JP4164942B2 - アクリル系共重合体およびそれを含有する反射防止膜形成組成物並びにレジスト膜の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアクリル系共重合体およびそれを含有する、各種の放射線を用いるリソグラフィープロセスにおける微細加工に有用で、特に集積回路素子の製造に好適な反射防止膜形成組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造方法においては、より高い集積度を得るために、リソグラフィープロセスにおける加工サイズの微細化が進んでいる。このリソグラフィープロセスにおいては、レジスト組成物を基板上に塗布し、縮小投影露光装置(ステッパー)によってマスクパターンを転写し、適当な現像液で現像することによって、所望のパターンを得ている。しかしながら、このプロセスに用いられる反射率の高いアルミニウム、アルミニウム−シリコン合金やアルミニウム−シリコン−銅合金、ポリシリコン、タングステンシリサイド等の基板は、照射した放射線を表面で反射してしまう。その影響で、レジストパターンにハレーションが生じ、微細なレジストパターンを正確に再現できないという問題がある。
【0003】
この問題を解決するため、基板上に形成すべきレジスト膜の下に基板から反射した放射線を吸収する性質のある反射防止膜を形成することが提案されている。このような反射防止膜としては、まず、真空蒸着、CVD、スパッタリング等の方法により形成されるチタン膜、二酸化チタン膜、チッ化チタン膜、酸化クロム膜、カーボン膜、またはα−シリコン膜等の無機膜が知られているが、これらの無機系反射防止膜は、導電性を有するため、集積回路の製造には使用できなかったり、反射防止膜の形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の特別の装置を必要とする等の欠点があった。この無機系反射防止膜の欠点を解決するために、例えばポリアミド酸(共)重合体またはポリスルホン(共)重合体と染料からなる有機系反射防止膜が提案されている(例えば、特開昭59−93448号公報参照)。この反射防止膜は、導電性が無く、また適当な溶剤に溶解するので、特別の装置を必要としないで、レジストと同様に溶液状態で基板上に塗布できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリアミド酸(共)重合体またはポリスルホン(共)重合体と染料からなる反射防止膜は、レジストとわずかながら混じり合う(これは、インターミキシングと呼ばれる)ため、抜け不良、裾引きといったレジストパターン形状の劣化を招く等の問題がある。また、集積回路の微細化の要求が高まるに伴い、レジストの一層の薄膜化が求められているが、上記反射防止膜は、エッチングされる速度(以下、エッチング速度という)が低いので、ドライエッチングで下層反射防止膜を除去する工程において、長時間のガスプラズマの照射を必要とするため、薄膜で塗布されたレジスト層もまた同時に浸食され、結果としてレジスト層の著しい膜減りを招くという欠点があった。
そこで本発明の目的は、前記従来の諸問題を克服し、反射防止効果が高く、インターミキシングを生じることがなく、エッチング速度の高い、解像度及び精度等に優れたレジストパターンを形成しうる反射防止膜形成組成物、並びにレジストパターンの形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の反射防止膜形成組成物は、
下記一般式(1)で示される構造単位および下記一般式(2)で示される構造単位を有する共重合体と、溶剤とを含有することを特徴とする反射防止膜形成組成物。
【0006】
【化3】
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、ニトロ基、第1級アミノ基、ヒドロキシ基、 アシル基、カルボキシル基、スルホン基またはメルカプト基を示し、R1が複数存在する場合にはそれらは同一でも異なってもよく、R2は、水素原子またはメチル基を示し、mは1〜9の整数を示す。)
【0007】
【化4】
(式中、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R4は、水素原子または有機基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の記載のおいて、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイル基などの用語は、それぞれ、アクリル酸とメタクリル酸、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステル、アクリルアミドとメタアクリルアミド、アクリロイル基とメタクリロイル基、などを包含する意味で使用される。
共重合体
本発明の共重合体は、一般式(1)
【0009】
【化5】
(式中、R1、R2およびmは前記の通り)で表される構造単位を有する。
【0010】
R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ニトロ基、第1級アミノ基、ヒドロキシ基、フェニル基、 アシル基、カルボキシル基、スルホン基またはメルカプト基を示す。炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基が挙げられる。アルキル基としては、炭素原子数1〜6の直鎖状または炭素原子数3〜6の分岐状アルキル基が好ましく、具体例としてメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。アルケニル基としては炭素原子数2〜6のアルケニル基が好ましく、具体例としてビニル基、プロペニル基、ブテニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素を好ましいものとして挙げることができる。またアシル基としては、炭素原子数1〜6の脂肪族または芳香族アシル基を好ましいものとして挙げることができ、具体的には、ホルミル基、アセチル基、フェナシル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される構造単位は、下記一般式(3)
【0011】
【化6】
(ここでR1、R2およびmも定義は上記一般式(1)と同じである。)
で表される アントラセン核含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する。
一般式(3)で表されるアントラセン核含有(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、式:
【0012】
【化7】
(式中、R1およびmは前記の通り)
で表されるアントラセンメタノール化合物と(メタ)アクリル酸クロライドとを塩基性化合物の存在下、有機溶剤中で反応することにより得られる。塩基性化合物としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられ、有機溶媒としては例えば、後述する反射防止膜材料を溶解しうる溶剤を使用することができ、好ましくは、プロピレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
【0013】
一般式(3)のアントラセン核含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル;1−メチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−メチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、1−エチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−エチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のアルキル置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル類;1−クロロ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−クロロ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、1−ブロモ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−ブロモ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のハロゲン置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル類;1−ニトロ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2-ニトロ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のニトロ置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル類;
【0014】
1−アミノ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−アミノ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のアミノ置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル類;1−ヒドロキシ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のヒドロキシ置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル類;1−アセチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−アセチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のアシル置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらのモノマーは、反射防止膜の所望の特性に応じて、1種単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。これらの化合物のうち、9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられる。
本発明に用いられる共重合体の別の必須構造単位は、一般式(2)
【0015】
【化8】
(式中、R3およびR4は前記の通り)
で表されるものである。
【0016】
R4は、水素原子あるいは有機基を示し、有機基としては、たとえば、アルキル基等を挙げることができる。アルキル基としては、炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましいものとして挙げることができ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を例示することができる。
上記一般式(2)で表される構造単位は、下記一般式(4)
【0017】
【化9】
(ここでR3およびR4は前記の通り)
で表される (メタ)アクリルアミド誘導体モノマーに由来する。
該一般式(4)で表される(メタ)アクリルアミド誘導体の内R4が水素原子であるものは、例えば、式:
【0018】
【化10】
(ここでR3は前記の通り)
で表される(メタ)アクリルアミドとホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドとを反応させることにより容易に得られる。R4が前記の有機基であるものは、上記式で表わされる(メタ)アクリルアミドをR4に相当する基を有するアルコール(即ち、R4OH)の存在下で、ホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドとを反応させることによりにより得られる。
【0019】
該(メタ)アクリルアミド誘導体としては、例えばN−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド;N―(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N―(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N―(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN−(アルコキシメチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの(メタ)アクリルアミド誘導体は、反射防止膜の所望の特性に応じて、1種単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。上記モノマーのうち、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミドおよびN―メトキシメチル(メタ)アクリルアミドが好ましく用いられる。
【0020】
本発明に用いられる共重合体は前記一般式(1)の構造単位および一般式(2)の構造単位の他に、得られる組成物の塗布性、得られる反射防止膜の耐熱性等を改良する目的で、他の構造単位を含むことができる。
このような他の構造単位としては、不飽和多重結合を有する単量体に由来する構造単位を挙げることができる。かかる他の構造単位はこのような単量体を前記一般式(3)の化合物および一般式(4)の化合物とともに共重合に供することにより、共重合体構造中に導入される。
【0021】
このような不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、0−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、0−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、0−アセトキシスチレン、m−アセトキシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン等の置換スチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル系化合物;
【0022】
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、ジメチルビニルメタクリロイルオキシメチルシラン等の不飽和基含有不飽和カルボン酸エステル;2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸ビニル、クロロ酢酸アリル等のハロゲン含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ビニル系化合物;(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド等のアミド基含有ビニル系化合物;2−メタクロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクロイルオキシエチルマレイン酸等のカルボキシル基含有ビニル系化合物;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、9−ビニルアントラセン、9−ビニルカルバゾール等のビニルアリール系化合物等が挙げられる。これらの不飽和単量体は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
本発明で用いられる共重合体は、一般式(1)および一般式(2)で表される構造単位と、上記如きその他の不飽和単量体に由来する構造単位の合計を基準にして、一般式(1)の構造単位を5〜90モル%、好ましくは10〜80%、更に好ましくは、20〜80%含有する。一般式(2)の構造単位は、5〜80モル%、好ましくは、5〜70モル%、更に好ましくは、10〜60モル%含有される。その他の不飽和単量体に由来の構造単位が存在する場合には、60モル%以下含有される。
【0024】
本発明の反射防止膜を構成する共重合体は、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の適宜の方法により、溶液重合等の重合形態で製造することができる。
該共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(以下Mwという)は、反射防止膜の所望の特性に応じて適宜選択されるが、通常2、000〜1、000、000、好ましくは、3、000〜700、000、特に好ましくは、5、000〜500、000である。
【0025】
溶剤
本発明の組成物を構成する溶剤としては、反射防止膜材料を溶解しうる溶剤、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
【0026】
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸nープロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸n−イソブチル等の乳酸エステル類;
【0027】
ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸n−アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
【0028】
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を適宜選択して使用する。これらのうち、好ましい溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種単独でまたは2種類以上を混合して使用される。
【0029】
溶剤の配合量は、得られる組成物の固形分濃度が0.01〜70重量%程度、好ましくは0.05〜60重量%、さらに好ましくは0.1〜50重量%となる範囲である。
【0030】
他の成分
本発明の組成物には、本発明の所望の効果を損なわない限り、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、染料、界面活性剤、硬化剤、酸発生剤等を挙げることができる。
【0031】
前記染料としては、例えば油溶性染料、分散染料、塩基性染料、メチン系染料、ピラゾール系染料、イミダゾール系染料、ヒドロキシアゾ系染料等の染料;ビクシン誘導体、ノルビクシン、スチルベン、4、4’−ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体等の蛍光増白剤;ヒドロキシアゾ系染料、チヌビン234(チバガイギー社製)、チヌビン1130(チバガイギー社製)等の紫外線吸収剤;アントラセン誘導体、アントラキノン誘導体等の芳香族化合物等が挙げられる。これらの放射線吸収性化合物の配合量は、反射防止膜形成組成物の固形分100重量部当たり、通常、100重量部以下、好ましくは、50重量部以下である。
【0032】
前記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、ぬれ性、現像性等を改良する作用を有するものである。このような界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、市販品としては、例えばオルガノシロキサンポリマーである、KP341(商品名、信越化学工業製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体であるポリフローNo.75、同No.95(商品名、共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF101、同EF204、同EF303、同EF352(商品名、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F172、同F173(商品名、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431、同FC135、同FC93(商品名、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(商品名、旭硝子製)等が挙げられる。これらの界面活性剤の配合量は、反射防止膜組成物の固形分100重量部当たり、通常、15重量部以下、好ましくは、10重量部以下である。
【0033】
前記硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート等のイソシアナート類;エピコート812、同815、同826、同828、同834、同836、同871、同1001、同1004、同1007、同1009、同1031(商品名:油化シェルエポキシ製)、アラルダイト6600、同6700、同6800、同502、同6071、同6084、同6097、同6099(商品名:チバガイギー製)、DER331、同332、同333、同661、同644、同667(商品名:ダウ製)等のエポキシ類;
【0034】
サイメル300、同301、同303、同350、同370、同771、同325、同327、同703、同712、同701、同272、同202、マイコート506、同508(商品名:三井サイアナミッド製)等のメラミン系硬化剤、サイメル1123、同1123−10、同1128、マイコート102、同105、同106、同130(商品名:三井サイアナミッド製)等のベンゾグアナミン系硬化剤;サイメル1170、同1172(商品名:三井サイアナミッド製)等のグリコールウリル系硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤の配合量は、反射防止膜組成物の固形分100重量部当たり、通常、5000重量部以下、好ましくは、1000重量部以下である。
【0035】
前記酸発生剤としては光酸発生剤および熱酸発生剤を使用することができる。
光酸発生剤としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
【0036】
トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4―ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、
【0037】
1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1―ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―シアノー1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―ニトロ−1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―メチル−1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―シアノ−1―ナフチル−ジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―ニトロ−1―ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、
【0038】
4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、
【0039】
4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類;フェニル-ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類;
【0040】
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のジアゾケトン化合物系光酸発生剤類;4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリストリフルオロメタンスルホネート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等のスルホン酸化合物系光酸発生剤類等が挙げられる。
【0041】
前記熱酸発生剤としては、例えば2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサ−3,5−ジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、アルキルスルホネート等が挙げられる。
これらの酸発生剤の配合量は、反射防止膜組成物の固形分100重量部当たり、通常、5000重量部以下、好ましくは、0.1重量部以上1000重量部以下である。
さらにその他の添加剤として保存安定剤、消泡剤、接着助剤等を挙げることもできる。
【0042】
組成物の使用法
本発明の組成物は、パターン化したレジスト膜の形成において、例えば、次のように使用される。即ち、パターン化したレジスト膜の形成方法は、1)基板上に反射防止膜形成組成物を塗布し、しかる後ベークして反射防止膜を形成する工程、2)該反射防止膜上にレジスト組成物を塗布し、しかる後ベークしてレジスト膜を形成する工程、3)レジスト膜に露光用マスクを介して放射線を照射する工程、4)放射線を照射したレジスト膜を現像する工程、及び5)反射防止膜をエッチングする工程を含む。
【0043】
具体的には、レジストパターンの形成方法は、まず、基板上に反射防止膜形成組成物を所定の膜厚、例えば100〜5000オングストロームとなるように、回転塗布、流延塗布ロール塗布等の方法により塗布する。次いで、ベークして反射防止膜組成物を熱硬化させる。この際のベーク温度は、例えば90〜350℃程度である。前記のようにして基板上に反射防止膜を形成したのち、第2工程で、該反射防止膜上に得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように塗布し、プレベークしてレジスト膜中の溶剤を揮発させて、レジスト膜を形成する。この際のプレベークの温度は、使用されるレジストの種類等に応じて適宜調製されるが、通常、30〜200℃程度、好ましくは、50〜150℃である。
【0044】
レジスト膜を形成する際には、レジストを適当な溶液中に、固形分濃度が例えば5〜50重量%となるように溶解したのち、例えば孔径0、2μm程度のフィルターでろ過して、溶液を調製し、これを、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の方法により、例えばシリコンウエハー、アルミニウムで被覆したウエハー等の基板の反射防止膜上に塗布する。なお、この場合、市販のレジスト溶液をそのまま使用できる。
本発明におけるレジストパターンの形成に使用されるレジストとしては、例えばアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性架橋剤とからなるネガ型レジスト、感放射線性酸発生剤を含有するポジ型またはネガ型の化学増幅型レジスト等を挙げることができる。
【0045】
その後、第3工程で、レジスト膜に露光用マスクを介して放射線を照射する(以下「露光」という)。レジストの種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等の適当な放射線を、用いることができる。これらの放射線のうち、好ましいのは、遠紫外線であり、特に、KrFエキシマレーザー(248nm)及びArFエキシマレーザー(193nm)が本願の組成物には好適に用いられる。
【0046】
次いで第4工程で、これを現像する。その後洗浄し、乾燥することにより、所望のレジストパターンを形成する。この工程中、解像度、パターン形状、現像性等を向上させるため、露光後、現像前にベーキングを行ってもよい。
最後に第5工程で、レジストパターンをマスクとして、酸素プラズマ等のガスプラズマを用いて反射防止膜の乾式エッチングを行い、基板加工用のレジストパターンを得る。
【0047】
本発明におけるレジストパターンの形成に使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、nープロピルアミン、ジエチルアミン、ジーnープロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)−7−ウンデセン、1、5−ジアザビシクロー(4、3、0)−5−ノナン等を溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。また、これらの現像液には、水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、および界面活性剤を適量添加することもできる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。以下の説明において「部」は特記しない限り「重量部」を意味する。
以下の実施例及び比較例で使用したレジストは、KrF用ポジ型レジスト(商品名KrF K2G、ジェイエスアール(株)製)である。
反射防止膜形成組成物の性能評価は、下記の要領で行った。
【0049】
○昇華性:直径4インチのシリコンウエハーの表面に反射防止膜形成組成物をスピンコートしたのち、ホットプレート上で90℃で1分間ベークして膜厚0.1μmの反射防止膜を形成した。次に、この反射防止膜を形成したシリコンウエハーの上方に1cmの間隔を置いて平行に別の同寸法のシリコンウエハーを配置した。この状態で、一枚目の反射防止膜を形成したシリコンウエハーを200℃で2分間さらにベークした。その後、上方に配置したシリコンウエハーの下側の表面に一枚目のウエハーからの昇華物が凝縮して付着しているか否か目視により調べた。凝縮物の付着の有無により、反射防止膜形成組成物の昇華性を判断した。
【0050】
○解像度:4インチのシリコンウエハー上に、反射防止膜形成組成物をスピンコートしたのち、ホットプレート上で90℃で1分間、200℃で2分間ベークして膜厚0.1μmの反射防止膜を形成した。その後、該反射防止膜上にレジストを膜厚0.7μmのレジスト膜が得られるようにスピンコートしたのち、80℃のホットプレート上で2分間ベークし、レジスト膜を形成した。次いで、ホールパターンの中央部に(株)ニコン製ステッパーNSR2005EX8A(波長248nm)を用いて、0.5μm幅のラインアンドスペースパターンを1対1の線幅で形成する露光時間(以下「最適露光時間」という。)だけ露光を行った。次いで、100℃のホットプレート上で、2分間ベーキングを行ったのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。解像された最小線幅のレジストパターンの寸法を、走査型電子顕微鏡を用いて測定した。
【0051】
○インターミキシング防止効果:前記解像度の評価の場合と同様にして、反射防止膜およびレジスト膜の形成、露光並びに現像を行った。レジスト膜の現像により除去された部分の、反射防止膜との接点におけるレジスト膜の裾引きの程度を走査型電子顕微鏡を用いて調べた。
○定在波防止効果:前記解像度の評価の場合と同様にして、反射防止膜およびレジスト膜の形成、露光並びに現像を行った。その後、レジスト膜への定在波の影響の有無を走査型電子顕微鏡を用いて調べた。
○エッチング速度:前記解像度の評価の場合と同様にして、反射防止膜およびレジスト膜の形成、露光並びに現像を行った。その後、酸素プラズマによるドライエッチング(圧力15Pa、RF電力300W、エッチングガス 酸素)を行い、反射防止膜のエッチング速度を測定し、反射防止膜とレジスト膜とのエッチング速度比(反射防止膜のエッチング速度/レジスト膜のエッチング速度)を求めた。
【0052】
合成例1(モノマーの合成)
温度計を備えたセパラブルフラスコに、9−アントラセンメタノール80部、トリエチルアミン55部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル500部を加え、10℃以下に冷却し、塩化メタクリロイル58部を徐々に滴下し、10℃以下で20時間攪拌した。その後、フラスコの内容物を水中に投入し、1000部の酢酸エチルを加えて抽出を行ったのち、溶剤を減圧除去した。こうして得られた固体を、n−ヘキサン−トルエン(2:1)中で再結晶し、下記の化学構造式で示される9−アントラセンメタノールメタクリル酸エステルモノマーを得た。
【0053】
【化11】
【0054】
重合例1
温度計および冷却管を備えたセパラブルフラスコに、合成例1で得られたモノマー20部、ヒドロキシエチルメタクリレート9.4部、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド2部、アゾビスイソブチロニトリル0.6部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル500部を加え、窒素バブリングしながら80℃で8時間攪拌した。その後、フラスコ内容物を水中に投入し、析出した樹脂を真空乾燥器にて40℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwをゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したところ、10、000であった。
また、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、図1に示す結果が得られた。
さらに、1H−NMRの測定を行ったところ、図2に示す下記の結果が得られた。
以上の結果から、9−アントラセンメタノールメタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびN−(ヒドロキシメチル)アクリルアミドが4:4:1(モル比)で共重合した、下記構造を有する共重合体であることが確認された。
【化12】
[式中、x、yおよびzはそれぞれそれらが付された構造単位の数を示す自然数であり、x:y:z=4:4:1である。]
【0055】
重合例2
重合例1におけるヒドロキシエチルメタクリレート9.4部の代りにメタクリル酸6.2部を使用した以外は、重合例1と同様にして、Mw10、000(ポリスチレン換算)の樹脂を得た。1H−NMRの結果から、9−アントラセンメタノールメタクリル酸エステル、メタクリル酸およびN−(ヒドロキシメチル)アクリルアミドが4:4:1(モル比)で共重合した構造であることが確認された。
【0056】
重合例3
温度計および冷却管を備えたセパラブルフラスコに、合成例1で得られたモノマー50部、ヒドロキシエチルメタクリレート9.4部、アセナフチレン5.5部、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド7.3部、アゾビスイソブチロニトリル1.4部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル500部を加え、窒素バブリングしながら80℃で8時間攪拌した。その後、フラスコ内容物を水中に投入し、析出した樹脂を真空乾燥器にて40℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mw15000(ポリスチレン換算)で、1H−NMRの結果から、9−アントラセンメタノールメタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルメタクリレート、アセナフチレンおよびN−(ヒドロキシメチル)アクリルアミドが、5:2:1:2(モル比)で共重合した構造であることが確認された。
【0057】
実施例1〜3
重合例1〜3で得られた各樹脂を用いて、以下のようにして3種の反射防止膜形成組成物を調製した。
樹脂5部およびビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート0.5部を、乳酸エチル90部に溶解し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、組成物を調製した。
次いで、得られた各組成物について、前記のようにしてレジストパターンの形成および反射防止膜の性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の反射防止膜形成組成物は、反射防止効果が高く、レジストとインターミキシングを生じることが無く、エッチング速度が大きく、しかもポジ型およびネガ型レジストと協働して、解像度、精度等に優れたレジストパターンをもたらすことができる反射防止膜を形成することができる。したがって、この組成物は、特に高集積度の集積回路の製造に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は重合例1で得られた共重合体の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】図2は重合例1で得られた共重合体の1H−NMRスペクトルを示す。
Claims (4)
- 請求項1の共重合体であって、分子中に含まれる全構造単位の合計を基準にして、一般式(1)の構造単位が5〜90モル%存在し、一般式(2)の構造単位は、5〜80モル%存在する、共重合体。
- 請求項1に記載の共重合体と、溶剤とを含有することを特徴とする反射防止膜形成組成物。
- 1)基板上に請求項3に記載の反射防止膜形成組成物を塗布し、しかる後ベークして反射防止膜を形成する工程、2)該反射防止膜上にレジスト組成物を塗布し、しかる後ベークしてレジスト膜を形成する工程、3)該レジスト膜に露光用マスクを介して放射線を照射する工程、4)放射線を照射したレジスト膜を現像する工程、及び5)反射防止膜をエッチングする工程を含む、パターン化したレジスト膜の形成方法。
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