JP4037017B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はワイヤ放電加工装置に関し、特に必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができ、加工性能が大幅に向上することができるワイヤ放電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤ放電加工では、加工エネルギーを増大させると加工速度が向上する。しかし、限度を超えた加工エネルギーの投入はワイヤ電極の断線を引き起こすため、加工速度の大幅な低下をもたらす。したがって、投入する加工エネルギーをあらかじめ設定した限界値以下に制限し、ワイヤの断線を防止しつつ加工する方法が従来一般的であった。
【0003】
しかしながら、ワイヤ断線を引き起こす加工エネルギー値は一定ではなく、例えばワークの端面や段差部分、加工経路の屈曲部など、加工液の流れに乱れが生じる状況では、通常より低い加工エネルギーで電極ワイヤが断線してしまう。この問題に対し、断線しやすい状況が含まれる場合に加工全体を通常より低い限界値を用いて加工する方法が一般に用いられているが、通常の加工部分に対しても低い限界値を適用することになるので必要以上に加工速度が低下してしまったり、どの程度低い限界値を設定するべきかが明らかでないので断線を完全には回避することができないなどの問題があった。
【0004】
この問題に対し、例えば特開平4−30915号公報には、放電パルス数の急減およびその後の漸増から加工経路の屈曲部を判断し、加工エネルギーを低減させる方法が開示されている。図11は上述の公報に記載された従来のワイヤ放電加工における放電加工条件調節回路の一例であり、図において、10aはカウンタ、10bは周波数−電圧変換回路、10cは閾値設定回路、10dはコンパレータである。また、図12は加工経路屈曲部通過前後におけるパルス数の変化と閾値を示す図であり、図において、実線は閾値設定回路10cで設定される閾値、点線は実際の放電パルス数(すなわち、周波数−電圧変換回路10bの出力)である。
【0005】
次に動作について説明する。カウンタ10aによって計数された放電パルス数は、周波数−電圧変換回路10bによって数msec間隔で現在の放電パルス数に対応する電圧値に変換される。この現在の放電パルス数に対応する電圧値はコンパレータ10dの一方の入力になるとともに、閾値設定回路10cへも入力される。
【0006】
閾値設定回路10cでは、入力された電圧が急減する状況では短い時定数のローパスフィルタにより約0.5秒にわたる放電パルス数が平均化され、パルス数が漸増する状況では長い時定数のローパスフィルタにより約10秒間の放電パルス数が平均化される。いずれの場合も、平均化されたフィルタ出力は1.1〜1.2のゲインをかけて閾値とされ、コンパレータ10dへ出力される。コンパレータ10dは現在の放電パルス数が閾値よりも大きい場合に放電パルスの休止幅を長く延長する指令信号を発生し、放電パルス数の増加を抑制する。結果として、図12に示すように放電パルス数の急減時には短い期間の、漸増時には長い期間のパルス数を平均化した閾値を越えないように放電パルス数を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のワイヤ放電加工装置は、以上のような動作で加工経路屈曲部におけるワイヤ電極の断線回避を試みていた。しかしながらワイヤ電極の断線が発生しやすい部位は屈曲部に限らず、ワークの板厚が急変する段差部や端面部など、様々な部位が考えられるが、上述の従来技術では屈曲部にしか対処できない点が大きな問題であった。
【0008】
また、上述の動作では検出パラメータと制御パラメータが同一である点も大きな問題である。すなわち、放電パルス数の急減や漸増により加工経路の屈曲部を検出するという視点から見ると、放電パルス数は検出パラメータである。ところが、加工経路の屈曲部で長い休止幅を設定すると放電パルス数は直接に制限されたことになるので、放電パルス数は制御パラメータにもなっている。したがって、放電パルス数の減少や増加が加工経路の屈曲部によるものなのか、制御の結果であるのかが判然とせず、屈曲部の開始や終了の時点を明確に捕らえることができないため、屈曲部における適切な制御が困難となる。
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解消するためになされたもので、加工経路の屈曲部だけでなくワークの段差部や端面部など通常より断線が発生しやすい部分をすべて過不足なく検出し、状態検出と制御とを明確に分離できる制御方法を用いることにより必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができるワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のワイヤ放電加工装置は、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段とを備えている。
【0012】
また、評価手段は、計測値の平均の2乗を求める手段と、計測値の2乗の平均を求める手段と、計測値の2乗の平均と計測値の平均の2乗の差を求める手段とを有する。
【0013】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、関数発生器の出力を積分する積分器と、関数発生器の出力の期待値と積分期間との積と積分器の出力との差の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有する。
【0014】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、関数発生器の出力と関数発生器の出力の期待値との差を積分する積分器と、積分器出力の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有する。
【0015】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、関数発生器の出力を積分する積分器と、積分期間を長さの等しい二つの領域に分割する手段と、積分器の出力の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有し、積分器は、二つの積分領域において互いに逆方向へ積分する。
【0016】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化し、その出力の期待値がゼロである関数を発生する関数発生器と、関数発生器の出力を積分する積分器と、積分器の出力の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有する。
【0017】
また、関数発生器は、放電が発生する毎に出力が反転する分周器である。
【0018】
また、積分器は、カウンタである。
【0019】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、放電が発生する時間間隔を計時するタイマーと、タイマーによる計時結果を格納する第一の先入先出行列と、第一の先入先出行列内に格納された値の総和を記憶する第一のレジスタと、タイマーによる計時結果を第一のレジスタへ加算する第一の加算器と、第一の先入先出行列の出力を第一のレジスタから減算する第一の減算器と、第一のレジスタの内容を2乗する第一の2乗計算器と、タイマーによる計時結果を2乗する第二の2乗計算器と、第二の2乗計算器の出力を格納する第二の先入先出行列と、第二の先入先出行列内に格納された値の総和を記憶する第二のレジスタと、第二の2乗計算器の出力を第二のレジスタへ加算する第二の加算器と、第二の先入先出行列の出力を第二のレジスタから減算する第二の減算器と、第二のレジスタの内容から第一の2乗計算器の出力を減算する第三の減算器を有し、評価手段は、第三の減算器の出力をばらつきの評価値とする。
【0020】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、放電が発生する毎に出力が論理反転する分周器と、分周器の出力が一方の値のときのみクロックパルスを計数し、評価パルスが出力される毎に計数値を出力するとともに計数値をリセットするカウンターと、カウンターの出力から一定の基準値を減算する減算器と、減算器の減算結果の絶対値を出力する絶対値回路とを有し、評価手段は、絶対値回路の出力をばらつきの評価値とする。
【0021】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、放電が発生する毎に出力が論理反転する第一の分周器と、評価パルスが発生する毎に出力が論理反転する第二の分周器と、第一の分周器の出力が一方の値のときのみクロックパルスを計数動作し、第二の分周器の出力が一方の値のときには増加方向に、第二の分周器の出力が他方の値のときには減少方向に計数動作を行い、増加方向への計数動作と減少方向への計数動作を等しい時間だけ行った後に計数値を出力するとともに計数値をリセットするカウンターと、カウンターの出力の絶対値を出力する絶対値回路とを有し、評価手段は、絶対値回路の出力をばらつきの評価値とする。
【0022】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、放電が発生する毎に出力が論理反転する分周器と、分周器の出力が一方の値のときには増加方向に、他方の値のときに減少方向にクロックパルスを計数し、評価パルスが出力される毎に計数値を出力するとともに計数値をリセットするカウンターと、カウンター出力の絶対値を出力する絶対値回路とを有し、評価手段は、絶対値回路の出力をばらつきの評価値とする。
【0023】
また、評価手段は、複数のばらつきの評価値の平均値、移動平均値または総和値をばらつきの評価値とする。
【0024】
また、制御手段は、ばらつきの評価値が予め設定された基準値を越えた場合に加工エネルギーを抑制方向へ制御する。
【0025】
また、制御手段は、ばらつきの評価値と基準値との差が大きくなるにしたがって加工エネルギーの抑制幅をより大きく設定する。
【0026】
さらに、制御手段は、休止時間を長く設定する手段、ワイヤ電極の軌道進行速度を低下させる手段、電極位置制御用サーボ電圧を高く設定する手段、放電の持続時間を短く設定する手段、放電回路のインピーダンスを増大させる手段のうち、少なくとも一つの手段を含む。
【0027】
【発明の実施の形態】
発明が解決しようとする課題に記述した課題に対し、発明者らはワイヤ電極の断線が発生しやすい状況を詳細に検討した結果、本発明の発端を得た。そこで、本発明における課題解決の手段を説明する前に、ワイヤ電極の断線が発生しやすい部位における放電パルスの発生状況について、発明者らが得た知見を図を用いて簡単に説明することにする。
【0028】
図1は放電が発生する毎に出力されるパルス信号(以下、放電発生パルス信号と呼ぶ)の発生状況を示す図であり、図において(a)は通常加工時、 (b)はワイヤ電極の断線が発生しやすい加工での発生状況を示す。一般に、ワイヤ放電加工装置ではワイヤ電極と工作物の間に形成される加工間隙に印加される電圧値を一定に保つように、両者の相対位置が制御される。したがって、長時間にわたって平均すると、単位時間当たりに発生する放電パルス数はほぼ一定となる。
【0029】
しかしながら、通常の加工時には図1の(a)に示すようにほぼ一定の周期で放電が発生するのに対し、ワイヤ電極の断線が発生しやすい状況では同図(b)に示すように放電の発生に疎密が見られる。すなわち、放電が発生してから次に放電が発生するまでの時間(以下、放電間隔と呼ぶ)のばらつきが大きいほどワイヤ電極の断線可能性が高いことが判明した。
【0030】
また、この状況は加工経路の屈曲部にのみに見られるものではなく、ワークの段差部や端面部など通常より断線が発生しやすい部分ではすべからく観察されるものであることも判明し、発生する放電パルス数とは無関係に観察されることも判明した。
【0031】
したがって、本発明のワイヤ放電加工装置は、上述の放電間隔またはこれと同等の状態量のばらつきを評価する手段を備えたものである。さらに、本発明のワイヤ放電加工装置は、上述の構成に加え、ばらつきの評価値が大きい場合には加工エネルギーを抑制方向へ制御する手段を備えたものである。
【0032】
ここで、測定値のばらつきを評価する方法としては、第一に分散や標準偏差などのばらつきを示す統計量を計算する方法が考えられる。この方法のうち、特に分散を検出する方法について、実施の形態1にて詳細に説明する。
【0033】
次に、より簡便な方法として、放電が発生する毎に2種類以上の出力のうち一つを出力する関数を定義し、この関数出力の期待値(すなわち関数の出力値とその出現確率の積)と実際の出力の平均値との差を評価する方法が考えられる。これは、全く均等に放電が発生した場合に、関数の期待値と実際の出力とが等しくなる性質を利用し、実際の出力と期待値との差が大きい場合、上記ばらつきが大きいと判断する方法である。この方法に関するいくつかの実例を実施の形態2以降で開示する。
【0034】
なお、上述の放電間隔から放電時間と休止時間を除いたものが無負荷時間であり、放電時間と休止時間は制御装置により設定される時間であるから、放電間隔のばらつきと無負荷時間のばらつきは本質的に等しいものである。
【0035】
ところで、特開平1−27813号公報および特開平1−27814号公報には、放電波形の無負荷時間に含まれる不規則な変動成分を加工外乱モデルの出力時系列とみなした加工外乱モデル推定器を含む放電加工制御装置について開示されている。
【0036】
しかし、これらの開示例においては測定された無負荷時間はAR(自己回帰)モデル等の加工外乱モデルを形成するために使用されるのみであり、無負荷時間の測定値から分散値などのばらつきを示す指標を計算するプロセスは含まれていない。すなわち、上述の開示例では無負荷時間のばらつきを評価していないが、本発明では無負荷時間や放電間隔などのばらつきを評価してワイヤ断線可能性の指標として用いているので、上述の開示例と本発明とは根本的に思想が異なっていることを付け加えておく。
【0037】
実施の形態1.
図2は本発明のワイヤ放電加工装置の構成を示すブロック図である。また、図3は加工状態認識部の詳細を示すブロック図である。図2において、1はワイヤ電極、2はワーク、2aはワークテーブル、3は加工電源、4は給電子、5は加工条件制御装置、6は放電加工演算制御装置、7はサーボ機構、51は加工条件入力部、52は評価手段としての加工状態認識部、53は制御手段としての加工条件制御部、54は加工条件出力部である。
【0038】
また、図3において、52aはタイマー、52bは第一の先入先出行列(以後FIFOと記述)、52cは第一の加算器、52dは第一の減算器、52eは第一のレジスタ、52fは第一の2乗計算器、52gは第二の2乗計算器、52hは第二のFIFO、52iは第二の加算器、52jは第二の減算器、52kは第二のレジスタ、52mは第三の減算器である。
【0039】
次に動作について説明する。図2において、ワイヤ電極1は、図示しないワイヤ走行系によりワイヤ電極供給源からワイヤ電極回収部へと常に走行している。また、ワークテーブル2a上に設置されたワーク2とワイヤ電極1との間には図示しない加工液供給系により加工液が満たされている。加工電源3は、給電子4を介してワイヤ電極1とワーク2との間に電圧を印加して放電を発生させる。この際、発生させる放電パルスの放電時間や放電電流、印加電圧などの加工条件は後述する加工条件制御装置5により設定される。
【0040】
放電加工演算制御装置6は、サーボ機構7を介してワイヤ電極1をワーク2に対し入力された加工経路に沿って相対移動させる。この際、放電加工演算制御装置6はワイヤ電極1とワーク2との間の平均電圧値が、後述する加工条件制御装置5により設定される指令値に一致するようにワイヤ電極1とワーク2およびワークテーブル2aの相対位置や相対移動速度を調節し、短絡や開放の頻発を防止する。
【0041】
加工条件制御装置5は、加工条件入力部51、加工状態認識部52(評価手段)、加工条件制御部53(制御手段)、加工条件出力部54より構成されている。加工条件入力部51へは、通常の加工の場合に使用する加工条件が入力される。この加工条件は、ワークの板厚や材質、ワイヤ電極の直径などに基づき、加工機に添付のデータベースから加工前に選択もしくは入力される。もちろん、加工中に変更可能な構成となっていても何ら差し支えない。
【0042】
加工状態認識部52は、放電間隔のばらつきを評価するが、本実施の形態では放電間隔の分散値を計算することによってばらつきを評価する。すなわち、加工状態認識部52は、図3に示すように放電間隔を計測するタイマー52a、タイマー値を格納する第一のFIFO52b、タイマー値を加算する第一の加算器52c、タイマー値を減算する第一の減算器52d、タイマー値の加減算結果を格納する第一のレジスタ52e、第一のレジスタの内容を2乗する第一の2乗計算器52f、タイマー値を2乗する第二の2乗計算器52g、2乗値を格納する第二のFIFO52h、2乗値を加算する第二の加算器52i、2乗値を減算する第二の減算器52j、2乗値の加減算結果を格納する第二のレジスタ52k、第二のレジスタ52kの内容から第一の2乗計算器52fの出力を減算する第三の減算器52mからなっており、以下のように動作する。
【0043】
タイマー52aは放電の生起毎に発生するパルス(すなわち放電発生パルス信号)に基づいて放電から放電までの時間(すなわち放電間隔)の測定値を各放電パルスごとに計時し、結果を第一のFIFO52b、第一の加算器52cおよび第二の2乗計算器52gへ出力する。放電発生パルス信号としては、例えば加工電源3がスイッチング素子をON/OFFする信号や、放電発生検出器の出力などを利用すれば良い。
【0044】
第一のFIFO52bは、たとえば記憶段数を64段とした先入れ先出し行列であり、放電間隔測定値を最新のものから記憶段数分だけ記憶可能な素子である。第一のFIFO52bへ新しい放電間隔測定値が入力されると、最も古い放電間隔測定値が第一の減算器52dへ出力されるとともに第一のFIFO52bから消去される。第一の加算器52cは入力された最新の放電間隔測定値を第一のレジスタ52eの内容へ加算し、結果を再び第一のレジスタ52eへ格納する。
【0045】
第一の減算器52dは入力された最古の放電間隔測定値を第一のレジスタ52eの内容から減算し、結果を再び第一のレジスタ52eへ格納する。結果として、第一のレジスタ52eには、第一のFIFO52bの記憶段数分の放電間隔測定値の総和が格納される。上述のように第一のFIFO52bの記憶段数を2のべき乗に設定しておけば、第一のレジスタ52eの下位ビットを無視することで放電間隔測定値の移動平均値を得ることができる。
【0046】
例えば、上述のごとく第一のFIFO52bの記憶段数が64段であれば、第一のレジスタ52eの下位6ビットを無視し、7ビット目を最下位ビットとみなすことにより、過去64パルス分の放電間隔の移動平均値が常に得られることになる。第一の2乗計算器52fはこのようにビットシフトされた放電間隔の移動平均値を2乗し、第三の減算器52mへ出力する。
【0047】
第二の2乗計算器52gは、入力された最新の放電間隔測定値を2乗し、第二のFIFO52hおよび第二の加算器52iへ出力する。第二のFIFO52hは第一のFIFO52bと同数の記憶段数を持った先入れ先出し行列であり、最新の2乗値が入力されると最古の2乗値を第二の減算器52jへ出力するとともに、この最古の2乗値を消去する。
【0048】
第二の加算器52iは、入力された最新の2乗値を第二のレジスタ52kの内容へ加算し、結果を再び第二のレジスタ52kへ格納する。第二の減算器52jは入力された最古の2乗値を第二のレジスタ52kの内容から減算し、結果を再び第二のレジスタ52kへ格納する。結果として、第二のレジスタ52kには、第二のFIFO52hの記憶段数分の放電間隔の2乗値の総和が格納される。
【0049】
第二のFIFO52hの記憶段数は、第一のFIFO52bの記憶段数と等しく設定されているので、第一のレジスタ52eと同様のメカニズムにより、たとえば7ビット目を最下位ビットとみなせば、第二のレジスタ52kには過去64パルス分の放電間隔の2乗値の移動平均値が得られている。
【0050】
第三の減算器52mは、このようにビットシフトされた放電間隔の2乗値の移動平均値から、第一の2乗計算器52fの出力すなわち放電間隔の移動平均値の2乗を減算することにより放電間隔の分散値を計算する。最後に第三の減算器52mは、計算した分散値をワイヤ断線の可能性を示すパラメータ(以下、ワイヤ断線可能性指数とする)として加工条件制御部53へ出力する。
【0051】
加工条件制御部53は、入力されたワイヤ断線可能性指数があらかじめ定められた設定値よりも小さい場合には、加工条件入力部51へ入力された加工条件をそのまま加工条件出力部54へ出力する。また、入力されたワイヤ断線可能性指数が設定値よりも大きい場合には、加工エネルギーを減少させる方向へ変更した加工条件を加工条件出力部54へ出力する。
【0052】
加工エネルギーを減少させる方向への変更としては、休止時間を増大させる、ワイヤ電極の進行速度を低下させる、平均加工電圧の指令値を増大させる、放電時間を減少させる、給電路のインピーダンスを増大させる、最大放電電流値を低くするなどが考えられる。
【0053】
加工条件出力部54は、加工条件制御部53からの出力に基づき、放電加工演算装置6や加工電源3へ加工条件を設定する。
【0054】
以上のように、本実施の形態のワイヤ放電加工装置では、放電が発生する時間間隔のばらつきを評価するので、加工経路の屈曲部だけでなくワークの段差部や端面部など通常より断線が発生しやすい部分をすべて過不足なく、またワイヤ断線回避動作の影響を受けずに検出できる。したがって、必要かつ十分なワイヤ断線回避動作が可能となり、加工性能が著しく向上する。
【0055】
また、本実施の形態によれば放電が発生する時間間隔の分散を用いているので加工エネルギー制御の影響を受けることなくワイヤ電極の断線可能性を評価できる。したがって、本実施の形態によれば加工経路の屈曲部、ワークの端面部や段差部など、通常より断線が発生しやすい部分に対し過不足なく効率的なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0056】
尚、上述の実施の形態では平均値を求めるに際してFIFOの段数を2のべき乗に設定することにより除算をビットシフトで代用したが、必要な除算器を設ければ他の段数のFIFOを用いてもよいことは言うまでもない。また、上述の実施の形態では加算器、減算器、2乗計算器を複数設けているが、これらは時分割で使用することも可能である。
【0057】
また、上述の実施の形態ではタイマー、FIFO、加減算器、乗算器などを用いて逐次的に分散値を求めたが、一定期間または所定放電パルス数分の放電間隔測定値をメモリーに記憶させ、一括して分散値を計算するよう構成してもよいことは言うまでもない。
【0058】
また、上述の実施の形態においては論理演算回路により分散値を求めたが、ソフトウエア処理により逐次的にまたは一括で分散値を計算するよう構成しても良いことも明らかである。
【0059】
さらにまた、上述の実施の形態では分散値は計測値の2乗平均値から平均値の2乗を減ずることによって求めたが、計測値と平均値の差の2乗の平均から求めるなど、他の方法によって求めても良い。
【0060】
また、上述の実施の形態ではワイヤ断線可能性指数として放電間隔の分散値をそのまま用いたが、この分散値の増加に対して単調に増加または減少する別の指数を用いても同様の効果を得ることができる。ただし、単調に減少する指数を採用した場合には、加工条件制御装置において指数が設定値を下回った場合に加工エネルギーを減少させる方向へ加工条件を制御する必要があることは言うまでもない。
【0061】
また、上述の実施の形態では分散値として、平均値との差の2乗を標本数で除算する標本分散を採用したが、分散値の不偏推定量である不偏分散を採用しても良く、さらに標準偏差や変動係数、2乗平均値、歪度、尖度、平均偏差、平均値との差の絶対値など、ばらつきを評価するために一般に広く用いられている他の指標を用いてもよいことは言うまでもない。
【0062】
さらにまた、上述の実施の形態では放電間隔のばらつきを評価対象としたが、放電間隔と逆数の関係にある放電周波数(すなわち単位時間当たりに発生する放電数)のばらつきや、放電間隔から制御可能な時間である放電時間および休止時間を除いた無負荷時間のばらつきを評価対象として用いても同様の結果を得ることができることは言うまでもない。
【0063】
さらにまた、上述の実施の形態では逐次得られた指標をそのままワイヤ断線可能性指数としたが、実際に得られる指標は、ばらつきがかなり大きいので、得られた指標の複数にわたる平均値または移動平均値をワイヤ断線可能性指数とみなせば、安定した良好な動作が実現できる。
【0064】
また、上述の実施の形態では、ワイヤ断線可能性指数が基準値を上回った場合には一律に加工条件を変更したが、基準値を上回る量が大きくなるほど加工条件の変更量も大きくなるよう構成すれば、さらに望ましい。
【0065】
また、上述の実施の形態ではワイヤ断線可能性指数が大きくなった場合に、加工エネルギーを減少させる制御を行ったが、加工液の流量や圧力を増大させたり、ワイヤ電極の巻き取り速度を増大させるなど、ワイヤ断線が起こりにくい方向への制御であれば、何を用いても良い。
【0066】
さらにまた、上述の実施の形態ではワイヤ断線可能性指数に基づいて自動的に加工条件の変更を行ったが、ワイヤ断線可能性指数を操作画面に表示し、加工条件の変更は作業者が行うように構成しても同様の効果が得られる。
【0067】
実施の形態2.
本実施の形態以降では、実施の形態1と動作が異なる加工状態認識部52についてのみ説明する。本実施の形態以降でも、加工状態認識部52の目的が放電間隔のばらつきを評価する点にあることは実施の形態1と同じであるが、その基本的構成が異なっているので、この点についてまず説明する。
【0068】
図4は実施の形態2以降で説明する加工状態認識部52の基本的な構成を示すブロック図であり、図において52nはクロック、52p0は関数発生器、52q0は評価期間設定器、52r0は積分器、52sは減算器、52t0は非負号化器である。
【0069】
関数発生器52p0は、常に一定値をとる定数関数を除いた任意の関数発生器であって、放電が発生する毎に出力が変化する。例えば、放電が発生する毎に1、1、2、3を順番に繰り返し出力してもよいし、出力の順番はランダムであって、確率1/2で1、1/4で2、1/4で3を出力してもよい。もちろん、放電が発生しない間に一定値である必要はなく、放電が発生する毎に平均1の乱数と平均2の乱数を交互に出力してもよい。
【0070】
クロック52nは、計時の基準となるクロックパルスを一定の周期で発生する。評価期間設定器52q0は、1回のワイヤ断線可能性指数を評価する期間(以下、評価期間と呼ぶ)を設定するものであって、例えば一定数のクロックパルスを計数するカウンタを用いて実現できる。
【0071】
積分器52r0は、評価期間中の関数発生器52p0の出力を積分し、減算器52sへ出力する。例えば、クロックパルスの立ち上がりで関数発生器52p0の出力をサンプルし、積分器52r0内部の記憶内容にサンプル値を加算するとともに、評価期間終了時に記憶内容を出力した後に記憶内容をクリアするなどの動作を行う。
【0072】
減算器52sは、積分器52r0の出力から基準値を減算する。ここで、基準値には関数発生器52p0により発生する関数出力の期待値(すなわち、関数の出力値とその出力値の出現確率の積)と評価期間に相当するクロック数を乗算した値を設定する。なぜなら、放電が一定の周期で規則的に発生した場合には、積分器52r0は関数発生器52p0の出力を一定のサンプリング周期で積算することになり、期待値と評価期間に相当するクロック数を乗算した値が積分器出力として得られるはずだからである。
【0073】
すなわち、積分器出力が基準値と異なるほど放電間隔がばらついているといえる。減算結果に対し非負号化器52t0により負数は正数に変換すると、値が大きいほど放電間隔がばらついていることになり、ワイヤ断線可能性指数と考えることができる。非負号化器としては、絶対値回路や2乗回路などが考えられる。
【0074】
尚、上述の基本構成では関数出力の期待値と評価期間に相当するクロック数を乗算した基準値を積分器出力から減算したが、基準値を期待値と等しく設定し、関数発生器出力から基準値を減算した後に積分したり、積分器出力を評価期間相当のクロック数で除算した後に基準値を減算するなどの方法を用いてもよいことは言うまでもない。
【0075】
以上で基本的構成の説明を終了し、次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、関数発生器52p0として放電発生パルス信号が発生する毎に出力が論理反転する分周器を採用し、関数発生器は放電が発生する毎に“0”と“1”を交互に出力するとみなした。すると、積分器52r0は分周器が一方の値(例えば“High”)を出力する間のみクロックパルスを計数するカウンタで代用できる。
【0076】
また、関数出力の出現確率は出力0、1とも1/2ずつなので、減算器52s0に設定する基準値としては評価期間の1/2の長さに相当するクロックパルス数を設定すればよい。また、非負号化器52t0としては絶対値回路を、評価期間設定器52q0としてはクロックパルスをカウントするタイマーを採用した。以上の構成による実施の形態を詳しく説明すると以下のようになる。
【0077】
図5は本実施の形態の加工状態認識部を示すブロック図である。また、図6は本実施の形態のタイミングチャートである。これまでの説明と同等または相当部分には同じ記号を附して説明を省略する。図5において、52pは分周器、52qはタイマー、52rはカウンタ、52tは絶対値回路である。また、図6において、(a)はクロック出力、(b)はタイマー出力、(c)は放電発生パルス信号、(d)は分周器出力、(e)はカウンタ計数値、(f)は絶対値回路出力を示す。
【0078】
次に動作について説明する。ただし、実施の形態1との相違点は加工状態認識部52のみであるので、この部分についてのみ説明する。加工状態認識部52は、計時の基準となるパルスを供給するクロック52n、放電発生パルス信号が入力される毎に出力値を反転させる分周器52p、評価期間を定めるタイマー52q、分周器52pが一方の値を出力している間にクロック52nが出力するパルスを計数し、得られた計数値を評価期間終了時に出力するとともに計数値をリセットするカウンタ52r、計数結果と基準値との差を計算する減算器52s、減算結果の絶対値を出力する絶対値回路52tからなっており、以下のように動作する。
【0079】
クロック52nは、図6−(a)に示すように、計時の基準となるクロック信号を常に発生している。タイマー52qは評価期間毎に図6−(b)に示すようなパルスを発生する。クロック52nの周波数およびタイマー52qの設定値から定まる評価期間は使用する加工条件により調整が必要な場合もあるが、おおむね前者は100kHz〜10MHz、後者は10msec〜0.1msec程度が好適である。
【0080】
分周器52pは、図6−(c)に示すような放電発生パルス信号を2分周して図6−(d)に示すような信号を出力する。カウンタ52rは分周器52pからの出力が一方の値(例えば“High”)になっているときのみクロック52nからの出力パルスを計数し、タイマー52qからの入力により計数値を出力した後に計数値をリセットする。図6−(e)にカウンタ52rの計数値を示す。
【0081】
尚、図6−(e)に示す点線は、後に述べる減算器52sに設定された基準値を示している。カウンタ52rの出力は減算器52sによりあらかじめ定められた基準値を減算される。ここで、基準値は以下のように定める。上述の動作から明らかなように、カウンタ52rは分周器52pの出力が“High”の時のみ計数するのであるから、分周器52pは出力“0”および“1”を確率1/2でそれぞれ出力する関数発生器、カウンタ52rは分周器52pの出力の積分器とみなすことができる。分周器52pの出力の期待値は1/2となるから、基準値には評価期間の1/2の長さに相当する計数値を設定すればよい。最後に、減算結果は絶対値回路52tにより絶対値化され、ワイヤ断線可能性指数として出力される。図6−(f)に絶対値回路52tの出力値を示す。
【0082】
以上のように、本実施の形態によれば実施の形態1よりも簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価できるので、容易にワイヤ断線を防止できる。
【0083】
尚、上述の実施の形態では評価期間は連続していたが、複数に分割されていても同様の効果が得られる。
【0084】
また、上述の実施の形態ではカウンタの制御に1/2の確率で2種類の値のうちいずれかを出力する分周器を使用したが、出力値ごとに出現確率があらかじめ判明していればいかなる関数発生器を使用してもよい。
【0085】
たとえば、3種類以上の値を順に出力する関数や、内部で発生させた乱数にしたがって所定の確率で複数の出力値から選択出力する関数などが考えられる。
【0086】
さらに、上記関数は放電発生パルス信号が入力されないうちは一定値を保つ関数に限られるわけではなく、たとえば放電発生パルス信号が入力される毎に分布が異なる2種類の乱数を交互に発生させる関数などを用いても、実現は可能である。
【0087】
ただし、上述の実施の形態では関数発生器の出力が“0”または“1”であったので、出力が“0”の場合には加算せず、“1”の時のみ加算することで積分が実行できたが、一般的には出力の積分に際し乗算が必要である。例えば出力が“2”の場合には、クロックパルスの2倍のパルス数を積算するよう構成する必要がある。
【0088】
また、上述の実施の形態ではカウンタは分周器出力が特定の一つの値のときのみ動作したが、複数の値で動作するよう構成してもよい。例えば、関数発生器により出力された3種類の値のうち2種類で動作するよう構成してもよい。
【0089】
また、上述の実施の形態ではワイヤ断線可能性指数として絶対値回路の出力をそのまま用いたが、この絶対値の増加に対して単調に増加または減少する別の指標を出力するよう構成してもよい点、上述の実施の形態では逐次得られた指標(絶対値回路の出力)をそのままワイヤ断線可能性指数としたが、得られた指標の複数にわたる平均値または移動平均値をワイヤ断線可能性指数とすれば、安定した良好な動作が実現できる点は実施の形態1と同様である。
【0090】
実施の形態3.
本実施の形態は、関数発生器52p0として放電発生パルス信号が発生する毎に出力が論理反転する分周器を採用した点を含めて実施の形態2とほぼ同様である。ただし関数発生器52p0の出力に対し、二等分された評価期間の前半と後半では積算方向を逆に設定して、減算器に設定するべき基準値を0となし、減算器を省略した点が異なる。以上の構成による実施の形態を詳しく説明すると以下のようになる。
【0091】
図7は本実施の形態の加工状態認識部を示すブロック図である。また、図8は本実施の形態のタイミングチャートである。これまでの説明と同等または相当部分には同じ記号を附して説明を省略する。図7において、52uは第一の分周器、52vは第二の分周器である。また、図8において、(a)はクロック出力、(b)は第二の分周器出力、(c)は放電発生パルス信号、(d)は第一の分周器出力、(e)はカウンタ計数値、(f)は絶対値回路出力を示す。
【0092】
次に動作について説明する。ただし、実施の形態2との相違点は加工状態認識部52のみであるので、この部分についてのみ説明する。加工状態認識部52が放電発生パルス信号の発生にしたがって変化する関数出力の偏りを評価する点は実施の形態2と同様である。
【0093】
本実施の形態では、評価期間を二種類の領域に分割し、カウンタに対し一方の領域ではアップカウント動作を、他方の領域ではダウンカウント動作を行わせることにより基準値をゼロとなし、減算器を省略した点が異なる。
【0094】
すなわち、本実施の形態においては、加工状態認識部52は放電発生パルス信号が入力される毎に出力を反転させる第一の分周器52u、計時の基準となるパルスを供給するクロック52n、評価期間の1/2の期間を定めるタイマー52q、タイマー52qの出力により出力が反転する第二の分周器52v、計数方向が変更可能であって、第一の分周器52uが特定の値を出力している間にクロック52nの出力を計数し、評価期間ごとに計数値を出力するとともにリセットされるカウンタ52r、計数結果の絶対値を出力する絶対値回路52tからなっており、以下のように動作する。
【0095】
クロック52nは、図8−(a)に示すように、計時の基準となるクロック信号を常に発生している。タイマー52qは、クロック52nからの信号に基づいて評価期間の1/2の時間毎にパルスを発生する。タイマー52qの出力は第二の分周器52vにより2分周されて図8−(b)に示すような信号となる。クロック52nの周波数およびタイマー52qの設定値から定まる評価期間は使用する加工条件により調整が必要な場合もあるが、おおむね前者は100kHz〜10MHz、後者は10msec〜0.1msec程度が好適である。
【0096】
第一の分周器52uは、図8−(c)のような放電発生パルス信号を2分周して図8−(d)に示すような信号を出力する。カウンタ52rは第一の分周器52uからの出力が一方の値(例えば“High”)になっているときのみクロック52nからの出力パルスを計数するが、その計数方向は第二の分周器52vの出力が一方の値(例えば“High”)のときにはアップカウント、他方の値(例えば“Low”)のときにはダウンカウントに設定される。
【0097】
また、カウンタ52rは、評価期間終了時に計数値を出力するとともに計数値をリセットする。図8−(e)にカウンタ52rの計数値を示す。このように、本実施の形態では関数発生器である第一の分周器の出力を積分するにあたり、その積分方向を第二の分周器の出力により決定する。第二の分周器の動作から明らかなように、正方向へ積分する時間と逆方向へ積分する時間は等しいので基準値はゼロとなり、減算器は不要となる。なお、図8−(e)に示す点線は、基準値であるゼロを示している。最後に、計数結果は絶対値回路52tにより絶対値化され、ワイヤ断線可能性指数として出力される。図8−(f)に絶対値回路52tの出力値を示す。
【0098】
以上のように構成すれば、減算器を使用しなくても実施の形態2と同様の結果を得ることができるため、構成が簡単になる。
【0099】
なお、評価期間は複数に分割されていても同様の効果が得られる点、絶対値出力の増加に対して単調に増加または減少する別の指標を出力するよう構成しても同様の効果が得られる点、指標の複数にわたる平均値または移動平均値をワイヤ断線可能性指数とすればさらに安定した良好な動作が実現できる点は実施の形態2と同様である。
【0100】
また、上述の実施の形態では評価期間の前半をアップカウントする領域、後半をダウンカウントする領域に設定したが、必ずしも各領域が連続している必要はなく、例えば評価期間を4等分して第1および第3の領域をアップカウント、第2および第4の領域をダウンカウントするなど、アップカウントする領域の長さの総和とダウンカウントする領域の長さの総和が等しければ、どのように分割されていてもよい。また、一方の領域の長さを半分に設定して2倍のカウント値を採用するなど、双方の領域の長さが異なっていたとしてもカウント値の重みを調整するなどの方策により実質的に基準値が0となるよう構成してもよい。
【0101】
さらにまた、上述の実施の形態では一つのカウンタに対して評価期間の前半にアップカウントを、後半にダウンカウントを行ったが、前半と後半の動作を逆にしてもよいのはもちろんのこと、前半に動作するカウンタと後半に動作するカウンタを設け、評価期間の終了時に双方のカウント値を減算するよう構成してもよいことも明白である。
【0102】
また、上述の実施の形態ではカウンタの制御に1/2の確率で2種類の値のうちいずれかを出力する分周器を使用したが、出力値ごとに出現確率があらかじめ判明していればいかなる関数発生器を使用してもよい点も実施の形態2と同様である。
【0103】
また、上述の実施の形態では関数発生器の出力が“0”または“1”であったので、評価期間の前半では正方向へのカウント、評価期間の後半では逆方向へのカウントにより積分が実行できたが、一般的には出力の積分に際し乗算が必要な点も実施の形態2と同様である。
【0104】
尚、本実施の形態での関数発生器を二つの分周器を組み合わせたものとみなし、その出力は、カウンタを動作させない時は“0”、正方向へのカウント時は“1”、逆方向へのカウント時は“−1”となっていると解釈することもできる。
【0105】
実施の形態4.
本実施の形態においても、関数発生器52p0として放電発生パルス信号が発生する毎に出力が論理反転する分周器を採用した点を含めて実施の形態2とほぼ同様である。
【0106】
ただし、関数発生器52p0は、放電が発生する毎に、“0”と“1”ではなく、“−1”と“1”を交互に出力するとみなした。したがって、積分器は関数発生器が“1”を出力する間にはクロックパルスをアップカウントし、“−1”を出力する間にはダウンカウントするカウンタで代用する。
【0107】
また、関数出力の出現確率は出力“−1”、“1”とも1/2ずつなので、減算器に設定するべき基準値は0となり、実施の形態3と同様に減算器は省略できる。以上の構成による実施の形態を詳しく説明すると以下のようになる。
【0108】
図9は本実施の形態の加工状態認識部を示すブロック図である。また、図10は本実施の形態のタイミングチャートである。これまでの説明と同等または相当部分には同じ記号を附して説明を省略する。図10において、(a)はクロック出力、(b)はタイマー出力、(c)は放電発生パルス信号、(d)は分周器出力、(e)はカウンタ計数値、(f)は絶対値回路出力を示す。
【0109】
次に動作について説明する。ただし、実施の形態3との相違点は加工状態認識部52のみであるので、この部分についてのみ説明する。加工状態認識部52において評価期間を二種類の領域に分割し、一方の領域ではアップカウント動作を、他方の領域ではダウンカウント動作を行わせることにより基準値をゼロとなし、減算器を省略した点は実施の形態3と同様である。
【0110】
本実施の形態では、評価期間の二種類の領域への分割に際し、タイマー出力を分周するのではなく、放電発生パルス信号の分周結果を用いる点が異なる。すなわち、本実施の形態においては、加工状態認識部52は放電発生パルス信号が入力される毎に出力を反転させる分周器52p、計時の基準となるパルスを供給するクロック52n、評価期間を定めるタイマー52q、計数方向が変更可能であって、分周器52pが一方の値を出力している間にクロック52nの出力をアップカウントし、分周器52pが他方の値を出力している間にクロック52nの出力をダウンカウントし、評価期間ごとに計数値を出力するとともにリセットされるカウンタ52r、計数結果の絶対値を出力する絶対値回路52tからなっており、以下のように動作する。
【0111】
クロック52nは、図10−(a)に示すように、計時の基準となるクロック信号を常に発生している。タイマー52qは評価期間毎に図10−(b)に示すようなパルスを発生する。クロック52nの周波数およびタイマー52qの設定値から定まる評価期間は使用する加工条件により調整が必要な場合もあるが、おおむね前者は100kHz〜10MHz、後者は10msec〜0.1msec程度が好適である。
【0112】
分周器52pは、図10−(c)のような放電発生パルス信号を2分周して図10−(d)に示すような信号を出力する。カウンタ52rは分周器52pからの出力が一方の値(例えば“High”)になっているときにはクロック52nからの出力パルスをアップカウントし、分周器52pからの出力が他方の値(例えば“Low”)になっているときにはクロック52nからの出力パルスをダウンカウントする。
【0113】
また、カウンタ52rは、タイマー52qからの入力により計数値を出力するとともにリセットする。図10−(e)にカウンタ52rの計数値を示す。実施の形態2では計数値から基準値を減算したが、本実施の形態では基準値がゼロであるため減算しない。この点を以下で説明する。
【0114】
本実施の形態におけるカウンタは分周器の出力が“Low”の時にはダウンカウント、“High”の時にはアップカウント動作をするのであるから、分周器の出力が“Low”、“High”の時に関数出力がそれぞれ“−1”、“1”となる関数発生器の出力をカウンタで積分していることになる。関数発生器の出力の出現確率は1/2ずつであるから、関数発生器の出力の期待値はゼロとなるため、基準値もゼロとなる。以上の理由により減算器は不要となる。
【0115】
尚、図10−(e)に示す点線は、基準値であるゼロを示している。最後に、計数結果は絶対値回路52tにより絶対値化され、ワイヤ断線可能性指数として出力される。図10−(f)に絶対値回路52tの出力値を示す。
【0116】
以上のように構成すれば、放電間隔にばらつきが無い場合にはアップカウントとダウンカウントの時間が等しくなるので基準値は0となる。したがって、第二の分周器を使用しなくても実施の形態3と同様の結果を得ることができる。
【0117】
尚、評価期間は複数に分割されていても同様の効果が得られる点、絶対値出力の増加に対して単調に増加または減少する別の指標を出力するよう構成しても同様の効果が得られる点、指標の複数にわたる平均値または移動平均をワイヤ断線可能性指数とすればさらに安定した良好な動作が実現できる点は実施の形態2と同様である。
【0118】
さらに、本実施の形態では放電パルスが偶数発生した時点での基準値は常に0となるので、偶数に設定されたパルス数分だけ放電が発生すると評価期間が終了するように構成してもよい。
【0119】
また、上述の実施の形態ではカウンタの制御に1/2の確率で2種類の値のうちいずれかを出力する分周器を使用したが、出力値ごとに出現確率があらかじめ判明していればいかなる関数発生器を使用してもよい点も実施の形態2と同様である。
【0120】
また、上述の実施の形態では関数発生器の出力が“−1”または“1”であったので、出力が“1”の時には加算(すなわちアップカウント)、“−1”の時には減算(すなわちダウンカウント)することで積分が実行できたが、一般的には出力の積分に際し乗算が必要な点も実施の形態2と同様である。
【0121】
【発明の効果】
この発明のワイヤ放電加工装置は、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段とを備えている。そのため、放電が発生する時間間隔のばらつきに基づいてワイヤ断線の可能性を評価するので、加工経路の屈曲部だけでなくワークの段差部や端面部など通常より断線が発生しやすい部分をすべて過不足なく、かつワイヤ断線回避動作の影響を受けることなく検出できるので、必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができ、加工性能が大幅に向上する。
【0123】
また、評価手段は、計測値の平均の2乗を求める手段と、計測値の2乗の平均を求める手段と、計測値の2乗の平均と計測値の平均の2乗の差を求める手段とを有する。そのため、ばらつきを合理的に評価することができ、さらに必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0124】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、関数発生器の出力を積分する積分器と、関数発生器の出力の期待値と積分期間との積と積分器の出力との差の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有する。そのため、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、容易にワイヤ断線を防止できる。
【0125】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、関数発生器の出力と関数発生器の出力の期待値との差を積分する積分器と、積分器出力の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有する。そのため、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、容易にワイヤ断線を防止できる。
【0126】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、関数発生器の出力を積分する積分器と、積分期間を長さの等しい二つの領域に分割する手段と、積分器の出力の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有し、積分器は、二つの積分領域において互いに逆方向へ積分する。そのため、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、容易にワイヤ断線を防止できる。
【0127】
また、評価手段は、放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化し、その出力の期待値がゼロである関数を発生する関数発生器と、関数発生器の出力を積分する積分器と、積分器の出力の絶対値または絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段とを有する。そのため、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、容易にワイヤ断線を防止できる。
【0128】
また、関数発生器は、放電が発生する毎に出力が反転する分周器である。そのため、さらに簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価することができる。
【0129】
また、積分器は、カウンタである。そのため、さらに簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価することができる。
【0130】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、放電が発生する時間間隔を計時するタイマーと、タイマーによる計時結果を格納する第一の先入先出行列と、第一の先入先出行列内に格納された値の総和を記憶する第一のレジスタと、タイマーによる計時結果を第一のレジスタへ加算する第一の加算器と、第一の先入先出行列の出力を第一のレジスタから減算する第一の減算器と、第一のレジスタの内容を2乗する第一の2乗計算器と、タイマーによる計時結果を2乗する第二の2乗計算器と、第二の2乗計算器の出力を格納する第二の先入先出行列と、第二の先入先出行列内に格納された値の総和を記憶する第二のレジスタと、第二の2乗計算器の出力を第二のレジスタへ加算する第二の加算器と、第二の先入先出行列の出力を第二のレジスタから減算する第二の減算器と、第二のレジスタの内容から第一の2乗計算器の出力を減算する第三の減算器を有し、評価手段は、第三の減算器の出力をばらつきの評価値とする。そのため、安定した良好な動作が実現でき、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、さらに必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0131】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、放電が発生する毎に出力が論理反転する分周器と、分周器の出力が一方の値のときのみクロックパルスを計数し、評価パルスが出力される毎に計数値を出力するとともに計数値をリセットするカウンターと、カウンターの出力から一定の基準値を減算する減算器と、減算器の減算結果の絶対値を出力する絶対値回路とを有し、評価手段は、絶対値回路の出力をばらつきの評価値とする。そのため、安定した良好な動作が実現でき、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、さらに必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0132】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、放電が発生する毎に出力が論理反転する第一の分周器と、評価パルスが発生する毎に出力が論理反転する第二の分周器と、第一の分周器の出力が一方の値のときのみクロックパルスを計数動作し、第二の分周器の出力が一方の値のときには増加方向に、第二の分周器の出力が他方の値のときには減少方向に計数動作を行い、増加方向への計数動作と減少方向への計数動作を等しい時間だけ行った後に計数値を出力するとともに計数値をリセットするカウンターと、カウンターの出力の絶対値を出力する絶対値回路とを有し、評価手段は、絶対値回路の出力をばらつきの評価値とする。そのため、安定した良好な動作が実現でき、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、さらに必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0133】
また、ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、放電が発生する毎に出力が論理反転する分周器と、分周器の出力が一方の値のときには増加方向に、他方の値のときに減少方向にクロックパルスを計数し、評価パルスが出力される毎に計数値を出力するとともに計数値をリセットするカウンターと、カウンター出力の絶対値を出力する絶対値回路とを有し、評価手段は、絶対値回路の出力をばらつきの評価値とする。そのため、安定した良好な動作が実現でき、簡単な構成で放電間隔のばらつきを評価でき、さらに必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0134】
また、評価手段は、複数のばらつきの評価値の平均値、移動平均値または総和値をばらつきの評価値とする。そのため、さらにばらつきを合理的に評価することができ、さらに必要かつ十分なワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0135】
また、制御手段は、ばらつきの評価値が予め設定された基準値を越えた場合に加工エネルギーを抑制方向へ制御する。そのため、確実にワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0136】
また、制御手段は、ばらつきの評価値と基準値との差が大きくなるにしたがって加工エネルギーの抑制幅をより大きく設定する。そのため、さらに確実にワイヤ断線回避動作を行うことができる。
【0137】
さらに、制御手段は、休止時間を長く設定する手段、ワイヤ電極の軌道進行速度を低下させる手段、電極位置制御用サーボ電圧を高く設定する手段、放電の持続時間を短く設定する手段、放電回路のインピーダンスを増大させる手段のうち、少なくとも一つの手段を含む。そのため、色々な方法により加工エネルギーの抑制をすることができ、適応性が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 放電が発生する毎に出力されるパルス信号(以下、放電発生パルス信号と呼ぶ)の発生状況を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態1のワイヤ放電加工装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の加工状態認識部の詳細を示すブロック図である。
【図4】 実施の形態2以降での加工状態認識部の基本的な構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態2のワイヤ放電加工装置の構成を示す加工状態認識部の詳細なブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態2のタイミングチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態3のワイヤ放電加工装置の構成を示す加工状態認識部の詳細なブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態3のタイミングチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態4のワイヤ放電加工装置の構成を示す加工状態認識部の詳細なブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態4のタイミングチャートである。
【図11】 従来のワイヤ放電加工における放電加工条件調節回路の一例を示す図である。
【図12】 加工経路屈曲部通過前後におけるパルス数の変化と閾値を示す図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極、2 ワーク、2a ワークテーブル、3 加工電源、4 給電子、5 加工条件制御装置、6 放電加工演算制御装置、7 サーボ機構、51 加工条件入力部、52 加工状態認識部(評価手段)、53 加工条件制御部(制御手段)、54 加工条件出力部、52a タイマー、52b 第一のFIFO、52c 第一の加算器、52d 第一の減算器、52e 第一のレジスタ、52f 第一の2乗計算器、52g 第二の2乗計算器、52h 第二のFIFO、52i 第二の加算器、52j 第二の減算器、52k 第二のレジスタ、52m 第三の減算器、52n クロック、52p0 関数発生器、52q0 評価期間設定器、52r0 積分器、52s 減算器、52t0 非負号化器、52p 分周器、52q タイマー、52r カウンタ、52t 絶対値回路、52u 第一の分周器、52v 第二の分周器。
Claims (15)
- ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
上記計測値の平均の2乗を求める手段と、
上記計測値の2乗の平均を求める手段と、
上記計測値の上記2乗の平均と上記計測値の上記平均の2乗の差を前記ばらつきの評価値として求める手段と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、
上記関数発生器の出力を積分する積分器と、
上記関数発生器の出力の期待値と積分期間との積と上記積分器の出力との差の絶対値または該絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、
上記関数発生器の出力と上記関数発生器の出力の期待値との差を積分する積分器と、
上記積分器出力の絶対値または該絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化する関数発生器と、
上記関数発生器の出力を積分する積分器と、
積分期間を長さの等しい二つの領域に分割する手段と、
上記積分器の出力の絶対値または該絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段と
を有し、
上記積分器は、上記二つの積分領域において互いに逆方向へ積分する
ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
放電の発生にしたがって出力が2種類以上に変化し、その出力の期待値がゼロである関数を発生する関数発生器と、
上記関数発生器の出力を積分する積分器と、
上記積分器の出力の絶対値または該絶対値と単調な関係にある指数を出力する手段と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - 上記関数発生器は、放電が発生する毎に出力が反転する分周器である
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか記載のワイヤ放電加工装置。 - 上記積分器は、カウンタである
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか記載のワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
放電が発生する時間間隔を計時するタイマーと、
上記タイマーによる計時結果を格納する第一の先入先出行列と、
上記第一の先入先出行列内に格納された値の総和を記憶する第一のレジスタと、
上記タイマーによる計時結果を上記第一のレジスタへ加算する第一の加算器と、
上記第一の先入先出行列の出力を上記第一のレジスタから減算する第一の減算器と、
上記第一のレジスタの内容を2乗する第一の2乗計算器と、
上記タイマーによる計時結果を2乗する第二の2乗計算器と、
上記第二の2乗計算器の出力を格納する第二の先入先出行列と、
上記第二の先入先出行列内に格納された値の総和を記憶する第二のレジスタと、
上記第二の2乗計算器の出力を上記第二のレジスタへ加算する第二の加算器と、
上記第二の先入先出行列の出力を上記第二のレジスタから減算する第二の減算器と、
上記第二のレジスタの内容から上記第一の2乗計算器の出力を減算し、上記ばらつきの評価値として出力する第三の減算器と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、
一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、
放電が発生する毎に出力が論理反転する分周器と、
上記分周器の出力が一方の値のときのみ上記クロックパルスを計数し、上記評価パルスが出力される毎に計数値を出力するとともに該計数値をリセットするカウンターと、
上記カウンターの出力から一定の基準値を減算する減算器と、
上記減算器の減算結果の絶対値を上記ばらつきの評価値として出力する絶対値回路と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、
一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、
放電が発生する毎に出力が論理反転する第一の分周器と、
上記評価パルスが発生する毎に出力が論理反転する第二の分周器と、
上記第一の分周器の出力が一方の値のときのみ上記クロックパルスを計数動作し、上記第二の分周器の出力が一方の値のときには増加方向に、上記第二の分周器の出力が他方の値のときには減少方向に計数動作を行い、増加方向への該計数動作と減少方向への該計数動作を等しい時間だけ行った後に計数値を出力するとともに該計数値をリセットするカウンターと、
上記カウンターの出力の絶対値を上記ばらつきの評価値として出力する絶対値回路と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - ワイヤ状の電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させて加工を行うワイヤ放電加工装置において、
上記放電の周期、周波数または無負荷時間を計測し、計測値のばらつきを評価し、ばらつきの評価値として出力する評価手段と、
上記評価値に基づいて加工条件を制御する制御手段と
を備え、
上記評価手段は、
計時の基準となるクロックパルスを発生するクロックと、
一定の時間ごとに評価パルスを出力するタイマーと、
放電が発生する毎に出力が論理反転する分周器と、
上記分周器の出力が一方の値のときには増加方向に、他方の値のときに減少方向に上記クロックパルスを計数し、上記評価パルスが出力される毎に計数値を出力するとともに該計数値をリセットするカウンターと、
上記カウンター出力の絶対値を上記ばらつきの評価値として出力する絶対値回路と
を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - 上記評価手段は、複数のばらつきの評価値の平均値、移動平均値または総和値を上記ばらつきの評価値とする
ことを特徴とする請求項2乃至7及び9乃至11のいずれか記載のワイヤ放電加工装置。 - 上記制御手段は、上記ばらつきの評価値が予め設定された基準値を越えた場合に加工エネルギーを抑制方向へ制御する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか記載のワイヤ放電加工装置。 - 上記制御手段は、上記ばらつきの評価値と基準値との差が大きくなるにしたがって加工エネルギーの抑制幅をより大きく設定する
ことを特徴とする請求項13記載のワイヤ放電加工装置。 - 上記制御手段は、
休止時間を長く設定する手段、
ワイヤ電極の軌道進行速度を低下させる手段、
電極位置制御用サーボ電圧を高く設定する手段、
放電の持続時間を短く設定する手段、
放電回路のインピーダンスを増大させる手段のうち、少なくとも一つの手段を含む
ことを特徴とする請求項13または14記載のワイヤ放電加工装置。
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