JP4188057B2 - 消音器とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は消音器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載される内燃機関の排気系に使用される消音器の製造方法として、円筒状の外筒の両側における端部と、該外筒の両側を閉塞する端板(エンドプレート)の端部とを、巻締め加工(カーリング形式のシーミング)により接合する方法が一般に知られている。
【0003】
また、近年、消音器の生産性向上(結合スピードの向上)、気密性確保(排気ガスの洩れ防止)およびカーリング部廃止による材料費低減として、前記の巻締め加工に代わり、レーザ溶接による接合が要求されている。
【0004】
この要求に応えるため、例えば図8に示すように、消音器を形成する外筒101と端板102との重ね合わせ面103を、消音器本体の軸心と略平行に形成して該外筒101と端板102とを挿入または巻回し、その重ね合わせ面103に対して略直角に貫通レーザ光Lを照射して消音器本体の円周方向に沿って全周にわたって接合一体化した消音器が知られている(特許文献1および2参照)。これを第1の従来の技術とする。
【0005】
また、図9に示すように、テーパ部201を形成した封止部材202と薄肉状のパイプ203とからなり、パイプ203の端部に封止部材202のテーパ部201を圧入嵌合し、パイプ203の端部をテーパ部201のテーパ形状に沿って変形させて封止部材202に密着させ、封止部材202の段付面204とパイプ203の板厚面205との突き合わせ部206をレーザ光Lで溶接するようにしたパイプの溶接方法が知られている(特許文献3参照)。これを第2の従来の技術とする。
【0006】
更に、図10に示すように、円筒301と蓋302の端面に、その板厚方向にテーパ面303を形成して、これらのテーパ面303を密着させて溶接するレーザ溶接継手構造も知られている(特許文献4参照)。これを第3の従来の技術とする。
【0007】
【特許文献1】
特許第3145314号公報(第4頁、図2)
【特許文献2】
特開昭59−162318号公報(第2頁、第3図)
【特許文献3】
特許第2623650号公報(第2頁、第1図)
【特許文献4】
特開昭62−234684号公報(第3〜4頁、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーザ溶接は、MIG溶接やTIG溶接等の他の溶接に比べて、溶接速度を速くすることができ、また、スパッタが発生しにくい等のメリットがある反面、MIG溶接やTIG溶接では溶接部材同士の隙間が1.2mm程度でも溶接できるのに対して、レーザ溶接では溶接部材同士の隙間が0.2〜0.3mm以上であると溶接不良が発生しやすいため、溶接部材同士を隙間なく密着させなければならない問題がある。
【0009】
したがって、前記第1の従来の技術のように、その外筒101と端板102とを挿入または巻回してなる構造においては、その重ね合わせ面103の隙間を全周にわたって0.2〜0.3mm以下にすることが困難であるため、レーザ溶接が困難である。また、その溶接を確実に行うためには、その外筒101の単品寸法および端板102の単品寸法の高精度化や位置決め治具、芯出し治具の高精度化が要求される問題がある。
【0010】
また、前記第2の従来の技術においては、接合部材相互を密着できるが、封止部材202の圧入時に、該封止部材202が変形しないように封止部材202の板厚をパイプ203に比べて厚くし、剛体としなければならないため、この接合方法を外筒と端板が同じ材質、板厚(例えばSUS432T,0.8mm)で形成される自動車用消音器の製造に適用することは不適当である。また、段付面204とパイプ203の突き合わせ溶接であるため、パイプ203が、自動車用消音器の外筒のような薄肉であると、そのパイプ203側が溶け易いという問題がある。更に、封止部材202のテーパ部201にパイプ203をなつかせて密着させる構造であるため、封止部材202のテーパ形状の精度によって密着性が左右され、テーパ形状の高精度化が要求される問題がある。
【0011】
また、前記第3の従来の技術においては、円筒301の板厚方向にテーパ面303を形成するため、自動車用消音器のように、薄板の外筒(例えば板厚0.8mm)の場合には、この接合方法は不適当である。
【0012】
そこで本発明は、前記の各問題を解決する消音器とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、板材を椀状に加工して形成された2個の外筒をレーザ溶接により一体的に接合する消音器において、一方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し外側に折曲したフランジ部が形成され、他方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し内側に折曲したフランジ部が形成され、前記両外筒の開口側を相互に対向して前記両フランジを相互に重ね合わせレーザ溶接により貫通溶接したことを特徴とする消音器である。
【0014】
請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記2個の外筒のうち、外側に位置するフランジを有する側の外筒において、その軸方向の開口部から内側に入った位置に隔壁が固着されていることを特徴とする消音器である。
【0018】
請求項3記載の第3の発明は、板材を椀状に加工して形成された2個の外筒をレーザ溶接により一体的に接合する消音器の製造方法において、一方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し外側に折り曲げられたフランジ部を形成し、他方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し内側に折り曲げられたフランジ部を形成し、前記両外筒の開口側を相互に対向させて前記両フランジ部を相互に重ね合わせ、前記両外筒を軸心に沿って相互に近接方向に押圧しながら前記重ね合わせ面に対して直交する方向からレーザ光を照射し、両フランジ部をレーザ溶接により貫通溶接したことを特徴とする消音器の製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1乃至図7に示す実施例に基づいて説明する。
【0024】
図1は第1実施例を示す。
消音器1の外壁は2個の外筒2,3で構成されており、該外筒2,3は金属製の平板を、例えばパンチとダイスを用いたプレス加工等による深絞り成形によって一方が開口した椀状に形成されており、筒状の一般部2a,3aと底部2b,3bを有する。この椀状の成形方法は前記の方法に限るものではない。更に、その径、深さ、断面形状とも任意である。更に、図の例では2個の椀状の外筒2,3を用いたが、これら2個の外筒2,3間に更に筒状の外筒を介在して消音器の外壁を構成してもよい。前記両外筒2,3は金属製の板材からなるため、この構成材を板状部材2c,3cとする。
【0025】
消音器1の一方の外筒2を構成する一方の板状部材2cの開口周縁部には,図1(a)に示すように、外筒2の軸心(消音器の軸心)X−Xに対して所定の角度θ,例えば略45°で、外筒2の外側へ折曲したテーパ状の一方のフランジ部4が形成されている。また、他方の外筒3を構成する他方の板状部材3cの開口周縁部には,前記一方のフランジ部4の傾斜角θに沿った角度で、外筒3の内側へ折曲したテーパ状の他方のフランジ部5が形成されている。なお、前記一方のフランジ部4を内側へ折曲し、他方のフランジ部5を外側へ折曲してもよい。更に、前記角度θは、45°に限定されるものではなく、外筒2,3の軸心(消音器の軸心)X−Xに対して直角以外で傾斜していればよい。更に、前記一方のフランジ部4と他方のフランジ部5の角度θは同一角度でなくてもよく、両フランジ部4,5を相互に押し付けた際に、該両フランジ部4,5間に隙間が生じないように略同一角度に設定してもよい。更に、一方のフランジ部4と他方のフランジ部5は、外筒2,3、すなわち、板状部材2c,3cの全周にわたって形成されている。
【0026】
前記両フランジ4,5の成形方法は、例えばパンチによるプレス加工や、スピニング加工等で成形することができ、特に限定するものではない。
【0027】
図1に示す実施例においては、一方の外筒2内、すなわち、一方の板状部材2c内に隔壁6が嵌合配置されている。該隔壁6は、一方の板状部材2cの開口部から若干内側に入った位置に配置され、かつ該隔壁6の外周面が一方の板状部材2cの内面にスポット溶接7などにより固着されている。
【0028】
また、一方の外筒2の底部2bと隔壁6間には、小孔8を穿設したインレットパイプ9が貫通架設され、他方の外筒3の底部3bと隔壁6間にはアウトレットパイプ10が貫通架設されている。これら内部構成部品である隔壁6とインレットパイプ9とアウトレットパイプ10は公知のものであり、これらは図1の構造に限るものではなく、個数、形状、配置レイアウト、接合手段等は任意である。
【0029】
次に、前記第1実施例における製造方法について説明する。
先ず、隔壁6にインレットパイプ9およびアウトレットパイプ10を挿通するとともに公知のカシメ接合11により一体的に組み付けてサブアッセンブリとする。
【0030】
次に、前記サブアッセンブリを一方の外筒2の開口側から挿入するとともにインレットパイプ9の先端側を一方の外筒2の底部2bに貫入し、隔壁6と一方の外筒2における一般部2aの板状部材2cとをスポット溶接7で固着する。
【0031】
次に、他方の外筒3の開口側を前記一方の外筒2の開口側に対向させて、両外筒2と3の一方のフランジ部4と他方のフランジ部5同士が重なりあうように配置するとともに、アウトレットパイプ10の後端側を他方の外筒3の底部3bに貫入する。
【0032】
次に、両外筒2と3を、該外筒2,3の軸心、すなわち消音器の軸心X−Xに沿って相互に近接する方向Aへ適宜加圧手段(図示せず)により押圧して両フランジ部4,5を圧着しながら、両フランジ部4,5の重ね合わせ面12に対して略直角にレーザ光Lを外筒2の外部から照射し、より詳しくは、フランジ4の表面に照射し、例えばレーザ光Lを発する溶接トーチ側を軸心X−Xを中心として回転させ、外筒2,3の周方向、すなわち板状部材2c,3cの円周方向に沿って全周または部分的に貫通溶接し、両フランジ部4,5を一体化させる。
【0033】
なお、前記の貫通溶接は、図1(c)に示すように、レーザビームを2枚のフランジ部4,5に貫通させる溶接W1と、図1(d)に示すように、レーザビームを1枚のフランジ部4だけ貫通させ、残りのフランジ部5は板厚方向の途中までとする溶接W2も含むものである。
【0034】
前記の貫通溶接時には、両フランジ部4,5が相向き合うテーパ状であること、および両フランジ部4,5を近接方向に押圧しながらレーザ溶接することにより、両フランジ部4,5同士の単品形状の角度、フランジ面精度がバラついていたとしても、両フランジ部4,5同士が変形し、互いになつき合って密着し、その重ね合わせ面12の隙間を全周にわたってなくすことができ、安定したレーザ溶接が可能になる。
【0035】
また、溶接進行途中において発生する動的な隙間に対しても、両フランジ部4,5同士を近接方向に押圧しながらレーザ溶接することにより、両フランジ部4,5同士が互いになつき合って密着し、同様に安定したレーザ溶接が可能になる。
なお、前記動的な隙間とは、フランジ部全体(全周)への溶接による入熱量は、溶接の進行とともに増加するため、フランジ部の熱歪量は全周にわたって一定ではなく、溶接の進行途中(開始から終了までの間)において進行方向で隙間の大きさが変動することをいう。
【0036】
また、外側に位置するフランジ部4を有する側の外筒2に隔壁6を固設したので、この隔壁6の存在により外筒2の一般部2a、すなわち板状部材2cの一般部の剛性が高くなり、押圧時における板状部材2cの一般部の変形(口開き)が防止され、両フランジ部4,5のみが変形し、互いになつき合って密着する。したがって、消音器のように外筒、すなわち板状部材4,5の板圧が0.数mmと薄い場合には有効である。
【0037】
また、図1に示す実施例のように、椀状に形成された外筒を2個設けて、これらの開口部にフランジ部4,5を形成し、該フランジ部4,5を相互に接合して消音器1を構成するようにしたものにおいては、消音器1全体としての外壁の接合箇所が1箇所となり、レーザ溶接工程が少なくてすむ効果がある。
【0038】
図2は第2実施例を示す。
本第2実施例は、前記実施例における内側に位置する他方のフランジ部5を変形させたものである。
【0039】
すなわち、前記他方のフランジ部5を径方向の外側へ山状に屈曲させたリブ状フランジ部5Aとし、両外筒2,3の一般部2a,3aの外径Rを同径にしたものである。その他の構造および製造方法は前記第1実施例と同様である。なお、このリブ状フランジ部5Aを谷状に形成し、フランジ部4を内側へ折曲してもよい。
【0040】
本第2実施例においては、フランジ部4,5Aの成形前段階における一方の外筒2と他方の外筒3の外径Rを同径にすることができ、深絞りのパンチとダイスを1種類だけ用意すればよい特長がある。
【0041】
前記第1実施例のように、一方の外筒2と他方の外筒3の外径が異なるものにおいては、パンチとダイスを2種類用意する必要があり、型費が嵩むのに対し、本第2実施例では型費が低減され、かつ、フランジ部4,5Aの成形前段階における一方の外筒2と他方の外筒3の共通化を図ることができる。
【0042】
なお、本第2実施例のように、リブ状フランジとした場合においても、前記第1実施例と同様に、一方の外筒2における一般部2aの外径Rと他方の外筒3における一般部3aの外径Rを異ならしめてもよい。
【0043】
図3は第3実施例を示す。
本第3実施例は、前記第2実施例(図2)のリブ状フランジ5Aの先端部に、外筒2の軸心X−Xと平行に延長する延長片5aを形成したリブ状フランジ5Bとしたものである。
【0044】
その他の構造および製造方法は前記第2実施例と同様である。
本第3実施例においても前記第2実施例と同様の効果を発揮できる。
【0045】
なお、本第3実施例のように、リブ状フランジ5Bとした場合においても、前記第1実施例と同様に、一方の外筒2における一般部2aの外径Rと他方の外筒3における一般部3aの外径Rを異ならしめてもよい。
【0046】
図4は第4実施例を示す。
本第4実施例は、前記第2実施例(図2)のリブ状フランジ部5Aを外側へコの字状に形成したリブ状フランジ部5Cとしたものである。また、一方のフランジ部4の先部4aは、前記リブ状フランジ部5Cの外面まで延長されている。
【0047】
その他の構造および製造方法は前記第2実施例と同様である。
本第4実施例においても前記第2実施例と同様の効果を発揮できる。
【0048】
なお、本第3実施例のように、リブ状フランジ5Cとした場合においても、前記第1実施例と同様に、一方の外筒2における一般部2aの外径Rと他方の外筒3における一般部3aの外径Rを異ならしめてもよい。
【0061】
図5はレーザ溶接の他の方法を示すもので、前記のように、例えば第1実施例の両フランジ部4,5を圧接した状態において、他方の外筒3に形成したアウトレットパイプ10の挿通穴15を通じてレーザ光Lをフランジ部5の内部側から照射するようにしたものである。このレーザ光Lの照射時にインレットパイプ9やアウトレットパイプ10が存在するとこれらがレーザ光Lの照射の妨げとなるため、インレットパイプ9とアウトレットパイプ10は、レーザ光Lによる溶接後に組み付ける。すなわち、隔壁6を予め一方の外筒2内に前記のように配置固着しておき、レーザ光照射後に、インレットパイプ9およびアウトレットパイプ10を挿入し、この両パイプ9,10の内側から両パイプ9,10を隔壁6にカシメて、カシメ接合11により固定する。
【0062】
この実施例によれば、レーザ貫通溶接による裏ビードを消音器1の外部から目視で確認できる。
【0063】
このような図5に示す溶接方法を、前記各実施例について適用してもよい。
以上の実施例の他に、次のような実施例でもよい。
【0064】
前記図2および図3に示すリブ状のフランジ部5A,5Bの径寸法を、一方のフランジ部4の径寸法よりも若干大きく設定し、一方のフランジ部4をリブ状フランジ部5A,5Bで拡径させながら両フランジ部を密着させる、圧入式としてもよい。
【0065】
また、図1〜図4に示すフランジ部において、両フランジ部を接触させた後に、一方のフランジ部4の外側から他方のフランジ部5,5A〜5Dに向けて、スピニング加工やスウェージング加工等により縮径加工を施して両フランジ部を絞り、両フランジ部をなつかせるようにしてもよい。
【0066】
更に、前記各実施例におけるレーザ光Lを発する溶接トーチを図6に示すように、消音器1の円周方向において2個、略180°で対向する位置に配置し、該2個の溶接トーチ21,22を、円周方向に沿って同方向へ同時に半周ずつ走らせて、溶接aと溶接bを同時に半周ずつ行うようにしてもよい。
【0067】
これにより、1個の溶接トーチで全周溶接する場合に比べて、溶接時間が半分に短縮される。また、入熱バランスがよく、溶接熱によるワーク歪(熱変形)を抑えることができ、両フランジ相互の密着性が高まる。
【0068】
なお、この溶接トーチの個数は等間隔に3個以上設けてもよい。
図7は前記図1乃至図4に示す実施例におけるレーザ貫通溶接の検査方法の実施例を示す。
【0069】
前記図1乃至図4に示す実施例では、レーザ貫通溶接によって生じる裏波(裏ビード)が消音器1の内部に形成されるため、消音器1の外部からは裏波を目視で確認しずらく、また、過流深傷等の方法も取れない。
【0070】
そこで、図7に示すように、例えばインレットパイプ9を通じて光センサ31を消音器1内に挿入配置し、フランジ部4,5において、レーザ光によるレーザ溶接Wが貫通したときに、その裏波側から出るアークを前記の光センサ31などで検知して、貫通溶接を確認するようにしたものである。なお、前記光センサ31の代わりに、熱センサを用いて、貫通溶接時に消音器1内に生じる熱によって確認するようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上のようであるから、請求項1記載の発明によれば、両フランジ部を、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜させたので、重ね合わせた両フランジ部を消音器の軸心方向に沿って近接方向に押圧しながらレーザ溶接することにより、フランジ部同士の単品状態での角度やフランジ面精度がバラついていても、両フランジ部同士が変形し、互いになつき合って密着し、重ね合わせ面の隙間を全周にわたってなくし、安定したレーザ溶接が可能になる。
【0072】
更に、消音器の外壁が、2個の椀状物を、各開口側で嵌合して構成されるため、その1個の嵌合部における両フランジ部を溶接するのみでよく、溶接箇所が1箇所となり、レーザ溶接工程が少なくてすむ効果がある。
【0076】
請求項3の発明によれば、前記の効果を発揮する消音器の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、(a)は消音器全体の断面図、(b)は(a)における丸部Bの拡大断面図、(c)(d)は貫通溶接を示す断面図。
【図2】本発明の第2実施例を示す接合部の拡大断面図。
【図3】本発明の第3実施例を示す接合部の拡大断面図。
【図4】本発明の第4実施例を示す接合部の拡大断面図。
【図5】本発明におけるレーザ光の照射方法の実施例を示す断面図。
【図6】本発明における溶接方法の実施例を説明する図。
【図7】本発明における溶接検査方法の実施例を説明する図。
【図8】第1の従来の構造を示す断面図。
【図9】第2の従来の構造を示す断面図。
【図10】第3の従来の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 消音器
2,3 外筒
2c,3c 板状部材
4 フランジ部
5,5A〜5E フランジ部
L レーザ光
X−X 消音器の軸心
Claims (3)
- 板材を椀状に加工して形成された2個の外筒をレーザ溶接により一体的に接合する消音器において、一方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し外側に折曲したフランジ部が形成され、他方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し内側に折曲したフランジ部が形成され、前記両外筒の開口側を相互に対向して前記両フランジを相互に重ね合わせレーザ溶接により貫通溶接したことを特徴とする消音器。
- 前記2個の外筒のうち、外側に位置するフランジを有する側の外筒において、その軸方向の開口部から内側に入った位置に隔壁が固着されていることを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 板材を椀状に加工して形成された2個の外筒をレーザ溶接により一体的に接合する消音器の製造方法において、一方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し外側に折り曲げられたフランジ部を形成し、他方の外筒の開口周縁部に、消音器の軸心に対して直角以外の所定の角度で傾斜し内側に折り曲げられたフランジ部を形成し、前記両外筒の開口側を相互に対向させて前記両フランジ部を相互に重ね合わせ、前記両外筒を軸心に沿って相互に近接方向に押圧しながら前記重ね合わせ面に対して直交する方向からレーザ光を照射し、両フランジ部をレーザ溶接により貫通溶接したことを特徴とする消音器の製造方法。
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