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JP4177253B2 - 細胞死抑制活性を有するペプチド断片を調製する方法 - Google Patents

細胞死抑制活性を有するペプチド断片を調製する方法 Download PDF

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Description

技術分野
本願発明は、医療用医薬品および試薬の分野に属し、新たな機能を有するタンパク質の調製方法に関する。詳細には、細胞死抑制活性を有するタンパク質あるいはその断片から、より活性の強いペプチド断片またはペプチド断片群を調製する方法に関する。さらに詳細には、断片化の方法として、酵素を用いた加水分解反応を利用し、強い細胞死抑制活性を有する分子量3.5万以下のペプチド断片またはペプチド断片群を調製する方法に関する。当該方法は、細胞死抑制活性を有するタンパク質の大量調製に用いられ、種々の疾患、たとえば細胞死に関連した疾患に対する病態悪化阻止、予防または治療剤を調製する際に効果的に使用され得る。
背景技術
細胞死は、高等生物の神経系、内分泌系、免疫系における基本的な制御に重要な働きをしているばかりでなく、多くの疾病に深く関わっていることが指摘されている(Thompson C.B.,Science,vol.267,p.1456−1462(1995))。たとえば、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患、神経細胞死による神経変性疾患、臓器移植に伴う臓器移植傷害等、これらはアポトーシスが関与する細胞死の影響による疾患として捉えることができる。
細胞を培養する際、主として培養細胞自身に由来、もしくは添加物に由来する物質による細胞に対するストレスが原因で細胞死が誘導されるが、同じ条件で全ての細胞に対する細胞死が誘導されるわけではない。通常、そのような環境に適応する細胞には、ストレスによる細胞死誘導シグナルを閾値以下に保つために必要なタンパク質が、細胞内外にすでに発現されているか、新たに誘導されている筈である。それらのタンパク質としては転写因子、合成酵素、代謝酵素、酸化還元酵素、リン酸化酵素、脱リン酸化酵素、転移酵素、アポトーシス抑制タンパク質等が考えられる。つまり、個々の細胞でストレスに対する感受性に差が生じるのは、それらのタンパク質の発現量に差があるためであると予想される。そこで、細胞死の機序がそれぞれ異なるにせよ、あるストレスによる細胞死に対して抑制する因子を系外から添加することにより、その細胞死誘導のシグナルを閾値以下に保つことが可能であれば、培養細胞の場合だけではなく、生体内でも同様のストレスが生じた場合に起こる細胞死を抑制することが可能と考えられる。
ある種の培養細胞を無血清培養したとき、血清アルブミン画分を添加して培養すると、これに含まれる脂肪酸がストレスとなり、この細胞に細胞死を誘導させることができる。この細胞死は、ヒト血漿を添加することによって抑制することができ、最近ヒト血漿からその活性物質が単離、同定された。この物質は、セレノプロテインPと呼ばれるセレニウム含有タンパク質のカルボキシル末端(以下「C末端」と略す)領域の断片であった(再公表公報WO 00/31131(平成10年特許願第347863号))。
発明の開示
(発明が解決しようとする技術的課題)
血漿中のセレノプロテインPは、分子量約6万の糖タンパク質で、10残基のセレノシステインを含むと考えられている。セレノプロテインPは、大きく2つのドメイン、すなわち過酸化脂質還元能を持ち一つのセレノシステインを含んだN末端側のドメインと、残る9つのセレノシステインを含みセレン伝搬機能を有することが示唆されているC末端側のドメインに分かれている。さらにこれらドメインの間には2つのヒスチジン残基に富む領域があり、これを介して細胞表面の陰性荷電リン脂質やヘパリンなど硫酸化プロテオグリカンに結合すると考えられている(Saito Y.et al.,J.Health Science,vol.46,p.409−413(2000))。前述のヒト血漿から得られたセレノプロテインP断片は、このヒスチジン残基に富む領域を含まないC末端側のペプチド断片であった。
ところで、上記セレノプロテインPのC末端側断片の単離・同定に際して細胞死抑制活性のスクリーニング方法として好適に用いられた系は、アルブミン添加無血清培地を用いた、ヒト巨核芽球系のDami細胞の培養系であった。Dami細胞はRPMI 1640、D−MEM、F−12を等量混合した培地(0.1%BSAおよび0.05μMβ−メルカプトエタノール含)により継代可能であるが、アルブミン不含培地ではほとんど増殖しない。この時、培地中に0.01から0.5%のヒト血清アルブミンが存在する条件下では、細胞は正常に増殖するが、4日目以降に全ての細胞が突然死する。この培養系に試料を添加することによって、試料に含まれる細胞死抑制活性を測定することが可能である。
また、単離、同定されたセレノプロテインP断片を抗原として、モノクローナル抗体を作製し、これを用いた簡便な精製方法も確立された。当該モノクローナル抗体を用いた簡便な精製方法は、ヒト正常血漿のヘパリン吸着画分を原料とし、硫安分画、当該モノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィー精製からなる。この方法で精製した場合も、セレノプロテインPは精製工程中に断片化を受け、非還元条件下のSDS−PAGEで分子量3.5万以下に相当するバンドをからなる一連のタンパク質群として精製された。これらのバンドについて、タンパク質のアミノ末端(以下、「N末端」と略す)配列解析を実施したところ、260位のリジン残基に始まる分子と、292位のトレオニン残基から始まる分子が含まれていた。
驚くべきことに、このセレノプロテインPのC末端側の断片は、完全長のセレノプロテインPに比較して、より高い細胞死抑制活性を有していた。しかし、セレノプロテインPは、上述の精製工程中に、ヒト血漿に由来する何らかの酵素で限定分解されたものと考えられたが、その酵素がどのようなものであるかまったく不明であった。また、精製したセレノプロテインP断片は単一の分子としてではなく、数本のバンドとして得られたため、いずれの分子が高い細胞死抑制活性を有するのか不明であった。さらに、このような方法で得られたセレノプロテインP断片は、調製ごとに含まれる各バンドの割合が変わり、再現性に乏しかった。このような、強力な細胞死抑制活性を持つセレノプロテインP断片を医薬品に応用するためには、これらセレノプロテインP断片化の過程を制御し、安定かつ恒常的に一定の品質のものを調製する方法が切望された。
(その解決方法)
前述のごとく、セレノプロテインPは精製工程で限定分解を受けて断片化されるが、本願発明者らは、いかなる酵素がこれに関与しているかを調査するため、まず、精製工程に種々の酵素阻害剤を導入して調べた。鋭意検討の結果、セリンプロテアーゼの特異的かつ強力なインヒビターとして知られる、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFP)を用いることで、セレノプロテインPの断片化が完全に抑制されるという知見を見出した。従って、この断片化にはセリンプロテアーゼ、もしくはこれによって二次的に活性化される何らかのプロテアーゼが深く関与していると考えられた。
次に所望の酵素を検索するために、本願発明者らは血漿中に含まれるセリンプロテアーゼに着目し、これらをセレノプロテインPと反応させ、いかなる酵素がセレノプロテインPを限定分解するかを検索した。基質であるセレノプロテインPに対して、重量比で10分の1となるように各種酵素を添加し、一定時間反応させた後、一部をSDS−PAGE処理液にて処理し、非還元条件下で電気泳動した。セレノプロテインPを限定分解しているかを、クマシーブリリアントブルーで染色して観察した。セリンプロテアーゼとしては、血漿カリクレイン、factor XIIa、factor XIa、factor Xa、factor IXa、factor VIIa、トロンビン、プラスミン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ウロキナーゼ、トリプシン、好中球エラスターゼを用いた。
その結果、分解の程度に差はあるものの、用いた大部分のセリンプロテアーゼ処理によって、分子量3.5万以下に相当するバンドの出現が確認された。このことは、セレノプロテインPのある特定の領域に、セリンプロテアーゼに鋭敏な部位が存在することを示唆している。
また、これらセリンプロテアーゼの中でも、とりわけ血漿カリクレイン、factor XIIa、factor XIa、プラスミンはセレノプロテインPを効率的に分解することが判明した。これらの酵素の反応条件は、通常酵素反応に用いられる条件であれば特に限定するものではなく、添加する酵素の量によって反応時間を制御することも、逆に反応時間によって添加する酵素の量を制御することも可能である。好適な一例としては、基質であるセレノプロテインPに対し重量比1/10以下、例えば重量比約1/20量の酵素を添加し、37℃にて15分〜24時間保温することによって、所望のセレノプロテインP断片を生成させることができる。
また、こうして得られた反応産物は、切断前に比較して、明らかに細胞死抑制活性が上昇しており、所望のセレノプロテインP断片が生成していることが確認された。
発明を実施するための最良の形態
本発明によって供された、酵素を利用したセレノプロテインP断片調製方法は、前述のように特に何らかの切断操作を行わず、再現性に問題のあったセレノプロテインP断片調製とは異なり、その断片化の過程を制御することを初めて可能とする。
さらに、こうして得られた反応産物を出発材料にして、通常用いられるクロマトグラフィーの手法を組み合わせることにより、所望のセレノプロテインP断片の精製が可能である。クロマトグラフィーの手法としては、通常用いられる手法が適用され特に限定されるものではないが、たとえばゲルろ過や限外濾過膜分画など分子量の差を利用する方法の他、イオン交換、疎水、逆相、アフィニティー、金属キレート等のクロマトグラフィーを用いた手法等、いずれの方法でも好適である。
より好適には、ゲルろ過クロマトグラフィーを利用して、分子量3.5万以下のセレノプロテインP断片を精製する方法、あるいはセレノプロテインP断片に特異的に結合するモノクローナル抗体をリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィーが利用される。また、金属キレートクロマトグラフィーを利用すれば、所望のセレノプロテインP断片がヒスチジンに富む領域を実質的に欠失していることを利用して、未切断のセレノプロテインPと分離することが可能である。好適には、これらを組み合わせて用いることによって、効率的に所望のセレノプロテインP断片の精製が可能となる。
以上述べた方法を用いることによって、所望のセレノプロテインP断片を一定の品質で、安定かつ恒常的に生産することがはじめて可能となった。
以下に、本発明をより明確に特徴づけるために実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
実施例1
(完全長セレノプロテインPの精製)
血漿からのセレノプロテインPの精製は、Saito Y.et al.,J.Biol.Chem.,vol.274,p.2866−2871(1999)に準じて以下のように行った。
ヒト新鮮凍結血漿2リットルを温浴槽内で完全に融解し、低温室に置いた。これにPEG4000の100gを少量ずつ添加しながら撹拌し、全量添加後さらに1時間撹拌を続けた。これを10,000gにて20分間遠心した。上清を回収し、AP25(ミリポア)にてろ過した。ヘパリンセファローズ(アマシャムファルマシアバイオテク)100mLを充填したカラムを、あらかじめ20mMリン酸緩衝液(20mMリン酸(pH7.4)、0.15M、0.2mM EDTA)で平衡化し、これに得られたろ液を全量アプライした。20倍量の平衡化バッファーで洗浄した後、塩濃度を0.15Mから0.6Mまでの濃度勾配を作製することによって、吸着タンパク質をグラジエント溶出した。溶出画分は5mLずつ分取し、各フラクションに含まれるセレノプロテインPの量をELISAで確認し、セレノプロテインPを含むフラクションをプールした。精製工程中におけるセレノプロテインP断片化を避けるため、DFPを終濃度5mMとなるよう添加した。
次に、この画分を20mMトリス緩衝液(20mM Tris−HCl(pH8))で6倍に希釈した。この段階で総量0.75〜1Lとなった。これを、同じ20mMトリス緩衝液で平衡化した40mLのQセファローズ(アマシャムファルマシアバイオテク)カラムにアプライした。250〜300mLの平衡化バッファーで洗浄し、塩濃度0.25Mまでのグラジエントで溶出した。グラジエントには250mLの緩衝液を用いた。得られたフラクションをELISAで定量し、セレノプロテインPを含むフラクションをプールした。また、このプール画分にも、DFPを終濃度5mMとなるよう添加した。
引き続き、得られたプール画分に、終濃度2mMとなるようイミダゾールを添加し、4mLのNi−NTAアガロースゲル(キアゲン)カラムにアプライした。このカラムは、あらかじめ20mMトリス緩衝液(20mM Tris−HCl(pH8)、2mMイミダゾール)で平衡化した。アプライ終了後、洗浄バッファー(20mM Tris−HCl(pH8)、20mMイミダゾール、1M NaCl)30mLで洗浄し、溶出バッファー(20mM Tris−HCl(pH8)、150mMイミダゾール、1M NaCl)で溶出した。溶出画分は1mLずつ分取し、280nmの吸光度で、吸収の観察されたピークをプールした。この画分を、2.5mLまでSpeedVac(SARVANT)を用いて遠心濃縮した。この濃縮画分にも、DFPを終濃度5mMとなるよう添加した。ヘパリンセファローズクロマトグラフィーからNi−NTAアガロース溶出画分までの精製収量を下の表1に示した。
Figure 0004177253
最後に、濃縮したセレノプロテインP画分は、リン酸緩衝液で平衡化したPD−10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク)にアプライし、脱塩、バッファー置換した。こうして得られたセレノプロテインPは、SDS−PAGEで、分子量約67,000の移動度を示し、そのほとんどが全長型のセレノプロテインPと考えられた。これを以降の切断酵素を検索する実験に用いた。
実施例2
(全長セレノプロテインPの酵素消化)
実施例1で得られたセレノプロテインPの4μgに対し、重量比で1/10量のタンパク質分解酵素を添加し、37℃にて、24時間反応させた。反応に用いたバッファーはTBS(50mM Tris−HCl、0.15M NaCl(pH7.5))で、カルシウム要求性のプロテアーゼの場合は、これに5mMのCaClを添加した。プロテアーゼとして、セリンプロテアーゼである血漿カリクレイン、factor XIIa、factor XIa、factor Xa、factor IXa、factor VIIa、αトロンビン、活性化プロテインC、プラスミン、好中球エラスターゼ、およびトリプシンについて実施した。反応終了後、サンプルに当量のSDS処理液(62.5mM Tris−HCl(pH6.8)、2%SDS、0.001%ブロムフェノールブルー、15%グリセリン)を添加し、SDS−PAGEにて展開後、クマシーブリリアントブルーで染色した。図1にSDS−PAGEの電気泳動像を示す。未反応サンプルは、あらかじめSDS処理液を反応チューブに用意し、実験サンプルと同量の酵素、基質を添加して調製した。
この実験の結果、いずれのプロテアーゼによっても、強い細胞死抑制活性を持つセレノプロテインP断片(再公表公報WO 00/31131(平成10年特許願第347863号))と近似した、分子量1万〜3.5万以下のバンドの出現が認められた。また、未消化のセレノプロテインPの残存量から、これら酵素の中でも、特に血漿カリクレイン、factor XIIa、factor XIa、プラスミンが効率よくセレノプロテインPを消化することが判明した。
実施例3
(セレノプロテインP断片の細胞死抑制活性)
実施例2で得られた試料に含まれるセレノプロテインP断片が、全長セレノプロテインPに比較して、その細胞死抑制活性が増強しているかを確認するため、以下に述べる細胞死抑制活性測定系で評価した。
0.05μM β−メルカプトエタノールおよび0.1%BSAを含有する無血清培地SFO3(三光純薬社製)で継代可能なDami細胞(Greenberg S.M.et al.,Blood vol.72,p.1968−1977(1988):1×10cell/dish/3mL)の1mLに、RPMI1640/D−MEM/F−12の1:2:2混合培地(SA培地)を2mL添加後、3日間培養し、測定時に当該細胞を回収した。回収した細胞を、4μMリノール酸を含むSA/0.05%脱脂BSA(SIGMA社製)により2回洗浄し、同培地で3×10cell/mLになるように懸濁後、この細胞懸濁液を試料添加ウェルのみ200μL、段階希釈のためのウェルには100μLずつ、96wellプレートに分注した。サンプル添加ウェルに、試料を2μL添加して撹拌した後、100μL細胞懸濁液が入ったウェルに対して段階希釈した。37℃のCOインキュベーターで4から5日間培養し、判定した。Dami細胞は、この系では培養4日目以降、活性のない試料を添加したwellの細胞は死滅し、活性のある試料を添加したwellの細胞は生存し続けるので、評価の尺度としては、生細胞が被検試料の何倍希釈まで存在するか、という希釈倍率を用いた。従って、以下の表記で、数値が高いほど細胞死抑制活性が高い。
実施例2で得られた、セレノプロテインP断片を含む試料では、全長セレノプロテインPに比較して、少なくとも希釈倍率で1.5〜3倍の活性上昇が観察された。このことから、本発明で用いた前述の酵素で、実際に強い細胞死抑制活性を有するセレノプロテインP断片の調製が可能であることが示された。
Figure 0004177253
実施例4
(全長セレノプロテインPのカリクレインとプラスミンによる消化実験)
実際にセレノプロテインP断片を調製するに当たり、セレノプロテインPに反応させる酵素の量、反応時間などはそれぞれの酵素の基質に対する効率に依存する。そこで、セレノプロテインP断片の酵素消化効率について、血漿カリクレインとプラスミンを取り上げて、酵素消化を継時的に観察することにより、その特徴を明らかにした。酵素の添加量は、実施例2に準じた。血漿カリクレインでは、反応開始から0、2、4、6、8、10、12および24時間後に、プラスミンでは反応開始から0、5、10、15、20、25、30および60分後に、それぞれ検体を採取し、SDS−PAGEで電気泳動して、切断の進行の程度を観察した。図2に当該SDS−PAGEの電気泳動像を示す。その結果、いずれの酵素でも、セレノプロテインPが継時的に切断され、分子量およそ2万前後に位置するセレノプロテインP断片の生成が観察された。
この結果、断片調製に用いる酵素の種類に応じた反応条件を適宜設定することにより、所望のセレノプロテインP断片を調製することが可能であることが示された。
実施例5
(セレノプロテインP断片の精製方法)
酵素による限定分解によって生じたセレノプロテインP断片は、以下の方法で精製可能である。強い細胞死抑制活性を持つセレノプロテインP断片(セレノプロテインPのC末端側分子)は、セレノプロテインPのヒスチジン残基に富む領域を実質的に欠失しているために、金属キレートカラムへの結合能を失っている。これを利用することで、セレノプロテインPのC末端側分子の調製が可能である。
まず、セレノプロテインPの1mgに対し、血漿カリクレイン50μgを添加し、37℃にて24時間反応させ、セレノプロテインPを限定分解させた。反応終了時にDFPを終濃度1mMとなるよう添加して、カリクレインを失活させた。これに終濃度2mMとなるようイミダゾールを添加し、あらかじめ平衡化バッファー(20mM Tris−HCl、2mMイミダゾール(pH8))で平衡化しておいた3mLのNi−NTAアガロースゲルへアプライした。さらに、洗浄バッファー(20mM Tris−HCl、20mMイミダゾール、1M NaCl(pH8))30mLでカラムを洗浄し、これら非吸着画分および洗浄画分を回収した。カリクレインで限定分解された後に生ずる、セレノプロテインP断片のC末端側の分子は、実質的にヒスチジンに富む領域を欠失しているため、Ni−NTAアガロースゲルへ結合しない。そのため、目的のC末端分子は、このクロマトグラフィーの非吸着および洗浄画分に回収できる。また、N末端側の分子は、溶出バッファー(20mM Tris−HCl、120mMイミダゾール、1M NaCl(pH8))を用いることにより、このカラムから回収可能である。
この非吸着および洗浄画分を、セントリフローを用いた濃縮とPBS希釈を繰り返すことにより、濃縮およびバッファー置換を行った。最終的に1mLまで濃縮し、PBSで平衡化したSuperose 12HR10/30カラムにアプライし、ゲルろ過した。ゲルろ過はPBSをバッファーとし、流速0.5mL/minで、220nmの波長でモニターした。この結果、主に2つのピークが現れ、第1のピークはN末端側のセレノプロテインPと切断されずに残った全長セレノプロテインPで、第2のピークはC末端側の分子であった(図3参照)。また、上記ゲルろ過工程で得られたピーク画分のSDS−PAGEの泳動像を図4に示す。
実施例6
(セレノプロテインP断片の精製方法)
セレノプロテインPのC末端断片を、より特異的かつ効率的に精製する方法として、モノクローナル抗体を利用したアフィニティークロマトグラフィーも好適な方法である。利用するモノクローナル抗体としては、セレノプロテインPのC末端側の分子を抗原として認識しうるものが望ましいが、より好適には、強い細胞死抑制活性を持つセレノプロテインP断片をマウスに免役して得られたモノクローナル抗体が用いられる。たとえばこれを臭化シアンで活性化したセファローズゲルへ結合させて作成した、モノクローナル抗体結合ゲルが好適に用いられる。このようなゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより、セレノプロテインPを酵素で限定分解した溶液から直接、あるいは上記実施例5で調製した、Ni−NTAアガロースゲルの非吸着および洗浄画分から精製可能である。
実施例5と同条件で得られたNi−NTAアガロースゲルの非吸着および洗浄画分を、PBS(20mM NaHPO−NaHPO、0.15M NaCl(pH7.4))で平衡化した1.5mLのモノクローナル抗体アフィニティーカラムへ、直接アプライした。およそ8mLのPBSで洗浄した後、0.1Mグリシン(pH2.8)で溶出させた。溶出画分はおよそ10分の1量の1M Tris−HClで中和した。これらのクロマトグラフィーにおいて、カラムの素通り画分と洗浄画分をプールした後、SpeedVacで濃縮し、PBSに対して透析した。一方、溶出画分は220nmの吸収を示した画分をプールし、同様に濃縮、透析した。電気泳動の結果、素通りと洗浄画分からはセレノプロテインPのN末端側のフラグメントが、また溶出画分からはセレノプロテインPのC末端側のフラグメントが、それぞれ検出された(図5参照)。これらを実施例3の細胞死抑制活性で比較評価するため、あらかじめそれぞれの検体に含まれるセレン含量を原子吸光度計で測定し、系の中へセレン元素1ppm等量を加えて、細胞死抑制活性を測定した。
Figure 0004177253
セレノプロテインPのC末端フラグメントで、セレン元素1あたりの全長分子の数倍の細胞死抑制活性が認められた。
【図面の簡単な説明】
図1は、セレノプロテインPを種々のセリンプロテアーゼで限定分解した試料のSDS−PAGE電気泳動像(代表例)を示す。レーン1:分子量マーカー、レーン2:セレノプロテインP、レーン3:セレノプロテインP+血漿カリクレイン(0時間)、レーン4:セレノプロテインP+血漿カリクレイン(24時間)、レーン5:セレノプロテインP+factor XIIa(0時間)、レーン6:セレノプロテインP+factor XIIa(24時間)、レーン7:セレノプロテインP+factor XIa(0時間)、レーン8:セレノプロテインP+factor XIa(24時間)、レーン9:セレノプロテインP+プラスミン(0時間)、レーン10:セレノプロテインP+プラスミン(24時間)。
図2は、セレノプロテインPを血漿カリクレインまたはプラスミンで限定分解した試料のSDS−PAGE電気泳動像を示す。A:血漿カリクレインによるセレノプロテインPの経時的限定分解、B:プラスミンによるセレノプロテインPの経時的限定分解。
図3は、セレノプロテインP断片の精製工程におけるゲルろ過クロマトグラフィーの結果を示す。
図4は、セレノプロテインP断片の精製工程におけるゲルろ過クロマトグラフィーで得られたフラクションのSDS−PAGE電気泳動像を示す。レーン1:図3のピーク2、レーン2:図3のピーク1。
図5は、セレノプロテインP断片の精製工程におけるモノクローナル抗体アフィニティークロマトグラフィーで得られたフラクションの電気泳動像を示す。レーン1:分子量マーカー、レーン2:セレノプロテインP、レーン3:Ni−NTAクロマトグラフィーアプライ試料、レーン4:モノクローナル抗体アフィニティークロマトグラフィー吸着画分、レーン5:モノクローナル抗体アフィニティークロマトグラフィー非吸着画分。

Claims (4)

  1. セレノプロテインPまたは当該タンパク質含有画分に、血漿カリクレイン、 factor XIIa factor XIa およびプラスミンより選択されるセリンプロテアーゼを作用させることを特徴とする、細胞死抑制活性を有するペプチド断片の調製方法
  2. セレノプロテインPに対し重量比1/10以下のセリンプロテアーゼを添加し、ついで37℃にて15分〜24時間保温することを含む、請求項1 に記載の調製方法。
  3. セレノプロテインPより細胞死抑制活性を有するペプチド断片を生成せしめるための、血漿カリクレイン、factor XIIa、factor XIaおよびプラスミン より選択されるセリンプロテアーゼの使用
  4. セレノプロテインPまたはセレノプロテインP含有画分にセリンプロテアーゼを作用させてセレノプロテインP断片含有溶液を得、ついで該セレノプロテインP断片含有溶液を、ゲルろ過クロマトグラフィー、抗セレノプロテインP断片モノクローナル抗体をリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィー、および/または金属キレートクロマトグラフィーに供することを含む、細胞死抑制活性を有するペプチド断片の精製方法。
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