが発生する危険が高い、しきい温度T1より低い温度域でロールによる曲げ変形があっても、前記歪効果により腰折れ欠陥が発生せず、しかも、歪を与える温度域が腰折れ発生の危険がない温度域であるため、歪付与の際に腰折れが発生することも皆無であるため、理想的な腰折れ防止法といえる。
【0078】
前記したように、特許文献6には、押し込みロールを設けて帯板の反りを矯正することが記載されている。しかし、特許文献6では、めっき浴中にサポートロールを備える溶融めっき設備における反り防止を対象とし、また該サポートロールと押し込みロールを併用することで帯板の反りを矯正するものであって、サポートロールを使用しないで、押し込みロールだけで帯板の反りを矯正するものではない。また、特許文献6では、帯板表面に所要の塑性歪を付与することは示されていないだけでなく、めっき浴中にシンクロールを備えないので、帯板に安定して十分な張力を付与することが困難であり、したがって帯板表面に所要の表面塑性歪を安定して付与することはできないと考えられる。
【0079】
以上、曲げロールを使用して歪を付与することを説明した。曲げロールに代えて、圧延ロールを使用して塑性歪を付与してもよい。この場合、鋼帯に付与する塑性歪は0.1%超1.5%以下にすればよい。
【0080】
図1に示した連続焼鈍ラインでは、鋼帯1はOA/冷却帯6で再加熱されることがある。OA/冷却帯6内またはそれより下流側に腰折れ発生危険部が存在する場合は、歪付与後該腰折れ発生危険部に至る間の鋼帯温度は、しきい温度T1以上にされないことが必要である。
【0081】
連続焼鈍ラインに歪付与装置を設けた上記本発明の本実施の形態では、焼鈍炉3通板中に「腰折れ」が発生しやすいBH鋼板の腰折れを防止するのに好適であるが、本発明は前記鋼板に限定されず、焼鈍炉3通板中に「腰折れ」が発生しやすい鋼帯において、広く腰折れを防止する効果が奏される。連続焼鈍ラインは、図1に示される構成の連続焼鈍ラインに限定されず、他の構成の連続焼鈍ラインであってもよい。また、前記で説明した歪付与装置を圧延装置に代え、圧延ロールで歪を付与してもよい。この場合、腰折れを防止するいは、0.1%超1.5%以下の圧延歪を付与すればよい。
【0082】
歪付与装置8を設置する金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置は連続焼鈍ラインに限定されず、金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置であればよく、鋼帯は冷延鋼帯以外、例えば熱延鋼帯であってもよく、鋼帯以外の金属帯であってもよい。本発明によれば、常温で降伏点伸びを持つ金属帯の腰折れを効果的に防止できる。
【0083】
【実施例】
焼鈍後後に常温で降伏点伸びを有する、厚さ0.75mm、幅1200mmの鋼帯を準備した。鋼帯の化学成分を表1に記載する。
【0084】
【表1】
図1に示した連続焼鈍ラインを用いて、前記鋼帯を、ライン速度120mpm、張力2kg/mm2、焼鈍温度850℃で焼鈍した後、予歪付与装置21で種々の条件で予歪を付与した後、冷却帯5で約400℃に冷却し、OA/冷却帯6で300〜400℃に保持した後冷却し、さらに調質圧延機(図示なし)で調質圧延を行って、冷延鋼帯を製造した。比較のために、予歪を付与しない冷延鋼帯も製造した。該冷延鋼帯(焼鈍後の冷延鋼帯、予歪付与なし且つ調質圧延なし)は、常温での引張り材料特性は、上降伏点25kg/mm2、下降伏点22kg/mm2、降伏点伸び4.3%で、引張試験によると降伏点伸びのなくなる温度(しきい温度T1)は440℃であった。
【0085】
予歪付与装置8は加熱焼鈍帯4に配置され、図2に示したロール本数が3本の装置に代えて、図5に示されるように、ロール本数が6本で金属帯通板方向に千鳥配置された装置(金属帯通板方向に対して上流側から#1〜#6ロールとする)を使用した。ロール径はいずれもφ250mm、隣り合うロール同士の鋼帯通板方向間隔(軸心距離;L1)はいずれも300mm、#6ロールとハースロール15との間隔(軸心距離;L2)は1000mmである(以下、A装置という)。また予歪付与装置下流側のハースロール径はφ1000mmである。
【0086】
3本のロールを使用する場合は、#1〜#3ロールはパスラインから退避させて開放し、#6ロールをパスライン位置に配置し、#4ロールと#5ロールを図3(b)に示すようにパスラインからずらした位置に押し込み、その押し込み量を調整した。
【0087】
5本のロールを使用する場合は、#1ロールは不使用とし、#2、#4、#6ロールの3本をパスライン位置に配置し、前記各々のロールの中間に千鳥対置された#3、#5の2本のロールをパスラインと略直角方向にパスラインを超えて押し込んだ。
【0088】
6本のロールを使用の場合は、#2、#4、6ロールの6本をパスライン位置に配置し、前記各ロールに対して千鳥対置された#1、#3、#5の3本のロールをパスラインと略直角方向に押し込み、その押し込み量を調整した。
【0089】
また、前記A装置において、#1〜3ロールを撤去し、#4〜#6ロールにφ100mmのロールを設置し(以下、B装置という)、#6ロールをパスライン位置に配置し、#4ロールと#5ロールを図3(b)に示すようにパスラインからずらした位置に押し込み、その押し込み量を調整した。前記#4〜#6ロールは、ロール剛性の点から、各々φ400mmのバックアップロールで補強した。
【0090】
1本のロールを使用する場合は、前記A装置において、#1〜#6のロールを撤去し、#3ロールとしてφ1000mmのロール、#6ロールとしてφ100mmのロールをそれぞれ配置し(以下、C装置という)、#6ロールをパスラインを超えて押し込み、押し込み量を調整した。前記#6ロールは、ロール剛性の点からφ400mmのバックアップロールで補強した。
【0091】
前記で得た鋼帯の腰折れ程度を、自動車ドアパネルのプレスを模したプレス試験を行った後、目視観察し、腰折れ欠陥の程度に応じて0〜5の6段階で評価した。腰折れ程度は0(発生なし)が最良で、数字が大きいほど劣位で5が最劣位である。自動車外板などの用途では評点「1」以下、自動車内板などの用途では「2」以下が望ましい。予歪付与条件及び腰折れ程度の評価結果を表2に記載する。
【0092】
【表2】
予歪付与条件が本発明範囲内にある発明例は、腰折れ程度の評点が2以下であり、腰折れ欠陥が防止され、または本発明範囲を外れる比較例に比べて、その程度が軽微である。さらに予歪付与後の鋼帯反りも少なく、鋼帯反りに起因する通板上、品質上の問題は無かった。
【0093】
さらに自動車ドアのプレス試験を実施したところ、評点0及び1については、連続焼鈍ラインでの腰折れに起因する欠陥は全くみられず、評点2のものも連続焼鈍ラインでの腰折れに起因する欠陥に起因する非常に軽微であった。このように、本発明を用いることで腰折れがない鋼帯を製造することができた。
【0094】
本実施例ではロール曲げによる表面塑性歪付与を行ったが、他の方法(例えば圧延法)によって実施しても同様の効果が得られる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、降伏点伸びのある金属帯でも表面性状を著しく劣化させる腰折れ模様を、低コストでしかも確実に防止でき、欠陥検査等の簡略化が図れる。
【0096】
また、本発明によれば、予歪付与後の金属帯C反りを低減できるので、金属帯C反りに起因する通板上、品質上の問題の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る連続焼鈍装置の概略図である。
【図2】図1の装置に配置される歪付与装置の構成例を説明する概略図である。
【図3】曲げロールのロール配置例を説明する図である。
【図4】予歪付与装置に使用するロールの別の配置例を説明する図。
【図5】実施例で使用した予歪付与装置のロール配置を説明する図。
【図6】一般的な連続焼鈍装置の概略図である。
【符号の説明】
1 金属帯(鋼帯)
2 巻き戻し装置
3 連続焼鈍炉
4 加熱手段(加熱焼鈍帯)
5 冷却帯
6 OA/冷却帯
7 巻取り装置
8 歪付与装置
11〜13 曲げロール
14、15 ハースロール
Claims (11)
- 金属帯の加熱手段を有する金属帯製造装置で常温で降伏点伸びを持つ金属帯を製造する方法であって、
金属帯を下記しきい温度以上に加熱する加熱工程と、
前記金属帯の温度が下記しきい温度T1以上650℃以下の温度域で金属帯に塑性歪を付与する歪付与工程とを備え、
前記塑性歪は、(イ)金属帯を曲げ変形させるロールを用いて付与されるとともに、該塑性歪は金属帯の表面塑性歪量が0.1%超1.5%以下である、または、(ロ)圧延ロールにより付与される圧延歪であり、該塑性歪量は0.1%超1.5%以下である
ことを特徴とする金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
但し、しきい温度T1は、該温度以上で金属帯の降伏点伸びがなくなる温度である。 - 前記歪付与工程は、加熱焼鈍工程の最大金属帯温度到達地点下流側、腰折れ発生危険部上流に設けられることを特徴とする請求項1に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
但し、腰折れ発生危険部とは、前記塑性歪が付与されないときに金属帯に腰折れが発生する箇所である。 - 前記塑性歪は、1〜5回に分割して付与されることを特徴とする請求項1または2に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記塑性歪付与工程は、加熱焼鈍工程内の最大金属帯温度到達地点下流に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記歪付与工程以降から前記腰折れ発生危険部までの間、前記金属帯温度は650℃以下とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記塑性歪を2本以上のロールを用いて付与するときに、前記塑性歪は、鋼帯通板方向出側に配置された最終ロールで付与される表面塑性歪量が前記最終ロールの上流側ロールで付与される表面塑性歪量より小さくなるように付与されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記塑性歪は、金属帯通板方向の金属帯両側に千鳥配置された3本のロールを用いて付与されるとともに、前記3本のロールのうち、金属帯通板方向出側に配置された最終ロールは略パスライン位置に配置され、金属帯通板方向入側に配置された入側ロールは前記金属帯をパスラインと略直角方向に前記パスラインを超えて押し込まれ、前記入側ロールと前記最終ロールの間に配置された中間ロールは、前記金属帯をパスラインと略直角方向に前記パスラインを超えて押し込まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記入側ロールのパスラインからの押し込み量と前記中間ロールのパスラインからの押し込み量は略同一であることを特徴とする請求項7に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記3本のロールのうち、前記最終ロールのロール径は、前記入側ロール及び前記中間ロールのロール径より大きいことを特徴とする請求項7または8に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記塑性歪は、金属帯通板方向の金属帯両側に千鳥配置された3本のロールを用いて付与されるとともに、前記3本のロールのうち、金属帯通板方向出側に配置された最終ロールのロール径は、金属帯通板方向入側に配置された入側ロール及び前記入側ロールと前記最終ロールの間に配置された中間ロールのロール径より大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
- 前記入側ロールと前記最終ロールは、略パスライン位置に配置され、前記中間ロールは、前記金属板をパスラインと略直角方向に前記パスラインを超えて押し込まれることを特徴とする請求項10に記載の金属帯製造設備内での腰折れ発生を防止する金属帯の製造方法。
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