JP4192382B2 - 車両用空調装置の送風ユニット - Google Patents
車両用空調装置の送風ユニット Download PDFInfo
- Publication number
- JP4192382B2 JP4192382B2 JP2000023894A JP2000023894A JP4192382B2 JP 4192382 B2 JP4192382 B2 JP 4192382B2 JP 2000023894 A JP2000023894 A JP 2000023894A JP 2000023894 A JP2000023894 A JP 2000023894A JP 4192382 B2 JP4192382 B2 JP 4192382B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fan
- air
- vehicle
- partition wall
- air passage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の送風ユニットに関するものであり、特に、第1空気通路に車室外空気(外気)を第2空気通路に車室内空気(内気)を導入する際の気密構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、第1空気通路に車室外空気(以下、外気と呼ぶ)を第2空気通路に車室内空気(以下、内気と呼ぶ)を導入可能な車両用空調装置の送風ユニットとして、特開平11−20451号公報に記載されたものがある。この従来装置は、冬季における暖房能力向上と、窓ガラスの防曇性向上とを両立させるためのものである。具体的には、空調ケース内を2つの通路に仕切り、一方の通路に比較的高温の内気を導入しこの通路を通じて内気をフット吹出口に送風するとともに、他方の通路に比較的低湿の外気を導入しこの通路を通じて外気をデフロスタ吹出口に送風している。
【0003】
また、上記従来装置では、上記2つの通路の各上流部それぞれに、スクロール状のケーシング内に遠心ファンが設けられており、それぞれの遠心ファンとが回転軸線方向に所定の空間を隔てて配置されるように、互いに対向する2つの仕切り部を有して一つの電動モータにて一体的に回動するようになっている。そして、上記ケーシングには、上記2つの通路を形成するために、内部の空気通路を2つに仕切る平板の仕切壁が形成されている。そして、この仕切壁は、ファンの外周に沿いファンの回動を妨げないように、上記2つの仕切り部の間で所定の空間内に差し込まれるように形成されている。これにより、所定の空間が迷路構造となるため、この空間の空気通路長さを長く設定することで摩擦損失を増加させ通過しにくくさせて外気と内気の混合の低減を図ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成では、遠心ファンの仕切り部を径方向に延ばすには、スクロール状に形成されるケーシングの巻き始めのノーズ部に接触しない制約条件があるため、上記空気通路を十分な長さの迷路構造で形成し難く外気と内気の混合の低減効果が少ない。
【0005】
また、遠心ファンの回転数が小さい低風量の条件で車両が高速走行時においては、外気を導入する第1通路側では、車速が上昇するとともにラム圧(車両が前進するさいに受ける空気抵抗をいう。)を直接受けるため高圧となり、内気を導入する第2通路側と圧力差が生じる。これにより、比較的低温の外気が上記所定の空間を経由して内気側に導入され、その結果、乗員への足元暖房の快適性を損なっていた。
【0006】
さらに、上述したように内気側に外気が混入されると第2通路側は高圧となり、仕切壁に対向するケーシング面と遠心ファンの吸込み面側との空間においても、内気の吸込み側と圧力差が生じることにより、外気が車室内に侵入し乗員への不快感を与える恐れがあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑み、外気と内気との混合をさらに低減できる車両用空調装置の送風ユニットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
請求項1〜3および5〜7の発明では、スクロール状の空気通路を構成するスクロールケーシング(3a)と、このスクロールケーシング(3a)内に収納され、回転軸線方向の両側から空気を吸い込む遠心式ファン(6)と、スクロールケーシング(3a)内を遠心式ファン(6)の回転軸線方向において、車室外空気(外気)が流れる第1空気通路(5a)と車室内空気(内気)が流れる第2空気通路(5b)との2つの通路に仕切る仕切壁(4)とを有し、遠心ファン(6)は第1空気通路(5a)に配置された第1ファン(6a)と、第2空気通路(5b)に配置された第2ファン(6b)とを有し、これら第1ファン(6a)および第2ファン(6b)は、回転軸線方向の一方に配置された1つの電動モータ(7)によって一体的に駆動するようになっており、前記仕切壁(4)には、第1ファン(6a)および第2ファン(6b)の径方向の外側近傍であって、回転軸線方向に突出した第1突設部(10a、10b)を形成してあり、第1ファン(6a)と第2ファン(6b)とは、回転軸線方向に所定の空間(9)を隔てて配置されるようになっており、仕切壁(4)は、所定の空間(9)に差し込まれるように設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項1〜3および5〜7の発明によれば、例えば、第1空気通路(5a)を流れる車室外空気(外気)が第2空気通路(5b)へ漏れ出す場合には、この所定の空間(9)が空気通路となる。この空気通路の摩擦損失を大きくすると漏れ量が低減されるものである。従来ではこの所定の空間(9)に平板の仕切壁を差し込んで迷路構造を形成させ、空気通路の経路を延長させていたが、本発明では、所定の空間(9)に第1突設部(10a、10b)を設けた仕切壁(4)を差し込むことにより、この空気通路の経路が延長されるとともに、曲がり部が加わることで従来と比べて摩擦損失が増加して第1空気通路(5a)側から第2空気通路(5b)側への漏れ量が低減される。従って、車室外空気(外気)と車室内空気(内気)の混合が低減される。その結果、乗員への足元暖房の快適性の向上が図れる。
【0011】
請求項4の発明では、第2空気通路(5b)側の仕切壁(4)に対向するスクロールケーシング(3a)面には、第2ファン(6b)の径方向の外側近傍であって、回転軸線方向に突出した第2突設部(10c)が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明によれば、仕切壁(4)に対向するケーシング(3a)面と第2ファン(6b)の吸込み面側との空間において、ケーシング(3a)面に第2突設部(10c)を設けることにより、この空気通路の経路が延長されるとともに、曲がり部が加わることで従来と比べて摩擦損失が増加して第2空気通路(5a)側から車室内側への漏れ量が低減される。とくに、車室外空気(外気)と車室内との圧力差が大となる高速走行時(ラム圧が上昇する)においては、車室外空気(外気)が車室内への侵入量が大幅に低減され、その結果、乗員への快適性の向上が図れる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜3に基づいて説明する。まず、図1に本実施形態における車両用空調装置の内外気送風ユニット1の搭載図を示す。車両用空調装置の構成上、最も空気上流側にあたる内外気送風ユニット1は、車室内のインストルパネルPの中央部から車両幅方向にオフセット(右ハンドル車では車両幅方向の左側にオフセット)されて助手席前方の部位に配置される。内外気送風ユニット1は、内部に車室外空気(以下、外気と呼ぶ)または車室内空気(以下、内気と呼ぶ)、もしくは内気と外気の双方とを切替導入するためのものである。また、内外気送風ユニット1は、エンジンルーム(E/G)と車室内とを区画する鉄板製の仕切り壁2の車両後方側に配置されている。
【0015】
つまり、内外気送風ユニット1は、仕切り壁2とインストルメントパネルPとの間に配置されている。また、インストルバネルPのうち助手席側、かつ内外気送風ユニット1の車両後方側には、内外気送風ユニット1と対向配置されて、物品を収納する容器状の収納部材(以下、グローボックス20と呼ぶ)が設けられている。グローボックス20は、インストルメンパネルPに回動可能に支持された回動軸20aにて、図1中矢印C方向に回動するようになっている。これにより、グローボックス20の開閉が行える。
【0016】
内外気送風ユニット1は、車室内への空気流路をなす空調ケース3を有する。そして、空調ケース3内は、水平方向に延びる仕切壁4にて2つの通路に仕切られている。具体的には、空調ケース3内には、スクロール状の流路であるスクロールケーシング3aを有し、このスクロールケーシング3a内が仕切壁4にて上下(天地)方向に仕切られて、上下方向に並ぶように第1、第2の空気通路5a、5bが形成されている。なお、スクロールケーシング3aは、ポリプロピレンなどの樹脂材にて形成されており、実際には複数のケース部材が上下方向(天地)に積み重ねて車両左右方向に分割するように組付けられて構成されている。
【0017】
第1、第2の空気通路5a、5bの下流側には、空調風の温度を調整する温調ユニツト(図示しない)が配置されている。なお、この温調ユニツトは、実際には上記内外気送風ユニット1と車両幅方向に並び、車両幅方向の中央部位に配置されている。そして、詳しく説明しないが温調ユニツト内には、周知の蒸発器、ヒータコア、温度制御用のエアミックスドア、等の空調機能部品を内蔵している。温調ユニツト内は、上記第1、第2の空気通路5a、5bを有し、この第1空気通路は、車両窓ガラス21の内面に向けて空調風を送風可能となっている。また、第2の空気通路5bは、乗員の足元(図中Fは助手席側の乗員の足)に空調風を送風可能となっている。
【0018】
次に、図2に示すように、上記スクロールケーシング3a内には、第1空気通路5a内に第1ファン6aが、第2空気通路5b内に第2ファン6bがそれぞれ配置されている。なお、これら第1、第2ファン6a、6bの詳細については後で説明する。内外気送風ユニット1の上方部位には、第2空気通路5bに内気を導入するための第1内気導入口22と、第1空気通路5aおよび第2空気通路5bに外気を導入するための外気導入口23が形成されている。
【0019】
外気導入口23は、図1に示すように、仕切壁2の上方部位に開口した外気取入口24と、ダクト25にて連通している。第1内気導入口22は、インストルパネルP内の上方部位に開口している。そして、これら外気導入口23および第1内気導入口22は、第1ファン6aの上方部位に形成されており、開閉部材である第1内外気切替ドア26にて選択的に切り替えられるようになっている。
【0020】
次に、内外気送風ユニット1内で、第1内気導入口22と第1ファン6aとの間には、塵埃を除去するフィルタ27が設けられている。このフィルタ27は、容易に脱着可能となっており、フィルタ27の取り外し方は以下のように行う。まず、グローボックス20をインストルメンパネルPから取り外す。すると、フィルタ27を取り出すための蓋部28が車室内に露出する。さらに、この蓋部28を取り出すと、フィルタ27の端部が車室内に露出して、この露出した部分を取っ手として、フィルタ27を車両後方に引き抜く。これにより、フィルタ27を内外気送風ユニット1から取り外すことができる。なお、フィルタ27を装着する場合は上述の手順を逆に行う。
【0021】
次に、第2ファン6bの下方部位には、第2空気通路5bに内気を導入するための第2内気導入口29が形成されている。この第2内気導入口29は、開閉部材である第2内外気切替ドア30にて開閉される。さらに、内外気送風ユニット1内には、車両後方側に上下方向へ延びるようにして外気導入口23と第2ファン6bの吸込口61bとを連通する連通路31が設けられている。この連通路31は、上記第2内外気切替ドア30にて開閉される。つまり、第2内外気切替ドア30は、第2内気導入口29と連通路31を選択的に開閉するようになっている。
【0022】
そして、連通路31は第1空気通路5aおよび第2空気通路5bに共に外気を導入する全外気モードを達成するためにある。全外気モードでは、第1内外気切替ドア26が第1内気導入口22を閉塞するとともに、外気導入口23を開口し、第2内外気切替ドア30が第2内気導入口29を閉塞して連通路31を開口する。これにより、外気導入口23から外気が導入され、第2空気通路5bには連通路31を介して外気が導入される。
【0023】
また、上記全外気モードの他に、全内気モードと2層流モードとが選択可能となっている。全内気モードでは、第1内外気切替ドア26が第1内気導入口22を開口するとともに、外気導入口23を閉塞し、第2内外気切替ドア30が第2内気導入口29を開口するとともに、連通路31を閉塞する。これにより、第1空気通路5aには、第1内気導入口22から内気が導入され、第2空気通路5bには、第2内気導入口29から内気が導入される。
【0024】
次に、2層流モードでは、第1内外気切替ドア26が第1内気導入口22を閉塞するとともに、外気導入口23を開口し、第2内外気切替ドア30が第2内気導入口29を開口するとともに、連通路31を閉塞する。これにより、第1空気通路5aには、外気導入口23から外気が導入され、第2空気通路5bには、第2内気導入口29から内気が導入される。
【0025】
この結果、第1空気通路5aには、比較的低湿の外気が導入され、温調ユニットで加熱して温風とすることにより、車両窓ガラス21の曇り止め効果を高めることができるとともに、さらに、第2空気通路5bには、比較的高温の内気が導入され、温調ユニットで加熱して温風として、フット吹出口から乗員の足元に向けて吹き出すことにより、足元部への暖房に際しては、外気導入による換気負荷が発生せず暖房効果を高めることができる。とくに、ヒータコアに流入させるエンジン冷却水温度が十分、上昇していない条件下(例えば、ディーゼルエンジン車のアイドリング時等)においては、暖房効果を高めることができる。
【0026】
次に、本発明の要部であるスクロールケーシング3aおよび2層流ファン6の詳細を図2を用いて説明する。2層流ファン6は、一般的に遠心式多翼ファン(遠心式ファン)と称されるものであってスクロールケーシング3a内に収納されている。スクロールケーシング3aの内壁には、仕切壁4が一体成形されており、2層流ファン6の回転を妨げないように後述の第1、第2ファン6a、6bの径方向の内方向(水平方向)に向かって直線的に延びるように形成されている。具体的には、図2に示すように、第1ファン6aと第2ファン6bとが回転軸線方向に隔てられて形成する所定の空間9(後述する)が必要となる。しかしながら、この空間9を通じて第1空気通路5aと第2空気通路5bとが連通し、上述した2層流モードにおいて外気と内気の分離性が悪化し窓ガラスの曇り止め効果の低下および暖房効果の低下してしまう問題がある。
【0027】
そこで、本実施形態では、以下のようにして対処している。スクロールケーシング3aには、後述するの回転軸線方向の一端側に、第1空気通路5a内に空気を取り入れるための円形状の空気取入口3cが開口形成されている。この空気取入口3cの開口縁には、吸込まれる空気をスムーズに第1ファン6aの吸込口61aに流すベルマウス状の第2ベルマウス部3eが一体成形されている。
【0028】
また、第1、第2ファン6a、6bの回転軸線方向の他端側には、第2空気通路5b内に空気を取り入れるための円形状の空気取入口3dが開口形成されている。この空気取入口3dの開口縁には、図中下方に突出して円筒状の取付部3bが形成されており、この取付部3dには、上記第1ベルマウス部3eと同様な機能を有する吸込まれる空気をスムーズに第2ファン6bの吸込口61bに流すベルマウス状の第2ベルマウス部3fがはめ込められている。
【0029】
次に、第1、第2ファン6a、6bは、ポリプロピレン等の樹脂材にて形成されており、本実施形態では外径(ファン径)が異なり図2に示すように、外径の大きい第2ファン6bと第2ファン6bよりも外径の小さい第1ファン6aとが一体成形されている。そして、第1、第2ファン6a、6bには、径方向に延びるように第1ファン6aと第2ファン6bとを回転軸線方向にて仕切る仕切り部60を有する。
【0030】
そして、これら第1、第2ファン6a、6bは、回転軸線方向の一方に配置された一つの電動モータ7によって一体的に駆動するようになっている。また、この第1、第2ファン6a、6bは、回転軸線方向の両端側にそれぞれ吸込口61a、61bを有している。つまり、本例の第1、第2ファン6a、6bは、回転軸線方向の両端から空気を吸込む両吸込式のものであり、略水平方向に向くように配置されている。
【0031】
また、電動モータ7は、図1に示すように、下方から上方に向かって第2ファン6bの吸込口61bから挿入配置され、後述する第1、第2ファン6a、6bに形成されたボス部60cに駆動軸をはめ込み結合されている。これにより、吸込口61bの開口面積を電動ファン7が減少させることで、第2ファン6bの吸込抵抗が大きくなるため、吸込抵抗の増加分を見込んだ送風能力を維持するために、第2ファン6bの外径を第1ファン6aより大きくしてある。なお、電動モータ7は、取付金具8にてスクロールケーシング3aの下方側の外壁面にネジ止めされた構造となっている。
【0032】
次に、仕切り部60は、上述した仕切壁4と協動して、回転軸線方向において、スクロールケーシング3a内を第1空気通路5aと第2空気通路5bとに仕切るためのものである。この仕切り部60は、図2に示すように、末広がりの略円錐形状に形成され、回転中心部には電動モータ7の駆動軸がはめ込められるボス部60cを形成されている。また、径方向の外側には、第1ファン6aの複数の第1ファンブレード6cの端部と連結する第1連結部60aと、第2ファン6bの複数の第2ファンブレード6dの端部と連結する第2連結部60bとが分岐して形成されている。なお、第1連結部60aは、複数の第1ファンブレード6cの端部を吸込口61aを有する円環状の連結部62aとで結合させるものである。また、第2連結部60bも同様に、複数の第2ファンブレード6dの端部を吸込口61bを有する円環状の連結部62bとで結合させるものである。
【0033】
また、第1連結部60aと第2連結部60bとの回転軸線方向には窪み状の空間9が形成されている。つまり、仕切り部60は、図2に示すように、第1ファン6aと第2ファン6bとが回転軸線方向に空間9を隔てて配置されるように互いに対向した2つの上記第1連結部60aと第2連結部60bを有するものである。そして、仕切壁4は、上記空間9内に仕切壁4の先端部4aを差し込まれるように設けられている。このようにすることでこの空間9が迷路構造(空気通路が長くなる)となるため、内気または外気がこの空間9を通過するのに摩擦損失が大きくなり通過しにくくなる。従って、この空間9を通過する空気通路の長さをできるだけ長く設定することが内気と外気の混合を低減できるものである。
【0034】
ところが、スクロールケーシング3aのスクロールの形状は、図3に示すように、一般的にはそれぞれのファンの外径(例えば、第1、第2ファンブレード6c、6dの外径等)に基づいた対数らせん状に巻き始めのノーズ部3gから順次拡大させるように形成されている。従って、上記第1、第2連結部60a、60bの突出長さLを設定するにはノーズ部3gに接触させないように限度がある。そこで、本実施形態では、仕切壁4の両面に、第1ファン6aおよび第2ファン6bの第1、第2連結部60a、60bの径方向の外側近傍に、円環状(リング状)の第1突設部10a、10bを形成させて上記空気通路をさらに延長させたものである。さらに、空間9への空気通路に曲げによる経路が加わり曲げ部の摩擦損失が増加されることより、第1空気通路5a側から第2空気通路5bへの漏れ量が低減されるものである。なお、この第1突設部10a、10bの突き出し高さは、第1、第2連結部60a、60bのファンブレード6c、6dの端面内側に突き出さない程度で設定されている。
【0035】
さらに、第2ファン6bの連結部62bとスクロールケーシング3aの内面との空間9aにおいても、スクロールケーシング3aの内面に第2ファン6bの連結部62bの径方向の外側近傍に、円環状(リング状)の第2突設部(10c)が形成させて、空間9aの空気通路をさらに延長させるとともに、空間9aへの空気通路入口での曲げによる摩擦損失が増加されることより、第2空気通路5b側から車室内側への漏れ量が低減されるものである。なお、この第2突設部10cの突き出し高さは、連結部61bのファンブレード6dの端面内側に突き出さない程度で設定されている。
【0036】
なお、スクロールケーシング3aは、第1、第2ファン6a、6bの径方向外側に分割されるようになっており、第1、第2ファン6a、6bの回転軸線方向に分割面を有するようになっている。このことより、仕切壁4を空間9に差し込まれるように設けることができる。
【0037】
以上の実施形態では、所定の空間9に第1突設部10a、10bを設けた仕切壁4を差し込むことにより、この空気通路の経路が延長されるとともに、曲がり部が加わることで従来と比べて摩擦損失が増加して第1空気通路5a側から第2空気通路5b側への漏れ量が低減される。従って、外気と内気の混合が低減される。その結果、乗員への足元暖房の快適性の向上が図れる。
【0038】
また、第2ファン6bの連結部62bとスクロールケーシング3aの内面との空間9aにおいて、ケーシング3aの内面に第2突設部10cを設けることにより、この空気通路の経路が延長されるとともに、曲がり部が加わることで従来と比べて摩擦損失が増加して第2空気通路(5b)側から車室内側への漏れ量が低減される。とくに、車室外空気(外気)と車室内との圧力差が大となる高速走行時(ラム圧が上昇する)においては、車室外空気(外気)が車室内への侵入量が大幅に低減され、その結果、乗員への快適性の向上が図れる。
【0039】
(他の実施形態)
上記実施形態では、第1、第2突設部10a、10b、10cの突き出し高さを、第1、第2連結部60a、60bのファンブレード6c、6dの端面内側に突き出さない程度で設定され説明したが、図4に示すように、先端を曲面状に形成させて突き出し高さを回転軸線方向に延長させて、第1、第2ファン6a、6b側に曲面状が向くように円環状の第3突設部11a、11b、11cを形成させることでも良い。これにより、第1、第2ファンブレード6c、6dより吹き出された空気が第3突設部11a、11b、11cに衝突する。これにより、第3突設部11a、11b、11c近傍が乱流となり摩擦損失が増加して、さらに、漏れ量が低減される。
【0040】
また、図5に示すように、先端を傾斜状に形成させて突き出し高さを回転軸線方向に延長させて、スクロールケーシング3aの内壁側に傾斜部が向くように円環状の第4突設部12a、12b、12cを形成させることでも良い。
【0041】
さらに、図6に示すように、第1、第2連結部60a、60bおよび連結部62bの突出長さLを短くして円環状の第5突設部13a、13b、13cを複数個、仕切壁4およびスクロールケーシング3aの下面内側に形成させることでも良い。
【0042】
なお、以上の実施形態による第1、第2突設部10a、10b、10c、第3突設部11a、11b、11c、第4突設部12a、12b、12cおよび第5突設部13a、13b、13cは、ともに、仕切壁4またはスクロールケーシング3aの内面に、円環状(全周)に形成させたが、全周に渡り凹凸となるように突き出し高さを変えて部分的に形成しても良い。これにより、これらの近傍に乱れが生じ摩擦損失が増加して、さらに、漏れ量が低減される。
【0043】
以上の実施形態では、第1ファン6aと第2ファン6bとを一体成形としたが、別個に形成したものを組み合せることで、電動モータ7にて一体的に回動させるようなものでも良い。
【0044】
また、第1ファン6aと第2ファン6bとの径が異なるようにしたが、同一径のものであっても良い。さらに、第1ファン6aが第2ファン6bよりファン径が大であっても良いのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における車両用空調装置の送風ユニットの車両搭載を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態における車両用空調装置の送風ユニットを示す要部縦断面図である。
【図3】図2に示す送風ユニットの上面から見た横断面図である。
【図4】他の実施形態における車両用空調装置の送風ユニットの詳細を示す縦断面図である。
【図5】他の実施形態における車両用空調装置の送風ユニットの詳細を示す縦断面図である。
【図6】他の実施形態における車両用空調装置の送風ユニットの詳細を示す縦断面図である。
【符号の説明】
3a…スクロールケーシング
4…仕切壁
5a…第1空気通路
5b…第2空気通路
6…2層流ファン(遠心式ファン)
6a…第1ファン
6b…第2ファン
7…電動モータ
9…空間
10a、10b…第1突設部
10c…第2突設部
Claims (7)
- スクロール状の空気通路を構成するスクロールケーシング(3a)と、
このスクロールケーシング(3a)内に収納され、回転軸線方向の両側から空気を吸い込む遠心式ファン(6)と、
前記スクロールケーシング(3a)内を前記遠心式ファン(6)の回転軸線方向において、車室外空気が流れる第1空気通路(5a)と車室内空気が流れる第2空気通路(5b)との2つの通路に仕切る仕切壁(4)とを有し、
前記遠心ファン(6)は前記第1空気通路(5a)に配置された第1ファン(6a)と、前記第2空気通路(5b)に配置された第2ファン(6b)とを有し、これら前記第1ファン(6a)および前記第2ファン(6b)は、前記回転軸線方向の一方に配置された1つの電動モータ(7)によって一体的に駆動するようになっており、
前記仕切壁(4)には、前記第1ファン(6a)および前記第2ファン(6b)の径方向の外側近傍であって、前記回転軸線方向に突出した第1突設部(10a、10b)を形成してあり、
前記第1ファン(6a)と前記第2ファン(6b)とは、前記回転軸線方向に前記所定の空間(9)を隔てて配置されるようになっており、前記仕切壁(4)は、前記所定の空間(9)に差し込まれるように設けられていることを特徴とする車両用空調装置の送風ユニット。 - 前記所定の空間(9)に前記仕切壁(4)を差し込むことで形成される空気通路の経路は、前記第1突設部(10a、10b)により延長されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の送風ユニット。
- 前記遠心式ファン(6)は、径方向に延びるようにして前記第1ファン(6a)と前記第2ファン(6b)とを仕切る仕切り部(60)を有し、
前記仕切り部(60)は、前記第1ファン(6a)と前記第2ファン(6b)とが前記回転軸線方向に前記所定の空間(9)を隔てて配置されるように互いに対向した2つの連結部(60a、60b)を有し、
前記仕切り壁(4)は、前記2つの連結部(60a、60b)との間で前記所定の空間(9)内に差し込まれるように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置の送風ユニット。 - 前記第2空気通路(5b)側の前記仕切壁(4)に対向する前記スクロールケーシング(3a)面には、前記第2ファン(6b)の径方向の外側近傍であって、前記回転軸線方向に突出した第2突設部(10c)が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両用空調装置の送風ユニット。
- 前記第1突設部(10a、10b)と前記第2突設部(10c)は、前記スクロールケーシング(3a)および前記仕切壁(4)に、円環状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の車両用空調装置の送風ユニット。
- 前記第1ファン(6a)、前記第2ファン(6b)および前記仕切り部(60)は、一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の車両用空調装置の送風ユニット。
- 前記第1突設部(10a、10b)と前記第2突設部(10c)は、前記スクロールケーシング(3a)および前記仕切壁(4)に一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の車両用空調装置の送風ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000023894A JP4192382B2 (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | 車両用空調装置の送風ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000023894A JP4192382B2 (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | 車両用空調装置の送風ユニット |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001213134A JP2001213134A (ja) | 2001-08-07 |
JP2001213134A5 JP2001213134A5 (ja) | 2006-06-08 |
JP4192382B2 true JP4192382B2 (ja) | 2008-12-10 |
Family
ID=18549978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000023894A Expired - Fee Related JP4192382B2 (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | 車両用空調装置の送風ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4192382B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101315748B1 (ko) * | 2007-01-26 | 2013-10-08 | 한라비스테온공조 주식회사 | 차량용 공조시스템의 송풍장치 |
JP6011348B2 (ja) * | 2013-01-10 | 2016-10-19 | 株式会社デンソー | 空調装置用送風機 |
JP6489223B2 (ja) | 2015-09-15 | 2019-03-27 | 株式会社デンソー | エンジン制御装置、空調システム、および、空調制御装置に用いるプログラム |
KR102356215B1 (ko) * | 2015-10-07 | 2022-01-28 | 한온시스템 주식회사 | 차량용 공조 장치 |
JP6862290B2 (ja) * | 2016-06-21 | 2021-04-21 | 株式会社ヴァレオジャパン | 車両用空調装置のための遠心送風機 |
KR102437720B1 (ko) * | 2017-11-08 | 2022-08-29 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 공조장치 |
KR102450396B1 (ko) * | 2017-11-08 | 2022-10-05 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 공조장치 |
JP7036645B2 (ja) * | 2018-03-27 | 2022-03-15 | 株式会社日本クライメイトシステムズ | 車両空調用送風装置 |
KR102626022B1 (ko) * | 2018-12-07 | 2024-01-17 | 한온시스템 주식회사 | 차량용 공조장치의 블로어 유닛 |
-
2000
- 2000-02-01 JP JP2000023894A patent/JP4192382B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001213134A (ja) | 2001-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3758286B2 (ja) | 送風ユニット | |
JP5482720B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3794098B2 (ja) | 遠心送風機 | |
JP2002339899A (ja) | 遠心式送風機 | |
JP2003090298A (ja) | 遠心ファン | |
JPH11139138A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP4192382B2 (ja) | 車両用空調装置の送風ユニット | |
KR20220140907A (ko) | 차량용 공조장치의 블로워 장치 | |
JP3921832B2 (ja) | 遠心式送風機 | |
JPH10119533A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3282623B2 (ja) | 送風ユニット | |
WO2020110476A1 (ja) | シート空調装置 | |
JP2008081029A (ja) | 車両用空調装置 | |
JPH06255341A (ja) | 空気調和装置 | |
JP3293537B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3823480B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP4273564B2 (ja) | 遠心式送風機 | |
JP2000127740A (ja) | 遠心送風機 | |
JP3814986B2 (ja) | 車両用空調装置の送風ユニット | |
JP3832009B2 (ja) | 遠心送風機 | |
JP4411724B2 (ja) | 遠心式送風機 | |
US7473078B2 (en) | Centrifugal blower | |
JP3692627B2 (ja) | 遠心送風機 | |
JP5527302B2 (ja) | 送風装置 | |
JP4395929B2 (ja) | 遠心送風機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060418 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080304 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20080403 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080423 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080826 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080908 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131003 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S802 | Written request for registration of partial abandonment of right |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |