JP3996214B2 - イソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法、並びにイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法、並びにイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法に関し、より詳細にはポリイソシアネート化合物等を用いてイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基を形成するイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法、並びにポリウレタン樹脂よりなる塗料・インキ・接着剤・エラストマー等の製造に用いられるイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子内にイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基を有するポリイソシアネートは耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、ポリウレタン樹脂の原料として広く使用されている。
【0003】
このポリイソシアネートの製造法は種々知られているが、触媒の存在下、単量体ポリイソシアネート化合物を三量化し、その後反応を停止させる方法により三量化された部分を有するポリイソシアネートを製造する方法としては、以下の公報に記載された方法が挙げられる。
【0004】
まず、特開昭63−57577号公報には、脂肪族・脂環族ジイソシアネート又はその予備ウレタン化反応物に含まれるイソシアネート基の環状三量化によりポリイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートを製造するに際し、触媒としてテトラアルキルアンモニウム・カルボキシレートを使用し、ジイソシアネートの生成物への転化率10〜60%の時点で反応を停止させることを特徴とするポリイソシアネートの製造法が記載されている。該方法においては、反応停止剤として塩酸、リン酸、硫酸、ジクロロ酢酸等を反応液に添加することにより触媒を失活させ、反応を停止させている。
【0005】
また、特開平2−11554号公報においても、有機ジイソシアネートのイソシアネート基の一部をフッ化第4アンモニウム触媒の存在下に三量化し、触媒被毒物質の添加により所望の三量体化度で停止させる工程を含むポリイソシアネートの製造法が記載されている。前記方法においては、触媒を失活させる触媒毒として、触媒と化学反応する塩化カルシウム、エチルクロルシラン、有機酸、酸クロライド等、又は触媒を吸着するシリカゲル等を用いている。
【0006】
さらに、特開平2−258771号公報においても、上記公報に記載された方法と同様の三量化反応を行う際、反応中、少なくとも周期的に二酸化炭素を反応液中に導入し、反応を所望の変換度にて停止させるポリイソシアネートの製造法が記載されている。前記公報においても、触媒被毒物質として特開平2−11554号公報に記載されたものと同様のものが使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記3つの公報に記載されたこれら従来の触媒被毒物質は、反応液中に前記触媒被毒物質を添加することにより触媒を失活させ、反応を停止させることができるが、反応後の反応液中には触媒と触媒被毒物質との反応生成物、余剰の触媒被毒物質、又は触媒を吸着させるための触媒被毒物質等が残留することになる。
【0008】
反応液中に残留するこれらの物質は浮遊物となり、また、反応により得られたポリイソシアネートの着色や貯蔵安定性劣化の原因となる他、前記ポリイソシアネートを原料とするポリウレタン樹脂の耐候性劣化の原因となる等の課題を有する。
【0009】
これらの物質は濾過等によりある程度除去することは可能であるが、そのための余分の設備が必要となり、また余分の工程を行わなければならず、製品コスト上昇の原因となる。また、前記除去工程を行っても反応生成物を完全に取り除くことは難しいので、着色等を完全に防止するのは難しい。
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、この方法を実施することにより、触媒と触媒被毒物質との反応生成物等の残留や、浮遊物等の発生がなく、そのため着色が少なく、貯蔵安定性に優れたポリイソシアネートを製造することができるイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法、並びに前記方法を使用したイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、触媒の存在下に、イソシアヌレート化反応及び/又はアロファネート化反応を行うに際して、酸性基含有樹脂により該触媒を失活させることを特徴としている(1)。
【0012】
また本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、上記(1)記載の方法において、酸性基含有樹脂がイオン交換樹脂であることを特徴としている(2)。
【0013】
また本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、上記(1)記載の方法において、酸性基含有樹脂がキレート樹脂であることを特徴としている(3)。
【0014】
また本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、上記(1)記載の方法において、樹脂がポリマービーズであることを特徴としている(4)。
【0015】
また本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、上記(1)記載の方法において、ポリイソシアネート化合物を用いてイソシアヌレート化反応を行うことを特徴としている(5)。
【0016】
また本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、上記(1)記載の方法において、ポリイソシアネート化合物とウレタン基含有化合物を用いてイソシアネート化反応及び/又はアロファネート化反応を行うことを特徴としている(6)。
【0017】
また本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法は、上記(5)または(6)記載の方法において、ポリイソシアネート化合物がヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴としている(7)。
【0018】
また本発明に係るイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法は、イソシアヌレート化触媒の存在下に、ポリイソシアネート化合物、又はポリイソシアネート化合物とウレタン基含有化合物の混合物の重合反応を行った後、酸性基含有樹脂により該触媒を失活させることを特徴としている(8)。
【0019】
まず本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法について説明する。
前記イソシアヌレート化反応、又はアロファネート化反応はそれぞれ単独で行っても良く、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを同時に進行させてもよい。しかし、イソシアヌレート化反応を単独で行うことはあるが、アロファネート化反応のみを行うことは少なく、通常はイソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを同時に進行させることが多い。従って、以下ではイソシアヌレート化反応のみを行う場合と、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを同時に進行させる場合とに分け、アロファネート化反応のみを行う場合を後者に含めて説明することにする。
【0020】
まず、イソシアヌレート化反応を行う場合について説明する。
ここでイソシアヌレート化とは、イソシアネート基を有する化合物同士を反応させて三量化し、下記の化1式に示すイソシアヌレート基を有する化合物を得る反応をいう。
【0021】
【化1】
【0022】
(式中、R1 、R2 、及びR3 は、それぞれ同種又は異種の有機基を表す)
前記イソシアヌレート化に用いられる化合物は特に限定されるものではないが、例えばR1 −NCO、R2 −NCO、又はR3 −NCOで表されるイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。これらイソシアネート基を有する化合物には、下記のモノイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物がある。
【0023】
モノイソシアネート化合物としては、例えばメチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネート化合物、シクロヘキシルイソシアネート、例えばフェニルイソシアネート等の芳香族モノイソシアネート化合物、例えばベンジルイソシアネート等の芳香脂肪族モノイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0024】
ジイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0025】
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等が挙げられる。
【0026】
脂環族ジイソシアネート化合物としては、例えば1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0027】
芳香脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート、もしくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼンもしくはその混合物等が挙げられる。
【0028】
芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0030】
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えばリジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等が挙げられる。
【0031】
脂環族ポリイソシアネート化合物としては例えば、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
【0032】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン等が挙げられる。
【0033】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えばトリフェニルメタン−4,4’,4’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等が挙げられる。
【0034】
これらイソシアネート基を有する化合物は、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。これらイソシアネート基を有する化合物の中で、ウレタン樹脂原料としての使用を考慮すると、イソシアネート基を2個以上有する化合物が好ましい。前記イソシアネート化合物は、イソシアヌレート化を行う目的に応じて使い分けられるが、例えばイソシアヌレート化された化合物が耐候性が要求される用途に使用される場合にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,3−ジイソシアネートメチル−シクロヘキサン(H6 XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪(環)族ジイソシアネート化合物が好ましく、速乾性を要求される用途には、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネートが好ましい。
【0035】
前記イソシアヌレート化反応を行う触媒は、特に限定されないが、通常は下記の公知のイソシアヌレート化触媒、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のマンニッヒ塩基、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等のようなテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のようなトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、上記アルキルカルボン酸のスズ、亜鉛、鉛等の金属塩、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトン等のようなβ−ジケトンの金属キレート化合物、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のフリーデル・クラフツ触媒、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物等、種々の有機金属化合物、ヘキサメチルシラザン等のアミノシリル基含有化合物等が使用される。
【0036】
触媒使用量は触媒の種類や反応温度等によって異なるため、一概に規定しにくいが、通常、反応に使用するイソシアネート基を有する化合物に対して0.0001〜1wt%の範囲から選択される。
【0037】
このイソシアヌレート化反応を行う際には溶剤を用いてもよく、また用いなくてもよい。溶剤を用いる場合には、イソシアネート基に対して反応活性を持たない溶剤を選択すべきである。かかる溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒等のイソシアネート基に対して不活性な各種の有機溶剤が挙げられる。前記有機溶剤の使用量は、イソシアネート基を有する化合物に対して5〜95wt%程度が好ましい。
【0038】
反応温度は、前記イソシアネート基を有する化合物の種類、触媒の種類や量、溶剤を使用する場合にはその種類と量等により異なるが、通常0〜160℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃の範囲から選ばれる。
【0039】
前記イソシアヌレート化反応においては、所望の転化率にて反応を終了させる。反応を終了させる操作は、酸性基含有樹脂を用いて前記触媒を失活させることにより行われる。
【0040】
酸性基含有樹脂としては、樹脂の表面に酸性基を有する樹脂であれば、どのようなものでも使用することができるが、取扱の面からポリマービーズが好ましく、その具体例としては、例えばイオン交換樹脂(酸性陽イオン交換樹脂)、キレート樹脂等が挙げられる。
【0041】
前記酸性陽イオン交換樹脂としては、例えばスチレンとジビニルベンゼンを含有する共重合体にスルホン酸基、又はカルボン酸基を有する陽イオン交換樹脂等が挙げられ、その具体例としては、例えばダイヤイオン SK 1B、SK 110、SK 112、SK 116、PK 216、PK 220、PK 228、WK 10、WK 11、WK 20(以上、三菱化成工業(株)製)、アンバーライト IR−122、XT−1026、IRC−50、アンバーリスト15(以上、オルガノ(株)製)等が挙げられる。また、キレート樹脂としては、イミノジ酢酸塩を有するキレート樹脂等が挙げられ、その具体例としては、ダイヤイオン CR 10、CR 11、CR 20(以上、三菱化成工業(株)製)等が挙げられる。
【0042】
これら酸性基含有樹脂のなかで、スルホン酸基含有の強酸性陽イオン交換樹脂は前述したイソシアヌレート化触媒に対して広く使用できるが、鉄、鉛、コバルト、亜鉛等の多価遷移金属イオンを含むイソシアヌレート化触媒に対してはキレート樹脂が効果的である。酸性基含有樹脂の基体高分子については、ゲル型樹脂、多孔性樹脂何れも使用できるが、イオン捕捉効率の点からマクロポアーを有する多孔性樹脂が好ましい。
【0043】
触媒を失活させる方法としては、所望の転化率に到達した時点、又は反応が終了した時点で、反応液中に前記酸性基含有樹脂を直接添加する方法か、又は金網状容器に前記酸性基含有樹脂を充填した状態で反応液に浸漬する方法が好ましく、これらの方法によりイソシアヌレート化反応を停止させることができる。その添加量は添加する酸性基含有樹脂の酸性基の当量に対する反応液中の触媒中の塩基性残根の当量の比が1以上になる量が好ましく、5以上がより好ましい。実際の酸性基含有樹脂の使用量は、使用する触媒の量と、酸性基含有樹脂の酸性基の密度、すなわちイオン交換樹脂であればその交換容量より決定される。反応を停止させた後、これらの酸性基含有樹脂は容易に取り除くことができ、これにより触媒も同時に除去される。
【0044】
反応を停止させた後、必要であればイソシアヌレート化しなかったイソシアネート基を有する化合物及び/又は溶剤を除去してもよい。この溶剤等の除去は、例えば薄膜式蒸留法や溶剤抽出法により行うことができる。
【0045】
次に、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを同時に進行させる反応について説明する。なお、上記したように、アロファネート化反応のみを行う場合も含めて説明することにする。
【0046】
アロファネート化とは、ウレタン基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物とを反応させ、下記の化2式に示すアロファネート基を有する化合物を得る反応をいう。
【0047】
【化2】
【0048】
(式中、R4 、R5 、及びR6 は、それぞれ同種又は異種の有機基を表す)
前記アロファネート化を行うためには、R4 −NH−COO−R5 で表されるウレタン基を含有する化合物とR6 −NCOで表されるイソシアネート基を有する化合物とを反応させる必要がある。イソシアネート基を有する化合物としては、前記イソシアヌレート化反応の場合に使用される化合物と同様の化合物が挙げられ、触媒も同様の触媒が挙げられる。ウレタン基を有する化合物は、前記イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物とを反応させることにより得られる。しかし、前もって別にウレタン基を有する化合物の製造を行う必要はなく、前記イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物との反応を前記触媒の添加なしに行ってウレタン基を有する化合物の製造を行い、次に反応液中に前記触媒を添加することによりアロファネート基を有する化合物を得ることができる。そして通常は、前記アロファネート化反応を行った際、イソシアヌレート化反応も同時に進行する。
【0049】
水酸基を有する化合物としては、例えば下記の一価、二価、三価、又は四価のアルコールが挙げられる。
【0050】
一価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、その他のアルカノール(C(炭素数、以下同様)5〜38)、及び脂肪族不飽和アルコール(C9〜24)、アルケニルアルコール(C3〜36)、2−プロペン−1−オール、アルカジエノール(C6〜8)、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オ−ル等が挙げられる。
【0051】
二価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカンジオール(C7〜22)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(C17〜20)、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。
【0052】
三価アルコールとしては、例えばグリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、及びその他の脂肪族トリオール(C8〜24)等が挙げられる。
【0053】
四価アルコールとしては、例えばテトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニット等が挙げられる。
【0054】
これら水酸基を有する化合物は、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0055】
前記イソシアネート基を有する化合物に対する水酸基を有する化合物の割合は、この反応により生成した化合物の用途等により異なるので、一概には決まらないが、通常1〜30mol%が好ましく、3〜10mol%がより好ましい。
【0056】
反応に用いる触媒は、前記イソシアヌレート化反応に用いる触媒と同様でよい。この反応においても、触媒使用量は触媒の種類、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを進行させる程度、反応温度等によって異なるため、一概に規定するのは難しいが、通常、反応に使用するイソシアネート基を有する化合物に対して0.0001〜1wt%の範囲から選択される。
【0057】
また、この反応において、溶剤は用いても、用いなくてもよい。溶剤を用いる場合には上記イソシアヌレート化反応に用いる溶媒と同様のものを使用することができ、その使用量も同様でよい。
【0058】
反応温度は、単量体イソシアネート化合物の種類、触媒の種類や量、さらには、溶剤を使用する場合にはその種類と量等により異なるが、通常0〜160℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃の範囲から選ばれる。
【0059】
前記反応により得られた生成物中のイソシアヌレート基、ウレタン基、アロファネート基の含量比により、得られるポリイソシアネートの性状が決定されるので、その含有量比を制御する必要があり、通常は原料化合物のモル比、原料化合物の分子量、官能基数等、反応温度、触媒の種類や量等の反応条件、酸性基含有樹脂を反応液に添加する時期(反応の転化率)等により制御することができる。上記したイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法を実施することにより、反応終了後に反応液より前記酸性基含有樹脂を容易に除去することができ、反応液中に触媒と触媒被毒物質との反応生成物等が残留せず、浮遊物等の発生のないイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートを製造することができる。そのため、前記反応により得られたポリイソシアネートは、濁りや着色がなく、貯蔵安定性が著しく改善される。また前記ポリイソシアネートを使用したポリウレタン樹脂は塗料・インキ・接着剤・エラストマー等の用途に使用され、耐候性に優れる。
【0060】
次に、本発明に係るイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法について説明する。
【0061】
前記イソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法は、上記したイソシアヌレート化反応及び/又はアロファネート化反応とほぼ同様の反応を実施して、イソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートを得る製造法である。本法も上記イソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法と同様の方法を用いることができる。
【0062】
前記製造法により得られた前記ポリイソシアネートには、例えば酸化防止剤、安定剤としてヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、有機亜リン酸エステル類等を添加してウレタン樹脂製造用の原料としてもよい。またウレタン樹脂として使用される際に、特に耐候性を要求される場合には、ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0063】
【実施例及び比較例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0064】
実施例1
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及びジムロート冷却管を備えた1000ml容量の四つ口フラスコに窒素ガス雰囲気下、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート 1000gを仕込み、80℃に加温し、触媒としてトリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエート 0.1gを加えた。次に、撹拌下、反応液の温度を80±5℃に調節しながら、2時間反応を続けた後、強酸性陽イオン交換樹脂 アンバーリスト15(オルガノ(株)製、交換容量4.4mg当量/g乾燥樹脂) 1.0gを加えて触媒を失活させ、反応を停止させた。
【0065】
次に、フラスコ内の反応液を室温まで冷却し、1時間静置した後、デカンテーションしてイオン交換樹脂と反応液とを分離し、得られた反応液900gを薄膜蒸留装置(真空度0.5mmHg、温度140℃)を用いて蒸留することにより未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、淡黄色透明のポリイソシアネート 189g(転化率21.0%)を得た。
【0066】
このポリイソシアネートは色数 APHA 30〜40、25℃における粘度1300cps、NCO含有量 23.2%、遊離1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート含有率 0.2%で、着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。なお、粘度は東京計器製のBL型粘度計(DVL−B)を用いて測定した。
【0067】
実施例2
実施例1と同様の装置を用い、四ツ口フラスコに1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート 990g、1,3−ブタンジオール 10gを仕込み、80℃に加温して2時間保持した。次に、反応液の温度を60℃に下げ、触媒としてトリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエート0.05gを加え、反応液の温度を60±5℃に調節しながら、1時間反応を続けた後、実施例1と同様の方法で反応を停止させた。
【0068】
次に、実施例1と同様にイオン交換樹脂と反応液とを分離し、得られた反応液900gを薄膜蒸留装置(真空度0.5mmHg、温度140℃)を用いて蒸留することにより未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、淡黄色透明のポリイソシアネート 279g(転化率31%)を得た。
【0069】
このポリイソシアネートは色数 APHA 20〜30、25℃における粘度2100cps、NCO含有量 21.1%、遊離1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート含有率 0.2%で、着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。
【0070】
実施例3
実施例1と同様の装置を用い、四ツ口フラスコに1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン 980g、メタノール 20gを仕込み、85℃に加温し、2時間保持した。次に、触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド 0.1gを加え、反応液の温度を85±5℃に調節しながら、2時間反応を続けた後、実施例1と同様にして反応を停止させた。
【0071】
次に、実施例1と同様にイオン交換樹脂と反応液とを分離し、得られた反応液900gを薄膜蒸留装置(真空度0.5mmHg、温度150℃)を用いて蒸留することにより未反応の1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサンを除去し、粘調な淡黄色透明のポリイソシアネート 261g(転化率29%)を得た。
【0072】
このポリイソシアネートは、NCO含有量 19.0%、遊離1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン含有率 0.3%で、着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。
【0073】
また、このポリイソシアネートを酢酸エチルにて固形分75%に希釈して調製した溶液は、色数が APHA 30、25℃における粘度が25cpsであった。
【0074】
実施例4
実施例1と同様の装置を用い、四ツ口フラスコにイソホロンジイソシアネート970g、イソブタノール 30gを仕込み、90℃に加温し、3時間保持した。次に、触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド 0.1gを加え、反応液の温度を90±5℃に調節しながら、3時間反応を続けた後、実施例1と同様にして反応を停止させた。
【0075】
次に、実施例1と同様にイオン交換樹脂と反応液とを分離し、得られた反応液900gを薄膜蒸留装置(真空度0.5mmHg、温度170℃)を用いて蒸留することにより未反応のイソホロンジイソシアネートを除去し、室温では流動性のない淡黄色透明のポリイソシアネート 243g(転化率27%)を得たが、このポリイソシアネートの着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。
【0076】
このポリイソシアネートを酢酸エチルにて固形分75%に希釈して調製した溶液は、色数 APHA 60、25℃における粘度 120cps、NCO含有量 11.7%、遊離イソホロンジイソシアネート含有率 0.4%であった。
【0077】
実施例5
実施例1と同様の装置を用い、四ツ口フラスコに1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート 970g、3−メチルペンタンジオール 30gを仕込み、80℃に加温し、2時間保持した。次に、この反応液に触媒として2−エチルヘキサン酸鉛 0.05gを加え、反応液の温度を80±5℃に調節しながら、1時間反応を続けた後、実施例1と同様にして反応を停止させた。
【0078】
次に、実施例1と同様にイオン交換樹脂と反応液とを分離し、得られた反応液900gを薄膜蒸留装置(真空度0.5mmHg、温度140℃)を用いて蒸留することにより未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、淡黄色透明のポリイソシアネート 180g(転化率20%)を得た。
【0079】
このポリイソシアネートは色数APHA 20、25℃における粘度 1400cps、NCO含有量 19.8%、遊離1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート含有率 0.2%で、着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。
【0080】
実施例6
実施例1と同様の装置を用い、四ツ口フラスコに1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート 970g、イソブタノール 30gを仕込み、80℃に加温し、2時間保持した。次に、反応液を100℃に昇温し、触媒として2−エチルヘキサン酸亜鉛 0.5gを加え、反応液の温度を100±5℃に調節しながら、3時間反応を続けた後、ポリマービーズとしてダイヤイオンCR−11(三菱化成(株)製、キレート樹脂、H型、交換容量 0.5mmol/ml以上) 1.0gを加えて反応を停止させた。
【0081】
次に、実施例1と同様にキレート樹脂と反応液とを分離し、得られた反応液900gを薄膜蒸留装置(真空度0.5mmHg、温度140℃)を用いて蒸留することにより未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、淡黄色透明のポリイソシアネート 225g(転化率25%)を得た。
【0082】
このポリイソシアネートは色数 APHA 40、25℃における粘度 350cps、NCO含有量 20.3%、遊離1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート含有率 0.2%で、着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。
【0083】
実施例7
実施例1と同様の装置を用い、四ツ口フラスコにトルエンジイソシアネート 500g、酢酸ブチル 500gを仕込み、50℃に加温し、触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール 0.5gを加えた。次に、反応液の温度を50±5℃に調節しながら、8時間反応を続けた後、アンバーリスト15 2.0gを加えて触媒を失活させ、反応を停止させた。
【0084】
室温にて静置後、デカンテーションを行って得られたポリイソシアネートは色数 APHA 20〜30、25℃における粘度 250cps、NCO含有量9.0%、遊離トルエンジイソシアネート含有率 0.7%で、着色の程度は小さく、浮遊物等も観察されなかった。
【0085】
比較例1
強酸性陽イオン交換樹脂 アンバーリスト15に代えて、リン酸を0.5g使用した以外は、実施例1の場合と同様の条件でポリイソシアネートを製造した。リン酸添加後、浮遊物が発生し、反応液を未反応モノマー除去工程に供することができなかった。
【0086】
比較例2
停止剤としてベンゼンスルホン酸 0.5gを使用した以外は、実施例2の場合と同様の条件でポリイソシアネートを製造した。
【0087】
得られた反応液は、着色の程度が大きく、未反応1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート除去後のポリイソシアネートの色数は APHA 180であった。
【0088】
比較例3
停止剤として塩化ベンゾイル 0.5gを使用した以外は、実施例4の場合と同様の条件でポリイソシアネートを製造した。
【0089】
得られた反応液は着色の程度が大きく、未反応イソホロンジイソシアネート除去後のポリイソシアネートの色数は APHA 250であった。
【0090】
比較例4
停止剤として塩化ベンゾイル 0.5gを使用した以外は、実施例7との場合同様の条件でポリイソシアネートを製造した。
【0091】
反応液はは着色の程度が大きく、未反応トルエンジイソシアネート除去後のポリイソシアネートの色数は APHA 100であり、わずかに白濁していた。
【0092】
試験例1〜4
上記実施例2、4、比較例2、3に係るイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートと、アクリルポリオール(大日本インキ化学工業(株) アクリディックA−801 水酸基価50)とを、NCO/OH=1.0の割合で配合し、白エナメル板に塗布後、60℃×3日の条件で硬化させ、膜厚が30±5μmの2液ウレタンクリヤー塗膜を形成した。
【0093】
その後、この2液ウレタンクリヤー塗膜をQUV耐候促進試験機(ATRAS社製 UVCON)を用いて暴露試験を行い、下記の表1に示す結果を得た。
【0094】
【表1】
【0095】
上記表1より明らかなように、実施例に係る前記ポリイソシアネートが使用された塗膜は時間の経過に伴う耐候性の劣化は小さいのに対し、比較例に係るポリイソシアネートが使用された塗膜は時間の経過に伴う耐候性の劣化が大きい。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るイソシアヌレート化及び/又はアロファネート化方法(1)にあっては、触媒の存在下に、イソシアヌレート化反応及び/又はアロファネート化反応を行うに際して、酸性基含有樹脂により該触媒を失活させるので、反応終了後に反応液より前記酸性基含有樹脂を容易に除去することができ、反応液中に触媒と触媒被毒物質との反応生成物等が残留せず、浮遊物等の発生のないイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートを製造することができる。そのため、前記反応により得られた前記ポリイソシアネートは、濁りや着色がなく、貯蔵安定性が著しく改善される。また前記ポリイソシアネートを使用したポリウレタン樹脂は耐候性に優れる。
【0097】
また、本発明に係るイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法にあっては、イソシアヌレート化触媒の存在下に、ポリイソシアネート化合物、又はポリイソシアネート化合物とウレタン基含有化合物の混合物の重合反応を行った後、酸性基含有樹脂により該触媒を失活させるので、反応停止後に反応液より前記酸性基含有樹脂を容易に除去することができ、製品中の触媒と触媒被毒物質との反応生成物等の残留、浮遊物等の発生を防止することができる。従って、得られた製品は濁りや着色がなく、貯蔵安定性が著しく改善される。また、これらの製品を使用したポリウレタン樹脂は塗料、接着剤、建築材料、成形材料として広く用いられ、耐候性に優れる。
Claims (9)
- イソシアヌレート化触媒の存在下に、モノイソシアネート、ジイソシアネート、ポリイソシアネートから選択されるイソシアネート基を有する化合物の重合反応、又は該イソシアネート基を有する化合物とモノイソシアネート、ジイソシアネート又はポリイソシアネートをアルコールと反応させて得られるウレタン基含有化合物の混合物の重合反応を行った後、酸性基含有樹脂により該触媒を失活させることを特徴とするイソシアヌレート基及び/又はアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造法。
- 酸性基含有樹脂がイオン交換樹脂である請求項1記載の方法。
- 酸性基含有樹脂がキレート樹脂である請求項1記載の方法。
- 樹脂がポリマービーズである請求項1記載の方法。
- ポリイソシアネート化合物を用いてイソシアヌレート化反応を行う請求項1記載の方法。
- ポリイソシアネート化合物とウレタン基含有化合物を用いてイソシアヌレート化反応及び/又はアロファネート化反応を行う請求項1記載の方法。
- ポリイソシアネート化合物がヘキサメチレンジイソシアネートである請求項5又は請求項6記載の方法。
- イソシアネート基を有する化合物がポリイソシアネート化合物である請求項1記載の方法。
- イソシアヌレート化触媒が3級アミン、マンニッヒ塩基、第4級アンモニウムのハイドロオキサイド又は有機弱酸塩、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド又は有機弱酸塩、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩、β−ジケトンの金属キレート化合物、フリーデル・クラフツ触媒、有機金属化合物、アミノシリル基含有化合物から選ばれる化合物である請求項1記載の方法。
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