JP4117062B2 - 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置の表面の反射率低下に有効な反射防止膜およびその反射防止膜を有する画像表示装置に関する。特に、量産性と優れた反射防止効果を実現する反射防止膜およびそれを配置した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置の普及、大型化や野外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例えば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り込みであり、最表面に反射防止膜を設ける方法が一般的な対処として行われる。しかしながら、この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けられるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、指紋や油脂等の付着防止や易除去性、炎天下や自動車室内のような高温環境下での諸性能の維持などである。
【0003】
従来、可視光の波長域を全てカバーできる性能を有する広波長域/低反射率の反射防止膜としては、金属酸化物等の透明薄膜を積層させた多層膜が用いられてきた。単層膜では単色光に対しては有効であるものの、ある程度の波長域を有する光に対しては有効に反射防止できないのに対し、このような多層膜においては積層数が多いほど広い波長領域で有効な反射防止膜となるためである。そのため、従来の反射防止膜には、物理又は化学蒸着法等の手段によって金属酸化物等を3層以上積層したものが用いられてきた。しかしながら、このような多層蒸着した反射防止膜は、予め最適に設計された各層の屈折率と膜厚との関係に従い、その膜厚を高精度に制御した蒸着を何回も行う必要があり、非常に高コストなものであり、かつ、広い面積の膜を得ることの非常に困難な大量製造適性に乏しいものであった。
【0004】
一方、上述のような多層膜による方法の他に、空気との界面において屈折率が除々に変化する様な膜によって有効な反射防止効果を得る方法が従来知られている。例えば、特開平2−245702号公報には、ガラス基板とMgF2 の中間の屈折率を持つSiO2 超微粒子とMgF2 超微粒子を混合してガラス基板に塗布し、ガラス基板面から塗布膜面に向かって徐々にSiO2 の混合比を減少させてMgF2 の混合比を増加させる事により、塗布面とガラス基板との界面における屈折率変化が緩やかとなり、反射防止効果が得られる事が記載されている。
【0005】
また、特開平5−13021号公報には、エチルシリケート中に分散したMgF2 、SiO2 を有する超微粒子を用いた二層からなる反射防止膜が開示されている。例えば、第一層は、MgF2 /SiO2 が7/3の層で、第二層は、MgF2 /SiO2 が1/1の層で、第一層の屈折率が1.42そして第二層の屈折率が1.44である。従って、屈折率変化は大きいとは言えず、充分な反射防止効果は得られない。
【0006】
更に特開平7−92305号公報には、コア部とその周囲のシェル部からなる屈折率1.428の超微粒子からなり、空気と微粒子とから形成された表面が凹凸の上層部(低屈折率)と、微粒子のみから形成された下層部とからなる反射防止膜が、特開平7−168006号公報には、空気と微粒子(例、MgF2 )とから形成された表面が凹凸の上層部(低屈折率)、微粒子のみの中層部(中屈折率)、及び微粒子とバインダーから形成された下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
【0007】
しかしながら、前記の特開平2−245702号公報、特開平5−13021号公報、特開平7−92305号公報及び特開平7−168006号公報に記載の反射防止膜は、空気に対する屈折率が膜厚方向に徐々に変化する原理を利用したものである。これらの反射防止膜は、その作成に、煩雑な操作と、熟練した技術が必要であり、また得られる膜も満足な反射防止効果が得られていない。
【0008】
また、特公平6−98703号、特開昭63−21601号公報にはアルコキシシラン化合物の加水分解部分縮合物からなる組成物をプラスチック基材表面に塗布して反射光を低減化させる技術が開示されている。
しかしながらこれらの公報に記載の反射防止技術は基材との屈折率差が小さいため十分な反射防止効果を得られず、また、塗布する組成物の経時安定性が不足で、液が数時間で粘度上昇や硬化してしまい、反射防止フィルムを連続塗布で製造するには、適性のないものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗布組成物が経時安定性に優れ、また、大量かつ大面積製造の適性があり、それによって得られた反射防止膜は広範な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以下)を示し、同時に膜強度、耐久性、耐汚れ付着性、耐熱性に優れた反射防止膜を提供することにある。また、その反射防止膜を配置した表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上述の課題は、下記▲1▼により達成された。
▲1▼ 低屈折率層が、(a) 一般式Si(OR1)4(式中R1 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を表す)で表されるアルコキシシランおよび/または(b) 一般式R2Si(OR3)3(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、R3 は前記R1 に同義の基を表す)で表されるオルガノシラン、および/または(c) 一般式R4 2 Si(OR5)2(式中、R4 は前記R2 に同義の基、R5 は前記R1 に同義の基を表す)で表されるオルガノシラン、および(d)下記一般式(A)で表されるシラノール末端ポリシロキサンの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有する組成物を塗設して形成されたものであることを特徴とする反射防止膜。
【0011】
【化3】
【0012】
式中、R6 は前記R2 に同義の基を表し、nは繰り返しを示し、数平均分子量が300〜50000である。
【0013】
本発明における反射防止膜のより好ましい態様は下記▲2▼〜▲4▼であり、また、本発明の反射防止膜を配置した表示装置は下記▲5▼である。
▲2▼ 低屈折率層が、(a) 一般式Si(OR1)4(式中R1 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を表す)で表されるアルコキシシランおよび/または(b) 一般式R2Si(OR3)3(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R3 は前記R1 に同義の基を表す)で表されるオルガノシラン、および/または(c) 一般式R4 2 Si(OR5)2(式中、R4 は前記R2 に同義の基、R5 は前記R1 に同義の基を表す)で表されるオルガノシランおよび/または(e) 末端あるいは側鎖に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニルポリマー、および(d)下記一般式(A)で表されるシラノール末端ポリシロキサンの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有する組成物を塗設して形成されたものであることを特徴とする反射防止膜。
【0014】
【化4】
【0015】
式中、 R6 は前記R2 に同義の基を表し、nは繰り返しを示し、数平均分子量が300〜50000である。
▲3▼ 該低屈折率層(1) とそれに隣接して屈折率が1.7以上である高屈折率層(2)からなることを特徴とする▲1▼または▲2▼に記載の反射防止膜。
▲4▼ 該高屈折率層(2) に隣接し、低屈折率層(1) の反対側に層(3) を有し、更に屈折率が1.6以下の層(4) を有するものであって、層(3) が層(4) の屈折率と高屈折率層(2) の屈折率の中間の屈折率を有することを特徴とする▲1▼乃至▲3▼に記載の反射防止膜。
▲5▼ ▲1▼乃至▲4▼に記載の反射防止膜を配置したことを特徴とする表示装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記▲1▼に記載した通りオルガノシランの加水分解/部分縮合物から形成された組成物を低屈折率層の塗設することに特徴がある。
本発明の構成要件を詳細に説明する。
【0017】
〔オルガノシラン〕
オルガノシランは分子内に少なくとも1つの加水分解によりシラノールを与えることのできる官能基を有するシラン化合物を表し、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組成物中における結合剤としての働きをするものである。
一般的には式(R9 )4Siで表される化合物である。式中、R9 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基、炭素数1〜5のアルコキシル基または炭素数1〜4のオキシアシル基、ハロゲン原子を表す。1分子中の4個のR9 はこの定義の範疇であれば互いに同じであっても異なっていても良く、自由に組み合わせて選択することができるが、4つが同時に炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基になることはない。
【0018】
R9 の具体例は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、 CF3- 、CF3CH2CH2 - 、CF3CH2CH2CH2- 、C2F5CH2CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH2-、C2F5CH2CH2- 、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH2- 、C3F7OCH2CH2CH2- 、(CF3)2CHOCH2CH2CH2- 、C4F9CH2OCH2CH2CH2-、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2- 、H(CF2)4CH2CH2CH2- 、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが挙げられる。炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数1〜4のオキシアシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert−ブトキシ基、アセトキシ基、ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを挙げられる。
【0019】
これらのオルガノシランの具体例としては、以下で説明する(a) 〜(c) 成分のものを挙げることができる。
〔(a) 成分〕
(a) 成分は、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランであり、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組成物中における結合剤としての働きをするものである。かかるアルコキシシラン中のR1 は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。
【0020】
これらのアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラ(n)プロポキシシラン、テトラ(i)プロポキシシラン、テトラ(n)ブトキシシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げることができ、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n)プロポキシシラン、テトラ(i)プロポキシシラン、テトラアセトキシシランが好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシランが特に好ましい。上記アルコキシシランは1種単独でも、その2種以上を併用しても良い。
【0021】
〔(b) 成分〕
(b) 成分は、一般式R2Si(OR3)3で表されるオルガノシランであり、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組成物中における結合剤としての働きをするものである。かかるオルガノシラン中のR2 は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、CF3-、CF3CH2- 、CF3CH2CH2-、CF3CH2CH2CH2- 、C2F5CH2CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH2-、C2F5CH2CH2- 、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH2- 、C3F7OCH2CH2CH2- 、(CF3)2CHOCH2CH2CH2- 、C4F9CH2OCH2CH2CH2-、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2- 、H(CF2)4CH2CH2CH2- 、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが挙げられる。また、オルガノシラン中のR3 は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。
【0022】
これらのオルガノシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2Si(OCH3)3、CF3CH2CH2CH2Si(OCH3)3 、C2F5CH2CH2CH2Si(OCH3)3 、C2F5CH2CH2Si(OCH3)3 、C3F7CH2CH2CH2Si(OCH3)3、C2F5OCH2CH2CH2Si(OCH3)3 、C3F7OCH2CH2CH2Si(OC2H5)3、(CF3)2CHOCH2CH2CH2Si(OCH3)3 、C4F9CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3、H(CF2)4 CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルシラン等を挙げることができる。
【0023】
このうち、フッ素原子を有するオルガノシランが好ましい。また、R2 としてはフッ素原子を含まないオルガノシランを用いる場合、メチルトリメトキシシランまたはメチルトリエトキシシランを用いる事が好ましい。上記のオルガノシランは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用する事もできる。
【0024】
〔(c) 成分〕
(c) 成分は、一般式R4 2Si(OR5)2 (式中、R4 およびR5 は前記(b) 成分に使用されるオルガノシランで定義されたR2 およびR3 と同義)で表されるジオルガノシランである。ただし、R4 およびR5 は(b) 成分と同じ置換基でなくてもよい。本発明の組成物中では加水分解、縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物となり、組成物中における結合剤としての働きをするとともに、塗膜を柔軟化し耐アルカリ性を向上させるものである。
【0025】
これらのジオルガノシランの具体例は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、(CF3CH2CH2)2Si(OCH3)2 、(CF3CH2CH2CH2)2Si(OCH3)2、(C3F7OCH2CH2CH2)2Si(OCH3)2、(H(CF2)6CH2OCH2CH2CH2)2Si(OCH3)2 、(C2F5CH2CH2)2Si(OCH3)2などを挙げる事ができ、好ましくはフッ素原子を有するオルガノシランである。またR4 としてフッ素原子有さないオルガノシランを用いる場合には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
このようなR4 2Si(OR5)2 で表されるオルガノシランは、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用することもできる。
(c) 成分の本発明の組成物中における割合は、(a) 及び(b) 成分に対して0〜150重量%、好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜60重量%であり、150重量%を超えると得られる塗膜の密着性、硬化性が低下する。
【0026】
〔(d)成分〕
(d) 成分は、下記一般式(A)で表されるシラノール末端ポリシロキサンであり、クロルシランの加水分解を化学的に制御するか、あるいは環状シロキサンを加圧下に水と平衡重合させるなど方法により合成することができる。また、いくつかの種類は、Gelest社などから購入することができる。
【0027】
【化5】
【0028】
式中、R6は前記R2 に同義の基を表し、nは繰り返しを表す。かかるシラノール末端ポリシロキサン中のR6は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基などのアルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、CF3-、CF3CH2- 、CF3CH2CH2-、CF3CH2CH2CH2- 、C2F5CH2CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH2-、C2F5CH2CH2- 、H(CF2)4CH2CH2CH2- 、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基などが挙げられる。
【0029】
このうち、フッ素原子を有するシラノール末端ポリシロキサンが好ましい。また、 R6 としてフッ素原子を有さない場合、メチル基またはエチル基を用いたシラノール末端ポリシロキサンが好ましい。
このシラノール末端ポリシロキサンの数平均分子量は、好ましくは300〜50000、さらに好ましくは400〜25000である。平均分子量がこの範囲より小さいと本発明の組成物から得られる低屈折率層の反射防止性能が減少し、平均分子量がこの範囲より大きいと得られる膜硬度が低下する。
【0030】
これらのシラノール末端ポリシロキサンの具体例としては、次のものがあげられる。
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
上記のシラノール末端ポリシロキサンは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用する事もできる。(d) 成分の本発明の組成物中における割合は、(a) 、(b)、(c)および(e) 成分(同時に(a)、(b)、(c)、(e)は0となることはない)に対して1〜50重量%、好ましくは2〜25重量%、さらに好ましくは5〜20重量%であり、50重量%を超えると得られる塗膜の密着性、硬化性が低下する。
【0036】
〔(e) シリル基含有ビニルポリマー〕
(e) シリル基含有ビニルポリマーは、主鎖がビニル系重合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般式
【0037】
【化10】
【0038】
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基および/または水酸基、R10は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアラルキル基、aは1〜3の整数である)で表される。
【0039】
(e) シリル基含有ビニルポリマーは、(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニルポリマーと反応させることにより製造してもよく、また(ロ)下記一般式
【0040】
【化11】
【0041】
(ただし、X、R10、aは前記に同じ、R11は重合性二重結合を有する有機基である)で表されるシラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合することにより製造してもよく、その製造方法は限定されるものではない。
【0042】
ここで、前記(イ)で示される製造方法で使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチルジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリアミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0043】
また、(イ)で示される製造方法で使用されるビニルポリマーとしては、水酸基を含むビニルポリマーを除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
などから選ばれるビニル系化合物をアリルメタクリレートのような側鎖に二重結合を有するモノマーと共重合したビニルポリマーが好ましく、共重合モノマーとして含フッ素モノマーを少くとも1種用いたものが特に好ましい。
【0048】
一方、(ロ)で示される製造方法で使用されるシラン化合物としては、次のものが挙げられる。
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
また、(ロ)で示される製造方法で使用されるビニル系化合物としては、前記(イ)の製造方法でビニルポリマーの重合時に用いられるビニル系化合物を使用することが可能であるが、かかる(イ)の製造方法に記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙げることもできる。また、含フッ素モノマーを1種用いたものが特に好ましい。
【0052】
以上のようなシリル基含有ビニルポリマーの好ましい具体例としては、例えば下記一般式
【0053】
【化17】
【0054】
(式中、R12、R14は水素原子、フッ素原子またはメチル基、R13は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、アリル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンテル、n−ヘキシル、ベンジル、(CF3)2CH- 、CF3CH2- 、C7F15CH2- 、C2F15CH2CH2-、等の(a) 成分で説明したフッ素原子を含むアルキル基)を表し、R15はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R16はR13と同様であり、m/(l+m)=0.01〜0.4、好ましくは0.02〜0.2である)で表されるトリアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げることができる。このシリル基含有ビニルポリマーの数平均分子量は、好ましくは2,000 〜100,000 、さらに好ましくは4,000 〜50,000である。
【0055】
以上のような本発明に使用される(e) シリル基含有ビニルポリマーの具体例としては、鐘淵化学工業(株)製、カネカゼムラックや下記のポリマーを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
P−1:メチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(90/10:重量比)
P−2:n−ブチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(85/15:重量比)
P−3:メチルメタクリレート/γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(80/20:重量比)
P−4:メチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(70/30:重量比)
P−5:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50/35/15:重量比)
【0057】
P−6:エチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(80/20:重量比)
P−7:n−ブチルメタクリレート/スチレン/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50/35/15:重量比)
P−8:メチルメタクリレート/シクロヘキシルアクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(40/45/15:重量比)
P−9:メチルメタクリレート/メチルアクリレート/γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(40/40/20:重量比)
P−10:メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/ビニルトリメトキシシラン(60/30/10:重量比)
【0058】
P−11:FM-1/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(85/15:重量比)
P−12:FM-4/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(85/15:重量比)
P−13:FM-2/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(85/15:重量比)
P−14:FM-4/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(70/30:重量比)
P−15:FM-4/FM-7/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(30/55/15:重量比)
【0059】
P−16:FM-2/FM-4/γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(30/50/20:重量比)
P−17:FM-3/FM-4/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(25/60/15:重量比)
P−18:FM-9/メチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(60/25/15:重量比)
P−19:FM-7/メチルメタクリレート/γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(40/45/15:重量比)
P−20:FM-4/メチルメタクリレート/ビニルトリメトキシシラン(65/20/15:重量比)
【0060】
(e)成分の本発明の組成物中の割合は、(a)、(b)または(c)成分の総和に対して、0〜100重量%、好ましくは2〜80重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。(e)が2重量%未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性が低く、一方100重量%を越えると、得られる塗膜の耐久性の悪化を招く。
【0061】
本発明の低屈折率層は上述の方法で調製した有機珪素を主成分とする網目高分子構造により形成されている。この網目構造を構築する主成分(モノマー)は上述の(a) 〜(e) の化合物である。これら有機珪素モノマー化合物の本発明における好ましい組み合わせについて下記および実施例に例示する。混合比はゾル液調製時に使用した各化合物の重量(g) を示す。
【0062】
SP−1:メチルトリメトキシシラン 10g、ジメチルジメトキシシラン 5g、AA−1 2.5g、P−12 2.5g
SP−2:メチルトリメトキシシラン 12g、ジメチルジエトキシシラン 8g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 4g、AA−22g、P−12 3g
SP−3:テトラエトキシシラン 15g、3,3,3−トリフルオロブチルトリエトキシシラン 15g、AA−4 1g
SP−4:テトラエトキシシラン 10g、ジメチルジメトキシシラン 5g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン 10g、AA−8 0.5g、P−12 1.5g
SP−5:メチルトリメトキシシラン 10g、ジメチルジメトキシシラン 5g、3−パーフルオロエトキシプロピルトリメトキシシラン 5g、AA−111.5g、P−5 2.5g
SP−6:テトラエトキシシラン 10g、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジエトキシシラン 5g、AA−13 2g、P−7 3g
SP−7:テトラエトキシシラン 5g、メチルトリメトキシシラン 10g、ジメチルジメトキシシラン 5g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 12g、AA−19 3g
SP−8:シクロヘキシルトリメトキシシラン 18g、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン 12g、テトラエトキシシラン 15g、AA−20 5g
SP−9:テトラエトキシシラン 12g、ジメチルジクロロシラン 10g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン 15g、AA−1 1.0g
SP−10:メチルトリエトキシシラン 12g、ジメチルジメトキシシラン 5g、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン 5g、AA−1 5.5g、P−8 4.5g
【0063】
本発明の組成物に用いられる硬化反応促進化合物としては特に制限はなく、用いた組成物の構成成分に応じて縮合反応を促進可能な成分を有するものであれば好適に用いることができる。
一般的に有効なのは下記(f) 〜(i) の化合物群であり、これらの中から好ましい化合物を必要量添加することができる。また、これらの群の中から2種以上をお互いの促進効果が阻害されない範囲内で適宜選択して併用することができる。なお、硬化促進化合物はオルガノシランに対して0.1〜20重量%用いることが好ましい。
【0064】
〔(f) 成分〕
(f) の無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シアノ酢酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、リン酸・ホスホン酸類(リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(リンモリブデン酸、リンタングステン酸など)を挙げることができる。
【0065】
〔(g) 成分〕
(g) の無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物としてはアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)、金属アルコキサイド(ナトリウムメチラート、カリウムエチラートなど)を挙げることができる。
【0066】
〔(h) 成分〕
(h) の金属キレート化合物は、一般式R17OH(式中、R17は炭素数1〜6のアルキル基を示す)、で表されるアルコールとR18COCH2 COR19(式中、R18は炭素数1〜6のアルキル基、R19は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示す)で表されるジケトンを配位子とした、遷移金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。
本発明の(h) 金属キレート化合物として特に好ましいものは中心金属にAl、Ti、Zrを有するものであり、一般式 Zr(OR17) p1(R18COCHCOR19)p2、Ti (OR17) q1(R18COCHCOR19)q2および Al(OR17) r1(R18COCHCOR19)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記(a) 〜(d) 成分と(e) シリル基含有ビニル系樹脂との縮合反応を促進する作用をなす。
【0067】
(h) 金属キレート化合物中のR17およびR18は、同一または異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R19は、前記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基などである。また、(h) 金属キレート化合物中のp1 〜r2 は4あるいは6座配位となるように決定される整数を表す。
【0068】
これらの(h) 金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。これらの(h) 金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの(h) 金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、(h) 成分としては、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
【0069】
(h) 金属キレート化合物の組成物中の割合は、ゾル液の原料であるオルガノシランに対し、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
【0070】
〔(i) 成分〕
(i) の好ましい有機金属化合物としては特に制限はないが有機遷移金属が活性が高く、好ましい。中でもスズの化合物は安定性と活性が良く特に好ましい。これらの具体的化合物例としては、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2 、(C8H17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC8H17)2 、Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン酸型有機スズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C8H17)2Sn(SCH2CH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、
【0071】
【化18】
【0072】
などのメルカプチド型有機スズ化合物
【0073】
【化19】
【0074】
などのスルフィド型有機スズ化合物
【0075】
(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnO 、または(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnO などの有機スズオキサイドとエチルシリケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化合物などを挙げることができる。
【0076】
〔(j) 成分〕
(j) の金属塩類としては有機酸のアルカリ金属塩(例えばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
【0077】
本発明の組成物には上記成分の外に必要に応じて種々の化合物を添加して使用することができる。
以下に主な併用素材を挙げて説明する。
【0078】
〔A:溶媒〕
溶媒はゾル液中の(a) 〜(e)成分および硬化反応促進化合物(f) 〜(j)成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分調整をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を向上させるものである。これらの溶媒は上記目的の果たせるものであれば特に限定されない。
これらの溶媒の好ましい例として、例えば水、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等が好適である。
【0079】
このうち、アルコール類としては、例えば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
【0080】
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。有機溶媒の組成物中の割合は特に限定されるものではなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が用いられる。
【0081】
〔B:キレート配位子化合物〕
本発明の組成物に(h)金属錯体化合物を用いる場合、硬化反応速度の調節や液安定性向上の観点でキレート配位能のある化合物を用いることも好ましい。好ましく用いられるものとしては一般式R18COCH2COR1 9 で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類であり、本発明の組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、前記促進液中に存在する(g) 金属キレート化合物(好ましくはジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物による(a) 〜(e) 成分の縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる膜の硬化速度をコントロールするものと考えられる。R18およびR19は、前記(h) 金属キレート化合物を構成するR18およびR19と同義であるが、使用に際して同一構造である必要はない。
【0082】
このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。かかるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、(h) 金属キレート化合物1モルに対し2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
【0083】
〔C:水〕
本発明の好ましいゾル液には、前記(a) 〜(e) 成分を主成分した混合物の加水分解・縮合用として水を添加する。水の使用量は、(a) 〜(e) 成分1モルに対し、通常、1.2〜3.0モル、好ましくは1.3〜2.0モル、程度である。
本発明の好ましいゾル液及び促進液は、その全固形分濃度が、0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%であり、50重量%を超えると、組成物の保存安定性が悪化して好ましくない。
【0084】
〔D:充填剤〕
本発明のゾル液には、得られる塗膜の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加することも可能である。このコロイド状シリカとしては、水分散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピルアルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げることができる。
【0085】
本発明の組成物には、得られる塗膜の着色、凹凸性の付与、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、上記コロイド状シリカの他に充填材を添加・分散させることも可能である。この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑上、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
【0086】
これらの充填材の平均粒径または平均長さは、通常、5〜500nm、好ましくは10〜200nmである。充填材を用いる場合の組成物中の割合は、(a) 〜(e) 成分の全固形分100重量部に対し、10〜300重量部程度である。
【0087】
〔E:その他の添加物〕
本発明のゾル液及び促進液には、そのほかオルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加することもできる。
【0088】
さらに、本発明のゾル液中には、前記溶媒以外の溶剤を含有させることができ、かかる溶剤としては、前記(a) 〜(e) 成分を混合した際に、沈澱を生起しない溶剤であればどのようなものでもよく、一般の塗料、コーティング剤などに用いられる脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類などを挙げることができ、この具体例としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミルなどである。これらの有機溶剤は、本発明の組成物100重量部に対し、通常、100重量部以下程度使用される。
【0089】
本発明のゾル液を調製するに際しては、まず前記(a) 〜(e) 成分を含有する組成物を調製し、これに水を添加して加水分解する方法であれば如何なる方法でもよい。この時必要に応じて加水分解を促進するために触媒を用いても良い。用いる触媒の量は、液の経時安定性を損なわない範囲であれば特に制限はない。
例えば下記▲1▼〜▲3▼の調製方法が好ましい。
▲1▼ (a)〜(e) 成分と溶媒及び加水分解触媒からなる溶液に、オルガノシラン類1モルに対し0.2〜3モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行う方法。
【0090】
▲2▼ (a)〜(d) 成分と溶媒からなる溶液に、オルガノシラン類1モルに対し0.2〜3モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(e) シリル基含有ビニルポリマーと加水分解触媒を添加する方法。
▲3▼ (a)〜(d) 成分と溶媒及び加水分解触媒からなる溶液に、オルガノシラン類1モルに対し0.2〜3モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(e) シリル基含有ビニルポリマーを加えて混合し、さらに縮合反応を行なう方法。
【0091】
本発明のゾル液及び促進液をカーテンフローコート、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の塗布法によって、透明フィルムあるいは高または中屈折率層等に塗布し、常温での乾燥、あるいは30〜200℃程度の温度で1分〜100時間程度加熱することにより、低屈折率層は形成される。
【0092】
同時重層塗布をする場合には多段の吐出口を有するスライドギーサー上で下層塗布液と上層塗布液のそれぞれが必要な塗布量になる様に吐出流量を調整し、形成した多層流を連続的に支持体に乗せ、乾燥させる方法(同時重層法)が特に好ましい。
【0093】
本発明の反射防止膜は、上記の方法で組成物を塗設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも高い屈折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、2層以上の層より構成されることが好ましい。低屈折率層の屈折率は1.45以下が好ましく、特に1.40以下が好ましい。高屈折率層の屈折率は1.7以上が好ましく、特に1.75以上が好ましい。また、これらの層が支持体、好ましくは透明フィルム上に塗設されていることが好ましい。
【0094】
また、本発明の反射防止膜は、上記の方法で組成物を塗設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも高い屈折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、高屈折率層(2) に隣接し、低屈折率層(1) の反対側に中屈折率層(3) が、さらに層(4) (支持体下塗など)の屈折率と高屈折率層の屈折率の中間の屈折率を有する中屈折率層の上に高屈折率層が形成された4層より構成されることが特に好ましい。低屈折率層に隣接する高屈折率層の屈折率として、1.7以上が好ましく、特に1.75以上が好ましい。また、これらの層が支持体、好ましくは透明フィルム上に塗設されていることが好ましい。
【0095】
それぞれの層の膜厚は、層(1) が50〜200nm、層(2) が50〜200nm、層(3) が50〜200nm、層(4) が1μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは層(1) が60〜150nm、層(2) が50〜150nm、層(3) が60〜150nm、層(4) が5〜20μm、特に好ましくは層(1) が60〜120nm、層(2) が50〜100nm、層(3) が60〜120nm、層(4) が5〜10μmである。
層(4) は屈折率が1.60以下であることが好ましく、層(3) は層(2) と層(4) の中間の屈折率が好ましい。
【0096】
本発明の反射防止膜の代表例を図1に示す。高屈折率層12が透明フィルム(支持体)13上に形成され、さらに低屈折率層11が高屈折率層12上に形成されている。反射防止膜を構成する層数の増加は、通常反射防止膜が適用可能な光の波長範囲を拡大する。これは、金属化合物を用いる従来の多層膜の形成原理に基づくものである。
【0097】
上記二層を有する反射防止膜では、高屈折率層12及び低屈折率層11がそれぞれ下記の条件(1) 及び(2) を一般に満足する。
mλ/4×0.7<n1 d1 < mλ/4×1.3 (1)
nλ/4×0.7<n2 d2 < nλ/4×1.3 (2)
上記式に於て、mは正の整数(一般に、1、2又は3)を表し、n1 は高屈折率層の屈折率を表し、d1 は高屈折率層の層厚(nm)を表し、nは正の奇数(一般に、1)を表し、n2 は低屈折率層の屈折率を表し、そしてd2 は低屈折率層の層厚(nm)を表す。
高屈折率層の屈折率n1 は、一般に透明フィルムより少なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率n2 は、一般に高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈折率n1 は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
上記条件(1) 及び(2) は、従来から良く知られた条件であり、例えば、特開昭59−50401号公報に記載されている。
【0098】
本発明の反射防止膜の他の代表例を図2に示す。下塗層20と中屈折率層22が透明フィルム(支持体)23上に形成され、高屈折率層24が中屈折層22上に形成され、さらに低屈折率層21が高屈折率層24上に形成されている。中屈折層率22の屈折率は、高屈折率層24と下塗層20との間の値を有する。図2の反射防止膜は、図1の反射防止膜に比較して、更に適用可能な光の波長領域が拡がっている。
【0099】
三層を有する反射防止膜の場合、中、高及び低屈折率層がそれぞれ下記の条件(3) 〜(5) を一般に満足する。
hλ/4×0.7<n3 d3 <hλ/4×1.3 (3)
kλ/4×0.7<n4 d4 <kλ/4×1.3 (4)
jλ/4×0.7<n5 d5 <jλ/4×1.3 (5)
上記式に於て、hは正の整数(一般に、1、2又は3)を表し、n3 は中屈折率層の屈折率を表し、d3 は中屈折率層の層厚(nm)を表し、kは正の整数(一般に、1、2又は3)を表し、n4 は高屈折率層の屈折率を表し、d4 は高屈折率層の層厚(nm)を表し、jは正の奇数(一般に、1)を表し、n5 は低屈折率層の屈折率を表し、そしてd5 は低屈折率層の層厚(nm)を表す。
中屈折率層の屈折率n3 は、一般に1.5〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率n4 は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
【0100】
本発明の反射防止膜は、一般に、支持体とその上に設けられた低屈折率層からなる。支持体は通常、透明フィルムである。透明フィルムを形成する材料としては、セルロース誘導体(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース及びニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート(例、米国特許第3,023,101号に記載のもの)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボキシレート及び特公昭48−40414号公報に記載のポリエステル)、ポリスチレン、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド及びポリオキシエチレンを挙げることができる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレートが好ましい。
透明フィルムの屈折率は1.40〜1.60が好ましい。
【0101】
本発明の反射防止膜が、多層膜である場合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率層、中屈折率層)と共に用いられる。
上記より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性樹脂(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);熱硬化性樹脂組成物(例、メラミン樹脂、フェノール樹脂、〜エポキシ樹脂などを硬化剤とする樹脂組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式〜は芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性樹脂またはプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。
上記より高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。
上記に使用される有機材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率のものも用いることができる。そのような材料として、上記に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、繊維素系重合体、ウレタン樹脂およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
【0102】
さらに有機置換されたケイ素系化合物をこれに含めることができる。これらのケイ素系化合物は下記一般式で表される化合物、あるいはその加水分解生成物である。:
R51mR52 n SiZ(4-m-n)
(ここでR51及びR52は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイル〜シアノで置換された炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子〜アシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1または2である条件下で、m及びnはそれぞれ0、1または2である。)
【0103】
これらに分散される無機系微粒子の好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち粉末〜は水および/またはその他の溶媒中へのコロイド状分散体として、市販されている。これらをさらに上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して使用する。
【0104】
上記より高い屈折率を有する層を形成する材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)、活性無機ポリマー)を挙げることができる。
これらの好適な例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには炭素ジルコニルアンモニウムあるいはジルコニウムを主成分とする活性無機ポリマーなどを挙げることができる。上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイド状に分散したシリカゲルも使用することができる。
【0105】
本発明の反射防止膜は、表面にアンチグレア機能(即ち、入射光を表面で散乱させて膜周囲の景色が膜表面に移るのを防止する機能)を有するように処理することができる。例えば、このような機能を有する反射防止膜は、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成し、そしてその表面に反射防止膜(例、低屈折率層等)を形成することにより得られる。上記微細な凹凸の形成は、例えば、無機又は有機の微粒子を含む層を透明フィルム表面に形成することにより行なわれる。50nm〜2μm の粒径を有する微粒子を低屈折率層形成塗布液に、0.1〜50重量%の量で導入し、反射防止膜の最上層に凹凸を形成しても良い。アンチグレア機能を有する(即ち、アンチグレア処理された)反射防止膜は、一般に3〜30%のヘイズを有する。
【0106】
本発明の反射防止膜(アンチグレア機能を有する反射防止膜が好ましい)は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エクレトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)等の画像表示装置に組み込むことができる。このような反射防止膜を有する画像表示装置は、入射光の反射が防止され、視認性が格段に向上する。
本発明の反射防止膜を備えた液晶表示装置(LCD)は、たとえば、下記の構成を有する。
透明電極を有する一対の基板とその間に封入されたネマチック液晶からなる液晶セル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が表面に本発明の反射防止膜を備えている液晶表示装置。
【0107】
本発明においては、中間層としてハードコート層、防湿防止層、帯電防止層等を、透明フィルム上に設けることもできる。ハードコート層としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー及び/又はオリゴマー及びモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)の他に、シリカ系の材料も使用することができる。
【0108】
【実施例】
以下に実施例を挙げ本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
【0109】
(1) シリル基含有ビニル系樹脂(P−12)の調製
還流冷却器、攪拌機を装着した1リットル三ツ口フラスコに、フッ素モノマーFM−4を30.6g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.4gを入れ、窒素気流下70℃に加熱攪拌した。2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)よりV−65の名称で市販)4.8gをメチルエチルケトン25mlに溶解した溶液を添加すると同時に、275.4gのFM−4、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン48.6gに19.2gのV−65を溶解した溶液の滴下を開始し、等速で6時間かけて滴下した。滴下終了後、4.8gのV−65と25mlのメチルエチルケトン溶液を加え、80℃でさらに4時間加熱攪拌を行ったのちメチルエチルケトン280mlを加え、冷却する事により標記P−12の溶液635gを得た。固形分含量は54.4%、得られたポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量は9600であった。
【0110】
(2) 低屈折率層用ゾル液の調製
攪拌機を備えた反応器に(b) メチルトリメトキシシラン100g、(c) ジメチルジメトキシシラン50g、(d) AA−1 5g、(f) 0.01N 塩酸エタノール50gを加え混合し、25℃で48時間反応させ、低屈折率層用ゾル液SAを得た。必要に応じて(a) テトラエトキシシランを用いて同様の反応を行ない、表1に示すゾル液SB〜SH、SX、SYを得た。また、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に(b) メチルトリメトキシシラン100g、(c) ジメチルジメトキシシラン50g、(d) AA−1 10g、(e) シリル基含有ポリマー P−1250g、(f)アルミニウムジイソプロポキシアセトアセテート20g、メチルエチルケトン30g、水10gを加え、60℃で4分間反応させたのち、室温まで冷却し、低屈折率層用ゾル液PAを得た。必要に応じて(a) テトラエトキシシランを用いて同様の反応を行ない、表2に示すゾル液PB〜PH、PX、PYを得た。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
(3) 第1層(ハードコート層)の塗設
25重量部のジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)、25重量部のウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)、2重量部の光重合開始剤(商品名:イルガキュアー907、チバ−ガイギー社製)及び0.5重量部の増感剤(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)を50重量部のメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、90μm の厚みを有するTACフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、次いで塗布膜に紫外線照射してハードコート層(屈折率:1.53、層厚:5μm )を形成した。
【0114】
(4) 第2層(中屈折率層)の塗設
TiO2 の微分散液とバインダーとしてポリメチルメタクリレート(屈折率:1.48)を含む塗布液(固形分:2重量%、TiO2 /バインダー=22/78、重量比)を、ハードコート層の上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で乾燥して、中屈折率層(屈折率:1.62、層厚:78nm)を形成した。
(5) 第3層(高屈折率層)の塗設
TiO2 の微分散液と上記バインダーを含む塗布液(固形分:2重量%、TiO2 /バインダー=68/32、重量比)を、中屈折率層の上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で乾燥して、高屈折率層(屈折率:2.00、層厚:127nm)を形成した。
【0115】
(6) 第4層(低屈折率層)の塗設
上記の表1および表2の組成物を高屈折率層の上に膜厚94nmとなる様にワイヤーバーを用いて塗布し、120℃、5分間乾燥して低屈折率層を形成した。層の屈折率は1.3〜1.5の範囲であった。
【0116】
(7) 塗設フィルムの性能評価
こうして得られた第1〜4層を塗設したフィルムについて、表面反射率(光波長400〜650nmの平均反射率)および膜表面強度の測定を実施した。膜表面強度は、手指先、ティッシュ、消しゴム、手指爪先でそれぞれこすり、目視観察し、手指先こすりで傷付くものを0、ティッシュでこすり傷付くものを1、消しゴムこすりで傷付くものを2、手指爪先こすりで傷付くものを3、どの方法でも傷が認められないものを4とした。結果を表3に示した。
【0117】
【表3】
【0118】
本実施例から明らかなように、本発明の反射防止膜は非常に低い表面反射率と広い波長領域を有し、かつ十分に強靱な膜強度を有していることがわかる。また、指紋跡もティッシュふき取りで容易に消す事ができ耐汚れ付着性も良好であった。一方、比較例では表面反射率あるいは膜強度が不十分のものが多かった。
【0119】
(8) (反射防止フィルムを設置した表示装置の作成)
上記実施例で作成した実施例1〜14、比較例1、4の反射防止フィルムを日本電気株式会社より入手したパーソナルコンピューターPC9821NS/340Wの液晶ディスプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成し、その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評価した。
本発明の実施例1〜14の反射防止フィルムを設置した表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視認性を示しかつ充分な表面強度を有するものであったのに対し、比較例1,4のフィルムを設置した表示装置は周囲の映り込みが多く、視認性が劣るものであった。
【0120】
【発明の効果】
本発明では、シラノール末端ポリシロキサン、アルコシキシランおよび/または有機ポリマーの縮重合反応により得られた組成物を塗布して低屈折率層を作成し、さらにその直下層の屈折率を1.7以上とすることにより、良好な光学特性、膜強度に優れた大面積の反射防止膜を安価にかつ製造適性を有した形で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜の代表的な一例の断面図を示す。
【図2】本発明の反射防止膜の代表的な別の一例の断面図を示す。
【符号の説明】
11、21:低屈折率層
12、24:高屈折率層
22:中屈折率層
13、23:透明フィルム
20:下塗り層
Claims (11)
- 前記組成物が、さらに下記 (a) 、 (b) および (c) のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
(a) 一般式 Si(OR 1 ) 4 (式中R 1 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を表す)で表されるアルコキシシラン
(b) 一般式 R 2 Si(OR 3 ) 3 (式中、R 2 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R 3 は前記R 1 に同義の基を表す)で表されるオルガノシラン
(c) 一般式 R 4 2 Si(OR 5 ) 2 (式中、R 4 は前記R 2 に同義の基、R 5 は前記R 1 に同義の基を表す)で表されるオルガノシラン - 前記一般式 (A) における R 6 が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、 CF 3 - 、 CF 3 CH 2 - 、 CF 3 CH 2 CH 2 - 、 CF 3 CH 2 CH 2 CH 2 - 、 C 2 F 5 CH 2 CH 2 CH 2 - 、 C 3 F 7 CH 2 CH 2 CH 2 - 、 C 2 F 5 CH 2 CH 2 - 、 H(CF 2 ) 4 CH 2 CH 2 CH 2 - 、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基から選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜。
- 前記ビニル化合物が、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、またはフマル酸の酸無水物、無水マレイン酸;
グリシジル(メタ)アクリレート;
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテル;
(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド 、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド;
アクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン
から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の反射防止膜。 - 前記一般式で表されるポリマーにおけるR 13 が、メチル、エチル、n−プロピル、アリル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンテル、n−ヘキシル、ベンジル、 (CF 3 ) 2 CH- 、 CF 3 CH 2 - 、 C 7 F 15 CH 2 - 、 C 2 F 5 CH 2 CH 2 - から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の反射防止膜。
- シリル基含有ビニルポリマーの数平均分子量が 2,000 〜 100,000 であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止膜。
- 該低屈折率層 (1) とそれに隣接して屈折率が1.7以上である高屈折率層 (2) からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止膜。
- 該高屈折率層 (2) に隣接し、低屈折率層 (1) の反対側に層 (3) を有し、更に屈折率が1.6以下の層 (4) を有するものであって、層 (3) が層 (4) の屈折率と高屈折率層 (2) の屈折率の中間の屈折率を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止膜。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止膜を有することを特徴とする表示装置。
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