JP4202516B2 - 剥離剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト用剥離剤組成物(以下、剥離剤組成物という)に関する。さらに詳しくは、半導体素子やLCDの技術分野におけるリソグラフィー技術において用いられるレジストを除去するための剥離液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子やLCD等の製造において、PVD(物理的気相成長)やCVD(化学的気相成長)等により導電性膜や絶縁性膜を形成後、リソグラフィーにより薄膜上に所定のレジストパターンを形成し、これをエッチングレジストとして下層部の薄膜を選択的にエッチングして除去した後、レジストを完全に剥離して除去する工程が採られている。
【0003】
レジストの剥離において、腐食防止効果と剥離性を兼ね備える剥離剤として、アミン系化合物にカルボキシル基含有有機化合物を加えた剥離液組成物(特開平7−219240号公報)、有機酸、ベンジルアルコール類及び水を必須成分とする剥離液組成物(特開平4−361265号公報)等が提案されている。しかしながら、これらの剥離剤は、プリベーク又はポストベーク後の紫外線の照射、エッチング工程でのプラズマ処理、剥離工程でのドライアッシング等の高エネルギー処理により変質したレジストに対して十分な剥離性を有しておらず、より一層、剥離性に優れた剥離剤が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高エネルギー処理を受けて硬化又は化学変質したレジストでも容易にかつ短時間で剥離し得る剥離剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
〔1〕 (A)有機酸及び/又はその塩、(B)水、(C)界面活性剤とを含有し、pHが8未満のレジスト用剥離剤組成物、並びに
〔2〕 前記レジスト用剥離剤組成物を使用するレジスト剥離方法
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる有機酸としては、カルボン酸;過塩素酸、過ヨウ素酸、過蟻酸、過酢酸等の過酸;炭酸ジエチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジメチル等の炭酸エステル;ヘキサンチオ酸、ヘキサンジチオ酸、ヘキサンビスチオ酸等のチオカルボン酸;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸;ベンゼンスルフィン酸、1- ピペリジンスルフィン酸等のスルフィン酸;ベンゼンスルフェン酸等のスルフェン酸;メチル硫酸、エチル硫酸等の硫酸エステル;アミノトリメチレンホスホン酸等のホスホン酸;ジエチルホスフィン、トリエチルホスフィン等のホスフィン等の有機酸等が挙げられる。これらの中では、レジスト剥離性及び金属材料に対する腐食防止の観点から、カルボン酸が好ましい。
【0007】
カルボン酸としては、直鎖飽和モノカルボン酸、直鎖不飽和モノカルボン酸、分岐鎖飽和モノカルボン酸、分岐鎖不飽和モノカルボン酸、飽和多価カルボン酸、不飽和多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、アルコキシカルボン酸、芳香環を有するカルボン酸、脂環又は複素環を有するカルボン酸等が挙げられる。
【0008】
カルボン酸は、式(IV):
B−〔(R7 )p −(COOH)q 〕r (IV)
(式中、R7 は水素原子、炭素数1〜40の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の骨格からなる飽和又は不飽和炭化水素基であり、1〜5個の酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有していてもよく、R7 の炭素原子に結合している水素原子は−OH基、−NH2 基、−SH基又は−NO2 基で置換されていてもよく、−COOH基はR7 の同一炭素原子に1個又は複数個結合していてもよく、pは0又は1、qは1〜40の整数、rは1〜3の整数、Bは存在しないか又は−O−基、−CO−基、−NH−基、−S−基若しくは
【0009】
【化1】
【0010】
基を示す)
で表される化合物が好ましい。
【0011】
式(IV)において、R7 は、レジスト剥離性及び金属材料に対する腐食防止の観点から、水素原子、炭素数1〜18の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数3〜18の分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜18の直鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜18の分岐鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜18の脂環を有する飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数6〜18の芳香環を有する飽和又は不飽和炭化水素基、若しくは炭素数2〜18の複素環を有する飽和又は不飽和炭化水素基であることが望ましい。
【0012】
R7 が直鎖状の飽和炭化水素基である場合、その炭素数は好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6である。分岐鎖状の飽和又は不飽和炭化水素基あるいは脂環を有する飽和又は不飽和炭化水素基である場合、その炭素数は好ましくは3〜12、より好ましくは3〜6である。直鎖状の不飽和炭化水素基である場合、その炭素数は好ましくは2〜12、より好ましくは2〜6である。芳香環を有する飽和又は不飽和炭化水素基である場合、その炭素数は好ましくは6〜12、より好ましくは6〜8である。複素環を有する飽和又は不飽和炭化水素基である場合、その炭素数は好ましくは2〜12、より好ましくは2〜6である。
【0013】
また、R7 の炭化水素基に酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有する場合、それぞれ1〜2個であることがより好ましい。
【0014】
また、式(IV) において、qは、レジスト剥離性及び金属材料に対する腐食防止の観点から、1〜18が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。
【0015】
式(IV)で表されるカルボン酸の具体例としては、蟻酸、プロピオン酸等の直鎖状飽和モノカルボン酸;アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、4- ペンテン酸、6-ヘプテン酸、2- オクテン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の直鎖状不飽和モノカルボン酸;イソ酪酸、イソバレリン酸、ピバリン酸、2- メチル酪酸、2- メチルバレリン酸、2, 2- ジメチル酪酸、2- エチル酪酸、tert- ブチル酪酸、2- エチルヘキサン酸等の分岐鎖状飽和モノカルボン酸;メタクリル酸、チグリン酸、3, 3- ジメチルアクリル酸、シトロネリル酸等の分岐鎖状不飽和モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2, 2- ジメチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、3-メチルアジピン酸、セバシン酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等の飽和多価カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、cis-アコニット酸、trans-アコニット酸等の不飽和多価カルボン酸;乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グリシン、DL- アラニン、4-アミノ酪酸、DL-3- アミノ酪酸、サルコシン等のアミノカルボン酸;メトキシ酢酸、エトキシ酢酸等のアルコキシカルボン酸;安息香酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフトエ酸等の芳香環を有するカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンプロピオン酸、シクロヘキサン酪酸、シクロペンタンカルボン酸等の脂環を有するカルボン酸;フル酸、テン酸、ニコチン酸等の複素環を有するカルボン酸等が挙げられる。
【0016】
これらの中では、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の炭素数1〜6の直鎖状飽和モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和多価カルボン酸;乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グリシン、DL- アラニン、4-アミノ酪酸、DL-3- アミノ酪酸、サルコシン等のアミノカルボン酸;メトキシ酢酸、エトキシ酢酸等のアルコキシカルボン酸及び安息香酸等の芳香環を有するカルボン酸がより好ましい。
【0017】
特に、蟻酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸及び安息香酸が好ましい。
【0018】
これらのカルボン酸の分子量は、レジスト剥離性及び金属材料に対する腐食防止の観点から、46〜400が好ましく、より好ましくは46〜200である。
【0019】
有機酸の塩としては、有機酸と塩基性有機化合物又は塩基性無機化合物との塩等が挙げられる。塩基性有機化合物としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、イミン、アルカノールアミン、アミド、塩基性の複素環式化合物、第四級アンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。塩基性無機化合物としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの中では、金属材料に対する腐食防止の観点から、有機酸のアンモニウム塩及び有機酸と塩基性有機化合物との塩が好ましい。かかる有機酸の塩は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
また、有機酸又はその塩は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
有機酸及びその塩の剥離剤組成物中における含有量は、レジスト剥離性及び金属材料に対する腐食防止の観点から、0.01〜90重量%であることが好ましく、0.05〜7 0重量%であることがより好ましく0.1 〜50重量%であることがさらに好ましい。該含有量は、レジスト剥離性の観点から、0.01重量%以上が好ましく、90重量%を超えて配合してもレジスト用剥離効果は変わらない。
【0022】
本発明に用いられる(B)水は、剥離剤が半導体素子やLCDの製造分野で使用されることを考慮してイオン交換水、純水や超純水などのイオン性物質やパーティクル等を極力低減したものが好ましい。
【0023】
本発明においては、かかる(B)水を用いることにより、高エネルギー処理されてできたレジストの表面硬化層への(A)有機酸及び/又はその塩の浸透を促進してレジストの剥離性を向上させるという効果が発現される。また、微小な汚れを基板表面から取り除き、剥離剤中に安定に分散し、再付着させない等の(C)界面活性剤の界面活性能を十分発揮させるという効果が発現される。さらに、従来の剥離剤では短時間で剥離するのが困難であったイオン性の汚れに対しても優れた剥離力を示し、基板表面を清浄にすることができるという優れた効果も発現される。
【0024】
(B)水の剥離剤組成物中における含有量は、レジスト剥離性を向上させる観点から、2〜98重量%であることが好ましく、5〜90重量%がより好ましく、1 5〜80重量%がさらに好ましい。該含有量は、レジスト剥離性の観点から、2重量%以上が好ましく、98重量%を超えてもレジストの剥離性は変わらない。
【0025】
本発明の剥離剤組成物は、さらに(C)界面活性剤を含有する。
【0026】
本発明においては、かかる(C)界面活性剤を用いることにより、剥離剤組成物の表面張力を低下させ、高エネルギー処理されてできたレジストの表面硬化層に対するぬれ性を向上させたり、該層への(A)有機酸及び/又はその塩の浸透を促進して剥離性を向上させるという効果が発現される。また、微小な付着物、残さ物、パーティクル等を基板表面から取り除き、剥離剤組成物中に安定に分散させて、再付着することを防ぐという効果が発現される。特に、アセトン、メチルエチルケトン、2−プロパノール等の溶剤や純水などでレジストに残った剥離剤組成物をすすぐ工程でも、不溶物の再付着が発生しない。さらには、剥離剤組成物が分離することなく均一な液状態を維持する効果も発現される。
【0027】
(C)界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0028】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステルアルカリ塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸アルカリ塩、アルキルスルホコハク酸アルカリ塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等が挙げられる。ここでアルカリ塩とは、ナトリウム、カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等との中和物のことをいう。アニオン性界面活性剤の具体例としては、ブチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリアクリル酸アンモニウム等が挙げられる。これらの中では、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリアクリル酸アンモニウムが好ましい。
【0029】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミンアセテート、アルキル(モノ,ジ,トリ)メチルアンモニウムクロライド等挙げられる。その具体例としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、トリメチルラウリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの中では、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートが好ましい。
【0030】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。その具体例としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。これらの中では、ラウリルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
【0033】
非イオン系界面活性剤の例としては、炭素数9〜24の炭化水素基を有する直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の、1価アルコール、アミン及び脂肪酸、炭素数2〜15の多価アルコール、炭素数9〜24のポリアミン及びアルキルフェノール、スチレン化フェノール、ベンジル化フェノール、ナフトール等にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物やその末端水酸基の一部もしくは全部がアルキルエーテルやアルキルエステルに置換された化合物があげられる。その具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン合成アルコール(C11〜C13)エーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中では、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセロールモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
【0034】
これらの界面活性剤は、いずれかを単独で又は2種類以上混合して使用しても良い。
【0035】
(C)界面活性剤の剥離剤組成物中における含有量は、(A)成分のレジストへの浸透を促進し、レジスト剥離性を向上させるあるいはレジストの溶解性を向上させる観点から、0.1〜80重量%が好ましく、より好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは2〜50重量%である。該含有量は、レジストの剥離性向上及び溶解性向上の観点から、0.1重量%以上が好ましく、80重量%を超えてもその効果は変わらない。
【0036】
本発明の剥離剤組成物のpHは、レジスト剥離性及び金属材料に対する腐食防止性の観点から、8未満であり、好ましくは0.1〜7、より好ましくは0.3〜5、さらに好ましくは0.5〜3である。
【0037】
本発明の剥離剤組成物には、レジストへの剥離剤中の各成分の浸透を促進し、レジスト剥離性を向上させる観点から、さらに有機溶媒を含有させることが好ましい。
【0038】
有機溶媒としては、式(III):
R5 [(X)(AO)s R6 ]t (III)
(式中、R5 は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基、Xは−O−基、−COO−基、−NH−基、又は−N((AO)u H)−基、s及びuはそれぞれ独立して1〜20の整数、Aは炭素数2又は3のアルキレン基、R6 は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基、tは1〜8の整数を示す)
で表されるアルキレンオキサイド化合物、アルコール、エーテル、カルボニル化合物、エステル、フェノール、含窒素化合物及び含硫黄化合物が挙げられる。
【0039】
式(III)において、R5 は、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基が好ましい。R6 は、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1又は2の炭化水素基がより好ましい。tは、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0040】
式(III)で表されるアルキレンオキサイド化合物の具体例としては、エチレングリコールのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等;それらに対応するジエチレングリコールアルキルエーテル、トリエチレングリコールアルキルエーテル等;テトラエチレングリコールのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等;それらに対応するペンタエチレングリコールアルキルエーテル、ヘキサエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ジプロピレングリコールアルキルエーテル、トリプロピレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
【0041】
アルコールとしては、式(V):
R7 −(OH)t (V)
(式中、R7 及びtは前記式(IV)、式(III)の定義と同じ、但し、R7 は水素原子の場合を除く)
で表される化合物が挙げられる。
【0042】
エーテルとしては、式(VI):
R7 −O−R7 (VI)
(式中、R7 は前記式(IV)の定義と同じ、但し、水素原子の場合を除く)
で表される化合物が挙げられる。
【0043】
カルボニル化合物としては、式(VII):
【0044】
【化2】
【0045】
(式中、R7 は前記式(IV)の定義と同じ、但し、水素原子の場合を除く)
で表される化合物が挙げられる。
【0046】
エステルとしては、式(VIII):
R7 −COOR7 (VIII)
(式中、R7 は前記式(IV)の定義と同じ。但し、水素原子の場合を除く)
で表される化合物が挙げられる。
【0047】
フェノールとしては、式(IX):
【0048】
【化3】
【0049】
(式中、R8 は炭素数1〜9の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の骨格からなる飽和又は不飽和炭化水素基であり、R8 の炭化水素基は1〜5個の酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有していてもよく、R8 の炭素原子に結合している水素原子は−OH基、−NH2 基、−SH基又は−NO2 基で置換されていてもよく、vは0〜5、wは1〜3の整数を示す)
で表される化合物が挙げられる。
【0050】
含窒素化合物及び含硫黄化合物は、いずれも分子量200以下の化合物であれば特に限定はない。
【0051】
これらの有機溶剤の具体例としては、新版溶剤ポケットブック((株)オーム社、平成6年6月10日発行)のデータ編331〜761頁に記載の化合物が挙げられる。その中でも、浸透性の観点から、式(III)で表されるアルキレンオキサイド化合物であるジエチレングリコールモノブチルエーテル;アルコールであるプロパノール、ブタノール、ペンタノール及びベンジルアルコール;カルボニル化合物であるアクロレイン及びメチルエチルケトン;エステルであるアセト酢酸ニトリル及びギ酸エチル;フェノールであるベンジルフェノール;含窒素化合物であるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルイミダゾリジノン;含硫黄化合物であるジメチルスルホキシド及びスルホランが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
【0052】
また、有機溶媒の融点は、レジスト剥離性確保及び作業性の観点から、6 0℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、1 0℃以下がさらに好ましい。
【0053】
有機溶媒は、レジストへの(A)有機酸及び/又はその塩、(B)水あるいは(C)界面活性剤の浸透を促進させ、レジスト剥離性を向上させる観点から、25℃の水に0. 5重量%以上溶解するものが好ましく、4重量%以上溶解するものがより好ましく、7 重量%以上溶解するものがさらに好ましい。
【0054】
有機溶媒の剥離剤組成物中における含有量は、0.5〜90重量%が好ましく5〜80重量%がより好ましく、10〜50重量%がさらに好ましい。該含有量は、レジスト剥離性の観点から、0.5重量%以上が好ましく、90重量%以上含有しても効果は変わらない。
【0055】
本発明の剥離剤組成物は、特に限定されないが、前記の化合物を混合することにより得ることができる。
【0056】
本発明の剥離剤組成物は、半導体素子やLCD等の無機部材等の部材上に付着したレジストを、それらの部材を損うことなく容易に除去できるため、半導体素子やLCD等を製造工程におけるレジストの剥離等に好適に使用し得るものである。
【0057】
本発明の剥離剤組成物を用いて基板上のレジストを除去するレジストの剥離方法としては、例えば処理すべきウエハを1枚づつ又は複数枚をまとめて治具にセットし、本発明の剥離剤組成物中に浸漬し、治具を揺動したり剥離剤組成物に超音波や噴流等の機械応力を与えながら剥離処理する方法や、処理すべきウエハ上に本発明の剥離剤組成物を噴射あるいはスプレ−して剥離処理する方法が好適に挙げられる。その際の剥離組成物の温度は、作業性の観点から、10〜100℃であることが好ましく、15〜70℃であることがより好ましい。尚、これら剥離工程後、ウエハ上に残留する剥離剤組成物は、水、イソプロピルアルコ−ル等の溶剤によりリンスし、除去することが好ましい。
【0058】
【実施例】
実施例1〜10及び比較例1〜6(但し、実施例9は参考例である)
スパッタリング法によりシリコンウエハ上に厚さ0.5μmのアルミニウム−シリカ−銅[98.5:1.0:0.5(重量比)]の合金膜を形成し、次いで、合金膜上にスピンナーを用いナフトキノンジアジド系i線用ポジ型フォトレジストを塗布した。次にホットプレートを用いて、このウエハを110℃で90秒間プリベークして1.5μmの膜厚を有するフォトレジスト膜を形成した。
【0059】
このフォトレジスト膜を、縮小投影露光装置のフォトマスクを介して露光した。その後、現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)を用いて一定時間パドル現像を行った。現像後のフォトレジスト膜を純水で30秒間すすいだ後、窒素気流下で乾燥した。次に140℃、20分間ポストベーキング処理を施し、このレジストパターンをマスクとし開口部の金属層を塩素系ガスでドライエッチングして金属配線を形成させ、同時に残留するレジストを変質硬化させた。次いで残留するレジストの約7割をドライアッシングにより除去し、変質硬化の進んだレジストを作製した。このシリコンウエハを、剥離試験に用いた。
【0060】
表1〜2に示す組成を有するように各成分を混合して剥離剤組成物を得た。実施例1〜10及び比較例1〜6で得られた剥離剤組成物を60℃に加温しておき、それに前記シリコンウエハを20分間浸漬した後取り出して、2−プロパノールですすいだ後、純水で再度すすいだ。乾燥後に走査型電子顕微鏡で1万倍に拡大して、形成した2μm×2μmのレジストパターンを100箇所観察し、そのレジストの剥離性及びアルミニウム−シリカ−銅の金属配線の腐食状態をそれぞれ剥離率及び腐食率で評価した。その結果を、表1〜2に示す。尚、剥離率と腐食率は、以下の式で求めた。
【0061】
剥離率=(レジストが99%以上(面積)剥離したレジストパターンの個数/100)×100
【0062】
腐食率=(しみ又は孔食が認められたレジストパターンの個数)/100)×100
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
表1〜2の結果より、実施例1〜10で得られた剥離剤組成物は、いずれも比較例1〜6で得られた剥離剤組成物より、剥離率が高くかつ腐食率の低いものであることがわかる。
【0066】
また、実施例1で得られた剥離剤組成物を用い、60℃、20分間浸漬した後、得られたシリコンウエハを直接純水ですすいでも実施例1と同様に剥離率は100%、腐食率は0%と良好な結果が得られた。
【0067】
また、実施例3の剥離剤組成物を用い、剥離の際の温度を25℃、時間を5分間とした以外の条件は、実施例3と同様にしてその剥離率及び腐食率を評価したところ、剥離率は100%、腐食率は0%と良好な結果が得られた。
【0068】
【発明の効果】
本発明の剥離剤組成物は、高エネルギー処理を受けて変質したレジストでも容易にかつ短時間で剥離することができ、しかもアルミニウム、銅、タングステン等の配線材料に対する腐食を抑制できるので、半導体素子やLCD等の生産性向上や品質向上に大きく寄与できるという効果を奏する。
Claims (7)
- (A)炭素数1〜6の直鎖状飽和モノカルボン酸、飽和多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香環を有するカルボン酸、ホスホン酸、及びスルホン酸からなる群より選ばれる有機酸及び/又はその塩、(B)水5〜90重量%、(C)界面活性剤とを含有し、pHが0.1〜3.3のレジスト用剥離剤組成物。
- 式(III):
R5 [(X)(AO)s R6 ]t (III)
(式中、R5 は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基、Xは−O−基、−COO−基、−NH−基、又は−N((AO)u H)−基、s及びuはそれぞれ独立して1〜20の整数、Aは炭素数2又は3のアルキレン基、R6 は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基、tは1〜8の整数を示す)
で表されるアルキレンオキサイド化合物、アルコール、エーテル、カルボニル化合物、エステル、フェノール、含窒素化合物及び含硫黄化合物からなる群より選ばれた1種以上の有機溶媒をさらに含有してなる請求項1記載のレジスト用剥離剤組成物。 - (C)界面活性剤の剥離剤組成物中における含有量が、0.1〜80重量%である請求項1又は2記載のレジスト用剥離剤組成物。
- (C)界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1〜3いずれか記載のレジスト用剥離剤組成物。
- (C)界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤を含む、請求項1〜4いずれか記載のレジスト用剥離剤組成物。
- 有機溶媒の剥離剤組成物中における含有量が、0.5〜90重量%である請求項2〜5いずれか記載のレジスト用剥離剤組成物。
- 請求項1〜6いずれか記載のレジスト用剥離剤組成物を使用するレジスト剥離方法。
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