JP4174334B2 - 車両用衝突防止支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用衝突防止支援装置に係り、特に、車両と障害物との距離が所定の距離を下回った時点で、車両運転者の意思によらない自動介入制動を実行するうえで好適な車両用衝突防止支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両走行時の安全性を向上させるべく、障害物との衝突の可能性がある場合に警報を発したり或いは車両運転者の意思によらずに自動的に車両を制動させる車両用衝突防止支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用衝突防止支援装置は、車両制動により障害物との衝突を回避できる距離(以下、第1の距離と称す)、及び、車両操舵により障害物との衝突を回避できる距離(以下、第2の距離と称す)を算出する。そして、実際の車両と障害物との距離が第1の距離以下でありかつ第2の距離以下である場合に、車両の自動介入制動を実行する。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−298022号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置の如く、車両の自動介入制動が、障害物との距離が車両制動により障害物との衝突を回避できる第1の距離以下となりかつ車両操舵により障害物との衝突を回避できる第2の距離以下となって始めて実行されるものとすると、例えば車両と障害物との相対車速が大きいことに起因して上記第2の距離が第1の距離よりも小さい場合には、自動介入制動が行われても、車両運転者が操舵を行わなければ、障害物との衝突を回避することができない不都合が生じ得る。従って、車両制動により障害物との衝突を回避するうえでは、障害物との距離が上記第1の距離を下回った時点で自動介入制動を開始することが望ましい。
【0005】
一方、上記第2の距離が第1の距離よりも小さい状況下、車両と障害物との距離が上記第1の距離を下回った時点で一律に自動介入制動が開始されるものとすると、車両運転者が操舵により障害物との衝突を回避できると判断して操舵操作を行っている状態で不意に自動介入制動が開始される事態が生じ得るので、運転者に違和感を与えることとなる。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、車両操舵により障害物との衝突を回避できる距離が車両制動により障害物との衝突を回避できる距離よりも小さい場合に自動介入制動を不必要に行うのを防止することで、運転者に違和感を与えない範囲で車両と障害物との衝突を有効に回避することが可能な車両用衝突防止支援装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、障害物との距離が所定の介入制動距離を下回った時点で、該障害物との衝突が回避されるように車両の自動介入制動を実行する介入制動制御手段を備える車両用衝突防止支援装置であって、車両操舵により障害物との衝突が回避され得る最小の操舵回避距離を算出する最小操舵回避距離算出手段と、車両運転者による操舵操作を検出する操舵操作検出手段と、を備え、前記介入制動制御手段は、前記最小操舵回避距離算出手段により算出される前記操舵回避距離が前記所定の介入制動距離未満である状況下において障害物との距離が該所定の介入制動距離を下回り、かつ、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出される場合には、前記自動介入制動の実行を禁止・中止する介入制動禁止・中止手段と、前記介入制動禁止・中止手段により前記自動介入制動の実行を禁止・中止した後、障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、前記自動介入制動を実行する介入制動実行手段と、を有する車両用衝突防止支援装置により達成される。
【0008】
本発明において、車両の自動介入制動は、通常、車両と障害物との距離が所定の介入制動距離を下回った時点で実行される。一方、自動介入制動の実行は、操舵回避距離が所定の介入制動距離未満である状況下において車両と障害物との距離が所定の介入制動距離を下回っても、車両運転者による操舵操作が検出される場合には禁止・中止される。すなわち、障害物との距離が所定の介入制動距離を下回った時点で操舵操作が検出されている場合には禁止され、障害物との距離が所定の介入制動距離を下回った後に操舵操作が検出される場合にはその途中で中止される。
【0009】
かかる構成においては、操舵回避距離が所定の介入制動距離未満である状況下、自動介入制動を、操舵操作が行われない場合には車両が制動により障害物との衝突を回避できる時点で開始することができると共に、操舵操作が行われる場合には実行禁止・実行中止することができる。操舵操作が行われれば、自動介入制動が行われなくても、その操舵により障害物との衝突を回避することができる。従って、本発明においては、自動介入制動を不必要に行うのを防止することができ、これにより、運転者に違和感を与えない範囲で車両と障害物との衝突を有効に回避することができる。
【0010】
また、本発明においては、自動介入制動の実行が禁止・中止された後、障害物との距離が操舵回避距離を下回った時点で、自動介入制動が実行される。かかる構成によれば、車両と障害物との距離が操舵回避距離をも下回った場合には障害物との衝突を回避することは困難であるが、障害物との衝突による衝撃を緩和することができる。
【0011】
また、上記した車両用衝突防止支援装置において、障害物との距離が前記所定の介入制動距離以上に設定されている所定の警報距離を下回った時点で、車両運転者に対して注意を喚起するための警報装置を駆動する警報制御手段を備え、前記警報制御手段は、前記最小操舵回避距離算出手段により算出される前記操舵回避距離が前記所定の介入制動距離未満である状況下において障害物との距離が該所定の介入制動距離を下回り、かつ、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出される場合には、前記警報装置の駆動を禁止・中止することとすれば、また、
上記した車両用衝突防止支援装置において、前記警報制御手段は、前記警報装置の駆動を禁止・中止した後、障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、前記警報装置を駆動することとすれば、警報装置の駆動が自動介入制動の実行と同期して行われるので、不必要に警報装置による警報が行われるのを防止することができる。
【0012】
尚、これらの場合、上記した車両用衝突防止支援装置において、前記所定の介入制動距離は、車両制動により障害物との衝突が回避され得る最小の介入制動回避距離であることとすればよい。
【0013】
また、上記の目的は、車両制動により障害物との衝突が回避され得る最小の介入制動回避距離を算出する最小介入制動回避距離算出手段と、車両操舵により障害物との衝突が回避され得る最小の操舵回避距離を算出する最小操舵回避距離算出手段と、車両運転者による操舵操作を検出する操舵操作検出手段と、前記最小操舵回避距離算出手段により算出される前記操舵回避距離が前記最小介入制動回避距離算出手段により算出される前記介入制動回避距離未満である状況下、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出されない場合には障害物との距離が前記介入制動回避距離を下回った時点で、また、障害物との距離が前記介入制動回避距離を下回った際に前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出されている場合には障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、該障害物との衝突が回避されるように車両の自動介入制動を実行する介入制動制御手段と、を備え、前記介入制動制御手段は、障害物との距離が前記介入制動回避距離を下回った時点で前記自動介入制動を開始した後に、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出される場合には、前記自動介入制動の実行を中止する介入制動中止手段と、前記介入制動中止手段により前記自動介入制動の実行を中止した後、障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、前記自動介入制動を再開する介入制動再開手段と、を有する車両用衝突防止支援装置により達成される。
【0014】
本発明において、車両の自動介入制動は、操舵回避距離が介入制動回避距離未満である状況下、車両運転者による操舵操作が検出されない場合には障害物との距離が介入制動回避距離を下回った時点で、また、障害物との距離が介入制動回避距離を下回った際に操舵操作が検出されている場合には障害物との距離が操舵回避距離を下回った時点で実行される。かかる構成において、操舵回避距離が所定の介入制動距離未満である状況下、自動介入制動は、操舵操作が行われない場合には車両が制動により障害物との衝突を回避できる時点で開始されると共に、操舵操作が行われている場合には車両が操舵により障害物との衝突を回避できなくなるまで行われない。操舵操作が行われれば、自動介入制動が行われなくても、その操舵により障害物との衝突を回避することができる。従って、本発明においては、自動介入制動を不必要に行うのを防止することができ、これにより、運転者に違和感を与えない範囲で車両と障害物との衝突を有効に回避することができる。
【0015】
また、本発明においては、障害物との距離が介入制動回避距離を下回った時点で自動介入制動を開始した後に、操舵操作が検出される場合には、自動介入制動の実行が中止される。かかる構成によれば、一旦開始された自動介入制動を不必要に継続するのを防止することができ、これにより、運転者に違和感を与えない範囲で車両と障害物との衝突を有効に回避することができる。
【0016】
また、本発明においては、自動介入制動の実行が中止された後、障害物との距離が操舵回避距離を下回った時点で、自動介入制動が再開される。かかる構成によれば、障害物との衝突による衝撃を緩和することができる。
【0017】
尚、上記した車両用衝突防止支援装置において、前記操舵操作検出手段は、車両の操舵角速度が所定角速度以上であるか否かに基づいて車両運転者による操舵操作を検出することとしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である車両に搭載される車両用衝突防止支援装置10のシステム構成図を示す。本実施例の車両用衝突防止支援装置10は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)12を備えており、ECU12を用いて自車両の進行方向に存在する他車両等の危険な障害物を検知し、自車両とその検知された障害物との衝突を防止するための装置である。
【0019】
ECU12には、車両推定軌跡演算装置14が接続されている。車両推定軌跡演算装置14には、ヨーレートセンサ16、速度センサ18、及び舵角センサ20が接続されている。ヨーレートセンサ16は、車両重心を通る鉛直軸回りに生ずる回転角速度(ヨーレート)に応じた信号を出力する。速度センサ18は、車両の速度に応じた信号を出力する。また、舵角センサ20は、車両のタイヤ舵角に対応する車両運転者の操作するステアリングホイールの操舵角に応じた信号を出力する。各センサ16〜20の出力信号はそれぞれ、車両推定軌跡演算装置14に供給されている。
【0020】
車両推定軌跡演算装置14は、各センサ16〜20の出力信号に基づいて車両のヨーレート、車速V、及びステアリングホイールの操舵角θを検出する。そして、それらのパラメータに基づいて車両が走行すると推定される道路上における車体幅程度の幅を有する軌跡(以下、推定進行軌跡と称す)を演算する。車両推定軌跡演算装置14は、各種パラメータおよび演算した推定進行軌跡の情報をECU12に供給する。ECU12は、車両のヨーレート、車速V、及びステアリングホイールの操舵角θを検出すると共に、車両推定軌跡演算装置14からの推定進行軌跡の情報に基づいて車両が走行すると推定される推定進行軌跡を把握する。
【0021】
ECU12には、また、画像処理装置22が接続されている。画像処理装置22には、例えば車体前部のフロントグリルや車室内のバックミラー部,ウィンドシールド上部に配設されたカメラ24が接続されている。カメラ24は、配設部位から車両前方へ向けて所定角度に広がる所定の撮影可能領域を有し、車両から前方への道路状況を撮影する。画像処理装置22は、カメラ24の撮影した画像を処理することにより立体対象物および道路表面に描かれた白線や黄線等を抽出し、立体対象物および車両の走行する走行路を認識する。画像処理装置22は、認識した立体対象物や走行路の位置情報をECU12に供給する。ECU12は、画像処理装置22からの情報に基づいて車両前方に位置する立体対象物および走行路の位置情報を把握する。
【0022】
ECU12には、また、例えばミリ波を用いたFM−CWレーダであるレーダ装置26が接続されている。レーダ装置26は、車体前部のフロントグリル近傍に鉛直方向に延びる回転軸を中心として回動することができるように配設されたレーダアンテナを有している。レーダアンテナは、指向性を有するアンテナであり、所定のビーム角の広がりをもって信号の送受信を行う。レーダ装置26は、回転軸を中心にしてレーダアンテナを回動させながら信号を送受信し、若しくは、レーダアンテナを固定しつつ電子的にビームをスキャンさせながら信号を送受信し、車両前方の検出可能領域内に存在する立体対象物を検知する。
【0023】
レーダ装置26には、ECU12の把握する走行路または推定進行軌跡の位置情報が供給される。レーダ装置26は、供給された車両の走行路または推定進行軌跡近傍の対象物のみを検知対象物として通過させ、それ以外の対象物を検知対象物から除去するフィルタを有している。レーダ装置26は、検知した対象物のうち走行路または推定進行軌跡の近傍に位置する対象物の自車両に対する位置情報および相対速度情報をECU12に供給・出力する。ECU12は、また、レーダ装置26からの対象物の位置情報および相対速度情報に基づいても立体対象物を把握する。そして、自車速Vおよび対象物の相対速度情報に基づいて対象物の速度Vfおよび加減速度μfG(G;重力加速度)を演算する。
【0024】
ECU12には、更に、情報・警報表示装置30およびブレーキ制御ECU32が接続されている。情報・警報表示装置30は、車両運転者に対して注意を喚起すると共に警報を与えるスピーカ及びディスプレイを有している。また、ブレーキ制御ECU32には、車両に制動力を発生させるブレーキアクチュエータ34が接続されている。ブレーキ制御ECU32は、車両に必要な制動力を算出する。
【0025】
ECU12は、自車両のタイヤと路面との間の最大摩擦係数μmaxに基づいて、検出された対象物が危険な障害物であるか否かを判定する際に用いる自車両の想定減速度μsGを演算する。具体的には、非追従走行時の介入ブレーキを行う場合には、コーナリングフォースが確保可能であり、かつ、比較的大きな適当(実験的)な値である、例えば最大摩擦係数μmaxに“0.85”を乗じて得られる0.85×μmax・Gを想定減速度μsGとして演算する。
【0026】
ECU12は、後に詳述する如く、自車両と対象物との距離関係に基づいて、スピーカ、ディスプレイ、及びブレーキアクチュエータ34が駆動されるように情報・警報表示装置30およびブレーキ制御ECU32に対して指令を行う。情報・警報表示装置30は、ECU12からの指令に従ってスピーカ及びディスプレイを駆動する。また、ブレーキ制御ECU32は、制動時にタイヤをロックさせないアンチロックブレーキ(ABS)制御および旋回挙動を安定化させるVSC(Vehicle Stability Control)制御等を行いつつ、タイヤ−路面間の最大摩擦係数μmaxに応じた最大許容制動力を最大限度として、ECU12からの指令に従ってブレーキアクチュエータ34を駆動する。尚、この際、発生させるべき制動力を演算するうえで、自車両の前後方向減速度計(図示せず)から得られた自車加減速度と自車両の速度センサ18から得られた路面方向の自車加減速度との比較により推定される路面傾斜角が考慮される。
【0027】
次に、本実施例の車両用衝突防止支援装置10の動作について説明する。本実施例において、ECU12は、車両推定軌跡演算装置14および画像処理装置22を用いて車両の推定進行軌跡および白線等で仕切られる走行路を把握すると共に、画像処理装置22およびレーダ装置26を用いてそれぞれ立体対象物を把握する。そして、原則として画像処理装置22からの情報に基づく立体対象物とレーダ装置26からの情報に基づく立体対象物とを融合させることにより、自車両にとっての障害物を検知する。
【0028】
ECU12は、検知した障害物が推定進行軌跡上に位置するか否か及び走行路上に位置するか否かを判別し、推定進行軌跡上に位置する障害物が走行路上に位置するか否かを判別する。この際、推定進行軌跡上に位置する障害物が複数存在する場合または走行路上に位置する障害物が複数存在する場合には、それらの対象物のうち最も自車両に近い障害物を制御物標として用いる。
【0029】
ECU12は、障害物が現時点での減速度μfGを維持しかつ自車両が現時点から空走時間T0後に想定減速度μsGを伴って制動するものとした場合において自車両と障害物とが最も接近する距離(最接近距離)Dnがしきい値Dn0以下であるか否かを判別することにより、検知した障害物が危険な障害物であり、現時点での自車両と障害物との距離Dが要注意状態(具体的には、警報発令距離Dw以下)にあるか否か並びに要制動回避状態(具体的には、障害物との衝突を回避できる最小の介入制動回避距離Db以下)にあるか否かを判定する。
【0030】
尚、この際、障害物の、現時点での自車位置に対する将来予測位置は、現時点での自車両と障害物との相対距離D並びに現時点での障害物の速度Vfおよび加減速度μfGに基づいて演算されると共に、自車両の、現時点での自車位置に対する将来予測位置は、現時点での速度V、及び、介入ブレーキを行う場合と警報を行う場合とで値が異なる空走時間T0、並びに想定減速度μsGに基づいて演算される。また、最接近距離Dnのしきい値Dn0は、自車両の状況(具体的には、自車両が前車に追従して走行するか否か)に応じて異なり、例えば非追従走行の場合には所定の余裕距離d0であり、一方、追従走行の場合(特に、自車両が減速中に障害物と最接近する場合)には所定の余裕距離d0に将来自車両の速度Vと障害物の速度Vfとが同一となる際のその速度(最接近速度)Vsと、車間距離Dから自車速Vを除算して得られる車頭時間T0´との乗算値を加算して得られる値(=d0+Vs×T0´)である。
【0031】
そして、ECU12は、警報のために設定された空走時間T0に基づいた最接近距離Dnがしきい値Dn0を超える状態からしきい値Dn0以下の状態へ変化したと判定した場合には、現時点で自車両と障害物との距離Dが警報発令距離Dw以下にあると判定し、車両前方に危険な障害物が存在することを車両運転者に知得させて車両運転者の意思による回避操作を促すべく、情報・警報表示装置30に対して指令を行う。この場合には、情報・警報表示装置30の駆動による警告が車両運転者に対して付与される。
【0032】
また、ECU12は、介入ブレーキのために警報のための空走時間T0よりも短い時間に設定された空走時間T0に基づいた最接近距離Dnがしきい値Dn0を超える状態からしきい値Dn0以下の状態へ変化したと判定した場合には、現時点で自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Db以下にあると判定し、車両運転者の意思によらない自動的な介入ブレーキを行うべく、ブレーキ制御ECU32に対して指令を行う。この場合には、ブレーキアクチュエータ34による車両制動が運転者の意思によらずに行われる。
【0033】
従って、本実施例の車両用衝突防止支援装置10によれば、自車両が障害物にある程度接近した場合には情報・警報表示装置30の駆動により運転者に回避操作のための注意喚起を行うことができると共に、例えば車両運転者が障害物を認識できず或いはブレーキ操作が遅れた状況下においても介入ブレーキを行う必要がある場合にはブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキにより運転者のブレーキ操作によらずに自車両と自車両が走行する上で支障をきたす障害物との衝突を回避することができる。
【0034】
図2は、自車両が障害物としての前方の他車両を操舵回避するうえで必要な前後方向の操舵回避距離Dsnを説明するための図を示す。本実施例において、ECU12は、上記の如く把握した自車両の推定進行軌跡、及び、上記の如く検知した障害物と自車両との相対位置関係に基づいて、自車両がその障害物を操舵回避するうえで必要な横移動量Wを算出する。この横移動量Wは、障害物の、自車両の推定進行軌跡に対する出っ張り代と所定の隙間間隔とを加算した値である。
【0035】
ECU12は、障害物及び自車両が現時点での速度Vf,Vを維持し、かつ、自車両が現時点から空走時間経過後に、最大摩擦係数μmaxに応じた車両において許容される所定の横加速度Laを伴って操舵するものとした場合において自車両がその障害物と衝突することなく横移動量Wの移動により操舵回避できる最小の操舵回避距離Dsnを算出する。そして、障害物が危険な障害物であり、現時点での自車両と障害物との距離Dが要操舵回避状態(具体的には、障害物との衝突を回避できる最小の操舵回避距離Dsn以下)にあるか否かを判定する。
【0036】
尚、本実施例において、操舵回避距離Dsnは、次式(1)に従って算出される。
【0037】
Dsn=((2π・W/La)1/2+0.2)・(V−Vf) ・・・(1)
但し、Dsn≧0.6×V
図3は、警報発令距離Dw、介入制動回避距離Db、及び操舵回避距離Dsnと相対車速(V−Vf)との関係を表した図を示す。一般に、車両に制動が生じた際、車両において、自車両の速度が障害物の速度に対して小さく、相対車速(V−Vf)が小さいほど警報発令距離Dwは小さく、一方、相対車速(V−Vf)が大きいほど警報発令距離Dwは大きい。このため、警報発令距離Dwおよび介入制動回避距離Dbは共に、図3に示す如く、相対車速(V−Vf)の増加に伴ってその相対速度の二乗に比例して大きくなる。また、操舵回避距離Dsnは、上記(1)式に従って算出されるので、図3に示す如く、相対車速(V−Vf)の増加に伴って比例して大きくなる。
【0038】
相対車速(V−Vf)が比較的小さい場合には、介入制動回避距離Dbが操舵回避距離Dsnに比して小さい。このため、かかる場合には、自車両と障害物との衝突に関し操舵による回避が不能となった後においても、自車両の介入ブレーキが実行されれば、その衝突を回避することが可能である。
【0039】
一方、相対車速(V−Vf)がある程度(図3においてV0)大きくなると、具体的には、横移動量Wが0.5mである場合には相対車速(V−Vf)が約50km/hを超えると、介入制動回避距離Dbが操舵回避距離Dsnに比して大きくなる。この場合には、自車両と障害物との衝突に関し操舵による回避が可能であるにもかかわらず、車両運転者の意思によらない介入ブレーキが実行される事態が生じ得るが、かかる状態での介入ブレーキの実行は、衝突回避のための操舵を行っている運転者に対して違和感を与えることとなる。尚、この際、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbではなく操舵回避距離Dsn以下となった時点で介入ブレーキの実行を開始することも考えられるが、操舵回避距離Dsnは障害物との衝突を回避できる最小の介入制動回避距離よりも小さいので、これでは、介入ブレーキが行われても、自車両と障害物との衝突を回避することができない不都合が生じ得る。
【0040】
そこで、本実施例のシステムは、介入制動回避距離Dbが操舵回避距離Dsnに比して大きい場合、すなわち、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である場合に介入ブレーキが不必要に行われるのを防止し、運転者に違和感を与えない範囲で車両と障害物との衝突を有効に回避することとしている。以下、図4を参照して、本実施例の特徴部について説明する。
【0041】
自車両と障害物との距離Dが操舵回避距離Dsnを下回る前に、車両運転者が自車両が障害物と衝突するおそれがあることに気づき、その衝突回避のための操舵操作を開始することとすれば、自車両と障害物との衝突を回避することはできる。この点、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である状況下、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回っても、衝突回避のための介入ブレーキを行う必要のない場合がある。すなわち、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った以後、運転者が衝突回避のための操舵操作を行っていない場合には介入ブレーキを実行することが障害物との衝突を回避するうえで適切であるが、運転者が衝突回避のための操舵操作を行っている場合には介入ブレーキを実行する必要はない。
【0042】
障害物との衝突を回避するために行われる運転者による操舵操作は、車線キープのための修正操舵等の通常行われる操舵操作に比べて操舵角速度の大きいものである。そこで、本実施例において、衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたか否かは、舵角センサ20の出力信号に基づいて検出される操舵角θの微分値である操舵角速度dθ/dt(以下、ドットθと称す)がしきい値ドットθ0(例えば30deg/sec)以上であるか否かに基づいて判定される。
【0043】
本実施例において、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である状況下、自車両と障害物との距離Dがその介入制動回避距離Dbよりも大きい警報発令距離Dwを下回ることにより情報・警報表示装置30の駆動による警告が発せられてから介入制動回避距離Dbを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われないときには、通常どおり、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点でブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキが開始実行される。このため、介入ブレーキにより自車両と障害物との衝突を確実に回避することができる。
【0044】
また、上記した状況下、情報・警報表示装置30の駆動による警告が発せられてから自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたときには、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点での介入ブレーキの実行が禁止される。かかる構成においては、ブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキが実行されなくても、運転者による操舵操作により障害物との衝突を回避することができる。この際、介入ブレーキの実行に起因して運転者が違和感を生ずるのは防止される。
【0045】
また、通常どおりブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキが開始実行された後、自車両と障害物との距離Dが操舵回避距離Dsnを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたときには、その時点で介入ブレーキの実行が途中で中止される。運転者による操舵操作が行われれば、介入ブレーキが行われなくても、障害物との衝突は回避可能である。従って、かかる構成においては、一旦開始された介入ブレーキを不必要に継続するのは防止され、操舵操作が開始されたにもかかわらず介入ブレーキの実行継続に起因して運転者が違和感を生ずるのは防止される。
【0046】
尚、このように自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った以後に介入ブレーキの実行が禁止・中止された場合においても、自車両と障害物との距離Dが操舵回避距離Dsnを下回ったときには、操舵操作が行われているか否かにかかわらず介入ブレーキが実行・再開される。介入ブレーキの実行が禁止・中止された後に衝突回避のための操舵が適切に行われなかった場合には、自車両が障害物と衝突することとなるが、上記の構成においては、その衝突による衝撃が緩和される。
【0047】
図4は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図4に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図4に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0048】
ステップ100では、警報発令要件が成立するか否か、具体的には、障害物が現時点での減速度μfGを維持しかつ自車両が現時点から空走時間T0後に想定減速度μsGを伴って制動するものとした場合において自車両と障害物との最接近距離Dnがしきい値Dn0以下であるか否かに基づいて、検知された障害物と自車両との相対距離Dが警報発令距離Dw以下であるか否かが判別される。その結果、D≦Dwが成立しないと判別された場合には、以後何ら処理が進められることなく今回のルーチンは終了される。一方、D≦Dwが成立すると判別された場合には、次にステップ102の処理が実行される。
【0049】
ステップ102では、車両前方に危険な障害物が存在することを車両運転者に知得させて車両運転者の意思による回避操作を促すべく、情報・警報表示装置30に対して指令を行うことにより、情報・警報表示装置30の駆動による警報を発令する処理が実行される。本ステップ102の処理が実行されると、以後、情報・警報表示装置30が駆動し、車両運転者に対して警報が発令されることとなる。
【0050】
ステップ104では、障害物が現時点での減速度μfGを維持しかつ自車両が現時点から空走時間T0後に想定減速度μsGを伴って制動するものとした場合において自車両と障害物との最接近距離Dnがしきい値Dn0以下であるか否かに基づいて、検知された障害物と自車両との相対距離Dが介入制動回避距離Db以下であるか否かが判別される。その結果、D≦Dbが成立しないと判別された場合には、今回のルーチンは終了される。一方、D≦Dbが成立すると判別された場合には、次にステップ106の処理が実行される。
【0051】
ステップ106では、上記ステップ104で用いる介入制動回避距離Dbが、その時点で算出される自車両と障害物との衝突を回避できる最小の操舵回避距離Dsnよりも大きいか否か、すなわち、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満であるか否かが判別される。Db>Dsnが成立しない場合には、障害物との衝突を回避するうえでは相対距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点で介入ブレーキを開始することが必要である。従って、かかる判別がなされた場合には、次にステップ114において、ブレーキECU32に対して指令を行うことによりブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキを行う処理が実行される。
【0052】
一方、Db>Dsnが成立する場合には、相対距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点で介入ブレーキが開始されなくても、衝突回避のための車両運転者による操舵操作が行われれば、自車両と障害物との衝突を回避することは可能である。従って、かかる判別がなされた場合には、次にステップ108の処理が実行される。
【0053】
ステップ108では、上記ステップ102で情報・警報表示装置30の駆動による警報発令処理がなされた後に舵角センサ20を用いた操舵角速度ドットθの絶対値がしきい値ドットθ0以上となったか否かが判別される。尚、しきい値ドットθ0は、障害物との衝突を回避するために行われる運転者による操舵操作と、車線キープのための修正操舵等の通常行われる操舵操作とを区別するための操舵角速度の境界値であり、例えば30deg/secに設定されている。|ドットθ|≧ドットθ0が成立しない場合には、車両運転者が自車両と障害物との衝突を回避するための操舵操作を行っていないと判断できる。介入制動回避距離Dbが操舵回避距離Dsnを超えているため、自車両と障害物との相対距離Dが介入制動回避距離Dbを下回っても操舵操作により両者の衝突を回避できる状況にある場合においても、その操舵操作が行われないときには、自車両と障害物との衝突を回避することができなくなる。従って、|ドットθ|≧ドットθ0が成立しないと判別された場合には、次にステップ114においてブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキを行う処理が実行される。
【0054】
一方、|ドットθ|≧ドットθ0が成立する場合には、車両運転者が自車両と障害物との衝突を回避すべく操舵操作を行っていると判断できる。かかる肯定判別が未だ介入ブレーキが実行されていない状態でなされた場合には、介入ブレーキの実行を禁止することが適切であり、また、かかる肯定判別が既に介入ブレーキが行われている状態でなされた場合には、その介入ブレーキの実行を中止することが適切である。従って、肯定判定がなされた場合には、次にステップ110の処理が実行される。
【0055】
ステップ110では、ブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキの発令を禁止・中止する処理が実行される。本ステップ110の処理が実行されると、以後、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った際の介入ブレーキの実行が禁止され、また、既に介入ブレーキが実行されている際にはその介入ブレーキの実行が中止される。
【0056】
ステップ112では、検知された障害物と自車両との相対距離Dが、その時点で算出される自車両と障害物との衝突を回避できる最小の操舵回避距離Dsn以下であるか否かが判別される。その結果、D≦Dsnが成立しないと判別された場合には、今回のルーチンは終了される。一方、D≦Dsnが成立すると判別された場合には、次にステップ114においてブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキを行う処理が実行される。そして、ステップ114の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0057】
上記図4に示すルーチンによれば、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である状況下、情報・警報表示装置30の駆動による警告が発せられてから自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われないときには、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点でブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキを開始することができる。一方、上記の状況下、情報・警報表示装置30の駆動による警告が発せられてから自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたときには、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点での介入ブレーキの実行を禁止することができる。
【0058】
衝突回避のための車両運転者による操舵操作が行われれば、介入ブレーキが実行されなくても、自車両と障害物との衝突は有効に回避できる。従って、本実施例によれば、車両操舵により障害物との衝突を回避できる操舵回避距離Dsnが車両制動により障害物との衝突を回避できる介入制動回避距離Dbよりも小さい状況下において、不必要に介入ブレーキが行われるのを防止することができる。
【0059】
また、衝突回避のための車両運転者による操舵操作が行われた際に介入ブレーキの実行が禁止されれば、車両運転者に介入ブレーキの実行に起因する違和感を与えることなく、運転者の操舵により自車両と障害物との衝突は回避できる。従って、本実施例の車両用衝突防止支援装置10によれば、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Dbよりも小さい状況下において、情報・警報表示装置30の駆動による警告が発せられてから自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われないときには、介入ブレーキにより自車両と障害物との衝突を確実に回避することができると共に、一方、衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたときには、運転者に違和感を与えない範囲で自車両と障害物との衝突を有効に回避することができる。
【0060】
また、上記図4に示すルーチンによれば、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である状況下、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回るまでに運転者による操舵操作が行われなかったために介入ブレーキが実行された後、その距離Dが操舵回避距離Dsnを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたときには、その時点で介入ブレーキの実行を途中で中止することができる。
【0061】
この場合においても、衝突回避のための車両運転者による操舵操作が行われれば、介入ブレーキが実行されなくても、自車両と障害物との衝突は有効に回避できる。従って、本実施例によれば、車両操舵により障害物との衝突を回避できる操舵回避距離Dsnが車両制動により障害物との衝突を回避できる介入制動回避距離Dbよりも小さい状況下において、一旦開始された介入ブレーキが不必要に継続して行われるのを防止することができる。また、衝突回避のための車両運転者による操舵操作が行われた際に介入ブレーキの実行が中止されれば、以後、車両運転者に介入ブレーキの実行に起因する違和感を与えることなく、運転者の操舵により自車両と障害物との衝突は回避できる。従って、本実施例の車両用衝突防止支援装置10によれば、運転者に違和感を与えない範囲で自車両と障害物との衝突を有効に回避することができる。
【0062】
更に、上記図4に示すルーチンによれば、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である状況下、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った以後に介入ブレーキの実行が禁止・中止された場合においても、その距離Dが操舵回避距離Dsnを下回ったときには、介入ブレーキの実行禁止・実行中止を解除し、介入ブレーキを実行・再開することができる。すなわち、本実施例においては、操舵回避距離Dsnが介入制動回避距離Db未満である状況下、衝突回避のための車両運転者による操舵操作が行われないときには自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点で介入ブレーキを実行し、また、その時点で上記の操舵操作が行われていたとき或いはその後に上記の操舵操作が行われたときには自車両と障害物との距離Dが操舵回避距離Dsnを下回った時点で介入ブレーキを実行することができる。
【0063】
介入ブレーキの実行が禁止・中止された後に衝突回避のための操舵操作が適切に行われなかった場合には、自車両が障害物と衝突することとなる。この点、本実施例においては、かかる場合にも、上記の如く自車両と障害物との相対距離Dが操舵回避距離Dsnを下回ったときには介入ブレーキが実行・再開される。このため、本実施例の車両用衝突防止支援装置10によれば、自車両における障害物との衝突による衝撃を緩和することができる。
【0064】
尚、上記の実施例においては、介入制動回避距離Dbが特許請求の範囲に記載した「所定の介入制動距離」及び「介入制動回避距離」に、操舵回避距離Dsnが特許請求の範囲に記載した「操舵回避距離」に、ブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキが特許請求の範囲に記載した「自動介入制動」に、警報発令距離Dwが特許請求の範囲に記載した「所定の警報距離」に、情報・警報表示装置30が特許請求の範囲に記載した「警報装置」に、それぞれ相当している。
【0065】
また、上記の実施例においては、ECU12が、上記図4に示すルーチン中ステップ104〜114の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「介入制動制御手段」が、操舵操作により自車両と障害物との衝突を回避できる操舵回避距離Dsnを算出することにより特許請求の範囲に記載した「最小操舵回避距離算出手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「操舵操作検出手段」が、介入ブレーキにより自車両と障害物との衝突を回避できる介入制動回避距離Dbを算出することにより特許請求の範囲に記載した「最小介入制動回避距離算出手段」が、それぞれ実現されている。
【0066】
ところで、上記の実施例においては、自車両と障害物との距離Dが警報発令距離Dw以下となった後、情報・警報表示装置30の駆動による警報が行われることとなるが、この際、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Db以下となった後には、警報をブレーキアクチュエータ34による車両運転者の意思によらない介入ブレーキが行われる場合にのみ行い、介入ブレーキの実行が禁止・中止される場合には行わないこととしてもよい。
【0067】
かかる構成においては、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Db以下となった後に、情報・警報表示装置30の駆動とブレーキアクチュエータによる介入ブレーキの実行とが同期して行われるため、車両運転者が衝突回避のための操舵操作を行っている状態で情報・警報表示装置30の駆動による警報が発せられることはなく、情報・警報表示装置30による警報が不必要に行われるのを防止することが可能となる。
【0068】
この場合には、ECU12が、介入ブレーキの実行と同期して情報・警報表示装置30の駆動による警報を行うことにより、具体的には、情報・警報表示装置30の駆動による警告が発せられてから自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回るまでに衝突回避のための運転者による操舵操作が行われたときには、自車両と障害物との距離Dが介入制動回避距離Dbを下回った時点で情報・警報表示装置30による警報を中止し、また、その後、自車両と障害物との距離Dが操舵回避距離Dsnを下回った時点で情報・警報表示装置30による警報を再開することにより、特許請求の範囲に記載した「警報制御手段」が実現される。
【0069】
また、上記の実施例においては、警報を行うための警報発令距離Dwと、介入ブレーキを行うための介入制動回避距離Dbとをそれぞれ算出する際に用いられる空走時間T0の値が互いに異なり、情報・警報表示装置30による警報のタイミングがブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキのタイミングに比べて早い、すなわち、Dw>Dbが成立するものとしているが、Dw=Dbが成立する、すなわち、情報・警報表示装置30による警報がブレーキアクチュエータ34による介入ブレーキと完全に同期して行われるものに適用することとしてもよい。かかる構成においては、車両運転者が衝突回避のための操舵操作を行っている状態で情報・警報表示装置30の駆動による警報が発せられることはなく、情報・警報表示装置30による警報が不必要に行われるのを防止することが可能となる。
【0070】
更に、上記の実施例においては、自車両と障害物との衝突を回避するための車両運転者による操舵操作が行われたか否かを、舵角センサ20を用いて検出される操舵角θの時間微分値である操舵角速度ドットθがしきい値ドットθ0以上であるか否かに基づいて判定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操舵角速度自体を検出できるセンサを用いて操舵操作が行われたか否かを判定することとしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、車両における障害物との衝突による衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両に搭載される車両用衝突防止支援装置のシステム構成図である。
【図2】自車両が前方車両を操舵回避するうえで必要な操舵回避距離Dsnを説明するための図である。
【図3】警報発令距離Dw、介入制動回避距離Db、及び操舵回避距離Dsnと相対車速(V−Vf)との関係を表した図である。
【図4】本実施例において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 車両用衝突防止支援装置
12 電子制御ユニット(ECU)
16 ヨーレートセンサ
18 速度センサ
20 舵角センサ
22 画像処理装置
26 レーダ装置
30 情報・警報表示装置
32 ブレーキ制御ECU
34 ブレーキアクチュエータ
D 自車両と障害物との距離
Dw 警報発令距離
Db 介入制動回避距離
Dsn 操舵回避距離
Claims (6)
- 障害物との距離が所定の介入制動距離を下回った時点で、該障害物との衝突が回避されるように車両の自動介入制動を実行する介入制動制御手段を備える車両用衝突防止支援装置であって、
車両操舵により障害物との衝突が回避され得る最小の操舵回避距離を算出する最小操舵回避距離算出手段と、
車両運転者による操舵操作を検出する操舵操作検出手段と、を備え、
前記介入制動制御手段は、
前記最小操舵回避距離算出手段により算出される前記操舵回避距離が前記所定の介入制動距離未満である状況下において障害物との距離が該所定の介入制動距離を下回り、かつ、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出される場合には、前記自動介入制動の実行を禁止・中止する介入制動禁止・中止手段と、
前記介入制動禁止・中止手段により前記自動介入制動の実行を禁止・中止した後、障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、前記自動介入制動を実行する介入制動実行手段と、
を有することを特徴とする車両用衝突防止支援装置。 - 障害物との距離が前記所定の介入制動距離以上に設定されている所定の警報距離を下回った時点で、車両運転者に対して注意を喚起するための警報装置を駆動する警報制御手段を備え、
前記警報制御手段は、前記最小操舵回避距離算出手段により算出される前記操舵回避距離が前記所定の介入制動距離未満である状況下において障害物との距離が該所定の介入制動距離を下回り、かつ、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出される場合には、前記警報装置の駆動を禁止・中止することを特徴とする請求項1記載の車両用衝突防止支援装置。 - 前記警報制御手段は、前記警報装置の駆動を禁止・中止した後、障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、前記警報装置を駆動することを特徴とする請求項2記載の車両用衝突防止支援装置。
- 前記所定の介入制動距離は、車両制動により障害物との衝突が回避され得る最小の介入制動回避距離であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の車両用衝突防止支援装置。
- 車両制動により障害物との衝突が回避され得る最小の介入制動回避距離を算出する最小介入制動回避距離算出手段と、
車両操舵により障害物との衝突が回避され得る最小の操舵回避距離を算出する最小操舵回避距離算出手段と、
車両運転者による操舵操作を検出する操舵操作検出手段と、
前記最小操舵回避距離算出手段により算出される前記操舵回避距離が前記最小介入制動回避距離算出手段により算出される前記介入制動回避距離未満である状況下、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出されない場合には障害物との距離が前記介入制動回避距離を下回った時点で、また、障害物との距離が前記介入制動回避距離を下回った際に前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出されている場合には障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、該障害物との衝突が回避されるように車両の自動介入制動を実行する介入制動制御手段と、を備え、
前記介入制動制御手段は、
障害物との距離が前記介入制動回避距離を下回った時点で前記自動介入制動を開始した後に、前記操舵操作検出手段により操舵操作が検出される場合には、前記自動介入制動の実行を中止する介入制動中止手段と、
前記介入制動中止手段により前記自動介入制動の実行を中止した後、障害物との距離が前記操舵回避距離を下回った時点で、前記自動介入制動を再開する介入制動再開手段と、
を有することを特徴とする車両用衝突防止支援装置。 - 前記操舵操作検出手段は、車両の操舵角速度が所定角速度以上であるか否かに基づいて車両運転者による操舵操作を検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の車両用衝突防止支援装置。
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