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JP4220291B2 - 非接触icカード及び非接触icカード用基材 - Google Patents

非接触icカード及び非接触icカード用基材 Download PDF

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JP4220291B2
JP4220291B2 JP2003113116A JP2003113116A JP4220291B2 JP 4220291 B2 JP4220291 B2 JP 4220291B2 JP 2003113116 A JP2003113116 A JP 2003113116A JP 2003113116 A JP2003113116 A JP 2003113116A JP 4220291 B2 JP4220291 B2 JP 4220291B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップとアンテナシートを内包する非接触ICカードと、それに使用する非接触ICカード用基材に関する。
特に、アンテナシートを含む複数のシートを積層しプレスラミネートして製造する非接触ICカードにおいて、優れた外観品質と層間剥離強度を有すると共に、リライト記録層を有する場合に、その印字適性を改良したICカードを企図するものである。
従って、本発明の利用分野は非接触ICカードの製造や利用分野に関する。
【0002】
【従来技術】
非接触ICカードは、電磁誘導の原理により外部から電力と信号を非接触で得るため、カード内部にコイルを形成したアンテナシート(一般に「インレイ」ということもある。)を内包する。受送信する信号を処理し記憶するICチップは、コイルアンテナに接続してアンテナシートに一体にして使用する場合と、基板付きのICモジュールにしてカード表面に装着し、ICモジュールとアンテナシートとを接続する場合とがある。
前者の場合は、ICチップ(モジュール化する場合もある。)とコイルアンテナが共にカード基体内に埋設されているので、特に表面平滑性が低下し易い。
従来の非接触ICカードの基材は、塩ビまたはPET(ポリエチレンテレフタレート)やPET−Gをプレスラミネートしたり、あるいは接着シートを挿入して貼り合わせしたりして製造しているが、同時に平滑性を高めるため塩ビを発泡したり、あるいは接着シートを発泡させたりしてICチップやコイルアンテナによって生じるカード表面の凹凸を吸収する試みがされている。
【0003】
例えば、特許文献1は、ICモジュールの外周部分に発泡樹脂を射出成形することにより発泡樹脂層を形成することを記載しているが、ICモジュールの外周部分のみという限られた範囲であるため、ICカードの全面を平滑にすることは困難と考えられる。
また、特許文献2は、アンテナコイルが内包する空気だまりを除去すべく、ICチップ付きコイルアンテナのコイルが形成する円形の内側に納まる大きさのスペーサシートを挿入して熱プレスする非接触型ICカードとその製造方法を提案しているが、ICチップの凹凸形状まで吸収するのは困難と考えられる。
【0004】
また、本願出願人による先の出願(特許文献3)は、ICカード用基材に、体積比率で20〜30%の微細な空洞を含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂シートを、表裏印刷シートとして使用することを提案している。
また、先の出願(特許文献4、特許文献5)は、アンテナシートの両側に設けるスペーサシートにICチップの厚みを吸収する貫通孔を設けること、アンテナシートとスペーサシート間に接着シートを用いること、等を提案している。
さらに、先の出願(特許文献6)は、アンテナシートを中心とした表裏の層構成を完全に対称とすること、を提案している。
【0005】
図5は、従来の非接触ICカードの層構成を示している。
この層構成では、厚み40μmのアンテナシート11の両面に、厚み180μmのPET−G樹脂製シートからなるスペーサシート15,16を置き、その外面に厚み125μmの二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)シートからなる印刷シート20,30を積層する構成にしている。アンテナシート11とスペーサシート15,16の間は、厚み50μmの接着シート13,14を介して接着するものである。
スペーサシート15に貫通孔151、スペーサシート16に貫通孔161を設けてICチップ4の厚みを吸収することと、アンテナシート11の両面の各シート厚みを同一にして表裏対称の基材層構成とすることで、反りの発生を抑制するようにされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−183190号公報
【特許文献2】
特開2001−109863号公報
【特許文献3】
特願2002−148596号
【特許文献4】
特願2002−148597号
【特許文献5】
特願2003−001735号
【特許文献6】
特願2002−337238号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記、先の出願(特許文献5)の技術によれば、アンテナシート上に実装されるICチップやアンテナの突起を、ある程度吸収することができ、リライト層がある場合の印字適性も優れるが、印刷シートとスペーサシートとの層間剥離強度が不足する傾向があった。
すなわち、延伸PET製の印刷シートはプレスラミネートの加熱温度では軟化しないため、二層間の密着力はもっぱら、軟化温度の低いPET−G樹脂製スペーサシートの融着力のみにより生じる。そのため、実際の使用時に受ける曲げやねじれの負荷に対する貼り合わせ面の密着耐久性は十分でなく、印刷シートとスペーサシートとの間で剥離を生じる場合があった。
【0008】
この対策として、既出願の層構成に加えて、さらにスペーサシートの外側(印刷シート側)にも接着シートを設けてみたが、重ね合わせるシート数が増えたため、材料費と製造コストが非常に高くなってしまうという問題が生じた。
また、プレスラミネートの加熱温度を上げて、延伸PET製の印刷シートを軟化させることも試みたが、印刷インキが色焼けして変色したり、シートと共に熱で絵柄が伸びて歪んでしまうような状態となった。またさらに、延伸PETの再結晶化が進み、カード基材が脆く割れ易くなるという問題も生じた。
【0009】
そこで、本願発明者は、アンテナシートを埋設して製造する非接触ICカードにおいて、ICチップやアンテナの突起を吸収してカードの平滑性を確保すると共に、印刷シートとスペーサシート間の層間剥離強度を高めることを別途の方法で解決することを研究して本発明の完成に至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、ICチップを装着した熱融着性を有しないPET基材からなるアンテナシートを、ICチップが当接する部分にICチップの厚みを吸収する貫通孔を形成したスペーサシートを介して表裏の印刷シート間に挟持し、熱圧プレスして一体の基体にする非接触ICカードにおいて、表裏の印刷シート用基材には二軸延伸したPET樹脂基材の両面にヒートシール層を共押出しした三層構成のシートを使用し、スペーサシート用基材には、PET−G樹脂基材の少なくともアンテナシート側の面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成のシートを使用することを特徴とする非接触ICカード、にある。
【0011】
上記課題を解決する本発明の要旨の第2は、ICチップを装着した熱融着性を有しないPET基材からなるアンテナシートを、ICチップが当接する部分にICチップの厚みを吸収する貫通孔を形成したスペーサシートを介して表裏の印刷シート間に挟持し、熱圧プレスして一体の基体にするリライト記録層付き非接触ICカードにおいて、表裏の印刷シート用基材には二軸延伸したPET樹脂基材の両面にヒートシール層を共押出しした三層構成のシートを使用し、スペーサシート用基材には、PET−G樹脂基材の少なくともアンテナシート側の面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成のシートを使用することを特徴とする非接触ICカード、にある。
【0012】
上記課題を解決する本発明の要旨の第3は、請求項1または請求項2記載の非接触ICカードの表裏の印刷シートに使用する印刷シート用基材であって、二軸延伸したPET樹脂基材の両面にヒートシール層を共押出しした三層構成からなり、ヒートシール層が、実質的に非結晶性である芳香族ポリエステル樹脂からなることを特徴とする非接触ICカード用基材、にある。
【0013】
上記課題を解決する本発明の要旨の第4は、請求項1または請求項2記載の非接触ICカードの表裏印刷シートとアンテナシートの間に使用するスペーサシート用基材であって、PET−G樹脂基材の少なくともアンテナシート側の面または両面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成からなり、該ポリエステル系接着剤を、プレスラミネート時の熱によって流動を生じ、アンテナシートの凹凸を吸収するようにしたことを特徴とする非接触ICカード用基材、にある。
【0014】
【発明の実施の形態】
非接触ICカードには各種の形態があるが、JISおよびISOで規定するカード厚みとし、平滑なカード表面とするためには、ICチップを装着したアンテナシートを、表裏のカード基材で挟持した形態とするのが一般的である。
アンテナは捲線を使用しないで、金属薄膜をエッチング形成するものでも、シート表面から20μm〜30μmの突起部を形成する。アンテナの両端部に装着するICチップはさらに、150μm〜300μm程度もの厚み(突起)を有するので、アンテナシートは不可避的な突起または凹凸を有し、そのまま通常の表裏基材に挟んでプレスラミネートしたのでは、十分に平滑性の優れたICカードは得られない。
【0015】
本発明は、上記平滑性の問題と共に、前記層間剥離強度の問題を解決すべく、以下の層構成とするものである。
印刷シートとして、二軸延伸PETシートの両面にポリエステル系ヒートシール層を共押出しした三層構成の印刷シートを使用する。表裏のヒートシール層の厚さは、それぞれ印刷シート全体の厚みの30%以下であり、より好ましくは15%以下とする。さらに PET−G樹脂シートの少なくとも片面(アンテナシート側面)にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成のスペーサシートを使用する。
なお、ヒートシール層とは、実質的に非結晶性である芳香族ポリエステル樹脂、すなわち、PET−Gのことを意味している。
この場合の当該接着剤の溶融粘度は、190°Cで、2500Poise以下であるようにし、接着剤層の厚さは、30〜50μm程度であるようにした。
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のカードの層構成を示す分解断面図、図2は、本発明で使用するアンテナシートの平面図、図3は、プレスラミネート後のカードの表面側平面図、図4は、図3のカードのICチップ部をとおる断面図、である。
なお、各図において、カードの厚み方向は幅方向に比較して拡大図示されていることに留意願いたい。例えば、ICチップ4は、150μm〜300μm程度の高さに過ぎないので、実際には偏平な外観のものである。
【0017】
アンテナシート11は、図2のようにPETシートに、平面状のコイルアンテナ3を有し、コイルアンテナ3の両端部31t,32tにはICチップ4が装着されている。
コイルアンテナ3は簡略化して図示しているが、カード基体の周囲(斜線のハッチングを施した部分)を数回周回するように形成される。当該コイルアンテナ3は、シートにラミネートしたアルミ箔または銅箔(厚み20〜30μm)面にレジストを形成し、周知のフォトエッチング技術でコイル形状のみを残したものである。
なお、ICチップに限らず、樹脂封止したICモジュールでも良いが、以下、統一してICチップと表現することにする。
【0018】
カード基体を積層する場合は、図1のように、アンテナシート11を中心に配置し、このアンテナシート11と表裏の印刷シート20,30の間に、スペーサシート15,16が、それぞれ挿入される。
スペーサシート15は、PET−G樹脂製のスペーサ・コア層15cにスペーサ・接着剤層15aを積層した二層(または三層)構成からなっている。スペーサシート16も同一構成からなるものである。
PET−G樹脂は、一般的には芳香族ジカルボン酸とジオールとの脱水縮合体であって、共重合ポリエステルの中でも特に結晶性が低く、実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル樹脂からなるものをいうが、本発明では特殊配合のものを用いている。
【0019】
スペーサ・接着剤層15a,16a自体は、層間の熱融着性を考慮してポリエステル系接着剤を使用する。スペーサ・接着剤層15a,16aは、アンテナシート11との接着を良好にすることを目的とするものである。熱融着性を有しないアンテナシート11のPET基材に対して、PET−Gシート単体である場合よりも強固な接着が得られる効果を有する。
【0020】
本発明のカード層構成の場合、接着剤層の溶融粘度は190°Cで、2500Poise以下、1500Poise程度までの低粘度であることが必要となる。プレスラミネート時の熱によって流動を生じ、アンテナシートの凹凸を完全に吸収する効果を発揮するため、である。
さらに、スペーサ・接着剤には、熱あるいは水分の吸着によって硬化反応を生じる硬化剤を含有することが望ましい。接着剤に硬化剤を含有する場合、再加熱しても軟化しないため、特にカードが高温環境下で使用されても層間剥離を生じないからである。
【0021】
スペーサシート15,16のICチップ4が当接または位置する部分には、貫通孔151,161を形成して、ICチップの厚みを吸収するようにする。
2枚のスペーサシート15,16の合計厚みは、アンテナシート11のICチップ4の厚みと同等とし、ICチップ4と略同じ大きさの貫通孔を設ける。
【0022】
表面側印刷シート20には、前記のように二軸延伸した白色PETシートを印刷シート・コア層20cとし、その両面にヒートシール剤を印刷シート・ヒートシール層20a,20bとして共押出しした三層構成の印刷シート用基材を使用する。裏面側印刷シート30も同一の構成からなるもので、印刷シート・コア層30cと印刷シート・ヒートシール層30a,30bからなっている。
一般に、表面側印刷シート20には装飾的なおもて面印刷層21がプレス前に印刷されることが多く、裏面側印刷シート30には文字等の裏面印刷層31がプレス後に印刷されることが多いが、それに限定されるものではない。
印刷面にもヒートシール層20b,30bが形成されているが、PET−Gなので印刷は可能である。
【0023】
交通機関用途等の場合には、表面印刷シート20面の一部または全面に感熱記録が可能なリライトシート12が貼着される。リライトシートは透明であっておもて面印刷層21の視認を妨げることはない。
リライトシート12は二軸延伸したPET樹脂フィルムに、ロイコ染料からなるリライト記録層と、その保護層を形成し、さらにPET樹脂フィルムの印刷シート面側には接着剤層を有するものである。
リライトシートを片面に設ける場合は、カードの反りを生じ易いので、印刷シートには二軸延伸したPETシートを使用し、その延伸方向を完全に揃えるような対策が必要になる。すなわち、表裏印刷シート20,30の前後左右方向の延伸方向の全てを一致させ、表裏印刷シートはカードの中心層に対して対称的に配置し、好ましくはさらに、シートの当初シートからの採取位置をも一致させることが好ましい。
これらの技術の詳細は、本願出願人による特願2002−337238号(特許文献6)に記載のものである。
【0024】
リライトシートは、完成後はリライト記録層になり、サーマルヘッドにより、乗車区間や有効期間を明瞭に印字し、かつ使用済み後は消去して反復して利用することができる。その他、図示してないが昇華転写記録用の受像層を設けることや文字エンボスすることも自由である。
リライトシート12に代えて、印刷によりリライト層を設ける場合もある。
【0025】
図1の層構成をプレスラミネートしリライト印字した後は、図3、図4のような非接触ICカード1になる。図3は、表面側平面図であって印刷絵柄5a,5bと共に、リライト記録層に印字したリライト印字2a,2b,2cが視認できる。
図4は、図3のカードのICチップ部分をとおる断面図である。アンテナシート11がスペーサ・接着剤層15a,16a付きスペーサシート15,16に接着し、印刷シート20とスペーサシート15の間は、印刷シート・ヒートシール層20aにより強固に接着することになる。印刷シート30とスペーサシート16の間も同様である。
【0026】
また、貫通孔151,161を設けたことによりICチップ4が、カード基体のほぼ中央に位置することになるので、ICチップの影響で外観を著しく損なうようなことはない。なお、図4において、アンテナシート11が屈曲しているのは、ICチップ4部分のみであって、コイルアンテナ3自体は平面部分にあるので、通信特性に影響することもない。
【0027】
【実施例】
図1、図2を参照して本発明の実施例を説明する。交通機関の改札用途に用いられる、リライト記録層付き非接触ICカードを製造した。
(実施例)
<アンテナシートの準備>
厚み40μmのPETフィルムに、厚み20μmのアルミ箔を接着剤を介して貼り合わせ、このアルミ箔をフォトレジストを使ってエッチングすることで、コイルアンテナ3を形成した。さらに、厚み300μmのICチップ4をコイルアンテナ3の両端31t,32tと電気的に接続して実装し、カードに内包するアンテナシート(インレイ)11を完成した。
なお、ICチップ4は、厚み175μmのICチップに、補強板100μm、異方導電性シート50μmを重ねて付加し、プレスラミの圧力を受けた後、総厚300μmとなったものである。
【0028】
<カード基体の製造>
カード基体の層構成は、アンテナシート11の表裏に、スペーサシート15,16を介して表裏の印刷シート20,30を配置する構成とした。
スペーサシート15,16は、PET−G樹脂シートのアンテナシート11側面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層構成のシートであり、それぞれ厚み150μmのPET−G樹脂シート15c,16cと、その片面に厚み30μmのスペーサ・接着剤層15a,16aを有する全体の総厚が、180μmからなるものである。
スペーサ・コア層15c,16cは、ポリカーボネート樹脂をブレンドして、Tg(ガラス転移温度)=100°CにしたPET−G樹脂とし、スペーサ・接着剤層15a,16aには、熱硬化剤を含有させたポリエステル系接着剤(溶融粘度2000Poise;190°C)を採用した。
【0029】
スペーサシート15,16の外側には、印刷シート20,30を配置した。
印刷シート20は、厚み170μmの二軸延伸PETシートを印刷シート・コア層20cとし、その両面にヒートシール層を共押出しした三層構成のものとした。印刷シート・ヒートシール層20a,20bは、それぞれ厚み10μmにした。
印刷シート30も同一材料からなる同一厚みの三層構成のものである。
【0030】
カード表側の印刷シート20には、あらかじめ、インレイの配置に合わせた絵柄を印刷した。印刷はシルクスクリーン印刷した上にオフセット印刷を刷り重ねる方法で行なった。
カードの最表面側にのみ、厚み50μmの接着剤付きリライトシート12を設け、改札用途においてカードを利用した日付けなどを表示できるようにした。
これにより、都合6層の層構成となった。コイルアンテナ3とICチップの厚みを含めない使用材料の総厚は830μmである。
【0031】
スペーサシート15,16には、アンテナシート上に実装したICチップが貫通するように、予めICチップ4と同じ大きさ(約5mm×5mm)の貫通孔151,161を打ち抜いて設けた。
アンテナシート11とスペーサシートの位置合わせは、アンテナシートと各スペーサシートに設けた抜き穴をピンに嵌めることにより行った。
この6層からなる積層体をプレス機の熱板上に載置して、プレスラミネートした。プレス工程の条件は、熱板温度120°C、圧力2.0MPa、成形(加熱)時間20min.に設定して行った。
【0032】
プレスによって一体化したシートから、絵柄に合わせてカード形状に打ち抜いた後、最後に裏側に絵柄印刷(裏面印刷層31)を行った。印刷は表側と同様に、シルクスクリーン印刷の上にオフセット印刷を刷り重ねて行った。
このようにして総厚、820μmであって、リライト記録層付き非接触ICカード1が完成した。出来上がったカードは耐久性が高く、高温環境下で使用、保管しても、基材の剥離は生じなかった。しかも安価で、絵柄の変色や歪みがない、外観品質に優れ、リライト印字適性も優れていた。
なお、材料総厚みよりも、10μm減少しているのは、プレスによる影響のためである。
【0033】
図5を参照して本発明の比較例を説明する。
(比較例)
<アンテナシートの準備>
アンテナシートは実施例と同一の材料を使用し、同一厚みにして準備した。
【0034】
<カード基体の製造>
カード基体の層構成は図5のように構成した。すなわち、アンテナシート11の表裏に、厚さ50μmの接着シート13,14、その外側のカード表面側に厚さ180μmのPET−G製スペーサシート15、カード裏面側に厚さ180μmのPET−G製スペーサシート16、さらにそれらの外側に厚さ125μmの二軸延伸PETシートを印刷シート20,30として配置し、カードの最表面側にのみ厚み50μmのリライトシート12を設けた。カード表側の印刷シート20には、あらかじめ、インレイの配置に合わせた絵柄を印刷した。印刷はシルクスクリーン印刷した上にオフセット印刷を刷り重ねる方法で行なった。
【0035】
接着シート13,14には、アンテナシートのPETフィルムとスペーサシート15,16との接着適性を考慮して、ポリエステル系ホットメルト接着剤(溶融粘度2000Poise:190°C)を採用した。
これにより、都合8層の層構成となった。コイルアンテナとICチップの厚みを含めない使用材料の総厚は800μmである。
【0036】
アンテナシート11のICチップ4が突出する側のスペーサシート16と裏面側のスペーサシート15には、アンテナシート上に実装したICチップが貫通するように、予めICチップ4と同じ大きさ(約5mm×5mm)の貫通孔151,161を打ち抜きして設けておいた。
ただし、接着シート13,14には貫通孔を設けなかった。
【0037】
各層の位置合わせを実施例と同様にして行い、この8層からなる積層体をプレス機の熱板上に載置して、プレスラミネートした。プレス工程の条件は、実施例と同一にし、熱板温度120°C、圧力2.0MPa、成形(加熱)時間20min.に設定して行った。
【0038】
プレスによって一体化したシートから、絵柄に合わせてカード形状に打ち抜いた後、最後に裏側に絵柄印刷(裏面印刷層31)を行った。印刷は表側と同様に、シルクスクリーン印刷の上にオフセット印刷を刷り重ねて行った。
このようにして、総厚800μmの非接触ICカードが完成した。
【0039】
実施例と比較例により得られた非接触ICカードの印刷シートとスペーサシート間の層間剥離強度をプレスラミネート直後と経時後について測定を行った。
測定結果を表1に示す。試験装置には、NMB社製TG−500Nを使用し、剥離速度;100mm/min.の条件で試験を行った。
なお、試料は幅15mmのものを使用し、測定値を10mm幅に換算した。
【0040】
印刷シートとスペーサシートとの間のT型剥離試験結果
【表1】
Figure 0004220291
【0041】
表1のように両者の値は、プレスラミネート直後でも既に3倍以上の大きな差がある。さらに、従来技術のカードは、高温度で保存されると顕著に強度低下することが認められる。実際、6N/cm以下では、指先で剥離できる程度に弱くなる。それに対し、本願発明のカードでは、90°Cで24時間保存した後でも十分な剥離強度を維持することが確認できた。
【0042】
【発明の効果】
上述のように、本発明の非接触ICカードでは、スペーサシートと印刷シートが強固に接着しているので、実使用時に受ける曲げやねじり負荷に対して優れた耐久性を有する。また、印刷シートの表裏のヒートシール層を共押出しして設けるため、重ね合わせするシート数を減らすことができて、材料費と製造コストの低減を図ることができる。
プレスラミネート時の加熱温度を高くする必要がないので、印刷インキの色焼けや変色、絵柄の歪みがなく、カード基材が脆く割れ易くなる心配がない。
接着剤層に硬化剤を含有させる場合は、再加熱しても軟化しないため、特に高温環境下の使用においても層間剥離の問題が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカードの層構成を示す分解断面図である。
【図2】 本発明で使用するアンテナシートの平面図である。
【図3】 プレスラミネート後のカードの表面側平面図である。
【図4】 図3のカードの断面図である。
【図5】 従来の非接触ICカードの層構成を示す図である。
【符号の説明】
1 非接触ICカード、リライトカード
3 コイルアンテナ
4 ICチップ
10 カード基材
11 アンテナシート
12 リライトシート
13,14 接着シート
15,16 スペーサシート
20,30 印刷シート
21 おもて面印刷層
31 裏面印刷層

Claims (4)

  1. ICチップを装着した熱融着性を有しないPET基材からなるアンテナシートを、ICチップが当接する部分にICチップの厚みを吸収する貫通孔を形成したスペーサシートを介して表裏の印刷シート間に挟持し、熱圧プレスして一体の基体にする非接触ICカードにおいて、表裏の印刷シート用基材には二軸延伸したPET樹脂基材の両面にヒートシール層を共押出しした三層構成のシートを使用し、スペーサシート用基材には、PET−G樹脂基材の少なくともアンテナシート側の面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成のシートを使用することを特徴とする非接触ICカード。
  2. ICチップを装着した熱融着性を有しないPET基材からなるアンテナシートを、ICチップが当接する部分にICチップの厚みを吸収する貫通孔を形成したスペーサシートを介して表裏の印刷シート間に挟持し、熱圧プレスして一体の基体にするリライト記録層付き非接触ICカードにおいて、表裏の印刷シート用基材には二軸延伸したPET樹脂基材の両面にヒートシール層を共押出しした三層構成のシートを使用し、スペーサシート用基材には、PET−G樹脂基材の少なくともアンテナシート側の面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成のシートを使用することを特徴とする非接触ICカード。
  3. 請求項1または請求項2記載の非接触ICカードの表裏の印刷シートに使用する印刷シート用基材であって、二軸延伸したPET樹脂基材の両面にヒートシール層を共押出しした三層構成からなり、ヒートシール層が、実質的に非結晶性である芳香族ポリエステル樹脂からなることを特徴とする非接触ICカード用基材。
  4. 請求項1または請求項2記載の非接触ICカードの表裏印刷シートとアンテナシートの間に使用するスペーサシート用基材であって、PET−G樹脂基材の少なくともアンテナシート側の面または両面にポリエステル系接着剤を共押出しした二層または三層構成からなり、該ポリエステル系接着剤を、プレスラミネート時の熱によって流動を生じ、アンテナシートの凹凸を吸収するようにしたことを特徴とする非接触ICカード用基材。
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