JP4069463B2 - ターボ過給形内燃機関、この構成部品である排気逃がし弁の制御方法及び制御システム - Google Patents
ターボ過給形内燃機関、この構成部品である排気逃がし弁の制御方法及び制御システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4069463B2 JP4069463B2 JP23854497A JP23854497A JP4069463B2 JP 4069463 B2 JP4069463 B2 JP 4069463B2 JP 23854497 A JP23854497 A JP 23854497A JP 23854497 A JP23854497 A JP 23854497A JP 4069463 B2 JP4069463 B2 JP 4069463B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- throttle valve
- internal combustion
- pressure
- load
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B37/00—Engines characterised by provision of pumps driven at least for part of the time by exhaust
- F02B37/12—Control of the pumps
- F02B37/18—Control of the pumps by bypassing exhaust from the inlet to the outlet of turbine or to the atmosphere
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/0002—Controlling intake air
- F02D41/0007—Controlling intake air for control of turbo-charged or super-charged engines
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/32—Controlling fuel injection of the low pressure type
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2250/00—Engine control related to specific problems or objectives
- F02D2250/18—Control of the engine output torque
- F02D2250/22—Control of the engine output torque by keeping a torque reserve, i.e. with temporarily reduced drive train or engine efficiency
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Supercharger (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
- Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
- Fluid-Driven Valves (AREA)
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボ過給形内燃機関、及びこの電子制御形排気逃がし弁の制御に関し、より詳しくは、エンジン負荷が変動するときの負荷受容能力(load acceptance)を改善しかつエンジン負荷が比較的一定であるときのエンジン効率を最適化するための、ターボ過給形内燃機関、これの排気逃がし弁の制御装置、及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明は、主として、天然ガスを燃料とし、長期間作動することを意図しかつ数千馬力を発生する大形内燃機関に関する。これらの大形エンジンは、一般に、発電、天然ガスおよび石油のポンピング、または沖合さく井作業等に使用される。
【0003】
本発明は、排気逃がし弁を備えたターボ過給形内燃機関に適用される。
【0004】
図1および図2は、当業界で知られた態様で制御されるターボ過給機12および排気逃がし弁14を備えた大形の産業用内燃機関システムの2つの例を概略的に示すものである。より詳しくは、図1は、最大ブーストレギュレータとしても知られている標準形排気逃がし弁制御装置を備えたシステムを示し、図2は、固定ΔP排気逃がし弁制御装置(すなわち、固定絞り弁圧力リザーブ制御装置)を備えたシステムを示す。
【0005】
図1のシステムでは、エンジン10が吸気マニホルド16および排気マニホルド18を有している。排気は、排気マニホルド18から排気マニホルド排出ダクト20を通って排出され、ターボ過給機12のタービン22に流入し、排気出口ダクト26内に導かれる。
【0006】
大気は、吸気ダクト28を通ってターボ過給機12の圧縮機24に導入される。通常、吸気ダクト28には、エアクリーナ(図示せず)が配置されている。圧縮機24に導入される大気は、エアクリーナを通って吸引されるため、吸気ダクト28内は、通常、僅かに真空状態になる。ターボ過給機12のタービン22を通って流れる排気ガスのエネルギがタービンホイール30を駆動し、このタービンホイール30が、圧縮機ホイール34の軸32を駆動する。圧縮機ホイール34は、吸気ダクト28を通って圧縮機24に流入する大気を圧縮(すなわち、加圧、ターボ過給またはブースト)し、加圧された吸気は、圧縮機24から圧縮機吐出ダクト36内に流出する。圧縮機吐出ダクト24内の加圧空気は、ターボ過給された吸気から、過剰の熱を除去する熱交換器として機能するインタークーラ38に強制的に導入される。ターボ過給された吸気は、次に、気化器39、絞り弁40を通って、エンジン10に導入される。
【0007】
気化器39は、一般に、インタークーラ38と絞り弁40との間に配置される。燃料は、気化器39内で圧縮空気と混合され、燃料−空気混合気が絞り弁40に流入する。大形の産業用内燃機関では、燃料は、一般に天然ガスであるが、他の燃料を使用することもできる。別の構成として、気化器39は、圧縮機24の上流側の吸気ダクト28に配置することもできる。このような構成では、ターボ過給機12の圧縮機24は、ダクト28内の空気−燃料混合気を圧縮しかつ加圧された空気−燃料混合気を圧縮機吐出ダクト36内に排出する。
【0008】
絞り弁40には、圧縮機吐出圧力またはこれより僅かに低い圧力の空気が流入する。この絞り弁40は、流入した空気の圧力を吸気マニホルド圧力になるよう圧力降下させる。絞り弁40の前後の圧力降下の大きさは、絞り弁圧力リザーブと呼ばれている。絞り弁圧力リザーブ、すなわち絞り弁の前後の圧力降下の大きさは、絞り弁40を通る空気流量および絞り弁40の位置の両者に基づいて定まる。
【0009】
排気マニホルド18からの排気マニホルド排出ダクト20と、ターボ過給機12のタービン22からの排気出口ダクト26との間には、排気逃がし弁通路42が設けられている。排気逃がし弁通路42内には、排気逃がし弁14が配置されており、ターボ過給機12のタービン22をバイパスするエンジン排気ガスのエネルギ量を調整する。排気逃がし弁14が部分的にまたは完全に開かれると、排気マニホルド排出ダクト20内のエンジン排気が排気出口ダクト26にそらされ、これにより、ターボ過給機12のタービン22への排気質量流量が減少される。タービン22への排気質量流量が減少すると、圧縮機24の出力が低下し、これにより圧縮機吐出ダクト36内の圧縮機吐出圧力が低下する。
【0010】
図1に示す従来技術の標準形排気逃がし弁制御は,前述したように、最大ブーストレギュレータであり、排気逃がし弁アクチュエータ46および圧力タップ48を有している。一般に、圧力タップ48は、絞り弁40の上流側の圧縮機吐出ダクト36内の圧力をモニタリングする。なお、図1は、インタークーラ38と圧縮機24との間の圧縮機吐出ダクト36内の圧力をモニタリングする圧力タップ48を示しているが、絞り弁40とインタークーラ38との間の圧縮機吐出ダクト36内の空気圧力をモニタリングすることも知られている。
【0011】
圧力タップ48は、ばね付勢形排気逃がし弁アクチュエータ46に連結されている。アクチュエータ46は、ライン47で概略的に示すように、排気逃がし弁14を制御する。図1に示す従来技術では、排気逃がし弁14は、圧縮機吐出ダクト36および圧力タップ48内の圧力がばね付勢形アクチュエータ46を作動させるのに充分な大きさになるまで、閉状態に維持される。排気逃がし弁アクチュエータ46からのライン45は大気圧条件に開放しており、ライン48内の圧力差がライン45内の大気圧より大きくなると、アクチュエータ46が排気逃がし弁14を作動することを示している。この形式の標準形排気逃がし弁制御装置、すなわち最大ブーストレギュレータは、エンジンが最大全負荷の80〜90%程度で運転されている迄は、排気逃がし弁14を閉状態に維持し、エンジンが最大全負荷の80〜90%以上の高負荷で運転されていると、排気逃がし弁12を部分開状態または開状態にして、圧縮機24の作動を制限するように機能する。従って、図1に示す従来技術のシステムは、ターボ過給機12の圧縮機24の最大出力、すなわち最大ブースト値を予め定めた値に制限することによりエンジン10の最大出力を制限する。
【0012】
図1は標準形排気逃がし弁制御の機械的構成を示すが、圧縮機吐出ダクト36内の圧力を測定する圧力変換器を使用する電子スキームが当業界において知られている。
【0013】
また、図1では、絞り弁40の上流側の圧縮機吐出ダクト36内の圧力をモニタリングする圧力タップ48が示されているが、圧力タップ48が絞り弁40の下流側の吸気マニホルド16の圧力をモニタリングするように構成することもでき、この構成でも、最大ブーストレギュレータ46に大きな影響を与えることはない。これは、エンジン10が高負荷で作動している場合には、通常、絞り弁40が全開状態またはほぼ全開状態にあることによる。このような最大ブースト状態では、絞り弁40の下流側の圧力が、絞り弁40の上流側の圧力とほぼ等しいか、僅かに小さくなる。
【0014】
図2は、従来技術において知られている固定ΔP排気逃がし弁制御を示す。このシステムは、排気逃がし弁制御の点を除き、図1に示すシステムと同じであり、対応する構成部品については、図2においても同じ参照番号を使用している。図2に示す固定ΔP排気逃がし弁制御装置は、絞り弁40の上流側の圧縮機吐出ダクト36内の圧力をモニタリングするための上流側圧力タップ50と、絞り弁40の下流側の吸気マニホルド圧力をモニタリングするための下流側圧力タップ52とを有している。図1に示したシステムで説明したように、上流側圧力タップ50は、インタークーラ38と圧縮機24との間、またはインタークーラ38と絞り弁40との間に配置することもできる。
【0015】
上流側圧力タップ50及び下流側圧力タップ52は、固定ΔP排気逃がし弁アクチュエータ54と連通している。上流側圧力タップ50には、ブーストレギュレータ56が配置されており、別の構成として、このブーストレギュレータ56を下流側圧力タップ52に配置することもできる。ブーストレギュレータ56は、図1のシステムで説明したブーストレギュレータ46と同様に作動し、圧力タップ50,52内の圧力が、予め定めた閾値を超えると、ライン58により概略的に示したように、排気逃がし弁14を開ける。ここで、閾値としては、圧縮機24の最大出力を、通常、最大エンジン負荷の80〜90%になるように制御できる値である。ブーストレギュレータ56からのライン60は、大気圧条件に開放しており、ライン50(またはライン52)内の圧力差がライン60内の大気圧より大きくなると、ブーストレギュレータ56が排気逃がし弁14を作動することを示している。
【0016】
固定ΔP排気逃がし弁アクチュエータ54は、エンジン10が部分負荷で作動するときには、圧力タップ50と圧力タップ52との間に固定圧力差を維持するように、ライン62で概略的に示すように排気逃がし弁14を制御する。換言すれば、固定ΔP排気逃がし弁アクチュエータ54は、固定絞り弁圧力リザーブを維持すべく作動する。より詳しくは、固定ΔP排気逃がし弁アクチュエータ54は、上流側圧力タップ50によりモニタリングされる圧縮機吐出圧力が、下流側圧力タップ52によりモニタリングされる吸気マニホルド圧力に対して、選択された絞り弁圧力リザーブ、すなわちΔPセットポイント以上に超えると、低エンジン負荷または中エンジン負荷で排気逃がし弁14を開く。一般に、固定ΔP排気逃がし弁制御は、定常負荷に対し、約9インチ水銀柱(4psi) のΔPセットポイントすなわち所望の絞り弁圧力リザーブを有し、変動負荷に対し、13インチ水銀柱 (6psi)のΔPセットポイントを有する。
【0017】
図2は、固定ΔP排気逃がし弁制御についての機械的構成を示すものであるが、圧縮機吐出圧力を検出する上流側圧力変換器および吸気マニホルド圧力を測定する下流側圧力変換器を使用する電子的スキームも当業界において知られている。このような1つの開示が、米国特許第55,551,236号(出願番号第08/236,467号)の「ターボ過給機制御管理システム(Turbocharger Control Management System) 」で論じられている。この米国特許は、本件出願人に譲渡されており、本願に援用する。このようなシステムでは、絞り弁圧力リザーブは、絞り弁の上流側圧力および下流側圧力の両方を検出しかつ検出した両圧力を電子的に減算することにより、電子的に決定される。上記のように、この米国特許は、種々の条件に基づいて電子コントローラ内にマッピングされるエンジンの所望の負荷応答に基づいて所望の絞り弁圧力リザーブを調節できることを示唆している。
【0018】
本発明は、排気逃がし弁を備えたターボ過給形内燃機関に適用される。ターボ過給機は、タービンと圧縮機とを備えているターボ過給形内燃機関においては、排気はタービン内のタービンホイールを駆動し、次いでタービンホイールは、圧縮機内の圧縮機ホイールに連結された軸を駆動する。ターボ過給機を出る排気は、排気出口ダクトを通って排出される。典型的に、圧縮機は、周囲空気を加圧し又はターボ過給し、加圧された吸気をインタークーラと気化器(又は電子式燃料噴射装置のような燃料付加装置)とに押込み、絞り弁を通って吸気マニホルド内へ押し込まれる。若干のシステムにおいては、気化器は、圧縮機の上流側に位置させられるから、圧縮機は、燃料と空気との混合気を加圧する。
排気は、排気マニホルドを通ってターボ過給形内燃機関から排出され、排気マニホルド排出ダクトを通ってターボ過給機のタービンへ差向けられる。排気逃がし弁は、ターボ過給機のタービンから遠ざけられる機関排気エネルギーの全部又は若干をそらせるために設けられることが多い。
最大ブーストレギュレータとして知られている標準の排気逃がし弁制御を使用するときは、圧縮機からの加圧された吸気の圧力が、排気逃がし弁アクチュエータ内のばね機構を作動して排気逃がし弁を開くまでは、排気逃がし弁は閉じたままである。したがってシステムは、圧縮機排出圧力が、最大ブースト値に達するときに、エンジン排気をタービンから遠ざけるようにそらせる。このような最大ブーストシステムにおいては、軽負荷においては排気逃がし弁は閉じたままであり、エンジンが全負荷の約80%ないし90%に達するまで排気逃がし弁は閉じたままである。最大ブーストシステムにおいて絞り弁が充分に開いているときでさえ、排気逃がし弁の開放によって、ターボ過給機内のタービンに供給されるエネルギー量は減少させられ、ついで圧縮機排出圧力は最大ブースト値に維持される。
最大ブーストレギュレータに関して、以上の固定ΔP排気逃がし弁制御を使用することは、当業界において知られている。固定ΔP排気逃がし弁制御は、最大ブーストレギュレータのみを使用する標準形排気逃がし弁制御に比べ、排気圧力の低下およびこれに付随するポンピング損失の低下により、低負荷および中負荷時のエンジン効率を改善できる。固定ΔP排気逃がし弁制御における最大ブーストレギュレータは、標準形排気逃がし弁制御と同様に作動して、圧縮機の最大吐出圧力を制限する。
固定ΔP排気逃がし弁制御においては、絞り弁圧力リザーブは、絞り弁の上流側の圧力タップと、絞り弁の下流側の他の圧力タップを使用することによって機械的にモニタされる。圧力タップ間の圧力差は、ばね作動の排気逃がし弁アクチュエータを典型的に駆動する。その代りに、絞り弁の上流側と下流側との圧力を感知し、この感知された2つの圧力を電子的に差し引きして絞り弁の前後の圧力差を決定することにより、絞り弁圧力リザーブが決定される。
【0019】
一般に、産業用の大形内燃機関は、一定速度で作動するが、エンジンに作用する負荷は変化する。負荷が大きく増大すると、エンジンの絞り弁が開き、かつ絞り弁の前後の圧力差が小さくなり、これによりエンジン出力に初期増大がもたらされる。換言すれば、絞り弁圧力リザーブによってエンジン出力の初期増大がもたらされるといえる。エンジン出力の残余の増大は、排気逃がし弁が閉状態を維持しているときにターボ過給機が連続的にスピードアップするという事実によるものである。排気逃がし弁は、絞り弁圧力リザーブ(すなわち、絞り弁の前後の圧力降下)が回復するまで閉状態を維持する。ターボ過給機がスピードアップし、かつ絞り弁の前後の圧力降下が完全に回復するのに、比較的長時間(例えば5秒間)を要する。固定ΔP排気逃がし弁制御を行なう大形の産業用内燃機関では、通常、納得できる燃料消費と、満足できる負荷受容能力の維持との妥協が得られるように選択される。
【0020】
固定ΔP排気逃がし弁制御では、絞り弁の前後の小さな圧力降下を維持することによりエンジン効率は改善されるが、エンジンの負荷受容能力は低下する。絞り弁圧力リザーブが大きいほど、エンジンは一定速度で大きい負荷を受容でき、または絞り弁を開くとき、吸気マニホルド圧力の不足を懸念することなく一定負荷を加速することができる。しかしながら、最適エンジン効率を得るには、絞り弁を開位置に維持することが望まれ、従って、スロットル圧力リザーブおよびエンジンの負荷受容能力は低下する。従って、エンジン応答と燃料消費との間には二律背反(trade-off) がある。
【0021】
エンジン負荷が比較的安定しているときにエンジン効率を改善するには、比較的小さな絞り弁圧力リザーブを維持するのが望ましいけれども、エンジン負荷が変動するときにエンジンの負荷受容能力を改善するには比較的大きな絞り弁圧力リザーブを維持するのが望ましい。本件出願人に譲渡された前述の米国特許第5,551,236 号(出願番号第08/236,467号)「ターボ過給機制御管理システム(Turbocharger Control Management System) 」では、電子制御コントローラに関連する固定ΔP排気逃がし弁制御システムが論じられている。この米国特許出願では、種々の条件に基づいてコントローラ内にマッピングされたエンジンの所望の負荷応答に基づいて、所望の絞り弁圧力リザーブを調節できることが示唆されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許出願で開示されているシステムでも、絞り弁圧力リザーブを大きくすべき時点および絞り弁圧力リザーブを小さくすべき時点を予測するのは困難である。このため、従来技術では、定常負荷時での燃料消費を抑えること、及び、エンジン負荷変動に対して、満足できる負荷受容能力を確保すること、が困難であるという問題点がある。
【0023】
そこで、本発明は、大形の産業用内燃機関の定常負荷時での燃料消費を改善でき、その上、エンジン負荷が変動するときに満足できる負荷受容能力を得られることを主目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所望の絞り弁圧力リザーブすなわちΔPセットポイントが、エンジン負荷の履歴、またはエンジン負荷を示すエンジン速度または吸気マニホルド絶対圧力等の他の何らかのファクタの履歴に基づいて決定されるように構成した、排気逃がし弁制御(adaptive wastegate control)を提供する。このようにして、本発明は、エンジン負荷が変動するときに、大きな絞り弁圧力リザーブを付与して負荷変化に対するエンジン応答を改善でき、かつエンジン負荷が比較的安定しているときに、小さな絞り弁圧力リザーブを付与して燃料消費を改善することができる。
【0025】
より詳しくは、絞り弁の上流側に配置された上流側圧力センサからの上流側圧力信号、絞り弁の下流側に配置された下流側圧力センサからの下流側圧力信号、およびエンジン負荷センサからのエンジン負荷信号を受ける電子コントローラを使用するものである。電子コントローラは、排気逃がし弁アクチュエータに、排気逃がし弁を開閉させることを知らせる排気逃がし弁制御信号を発生する。電子コントローラは、少なくとも一部がエンジン負荷の従前の履歴に基づいている所望の絞り弁圧力リザーブ値を適宜発生する。上流側圧力センサおよび下流側圧力センサからの各信号により決定された絞り弁の前後の圧力降下が、所望の絞り弁圧力リザーブ値より大きい場合には、電子コントローラが、排気逃がし弁を開くことを知らせる排気逃がし弁制御信号を発生する。絞り弁の前後の圧力降下が所望の絞り弁圧力リザーブ値より小さい場合には、電子コントローラが、排気逃がし弁を閉じることを排気逃がし弁アクチュエータに知らせる。所望の絞り弁圧力リザーブ値の少なくとも一部がエンジン負荷の履歴に基づいているため、電子コントローラは、変動負荷に対して比較的大きな絞り弁圧力リザーブを付与して負荷受容能力を改善し、かつ負荷が比較的定常である場合には比較的小さい絞り弁圧力リザーブを付与して燃料消費を改善することができる。
【0026】
所望の絞り弁圧力リザーブ値は、首尾一貫して小さくなるようにし、これにより、エンジン負荷に大きな変動が存在しない場合には所望の絞り弁圧力リザーブ値を大きくしてエンジン効率すなわち燃料消費を改善する。これは、電子コントローラのループ更新スキーム(loop update scheme) において、一定の負のゲイン項並びにエンジン負荷項号を付与することにより行なうことができる。
【0027】
本発明は、この形式の適応スキームを全エンジン負荷範囲に亘って使用することを必要としない。例えば、産業用の発電用の場合には、低エンジン負荷でのエンジン効率はあまり重要ではなく、従って、低負荷の場合には絞り弁圧力リザーブを高レベルに設定し、かつ高負荷時にのみエンジン効率を改善すべく適応スキームを使用するのが好ましい。
【0028】
エンジン負荷は、幾つかの方法でモニタリングすることができ、本発明は、エンジン負荷をモニタリングするこれらの特定な方法のうちのいずれかに限定されるものではない。エンジン負荷の変化をモニタリングする1つの実用的な方法は、エンジン回転センサ等を用いてエンジン速度をモニタリングすることである。エンジン速度の変化は、特に大形の産業用途でのエンジン負荷変化の場合にかなり良好な代用となる。
【0029】
本発明は、エンジンと、
タービンおよび圧縮機を備えたターボ過給機と、
前記圧縮機と前記エンジンとの間に連結された絞り弁と、
前記絞り弁と前記圧縮機との間で前記絞り弁の上流側の圧力を検出し、該圧力に応答して上流側圧力信号を発生する上流側圧力センサと、
前記絞り弁と前記エンジンとの間で前記絞り弁の下流側の圧力を検出し、該圧力に応答して下流側圧力信号を発生する下流側圧力センサと、
エンジン負荷信号を発生するエンジン負荷センサと、
前記上流側圧力信号、前記下流側圧力信号および前記エンジン負荷信号を受信し、排気逃がし弁制御信号を出力する電子コントローラと、
排気逃がし弁制御信号に応答してエンジン排気を前記タービンからそらせるための、前記エンジンと前記タービンとの間に連結された排気逃がし弁と、
を備えたターボ過給形内燃機関において、
少なくとも所定のエンジン負荷において、前記電子コントローラが、前記排気逃がし弁制御信号を発生し、かつ前記電子コントローラは、所望の時間長さに亘って前記エンジン負荷センサにより発生した複数の過去のエンジン負荷信号を使用することによって所望の絞り弁圧力リザーブ値の少なくとも一部を発生することにより、
前記電子コントローラは、エンジン負荷が変動しているか又は比較的定常であるかどうかを考慮し、前記所望の絞り弁圧力リザーブ値を使用する排気逃がし弁制御信号を発生することを特徴とするターボ過給形内燃機関を提供する。
第1の変型においては、前記エンジン負荷センサがエンジン速度センサであり、前記エンジン負荷信号がエンジン速度信号である。
第2の変型においては、前記エンジン速度センサがエンジン回転(rpm)センサであり、前記エンジン速度信号がエンジン回転(rpm)信号である。
第3の変型においては、前記エンジン負荷センサが、前記エンジンにより駆動される発電機の電気出力をモニタリングするための電気センサである。
第4の変型においては、前記エンジン負荷センサが、吸気マニホルドの絶対圧力を測定し、この絶対圧力に応答してエンジン負荷信号を発生するマニホルド絶対圧力(MAP)センサである。
第5の変型においては、前記電子コントローラが、前記過去のエンジン負荷信号及び現在のエンジン負荷信号を使用する排気逃がし弁制御信号所望の絞り弁圧力リザーブ値を発生する。
第6の変型においては、前記ヒストリカルなエンジン負荷信号を使用することによって少なくとも一部が前記電子コントローラにより発生させられた連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を使用することにより、前記排気逃がし弁制御信号を発生する。
第7の変型においては、前記電子コントローラが、前記所望のリザーブ値を高めるために、前記連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値をエンジン負荷の大きい変動がない低い値にする負の固定ゲインを使用する前記連続的な絞り弁圧力リザーブ値を発生する。
第8の変型においては、前記電子コントローラが、現在のエンジン負荷信号を使用する前記連続的な絞り弁圧力リザーブ値を発生する。
第9の変型においては、前記電子コントローラは、連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を使用する前記排気逃がし弁制御信号を発生し、
前記排気逃がし弁制御信号は、次式、すなわち、
ΔP(t+1)=−GAIN+P*NSE+I* ∫NSE+ΔP(t)
ここで、
ΔP(t)=現在の時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ値
ΔP(t+1)=次の連続時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ
GAIN=所望の絞り弁圧力リザーブ値を、エンジン負荷の大きな変動がない
ゼロに向かってゆっくり駆動するように選択された固定値
P=比例ゲイン
NSE=負の速度誤差(これは、現在の時間中にエンジン速度センサにより測定
されたエンジン速度が、NSEがゼロに等しくなるように予め選択され
たエンジン速度セットポイントより速くなければ、現在の時間中に前記
エンジン速度センサにより測定されたエンジン速度より小さい予め選択
されたエンジン速度セットポイントに等しい)
I=積分ゲイン
∫NSE=過去の前記所望の時間長さに亘っての前記負の速度誤差の積分
に従って、前記電子コントローラにより決定される。
第10の変型においては、前記所定のエンジン負荷が、最大定格負荷の25%より大きいエンジン負荷である。
第11の変型においては、前記エンジン速度センサにより測定されたエンジン速度が、前記予め選択されたエンジン速度セットポイントより非常に小さくない限り、前記負の速度誤差がゼロに等しく設定されるデッドゾーンを説明するように、前記負の速度誤差が計算される。
また本発明は、ターボ過給形内燃機関内の絞り弁の前後の圧力差を測定するステップと、
エンジンに作用する負荷を常時反復測定するステップと、
を含むターボ過給形内燃機関内の排気逃がし弁の位置を制御する制御方法において、
エンジン負荷が変動しているか又は比較的定常であるかどうかを考慮するように、所望の時間長さに亘って測定された複数の過去のエンジン負荷信号を使用することによって、少なくとも所定のエンジン負荷において少なくとも一部の所望の絞り弁圧力リザーブ値を発生するステップと、
測定された前記絞り弁の前後の圧力差を前記所望の絞り弁圧力リザーブと比較し、これに応答して排気逃がし弁制御信号を電子的に発生するステップと、
前記測定された前記絞り弁の前後の圧力差が、前記所望の絞り弁圧力リザーブより大きいときに、排気逃がし弁を開き、前記測定された前記絞り弁の前後の圧力差が、前記所望の絞り弁圧力リザーブより小さいときに、前記排気逃がし弁を閉じるように、排気逃がし弁アクチュエータを制御するために、前記排気逃がし弁制御信号を使用するステップと、
を含む制御方法を提供する。
この制御方法の第1の変型においては、発生される前記所望の絞り弁圧力リザーブ値の少なくとも一部が、一定の負の固定ゲインに基づいており、前記負の固定ゲインは、所望の絞り弁圧力リザーブ値を高めるため、連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を、エンジン負荷に大きな変動がない低い値にする。
第2の変型においては、前記連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を、ループ更新スキームにより適宜に発生させる。
第3の変型においては、前記エンジン負荷は、エンジン速度センサによってエンジン速度が測定されることにより測定され、
前記所望の絞り弁圧力リザーブ値は、次式、すなわち、
ΔP(t+1)=−GAIN+P*NSE+I* ∫NSE+ΔP(t)
ここで、
ΔP(t)=現在の時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ値
ΔP(t+1)=次の連続時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ
GAIN=所望の絞り弁圧力リザーブ値を、エンジン負荷の大きな変動がない
ゼロに向かってゆっくり駆動するように選択された固定値
P=比例ゲイン
NSE=負の速度誤差(これは、現在の時間中にエンジン速度センサにより測定
されたエンジン速度が、NSEがゼロに等しくなるように予め選択され
たエンジン速度セットポイントより速くなければ、現在の時間中に前記
エンジン速度センサにより測定されたエンジン速度より小さい予め選択
されたエンジン速度セットポイントに等しい)
I=積分ゲイン
∫NSE=過去の前記所望の時間長さに亘っての前記負の前記速度誤差の積分
に従って、適宜に発生させられる。
第4の変型においては、前記2つの連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値間の所望の絞り弁圧力リザーブ値の増大の大きさが予め選択された値に制限される。
第5の変型においては、長期負荷定常状態後の局部的増大の開始時に、前記エンジンに流入する燃料/空気混合気の遷移濃厚化を行なうステップをさらに含む。
本発明を充分に理解するために、その実施例を添付図面に関して説明するが、これは本発明の単なる一例に過ぎないものである。当業者は本発明の精神を逸脱しないで各種の変化変形を行なうことは容易である。
【発明の実施の形態】
図3は本発明に係る一実施形態において、制御されるターボ過給機12および排気逃がし弁14を備えた大形の産業用内燃機関システムを概略的に示すものである。なお、図3に示す基本実施形態のシステムは、排気逃がし弁制御を除き図1および図2に示したシステムと同様であり、対応する構成部品については図3においても同じ参照番号を使用している。
【0030】
本実施形態では、電子コントローラ64を使用して、これが所望の絞り弁圧力リザーブ値を適宜発生し、エンジン負荷が変動する場合に負荷応答が改善されかつエンジン負荷が比較的定常である場合に燃料消費が改善されるようにする。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、上流側圧力センサ66は、圧縮機吐出ダクト36内の圧力をモニタリングし、かつこれに応答して上流側圧力信号を発生する。上流側圧力信号は、上流側圧力センサ66からライン68を介して電子コントローラ64に伝達される。上流側圧力信号は、0〜5V信号または4〜20mA信号のようなアナログ信号が好ましい。下流側圧力変換器70は、吸気マニホルド圧力を検出し、かつこれに応答して下流側圧力信号を発生する。下流側圧力信号は、下流側圧力変換器70からライン72を介して電子コントローラ64に伝達される。下流側圧力信号も、0〜5V信号または4〜20mA信号のようなアナログ信号が好ましい。
【0032】
エンジン負荷センサ74は、エンジン負荷をモニタリングし、かつこれに応答してエンジン負荷信号を発生する。エンジン負荷信号は、エンジン負荷センサ74からライン76を介して電子コントローラ64に伝達される。エンジン負荷センサ74は、エンジン負荷を決定または推測できる、エンジン10の何らかの作動特性を検出できる任意の形式のもので構成できる。例えば、エンジン10が発電機を駆動するシステムでは、エンジン負荷は、ワット変換器等を用いて発電機からの電力出力を測定することにより直接測定できる。エンジン負荷の変化を推測する他の一般的な方法としては、吸気マニホルド16に取り付けられるマニホルド絶対圧力センサを使用して、吸気マニホルドの絶対圧力をモニタリングする方法がある。エンジン負荷の変化をモニタリングする好ましい方法は、エンジン回転センサを用いかつ電子コントローラに伝達されるエンジン回転信号を発生させてエンジン速度をモニタリングすることである。エンジン速度の変動はエンジン負荷に変動が生じたことを示すものであるため、大形の産業用内燃機関を含む用途において、エンジン速度変化は、エンジン負荷変化についての実際的で信頼性のある代用である。適当な形式のエンジン回転センサは、磁気ピックアップを用いて、エンジン回転周波数に基づく信号を発生させる形式のセンサである。
【0033】
電子コントローラ64は、現在のエンジン負荷信号に基づくだけでなく、以前のエンジン負荷信号にも基づいて、所望の絞り弁圧力リザーブを適宜発生する。エンジン負荷が変動していることを電子コントローラ64が決定する場合には、電子コントローラ64は、所望の絞り弁圧力リザーブ値を比較的大きな値に設定する。エンジン負荷が比較的定常であることを電子コントローラ64が決定する場合には、所望の絞り弁圧力リザーブ値を比較的小さな値に設定する。電子コントローラ64がひとたび所望の絞り弁圧力リザーブ値を決定すると、電子コントローラ64は、この所望の絞り弁圧力リザーブ値と、ライン68の上流側圧力信号とライン72の下流側圧力信号との差として決定される実際の絞り弁圧力リザーブとを比較する。
【0034】
電子コントローラ64は、ライン78に排気逃がし弁制御信号を出力して、排気逃がし弁14の位置を制御する排気逃がし弁アクチュエータ80を作動させる。実際の絞り弁圧力リザーブが所望の絞り弁圧力リザーブ値より大きい場合には、電子コントローラ64は、ライン78を介して、排気逃がし弁14を開ける旨の制御信号を排気逃がし弁アクチュエータ80に伝達する。また、実際の絞り弁圧力リザーブが所望の絞り弁圧力リザーブ値より小さい場合には、電子コントローラ64は、ライン78を介して、排気逃がし弁14を閉じる旨の制御信号を排気逃がし弁アクチュエータ80に伝達する。
【0035】
図4には、電子コントローラ64に所望の絞り弁圧力リザーブ値を適宜発生させるための好ましいスキームが概略的に示されている。エンジン始動時(時間(t)=0)では、所望の絞り弁圧力リザーブ値、すなわちΔPセットポイントは一般に約13インチ水銀柱であり、これは、変動負荷についての一般的な所望の絞り弁圧力リザーブ値に等しい。しかしながら、エンジン始動時に、異なるΔPセットポイントを選択することもできる。図4のフローチャートは、エンジン始動後(すなわち、時間t=φ)は、他の何らかの理由により所望の絞り弁圧力リザーブ値が調節されない限り、所望の絞り弁圧力リザーブ値がループ形スキームに従って連続的に適用されることを示している。例えば、低負荷時の燃料消費は時として比較的重要であり、従って、低負荷の場合には絞り弁圧力リザーブ値を高い値に固定し、中負荷または高負荷の場合にのみ適応制御スキームを使用するのが望ましい。
【0036】
ブロック82は、所望の絞り弁圧力リザーブ値が、時間(t)=0で、最初に選択されることを示している。図4は、各連続サンプリング期間についての所望の絞り弁圧力リザーブ値(ブロック84)が、固定すなわち一定のゲインを減じ(ブロック86)、前の所望の絞り弁圧力リザーブ値に比例ゲインを加え(ブロック88)、かつ積分ゲインを加える(ブロック90)ことにより決定されることを示している。電子コントローラのサンプリング速度は、一般に、10〜50Hzの範囲内にあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
固定ゲイン(ブロック86)は、常に、前の所望の絞り弁圧力リザーブ値から減じられるのが好ましい。固定ゲインの減算(ブロック86)により、所望の絞り弁圧力リザーブ値が低下され、従って、過去または現在の負荷変動により改善されたエンジン速度が望まれるときに、比例ゲイン(ブロック88)または積分ゲイン(ブロック90)が所望の絞り弁圧力リザーブを上に押し上げない限り、エンジン効率が改善される。
【0038】
ブロック88は、現在のエンジン負荷が増大すると、比例ゲインが加えられ、所望の絞り弁圧力リザーブ値を押し上げることを示している。ブロック88の目的は、エンジン負荷が増大する場合には、所望の絞り弁圧力リザーブ値が上昇できるようにすることにある。圧縮機24に作用する負荷が比較的不安定なときに生じるサージングの問題を回避するには、所望の絞り弁圧力リザーブ値の増大に最大限度を設けることが望ましい。比例ゲイン(ブロック88)は、一般に、比例ゲイン値を掛けた負荷変化を表示する項を有している。ブロック90は、荷重が反復して変動した場合に、積分ゲインが加えられて所望の絞り弁圧力リザーブを押し上げることを示している。
【0039】
図4に示すスキームを遂行する好ましい方法として、エンジン負荷の表示として負の速度誤差を使用する方法がある。負の速度誤差は、エンジン10の実速度より小さい、エンジン10の所望の速度セットポイントとして定義することができる。発電機に適用した場合、所望の速度セットポイントは、一般に、米国では60Hz、ヨーロッパでは50Hzである。エンジン10は、負荷の増大につれて減速するため、負の速度誤差はエンジン負荷の表示となる。エンジン負荷の代用として負の速度誤差を使用すると、図4のスキームは、(数1)に従って遂行することができる。すなわち、
ΔP(t+1)=−GAIN+P× NSE+I× ∫NSE+ΔP(t)・・・・・・・・・・・・・・・(数1)
ここで、
ΔP(t)=現在の時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ値
GAIN=所望の絞り弁圧力リザーブ値をゼロに向かってゆっくり駆動するように選択された固定値
P=比例ゲイン
NSE=負の速度誤差(すなわち、エンジン速度センサにより測定されたエンジン速度より小さい、予め選択されたエンジン速度セットポイント)
I=積分ゲイン
∫NSE=過去の所望の時間長さに亘っての負の速度誤差の積分
である。
【0040】
(数1)の適用に際し、実エンジン速度が予め選択されたエンジン速度セットポイントより高い場合には、負の速度誤差(NSE)は、ゼロに設定するのが好ましい。(数1)を用いれば、変動するエンジン負荷によりエンジンの制御可能性が困難になる兆しが不充分な絞り弁圧力リザーブにより生じるまで、固定ゲイン(ブロック86)が、所望の絞り弁圧力リザーブ値をより低くする。もちろん、ΔP(t+Δ)は、ゼロより小さくなることはできず、小さな正の値より小さくならないことが好ましい。(数1)における各ゲイン(すなわち、GAIN、PおよびI)は、制御スキームの挙動を決定すべく相対的に選択される。好ましくは、各ゲイン(GAIN、PおよびI)は、少なくとも数分間で所望の絞り弁圧力リザーブ値になり、負荷の逸脱(aberration)が生じた後に回復するように選択される。
【0041】
実エンジン速度が、予め選択されたエンジン速度セットポイントより数回転だけ低い場合には、負の速度誤差をゼロに設定することにより、負の速度誤差についてのデッドゾーンを使用することもできる。このような負の速度のデッドゾーンは、スパークプラグの不点火等のエンジン負荷とは無関係の原因でエンジン速度が僅かに低下するような状況での所望の絞り弁圧力リザーブ値の不必要な調節を防止する。
【0042】
図5〜図7は、エンジン負荷の変化に対する適応ΔP排気逃がし弁制御の応答をグラフで示すものである。図6および図7は、エンジン負荷トルクが、点92で示す時間(=20秒)で変化することを示している。点92でのエンジン負荷の変化により、好ましくないエンジン速度の変化が生じる。点93ではエンジン負荷トルクが低下し、エンジン速度は対応して増大する。図5は、負荷変化92、93の両者に応答して、点94で、ΔPセットポイントすなわち所望の絞り弁圧力リザーブ値が変化し始めることを示している。所望の絞り弁圧力リザーブ値は、参照番号95で示す一定エンジン速度を維持するのに充分な値まで跳ね上がる。不活性が定常状態に保持された後、参照番号96で示すように、所望の絞り弁圧力リザーブが低下し、燃料消費が改善される。所望の絞り弁圧力リザーブ値が低下すると、燃料消費が改善されるだけでなく、負荷変化の遷移中に生じる好ましくない排出物質が低減される。
【0043】
従って、図4および(数1)に示す制御スキームは、エンジンの過去の負荷履歴を考慮に入れるだけでなく、エンジン負荷の現在の変化の関数として所望の絞り弁圧力リザーブ値のスケジューリングをも行なう。なお、エンジン負荷の過去の履歴は、現在のエンジン負荷が、エンジン10の最大定格負荷の25%より大きい場合にのみ、考慮してもよい。
【0044】
負荷変化がなく長時間経過した後は、排気逃がし弁が調節されて非常に小さな絞り弁リザーブを与える。これらの条件下で初期負荷変化が生じると、突然の負荷増大に適合する絞り弁リザーブは殆ど存在しない。この問題を解決するためには、一定期間の長い定常負荷状態の後に突然の負荷増大が生じた場合に、エンジン10に流入する燃料/空気混合気の遷移濃厚化を行なうのが好ましい。
【0045】
以上説明した本発明には、種々の変更および均等物を考え得ることは理解されよう。これらの変更および均等物は、特許請求の範囲内に包含されるものと考えるべきである。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、大形の産業用内燃機関の定常負荷時での燃料消費を改善でき、その上、エンジン負荷が変動するときに満足できる負荷受容能力を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の標準形排気逃がし弁制御装置を備えたターボ過給形内燃機関の系統図である。
【図2】従来の固定ΔP排気逃がし弁制御装置を備えたターボ過給形内燃機関の系統図である。
【図3】本発明に係る一実施形態における、適応ΔP排気逃がし弁制御装置を備えたターボ過給形内燃機関の系統図である。
【図4】図3に示すシステムの所望の絞り弁圧力リザーブを連続的に調節する、好ましいスキームを示すフローチャートである。
【図5】時間に対するΔPセットポイントをプロットしたグラフであり、エンジン負荷に対する図3および図4に示した適応ΔP排気逃がし弁制御の応答を示すものである。
【図6】時間に対するエンジン速度をプロットしたグラフであり、エンジン負荷に対する図3および図4に示した適応ΔP排気逃がし弁制御の応答を示すものである。
【図7】時間に対するエンジントルクをプロットしたグラフであり、エンジン負荷に対する図3および図4に示した適応ΔP排気逃がし弁制御の応答を示すものである。
【符号の説明】
10 内燃機関(エンジン)
12 ターボ過給機
14 排気逃がし弁
20 排気マニホルド排出ダクト
22 タービン
24 圧縮機
26 排気出口ダクト
38 インタークーラ
39 気化器
64 電子コントローラ
66 上流側圧力センサ
70 下流側圧力センサ
74 エンジン負荷センサ
80 排気逃がし弁アクチュエータ
Claims (18)
- エンジン(10)と、
タービン(22)および圧縮機(24)を備えたターボ過給機(12)と、
前記圧縮機と前記エンジンとの間に連結された絞り弁(40)と、
前記絞り弁と前記圧縮機との間で前記絞り弁の上流側の圧力を検出し、該圧力に応答して上流側圧力信号を発生する上流側圧力センサ(66)と、
前記絞り弁と前記エンジンとの間で前記絞り弁の下流側の圧力を検出し、該圧力に応答して下流側圧力信号を発生する下流側圧力センサ(70)と、
エンジン負荷信号を発生するエンジン負荷センサ(74)と、
前記上流側圧力信号、前記下流側圧力信号および前記エンジン負荷信号を受信し、排気逃がし弁制御信号を出力する電子コントローラ(64)と、
排気逃がし弁制御信号に応答してエンジン排気を前記タービンからそらせるための、前記エンジンと前記タービンとの間に連結された排気逃がし弁(14)と、
を備えたターボ過給形内燃機関において、
少なくとも所定のエンジン負荷において、前記電子コントローラが、前記排気逃がし弁制御信号を発生し、かつ前記電子コントローラは、所望の時間長さに亘って前記エンジン負荷センサ(74)により発生した複数の過去のエンジン負荷信号を使用することによって所望の絞り弁圧力リザーブ値の少なくとも一部を発生することにより、
前記電子コントローラは、エンジン負荷が変動しているか又は比較的定常であるかどうかを考慮し、前記所望の絞り弁圧力リザーブ値を使用する排気逃がし弁制御信号を発生することを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項1に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記エンジン負荷センサがエンジン速度センサであり、
前記エンジン負荷信号がエンジン速度信号であることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項2に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記エンジン速度センサがエンジン回転センサであり、
前記エンジン速度信号がエンジン回転信号であることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項1に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記エンジン負荷センサが、前記エンジンにより駆動される発電機の電気出力をモニタリングするための電気センサであることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記エンジン負荷センサが、吸気マニホルドの絶対圧力を測定し、この絶対圧力に応答してエンジン負荷信号を発生するマニホルド絶対圧力(MAP)センサであることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記電子コントローラが、前記過去のエンジン負荷信号及び現在のエンジン負荷信号を使用する排気逃がし弁制御信号所望の絞り弁圧力リザーブ値を発生することを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記ヒストリカルなエンジン負荷信号を使用することによって少なくとも一部が前記電子コントローラにより発生させられた連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を使用することにより、前記排気逃がし弁制御信号を発生することを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項7に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記電子コントローラが、前記所望のリザーブ値を高めるために、前記連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値をエンジン負荷の大きい変動がない低い値にする負の固定ゲインを使用する前記連続的な絞り弁圧力リザーブ値を発生することを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項7又は8に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記電子コントローラが、現在のエンジン負荷信号を使用する前記連続的な絞り弁圧力リザーブ値を発生することを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項2又は3に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記電子コントローラは、連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を使用する前記排気逃がし弁制御信号を発生し、
前記排気逃がし弁制御信号は、次式、すなわち、
ΔP(t+1)=−GAIN+P*NSE+I* ∫NSE+ΔP(t)
ここで、
ΔP(t)=現在の時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ値
ΔP(t+1)=次の連続時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ
GAIN=所望の絞り弁圧力リザーブ値を、エンジン負荷の大きな変動
がないゼロに向かってゆっくり駆動するように選択された固
定値
P=比例ゲイン
NSE=負の速度誤差(これは、現在の時間中にエンジン速度センサに
より測定されたエンジン速度が、NSEがゼロに等しくなるよ
うに予め選択されたエンジン速度セットポイントより速くなけ
れば、現在の時間中に前記エンジン速度センサにより測定され
たエンジン速度より小さい予め選択されたエンジン速度セット
ポイントに等しい)
I=積分ゲイン
∫NSE=過去の前記所望の時間長さに亘っての負の前記速度誤差の積分
に従って、前記電子コントローラにより決定されることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項10に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記エンジン速度センサにより測定されたエンジン速度が、前記予め選択されたエンジン速度セットポイントより非常に小さくない限り、前記負の速度誤差がゼロに等しく設定されるデッドゾーンを説明するように、前記負の速度誤差が計算されることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - 請求項1ないし11のいずれか一項に記載のターボ過給形内燃機関において、
前記所定のエンジン負荷が、最大定格負荷の25%より大きいエンジン負荷であることを特徴とするターボ過給形内燃機関。 - ターボ過給形内燃機関内の絞り弁(40)の前後の圧力差を測定するステップと、
エンジン(10)に作用する負荷を常時反復測定するステップと、
を含むターボ過給形内燃機関内の排気逃がし弁の位置を制御する制御方法において、
エンジン負荷が変動しているか又は比較的定常であるかどうかを考慮するように、所望の時間長さに亘って測定された複数の過去のエンジン負荷信号を使用することによって、少なくとも所定のエンジン負荷において少なくとも一部の所望の絞り弁圧力リザーブ値を発生するステップと、
測定された前記絞り弁の前後の圧力差を前記所望の絞り弁圧力リザーブと比較し、これに応答して排気逃がし弁制御信号を電子的に発生するステップと、
前記測定された前記絞り弁の前後の圧力差が、前記所望の絞り弁圧力リザーブより大きいときに、排気逃がし弁(14)を開き、前記測定された前記絞り弁の前後の圧力差が、前記所望の絞り弁圧力リザーブより小さいときに、前記排気逃がし弁を閉じるように、排気逃がし弁アクチュエータ(80)を制御するために、前記排気逃がし弁制御信号を使用するステップと、
を含む制御方法。 - 請求項13に記載の制御方法において、
発生される前記所望の絞り弁圧力リザーブ値の少なくとも一部が、一定の負の固定ゲインにも基づいており、前記負の固定ゲインは、所望の絞り弁圧力リザーブ値を高めるため、連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を、エンジン負荷に大きな変動がない低い値にする、
ことを特徴とする制御方法。 - 請求項13又は14に記載の制御方法において、
前記連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値を、ループ更新スキームにより適宜に発生させる、ことを特徴とする制御方法。 - 請求項15に記載の制御方法において、
前記エンジン負荷は、エンジン速度センサによってエンジン速度が測定されることにより測定され、
前記所望の絞り弁圧力リザーブ値は、次式、すなわち、
ΔP(t+1)=−GAIN+P*NSE+I* ∫NSE+ΔP(t)
ここで、
ΔP(t)=現在の時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ値
ΔP(t+1)=次の連続時間についての所望の絞り弁圧力リザーブ
GAIN=所望の絞り弁圧力リザーブ値を、エンジン負荷の大きな変動がない
ゼロに向かってゆっくり駆動するように選択された固定値
P=比例ゲイン
NSE=負の速度誤差(これは、現在の時間中にエンジン速度センサにより測定
されたエンジン速度が、NSEがゼロに等しくなるように予め選択され
たエンジン速度セットポイントより速くなければ、現在の時間中に前記
エンジン速度センサにより測定されたエンジン速度より小さい予め選択
されたエンジン速度セットポイントに等しい)
I=積分ゲイン
∫NSE=過去の所望の時間長さに亘っての負の速度誤差の積分
に従って、連続時間に亘って適宜に発生させられる、
ことを特徴とする制御方法。 - 請求項15又は16に記載の制御方法において、
前記2つの連続的な所望の絞り弁圧力リザーブ値間の所望の絞り弁圧力リザーブ値の増大の大きさが予め選択された値に制限される、
ことを特徴とする制御方法。 - 請求項13ないし17のいずれか一項に記載の制御方法において、
長期負荷定常状態後の局部的増大の開始時に、前記エンジンに流入する燃料/空気混合気の遷移濃厚化を行なうステップをさらに含むことを特徴とする制御方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/707,009 | 1996-09-03 | ||
US08/707,009 US5816047A (en) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | Electronically controlled wastegate valve for a turbo charger |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1089080A JPH1089080A (ja) | 1998-04-07 |
JP4069463B2 true JP4069463B2 (ja) | 2008-04-02 |
Family
ID=24840000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23854497A Expired - Fee Related JP4069463B2 (ja) | 1996-09-03 | 1997-09-03 | ターボ過給形内燃機関、この構成部品である排気逃がし弁の制御方法及び制御システム |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5816047A (ja) |
EP (1) | EP0829632B1 (ja) |
JP (1) | JP4069463B2 (ja) |
AT (1) | ATE292237T1 (ja) |
AU (1) | AU713729B2 (ja) |
CA (1) | CA2211747C (ja) |
DE (1) | DE69732884T2 (ja) |
DK (1) | DK0829632T3 (ja) |
ES (1) | ES2239346T3 (ja) |
NZ (1) | NZ328631A (ja) |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6161384A (en) * | 1994-05-02 | 2000-12-19 | Waukesha Engine Division, Dresser Equipment Group, Inc. | Turbocharger control management system throttle reserve control |
US6196189B1 (en) | 1999-06-18 | 2001-03-06 | Caterpillar Inc. | Method and apparatus for controlling the speed of an engine |
US6345602B1 (en) | 1999-12-10 | 2002-02-12 | Caterpillar Inc. | Method and apparatus for controlling the speed of an engine |
DE10145038A1 (de) * | 2001-09-13 | 2003-04-03 | Bosch Gmbh Robert | Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben wenigstens eines Laders eines Verbrennungsmotors |
US6945047B2 (en) * | 2002-10-21 | 2005-09-20 | General Electric Company | Apparatus and method for automatic detection and avoidance of turbocharger surge on locomotive diesel engines |
DE102008025549B4 (de) * | 2008-05-28 | 2010-07-01 | Continental Automotive Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben einer Brennkraftmaschine |
US8333072B2 (en) | 2008-10-01 | 2012-12-18 | Honda Motor Co., Ltd. | Wastegate control system and method |
US8108128B2 (en) | 2009-03-31 | 2012-01-31 | Dresser, Inc. | Controlling exhaust gas recirculation |
JP5170343B2 (ja) * | 2010-03-17 | 2013-03-27 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
GB2483729A (en) * | 2010-09-20 | 2012-03-21 | Gm Global Tech Operations Inc | System for diagnosing error conditions of a gas flow control system for turbocharged engines |
US9267449B2 (en) * | 2011-06-16 | 2016-02-23 | GM Global Technology Operations LLC | Control system and method for coordinating throttle and boost |
US9188058B2 (en) * | 2012-10-17 | 2015-11-17 | Ford Global Technologies, Llc | Method for controlling a turbocharger arrangement with an electric actuator and spring |
US9243553B2 (en) | 2013-05-16 | 2016-01-26 | Ford Global Technologies, Llc | Electric waste gate control system sensor calibration with end-stop detection |
US9243552B2 (en) | 2013-06-10 | 2016-01-26 | Ford Global Technologies, Llc | Method for determining wastegate valve lift |
US9109504B2 (en) * | 2013-08-27 | 2015-08-18 | Ford Global Technologies, Llc | Wastegate valve control for degraded measurement |
JP5826323B2 (ja) * | 2014-04-04 | 2015-12-02 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関のスロットル制御装置および内燃機関のスロットル制御方法 |
DE102015204155B3 (de) * | 2015-03-09 | 2016-08-18 | Continental Automotive Gmbh | Verfahren zur momentenneutralen Umschaltung von Betriebszuständen eines Aktuators einer Brennkraftmaschine |
US9657660B2 (en) * | 2015-09-14 | 2017-05-23 | Ford Global Technologies, Llc | Method and system for surge control |
US20170321598A1 (en) * | 2016-05-04 | 2017-11-09 | Donald Williams | Energy system or apparatus and method of energy system or apparatus operation or control |
US10107184B2 (en) * | 2016-09-06 | 2018-10-23 | Ford Global Technologies, Llc | Method and system for wastegate control |
JP6540659B2 (ja) * | 2016-11-10 | 2019-07-10 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御システム |
US10920689B2 (en) * | 2017-04-10 | 2021-02-16 | Ford Global Technologies, Llc | Methods and system for improving transient torque response |
Family Cites Families (35)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3195805A (en) * | 1961-10-25 | 1965-07-20 | Garrett Corp | Turbocharger differential pressure control |
US3257796A (en) * | 1963-09-20 | 1966-06-28 | Trw Inc | Turbocharger control system |
US3941035A (en) * | 1969-11-06 | 1976-03-02 | Trw Inc. | Control unit and method |
US4005578A (en) * | 1975-03-31 | 1977-02-01 | The Garrett Corporation | Method and apparatus for turbocharger control |
US4005579A (en) * | 1975-03-31 | 1977-02-01 | The Garrett Corporation | Turbocharger control and method |
JPS5716225A (en) * | 1980-07-04 | 1982-01-27 | Hitachi Ltd | Internal combustion engine with supercharger |
DE3032218C2 (de) * | 1980-08-27 | 1982-06-16 | Audi Nsu Auto Union Ag, 7107 Neckarsulm | Kolbenbrennkraftmaschine mit einem Abgasturbolader |
JPS595775B2 (ja) * | 1981-02-24 | 1984-02-07 | マツダ株式会社 | 過給機付エンジンの過給圧制御装置 |
JPS57206728A (en) * | 1981-06-16 | 1982-12-18 | Hitachi Ltd | Altitude corrector of supercharger |
JPS5813127A (ja) * | 1981-07-18 | 1983-01-25 | Nippon Soken Inc | 過給機付き内燃機関のノツキング制御装置 |
FR2516983A1 (fr) * | 1981-11-26 | 1983-05-27 | Renault | Dispositif de commande pneumatique de la pression de suralimentation d'un moteur turbocompresse |
JPS59110831A (ja) * | 1982-12-16 | 1984-06-26 | Fuji Heavy Ind Ltd | 過給機付内燃機関の過給圧制御装置 |
US4612900A (en) * | 1984-02-24 | 1986-09-23 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Engine operating parameter control apparatus |
JPS60240829A (ja) * | 1984-05-15 | 1985-11-29 | Nissan Motor Co Ltd | タ−ボチヤ−ジヤ−付機関の加速検出装置 |
US4656834A (en) * | 1985-12-24 | 1987-04-14 | The Garrett Corporation | Electronic turbocharger control |
JPS6368722A (ja) * | 1986-09-10 | 1988-03-28 | Hitachi Ltd | ウエストゲ−ト弁の制御装置 |
US4848086A (en) * | 1986-11-19 | 1989-07-18 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Boost pressure control method for a supercharged internal combustion engine |
SE8702208D0 (sv) * | 1987-05-26 | 1987-05-26 | Nira Automotive Ab | The nira turbo control system |
US4970864A (en) * | 1987-12-29 | 1990-11-20 | Honda Giken Kogyo K.K. | Supercharging pressure control method for internal combustion engines |
US5224853A (en) * | 1987-12-29 | 1993-07-06 | Honda Giken Kogyo K.K. | Supercharging pressure control method for internal combustion engines |
JPH02176117A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-09 | Fuji Heavy Ind Ltd | 過給圧制御装置 |
SE463428B (sv) * | 1989-11-24 | 1990-11-19 | Saab Scania Ab | Arrangemang foer responsreglering av en foerbraenningsmotor med turboaggregat |
US5036669A (en) * | 1989-12-26 | 1991-08-06 | Caterpillar Inc. | Apparatus and method for controlling the air/fuel ratio of an internal combustion engine |
SE467634B (sv) * | 1990-05-15 | 1992-08-17 | Volvo Ab | Anordning vid turboreglering |
US5199261A (en) * | 1990-08-10 | 1993-04-06 | Cummins Engine Company, Inc. | Internal combustion engine with turbocharger system |
US5228292A (en) * | 1990-08-16 | 1993-07-20 | Mercedes-Benz Ag | Arrangement for controlling the boost pressure in an internal-combustion engine supercharged by an exhaust-gas turbocharger of adjustable turbine geometry |
US5119633A (en) * | 1990-09-25 | 1992-06-09 | Cummins Engine Company, Inc. | Power turbine bypass for improved compression braking |
US5142868A (en) * | 1990-11-30 | 1992-09-01 | Cummins Engine Company, Inc. | Turbocompound engine with power turbine bypass control |
JP2561093Y2 (ja) * | 1991-03-26 | 1998-01-28 | アイシン精機株式会社 | ターボチャージャの過給圧制御機構 |
JPH0642359A (ja) * | 1992-07-23 | 1994-02-15 | Fuji Heavy Ind Ltd | エンジンの過給圧制御方法 |
US5400597A (en) * | 1993-06-18 | 1995-03-28 | Mirabile; Nicholas F. | Turbocharger system with electric blower |
DE4330487C1 (de) * | 1993-09-09 | 1995-01-26 | Daimler Benz Ag | Abgasturbolader für eine Brennkraftmaschine |
US5442920A (en) * | 1994-03-28 | 1995-08-22 | Cummins Engine Company, Inc. | Altitude compensation for spark-ignited turbocharged internal combustion engines |
US5551236A (en) * | 1994-05-02 | 1996-09-03 | Dresser Industries, Inc. | Turbocharger control management system |
DE19502150C1 (de) * | 1995-01-25 | 1996-05-23 | Bosch Gmbh Robert | System zur Regelung der Aufladung einer Brennkraftmaschine |
-
1996
- 1996-09-03 US US08/707,009 patent/US5816047A/en not_active Expired - Lifetime
-
1997
- 1997-08-14 CA CA002211747A patent/CA2211747C/en not_active Expired - Fee Related
- 1997-08-28 NZ NZ328631A patent/NZ328631A/en unknown
- 1997-09-01 AU AU36752/97A patent/AU713729B2/en not_active Ceased
- 1997-09-02 DE DE69732884T patent/DE69732884T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1997-09-02 EP EP97306792A patent/EP0829632B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-09-02 DK DK97306792T patent/DK0829632T3/da active
- 1997-09-02 ES ES97306792T patent/ES2239346T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1997-09-02 AT AT97306792T patent/ATE292237T1/de not_active IP Right Cessation
- 1997-09-03 JP JP23854497A patent/JP4069463B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
ES2239346T3 (es) | 2005-09-16 |
EP0829632A2 (en) | 1998-03-18 |
ATE292237T1 (de) | 2005-04-15 |
NZ328631A (en) | 1998-05-27 |
EP0829632A3 (en) | 1998-11-25 |
DE69732884D1 (de) | 2005-05-04 |
DE69732884T2 (de) | 2005-08-18 |
AU713729B2 (en) | 1999-12-09 |
EP0829632B1 (en) | 2005-03-30 |
JPH1089080A (ja) | 1998-04-07 |
AU3675297A (en) | 1998-03-12 |
DK0829632T3 (da) | 2005-04-18 |
CA2211747A1 (en) | 1998-03-03 |
CA2211747C (en) | 2003-03-25 |
US5816047A (en) | 1998-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4069463B2 (ja) | ターボ過給形内燃機関、この構成部品である排気逃がし弁の制御方法及び制御システム | |
AU744245B2 (en) | Turbocharger control management system throttle reserve control | |
US20130220274A1 (en) | Control system for dual fuel engines | |
JP4599378B2 (ja) | ガスエンジンの統合制御方法及び装置 | |
CN1054902C (zh) | 燃气轮机装置及操作它的方法 | |
CN103256129A (zh) | 具有涡轮增压装置的内燃机的操作方法及其控制单元 | |
CN102770646B (zh) | 用具有动态估值器和预涡轮压力限制的固定几何形状涡轮增压器监测两级增压的方法 | |
JP4319481B2 (ja) | 希薄燃焼ガスエンジンの燃料ガス供給、給気装置 | |
US8713935B2 (en) | Carbureted natural gas turbo charged engine | |
JPH0835433A (ja) | 高度による内燃機関の出力変動を補正する方法及びその装置 | |
US7415825B2 (en) | Variable geometry turbocharger control method and apparatus | |
US6314733B1 (en) | Control method | |
JP4802239B2 (ja) | ディーゼル機関の制御方法およびガバナー装置 | |
CA2549215C (en) | Improved carbureted natural gas turbo charged engine | |
EP1293658A1 (fr) | Procédé et système de réglage du flux d'air dans le collecteur d'admission d'un moteur à combustion interne d'un véhicule automobile | |
CN113944556A (zh) | 用于调整节气门的方法、发动机控制器和交通工具 | |
WO2008081483A1 (en) | Control device and method of a turbine electric power plant supplied with low calorific value gas | |
JP4335840B2 (ja) | 発電用ディーゼルエンジンの燃料制御装置及び制御方法 | |
JPH0339885Y2 (ja) | ||
RU1768787C (ru) | Устройство дл регулировани подачи дополнительного воздуха в двигатель внутреннего сгорани | |
KR100559835B1 (ko) | 차량용 매연 저감 시스템 및 그 제어방법 | |
JPH09209766A (ja) | ディーゼルエンジンの急加速時のスモーク低減装置 | |
JPH051364B2 (ja) | ||
CN118622496A (zh) | 一种双模态低压燃气发电机组应急注气控制方法及系统 | |
JPS6326260B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040831 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070410 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070709 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070712 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071204 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080104 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |