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JP3324866B2 - ポリイソシアネートおよびその製造方法 - Google Patents

ポリイソシアネートおよびその製造方法

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JP3324866B2
JP3324866B2 JP08141194A JP8141194A JP3324866B2 JP 3324866 B2 JP3324866 B2 JP 3324866B2 JP 08141194 A JP08141194 A JP 08141194A JP 8141194 A JP8141194 A JP 8141194A JP 3324866 B2 JP3324866 B2 JP 3324866B2
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JP
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polyisocyanate
diisocyanate
isocyanurate ring
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polyols
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JP08141194A
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繁昭 鈴木
正洋 定金
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/70Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
    • C08G18/72Polyisocyanates or polyisothiocyanates
    • C08G18/77Polyisocyanates or polyisothiocyanates having heteroatoms in addition to the isocyanate or isothiocyanate nitrogen and oxygen or sulfur
    • C08G18/78Nitrogen
    • C08G18/79Nitrogen characterised by the polyisocyanates used, these having groups formed by oligomerisation of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/791Nitrogen characterised by the polyisocyanates used, these having groups formed by oligomerisation of isocyanates or isothiocyanates containing isocyanurate groups
    • C08G18/792Nitrogen characterised by the polyisocyanates used, these having groups formed by oligomerisation of isocyanates or isothiocyanates containing isocyanurate groups formed by oligomerisation of aliphatic and/or cycloaliphatic isocyanates or isothiocyanates

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  • Organic Chemistry (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なイソシアヌレー
ト環を有するポリイソシアネート、およびその製造方法
に関する。本発明により提供されるイソシアヌレート環
を有するポリイソシアネートは、塗料、樹脂、フォー
ム、フィルムまたは接着剤などの原料として広範に使用
できるが、低極性溶剤への溶解性が良く、優れた物性の
塗膜を与えることから、特に二液型ウレタン塗料の硬化
剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】ジイソシアネートを部分的に環状三量化
させて得られるイソシアヌレート環を有するポリイソシ
アネート化合物およびそれらの製造法は、例えば『ポリ
ウレタン樹脂ハンドブック、岩田敬治編(日刊工業新聞
社)、1987年発行』などの多くの刊行物から公知で
ある。なかでも脂肪族ジイソシアネートから誘導される
各種ポリイソシアネートを用いたウレタン塗料は、無黄
変塗膜を形成する特長があり、例えば、ヘキサメチレン
ジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート環を有
するポリイソシアネートは、これを用いた塗膜の優れた
耐候性、耐熱性により、需要が増加している(『ポリウ
レタン原料の新展開(中日社)、1992年発行』参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘキサメチレン
ジイソシアネートからのイソシアヌレート環を有するポ
リイソシアネートには、二液型ウレタン塗料用の硬化剤
として用いる際に、塗料の主剤成分であるポリオールに
対する相溶性が悪く、塗料の透明性、光沢、鮮映性、レ
ベリング性の低下を引き起こすという問題点があった。
相溶性を改善するため溶剤による希釈が試みられている
が、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルスピリットな
どの低極性溶剤に対する溶解性が低いため、やむなく酢
酸エステルなどの極性の高い溶剤を併用しなければなら
ず、塗料を重ね塗りする場合に、下地塗膜の浮きや縮み
が発生したり、さらにプラスチック基材の塗装の場合に
は溶剤により基材表面がおかされるなどの問題点があっ
た。
【0004】これらの問題点を解決するために、例え
ば、特開昭57−47321号公報には、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートを環状三量化するに当たって、エチ
レングリコール、1,3−ブタンジオールなどのポリオ
ールを併用して相溶性を改良する方法が提案されている
が、本方法によるウレタン結合の導入はイソシアヌレー
ト環を有するポリイソシアネートが本来持っているポリ
ウレタン塗料用硬化剤としての優れた性能を著しく損な
うものである。また、特公平1−33103号公報に
は、多量(20〜80モル%)のイソホロンジイソシア
ネート成分を含むヘキサメチレンジイソシアネートとの
イソシアヌレート環を有する共ポリイソシアネートが提
案されているが、本ポリイソシアネート化合物をウレタ
ン塗料の硬化剤として用いた場合には、塗膜の耐衝撃
性、密着性などの物性が著しく低下してしまうという欠
点がある。よって、上記問題点を解決した、低極性溶剤
への溶解性に優れ、かつ低極性ポリオールとの相溶性に
優れた、ウレタン塗料硬化剤用化合物の提供が、強く期
待されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、ノナメチレンジイソシアネートの環状三量化によ
り得られるイソシアヌレート環を有する式(I)
【0006】
【化3】
【0007】で示されるポリイソシアネートが、低極性
溶剤への溶解性が良く、かつ低極性ポリオールとの相溶
性に優れ、優れた物性の塗膜を与えることから、特に二
液型ウレタン塗料の硬化剤として有用であることを見出
すことにより、またその製造法を確立することにより上
記目的を達成した。
【0008】本発明のポリイソシアネートは文献に記載
のない新規化合物であり、本化合物が低極性溶剤への溶
解性および低極性のポリオールとの相溶性が良く、ポリ
ウレタン塗料用硬化剤として優れた性能を有することは
全く予想外のことであった。本発明のポリイソシアネー
トを製造する主原料は、ノナメチレンジイソシアネート
である。本ジイソシアネートは、従来のジアミン化合物
のジイソシアネート化合物への変換方法により、ノナメ
チレンジアミンから容易に製造することができる。例え
ば、『第四版 実験化学講座20 有機合成II、日本化
学会編(丸善)、1992年発行』に記載のように該ジ
アミンの塩酸塩にホスゲンを作用させる方法、あるいは
特開平2−311452号公報に述べられている該ジア
ミンから合成されるジウレタンの熱分解による方法など
により合成することができる。
【0009】ノナメチレンジイソシアネートから本発明
のポリイソシアネートを製造する環状三量化反応におい
ては、一般的に、式(I)で表される一核体の他に、さ
らに反応が進行した多核体が生成する。該多核体の含有
量が多すぎると、本発明のポリイソシアネートの低極性
溶剤あるいは低極性ポリオールとの相溶性が損なわれ
る。したがって、本発明のポリイソシアネート中の式
(I)で示される一核体の含有量は、好ましくは約50
〜95重量%であり、特に好適には約70〜90重量%
である。
【0010】上記の好ましい範囲の一核体含有量を有す
る本発明のポリイソシアネートは、環状三量化反応後に
多核体を溶媒抽出などの方法により除去することによっ
ても得られるが、より経済的には、ノナメチレンジイソ
シアネートを環状三量化触媒の存在下でイソシアネート
基の一部を環状三量化し、最初に存在していたイソシア
ネート基の約5〜30%が環状三量化された時点で、反
応停止剤の添加により触媒を不活性化して環状三量化反
応を停止後、未反応のノナメチレンジイソシアネートを
除去することにより製造することができる。転化率が高
すぎると多核体の含有量が高くなって本発明のポリイソ
シアネートの物性に悪影響を及ぼし、転化率が低すぎる
ことは経済的観点から好ましくない。
【0011】本環状三量化反応に好適な触媒としては、
例えば酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、2−エチル
ヘキサン酸、カプリン酸、ミリスチン酸などのカルボン
酸のアルカリ金属塩;前記のようなカルボン酸の錫、
亜鉛、鉛などの金属塩;テトラメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム
などの第四級アルキルアンモニウム塩の水酸化物、アル
コキシドおよびカルボン酸塩;トリメチルヒドロキシ
プロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルア
ンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウ
ム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムなどのヒ
ドロキシアルキル基を有する第四級アルキルアンモニウ
ム塩の水酸化物、アルコキシドおよびカルボン酸塩;
ヘキサメチルジシラザンなどのアミノシリル基含有化合
物などが挙げられる。
【0012】触媒濃度は用いる触媒および反応温度によ
り異なるが、通常、ノナメチレンジイソシアネートに対
して10ppm〜1.0%の範囲から選ばれる。触媒は
初期に所定量を一度に加えてもよいが、反応転化率を屈
折率、イソシアネート滴定またはゲル濾過分析法(以
下、これをGPCと略称することがある。)などの分析
手段により追跡しつつ、必要に応じて分割して添加する
こともできる。
【0013】本環状三量化反応に際しては、助触媒とし
てメタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコー
ル類、あるいはフェノールなどのフェノール類を使用し
てもよい。これらのアルコールあるいはフェノール類
は、環状三量化触媒と同時に添加することもでき、あら
かじめノナメチレンジイソシアネートと反応させた後に
環状三量化反応を行うことも可能である。これらのアル
コールあるいはフェノール類はあまり多量に用いるとイ
ソシアネート基含有量を低下させるので好ましくなく、
全イソシアネート量の約0.01〜5モル%が望まし
い。
【0014】本環状三量化反応に際しては、本発明のポ
リイソシアネートの特性を失わない範囲で、他のイソシ
アネート化合物を併用することは差し支えない。併用す
ることができるイソシアネート化合物としては、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジ
イソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシ
クロヘプタントリイソシアネートなどを挙げることがで
きる。これらのイソシアネート化合物の添加量はあまり
多いと、生成物の粘度上昇や塗膜の物性低下あるいは経
済性の低下をもたらすため、全イソシアネート量の10
モル%以下が好ましい。
【0015】さらに、本発明のポリイソシアネートの特
性を失わない範囲でエチレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ブタ
ン、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンなどの多
価アルコールを用いてポリイソシアネートを変性するこ
とも可能である。これらの多価アルコールは環状三量化
触媒と同時に添加してもよいが、先にノナメチレンジイ
ソシアネートと反応させた後に環状三量化反応を行うこ
とも可能である。これらの多価アルコールはあまり多量
に用いると生成物の粘度上昇やイソシアネート基含有量
を低下させるので好ましくなく、全イソシアネート量の
約0.01〜5モル%が望ましい。
【0016】本環状三量化反応を実施するには、溶媒を
用いてもよく、溶媒を用いなくともよい。溶媒を用いる
場合には、イソシアネート化合物に対して不活性な溶媒
であればよく、適当なものとして、例えばシクロヘキサ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;塩化メチレ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;酢酸
メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを挙げる
ことができる。
【0017】反応温度は通常20〜160℃、好ましく
は40〜120℃の範囲で選択される。反応温度が低す
ぎると反応速度が低下し、高すぎると反応の制御が難し
くなる。
【0018】反応の進行は、屈折率、イソシアネート滴
定あるいはGPCなどの分析手段により追跡することが
でき、目標の転化率に到達したところで、反応停止剤を
添加して触媒を不活性化させる。反応停止剤としては、
従来公知のものを用いることができ、硫酸、リン酸、塩
化アセチル、塩化ベンゾイル、モノクロル酢酸、p−ト
ルエンスルホン酸などを例示できる。反応停止剤の添加
量は触媒に対して1〜2当量が好ましい。反応停止剤の
量が少なすぎると停止を行うことができず、多すぎると
イソシアネート基の損失あるいはポリイソシアネートの
物性低下を引き起こす。
【0019】反応を停止したのち、必要に応じて濾過な
どの手段により不活性化触媒を除去し、さらに溶剤およ
び過剰のノナメチレンジイソシアネートを除いて、製品
である本発明のポリイソシアネートを得る。過剰のノナ
メチレンジイソシアネートの除去は、例えば薄膜蒸発法
や溶剤抽出法などにより行うことができる。本発明のポ
リイソシアネート中のノナメチレンジイソシアネートの
含有量が約1重量%以下となるように除去することが好
ましい。
【0020】また、必要に応じて溶媒抽出法などにより
多核体を除去し、式(I)で表される一核体の含有量を
高めることができる。この溶媒抽出法は、例えば、前記
の方法により製造したポリイソシアネートに、多核体に
対する貧溶媒と良溶媒を加えて、よく混合後静置するこ
とにより、一核体を多く含む層と多核体を多く含む層と
に分離させ、前者から一核体含有量を高めた本発明のポ
リイソシアネートを得る、などの方法により実施するこ
とができる。このような操作はバッチ式あるいは連続式
のいずれの方法でも行い得る。
【0021】多核体に対する貧溶媒としては、例えば、
ブタン、イソブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、オクタン、デカン、イソブテ
ン、ジイソブテンなどの脂肪族炭化水素が使用できる。
また、多核体に対する良溶媒としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなど
のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸2−エチ
ルヘキシル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、リン酸トリ
メチル、リン酸トリエチルなどのエステル類;アセトニ
トリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;ジクロロメ
タン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類を
挙げることができる。これらの溶媒は単独で、または二
種以上の混合物として用いることもできる。
【0022】本発明のポリイソシアネートは、有機イソ
シアネートを使用する塗料、フォーム、接着剤、エラス
トマーなどの各種ポリウレタン用途や高分子改質剤、繊
維処理剤などの分野において、イソシアネート源として
用いることができる。特に、自動車補修用塗料、新車ラ
イン用上塗り塗料、プラスチックコーティング塗料、外
壁弾性吹き付け剤、厚型スレート塗料、構築物の重防食
上塗り塗料、航空機・車両・機械器具などの金属塗料、
家具・木工品および皮革・ゴム用塗料などの各種塗料分
野ならびに高温用断熱材(サンドイッチパネル、ラミネ
ートボード)などに用いられるイソシアヌレートフォー
ム(硬質難燃フォーム)分野において、無黄変性、耐候
性、耐熱性、耐水性、柔軟性、難燃性などの種々の特徴
を活かして有利に用いることができる。
【0023】これらの用途においては、ポリイソシアネ
ートとポリオールとの二液硬化型が主流をなしており、
本発明のポリイソシアネートと共に用いられる各種ポリ
オールとしては、例えばアクリル系ポリオール、ポリエ
ステル系ポリオール、フッ素含有ポリオール、ポリオレ
フィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポ
リカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオー
ル、芳香族ポリオール、ポリマーポリオール、ひまし油
系ポリオール、シリコーン系ポリオール、難燃ポリオー
ル(これはリン化合物またはハロゲン化合物などを含有
する。)などポリウレタン業界で公知のポリオールを挙
げることができる。なお、これらのポリオールは各種要
求性能に応じて、2種類以上を混合して用いてもよいこ
とは言うまでもない。
【0024】特に、本発明のポリイソシアネートは、二
液型ウレタン塗料の硬化剤として使用するに際し、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの環状三量化により得られ
るイソシアヌレート環を有するポリイソシアネートに比
較して、各種ポリオール(特にアクリルポリオールやポ
リエステルポリオールなど)との相溶性に優れており、
極性の高い溶剤の使用量を大きく低減することができる
ために塗膜の脆さを改良することができるうえに、適用
用途範囲が広く、反応性にも優れているという特長を有
している。さらに、必要に応じて既存の各種ポリイソシ
アネートと混合して用いることにより、塗料、接着剤な
どの用途において、速乾性、硬さ、耐衝撃性、反応性な
どの制御が可能となる。
【0025】また、所望であれば、本発明のポリイソシ
アネートにトリエチルアミン、テトラ(2−エチルヘキ
シル)チタネート、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫など
の硬化反応用触媒を加えることもできる。なお、本発明
のポリイソシアネートは、必要に応じて公知のブロック
化剤、例えばフェノール類、オキシム類、ラクタム類な
どでブロックした形で用いることもできる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0027】参考例1 (1)ノナメチレンジアミンと炭酸ジメチルからジウレ
タン化合物の合成 70℃に加温した炭酸ジメチル1600g(17.8m
ol)へ、ノナメチレンジアミン354.4g(2.2
3mol)およびナトリウムメチラートのメタノール溶
液(28%,40ml)をそれぞれ4分割して30分毎
に加えた。さらに、70℃にて2時間反応を続けた後、
メタノール400mlおよびリン酸14mlを加えて中
和した。室温まで冷却した後、析出した白色結晶を濾過
により分離し、これを水100ml、次にメタノール1
50mlで洗浄した。減圧乾燥後、473gのジウレタ
ン化合物を得た。さらに、先の濾過操作からの濾液およ
び洗浄液を合わせて、これの濃縮、減圧乾燥により12
3gのジウレタン化合物を得た。合計収率は97%であ
った。
【0028】(2)ジウレタン化合物からノナメチレン
ジイソシアネートの合成 ジベンジルトルエン200gに酢酸マンガン4水和物
1.90gおよびトリフェニルホスファイト7.3ml
を加え、この混合物を225℃に加熱した。系内を10
torrの減圧とし、上記混合物にジウレタン化合物1
90.0g(0.69mol)とジベンジルトルエン1
80gを130℃に加熱して得た溶液を4時間かけて滴
下した。この間、生成物は一部の溶媒と共に蒸留塔を通
して系外へ留出させ、粗生成物として無色透明の溶液2
39.5gを得た。ガスクロマトグラフィー分析の結
果、この溶液にはノナメチレンジイソシアネート10
1.0gおよび9−アミノノナン−1−イソシアネート
40.1gが含まれていることが判明した。収率はそれ
ぞれ69%および24%であった。この混合物を減圧蒸
留することにより、91〜93℃/0.06torrの
留分としてノナメチレンジイソシアネート60.3gを
得た。
【0029】参考例2 ノナメチレンジアミンとホスゲンからノナメチレンジイ
ソシアネートの合成 ノナメチレンジアミン15.8g(0.10mol)を
メタノール150mlに溶かし、これに濃塩酸20.8
gを反応温度を30℃以下に保ってゆっくりと滴下し
た。滴下終了後、撹拌を30分間続けた後、減圧下で溶
媒を除いた。残った固形物を真空ポンプ減圧下で一日乾
燥し、ノナメチレンジアミンの塩酸塩の粗生成物23.
0gを得た。このジアミン塩酸塩を細かく砕き、テトラ
リン150mlに懸濁させた。この懸濁液を激しく撹拌
しながら180℃に加熱した。180〜185℃に温度
を保つようにして、この懸濁液にホスゲンを約5時間吹
き込んだ。反応混合物から沈澱物を濾過で除き、濾液を
蒸留して118〜9℃/0.2torrの留分としてノ
ナメチレンジイソシアネート14.8gを得た。収率は
70%であった。
【0030】実施例1 ノナメチレンジイソシアネートからイソシアヌレート環
を有するポリイソシアネートの合成 60℃に加熱したノナメチレンジイソシアネート41.
6gとトルエン40.0gの混合液に、カプリン酸テト
ラメチルアンモニウムを2mgずつ2時間毎に3回加え
た。さらに、同温度にて7時間撹拌することにより、転
化率は15%となった。そこで、リン酸12mgを加え
てから1時間撹拌を続けた。トルエン、次いで、未反応
ノナメチレンジイソシアネートを減圧下で除くことによ
り、無色透明な液体6.20gを得た。これのNCO含
有量は19.3%であった。下記の機器分析結果よりこ
の液体は式(I)で示されるイソシアヌレート環を有す
るポリイソシアネートを主成分とするポリイソシアネー
トであることが判明した。式(I)で示される一核体と
多核体との比率は、GPC分析により74:26である
ことが認められた。またガスクロマトグラフィー分析よ
り求めたノナメチレンジイソシアネートの含有量は0.
5%であった。 NMR分析(CDCl3 溶媒)δ 1.31〜1.7
3;3.30(t,J=8.1Hz);3.87
(t,J=8.1Hz) およびはそれぞれイソシアネート基およびイソシア
ヌレート環に隣接したメチレン基によるピークであり、
積分値より::の比率はおよそ7:1:1であっ
た。 IR分析 ν 2,900;2,830;2,240
(イソシアネート基);1,675(イソシアヌレート
環);1445 cm-1 質量分析 631(一核体,M+ +1);1053(二
核体,M+ +3)
【0031】比較例1 ヘキサメチレンジイソシアネートからイソシアヌレート
環を有するポリイソシアネートの合成 実施例1と同様の操作をノナメチレンジイソシアネート
に代えてヘキサメチレンジイソシアネート33.3gを
用いて行うことにより、対応するイソシアヌレート環を
有するポリイソシアネート5.13gを得た。これの機
器分析結果は市販品と同様であり、NCO含有量は2
3.5%であった。また、GPC分析より一核体と多核
体との比率は70:30であることが認められた。
【0032】試験例1 イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートの比較 (1)低極性溶剤への溶解性試験 実施例1および比較例1で合成したイソシアヌレート環
を有するポリイソシアネート1.00gを酢酸エチル
1.00gに溶かし、この溶液に15℃にてヘキサンを
徐々に加え、溶液が白濁した時点でヘキサンの添加を止
めた。ヘキサン添加量はそれぞれ4.0mlおよび1.
9mlであり、実施例1で得られた本発明のポリイソシ
アネートは低極性溶剤への溶解性に優れることが認めら
れた。 (2)ポリオールとの相溶性試験 実施例1および比較例1で合成したイソシアヌレート環
を有するポリイソシアネートとルミフロンLF−601
(旭硝子株式会社製、溶剤としてキシレン、トルエンを
含有)とをNCO/OH=1となるように混合し、それ
ぞれの混合液から100μ厚の塗膜をガラス板上に作成
した。これらを20℃、65%RHにて1日間放置後、
外観を目視観察した。その結果、前者から調製した塗膜
は透明であったのに対して、後者からの塗膜は白濁して
おり、実施例1で得られた本発明のポリイソシアネート
は低極性ポリオールとの相溶性に優れることが認められ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリイソシアネートは、二液型
ウレタン塗料の硬化剤として使用するに際し、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ミネラルスピリットなどの低極性
溶剤への溶解性に優れることから、酢酸エステルなどの
極性の高い溶剤の使用量を低減でき、塗料を重ね塗りす
る場合の下地塗膜の浮きや縮みなどの欠陥の発生を防止
でき、さらにプラスチック基材の表面がおかされる心配
がないなどの利点を有する。また、ウレタン塗料の主剤
として用いられる低極性ポリオールとの相溶性にも優れ
ることから、塗料の透明性、光沢、鮮映性、レベリング
性などの性能低下を起こすことなく、広い範囲のポリオ
ールの使用を可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−244623(JP,A) 特開 昭62−215619(JP,A) 特開 昭61−12677(JP,A) 特開 昭60−181114(JP,A) 特開 昭61−129173(JP,A) 特開 昭55−98172(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C07D 251/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノナメチレンジイソシアネートの環状三
    量化により得られるイソシアヌレート環を有するポリイ
    ソシアネート。
  2. 【請求項2】 式(I) 【化1】 で示されるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネ
    ート。
  3. 【請求項3】 式(I) 【化2】 で示されるポリイソシアネートを50〜95重量%含む
    請求項1記載のイソシアヌレート環を有するポリイソシ
    アネート。
  4. 【請求項4】 ノナメチレンジイソシアネートを環状三
    量化触媒の存在下にイソシアネート基の一部を環状三量
    化し、最初に存在していたイソシアネート基の約5〜3
    0%が環状三量化された時点で、反応停止剤を添加した
    後、未反応のノナメチレンジイソシアネートを除去する
    ことを特徴とする、請求項1記載のイソシアヌレート環
    を有するポリイソシアネートの製造方法。
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