JP7058571B2 - 水分散ブロックポリイソシアネート組成物、水分散体、水系コーティング組成物及びコーティング基材 - Google Patents
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Description
本発明の第1態様に係る水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートと熱解離性ブロック剤とから得られるブロックポリイソシアネートを含み、以下の1)~4)に示す条件を満たす。
1)脂肪族ジイソシアネートモノマー及び脂環族ジイソシアネートモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートモノマーから誘導され、且つ、アロファネート基及びイソシアヌレート基を含むポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%以上60質量%以下である;
2)アロファネート基/(アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比が、2/100以上40/100以下である;
3)ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、2質量%以上15質量%以下である;
4)前記ブロックポリイソシアネートは、親水性化合物から誘導される構成単位を含む
前記脂肪族ジイソシアネートモノマーがヘキサメチレンジイソシアネートであってもよい。
前記親水性化合物がポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルであり、前記ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、5質量%以上26質量%以下であってもよい。
前記ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルが、下記一般式(1)で表される化合物であってもよい。
前記熱解離性ブロック剤が、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物、活性メチレン系化合物、アミン系化合物及び酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい。
前記熱解離性ブロック剤がピラゾール系化合物又はオキシム系化合物であってもよい。
前記アロファネート基は、アルコールの水酸基と前記ジイソシアネートモノマーのイソシアネート基とを反応させてなる官能基であってもよい。
本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、イソシアネート基(-NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートと熱解離性ブロック剤とから得られるブロックポリイソシアネートを含み、以下の1)~4)に示す条件を満たす。
1)脂肪族ジイソシアネートモノマー及び脂環族ジイソシアネートモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートモノマーから誘導され、且つ、アロファネート基及びイソシアヌレート基を含むポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%以上60質量%以下である;
2)アロファネート基/(アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比が、2/100以上40/100以下である;
3)ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、2質量%以上15質量%以下である;
4)前記ブロックポリイソシアネートは、親水性化合物から誘導される構成単位を含む
本実施形態のポリイソシアネート組成物の各構成について、以下に詳細を説明する。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物に含まれるブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネート、ポリカーボネートジオール、熱解離性ブロック剤及び親水性化合物の反応物である。すなわち、ブロックイソシアネートは、ポリカーボネートジオールがウレタン基を介してポリイソシアネートに結合しており、親水性化合物がウレタン基を介してポリイソシアネートに結合しており、且つ、ポリイソシアネート中の少なくとも一部のイソシアネート基がブロック剤でブロック化されている。
ブロックポリイソシアネートの製造に用いられるポリイソシアネートは、イソシアネート基(-NCO)を有する単量体化合物(以下、「イソシアネートモノマー」と称する場合がある)を複数反応させて得られる反応物である。また、ポリイソシアネートには、複数のイソシアネートモノマーと、イソシアネートモノマー以外の化合物(例えば、アルコール、水、アミン等)とを反応させて得られる反応物も含む。
(1)ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族ジイソシアネート
(2)1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と称する場合がある)、1,9-ノナメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソイシアネート、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(MPDI)、リジンジイソシアネート(以下、「LDI」と称する場合がある)等の脂肪族ジイソシアネート
(3)イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、1,3-又は1,4-ビス(ジイソシアネートメチル) シクロヘキサン(以下、「水添XDI」と称する場合がある)、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「水添MDI」と称する場合がある)、2,5-又は2,6-ジイソシアネートノルボルナン、2,5-又は2,6-ジ(イソシアネートメチル)ノルボルナン等の脂環族ジイソシアネート
(4)4-イソシアネートメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート(以下、「NTI」と称する場合がある)、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する場合がある)、ビス(2-イソシアナトエチル)2-イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する場合がある)、リジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する場合がある)等のトリイソシアネート
上記モル比の上限値は、塗膜としたときの硬度の観点から、40/100であり、35/100が好ましく、30/100がより好ましい。
すなわち、アロファネート基/(アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比は、2/100以上40/100以下であり、3/100以上35/100以下が好ましく、4/100以上30/100以下がより好ましい。
上記モル比が上記下限値以上であることで、水への分散性が向上し、容易に分散することができる。そのため、主剤への相溶性、塗膜としたときの外観、及び、両親媒性溶媒を含む塗液としたときの貯蔵安定性がより優れる傾向である。上記モル比が上記上限値以下であることで、塗膜としたときの硬度がより優れる傾向である。
一般に、「アロファネート基」とは、アルコールの水酸基とイソシアネート基とを反応させてなる官能基であり、下記式(II)で示される基である。
一般に、「イミノオキサジアジンジオン基」とは、一般に、「イミノオキサジアジンジオン基」とは、3つのイソシアネート基を反応させてなる官能基であり、下記式(IV)で示される基である。
一般に、「ビウレット基」とは、3つのイソシアネート基とビウレット化剤とを反応させてなる官能基であり、下記式(V)で表される基である。
一般に、「オキサダイアジントリオン基」とは、2つのイソシアネート基と1分子の二酸化炭素とを反応させてなる官能基であり、下記式(VI)で表される基である。
一般に、「ウレタン基」とは、1つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させてなる官能基であり、下記式(VII)で表される基である。
一般に、「アシル尿素基」とは、1つのイソシアネート基と1つのカルボキシル基とを反応させてなる官能基であり、下記式(VIII)で表される基である。
一般に、「尿素基」とは、1つのイソシアネート基と1つの1級又は2級アミンとを反応させてなる官能基であり、下記式(IX)で表される基である。
一方、得られる塗膜の外観を良好にする観点から、上記ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合の上限値が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、60質量%であり、57質量%が好ましい。
すなわち、上記ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合は、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%以上60質量%以下であり、47質量%以上57質量%以下が好ましく、50質量%以上57質量%以下がより好ましい。
上記ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が上記下限値以上であることで、塗膜としたときの硬度がより良好である傾向がある。一方、上記ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が上記上限値以下であることで、両親媒性溶媒を含む塗料としたときの貯蔵安定性及び塗膜としたときの外観がより良好である傾向がある。
ポリイソシアネートの製造方法について、以下に詳細を説明する。
ポリイソシアネートは、例えば、上記イソシアネートモノマーのイソシアネート基からイソシアヌレート基を形成するイソシアヌレート化反応、及び、イソシアネート基とアルコールの水酸基からアロファネート基を形成するアロファネート化反応を、過剰のイソシアネートモノマーの存在下で行い、反応終了後に未反応のイソシアネートモノマーを除去して得ることができる。すなわち、上記反応により得られるポリイソシアネートは、上記イソシアネートモノマーが複数結合したものであり、且つ、アロファネート基及びイソシアヌレート基を有する反応物である。
また、上記の反応を別々に行ない、それぞれ得たポリイソシアネートを特定比率で混合してもよい。
製造の簡便さからは、上記反応を一度に行いポリイソシアネートを得ることが好ましく、各官能基のモル比を自由に調整する観点からは、別々に製造した後に混合することが好ましい。
イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートは、公知の方法で製造することができ、具体的には、上記イソシアネートモノマーをイソシアヌレート化反応触媒で多量化することで製造することができる。
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記テトラアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(2)ベンジルトリメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等のアリールトリアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記アリールトリアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(3)トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記ヒドロキシアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(4)酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、オクチル酸、カプリン酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩。
(5)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート。
(6)ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有化合物。
(7)マンニッヒ塩基類。
(8)第3級アミン類とエポキシ化合物との混合物。
(9)トリブチルホスフィン等の燐系化合物。
なお、ポリイソシアネートを得るためには、反応の進行を初期で停止する必要がある。しかしながら、イソシアヌレート化反応は、初期の反応速度が非常に速いため、反応の進行を初期で停止することに困難が伴い、反応条件、特に触媒の添加量及び添加方法は慎重に選択する必要がある。例えば、触媒の一定時間毎の分割添加方法等が好適なものとして推奨される。
イソシアヌレート化反応の転化率は、低粘度であること及びコーティング組成物としたときの硬化性の観点から、55%以下が好ましく、45%以下がより好ましい。
反応停止剤を用いることにより、得られるポリイソシアネートの保存安定性がより向上する傾向にある。
アロファネート基を有するポリイソシアネートは、公知の方法で製造することができ、具体的には、上記イソシアネートモノマーとアルコールとを混合し、アロファネート化反応触媒でアロファネート化することで製造することができる。なお、上記イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートの製造方法と同様に、反応終了後、反応停止剤を使用することができる。
前記アルコールとして具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、非重合性アルコール、重合性アルコールが挙げられる。ここでいう「非重合性アルコール」とは、重合性基を有さないアルコールを意味する。一方、「重合性アルコール」とは、重合性基及び水酸基を有する単量体を重合して得られるアルコールを意味する。これらアルコールは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
モノアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、n-ノナノール、2-エチルブタノール、2,2-ジメチルヘキサノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-エチル-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
トリオール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
テトラオール類としては、例えば、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
錫のアルキルカルボン酸塩(有機錫化合物)としては、例えば、2-エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
鉛のアルキルカルボン酸塩(有機鉛化合物)としては、例えば、2-エチルヘキサン酸鉛等が挙げられる。
亜鉛のアルキルカルボン酸塩(有機亜鉛化合物)としては、例えば、2-エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
ビスマスのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ビスマス等が挙げられる。
ジルコニウムのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ジルコニウム等が挙げられる。
ジルコニルのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ジルコニル等が挙げられる。これら触媒は、1種を単独又は2種以上を併用することができる。
また、上記イソシアヌレート化反応触媒もアロファネート化反応触媒となり得る。上記イソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応を行なう場合は、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも当然のことながら生成する。
中でも、アロファネート化反応触媒として、上記イソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応とイソシアヌレート反応とを行うことが経済的生産上、好ましい。
上述したアロファネート化反応触媒の使用量の上限値は、仕込んだイソシアネートモノマーの質量に対して、1000質量ppmが好ましく、800質量ppmがより好ましく、600質量ppmがさらに好ましく、500質量ppmが特に好ましい。
すなわち、上述したアロファネート化反応触媒の使用量は、仕込んだイソシアネートモノマーの質量に対して、10質量ppm以上1000質量ppm以下が好ましく、20質量ppm以上800質量ppm以下がより好ましく、40質量ppm以上600質量ppm以下がさらに好ましく、80質量ppm以上500質量ppm以下が特に好ましい。
また、アロファネート化反応温度の上限値としては、180℃が好ましく、160℃がより好ましく、140℃がさらに好ましい。
すなわち、アロファネート化反応温度としては、40℃以上180℃以下が好ましく、60℃以上160℃以下がより好ましく、80℃以上140℃以下がさら好ましく、100℃以上140℃以下が特に好ましい。
アロファネート化反応温度が上記下限値以上であることによって、反応速度をより向上させることが可能である。アロファネート化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等をより効果的に抑制できる傾向にある。
ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、ビウレット基、オキサダイアジントリオン基、ウレタン基、アシル尿素基及び尿素基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を有するポリイソシアネートについても、公知の方法で製造することができる。
例えば、ウレタン基を有するポリイソシアネートは、上記イソシアネートモノマーと、アルコールと、を混合し、必要に応じてウレタン化反応触媒を添加することで製造することができる。
アルコールとしては、上記アロファネート基を有するポリイソシアネートの製造方法において例示されたものと同様のものを用いることができる。
ウレタン化反応触媒としては、特に限定されないが、例えば、スズ系化合物、亜鉛系化合物、アミン系化合物等が挙げられる。
ウレタン化反応温度としては、40℃以上180℃以下とすることができ、50℃以上160℃以下が好ましく、60℃以上120℃以下がより好ましい。
ウレタン化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等をより効果的に抑制できる傾向にある。
また、ウレタン化反応時間としては、30分以上4時間以下が好ましく、1時間以上3時間以下がより好ましく、1時間以上2時間以下がさらに好ましい。
ブロックポリイソシアネートの製造に用いられるポリカーボネートジオールは、2つの水酸基(-OH)と1つのカーボネート基(-O-(C=O)-O-)とが脱水縮合してなる構造単位の繰り返しを有する。
すなわち、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合は、2.0質量%以上15.0質量%以下であり、3.5質量%以上13.5質量%以下が好ましく、5.0質量%以上12.0質量%以下がより好ましい。
ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が上記下限値以上であることで、分子内水素結合をもつことができ、両親媒性溶媒を含む塗料としたときの貯蔵安定性及び塗膜としたときの密着性がより良好となる傾向がある。ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が上記上限値以下であることで架橋に使用されるイソシアネート基が多くなり、塗膜としたときの硬度がより良好となる傾向がある。
ポリカーボネートジオールの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、2種のジオールとカーボネート化合物とを脱アルコール反応及び脱フェノール反応のうち少なくともいずれかの反応をさせる方法、高分子量のポリカーボネートポリオールを2種のジオールを用いてエステル交換反応する方法等が挙げられる。また、2種のジオールとカーボネート化合物とを反応させる方法は、特に限定はなく公知の方法が挙げられ、非特許文献1に記載する種々の方法のいずれかを用いてもよい。
中でも、ジオールとしては、炭素数2以上11以下のジオールが好ましく、炭素数3以上6以下のジオールがより好ましい。
このような2種のジオールの好ましい組み合わせとして、具体的には、例えば、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール及び2-メチル-1,3プロパンジオールからなる群より選ばれる異なる2種のジオールの組み合わせ等が挙げられる。中でも、1,6-ヘキサンジオールと1,5-ペンタンジオールとの組み合わせ、1,6-ヘキサンジオールと1,4-ブタンジオールとの組み合わせ、又は、1,4-ブタンジオールと2-メチル-1,3プロパンジオールの組み合わせが好ましい。
ブロックポリイソシアネートの製造に用いられる親水性化合物としては、例えば、ノニオン系親水性化合物、アニオン系親水性化合物、カチオン系親水性化合物等が挙げられる。これらの親水性化合物は、単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。中でも、製造のしやすさから、ノニオン系親水性化合物又はアニオン系親水性化合物が好ましく、ノニオン系親水性化合物がより好ましい。
ノニオン系親水性化合物としては、例えば、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテル等が挙げられる。水分散ブロックポリイソシアネート組成物の粘度を低くする観点から、ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルが好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルは、特に限定されないが、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテル(1)」と称する場合がある)が好ましい。
一般式(1)中、R11は炭素数1以上4以下のアルキレン基である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状(脂肪族環基)であってもよい。アルキレン基の炭素数は、1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
前記アルキレン基として具体的は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ジメチルメチレン基、シクロトリメチレン基、テトラメチレン基、ジメチルエチレン基、シクロテトラメチレン基等が挙げられる。
中でも、アルキレン基としては、メチレン基又はエチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
一般式(1)中、R12は炭素数1以上4以下のアルキル基である。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状(脂肪族環基)であってもよい。アルキル基の炭素数は、1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基等が挙げられる。
中でも、アルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(1)中、n11はアルキレンオキシ基(-R11-O-)の繰り返し数である。ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテル(1)は、単一成分ではなく、重合度が異なる物質の集合体である。そのため、n11は重合度の平均値を表す。
n11の下限値としては、親水性付与の観点から、5.0が好ましく、5.2がより好ましく、5.4がさらに好ましく、6.0が特に好ましい。
一方、n11の上限値は、水分散性及び塗膜としたときの硬度の観点から、20.0が好ましく、18.0がより好ましく、16.0がさらに好ましい。
すなわち、n11は、5.0以上20.0以下が好ましく、5.2以上18.0以下がより好ましく、5.4以上16.0以下がさらに好ましく、6.0以上16.0以下が特に好ましい。
n11が上記下限値以上であることで、乳化力が増すため分散性が向上し、容易に分散することができる。そのため、主剤への分散性がより向上し、塗膜としたときの外観がより優れる傾向にある。n11が上記上限値以下であることで、ゲル化等の過度の粘度上昇をより防ぐことができ、容易に分散することができる傾向にある。さらに、塗膜としたときの硬度がより優れる傾向にある。
一方、数平均分子量の上限値は、塗膜としたときの硬度の視点から、2000が好ましく、1200がより好ましく、1000がさらに好ましい。
すなわち、数平均分子量は、200以上2000以下が好ましく、300以上1200以下がより好ましく、400以上1000以下がさらに好ましい。
一方、ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルから誘導される構成単位の割合の上限値は、両親媒性溶媒を含む塗液としたときの貯蔵安定性の観点から、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、26.0質量%が好ましく、22.5質量%がより好ましく、20.0質量%がさらに好ましい。
すなわち、ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルから誘導される構成単位の割合は、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、5.0質量%以上26.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以上22.5質量%以下がより好ましく、7.0質量%以上20.0質量%以下がさらに好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルから誘導される構成単位の割合が上記下限値%以上であることにより、水分散性がより向上し、塗膜としたときの外観がより良好となる傾向がある。ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルから誘導される構成単位の割合が上記上限値以下であることにより、両親媒性溶媒を含む塗液としたときの貯蔵安定性がより良好となる傾向がある。
アニオン系親水性化合物としては、例えば、カルボキシ基含有化合物、スルホン酸基含有化合物等が挙げられる。中でも、アニオン系親水性化合物としては、製造のしやすさ及び水系塗料における配合性から、カルボン酸基含有化合物が好ましい。カルボキシ基含有化合物としては、例えば、モノヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシカルボン酸及びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも、カルボキシ基含有化合物としては、モノヒドロキシカルボン酸又はジヒドロキシカルボン酸が好ましく、モノヒドロキシカルボン酸がより好ましい。
カチオン系親水性化合物としては、水酸基含有アミノ化合物が挙げられる。
水酸基含有アミノ化合物を使用する場合には、水分散ブロックポリイソシアネート組成物製造後、中和剤で中和することが好ましい。中和剤としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、2-エチルヘキサン酸等の有機酸が挙げられる。
ブロックポリイソシアネートは、親水性化合物の親水性基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応して形成されたウレタン基を有する。また、ブロックポリイソシアネートは、上述のポリイソシアネートで記載したように、ポリイソシアネートに由来するウレタン基を有してもよい。
本実施形態の水分散ブロックポリイソシアネート組成物において、ウレタン基/(ウレタン基+アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比の下限値は、水分散性及び両親媒性溶媒を含む塗液としたときの貯蔵安定性の観点から、10/100が好ましく、12/100がより好ましく、14/100がさらに好ましい。
また、上記モル比の上限値は、塗膜としたときの硬度の観点から、25/100が好ましく、22/100が好ましく、20/100がさらに好ましい。
すなわち、ウレタン基/(ウレタン基+アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比は、10/100以上25/100以下が好ましく、12/100以上22/100以下が好ましく、14/100以上20/100以下がさらに好ましい。
上記モル比が上記下限値以上であることで、水への分散性がより向上し、容易に分散することができる。そのため、主剤への分散性、両親媒性溶媒を含む塗液としたときの貯蔵安定性、及び、塗膜としたときの外観がより優れる傾向である。一方、上記モル比が上記上限値以下であることで、塗膜としたときの硬度がより優れる傾向である。
ブロックポリイソシアネートは、イソシアネート基の少なくとも一部が熱解離性ブロック剤によってブロックされている。熱解離性ブロック剤とは、活性水素を分子内に1個有する化合物であり、加熱によりイソシアネート基から解離する性質を有する。熱解離性ブロック剤として具体的には、例えば、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピラゾール系化合物等が挙げられる。
(1)アルコール系化合物:メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール。
(2)アルキルフェノール系化合物:炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノ又はジアルキルフェノール類。例えば、n-プロピルフェノール、i-プロピルフェノール、n-ブチルフェノール、sec-ブチルフェノール、t-ブチルフェノール、n-ヘキシルフェノール、2-エチルヘキシルフェノール、n-オクチルフェノール、n-ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類;ジ-n-プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ-n-ブチルフェノール、ジ-t-ブチルフェノール、ジ-sec-ブチルフェノール、ジ-n-オクチルフェノール、ジ-2-エチルヘキシルフェノール、ジ-n-ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類。
(3)フェノール系化合物:フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル。
(4)活性メチレン系化合物:マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン。
(5)メルカプタン系化合物:ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン。
(6)酸アミド系化合物:アセトアニリド、酢酸アミド、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム。
(7)酸イミド系化合物:コハク酸イミド、マレイン酸イミド。
(8)イミダゾール系化合物:イミダゾール、2-メチルイミダゾール。
(9)尿素系化合物:尿素、チオ尿素、エチレン尿素。
(10)オキシム系化合物:ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム。
(11)アミン系化合物:ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン。
(12)イミン系化合物:エチレンイミン、ポリエチレンイミン。
(13)ピラゾール系化合物:ピラゾール、3-メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール。
ブロックポリイソシアネート組成物は、特に限定されないが、例えば、上記ポリイソシアネートと上記親水性化合物と上記ポリカーボネートジオールと上記熱解離性ブロック剤とを反応させて得られる。
ポリイソシアネートのイソシアネート基と親水性化合物の親水性基又はポリカーボネートジオールの水酸基との反応、及び、ポリイソシアネートのイソシアネート基と熱解離性ブロック剤との反応を同時に行うこともでき、予めどちらかの反応を行った後に、2つ目の反応を行うこともできる。中でも、イソシアネート基と親水性化合物の親水性基及びポリカーボネートジオールの水酸基との反応を先に行い、親水性化合物及びポリカーボネートジオールから誘導される構成単位を有するポリイソシアネートを得た後、得られた各構成単位を有するポリイソシアネートと熱解離性ブロック剤との反応を行うことが好ましい。
反応工程の反応温度は、-20℃以上150℃以下が好ましく、30℃以上100℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることで、反応性をより高くできる傾向にある。また、反応温度が上記上限値以下であることで、副反応をより抑制できる傾向にある。
親水性化合物が未反応状態で残存しないよう、完全にポリイソシアネートと反応させることが好ましい。未反応状態で残存しないことにより、水分散ブロックポリイソシアネート組成物の水分散安定性の低下をより抑制し、コーティング組成物として用いたときの硬化性の低下をより抑制する傾向にある。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、例えば、塗料組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物、注型剤組成物等の硬化性組成物;繊維処理剤等の各種表面処理剤組成物;各種エラストマー組成物;発泡体組成物等の架橋剤;改質剤;添加剤等として用いられる。
本実施形態の水分散体は、上記水分散ブロックポリイソシアネート組成物と溶剤とを含む。
水分散体は、例えば、上記水分散ブロックイソシアネート組成物に水及び溶剤を添加して得られる。このような溶剤としては、特に限定されないが、例えば、1-メチルピロリドン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、メタノール、iso-プロパノール、1-プロパノール、iso-ブタノール、1-ブタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。水への分散性の観点から、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル又はジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
本実施形態の水系コーティング組成物は、上記水分散ブロックポリイソシアネート組成物と、主剤とを含む。また、本実施形態の水系コーティング組成物は、上記水分散ブロックポリイソシアネート組成物及び主剤に加えて、水を含むことができ、水を主とする溶剤中に塗膜形成成分である樹脂類(主剤)が溶解又は分散している。本実施形態の水系コーティング組成物は、水以外に、有機溶剤をさらに含んでもよい。有機溶剤としては、両親媒性溶媒が好ましい。両親媒性溶媒としては、上記水分散体で例示されたものと同様のものが挙げられる。
本実施形態の水系コーティング組成物に含まれる主剤としては、分子内に活性水素含有基が2つ以上結合している化合物であれば特に限定されないが、例えば、ポリアミン、アルカノールアミン、ポリチオール、ポリオール、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリブタジエン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等が挙げられる。中でも、主剤としては、ポリオールを含むことが好ましい。
ポリアミンとして具体的には、例えば、ジアミン類、3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類、環状ポリアミン類が挙げられる。
ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類としては、例えば、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等が挙げられる。
環状ポリアミン類としては、例えば、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10-テトラアザシクロデカン、1,4,8,12-テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン等が挙げられる。
本明細書において、「アルカノールアミン」とは、1分子中に、アミノ基と水酸基とを有する化合物を意味する。アルカノールアミンとして具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ-又はジ-(-n-又は-イソ-)プロパノールアミン、エチレングリコール-ビス-プロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
ポリチオールとしては、特に限定されないが、例えば、ビス-(2-ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール]が挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール類、アクリルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、フッ素ポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリウレタンポリオール類、エポキシ樹脂類等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂類又はポリエステル樹脂類が好ましい。
ポリエステルポリオール類としては、例えば、特に限定されないが、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られる生成物が挙げられる。
二塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の二塩基酸が挙げられる。
多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及び、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールが挙げられる。
また、多価アルコールとしては、さらに、非糖類、糖アルコール系化合物、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類等を用いてもよい。非糖類としては、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。糖アルコール系化合物としては、例えば、エリトリトール、D-トレイトール、L-アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等が挙げられる。単糖類としては、例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等が挙げられる。三糖類としては、例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等が挙げられる。四糖類としては、例えば、スタキオース等が挙げられる。
アクリルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物とを共重合したものが挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、不飽和アミド、ビニル系単量体、加水分解性シリル基を有するビニル系単量体が挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸-n-ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和アミドとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等が挙げられる。
ビニル系単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。
加水分解性シリル基を有するビニル系単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属の水酸化物、又は、強塩基性触媒を使用して、多価アルコールの単独又は混合物に、アルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、ポリアミン化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類、上記ポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類が挙げられる。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
強塩基性触媒としては、例えば、アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。
多価アルコールとしては、上記ポリエステルポリオール類において例示されたものと同様のものが挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
フッ素ポリオール類とは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特許文献3及び特許文献4で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。
ポリオレフィンポリオール類としては、例えば、末端水酸基化ポリブタジエン及びその水素添加物等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、低分子カーボネート化合物、又は、該低分子カーボネート化合物を縮重合して得られるものが挙げられる。
低分子カーボネート化合物としては、例えば、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート等が挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート等が挙げられる。
ジアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
ポリウレタンポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、常法によりカルボキシ基を含有しないポリオールとイソシアネート成分とを反応させることにより得ることができる。又は、カルボキシ基を有するポリウレタンポリオールを塩基性物質により中和させて得られるものを用いることができる。
前記カルボキシ基を含有しないポリオールとしては、例えば、低分子量のものとして、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。また、例えば、高分子量のものとして、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリウレタンポリオール類は、ウレタンディスパージョン又はウレタンアクリルエマルジョン等のエマルジョンの形状であってもよい。
本明細書において、「エポキシ樹脂類」とは、1分子にエポキシ基を2個以上有する樹脂を意味する。エポキシ樹脂類として具体的には、例えば、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、及び、これらエポキシ樹脂をアミノ化合物、ポリアミド化合物等で変性した樹脂類等が挙げられる。
グリシジルエーテル系エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等が挙げられる。
環状脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、脂環型ジエポキシアセタール、脂環式ジエポキシアジペート等が挙げられる。
グリシジルエステル系樹脂としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル-p-オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジルアミン系樹脂としては、例えば、N,N-ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、例えば、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。ヒダントイン型エポキシ樹脂としては、例えば、ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダントイン等が挙げられる。
カルボキシル基又はスルホン基等を中和するための中和剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、アンモニア、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が挙げられる。これら中和剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中和剤としては、第三級アミンが好ましく、トリエチルアミン又はジメチルエタノールアミンがより好ましい。
[メラミン樹脂]
本実施形態の水系コーティング組成物は、上記水分散ブロックポリイソシアネート組成物及び上記主剤に加えて、さらに、公知のメラミン樹脂を含んでもよい。
メラミン樹脂としては、例えば、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られる、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂等が挙げられる。前記アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
また、この部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコールによって部分的に又は完全にエーテル化したものも使用することができる。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール等が挙げられる。
本実施形態の水系コーティング組成物は、上記ブロックポリイソシアネート組成物及び上記主剤に加えて、その目的及び用途に応じて、さらに、無機顔料、有機顔料、体質顔料、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機リン酸塩、有機亜リン酸塩、増粘剤、レベリング剤、チキソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、静電防止剤又は帯電調整剤、沈降防止剤等の一般的に塗料に加えられる各種添加剤を含むことができる。塗料への分散性を良くするために、さらに界面活性剤を添加してもよく、塗料の保存安定性を良くするために、さらに酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤を添加してもよい。
水系コーティング組成物の製造方法としては、主剤としてポリオールを用いる場合は、例えば、ポリオールに水分散ブロックイソシアネート組成物をそのまま混合及び分散させてもよく、一旦水分散ブロックイソシアネート組成物を溶剤(特に、水及び両親媒性溶媒)と混合させた後、ポリオールと混合させてもよい。
本実施形態の水系コーティング組成物は、例えば、建築用塗料、自動車用塗料、自動車補修用塗料、プラスチック用塗料、粘着剤、接着剤、家庭用水系塗料、その他コーティング剤、シーリング剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤に使用することができる。
本実施形態のコーティング基材は、基材と、上述の水系コーティング組成物によってコーティングされたコーティング膜と、を備える。当該コーティング膜は、外観(例えば、光沢等)、硬度及び密着性に優れる。
実施例及び比較例における、各種の物性及び評価は、以下のとおり測定及び評価した。
各合成例で得られたポリイソシアネートの収率は下記式から算出した。
収率(%) = 得られたポリイソシアネートの質量/仕込み原料の合計質量×100
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりである。
100r.p.m.(128mPa・s未満の場合)
50r.p.m.(128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20r.p.m.(256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10r.p.m.(640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m.(1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m.(2560mPa・s以上5120mPa・s未満の場合)
1.0r.p.m.(5120mPa・s以上10240mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m.(10240mPa・s以上20480mPa・s未満の場合)
三角フラスコにポリイソシアネート前駆体1~3gを精秤し(Wg)、その後トルエン20mLを添加し、ポリイソシアネートを溶解した。その後、2規定のジ-n-ブチルアミンのトルエン溶液10mLを添加し、混合後、15分間室温放置する。イソプロピルアルコール70mLを加え、混合した。この液を1規定塩酸溶液(ファクターF)で、指示薬に滴定した。この滴定値を(V2mL)とし、同様の操作をポリイソシアネートなしで行い、この滴定値を(V1mL)とし、下記式からポリイソシアネートのイソシアネート基含有量を算出した。
ポリイソシアネートを試料として、ポリイソシアネートの数平均分子量を、下記の測定条件を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によって、ポリスチレン基準の数平均分子量として求めた。
装置:HLC-802A(東ソー社製)
カラム:G1000HXL×1本(東ソー社製)
G2000HXL×1本(東ソー社製)
G3000HXL×1本(東ソー社製)
キャリアー:テトラハイドロフラン
流速:0.6mL/分
試料濃度:1.0質量%
注入量:20μL
温度:40℃
検出方法:示差屈折計
ポリイソシアネート組成物を試料として、溶剤希釈をした場合には、アルミニウム製カップの質量を精秤し、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量を精秤した。上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した。試料中の乾燥残分の質量%を不揮発分として、下記式から不揮発分を算出した。なお、溶剤希釈なしの場合には、不揮発分は実質的に100%であるとして扱った。
ポリイソシアネートを試料として、下記式により、イソシアネート平均官能基数を求めた。
ポリイソシアネート又は水分散ブロックポリイソシアネート組成物を試料として、Bruker社製FT-NMR AVANCE600を用いて、重クロロホルムCDCl3を溶媒に、濃度5質量%、600MHz、積算回数256回で、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し、イソシアヌレート基及びウレタン基の官能基数のモル比を確認した。HDI由来のβ位、γ位の全プロトンを基準として、各官能基について以下のシグナルの面積比を測定した。
アロファネート基:8.50ppm付近のアロファネート基の窒素に結合した水素原子のシグナルの面積比
ウレタン基:4.90ppm付近のウレタン基の窒素に結合した水素原子のシグナルの面積比
ポリカーボネートジオールを試料として、ポリカーボネートジオールの数平均分子量を、下記式から算出した。なお、ポリカーボネートジオールの水酸基価は、後述する「物性9」に記載の方法を用いて測定した。
ポリカーボネートジオールを試料として、ポリカーボネートジオールの水酸基価は、JIS K 0070:1992に従い、求めた。具体的には、無水酢酸12.5gをピリジン50mLでメスアップしアセチル化試薬を調製した。次に、100mLナスフラスコに、合成例で製造したポリカーボネートジオールを2.5~5.0g精秤した。ナスフラスコに、アセチル化試薬5mLとトルエン10mLをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1hr撹拌加熱した。蒸留水2.5mLをホールピペットで添加し、さらに10min加熱撹拌した。2~3分冷却後、エタノールを12.5mL添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2~3滴入れた後に、0.5mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。
ポリカーボネートジオールを試料として、ポリカーボネートジオールの共重合組成を、以下のように測定した。100mLのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1hr反応した。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2~3滴添加し、塩酸で中和した。冷蔵庫で1hr冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析は、カラムとしてDB-WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC-14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
実施例1~15及び比較例1~7で得られた水分散ブロックポリイソシアネート組成物を評価するために、水系コーティング組成物を作製した。
具体的には、実施例及び比較例で得られた各水分散ブロックポリイソシアネート組成物に対し、Setaqua6510(Allnex社製商品名、アクリルポリオール、固形分42%、水酸基4.2質量%)を、官能基比率(NCO/OH)=1.00となるように配合した。さらに、この混合物に、固形分が42%になるように脱イオン水を加え、ディスパー羽を使用し、500rpmで5分間撹拌し、水系コーティング組成物を作製した。
水系コーティング組成物を、ナノトラックUPA-EX150(日機装社製)により粒径の測定を行い、相溶性を以下の評価基準に従い、評価した。
A:粒径が100nm以下
B:粒径が100nm超150nm以下
C:粒径が150nm超
水系コーティング組成物を、50℃で2週間保管し、貯蔵安定性を評価した。評価基準は、以下のとおりとした。なお、水系コーティング組成物に沈殿などが発生した場合は、「評価不可」とした。また、硬化剤は溶剤(両親媒性溶媒)により希釈しているため、今回の評価は溶剤含有時の貯蔵安定性の評価となる。
A:沈殿物が発生しなかった。
B:沈殿物が発生した。
C:分層が発生した。
水系コーティング組成物を、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させた。鉛筆硬度試験をJIS-K-5600-5-4に準じて行った。評価基準は、以下のとおりとした。
A:H以上
B:B以上H以下
C:B以下
水系コーティング組成物を、ガラス板上に、厚さ50μmになるようにアプリケーター塗装し、室温下で15分間セッティングした後、160℃で、30分間焼き付けて硬化塗膜を得た。
定められた角度(60°)で、スガ社製の商品名「SUGA UGV-6P」を使用して光沢を測定した。評価基準は、以下のとおりとした。
A:90以上
B:80以上90未満
C:80未満
水系コーティング組成物を、軟鋼板に、厚さ50μmになるようにアプリケーター塗装し、室温下で15分間静置した後、160℃で、30分間焼き付けて硬化塗膜を得た。密着性試験をJIS K5600-5-6に準じて行った。評価基準は、以下のとおりとした。
A:100マス中90マス以上残っていた。
B:100マス中90マス未満残っていた。
[合成例1]ポリイソシアネートA-1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、2-エチルヘキサノール:3.2gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が40%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-1を得た。得られたポリイソシアネートA-1の25℃における粘度は2700mPa・s、イソシアネート基濃度は21.7%、数平均分子量は670、平均イソシアネート官能基数は3.5であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、2-エチルヘキサノール:10.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が42%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-2を得た。得られたポリイソシアネートA-2の25℃における粘度は2300mPa・s、イソシアネート基濃度は21.5%、数平均分子量は665、平均イソシアネート官能基数は3.4であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、2-エチルヘキサノール:30.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が34%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-3を得た。得られたポリイソシアネートA-3の25℃における粘度は1500mPa・s、イソシアネート基濃度は20.7%、数平均分子量は590、平均イソシアネート官能基数は2.9であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、2-エチルヘキサノール:40.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が31%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-4を得た。得られたポリイソシアネートA-4の25℃における粘度は1100mPa・s、イソシアネート基濃度は20.1%、数平均分子量は560、平均イソシアネート官能基数は2.7であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、1,3-ブタンジオール:10.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が42%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-5を得た。得られたポリイソシアネートA-5の25℃における粘度は3150mPa・s、イソシアネート基濃度は21.0%、数平均分子量は744、平均イソシアネート官能基数は3.7であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:920g、IPDI:80g、2-エチルヘキサノール:10.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が40%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDI、IPDIを除去し、ポリイソシアネートA-6を得た。得られたポリイソシアネートA-6の25℃における粘度は2900mPa・s、イソシアネート基濃度は21.5%、数平均分子量は680、平均イソシアネート官能基数は3.5であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が41%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-7を得た。得られたポリイソシアネートA-7の25℃における粘度は2650mPa・s、イソシアネート基濃度は21.7%、数平均分子量は672、平均イソシアネート官能基数は3.5であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、2-エチルヘキサノール:40.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が29%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA-8を得た。得られたポリイソシアネートA-8の25℃における粘度は850mPa・s、イソシアネート基濃度は20.2%、数平均分子量は540、平均イソシアネート官能基数は2.6であった。
攪拌機、温度計、頭頂に還流ヘッドを有する真空ジャケット付きオルダーショウを備えた2Lセパラブルフラスコに、1,5-ペンタンジオール382g、1,6-ヘキサンジオール433g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解した後、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、真空度1.0~1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウを単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140~150℃、真空度を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、ジオールとエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160~165℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに1.5時間反応した。この反応により、常温で粘稠な液体のポリカーボネートジオールB-1が得られた。得られたポリカーボネートジオールB-1の水酸基価は224.4(分子量500)、共重合組成は1,5-ペンタンンジオール/1,6-ヘキサンジオール=50/50(モル比)であった。
合成例9において、オルダーショウを単蒸留装置に取り替えた後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温を160~165℃にして、生成するジオールを除去する時間を2.3時間にしたこと以外は、合成例9と同様の方法でポリカーボネートジオールB-2を合成した。得られたポリカーボネートジオールB-2の水酸基価は56.1(分子量1000)、共重合組成は1,5-ペンタンンジオール/1,6-ヘキサンジオール=50/50(モル比)であった。
[実施例1]水分散ブロックポリイソシアネート組成物の製造
合成例1と同様の反応器に、合成例1で得られたポリイソシアネートA-1:100.0g、合成例9で得られたポリカーボネートジオールB-1:12.9g、親水性化合物であるポリエチレンオキサイド(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG-081」、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:15.0):35.7gを、窒素雰囲気下、110℃で3時間保持した。その後、窒素雰囲気下、80℃で撹拌した。ブロック剤として3,5-ジメチルピラゾール40.6gを添加し、撹拌した。赤外スペクトルでイソシアネート基の特性吸収がなくなったことを確認し、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル80.3gを添加し、さらに30分間撹拌した。これにより、水分散ブロックポリイソシアネート組成物を得た。得られた水分散ブロックポリイソシアネート組成物の固形分は69.8%であった。さらに、水分散ブロックポリイソシアネート組成物を用いて、水系コーティング組成物を作製し、上記の方法に従って、評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2及び3に記載のポリイソシアネート、ポリカーボネートジオール、ポリエチレンオキサイド、ブロック剤及び溶剤を用いた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行い、各水分散ブロックポリイソシアネート組成物を得た。得られた水分散ブロックポリイソシアネート組成物を用いて、水系コーティング組成物を作製し、上記の方法に従って、評価を行った。評価結果を表2及び3に示す。
なお、表2及び3中に示す記号は、以下のとおりである。
C-1:日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG-081」、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数15.0
C-2:日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG-130」、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数9.0
D-1:3,5-ジメチルピラゾール
D-2:メチルエチルケトオキシム
実施例2、8及び11の水分散ブロックポリイソシアネート組成物において、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、6.3質量%超である実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、溶剤含有時の貯蔵安定性及び塗膜としたときの密着性が特に優れていた。
実施例1~6の水分散ブロックポリイソシアネート組成物において、HDI又はIPDI及び2-エチルヘキサノールから誘導されたポリイソシアネートA-1~A-3及びA-6を含み、アロファネート基/アロファネート基+イソシアヌレート基のモル比が4/100~30/100である実施例1~3及び6の水分散ブロックポリイソシアネートは、塗膜としたときの硬度が特に優れていた。
実施例2、8及び12の水分散ブロックポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、50.4質量%超である実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、塗膜としたときの硬度が特に優れていた。
実施例2、7、11及び13の水分散ブロックポリイソシアネート組成物において、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、6.8質量%であり、且つ、ポリエチレンオキサイドから誘導される構成単位が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、18.7質量%である実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、塗膜としたときの光沢が特に優れていた。
アロファネート基/アロファネート基+イソシアヌレート基のモル比が45/100である比較例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、アロファネート基/アロファネート基+イソシアヌレート基のモル比が4/100~40/100である実施例1~6の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と比較して、塗膜としたときの硬度が劣っていた。
親水性化合物であるポリエチレンオキサイドから誘導される構成単位を有しない比較例3の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、ポリエチレンオキサイドから誘導される構成単位を有する実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と比較して、相溶性、溶剤含有時の貯蔵安定性、並びに、塗膜としたときの光沢及び密着性が劣っていた。
ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%未満である比較例4の水分散ブロックポリイソシアネート組成物、又は、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位を有しない比較例5の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%以上であり、且つ、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位を有する実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と比較して、溶剤含有時の貯蔵安定性、並びに、塗膜としたときの硬度、光沢及び密着性が劣っていた。
ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、15質量%超である比較例6の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、15質量%以下である実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と比較して、溶剤含有時の貯蔵安定性及び塗膜としたときの硬度が劣っていた。
ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%未満であり、且つ、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、15質量%超である比較例7の水分散ブロックポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%以上であり、且つ、ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、15質量%以下である実施例2の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と比較して、溶剤含有時の貯蔵安定性、並びに、塗膜としたときの硬度及び密着性が劣っていた。
Claims (11)
- ポリイソシアネートと熱解離性ブロック剤とから得られるブロックポリイソシアネートを含み、以下の1)~4)に示す条件を満たす、水分散ブロックポリイソシアネート組成物。
1)脂肪族ジイソシアネートモノマー及び脂環族ジイソシアネートモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートモノマーから誘導され、且つ、アロファネート基及びイソシアヌレート基を含むポリイソシアネートから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、46質量%以上60質量%以下である;
2)アロファネート基/(アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比が、2/100以上40/100以下である;
3)ポリカーボネートジオールから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、2質量%以上15質量%以下である;
4)前記ブロックポリイソシアネートは、親水性化合物から誘導される構成単位を含む - 前記脂肪族ジイソシアネートモノマーがヘキサメチレンジイソシアネートである、請求項1に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物。
- 前記親水性化合物がポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルであり、
前記ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルから誘導される構成単位の割合が、前記ブロックポリイソシアネートの総質量に対して、5質量%以上26質量%以下である、請求項1又は2に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物。 - 前記ポリイソシアネートがウレタン基を更に含み、
(ウレタン基)/(ウレタン基+アロファネート基+イソシアヌレート基)のモル比が、10/100以上25/100以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物。 - 前記熱解離性ブロック剤が、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物、活性メチレン系化合物、アミン系化合物及び酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物。
- 前記熱解離性ブロック剤がピラゾール系化合物又はオキシム系化合物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物。
- 前記アロファネート基は、アルコールの水酸基と前記ジイソシアネートモノマーのイソシアネート基とを反応させてなる官能基である、請求項1~7のいずれか一項に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と溶剤とを含む、水分散体。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の水分散ブロックポリイソシアネート組成物と少なくとも一種の主剤とを含む、水系コーティング組成物。
- 基材と、請求項10に記載の水系コーティング組成物によってコーティングされたコーティング膜と、を備える、コーティング基材。
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