JP4149039B2 - 反応方法及び反応装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、反応方法及び反応装置に関する。さらに詳しくは、少なくとも、液状原料供給口及び反応混合物取出口を備えた反応容器、反応混合物を循環するための循環ポンプ並びに濾過器から構成されるループ型反応装置を使用して液状原料を懸濁触媒の存在下に加圧下で反応させる反応方法において、液状原料が1,9−ノナンジアール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアールを、エゼクタを設けた反応容器を使用して反応させ、得られた反応混合物を線速度1〜10m/秒で循環させつつ、細孔径が0.01〜1.0μmの濾過器で反応生成物と懸濁触媒とをクロスフロー式濾過で分離し、反応生成物は系外へ抜き出すことを連続的に行う反応方法とそれに用いられる反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体触媒を用いて反応を行う液−固反応あるいは気−液−固反応が多く知られている。これらの反応において、反応混合物と触媒は通常濾過機又は遠心分離機などで分離され、分離された触媒は溶媒で洗浄あるいは調整して循環再使用されている。しかしながら、このような操作は極めて煩雑であり、とくに、反応系が高圧で行われる場合、上述したような既存の分離装置で触媒を分離しようとすると、分離する前に系を常圧又は常圧付近にして実施する必要があり、しかも分離後の触媒を高圧の反応容器にもどすには特殊な供給装置が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
煩雑な操作を必要としない合理的なプロセスを構築することは、工業的規模で生産を実施する場合、不可欠な技術課題であり、これを解決するものとして、特開平5−76779号公報に、濾過器をカルボン酸で予備処理して、エーテルカルボン酸と懸濁触媒を十字流濾過で分離する触媒の分離方法が開示されている。この方法によれば、従来のように、触媒を分離するのに濾過機又は遠心分離機などの回分式の分離手段によらず、固体触媒を含む反応混合物から固体触媒を連続的に分離することができ、分離した触媒はそのまま再使用できるので、合理的な方法であるといえる。
【0004】
しかしながら、ここに開示された方法で加圧下に反応を行うと、反応条件によっては濾過器がすぐに目詰まりを起こし、連続反応に耐えない場合があることが判明した。通常、工業規模での化学反応は連続的に加圧下で行うことが多く、濾過器の目詰まりは工業化の死命を制するといっても過言ではない。また、懸濁触媒として貴金属を使用する場合は如何に触媒の回収率をあげるかが工業化の分かれ目になることが多い。したがって、本発明の目的は、液状原料を懸濁触媒の存在下に加圧下で反応を行い、懸濁触媒と反応混合物とを濾過により分離する反応方法において、濾過器の目詰まりの少ない反応方法及び反応装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ね、液状原料を使用して懸濁触媒の存在下で加圧反応を行う場合、反応装置内を循環する液状混合物の線速度と濾過器の細孔径を選ぶことにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、少なくとも、液状原料供給口及び反応混合物取出口を備えた反応容器、反応混合物を循環するための循環ポンプ並びに濾過器から構成されるループ型反応装置を使用して液状原料を懸濁触媒の存在下に加圧下で反応させる反応方法において、液状原料の1,9−ノナンジアール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアールを、エゼクタを設けた反応容器を使用して反応させ、得られた反応混合物を線速度1〜10m/秒で循環させつつ、細孔径が0.01〜1.0μmの濾過器で反応生成物と懸濁触媒とをクロスフロー式濾過で分離し、反応生成物は系外へ抜き出すことを連続的に行うことを特徴とする反応方法である。
【0007】
また、本発明のもう一つの発明は、少なくとも、液状原料供給口及び、反応混合物取出口及びエゼクタを備えた反応容器、反応混合物を循環するための循環ポンプ並びに濾過器から構成され、液状原料の1,9−ノナンジアール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアールを反応させるためのループ型反応装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する反応容器は、液状原料供給口、反応混合物取出口及びエゼクタを備えていれば如何なる形状の反応容器でもよく、水添反応、還元アミノ化反応などガスを使用する反応を行う場合は、別途ガスの供給口を設ければよい。
【0009】
ガスが液状原料とよく溶解するように、また混合状態を良好にするために反応容器にパドル翼やタービン翼を備えた撹拌機を設置するのが好ましい。また、液状原料供給口を備えた反応容器にエゼクタを設けるとガスの分散が良好となる。攪拌機及びエゼクタの両方を設けてもよい。反応容器の形状はとくに限定されるものではないが、管状のものが製作しやすく、また耐圧にも優れるので好ましい。
【0010】
本発明において、反応混合物と懸濁触媒とは濾過器で分離されるが、濾過器の細孔径があまり小さいと反応生成物が抜けにくく、またあまり大きいと懸濁触媒が抜けるので、本発明において濾過器の細孔径は0.1〜1.0μmのものを使用する必要がある。濾過器の材質としては耐腐食性に優れるものが好ましいのは勿論であるが、耐圧性に優れていることが必要である。このような観点から、円筒状の濾過器が好ましく、材質的にはセラミック製のもの、酸化ジルコニウムなどの焼結金属製のものが好ましい。とくに、耐摩耗性の点でセラミック製の濾過器が好ましい。
【0011】
本発明の反応方法及び反応装置で対象とする反応としては例えば、水素添加反応、アミノ化反応、アルキル化反応、ニトリル化反応、酸化反応、塩素化反応、カルボニル化反応などに適用することができる。反応に用いられる液状原料としては、医薬、農薬、香料、染料などの化学反応に用いられる有機化合物があげられる。一例をあげれば、ヘキセン、ブタジエン、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、ジクロロベンゼン、トルイジン、フェノール、アニリン、ニトロベンゼン、ニトロベンゼンスルホン酸、ニトロT酸、pーアミノジフェニルアミン、pーニトロフェノール、ゲラニオール、脂肪酸、脂肪酸ニトリル、ラウリルアルコール、pーキシレン、イソプロパノール、ブタノール、2,3ーブチレングリコール、1,9ーノナンジアール、2ーメチルー1,8ーオクタンジアール、又はこれらの混合物を例示することができる。
【0012】
なかでも、1,9ーノナンジアール、2ーメチルー1,8ーオクタンジアール、又はこれらの混合物のようなジアルデヒド類は不安定であり、閉鎖系で行うのが望ましく、貴金属触媒を使用することが多いので、本発明の反応方法に好適である。
【0013】
本発明に使用される触媒は、液状原料と混合した場合、懸濁状になる固体触媒である。このような固体触媒を例示すると、ニッケル、コバルト、銅、銀、白金、クロム、パラジウム、マンガン、鉄、チタン、トリウム、マグネシウム、亜鉛、タングステン、モリブデン、レニウム及びジルコニウムなどの金属のうち少なくとも一種以上の金属触媒またはその変性触媒、ラネ−触媒及びシリカ、アルミナ、ケイソウ土、マグネシウム、酸化亜鉛などに担持させた触媒をあげることができる。
【0014】
反応を実施するにあたって、適宜溶媒を使用してもよい。溶媒は通常種々の反応に一般的に使用される溶媒であるが、このような例としては、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノール、ブタノ−ル、アミルアルコール、ヘキサノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、オクタノ−ル、エチレングリコ−ルなどのアルコ−ル類、ヘキサン、オクタン、デカン、流動パラフィン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類などをあげることができる。触媒調製に用いる溶媒と反応に用いる溶媒とが同じ種類のものであるのが好ましいことはもちろんである。なかでも、水が生成する縮合反応のような場合、溶媒は水に溶解しないものが望ましく、かかる点ではイソアミルアルコール及びブタノールを使用するのが好ましい。アルコールを生成する縮合反応の場合は低級アルコールを使用するのがよい。
【0015】
本発明は、少なくとも、液状原料供給口及び反応混合物取出口を備えた反応容器、反応混合物を循環するための循環ポンプ並びに濾過器から構成されたループ型反応装置であり、かかる反応装置を用いて、所定の操作条件下において反応を行う反応方法である。反応容器から抜き出された反応混合物は反応装置内で所定の線速度で循環させつつ、細孔径が0.1〜1.0μmの濾過器でクロスフロー式濾過で反応生成物と懸濁触媒とを分離し、反応生成物は反応系外へ抜き出す。反応方式は連続式でも回分式でもよいが、とくに連続式の場合に本発明の効果がよく発揮される。
【0016】
本発明において、反応は加圧下で行われるが、圧力としては10〜200kg/cm2・Gから選ばれる。反応温度は使用する溶媒及び圧力により決められる。反応生成物は懸濁触媒及び未反応物と反応混合物を形成し、該反応混合物は循環ポンプにより反応系内を循環するが、本発明においては濾過器の細孔径と関係して線速度が重要である。線速度があまり小さいと濾過器の目詰まりが生じ、線速度があまり大きいと循環ポンプ、冷却器等に負荷がかかるので、線速度は1〜10m/秒、好ましくは1.5〜6m/秒で実施される。反応容器における液面は適宜調節すればよいが、通常は容器の60%〜80%で実施することが多い。
【0017】
本発明においては、懸濁触媒を含む反応混合物から懸濁触媒を分離するのに、クロスフロー式濾過を行う。したがって、懸濁触媒を含む反応混合物は膜面に沿って流れ、濾過器を流れる触媒を含まない反応混合物の流れとはほぼ直角になるので、懸濁触媒が濾過器の接触面へ沈降するのを防ぐことができ、また、濾過器の表面孔径よりも小さい触媒粒子が濾過器の細孔内に沈積し、実質的に濾過器の孔径が小さくなることによる濾過効果が倍加する。
【0018】
上述した本発明の、液状原料を懸濁触媒の存在下に反応を行い、懸濁触媒と反応混合物とをクロスフロー式濾過で分離する反応方法により、濾過器の目詰まりの少ない反応方法を提供することができるが、長時間連続運転する場合、濾過器の目詰まりは皆無ではないので、濾過器は適宜再生して使用するのが好ましい。濾過器の再生時期の目安としては、反応混合物の取出量が若干低下した時点とすればよい。また、濾過器前後の差圧を検出して、所定の値に達した後、再生を実施してもよい。
【0019】
濾過器を再生するには、濾過器を複数基準備しておき、別の濾過器に切り替え、休止中の濾過器をガス又は液により、逆洗洗浄を行うのが普通であるが、本願発明のように、懸濁触媒を使用し、細孔径が0.01〜1.0μmの濾過器で触媒と反応混合液を加圧下で分離する場合、ガス又は液による逆洗洗浄で濾過器の目詰まりをなくすのは非常に困難である。しかしながら、このような場合、濾過器に脈動を与えることにより、濾過器の目詰まりを容易に解消することができる。
【0020】
濾過器に脈動を与えるには、例えば、超音波などが利用可能であるが、濾過器を切り替え、休止中の濾過器に、反応系で使用する溶媒をプランジャーポンプで供給すれば、濾過器に容易に脈動を与えることができ、好ましい。プランジャーポンプは液状原料を供給するポンプを利用することができるので、かかる点でも好ましい。プランジャーポンプの種類は限定されず、脈動の周期もとくに限定されない。
【0021】
以下、本発明を図により具体的に説明する。図1は本発明の反応方法に使用される反応装置の一例を示すフローチャートである。1は液状原料を供給するためのポンプであり、2は液状原料供給ラインである。3は反応容器、4はエゼクタ、5はガス供給ラインである。まず、一次仕込みとして、2から液状原料及び溶媒に溶解された懸濁状の固体触媒を所定の液面まで反応容器3に仕込む。所定の圧力及び温度に達した後、循環ポンプ6を作動し、液状原料及びスラリ−状の固体触媒からなる液状物を冷却器7を通し、所定の線速度で循環させる。
【0022】
定常に到達したら、水素などのガスをガス供給ライン5から仕込み、反応を開始する。反応容器にエゼクタを設けると、循環された液状反応混合物の速度をあげて反応容器内へガスを吹き込むことができ、供給されるガスとともに反応容器内の流動状態をさらによくし、ガスの分散が良好になり、ガスの吸収効率を高くすることができる。冷却器は図1又は図2のように、反応容器の外部に設けてもよいが、ジャケット形式で反応容器に直接設置してもよい。冷却器7は必要に応じて加熱器としても使用される。冷却器又は加熱器は他の媒体と熱交換を行うようにするのが熱的に有利であり、効率的である。図2は反応容器3に攪拌機10を設けた例である。
【0023】
所定の反応率に達した後、液状原料及びガスを連続的に供給しながら、濾過器8の濾液が流出する側のバルブを開き、クロスフロー式に懸濁触媒を濾過しつつ、反応混合物を系外へ抜き出す。上述したように、本発明においては懸濁触媒の濾過をクロスフロー式で行うので、濾過器の接触面へ懸濁触媒が沈降するのを防ぐことができ、効果が倍加する。分離された触媒はそのまま反応容器3へ循環される。また、分離された反応混合物は、反応生成物及び未反応物の他、若干の固体触媒が含まれることがあるので、必要に応じフィルタ9を通して次の工程へ供給する。若干の触媒の損失は反応液の状態をチェックすることにより、適宜補給すればよい。
【0024】
図1又は図2において、11は濾過器8を再生するための溶媒供給ラインである。濾過器を再生する場合、別の濾過器に切り替えておき、休止中の濾過器に液状原料供給ポンプ(プランジャーポンプ)を使用して、濾過器の反応混合物の抜き出し側から反応系内側へ溶媒を供給する。このとき、同時にプランジャーポンプから濾過器へ脈動を与えることができ、懸濁触媒が目詰まりした濾過器は50%以上再生される。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
エゼクタを備えた反応容器を使用し、図1のようにループ型反応装置を構成し、固体触媒としてニッケルーケイソウ土触媒を使用して、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールの連続還元アミノ化反応を行った。反応原料として、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールの8:2の混合物、溶媒としてイソアミルアルコール及び上記固体触媒を反応容器に仕込み、定常時の反応容器内液状混合物1200kg、触媒濃度1wt%、反応圧力80atm、温度150℃になるように、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールの混合物を217kg/hr、イソアミルアルコールを616kg/hr、液体アンモニアを355kg/hr及び水素を63Nm3 /hrで連続的に供給して反応を行い、反応混合物を線速度5m/秒で140℃に設定した冷却器を通して循環した。
【0026】
濾過器として、内径1cm、高さ10cm、細孔径0.5μmのセラミック製の円筒を直列に10本、並列に10本設置したものを使用した。濾過器からは、イソアミルアルコール52wt%、アンモニア26wt%、H2 O4wt%と、0.05wt%の触媒を含む1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン混合物17wt%からなる清澄な液が20kg/minで得られた。30日間の連続運転を行ったが、安定に運転可能で濾過器の目詰まりは認められなかった。清澄液には、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールは検出されなかった。該清澄液を2m2 のフィルタ−に通してさらに触媒を分離したが、反応系外へ流出した触媒は極めてわずかであった。
【0027】
実施例2
溶媒をブタノールに換え、反応混合物の線速度を2m/秒とする以外は実施例1と同様に実施した結果、実施例1とほぼ同様の結果を得た。
【0028】
実施例3
パドル翼を備えた反応容器を使用し、図2のようにループ型反応装置を構成し、固体触媒としてニッケルーケイソウ土触媒を使用して、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールの連続還元アミノ化反応を行った。反応原料として、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールの8:2の混合物、溶媒としてメタノール及び上記固体触媒を反応容器に仕込み、定常時の反応容器内液状混合物1200kg、触媒濃度1wt%、反応圧力60atm、温度150℃になるように、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールの混合物を217kg/hr、メタノールを616kg/hr、液体アンモニアを355kg/hr及び水素を63Nm3/hrで連続的に供給して反応を行い、反応混合物を線速度5m/秒で140℃に設定した冷却器を通して循環した。
【0029】
濾過器として、内径1cm、高さ10cm、細孔径0.5μmのSUS316製の焼結金属を直列に10本、並列に10本設置したものを使用した。濾過器からは、メタノール52wt%、アンモニア26wt%、H2 O4wt%と、0.05wt%の触媒を含む1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン混合物17wt%からなる清澄な液が20kg/minで得られた。30日間の連続運転を行ったが、安定に運転可能で濾過器の目詰まりは認められなかった。清澄液には、1,9ーノナンジアール及び2ーメチルー1,8ーオクタンジアールは検出されなかった。該清澄液を2m2 のフィルタ−に通してさらに触媒を分離したが、反応系外へ流出した触媒は極めてわずかであった。
【0030】
実施例4
図2に示す2枚のパドル翼を有する撹拌槽を反応容器とし、図2のように構成された反応装置により、濾過器として、内径1cm、高さ10cm、細孔径0.5μmのSUS316製の焼結金属を直列に10本、並列に10本設置したものを使用し、反応混合物の線速度を2m/秒とした以外は実施例1と同様に操作したところ、同様に安定運転可能であった。濾過器からは0.01wt%の触媒を含む清澄な液が得られた。
【0031】
実施例5
実施例1の条件で240時間連続運転し、反応混合物の取出量が運転開始時の30%に低下した時点で濾過器を切り替えた。休止中の濾過器にプランジャーポンプ(IWAKI製CHEMEED PUMP)でイソアミルアルコールを0.1m3/m2・hrの割合で供給した。15分後、該濾過器を反応系に再使用したところ、反応混合物の取出量は運転開始時の取出量の60%以上に回復した。濾過時間と透過速度の回復率の関係を図3に示す。
【0032】
比較例1
線速度を0.5m/秒とする以外は実施例1と同様にして操作したところ、短時間で濾過器が目詰まりした。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、液状原料を懸濁触媒の存在下で加圧反応を行う場合、反応装置内を循環する液状混合物の線速度と濾過器の細孔径を選び、クロスフロー式濾過を行うことにより、濾過器の目詰まりを少なくすることができ、煩雑な触媒分離回収操作を必要とせず、連続的に効率よく反応を実施することができる。また、濾過器に脈動を与えることにより、容易に濾過器を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応方法の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の反応方法の別の例を示すフローチャートである。
【図3】濾過時間と透過速度の回復率の関係を示す運転経過図である。
【符号の説明】
1 液状原料供給ポンプ
2 液状原料供給ライン
3 反応容器
4 エゼクタ
5 ガス供給ライン
6 循環ポンプ
7 加熱器又は冷却器
8 濾過器
9 フィルタ−
10 撹拌機
11 再生用溶媒供給ライン
Claims (7)
- 少なくとも、液状原料供給口及び反応混合物取出口を備えた反応容器、反応混合物を循環するための循環ポンプ並びに濾過器から構成されるループ型反応装置を使用して液状原料を懸濁触媒の存在下に加圧下で反応させる反応方法において、液状原料の1,9−ノナンジアール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアールを、エゼクタを設けた反応容器を使用して反応させ、得られた反応混合物を線速度1〜10m/秒で循環させつつ、細孔径が0.01〜1.0μmの濾過器で反応生成物と懸濁触媒とをクロスフロー式濾過で分離し、反応生成物は系外へ抜き出すことを連続的に行うことを特徴とする反応方法。
- 該濾過器が脈動を与えることにより再生された濾過器である請求項1の反応方法。
- 該反応容器が管状の反応容器である請求項1又は請求項2の反応方法。
- 該濾過器が円筒状の濾過器である請求項1〜3いずれかの反応方法。
- 該濾過器がセラミック製の濾過器である請求項1〜4いずれかの反応方法。
- 該懸濁触媒が貴金属触媒である請求項1〜5いずれかの反応方法。
- 少なくとも、液状原料供給口、反応混合物取出口及びエゼクタを備えた反応容器、反応混合物を循環するための循環ポンプ並びに濾過器から構成され、液状原料の1,9−ノナンジアール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアールを反応させるためのループ型反応装置。
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