JP5968134B2 - ブロックポリイソシアネート組成物、硬化性組成物、及び硬化物 - Google Patents
ブロックポリイソシアネート組成物、硬化性組成物、及び硬化物 Download PDFInfo
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Description
すなわち、本発明は次のとおりである。
脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤とから得られる、ブロックポリイソシアネートを含み、
下記条件を全て満たす、
ブロックポリイソシアネート組成物と、有機溶剤含有率が10質量%以下の活性水素化合物とを混合する工程を含む、硬化性組成物の製造方法。
1)前記ポリイソシアネート中のイソシアヌレート3量体成分濃度:40〜80質量%
2)前記ポリイソシアネートの数平均分子量:400〜1200
3)前記ポリイソシアネート中のウレトジオン2量体成分濃度:2〜25質量%
4)有機溶剤の含有率:0〜10質量%
〔2〕
前記熱解離性ブロック剤が、オキシム系化合物、酸アミド系化合物、アミン系化合物、活性メチレン系化合物、及びピラゾール系化合物よりなる群から選ばれる、少なくとも1種である、〔1〕に記載の硬化性組成物の製造方法。
〔3〕
前記脂肪族ジイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む、〔1〕又は〔2〕に記載の硬化性組成物の製造方法。
〔4〕
有機溶剤含有率が10質量%以下の活性水素化合物と、
脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤とから得られる、ブロックポリイソシアネートを含み、下記条件を全て満たす、ブロックポリイソシアネート組成物と、を含有し、
有機溶剤含有率が10質量%以下である、硬化性組成物。
1)前記ポリイソシアネート中のイソシアヌレート3量体成分濃度:40〜80質量%
2)前記ポリイソシアネートの数平均分子量:400〜1200
3)前記ポリイソシアネート中のウレトジオン2量体成分濃度:2〜25質量%
4)有機溶剤の含有率:0〜10質量%
〔5〕
前記活性水素化合物が、ポリオール化合物を含む、〔4〕に記載の硬化性組成物。
〔6〕
〔4〕又は〔5〕に記載の硬化性組成物を加熱硬化させることで得られる、硬化物。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、
脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤とから得られる、ブロックポリイソシアネートを含み、
下記条件を全て満たす。
1)前記ポリイソシアネート中のイソシアヌレート3量体成分濃度:40〜80質量%
2)前記ポリイソシアネートの数平均分子量:400〜1200
3)前記ポリイソシアネート中のウレトジオン2量体成分濃度:2〜25質量%
4)有機溶剤の含有率:0〜10質量%
本実施形態に係るポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、又は脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネート(以下、「ジイソシアネート」ともいう。)から得られる。ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、その構造の中にベンゼン環を含まないものが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。このなかでも、耐候性、工業的入手の容易さから、HDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用することもできる。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと言う)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族ジイソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用することもできる。
イソシアヌレート3量体とは、ジイソシアネート3分子からなる、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートであり、次式で示される化合物である。
ウレトジオン2量体とは、ジイソシアネート2分子からなる、ウレトジオン基を有するポリイソシアネートであり、次式で示される。
上記ポリイソシアネートの数平均分子量(以下、「Mn」という)は、400〜1200であり、好ましくは450〜1100であり、より好ましくは450〜1000である。Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」という)測定により算出できる。数平均分子量を400〜1200とすることにより、粘度がより低くなる傾向にあり、また硬化性がより優れる傾向にある。なお、イソシアヌレート3量体とウレトジオン2量体の含有率(質量%)は、このGPC測定で得られた各成分のピークの面積比を各成分の質量%とすることで求めることができる。
fn=Mn×NCO基含有率/4200
本実施形態におけるブロックポリイソシアネートは、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基を、熱解離性ブロック剤と反応させてブロックすることによって製造することができる。ここで用語「熱解離性」とは、加熱によってイソシアネート基に結合したブロック剤が解離することを意味する。解離に必要な温度は、ブロック構造によって異なるが、例えば40℃〜300℃である。
本実施形態に係るブロックポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤とから得られる。ブロックポリイソシアネートは、公知の方法で、完全に又は部分的にブロックされていてもよいが、全てブロックされていることが好ましい。完全にブロックされているかどうかは、FT−IRのイソシアネートに起因する吸収の消失により確認することができる。
上記で詳述した原料を用いて、本実施形態のブロックポリイソシアネートを得ることができる。以下、その製造方法の一例を詳述する。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、有機溶剤を実質的に含まない。実質的に含まないとは、前記ブロックポリイソシアネート組成物中の有機溶剤含有率が0〜10質量%であることをいう。また、ブロックポリイソシアネート組成物と、主剤である活性水素化合物とを、硬化させた場合の、硬化物のボイド発生を抑制する観点から、有機溶剤の含有率は0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましい。
ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法は、特に限定されず、反応釜や撹拌機等を用いた公知の方法でブロックポリイソシアネートと有機溶剤を混合して行なうことができる。なお、ブロックポリイソシアネート組成物が無溶剤の場合は有機溶剤と混合する必要はない。
ブロックポリイソシアネート組成物及びブロックポリイソシアネートの粘度は、製造容易性や作業性の観点から、60℃で3,000〜50,000mPa・sが好ましく、3,000〜40,000mPa・sがより好ましく、3,000〜30,000mPa・sがさらに好ましい。粘度測定は、25,600mPa・sまではE型粘度計で、それ以上はレオメーター(HAAKE社製RS−1)を用いて行なうことができる。また、ローラーは粘度に応じて選択することができる。
〔式1〕
粘度比=40℃での粘度[mPa・s]/80℃での粘度[mPa・s]
本実施形態の硬化性組成物は、主剤である活性水素化合物(多価活性水素化合物)と、ブロックポリイソシアネート組成物とを含有する。この硬化性組成物は、加熱することによって、イソシアネート基に結合した熱解離性ブロック剤が解離して、このイソシアネート基と活性水素化合物中の活性水素とが反応し、硬化物となる。なお、活性水素化合物は有機溶剤を実質的に含まない(有機溶剤含有率が10質量%以下)ものが好ましい。
上記活性水素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物であり、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。このなかでも、強靭性という観点からポリオール化合物が好ましい。特に、活性水素化合物としてポリオールを用いる場合は、硬化性組成物をポリウレタン組成物とも言う。
本実施形態の硬化性組成物は、メラミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の他の硬化剤も含むことができる。メラミン系硬化剤としては、特に限定されないが、具体的には、完全アルキルエーテル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、及び一部にイミノ基を有するイミノ基型メラミン樹脂が代表的なものとして挙げられる。
また、本実施形態の硬化性組成物は、目的及び用途に応じて、硬化促進触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、レベリング剤、可塑剤、及び界面活性剤等の各種添加剤を含むことができる。
硬化性組成物の製造方法は、特に限定されず、反応釜や撹拌機等を用いた公知の方法で、ブロックポリイソシアネート組成物と、活性水素化合物を混合して行なうことができる。
本実施形態の硬化物は、前記硬化性組成物を加熱硬化させることで得られる。具体的には、硬化性組成物を加熱することによって、イソシアネート基に結合した熱解離性ブロック剤が解離して、このイソシアネート基と活性水素化合物中の活性水素とが反応し、硬化物となる。実質的に有機溶剤を含まないブロックポリイソシアネート組成物を使用しているため、本実施形態の硬化物は、厚く成形してもボイドの発生が抑制されたものとなる。特に、活性水素化合物としてポリオールを用いた硬化性組成物を硬化させた場合は、ポリウレタン硬化物とも言う。
なお、以下で物の量又は割合を示す「%」は、特に断らない限り、質量基準の値を意味するものとする。
ポリイソシアネート2〜3gを20mLのトルエンに溶解し、2Nジ−n−ブチルアミントルエン溶液を20mL添加して混合し、15分間放置する。イソプロパノール70mlを加え、1N塩酸により逆滴定した。この逆滴定の結果からポリイソシアネートのNCO基含有率(質量%)を求めた。
有効NCO基含有率は、ポリイソシアネートの仕込み量とNCO基含有率、及び熱解離性ブロック剤の仕込み量より計算により求めた。
ポリイソシアネートの粘度は、E型粘度計(株式会社トキメック社製)を用いて25℃で測定し、ローターは標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は以下の通りである。
100r.p.m. (128mPa・s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20r.p.m. (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10r.p.m. (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m. (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m. (2560mPa・s以上5120mPa・s未満の場合)
1.0r.p.m. (5120mPa・s以上12800mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m. (12800mPa・s以上25600mPa・s未満の場合)
ブロックポリイソシアネート組成物の粘度は、レオメーター(HAAKE社製RS−1)を用いて40℃、60℃、80℃で測定した。ローターは2°×R10を用いた。
粘度比は、上記方法により測定したブロックポリイソシアネート組成物の粘度に基づいて、以下の式により算出した。
粘度比=40℃での粘度[mPa・s]/80℃での粘度[mPa・s]
ポリイソシアネートの数平均分子量(Mn)は下記のGPC装置で測定し、ポリスチレン基準で算出した。
装置:東ソー(株)HLC−802A
カラム:東ソー(株)G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/分
試料濃度:1.0質量%
注入量:20μL
温度:40℃
検出方法:示差屈折計
ジイソシアネートのイソシアヌレート3量体への転化率は、反応液の屈折率測定により求めた。また、上記GPC測定結果の各成分のピーク面積%を、各成分の質量%とした。そのため、イソシアヌレート3量体成分濃度(質量%)は、上記GPC測定においてジイソシアネートの3倍の分子量に相当する位置のピーク面積%を用いて求めた。また、ウレトジオン2量体成分濃度(質量%)も上記GPC測定においてジイソシアネートの2倍の分子量に相当する位置のピーク面積%を用いて求めた。
アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は、Bruker社製FT−NMR DPX−400(商品名)を用いた、1H−NMRの測定により求めた。アロファネート基は、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子上の水素のシグナルを用い、イソシアヌレート基は、3.8ppm付近のイソシアヌレート環の窒素原子の隣のメチレン基の水素のシグナルを用い、それぞれの面積比からモル比率を求めた。
(ポリイソシアネートA−1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600g、イソブタノール0.6gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃とし、2Hr保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が20%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。この反応で増加したウレトジオン2量体成分の質量濃度は1質量%以下であった。反応液をさらに160℃とし、1Hr保持した。この加熱によりウレトジオン基含有ポリイソシアネートが更に生成した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸留器を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートA−1は淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は620mPa・s、NCO基含有率は23.0%、イソシアヌレート3量体成分濃度は60質量%、ウレトジオン2量体成分濃度は12質量%、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は2.4%、Mnは570であった。
(ポリイソシアネートA−2の合成)
合成例1と同様の装置に、HDI 600g、イソブタノール2.5gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃とし、2Hr保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒としてトリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液0.5gを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が18%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をさらに160℃とし、1Hr保持した。この加熱によりウレトジオン基含有ポリイソシアネートが生成した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートA−2は淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は510mPa・s、NCO基含有率は23.2%、イソシアヌレート3量体成分濃度は66質量%、ウレトジオン2量体成分濃度は13質量%、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は23.0%、Mnは510であった。
(ポリイソシアネートA−3の合成)
合成例1と同様の装置に、HDI 100gを仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテート(2−ブタノール 5.0質量%溶液)100.0mg添加し、収率が38質量%になった時点で、燐酸(85質量%水溶液)12.0mg添加し反応を停止した。その後、さらに100℃にて1時間加熱し、室温まで冷却し、反応液をろ過して不溶物を除去した後、薄膜蒸留器を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートA−3は淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は2,500mPa・s、NCO基含有率は22.2質量%、イソシアヌレート3量体成分濃度は53質量%、ウレトジオン2量体成分濃度は1質量%未満、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は1%未満、Mnは660であった。
(ポリイソシアネートA−4の合成)
合成例1と同様の装置に、HDI 100gを仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテート(2−ブタノール 5.0質量%溶液)100.0mg添加し、収率が24質量%になった時点で、燐酸(85質量%水溶液)12.0mg添加し反応を停止した。その後、さらに100℃にて1時間加熱し、室温まで冷却し、反応液をろ過して不溶物を除去した後、薄膜蒸留器を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートA−4は淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は1,600mPa・s、NCO基含有率は23.0質量%、イソシアヌレート3量体成分濃度は67質量%、ウレトジオン2量体成分濃度は1質量%未満、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は1%未満、Mnは590であった。
(ポリイソシアネートA−5の合成)
合成例1と同様の装置に、HDI 600gを仕込み、撹拌下反応器内温度を160℃とし、1Hr保持した。反応液を冷却、ろ過後、薄膜蒸留器を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネートA−5は淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は35mPa・s、NCO基含有率は24.2%、イソシアヌレート3量体成分濃度は13質量%、ウレトジオン2量体成分濃度は79質量%、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は1%未満、Mnは410であった。
(ポリイソシアネートA−6の合成)
合成例1と同様の装置に、HDI 100gとプラクセル312(製品名、ダイセル社製ポリカプロラクトントリオール、数平均分子量:1,250)33gを仕込み、撹拌下、100℃で1時間ウレタン反応を行った。温度を60℃に下げた後、触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエート0.8gを徐々に加え、4時間イソシアヌレート化反応を行った。89%燐酸0.6gを加えて反応を停止させた。さらに90℃に上げ、1時間撹拌を続けた。反応液を冷却、ろ過後、薄膜蒸留器を用いて未反応のHDIを除去した。得られたウレタンプレポリマーA−6は淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は23,000mPa・s、NCO基含有率は12.2%、イソシアヌレート3量体成分濃度は21質量%、ウレトジオン2量体成分濃度は1質量%未満、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は30%、Mnは2,000であった。
(ポリイソシアネートA−1のブロック反応によるブロックポリイソシアネート組成物B−1及び6の合成)
合成例1と同様の装置に、合成例1又は比較合成例4で合成したポリイソシアネートA−1又は4を仕込んで40℃に加温し、メチルエチルケトオキシムを、ポリイソシアネートのNCO基含有モル量に対し、1.05倍モル量徐々に加えた。全て加えた後で、60℃に加温し、2時間撹拌した。FT−IRにて、イソシアネートに起因する吸収が消失するのを確認した後、撹拌を停止し、実施例1及び比較例2のブロックポリイソシアネート組成物を得た。ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO基含有率(質量%)及び各温度における粘度(mPa・s)、40℃と80℃の粘度比、有機溶剤含有率(質量%)は、表1のとおりである。
(ポリイソシアネートA−1〜6のブロック反応によるブロックポリイソシアネート組成物B−2、4、5、7〜9の合成)
合成例1と同様の装置に、合成例1〜2、比較合成例3〜6で合成したポリイソシアネートA−1〜6をそれぞれ仕込んで80℃に加温し、3,5−ジメチルピラゾールを、ポリイソシアネートのNCO基含有モル量に対し、1.05倍モル量徐々に加えた。全て加えた後で、さらに2時間撹拌した。FT−IRにて、イソシアネートに起因する吸収が消失するのを確認した後、撹拌を停止し、実施例2、4、及び比較例1、3〜5のブロックポリイソシアネート組成物を得た。ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO基含有率(質量%)及び各温度における粘度(mPa・s)、40℃と80℃の粘度比、有機溶剤含有率(質量%)は、表1のとおりである。
(ポリイソシアネートA−1のブロック反応によるブロックポリイソシアネート組成物B−3の合成)
合成例1と同様の装置に、合成例1で合成したポリイソシアネートA−1を仕込んで60℃に加温し、ε−カプロラクタムを、ポリイソシアネートのNCO基含有モル量に対し、1.05倍モル量徐々に加えた。全て加えた後で、90℃に加温し、6時間撹拌した。FT−IRにて、イソシアネートに起因する吸収が消失するのを確認した後、撹拌を停止し、実施例3のブロックポリイソシアネート組成物を得た。ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO基含有率(質量%)及び各温度における粘度(mPa・s)、40℃と80℃の粘度比、有機溶剤含有率(質量%)は、表1のとおりである。
実施例1〜4、比較例1〜5のブロックポリイソシアネート組成物B−1〜9と、以下のポリオール化合物とを、それぞれブロックされたイソシアネート基/水酸基の当量比率が1.0となるように配合し、23℃で放置した際の配合液の相溶性を目視で観察した。配合液が透明で相溶したものを○、白濁あるいは分離したものを×として評価した。得られた結果を表1に示す。
ポリオール1:旭化成ケミカルズ社製ポリカーボネートジオール、デュラノール(登録商標)T5652、水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量2,000
ポリオール2:豊国製油社製ヒマシ油系ポリオールTLM、水酸基価161mgKOH/g、数平均分子量950
実施例1〜4、比較例1〜5のブロックポリイソシアネート組成物B−1〜9と、前記ポリオール1を、それぞれブロックされたイソシアネート基/水酸基の当量比率が1.0となるように配合し、専用塗装板(ポリプロピレン製)上にアプリケーターにて塗膜を形成した。オーブンにて、表1に記載の温度で30分間焼き付けた後、塗膜を剥がし、アセトン内に23℃、24時間浸漬した際の残膜率(ゲル分率)を測定した。ゲル分率が90%以上を○とし、90%未満を×とした。得られた結果を表1に示す。
残膜率(ゲル分率)=アセトン浸漬後の塗膜重量/アセトン浸漬前の塗膜重量×100
実施例1〜4、比較例1〜5のブロックポリイソシアネート組成物B−1〜9と、前記ポリオール1を、それぞれブロックされたイソシアネート基/水酸基の当量比率が1.0となるように配合し、直径50mm、高さ10mmのアルミニウム皿に8mmの高さまで注入した。160℃に保持されたオーブンで30分間加熱した後、硬化物を取り出し、断面を観察した。100μm以上のボイドが観察されない場合は○、観察された場合は△、大量に観察された場合は×とした。得られた結果を表1に示す。
ブロックポリイソシアネート組成物B−2に対し、さらに有機溶剤として酢酸ブチルを、表2記載の有機溶剤含有率になるように添加して、実施例5〜7、比較例6のブロックポリイソシアネート組成物を得た。
Claims (6)
- 脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤とから得られる、ブロックポリイソシアネートを含み、
下記条件を全て満たす、
ブロックポリイソシアネート組成物と、有機溶剤含有率が10質量%以下の活性水素化合物とを混合する工程を含む、硬化性組成物の製造方法。
1)前記ポリイソシアネート中のイソシアヌレート3量体成分濃度:40〜80質量%
2)前記ポリイソシアネートの数平均分子量:400〜1200
3)前記ポリイソシアネート中のウレトジオン2量体成分濃度:2〜25質量%
4)有機溶剤の含有率:0〜10質量% - 前記熱解離性ブロック剤が、オキシム系化合物、酸アミド系化合物、アミン系化合物、活性メチレン系化合物、及びピラゾール系化合物よりなる群から選ばれる、少なくとも1種である、請求項1に記載の硬化性組成物の製造方法。
- 前記脂肪族ジイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物の製造方法。
- 有機溶剤含有率が10質量%以下の活性水素化合物と、
脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤とから得られる、ブロックポリイソシアネートを含み、下記条件を全て満たす、ブロックポリイソシアネート組成物と、を含有し、
有機溶剤含有率が10質量%以下である、硬化性組成物。
1)前記ポリイソシアネート中のイソシアヌレート3量体成分濃度:40〜80質量%
2)前記ポリイソシアネートの数平均分子量:400〜1200
3)前記ポリイソシアネート中のウレトジオン2量体成分濃度:2〜25質量%
4)有機溶剤の含有率:0〜10質量% - 前記活性水素化合物が、ポリオール化合物を含む、請求項4に記載の硬化性組成物。
- 請求項4又は5に記載の硬化性組成物を加熱硬化させることで得られる、硬化物。
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