JP4202548B2 - 杭基礎 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭基礎、杭基礎の施工方法及び支持杭に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱層が厚く堆積した広域地盤沈下帯では、軟弱地盤の地盤沈下により、杭に負の下向きの摩擦力が働き、建設後に不同沈下を生じることがある。そのため、その対策として、従来より、軟弱地盤の下に存在する支持地盤への杭の根入れを深くし、杭先端の支持力と正の摩擦力を大きくすることや、負の摩擦力の作用する杭上部にコールタールを塗布してスリップレイヤーを設け、杭に作用する負の摩擦力を小さくすることなどが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、支持地盤への杭の根入れを深くすることは、施工上の困難性が大きいという問題がある。即ち、杭打ち中、杭には、その全長にわたって正の摩擦力が作用するため、相当大きな力で杭打ちを行わなければ、支持地盤への杭の根入れを深くすることは難しい。そのため、例えば住宅用の小型杭打ち機では、施工は困難である。
【0004】
また、スリップレイヤーを設けることは、コストを上昇させると共に、施工に手間を要するという問題がある。例えば住宅用のなどに用いられる杭では、このスリップレイヤーの採用は難しい。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、小さな杭打ち力で支持地盤への支持杭の根入れを深くすることができ、しかも、軟弱地盤の地盤沈下による不同沈下の発生をスリップレイヤーを設けなくとも有効的、効果的に防ぐことができる構造の杭基礎、杭基礎の施工方法及び支持杭を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、支持杭が軟弱地盤を介してその下の支持地盤に達するよう打ち込まれた杭基礎において、この支持杭は、軟弱地盤に地盤沈下が発生した際に負の摩擦力の作用する長さ領域部分の横断面外周長さ寸法が、その下の正の摩擦力の作用する長さ領域部分の横断面外周長さ寸法よりも小に設定されていることを特徴とする杭基礎及びその支持杭によって解決される。
【0007】
この構造では、軟弱地盤に地盤沈下が発生して、支持杭に、負の摩擦力が作用しても、この負の摩擦力の作用する部分の横断面外周長さ寸法は小さく設定されているので、軟弱地盤との接触面積は小さく、そのため、負の摩擦力は小さく抑えられる。従って、支持地盤への支持杭の根入れをあまり深くしなくとも、また、スリップレイヤーを設けなくとも、不同沈下の発生を有効的、効果的に防ぐことができる。
【0008】
しかも、負の摩擦力の作用する長さ領域部分は、正の摩擦力の作用する長さ領域部分の上方に位置しているから、支持杭の打込みの過程では、正の摩擦力の作用する長さ領域部分と周囲地盤との打込み摩擦力は大きいけれども、負の摩擦力の作用する長さ領域部分と周囲地盤との摩擦力は非常に小さく、そのため、支持杭を、小さな打込み力で、支持地盤に深く根入れすることができ、小型の杭打ち機での施工も可能となる。従ってまた、このように根入れ深さを大きくすることができることでも、軟弱地盤の地盤沈下による不同沈下の発生を有効的、効果的に防ぐことができる。
【0009】
また、支持杭は、負の摩擦力の作用する部分の横断面外周長さ寸法を小さく設定しているから、杭の材料コストを削減することが可能である。
【0010】
上記の杭基礎において、支持杭が鋼管杭からなり、軟弱地盤に地盤沈下が発生した際に負の摩擦力の作用する長さ領域部分の外径が、その下の正の摩擦力の作用する長さ領域部分の外径よりも小に設定され、かつ、外径の小さい長さ領域部分の鋼管内にはコンクリート等の構造用充填材が充填されている構造とする場合は、外径の小さい長さ領域部分の耐力を高めることができる。従ってまた、このように充填材の充填で外径の小さい長さ領域部分の耐力が高められるから、外径の小さいこの長さ領域部分の外径をより一層小さくすることができて、軟弱地盤の地盤沈下による負の摩擦力をより一層小さいものにすることができる。
【0011】
上記の杭基礎の施工を、支持杭の先端部に掘削刃を備えさせ、支持杭を回転させながら圧入していくという方法で行うことにより、支持層への支持杭の貫入を小さな力でより深くすることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、支持杭の打設時の状態を示すもので、1は軟弱地盤、2はその下の支持地盤である。図1(イ)は、実施形態の支持杭3を用いた場合のものであり、図1(ロ)は、従来の支持杭53を用いた場合のものである。
【0014】
図2は、軟弱地盤1に地盤沈下を生じた際の状態を示す。図2(イ)は、実施形態の支持杭3を用いた杭基礎4の場合のもので、図2(ロ)は従来の支持杭53を用いた杭基礎54の場合のものである。
【0015】
実施形態の支持杭3は、鋼管杭からなり、軟弱地盤1を介してその下の支持地盤2に達するよう打ち込まれる。この支持杭3は、図2(イ)に示すように、軟弱地盤1に地盤沈下が発生した際に負の摩擦力Rnfの作用する長さ領域部分5の外周直径が、その下の正の摩擦力Rfの作用する長さ領域部分6の外周直径よりも小に設定されているもので、大径鋼管6を下杭とし、小径鋼管5を上杭として、これら外径の異なる上下の杭材5,6を連結して構成されているものである。下杭である大径鋼管6の先端部には、掘削刃7が取り付けられている。小径鋼管5には、図示しないが、その内部にコンクリートあるいはモルタルなどからなる構造用充填材が充填され、それにより、小径鋼管5の耐力が確保されている。
【0016】
一方、従来の支持杭53も同じく鋼管杭からなり、その全長にわたって、その外径が同一であり、その外径は、実施形態の支持杭3における大径鋼管6の外径と同じものである。
【0017】
図1(イ)に示すように、実施形態の支持杭3では、回転圧入による打設の過程で、大径鋼管部分6の外周面は、周囲の地盤1,2と接触し、その接触面積も大きいが、小径鋼管部分5は、大径鋼管部分6によって掘られた穴8の内周面から離間して軟弱地盤1に入っていくので、周囲の地盤1との接触はないか、あるいは、あってもわずかである。従って、打設時に実施形態の支持杭3に作用する正の摩擦力Rfは、主として大径鋼管部分6において作用するだけであり、そのため、この支持杭3を、小さな杭打ち力で、支持地盤2に深く根入れすることができる。掘削刃7はその効果をより一層大きなものにする。
【0018】
これに対し、従来の支持杭53では、図1(ロ)に示すように、打設の過程で、その外周面がその全長にわたって周囲の地盤1,2と接触し、その接触面積が、実施形態の支持杭3の場合とは比べものにならないほど大きい。そのため、打設時の正の摩擦力Rfは、支持杭53の全長にわたって作用し、そのため、この支持杭53は、これを大きな杭打ち力で打ち込んでいかなければならず、にもかかわらず、支持地盤2に深く根入れするのはなかなかに難しい。
【0019】
このように、実施形態の支持杭3によれば、小さな杭打ち力で支持地盤2への支持杭3の根入れを深くすることができる。
【0020】
そして、軟弱地盤1に地盤沈下が発生した場合は、図2(イ)に示すように、負の摩擦力Rnfは、主として小径鋼管5の外周面に作用し、この小径鋼管5は、外径が小さく、そのため周囲地盤1との接触面積が小さいから、支持杭3に作用する負の摩擦力Rnfは小さい。そのため、軟弱地盤1に地盤沈下による不同沈下の発生は防がれる。また、上記のように支持地盤2への根入れ深さを大きくし得ることからも、不同沈下の発生をより一層有効的に防ぐことができる。更に、小径鋼管部分5には、その内部に構造用充填材が充填されているから、この部分が軟弱地盤1の地盤沈下による軸方向圧縮力によって座屈してしまうこともない。なお、Pは杭頭荷重、Rpは杭先端の支持力である。
【0021】
これに対し、従来の支持杭53では、軟弱地盤1に地盤沈下が発生した場合は、図2(ロ)に示すように、軟弱地盤1中における支持杭53と地盤1との接触面積は非常に大きいから、支持杭53に作用する負の摩擦力Rnfが非常に大きい。そのため、この負の摩擦力Rnfの作用によって、軟弱地盤1の地盤沈下による不同沈下の発生を生じることが起こり得る。
【0022】
このように、実施形態の支持杭3によれば、軟弱地盤1に地盤沈下を生じても、不同沈下の発生を有効的、効果的に防ぐことができる。
【0023】
以上に、本発明の実施形態を従来例との比較において示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、本発明は、支持杭3の真上を基礎とする杭基礎4に適用される場合に限らず、その他、不同沈下建物の水平修復のために、基礎の側近に支持杭を打ち、この支持杭に偏心荷重を負担させる形式の修復用杭基礎構造に適用されてもよい。この水平修復工法に本発明構造を用いることで、修復用の支持杭を小さな杭打ち機で深く打ち込んでいくことが可能である。また、本発明の支持杭の施工は、回転圧入法以外の打込み法で行われてもよいことはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】
上述の次第で、本発明は、上記のような構成を有するものであるから、小さな杭打ち力で支持地盤への支持杭の根入れを深くすることができ、しかも、軟弱地盤の地盤沈下による不同沈下の発生をスリップレイヤーを設けなくとも有効的、効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持杭の打設時の状態を示すもので、図(イ)は実施形態を、図(ロ)は従来を示す断面側面図である。
【図2】軟弱地盤に地盤沈下を生じた状態を示すもので、図(イ)は実施形態を、図(ロ)は従来例を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1…軟弱地盤
2…支持地盤
3…支持杭
4…杭基礎
5…小径鋼管(負の摩擦力の作用する長さ領域部分)
6…大径鋼管(正の摩擦力の作用する長さ領域部分)
7…掘削刃
Claims (1)
- 軟弱地盤に地盤沈下が発生した際に負の摩擦力の作用する長さ領域部分の外径が、その下の正の摩擦力の作用する長さ領域部分の外径よりも小に設定されている鋼管杭からなる支持杭を、スリップレイヤー無しで、軟弱地盤を介して、その下の支持地盤に達するよう、回転しながら圧入していくことにより打ち込んで形成された杭基礎であって、
前記外径の小さい長さ領域部分の鋼管内にはコンクリート等の構造用充填材が充填されていることを特徴とする杭基礎。
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