JP4022038B2 - 薄膜太陽電池パネルの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、切断方法に関する。より詳細には、本発明は、薄膜薄膜太陽電池パネルを構成する薄膜にレーザビームを照射し、その薄膜を切断する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光のエネルギを直接電気エネルギに変換する光電変換装置である太陽電池の種類として、各種のものが実用化されている。なかでも、非晶質シリコン系の薄膜太陽電池は、製造のためのコストが小さく大面積化が容易である。そのため、非晶質シリコン系の薄膜太陽電池を使用した屋外用の大面積太陽電池の開発が進められている。
薄膜太陽電池パネルの製造においては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法及びスパッタリング法のような薄膜の堆積工程と、レーザスクライブ法のようなパターンニング工程とが、組み合わせて行われ、所望の構造が形成される。
薄膜太陽電池パネルは、通常、1枚の透明絶縁基板に複数の光電変換セルが電気的に直列接続された構造を採用している。この光電変換セルは、薄膜太陽電池パネルの面積を有効に用いるため、その透明絶縁基板のほとんどを占めている。
薄膜太陽電池パネルには、更に、光電変換セルを取り囲むように、外周端部が設けられている。この外周端部は、薄膜太陽電池パネルを保持するフレームと接触する部分である。
この光電変換セルは、外周端部から電気的に絶縁されている必要がある。外周端部には、フレームと接触するために機械的な力が作用される。その力により、薄膜が損傷して上下の電極膜が電気的にショートして発電能力が大幅に低下する。光電変換セルと外周端部とが電気的に絶縁されていれば、発電能力の低下は起こらない。
【0003】
光電変換セルと外周端部との絶縁を確保するために、レーザビームを用いて薄膜太陽電池パネルを構成する薄膜を切断するレーザビーム加工法が知られている。このようなレーザビーム加工法を使用した薄膜太陽電池パネルの製造方法が、公開特許公報(特開昭59−193076)に知られている。
【0004】
公知のその薄膜太陽電池パネルの製造方法(以下、「第1の公知の薄膜太陽電池パネルの製造方法」という。)では、図21に示されているように、透明基板501の上に順に形成された透明電極層502、半導体層503、及び裏面電極層504に、透明基板501側からレーザビーム505が入射される。これにより、透明電極層502、半導体層503、及び裏面電極層504を貫通する分離溝506が形成され、光電変換セル部500と外周端部510との間の絶縁が確保される。
【0005】
光電変換セル部500と外周端部510との間には、絶縁がとられていなければならない。従って、光電変換セル部500の透明電極層502aと外周端部510の透明電極層502bとの間、及び、光電変換セル部500の裏面電極層504aと外周端部510の裏面電極層504bとは絶縁されていなければならない。
【0006】
更に、光電変換セル部500の透明電極層502aと裏面電極層504aとは短絡してはならない。なぜなら、薄膜太陽電池の正極及び負極である透明電極層502aと裏面電極層504aとが短絡していると、薄膜太陽電池の機能が損なわれるからである。
【0007】
しかし、第1の公知の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、透明電極層502を構成する物質がレーザビームのエネルギにより蒸発して飛散する際に、分離溝506の内壁506aに付着し、透明電極層502aと裏面電極層504aの間を短絡するという問題がある。
【0008】
公開特許公報(特開平11−186573)には、かかる問題を解決する第2の公知の薄膜太陽電池パネルの製造方法が開示されている。
【0009】
第2の公知の薄膜太陽電池パネルの製造方法では、まず、図22に示されているように、透明基板511上に、透明電極層512が堆積される。透明電極層512は、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、ZnO2等の透明な導線性膜で形成されている。
【0010】
続いて、図23に示されているように、ガラス基板511側から透明電極512にレーザ光513が入射され、透明電極層512に透明電極層分離溝514が形成される。
【0011】
続いて、図24に示されているように、半導体層515と裏面電極層516とが順次堆積される。半導体層515と裏面電極層516とが順次形成された後、公知のレーザパターニングが実施され、複数の光電変換セルが薄膜太陽電池パネル全面に形成される。
【0012】
続いて、図25に示されているように、レーザ光517が入射されて半導体層515と裏面電極層516とが切断され、分離溝518が形成される。分離溝516により、外周端部と光電変換セルとが絶縁される。レーザ光517の光強度は、透明電極層512に損傷を与えることのない程度に選ばれている。透明電極層512を蒸発させるのに必要な単位面積あたりのレーザエネルギは、半導体層515のそれの10倍程度である。従って、レーザ光517が、半導体層515のみを蒸発させるだけのエネルギを有するレーザ光であれば、透明電極層512に損傷が与えられることはない。このとき、裏面電極層516は、半導体層515が蒸発する際に、その半導体層から生ずるガスのガス圧力で除去される。
【0013】
しかし、第2の公知の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、以下に述べられているような問題点があった。
【0014】
半導体層515と裏面電極層516を切断する分離溝は、透明電極層512を切断する分離溝の上に形成されなければならない。しかし、透明電極層512を切断する分離溝の形成は、半導体層515及び裏面電極層516の堆積の前であり、半導体層515と裏面電極層516を切断する分離溝の形成は、半導体層515及び裏面電極層516の堆積の後である。即ち、透明電極層512を切断する分離溝の形成と、半導体層515と裏面電極層516を切断する分離溝の形成とは、別の工程である。従って、それらの分離溝の位置合わせをする必要がある。通常、透明電極層512に形成される分離溝の幅は、50μm程度であり、半導体層515及び裏面電極層516に形成される分離溝の幅は、100μm〜200μmである。従って、微細な位置合わせがなされる必要がある。このような微細な位置合わせを行える装置は高価である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、薄膜太陽電池パネルの外部端部と光電変換セルを分離する分離溝を形成するとき、光電変換セルの透明電極層と裏面電極層とが短絡しないような薄膜太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
【0016】
本発明の他の課題は、薄膜太陽電池パネルの外部端部と光電変換セルを分離する分離溝が、より少ない工程で形成される薄膜太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段は、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の複数の実施の形態のうちの、少なくとも1つの実施の形態を構成する技術的事項、特に、その実施の形態に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0018】
本発明による薄膜太陽電池パネルの製造方法は、透明基板(11)と、透明基板(11)の上に形成された透明電極層(12)と、透明電極層(12)の上に形成された半導体層(13)と、半導体層(13)の上に形成された裏面電極層(14)とを含む積層体とを備え、その積層体は分離溝(4)によって光電変換セル領域(2)と外周端部(3)とに分離されている薄膜太陽電池パネルの製造方法である。当該薄膜太陽電池パネルの製造方法は、
(a) レーザビーム(15)を透明基板(11)側から薄膜太陽電池パネル(1)に入射するステップと、
(b) レーザビーム(15)を第1方向(y軸方向)に走査して透明電極層(12)、半導体層(13)、及び前記裏面電極層(14)を切断し、分離溝(4)を形成するステップとを具備する。レーザビーム(15)には、透明電極層(12)と半導体層(13)と前記裏面電極層(14)とを透明基板(11)から離脱させる第1光強度(ITCO)を有する中心領域(15a)と、第1光強度(ITCO)よりも小さく、半導体層(13)と裏面電極層(14)とを透明電極層(12)から離脱させる第2光強度(ISC)を有し、且つ、中心領域(15a)を包囲する外部領域(15b)とが積極的に設けられている。
【0019】
当該製造方法において、レーザビーム(15)の断面は、楕円であることが望ましい。このとき、その楕円の長軸が延びる第2方向(x軸方法)は、実質的に、第1方向(y軸方向)に垂直であることが望ましい。
【0020】
当該製造方法において、その長軸のうち外部領域(15b)にある部分の第1長さ(d1)は、その楕円の短軸のうち外部領域(15b)にある部分の第2長さ(d2)よりも大きいことが望ましい。
【0021】
当該製造方法において、第1長さ(d1)は、透明電極層(12)を構成する物質が、半導体層(13)に再付着しないように選ばれることが望ましい。
【0022】
本発明による薄膜太陽電池パネルの製造方法は、透明基板(11)と、透明基板(11)の上に形成された透明電極層(12)と、透明電極層(12)の上に形成された半導体層(13)と、半導体層(13)の上に形成された裏面電極層(14)とを含む積層体とを備え、その積層体は分離溝(4)によって光電変換セル領域(2)と外周端部(3)とに分離されている薄膜太陽電池パネルの製造方法である。当該薄膜太陽電池パネルの製造方法は、
(c) 透明電極層(12)を透明基板(11)から離脱させず、且つ、半導体層(13)と裏面電極層(14)とを透明電極層(12)から離脱させる第1光強度(ITCO)を有する第1レーザビーム(18)を半導体層(13)に入射するステップと、
(d) 第1レーザビーム(18)を第1方向(y軸方向)に走査して半導体層(13)を切断するステップと、
(e) (d)ステップの後、透明電極層(12)を透明基板(11)から離脱させる第2光強度を有する第2レーザビーム(19)を、前記第1レーザビームが通過した領域内を通過するように前記透明電極に入射するステップと、
(f) 前記第2レーザビームを前記第1方向に走査して、透明電極層(12)を切断するステップ
とを具備する。ここで第1レーザビーム(18)は、第1径(r1)を有し、第2レーザビーム(19)は、第1径(r1)より小さい第2径(r2)を有する。
【0023】
当該製造方法において、第1レーザビーム(18)は、第1レーザビーム(18)の中心が第1方向(18b)に延びる第1走査線(18a)上を通過するように走査され、且つ、第2レーザビーム(19)は、第2レーザビーム(19)の中心が第1方向(18b)に延びる第2走査線上(19a)を通過するように走査されることがある。このとき、第1走査線(18a)の第1位置と、第2走査線(19a)の第2位置と、第1径(r1)と、第2径(r1)とは、透明電極層(12)を構成する物質が、半導体層(13)に再付着しないように選ばれることが望ましい。
【0024】
また、当該製造方法において、第1レーザビーム(18)の波長は、第1レーザビーム(18)が前記透明電極によって実質的に吸収されないように選ばれることが望ましい。
【0025】
本発明による薄膜太陽電池パネルの製造方法は、透明基板(11)と、透明基板(11)の上に形成された透明電極層(12)と、透明電極層812)の上に形成された半導体層(13)と、半導体層(13)の上に形成された裏面電極層(14)とを含む積層体とを備え、その積層体は分離溝(4)によって光電変換セル領域(2)と外周端部(3)とに分離されている薄膜太陽電池パネルの製造方法である。当該薄膜太陽電池パネルの製造方法は、
(g) 第1レーザビーム(20、71)と第2レーザビーム(21、72)とを、透明基板(11)側から薄膜太陽電池パネル(1)に、入射するステップと、
(h) 第1レーザビーム(20、71)と第2レーザビーム(21、72)とを、第1方向(22、73)に走査して、透明電極層(12)と半導体層(13)とを切断するステップとを具備する。ここで前記第1レーザビーム(20、71)と第2レーザビーム(21、72)とは、少なくともその一部で重畳する。第1レーザビーム(20、71)は、透明電極層(12)を透明基板(11)から離脱させず、且つ、半導体層(13)と裏面電極層(14)とを透明電極層(12)から離脱させる第1光強度(ITCO)を有する。第2レーザビーム(21、72)は、透明電極層(12)を透明基板(11)から離脱させる第2光強度(ISE)を有する。第1レーザビーム(20、71)のうちの他の一部は、第2レーザビーム(21、72)に隣接し、且つ、第2レーザビーム(21、72)に対し第1方向(22、73)と垂直な第2方向に位置する。
【0026】
また、当該製造方法において、第1レーザビーム(20)は、第1方向に垂直な第2方向に第1径(r3)を有し、第2レーザビーム(21)は、第2方向に第1径(r3)より短い第2径(b2)を有し、第2レーザビーム(21)の全体は、前記第1レーザビーム(20)の中に含まれるように位置することがある。
【0027】
また、当該製造方法において、第2レーザビーム(21)は、断面が楕円であり、その楕円の長軸が延びる第2方向は、実質的に、第1方向(22)に一致することが望ましい。
【0028】
また、当該製造方法において、第1レーザビーム(20、71)の第1波長λ1は、第1レーザビーム(20、71)が透明電極(12)によって実質的に吸収されないように選ばれることが望ましい。
【0029】
また、当該製造方法において、(g)ステップは、第1波長λ1のn倍(nは2以上の自然数)である第2波長λ2を有する第3レーザビーム(63、111)を生成するステップと、n倍の高調波を発生する高調波発生素子(52、102)に、第3レーザビーム(63)を入射して、第1レーザビーム(20)と第2レーザビーム(21)とを発生するステップとを含むことが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明による薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明する。
【0031】
第1の実施の形態:
図1は、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法によって製造される薄膜太陽電池パネル1の構造を示す。薄膜太陽電池パネル1には、複数の光電変換セル2と、複数の光電変換セル2を取り囲む周辺領域3とが設けられている。複数の光電変換セル2と周辺領域3とは、周辺分離溝4により分離されている。複数の光電変換セル2同士は、セル分離溝5により分離されている。
【0032】
以下、第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明する。
【0033】
まず、図2に示されているように、透明基板11上に、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14が順次形成される。透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14の膜厚は、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)、約0.3(μm)である。
【0034】
透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14が形成された後、通常の公知のレーザパターニングが実施されてセル分離溝5が形成され、複数の光電変換セル2が薄膜太陽電池パネル1の全体に形成される。
【0035】
続いて、光電変換セル2と周辺領域3との電気的絶縁のために、周辺分離溝4が形成される。図3は、周辺分離溝4が形成される過程を示す断面図であり、図4は、周辺分離溝4が形成される過程を示す平面図である。
【0036】
周辺分離溝4は、パルス発振により生成されたレーザビーム15を使用したレーザスクライブ法により形成される。レーザビーム15は、図3に示されているように、透明基板11側から、薄膜太陽電池パネル1に入射される。以下の説明では、レーザビーム15が入射される方向をz軸とする。更にレーザビーム15は、図4に示されているように、矢16が示す方向に走査される。周辺分離溝4の形成が、矢16が示す方向に進行する。以下の説明では、矢16が示す方向、即ち、周辺分離溝4の形成が進行していく方向にy軸をとる。更に、透明基板11の表面に平行であり、且つ、y軸に垂直な方向にx軸を取る。x軸は、周辺分離溝4の形成が進行していく方向に垂直である。
【0037】
図4に示されているように、レーザビーム15の断面は、楕円をなす。レーザビーム15の断面がなす楕円の長軸は、x軸方向に延び、短軸は、y軸方向に延びる。ここで、レーザビーム15の断面がなす楕円の長軸の長さ2a1(μm)、短軸の長さを2b1(μm)とする。長軸の長さ2a1は、概ね、200(μm)である。レーザビーム15は、断面が円であるレーザビームを円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)を通すことによって生成される。
【0038】
レーザビーム15は、その中心Oの近傍にある中心領域15aと、中心領域15aを包囲する外部領域15bとからなる。中心領域15a内におけるレーザビーム15の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも大きい。
【0039】
一方、外部領域15b内におけるレーザビーム15の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも小さく、半導体層13が透明電極層12から離脱する光強度ISCよりも大きい。
【0040】
図5は、中心Oを通りx軸方向に沿ったレーザビーム15の光強度の分布を示す。x軸方向に沿ったレーザビーム15の光強度の分布は、概ねガウシアン分布である。ここで、中心領域15aは、x2≦x≦x3に位置し、外部領域15bは、x1≦x≦x2及びx3≦x≦x4に位置する。中心領域15aにおけるレーザビーム15の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも大きい。一方、外部領域15bにおけるレーザビーム15の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも小さく、半導体層13が透明電極層12から離脱する光強度ISCよりも大きい。
【0041】
かかる光強度を有する外部領域15bは、意図的に、又は、積極的に形成されている。レーザビームの光強度は、一般にガウシアン分布に従って分布する。従って、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも大きい光強度を有するレーザビームには、外部領域15bに相当する光強度を有する領域が必然的に伴う。
【0042】
しかし、本実施の形態のように、意図的に、又は、積極的に、外部領域15bが広く設けられることは、短絡しにくい構造を有する周辺分離溝4が形成される点で有用である。短絡しにくい構造を有する周辺分離溝4が形成される過程は後述されるため、ここでは詳細には説明しない。
【0043】
中心領域15aの断面の形状は、概ね、レーザビーム15の断面がなす楕円と中心Oを共有する楕円である。中心領域15aの断面がなす楕円の長軸は、x軸方向に延び、短軸はy軸方向に延びる。ここで、中心領域15aの断面がなす長軸の長さを2a1’(μm)、短軸の長さを2b1’(μm)とする。長軸の長さ2a1’は、概ね100(μm)である。
【0044】
以上に説明された構造を有するレーザビーム15が、薄膜太陽電池パネル1に入射され、走査されて、周辺分離溝4が形成される。レーザビーム15は、公知技術と同様に、走査装置(図示されない)により走査される。
【0045】
図3に示されているように、透明電極層12のうち中心領域15aにより照射された部分は、透明基板11から離脱する。透明電極層12のうち中心領域15aが照射された部分に、溝4aが形成される。溝4aの幅w1は、中心領域15aの長軸の長さ2a1’に概ね等しく、約100(μm)である。
【0046】
更に、半導体層13のうちレーザビーム15の外部領域15bにより照射された部分は、透明電極層11から離脱する。このとき、裏面電極膜14のうち、レーザビーム15の外部領域15bにより照射される部分は、半導体層13が離脱するときに生じる圧力によって半導体層13と共に離脱する。この結果、半導体層13及び裏面電極膜14のうち外部領域15bによって照射された部分に溝4bが形成される。溝4bの幅w2は、レーザビーム15の断面の長軸の長さ2a1に等しく、約200(μm)である。
【0047】
透明電極層12は、外部領域15bにより照射されても透明基板11から離脱しない。従って、溝4aの内壁4cの位置と溝4bの内壁4dの位置がずれる。内壁4cと内壁4dの位置が積極的にずらされていることにより、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しにくくなる。
【0048】
内壁4cと内壁4dのずれ量Δwは、概ね、Δw=a1−a1’である。即ち、ずれ量Δwは、概ね50(μm)である。ここで前述されているように、透明電極11、半導体層13及び裏面電極膜14の厚さは、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)及び、約0.3(μm)である。内壁4cと内壁4dのずれ量Δwは、透明電極12、半導体層13及び裏面電極膜14の膜厚に比べて極めて大きい。従って、透明電極層11を構成する物質が離脱して内壁4dに再付着することが防止される。内壁4cと内壁4dとのずれ量Δwは、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさに選ばれる。
【0049】
内壁4cと内壁4dとのずれ量Δwは、レーザビーム15の長軸の長さ2a1と、中心領域15aの長軸の長さ2a1’とにより調整できる。レーザビーム15の長軸の長さ2a1と、中心領域15aの長軸の長さ2a1’とは、内壁4cと内壁4dとのずれ量cが透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさになるように調整される。レーザビーム15の長軸の長さ2a1と、中心領域15aの長軸の長さ2a1’とは、レーザビーム15を生成するのに使用される円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)の曲率により調整される。
【0050】
以上のようにして形成された溝4aと溝4bとは、周辺分離溝4を構成する。
【0051】
その後、図6に示されているように、透明基板11、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14の上にパッシベーション膜17が被覆され、太陽電池の製造工程が終了する。
【0052】
本実施の形態の太陽電池の製造方法は、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しにくい形状を有する周辺分離溝4を、より少ない工程で形成できる。更に、本実施の形態の太陽電池の製造方法は、溝4aに半導体層13が残さとして残ることがない。
【0053】
なお、本実施の形態において、レーザビーム15の断面の形状は、楕円ではなく円であることが可能である。即ち、a1=b1、且つ、a1’=b1’であることも可能である。この場合も、内壁4cと内壁4dのずれ量Δwが、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさになるように、a1及びa1’が定められる。
【0054】
しかし、レーザビーム15の断面の形状は、図4に示されているように、y軸方向に短軸を有する楕円であることが望ましい。なぜなら、レーザビーム15の断面の形状が図7(a)に示されているように円であると、図7(b)に示されているように、裏面電極膜14にバリ14aが発生しやすいからである。裏面電極膜14にバリ14aが発生することは、パッシベーション膜17が形成されたときに、光電変換セル2と周辺領域3との間、又は、光電変換セル2の透明電極層12と裏面電極層14との間が短絡しやすくなる点で好ましくない。
【0055】
レーザビーム15の断面の形状が円であると、裏面電極膜14にバリ14aが発生しやすい理由を以下に説明する。図7(a)に示されているように、レーザビーム15として、一のパルスが照射された場合、その次のパルスは、中心領域15aの領域がわずかに重なるように移動して照射される。前述されたように、裏面電極膜14は、半導体層13が離脱するときに生じる圧力によって、薄膜太陽電池パネル1から離脱するのであるが、外部領域15bの重なりが大きいと、半導体層13が離脱するときに生じる圧力は、既に形成された周辺分離溝4から逃げてしまう。このため、次のパルスの外部領域15bの内部にある裏面電極膜14は、薄膜太陽電池パネル1から離脱しにくく、バリとして残りやすい。
【0056】
このような問題は、レーザビーム15の一のパルスと、次のパルスとが照射される領域が重なる部分を小さくすることにより回避される。従って、レーザビーム15aと外部領域15bの切断が進行される方向の径の差d2は、小さいことが望ましい。楕円形状のビームをレーザビーム15として使用することにより、d2は小さくすることができる。従って、レーザビーム15の断面の形状は、y軸方向に短軸を有する楕円であることが望ましい。
【0057】
なお、第1の実施の形態において、周辺分離溝4と同様の過程によって、複数の光電変換セル2同士を分離するセル分離溝5が形成されることも可能である。
【0058】
第2の実施の形態:
第2の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法と同一の構成を有する薄膜太陽電池を製造する製造方法である。第2の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、周辺分離溝4を形成する工程が第1の実施の形態と異なる。
【0059】
以下、第2の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明する。
【0060】
まず、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法と同様、図2に示されているように、透明基板11上に、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14が順次形成される。透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14の膜厚は、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)、約0.3(μm)である。
【0061】
透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14が形成された後、通常の公知のレーザパターニングが実施されてセル分離溝5が形成され、複数の光電変換セル2が薄膜太陽電池パネル1の全体に形成される。
【0062】
続いて、周辺分離溝4がレーザスクライブ法により形成される。
【0063】
まず、図8に示されているように、透明基板11側からレーザビーム18が入射され、更に、走査されて、溝4bが形成される。
【0064】
レーザビーム18の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも小さく、半導体層13が透明電極層12から離脱する光強度ISCよりも大きい。レーザビーム18の径r1は、概ね200nmである。
【0065】
第1レーザビーム18の波長は、第1レーザビーム18が透明電極層12によって実質的に吸収されにくいように、400nmから650nmの波長域から選ばれることが望ましい。このように波長が選択されていることにより、半導体層13のみが、より選択的に薄膜太陽電池パネル1から離脱される。
【0066】
半導体層13のうちレーザビーム18により照射された部分は、透明電極層11から離脱する。このとき、裏面電極膜14のうち、レーザビーム18により照射された部分の直上にある部分も、半導体層13と共に離脱する。この結果、半導体層13のうちレーザビーム18が照射された部分に、溝4bが形成される。溝4bの幅w2は、概ね、レーザビーム18の径r1と同じ約200(μm)である。
【0067】
続いて、図9に示されているように、透明基板11側からレーザビーム19が入射される。
【0068】
レーザビーム19の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも大きい。レーザビーム19の径r2は、概ね100(μm)である。
【0069】
レーザビーム19は、図10に示されているように、溝4bの中心を通過するように走査される。このとき、レーザビーム18の中心が通過する第1走査線18aと、レーザビーム19の中心が通過する第2走査線19aとは、実質的に一致する。
【0070】
レーザビーム19が走査された結果、溝4aが形成される。以上のようにして形成された溝4aと溝4bとは、周辺分離溝4を構成する。
【0071】
溝4aの内壁4cの位置と溝4bの内壁4dの位置は、第1の実施の形態と同様に、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しないように調整される。内壁4cと、内壁4dとは、透明基板11に垂直である。内壁4cと内壁4dは、透明基板11に平行な方向にずれている。内壁4cと内壁4dのずれΔwは、約50μmである。内壁4cと内壁4dのずれΔwは、透明電極12、半導体層13及び裏面電極膜14の膜厚に比べて極めて大きい。従って、透明電極層11を構成する物質が離脱して内壁4dに再付着することが防止される。このように、内壁4cと内壁4dとのずれ量Δwは、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさに選ばれることが望ましい。
【0072】
内壁4cと内壁4dとのずれ量Δwは、レーザビーム18、19のそれぞれの径r1、r2により調整される。径r1、r2は、内壁4cと内壁4dとのずれ量cが透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさになるように選ばれる。
【0073】
その後、第1の実施の形態と同様に、図6に示されているように、透明基板11、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14がパッシベーション膜16が被覆され、太陽電池の製造工程が終了する。
【0074】
本実施の形態の太陽電池の製造方法は、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない形状を有する周辺分離溝4を形成できる。更に、本実施の形態の太陽電池の製造方法は、溝4bに裏面電極膜14のバリが残ることもない。
【0075】
なお、第2の実施の形態において、第1走査線18aと第2走査線19aとは、ずれていることも可能である。この場合には、第1走査線18a及び第2走査線19aの位置に応じて、レーザビーム18の半径r1と、レーザビーム19の半径r2とは、透明電極層11を構成する物質が、半導体層12に再付着しないように選ばれる。
【0076】
更に、第2の実施の形態において、周辺分離溝4と同様の過程により、複数の光電変換セル2同士を分離するセル分離溝5が形成されることも可能である。
【0077】
第3の実施の形態:
第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法と、同一の構造を有する薄膜太陽電池を製造する製造方法である。しかし、第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14を切断するのに使用されるレーザビームの構成が、第1の実施の形態と異なる。
【0078】
以下、第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明する。
【0079】
まず、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法と同様、図2に示されているように、透明基板11上に、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14が順次形成される。透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14の膜厚は、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)、約0.3(μm)である。
【0080】
続いて、周辺分離溝4が形成される。図10は、周辺分離溝4が形成される過程を示す断面図であり、図11は、周辺分離溝4が形成される過程を示す平面図である。
【0081】
周辺分離溝4は、重ね合わされたレーザビーム20、21を使用したレーザスクライブ法により形成される。レーザビーム20、21はそれぞれ、パルス発振により発生されたレーザビームである。レーザビーム20、21は、図3に示されているように、透明基板11側から、薄膜太陽電池パネル1に同時に入射される。以下の説明では、レーザビーム20、21が入射される方向をz軸とする。
【0082】
レーザビーム20、21は、図11に示されているように、矢22が示す方向に走査される。レーザビーム20、21は、公知技術と同様に、走査装置(図示されない)により走査される。周辺分離溝4の形成が、矢22が示す方向に進行する。以下の説明では、矢22が示す方向、即ち、周辺分離溝4の形成が進行していく方向にy軸をとる。更に、透明基板11の表面に平行であり、且つ、y軸に垂直な方向にx軸を取る。
【0083】
レーザビーム20の断面は、図11に示されているように、円をなす。レーザビーム20の半径rは、概ね200(μm)である。
【0084】
レーザビーム20の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも小さく、半導体層13が透明電極層12から離脱する光強度ISCよりも大きい。
【0085】
レーザビーム20の波長は、レーザビーム20が透明電極12によって実質的に吸収されず、且つ、半導体層13による吸収が大きくなるように選ばれている。より具体的には、レーザビーム20の波長λ1は、400〜650(nm)に設定されている。このように波長λ1が選択されていることにより、半導体層13のみが、より選択的に薄膜太陽電池パネル1から離脱される。
【0086】
レーザビーム21の全体は、レーザビーム20の中に含まれるように位置する。レーザビーム21の断面は、図12に示されているように、楕円をなしている。レーザビーム21の断面がなす楕円の長軸21aが延びる方向は、周辺分離溝4の形成が進行していく方向であるy軸方向に実質的に一致する。長軸21aが延びる方向が、周辺分離溝4の形成が進行していく方向と一致していることは、周辺分離溝4の形成の速度を速くする点で有用である。また、レーザビーム21の断面がなす楕円の短軸21bが延びる方向は、x軸方向に概ね一致する。短軸21bの長さを2b2(μm)は、概ね100(μm)である。長軸21aの長さ2a2(μm)は、レーザビーム20の直径2r3と実質的に同じである。
【0087】
レーザビーム21の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも大きい。
【0088】
レーザビーム21の波長λ2が、レーザビーム20の波長λ1のn倍(nは2以上の整数)であることは、レーザビーム20、21を発生させるレーザ光源を1つにすることができる点で好ましい。即ち、レーザビーム21と同一の波長を有するレーザビームを発生し、そのレーザービームを第n次高調波を発生する高調波発生素子に入射することにより、波長λ1を有するレーザビーム20と、波長λ2を有するレーザビーム21を一のレーザ光源で発生できる。なお、レーザビーム21の波長λ2は他の波長であることも可能である。
【0089】
以上に説明された構造を有するレーザビーム20、21が、薄膜太陽電池パネル1に入射され、走査されて、周辺分離溝4が形成される。
【0090】
図11に示されているように、透明電極層12のうちレーザビーム21により照射された部分は、透明基板11から離脱する。透明電極層12のうちレーザビーム21が照射された部分に、溝4aが形成される。溝4aの幅w1は、レーザビーム21の短軸の長さ2b2に概ね等しく、約100(μm)である。
【0091】
更に、半導体層13のうちレーザビーム20により照射された部分は、透明電極層11から離脱する。このとき、裏面電極膜14のうち、レーザビーム20により照射される部分は、半導体層13が離脱するときに生じる圧力によって半導体層13と共に離脱する。
【0092】
この結果、半導体層13と裏面電極膜14のうちレーザビーム20に照射された部分には、溝4bが形成される。溝4bの幅w2は、レーザビーム20の断面の半径r3に等しく、約200(μm)である。
【0093】
透明電極層12のうち、レーザビーム20にのみ照射され、レーザビーム21に照射されていない部分は、透明基板11から離脱せず、透明基板11に残留する。この結果、溝4aの内壁4cの位置と溝4bの内壁4dの位置がずれることになる。
【0094】
溝4aの内壁4cの位置と溝4bの内壁4dの位置は、x軸方向にΔwだけずれている。内壁4cと内壁4dの位置は、積極的にずらされている。内壁4cと内壁4dの位置が積極的にずらされていることにより、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しにくくなる。
【0095】
内壁4cと内壁4dのずれ量Δwは、概ね、Δw=r3−b2である。即ち、ずれ量Δwは、概ね50(μm)である。ここで前述されているように、透明電極11、半導体層13及び裏面電極膜14の厚さは、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)及び、約0.3(μm)である。内壁4cと内壁4dのずれ量Δwは、透明電極12、半導体層13及び裏面電極膜14の膜厚に比べて極めて大きい。従って、透明電極層11を構成する物質が離脱して内壁4dに再付着することが防止される。内壁4cと内壁4dとのずれ量Δwは、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさに選ばれる。
【0096】
内壁4cと内壁4dとのずれ量Δwは、レーザビーム20の半径r3と、レーザビーム21の短軸の長さ2b2とにより調整できる。レーザビーム20の半径r3と、レーザビーム21の短軸の長さ2b2とは、内壁4cと内壁4dとのずれ量cが透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しない程度の大きさになるように調整される。
【0097】
以上のようにして形成された溝4aと溝4bとは、周辺分離溝4を構成する。
【0098】
周辺分離溝4と同様の過程により、複数の光電変換セル2同士を分離するセル分離溝5も形成される。その後、図6に示されているように、透明基板11、透明電極層12、半導体層13、及び裏面電極膜14がパッシベーション膜16が被覆され、太陽電池の製造工程が終了する。
【0099】
本実施の形態による太陽電池の製造方法において使用されるレーザビーム20、21は、図13に示されている光学系30によって発生され、更に、重畳される。図13は、光学系30をxz平面からみた図である。
【0100】
図13に示されているように、光学系30は、YAGレーザ31、凹レンズ32、凸レンズ33、ミラー34、ダイクロイックミラー35、YAGレーザ36、凹レンズ37、凸レンズ38、シリンドリカル凸レンズ39、シリンドリカル凹レンズ40からなる。
【0101】
YAGレーザ31は、波長λ1(=532nm)のレーザビーム41を発生し、凹レンズ32に入射する。レーザビーム41の断面の形状は円をなしている。
【0102】
レーザビーム41は、凹レンズ32及び凸レンズ33によって径が拡大され、断面の形状が円であるレーザービーム20が生成される。レーザビーム20は、ミラー34により反射され、ダイクロイックミラー35に入射される。
【0103】
一方、YAGレーザ31は、波長λ2(=1064nm)のレーザビーム43を発生する。レーザビーム43の断面の形状は円をなしている。
【0104】
レーザビーム43は、凹レンズ37及び凸レンズ38により、径が拡大され、レーザービーム44が生成される。レーザビーム44は、シリンドリカル凸レンズ39に入射される。
【0105】
レーザビーム43は、シリンドリカル凸レンズ39及びシリンドリカル凹レンズ40によってx軸方向の径が短縮され、その断面の形状が楕円であるレーザビーム21が生成される。レーザービーム21の断面をなす楕円の長軸は、y軸方向になり、その短軸はx軸方向になる。レーザビーム21は、前述のダイクロイックミラー35に入射される。
【0106】
ダイクロイックミラー35は、波長が600nm以下の光を反射し、波長が600nmより大きい光を通過するミラーである。即ち、ダイクロイックミラー35は、レーザビーム20を反射し、且つ、レーザビーム21を通過する。
【0107】
レーザビーム20が、レーザビーム21が進行する方向にダイクロイックミラー35によって反射され、レーザビーム20とレーザビーム21が重畳される。光学系30は、以上の過程により、レーザビーム20、21を発生し、更に、重畳する。
【0108】
レーザビーム20、21は、図14に示されているように、一のレーザ光源のみしか含まれない光学系50により生成することも可能である。光学系50は、図14に示されているように、YAGレーザ51、SHG結晶52、ダイクロイックミラー53、凹レンズ54、凸レンズ55、ミラー56、ダイクロイックミラー57、ミラー58、凹レンズ59、凸レンズ60、シリンドリカル凸レンズ61、シリンドリカル凹レンズ62からなる。
【0109】
YAGレーザ51は、波長λ2(=1064nm)を有するレーザビーム63を発生し、SHG結晶52に入射する。SHG結晶52は、入射されたレーザ光の2次高調波を発生する結晶である。但し、SHG結晶52の2次高調波への変換効率は100%ではない。SHG結晶52は、入射されたレーザ光と同一の波長のレーザ光と、入射されたレーザ光の2倍の波長を有するレーザ光の両者を出力する。
【0110】
レーザビーム63がSHG結晶52に入射され、波長λ1(=532nm)のレーザ光と、波長λ2(=1064nm)のレーザ光の混合波であるレーザビーム64が発生される。レーザビーム64は、ダイクロイックミラー53に入射される。
【0111】
ダイクロイックミラー53は、波長が600nm以下の光を通過し、波長が600nmより大きい光を反射するミラーである。ダイクロイックミラー53は、レーザビーム64のうち、波長λ1を有する成分を通過して、レーザビーム65を発生する。更に、ダイクロイックミラー53は、レーザビーム64のうち、波長λ2を有する成分を反射して、レーザビーム66を発生する。
【0112】
レーザビーム65は、凹レンズ54及び凸レンズ55によって径が拡大され、断面の形状が円であるレーザービーム20が生成される。レーザビーム20は、ミラー56により反射され、ダイクロイックミラー57に入射される。
【0113】
一方、レーザビーム66は、ミラー58によって反射され、凹レンズ59に入射される。レーザビーム66は、凹レンズ59及び凸レンズ60により、径が拡大され、レーザービーム67が生成される。レーザビーム67は、シリンドリカル凸レンズ61に入射される。レーザビーム67は、シリンドリカル凸レンズ61及びシリンドリカル凹レンズ62によってx軸方向の径が短縮され、その断面の形状が楕円であるレーザビーム21が生成される。レーザービーム21の断面をなす楕円の長軸は、y軸方向になり、その短軸はx軸方向になる。レーザビーム21は、前述のダイクロイックミラー57に入射される。
【0114】
ダイクロイックミラー57は、波長が600nm以下の光を反射し、波長が600nmより大きい光を通過するミラーである。即ち、ダイクロイックミラー57は、レーザビーム20を反射し、且つ、レーザビーム21を通過する。
【0115】
レーザビーム20が、レーザビーム21が進行する方向にダイクロイックミラー57によって反射され、レーザビーム20とレーザビーム21が重畳される。光学系50は、以上の過程により、レーザビーム20、21を発生し、更に、重畳する。光学系50は、単一のレーザ光源しか使用せずに、レーザビーム20、21を発生し、更に、重畳する。
【0116】
本実施の形態の太陽電池の製造方法は、透明電極層11を構成する物質が内壁4dに再付着しにくい形状を有する周辺分離溝4及びセル分離溝5を、より少ない工程で形成できる。
【0117】
更に、レーザビーム20の波長は、レーザビーム20が透明電極12によっては、実質的に吸収されず、且つ、半導体層13による吸収が大きくなるように選ばれているため、半導体層13のみが、より選択的に半導体パネル11から離脱される。従って、透明基板11のうち、薄膜太陽電池パネル1に残存する部分に対して与えられるダメージが低減される。
【0118】
第4の実施の形態:
第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法と、概ね同一の構造を有する薄膜太陽電池を製造する製造方法である。しかし、第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法は、周辺分離溝4の構造と、その形成方法とが第1の実施の形態と異なる。
【0119】
図15は、第1の実施の形態による薄膜太陽電池パネルの製造方法によって製造される薄膜太陽電池パネル1’の構造を示す。薄膜太陽電池パネル1’には、複数の光電変換セル2’と、複数の光電変換セル2’を取り囲む周辺領域3’とが設けられている。複数の光電変換セル2’と周辺領域3’とは、周辺分離溝4’により分離されている。前述されているように、周辺分離溝4’の構造は、第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネル1’に含まれる周辺分離溝4’の構造と異なる。複数の光電変換セル2’同士は、セル分離溝5’により分離されている。
【0120】
以下、第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明する。
【0121】
まず、図16に示されているように、透明基板11’上に、透明電極層12’、半導体層13’、及び裏面電極膜14’が順次形成される。透明電極層12’、半導体層13’、及び裏面電極膜14’の膜厚は、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)、約0.3(μm)である。
【0122】
続いて、周辺分離溝4’が形成される。図17は、周辺分離溝4’が形成される過程を示す断面図であり、図18は、周辺分離溝4’が形成される過程を示す平面図である。
【0123】
周辺分離溝4は、重ね合わされたレーザビーム71、72を使用したレーザスクライブ法により形成される。レーザビーム71、72はそれぞれ、パルス発振により発生されたレーザビームである。レーザビーム71、72は、図17に示されているように、透明基板11’側から、薄膜太陽電池パネル1’に同時に入射される。以下の説明では、レーザビーム71、72が入射される方向をz軸とする。
【0124】
レーザビーム71、72は、図18に示されているように、矢73が示す方向に走査される。レーザビーム71、72は、公知技術と同様に、走査装置(図示されない)により走査される。周辺分離溝4’の形成が、矢73が示す方向に進行する。以下の説明では、矢73が示す方向、即ち、周辺分離溝4’の形成が進行していく方向にy軸をとる。更に、透明基板11’の表面に平行であり、且つ、y軸に垂直な方向にx軸をとる。
【0125】
レーザビーム71は、レーザビーム72に対して、x軸方向にずれた位置に入射される。レーザビーム71は、光電変換セル2’側にあり、レーザビーム72は、周辺領域3’側にある。
【0126】
レーザビーム71の断面は、図11に示されているように、円をなす。以下、レーザビーム71の断面がなす円の中心を、中心O1と記載する。レーザビーム71の半径r4は、概ね75(μm)である。
【0127】
レーザビーム71の光強度は、透明電極層12が透明基板11から離脱する光強度ITCOよりも小さく、半導体層13が透明電極層12から離脱する光強度ISCよりも大きい。
【0128】
レーザビーム71の波長は、レーザビーム71が透明電極12’によっては、実質的に吸収されず、且つ、半導体層13’による吸収が大きくなるように選ばれている。より具体的には、レーザビーム71の波長λ1は、532(nm)に設定されている。このように波長λ1が選択されていることにより、半導体層13’のみが、より選択的に薄膜太陽電池パネル1’から離脱され、透明基板11のうち、薄膜太陽電池パネル1’に残存する部分に対して与えられるダメージが低減される。
【0129】
レーザビーム72は、レーザビーム71に重畳されている。レーザビーム72の断面は、図18に示されているように、円をなしている。以下、レーザビーム72の断面がなす円の中心を、中心O2と記載する。レーザビーム71は、レーザビーム71の中心O1と、レーザビーム72の中心O2を結ぶ直線は、y軸に対して実質的に、垂直である。更に、レーザビーム71の中心O1と、レーザビーム72の中心O2の距離Dは、概ね、50(μm)である。レーザビーム72の半径r5は、レーザビーム71の半径r4と概ね同じ75(μm)である。
【0130】
レーザビーム72の光強度は、透明電極層12’が透明基板11’から離脱する光強度ITCOよりも大きい。レーザビーム72の波長λ2は、レーザビーム71の波長λ1の2倍であり、約1064nmである。
【0131】
以上に説明された構造を有するレーザビーム71、72が、薄膜太陽電池パネル1’に入射され、走査されて、周辺分離溝4’が形成される。
【0132】
図11に示されているように、透明電極層12’、半導体層13’及び裏面電極膜14’のうちレーザビーム72により照射された部分は、透明基板11’から離脱する。透明電極層12’、半導体層13’及び裏面電極膜14’のうちレーザビーム72が照射された部分に、溝4a’が形成される。溝4a’の幅w1’は、レーザビーム72の直径2r5に概ね等しく、約150(μm)である。
【0133】
更に、半導体層13’及び裏面電極膜14’のうちレーザビーム71にのみ照射され、レーザビーム72に照射されていない部分は、透明電極層11’から離脱する。この結果、半導体層13’ 及び裏面電極膜14’のうちレーザビーム71にのみ照射された部分に、溝4b’が形成される。溝4b’の幅w2’は、(D+r4)−r5と概ね等しく、w2’=50μmである。
【0134】
透明電極層12のうち、レーザビーム71にのみ照射され、レーザビーム72に照射されていない部分は、透明基板11から離脱せず、透明基板11に残留する。この結果、溝4a’の内壁のうち光電変換セル2側にある内壁4c’と、溝4b’の内壁のうち光電変換セル2側にある内壁4d’の位置がずれることになる。内壁4c’と内壁4d’の位置のずれ量Δw’は、溝4b’の幅w2’に等しい50(μm)である。
【0135】
ここで前述されているように、透明電極11、半導体層13及び裏面電極膜14の厚さは、それぞれ、約0.7(μm)、約0.3(μm)及び、約0.3(μm)である。内壁4c’と内壁4d’のずれ量Δwは、透明電極12、半導体層13及び裏面電極膜14の膜厚に比べて極めて大きい。従って、透明電極層11を構成する物質が離脱して内壁4d’に再付着することが防止される。このため、光電変換セル2を構成する透明電極層12’と裏面電極膜14’とが短絡することが防がれる。内壁4c’と内壁4d’とのずれ量Δw’は、透明電極層11を構成する物質が内壁4d’に再付着しない程度の大きさに選ばれる。
【0136】
一方、溝4a’の内壁のうち、周辺領域3側にある内壁4e’は、実質的に平面をなす。従って、透明電極層11を構成する物質は、内壁4e’に再付着しやすい。しかし、周辺領域3は、光電変換に使用されるのではないため、何ら問題を生じない。
【0137】
内壁4c’と内壁4d’とのずれ量Δwは、レーザビーム71の半径r4と、レーザビーム72の半径r5、及びレーザビーム71の中心O1とレーザビーム72の中心O2の距離Dとにより調整できる。内壁4c’と内壁4d’とのずれ量Δw’が透明電極層11を構成する物質が内壁4d’に再付着しない程度の大きさになるように調整される。
【0138】
周辺分離溝4’が形成された後、第3の実施の形態の薄膜太陽電池を製造する方法と同様にして、パッシベーション膜(図示されない)が形成され、太陽電池の製造工程が終了する。
【0139】
本実施の形態において使用されるレーザービーム71、72は、図19に示されている光学系80によって生成される。光学系80は、図19に示されているように、YAGレーザ81、凹レンズ82、凸レンズ83、ミラー84、ダイクロミックミラー85、YAGレーザ86、凹レンズ87、凸レンズ88からなる。
【0140】
YAGレーザ81は、波長λ1(=532nm)のレーザビーム89を発生し、凹レンズ82に入射する。レーザビーム89の断面の形状は円をなしている。
【0141】
レーザビーム89は、凹レンズ82及び凸レンズ83によって径が拡大され、断面の形状が円であるレーザービーム71が生成される。レーザビーム71は、ミラー84により反射され、ダイクロイックミラー85に入射される。
【0142】
一方、YAGレーザ81は、波長λ2(=1064nm)のレーザビーム90を発生する。レーザビーム90の断面の形状は円をなしている。
【0143】
レーザビーム90は、凹レンズ87及び凸レンズ88により、径が拡大され、レーザービーム72が生成される。
【0144】
ダイクロイックミラー85は、波長が600nm以下の光を反射し、波長が600nmより大きい光を通過するミラーである。即ち、ダイクロイックミラー35は、レーザビーム71を反射し、且つ、レーザビーム72を通過する。
【0145】
レーザビーム71が、レーザビーム72が進行する方向にダイクロイックミラー85によって反射され、レーザビーム71とレーザビーム72が重畳される。光学系80は、以上の過程により、レーザビーム71、72を発生し、更に、重畳する。
【0146】
第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系80は、シリンドリカル凸レンズ、シリンドリカル凹レンズを必要としない。薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系80は、第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系30に比べ、構造が簡単である。
【0147】
なお、レーザビーム71、72は、図20に示されているように、一のレーザ光源のみしか含まれない光学系100により生成することも可能である。光学系100は、図20に示されているように、YAGレーザ101、SHG結晶102、ダイクロイックミラー103、凹レンズ104、凸レンズ105、ミラー106、ダイクロイックミラー107、ミラー108、凹レンズ109、凸レンズ110からなる。
【0148】
YAGレーザ101は、波長λ2(=5064nm)を有するレーザビーム111を発生し、SHG結晶102に入射する。SHG結晶102は、入射されたレーザ光の2次高調波を発生する結晶である。但し、2次高調波への変換効率は100%ではなく、SHG結晶102は、入射されたレーザ光と同一の波長のレーザ光と、入射されたレーザ光の2倍の波長を有するレーザ光の両者を出力する。
【0149】
レーザビーム111がSHG結晶102に入射され、波長λ1(=532nm)のレーザ光と、波長λ2(=1064nm)のレーザ光の混合波であるレーザビーム112が発生される。レーザビーム112は、ダイクロイックミラー103に入射される。
【0150】
ダイクロイックミラー103は、波長が600nm以下の光を通過し、波長が600nmより大きい光を反射するミラーである。ダイクロイックミラー103は、レーザビーム112のうち、波長λ1を有する成分を通過して、レーザビーム113を発生する。更に、ダイクロイックミラー53は、レーザビーム112のうち、波長λ2を有する成分を反射して、レーザビーム114を発生する。
【0151】
レーザビーム113は、凹レンズ32及び凸レンズ33によって径が拡大され、レーザービーム71が生成される。レーザビーム71は、ミラー106により反射され、ダイクロイックミラー107に入射される。
【0152】
一方、レーザビーム114は、ミラー108によって反射され、凹レンズ109に入射される。レーザビーム114は、凹レンズ109及び凸レンズ110により、径が拡大され、レーザービーム72が生成される。レーザビーム72は、ダイクロイックミラー107に入射される。
【0153】
ダイクロイックミラー107は、波長が600nm以下の光を反射し、波長が600nmより大きい光を通過するミラーである。即ち、ダイクロイックミラー57は、レーザビーム71を反射し、且つ、レーザビーム72を通過する。
【0154】
レーザビーム71が、レーザビーム72が進行する方向にダイクロイックミラー107によって反射され、レーザビーム71とレーザビーム72が重畳される。光学系100は、以上の過程により、レーザビーム71、72を発生し、更に、重畳する。光学系100は、単一のレーザ光源しか使用せずに、レーザビーム71、72を発生し、更に、重畳する。更に光学系100は、第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系50に比べ、構造が簡単である。
【0155】
【発明の効果】
本発明により、薄膜太陽電池のパネル化に必要な外周部の絶縁加工において、高い電気的絶縁抵抗が得られる薄膜太陽電池パネルの製造方法が提供される。
【0156】
また、本発明により、薄膜太陽電池のパネル化に必要な絶縁加工において、より少ない工程で安価な薄膜太陽電池パネルの製造方法が提供される。
【0157】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法により製造される薄膜太陽電池の構成を示す。
【図2】図2は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】図4は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための平面図である。
【図5】図5は、レーザビーム15の強度分布を示す。
【図6】図6は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図7】図7(a)は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための平面図であり、図7(b)は、本発明による第1の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図8】図8は、本発明による第2の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図9】図9は、本発明による第2の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図10】図10は、本発明による第2の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための平面図である。
【図11】図11は、本発明による第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図12】図12は、本発明による第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための平面図である。
【図13】図13は、本発明による第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系30の構成を示す。
【図14】図14は、本発明による第3の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系50の構成を示す。
【図15】図15は、本発明による第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法により製造される薄膜太陽電池の構成を示す。
【図16】図16は、本発明による第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図17】図17は、本発明による第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための断面図である。
【図18】図18は、本発明による第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法を説明するための平面図である。
【図19】図19は、本発明による第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系80の構成を示す。
【図20】図20は、本発明による第4の実施の形態の薄膜太陽電池パネルの製造方法で使用される光学系100の構成を示す。
【図21】図21は、従来の薄膜太陽電池パネルの製造方法を示す断面図である。
【図22】図22は、従来の薄膜太陽電池パネルの製造方法を示す断面図である。
【図23】図23は、従来の薄膜太陽電池パネルの製造方法を示す断面図である。
【図24】図24は、従来の薄膜太陽電池パネルの製造方法を示す断面図である。
【図25】図25は、従来の薄膜太陽電池パネルの製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
11、11’:透明基板
12、12’:透明電極層
13、13’:半導体層
14、14’:金属電極膜
15、18、19、20、21、71、72:レーザービーム
Claims (4)
- 透明基板と、
前記透明基板の上に形成された透明電極層と、
前記透明電極層の上に形成された半導体層と、
前記半導体の上に形成された裏面電極層
とを含む積層体とを備え、前記積層体は分離溝によって光電変換セル領域と外周端部とに分離されている薄膜太陽電池パネルの製造方法であって、
(a) レーザビームを前記透明基板側から前記薄膜太陽電池パネルに入射するステップと、
(b) 前記レーザビームを第1方向に走査して前記透明電極層、前記半導体層、及び前記裏面電極層を一回の走査で同時に切断し、前記分離溝を形成するステップ
を具備し、
前記レーザビームの断面は楕円であり、且つ、前記楕円の長軸が延びる第2方向は前記第1方向に垂直であり、
前記レーザビームには、前記透明電極層と前記半導体層と前記裏面電極層とを前記透明基板から離脱させる第1光強度を有する中心領域と、前記第1光強度よりも小さく、前記半導体層と前記裏面電極層とを前記透明電極層から離脱させる第2光強度を有し、且つ、前記中心領域を包囲する外部領域とが設けられた
薄膜太陽電池パネルの製造方法。 - 請求項1の製造方法において、
前記長軸のうち前記外部領域にある部分の第1長さは、前記楕円の短軸のうち前記外部領域にある部分の第2長さよりも大きい
薄膜太陽電池パネルの製造方法。 - 請求項2の製造方法において、
前記第1長さは、前記透明電極層を構成する物質が、前記半導体層に再付着しないように選ばれた
薄膜太陽電池パネルの製造方法。 - 透明基板と、前記透明基板の上に形成された透明電極層と、前記透明電極層の上に形成された半導体層と、前記半導体の上に形成された裏面電極層とを含む薄膜太陽電池パネルに、レーザビームを前記透明基板の側から入射するレーザビーム発生装置と、
前記レーザビームを第1方向に走査して前記透明電極層、前記半導体層、及び前記裏面電極層を切断する走査手段
とを具備し、
前記レーザビームの断面は楕円であり、且つ、前記楕円の長軸が延びる第2方向は前記第1方向に垂直であり、
前記レーザビームには、前記透明電極層と前記半導体層と前記裏面電極層とを前記透明基板から離脱させる第1光強度を有する中心領域と、前記第1光強度よりも小さく、前記半導体層と前記裏面電極層とを前記透明電極層から離脱させる第2光強度を有し、且つ、前記中心領域を包囲する外部領域とが設けられ、これにより、前記レーザビーム発生装置と前記走査手段とは、前記透明電極層、前記半導体層、及び前記裏面電極層を一回の走査で同時に切断して分離溝を形成するように構成された
薄膜太陽電池パネル製造装置。
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