JP4177459B2 - 清浄化組成物 - Google Patents

Description

本発明は、昆虫排除性3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルを含んでなり、従って清浄化するためおよび同時に清浄化すべき表面および部屋から昆虫を排除するために用いられる全てのタイプの清浄化組成物に関する。
多くの場合、昆虫はヒトにとって厄介で、また脅威でさえある。一部の種の昆虫により引き起こされる損傷（例えば、全収穫物の破壊）に加え、ヒトおよび、多くの動物も、種々の昆虫により様々に悩まされ、刺されたり疫病を移されたりする。これにより、危険な病気が感染および伝達され得る。
殺虫剤は昆虫と戦う主な武器であるが、その使用および毒性態様は必ずしも問題が無いわけではない。毒素がヒトおよび動物に望ましくない効果を有することが多く、それによりその使用が制限され、または禁止さえされる。
しかしながら、直接の問題を防止するために、殺虫剤の使用のような手段が絶対必要というわけではない。例えば、ゴキブリのような一部の昆虫は、いずれの場合も完全には根絶することができず、昆虫を殺してしまうよりは排除することにより多くの努力が払われている。
さらに、現在では環境保護が強く取り上げられており、そのために予防手段が好ましく用いられる。
従って、昆虫と戦うのに昆虫排除剤が殺虫剤よりもより好まれている。何故なら、前者は、特定の表面上または室内に昆虫が滞在および巣作りするのを止めることのみを企図しているからである。
例えば、ゴキブリ、ハエ、蚊または蟻を排除または殺すための化学薬剤が以前から市販されているが、それらはヒトおよび動物に危険である、または不快な匂いを有しており、それらの悪い特性が使用を制限している。
効果的であるのみならず毒性面から許容もされる昆虫排除剤の数が比較的少ないことから、この分野において適当な生成物を提供するための大きな努力が続けられている。
従って、本発明の目的は、全てのタイプの昆虫を効果的に遠ざけ、使用が容易で、ヒトおよびペットに毒物学的に許容できる昆虫排除剤を提供することにある。
3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルという物質は、以前から知られている証明された昆虫排除剤であり、そのまま化粧製剤においても用いられている。これは、例えば、ダルムシュタットのメルク社（Merk KGaA）から購入することができる。
毒性、アレルギー性または感作性無しに皮膚および粘膜耐性に関する顕著な特性を有するこの物質は、今まで、例えば蚊またはハエの攻撃からヒトを直接保護するために化粧製剤中に用いられてきた。
さらに、この物質は高度の化学的安定性を有する、すなわち、加水分解され得ず、光酸化され得ず、酸化され得ず、また高度の熱安定性を有する。
驚くべきことに、最近、3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルを全てのタイプの清浄化組成物の調製に混入することができ、従って、性質が強度または弱度であり得るその物質で清浄化した表面から昆虫を永遠に追い払うかまたは近づけないように用いることができるとわかった。
例えば、文献（US-A-3,018,217）から、琥珀酸ジブチルを昆虫排除剤として用いてこれを、家庭の床の艶だし組成物に混入することが知られている。EP 0 525893も、例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド（DEET）のような種々の昆虫排除剤を含む清浄化用の組成物を記載している。しかしながら、前述の3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルを含む清浄化組成物はどこにもない。
従来技術と対照的に、本発明は、今まで直接ヒトに適用されてきた昆虫排除剤を使用し、すなわち本発明の清浄化組成物は毒物学的に許容できると見なすことができ、従って、今まで知れている組成物よりかなり優れている。
「昆虫」という用語はここで広義で用いられ、例えば、一般的ゴキブリ（チャバネゴキブリおよびアメリカゴキブリ）、ノミ、ハエ、蚊、蟻、シラミ、マダニ、ナンキンムシおよびクモまでを含むことが意図される。
すなわち、本発明は、それで処理した後に昆虫を排除するのに充分である有効量の昆虫排除剤3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルを含むことを特徴とする清浄化組成物に関する。
さらに、本発明は、昆虫を排除するための清浄化組成物中における3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルの使用に関する。
さらに、本発明は、昆虫を排除するのに充分である有効量の昆虫排除剤3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルを含む清浄化組成物を清浄化すべき表面上で用いることを特徴とする、清浄化し、同時に昆虫を排除するための方法に関する。
本発明の清浄化組成物は、好ましくは、3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルを0.1〜20重量％、特に好ましくは0.1〜10重量％、さらに好ましくは0.1〜６重量％含む。
本発明の昆虫排除剤は、全てのタイプの清浄化組成物中に、好ましくは、家庭用清浄化剤中に混入することができる。適当な場合には、これらの家庭用清浄化剤は、本発明の3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルのみならず、さらに、１種または２種以上の昆虫排除剤を、各場合に0.1〜20重量％の量で含むことができる。これらは、例えばジエチルトルアミド、２−エチル−１，３−ヘキサンジオール、フタル酸ジメチルまたは琥珀酸ジブチルのような合成物質、および、例えばメントール油、シトロネラ油またはレモン油のような天然発生の精油または性質がこれらに同等のもので昆虫排除剤として作用するものの両方であり得る。
昆虫排除剤は、好ましくは、溶液（水性または水性アルコール性）または分散液（または粉状キャリア中の分散物）中に、洗剤、床または壁清浄化剤（タイル清浄化剤）、窓清浄化剤、室内装飾材料またはカーペット清浄化剤、さらにシャンプー状のものの中に、固体または液体石鹸中に、ワックス中に、クリーム中に、またはスプレー中に混入される。
これは、それが有益となり得る任意の他の適当な製剤中に、例えば、殺虫剤または抗菌組成物、家具艶だし剤、または床ワックス中に、あるいは、例えば動物の世話または園芸に用いられる特定のハンドツールの清浄化用組成物中に混入することができる。
本発明の清浄化組成物の使用により、硬質または軟質表面が清浄化された後に清浄化表面への接触を昆虫が避けるようになる。何故なら、清浄化プロセスの結果、昆虫排除剤を含むこの清浄化組成物のフィルムが形成されているからである。
昆虫は、さらに、この組成物の匂いにより清浄化表面の領域から離れる。
すなわち、棚、壁および床を本発明の清浄化組成物で清浄化することにより、例えば、蟻、一般的ゴキブリおよび他の昆虫が貯蔵室に浸入することを止めることができる。
適当なシャンプーで室内装飾材料またはカーペットを清浄化することも、昆虫がそこに巣を作り、卵をそこに生むことを止めることができる。
さらに、洗剤は、昆虫がリネン棚に入りそれによりリネン布に入ることを防止することができる。
前記記載から、本発明の清浄化剤のために広範囲の組成物を用いることができ、多くの異なる目的に清浄化組成物を用い得ることが明らかである。
しかしながら、本発明は、好ましくは、家庭用清浄化剤の分野において用いられる。
そのような清浄化剤は、多数の成分からなる。
例えば、それらは、性質がアニオン性、酸アルカリ両性、陽陰両性、双性イオン性、非イオン性またはカチオン性である、有機（石鹸）または好ましくは合成有機界面活性洗浄活性剤（界面活性剤）あるいはそれらの混合物を含む。多くのそのような洗剤が、「Surface Active Agents and Detergent」、第II巻、Schwartz,PerryおよびBerch著（1958年Interscience Pulishers,Inc.）に記載されている。しかしながら、当業者は、化学の全ての主用関連研究（例えば、Roempp,Beilstein等）における最も一般的な界面活性剤も考慮することができる。
清浄化剤は、さらに、ビルダー、および適当な場合には、漂白剤、芳香剤および助剤を含む。
この目的に適当な任意の洗剤を、アニオン性界面活性剤として用いることができる。アニオン系界面活性剤は、通常、例えば、脂肪アルコールスルフェート、パラフィンスルホネート、脂肪酸縮合生成物およびアルキルベンゼン硫酸エステルおよびホスホン酸エステル、ならびに、アルキル硫酸エステルおよびリン酸エステルを含む。アニオン性界面活性剤は、好ましくはナトリウム塩であるが、一部の液体組成物中においてカリウム、アンモニウムおよびトリエタノールアンモニウム塩もしばしば用いられる。アルキル基は、好ましくは直鎖状であり、好ましくは12〜16個の炭素原子を有する。
主に脂肪アルコールポリグリコールエーテルとの相乗的組み合わせが、多くの組成物のための塩基として適当であるとわかった。
適当な非イオン性原料は、親油性成分と低級アルキレンオキシドまたはポリアルキレンオキシ単位との縮合生成物である。例えば、前記脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテルまたは他の脂肪酸アルキルアミドが好ましく用いられる。
カチオン性界面活性剤、例えば、脂肪族四級アンモニウム塩も用いることができる。
ビルダーとして知られている物質も一般的に知らており、無機または有機性で、水溶性または不溶性であり得る。ポリリン酸塩、例えば三リン酸五ナトリウム、炭酸塩または重炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム、ゼオライト、例えばゼオライトＡ，ポリカルボン酸塩、例えば、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、およびホウ酸塩および珪酸塩、例えば、薄片層状珪酸ナトリウム、のような物質が好ましい。
添加することができるさらなる助剤または添加剤は、芳香剤および染料、漂白剤または光沢剤、帯電防止剤、抗菌剤、殺黴剤、起泡剤、および消泡剤、酸化防止剤および酵素でもある。
清浄化組成物を構成するための前記物質は例であり、本発明の製剤の特徴を制限するものではない。
そのような清浄化組成物を調製するために記載された従来技術で知られている全ての物質を、本発明により、3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルと混合することができる。
本発明による清浄化組成物は、固体状態で、粉末として、錠剤として、ブロックまたは断片状で、ペーストとして、ゲルとして、液状で、ワックスとして、クリームとして、エマルジョンとして、洗剤として、泡状物としてまたはスプレー（エアロゾル状物）として、あるいは、特定の用途に適当な他の適当な形状として存在することができる。
種々の調製可能性のための個々の成分の定量的組成物は、当業者に良く知られており、ここにさらに詳細に列挙する必要はない。
本発明によれば、特定の製剤中の3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチルの含量は0.1〜20重量％、好ましくは0.1〜10重量％、特に好ましくは0.1〜６重量％である。
本発明の清浄化組成物は、好ましくは、水性または水性アルコール性溶液として、洗剤として、ワックスとして、ゲルとして、エマルジョンとして、クリームとして、シャンプーとして、スプレーとして、分散液として、または固体生成物として存在する。
そのような生成物を調製する方法は、通常、石鹸および洗剤の調製の分野における当業者に知られており、ここにより詳細に説明する必要はない。
水性または水性アルコール性溶液の調製のためには、昆虫排除剤を好ましくは適当な溶媒、例えば、水（通常、脱塩水）、低級アルコール、例えば、エタノール、あるいはそれらの混合物に溶解する。これらの混合物は、もちろん、さらに他の物質、例えば、エステル、アルデヒド、ケトン、炭化水素、ならびにハロゲン化炭化水素も含むことができる。列挙し得る後者の例は、イソブタン、ジクロロジフルオロメタン、モノフルオロトリクロロメタンおよび他の塩素化および／またはフッ素化メタン、エタンまたはプロパンである。そのような物質は、スプレーとして使用できる加圧容器中に液体状態でとどまる液化性ガスを含む。
本発明の特に好ましい清浄化組成物は、合成有機界面活性剤として、アニオン性または非イオン性界面活性剤、またはそれらの混合物、ビルダーおよび／または充填剤および昆虫排除剤を含む。
これらの清浄化組成物または洗剤は、粒状または液体状で存在することができる。液状物は、同じ個々の成分を含むが、さらに、液状媒体、および要すれば、乳化物質および他の助剤も含む。
室内装飾材料またはカーペットを清浄化するための好ましいシャンプーは、水溶性石鹸および合成洗浄活性物質、ビルダー塩、昆虫排除剤、および通常、液状媒体としての水も含む。そのようなシャンプーは、ゲルまたはペーストあるいは粉末状としても調製することができる。
洗濯物、カーペットおよび／または、例えば床および壁のような硬質表面の清浄化に用いることができるブロック、錠剤または断片形（石鹸のバー）の本発明の固体生成物を調製することもできる、
これらの全ての製剤において、昆虫排除剤に対する石鹸または合成有機界面活性剤、ビルダーおよび助剤の割合は同じくらいであり、広い範囲で変化することができる。好ましくは、製剤は、１〜40％の界面活性剤または石鹸、10〜90％のビルダーおよび充填剤、および0.1〜20％の3-(N-ブチルアセトアミノ)プロピオン酸エチル（数値は重量％）を含む。完全（100重量％に）にするために、通常、水、アルコール、助剤および／または乳化物質が添加される。
記載された種々の清浄化組成物は、当業者に知られている方法により調製することができる。そのような方法は、スプレー乾燥、乾燥混合、溶解および／または分散および／または乳化、粉砕またはプレスすることを含む。
本発明の清浄化組成物を、スプレー、拭きつけ、擦り付け、または他の方法により清浄化すべき表面に適用する場合、それらが含む昆虫排除剤は、これらの表面上に、昆虫に対する排除剤として作用するのに充分に高い濃度または量で沈積される。
本発明の特に好ましい清浄化組成物は、液状のものである。
汎用清浄化剤として用いられる以下の組成物が、本発明の特に好ましい態様である。
酸アルカリ両性界面活性剤、例えば、コカミドアルキルベタインの単独、またはアニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤との混合物に基づくものが、これらの汎用清浄化剤において好ましく用いられる。中性製剤およびアルカリ性または酸性組成物を、これらを用いて調製することができる。
塩非含有イミノジプロピオン酸カプリルが、高度アルカリ性または強度酸性製剤中において用いるためのさらなる酸アルカリ両性界面活性剤として好ましく用いられる。
さらに特に好ましい界面活性剤群は、ベタインおよびラウリルエーテルスルフェートと特に容易に混合される酸化アミンおよびアルキルポリグルコシドである。
汎用清浄化剤を、名前が示すように、一般的に用いることができる。それらは、通常、僅かにアルカリ性の製剤に中性である。
抗菌添加剤を有するこのタイプの本発明の製剤も特に好ましい。
本発明の清浄化組成物は、蟻および一般的ゴキブリに対して特に優れた作用を示す。
本発明の清浄化組成物を用いると、消費者は、本質的に非毒性で従って高度に環境に優しいがそれにも関わらず活性が高い生成物を得る。
本発明の清浄化組成物および本発明の方法を用いることにより、実用において、例えば、使用前と比べて食器棚の後ろまたは冷蔵庫の下で見つかるゴキブリの数が極めて少ないことを示すことが可能であった。
家の中または平坦部の床、壁、流し、ドアまたは食器棚を本発明の清浄化組成物で定期的に処理すると、昆虫、特にゴキブリまたは蟻の発生率が特に０まで減少する。
さらなる実施例無しに、当業者が前記記載を最も広い範囲で利用し得ることも当然に予想される。従って、好ましい態様は、単に説明のためであり、いかなる場合も開示を制限しないものと解すべきである。
前述および後述の全ての出願、特許および公開の完全な開示が、参考として本出願に組み込まれる。
以下の実施例により本発明を説明する。
実施例１：優れた清浄化および昆虫排除作用を有する汎用清浄化剤
組成物：

炭酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムを水に溶解する。次に、他の代替物質を攪拌下に示す順番で添加する。
供給源：DarmstadtのMerck KGaA
EssenのTh.Goldschmidt AG
DusseldorfのHenkel KGaA
実施例２：アルカリ性汎用清浄化剤
組成物：

びクエン酸三ナトリウムを水に溶解する。次に、他の成分を攪拌下に示す順番で添加する。
供給源：DarmstadtのMerck KGaA
EssenのTh.Goldschmidt AG
LudwigshafenのBASF
実施例３：抗菌汎用清浄化剤

炭酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムを水に溶解する。次に、他の成分を攪拌下に示す順番で添加する。昆虫排除作用を有する抗菌作用する汎用清浄化剤が得られる。
供給源：DarmstadtのMerck KGaA
EssenのTh.Goldschmidt AG

Claims (6)

1. 活性成分として有効量の昆虫排除効果を有する３−（Ｎ−ブチルアセトアミノ）プロピオン酸エチルを含む清浄化組成物を、ゴキブリ及びアリの少なくとも一方を排除する薬剤として使用する方法。
2. 前記清浄化組成物が、水性溶液、水性アルコール性溶液、洗剤、ワックス、ゲル、シャンプー、スプレー、固体生成物、エマルジョン、クリームまたは分散液として調製されている請求項１に記載の方法。
3. 前記清浄化組成物が、０．１重量％乃至２０重量％の３−（Ｎ−ブチルアセトアミノ）プロピオン酸エチルと、必要に応じて０．１重量％乃至２０重量％の１種以上の他の昆虫排除剤を含む請求項１または２に記載の方法。
4. 前記他の昆虫排除剤として、
   （Ａ）昆虫排除剤としてのジエチルトルアミド、２−エチル−１，３−ヘキサンジオール、フタル酸ジメチル及びコハク酸ジブチルからなる群から選択された１種以上、及び／または
   （Ｂ）昆虫排除剤としての作用する精油の１種以上
   を含む請求項３に記載の方法。
5. 前記精油が、シトロネラ油、メントール油及びレモン油からなる群から選択される少なくとも１種である請求項４に記載の方法。
6. 清浄化すべき対象物、表面、または室内への清浄化、及びゴキブリ及びアリの少なくとも一方に対する虫除け処理のための方法であって、
   ゴキブリ及びアリの少なくとも一方の排除用としての有効量の３−（Ｎ−ブチルアセトアミノ）プロピオン酸エチルを含む清浄化組成物を用いて前記対象物、表面、または室内を清浄化処理することを特徴する清浄化及び虫除け処理方法。