JP3988480B2 - 排水処理装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、各種有機物、アンモニア、ヒドラジン、第一鉄イオン等の被酸化性物質を含む排水を電解処理するのに適した装置と、この装置を用いて当該排水を処理する方法とに関し、特に、当該排水の化学的酸素要求量(COD)や全有機炭素(TOC)、あるいは全窒素濃度を、長期間安定して、しかも低いランニングコストとメンテナンスコストで、低減することができる処理装置及び方法に関する。
【0002】
【技術背景】
従来から、排水中に含まれる各種有機物、アンモニア、ヒドラジン、第一鉄イオン等の被酸化性物質を酸化分解処理する方法の1つとして、電解処理する方法が有効であることが知られている。
【0003】
一方、この電解処理に用いられる電極材料として、種々の導電性金属材料が挙げられ、その適用性が検討されている。
その1つに白金系の電極材料があり、その有効性も知られている。
【0004】
しかし、白金系電極の場合、実装置での使用に際しては、耐久性が低く、白金系電極材料が有している優れた性能を長期間に渡って維持させることは困難であり、頻繁な電極の取り替えが必要で、この取り替えに要する費用が嵩む問題があった。
【0005】
そこで、本発明者らは、この白金系電極材料の性能維持を改善するために、先に、白金層の外表面に酸化イリジウム層を形成させた電極を用いて、被酸化性物質を電解処理する技術を提案している(例えば、特開平10−174976号公報等参照)。
この電極によれば、長期間に渡って、初期の性能を安定維持することができ、電極の頻繁な取り替えを要することなく、被酸化性物質含有排水の処理を、実施することができる。
【0006】
この電極は、陰・陽両極に用いるか、あるいは陽極に用い、陰極にはSUS316L等のステンレス鋼製の電極を用いる等して実用されている(例えば、火力原子力発電51(12),1711(2000)参照)。
【0007】
ところで、このような態様で上記排水を電解処理する場合、処理対象排水が、塩化物イオンを高濃度で含む場合や、カルシウムイオンや鉄イオン等のスケール生成要因となる無機イオンを含む場合は、長期間の使用において、陰極材料が腐食したり、陰極材料表面に炭酸カルシウムや酸化鉄等のスケールが付着生成し、性能低下の原因になる問題があった。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、以上のような問題を解決し、長期間に渡って、初期と同等の電極材料性能を安定して維持することができる被酸化性物質を含む排水の電解処理装置と、この装置を用いて処理する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
本発明の処理装置は、上記目的を達成するために、被酸化性物質と電解質物質を含む排水を電解処理する装置であって、陰極に導電性ダイヤモンド電極を、陽極に白金系電極をそれぞれ使用し、かつ〔導電性ダイヤモンド電極の接液面積〕≦〔白金系電極の接液面積〕の関係を満たすように設置してなることを特徴とする。
このとき、〔導電性ダイヤモンド電極の接液面積〕/〔白金系電極の接液面積〕=1〜0.05であることが好ましく、また導電性ダイヤモンド電極は複数個に分割されていてもよく、しかも排水流路を導電性ダイヤモンド電極表面及び白金系電極表面と平行にすることが好ましい。
また、本発明の処理装置は、本発明の処理装置を用いて、被酸化性物質と電解質物質を含む排水を電気分解処理することを特徴とする。
このとき、導電性ダイヤモンド電極の電流密度を10〜100,000A/m2とし、排水の通液線速度を10〜1,000m/hrとすることが好ましい。
【0010】
本発明においで、陰極として用いる導電性ダイヤモンド電極は、Ni,Ta,Ti,Mo,W,Zr等の導電性金属材料を基板とし、これら基板の表面に導電性ダイヤモンド薄膜を析出させたものや、シリコンウエハ等の半導体材料を基板とし、このウエハ表面に導電性ダイヤモンド薄膜を合成させたもの、あるいは基板を用いない条件で板状に析出合成した導電性多結晶ダイヤモンド素材を挙げることができる。
なお、導電性(多結晶)ダイヤモンド薄膜は、ダイヤモンド薄膜の調製の際にボロン又は窒素の所定量をドープして導電性を付与したものであり、ボロンをドープしたものが一般的である。
これらのドープ量は、少なすぎればドープする技術的意義が発現せず、多すぎてもドープ効果は飽和するため、ダイヤモンド薄膜素材の炭素量に対し50〜10,000ppmの範囲内のものが適している。
【0011】
本発明において、導電性ダイヤモンド電極は、一般には板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたもの等をも使用することができる。
【0012】
一方、本発明において、陽極として用いる白金系電極は、前記した本発明者らによる先提案の白金系電極等がそのまま使用できる。
例えば、Ti,Fe,Cu,Ni,Ta,Mo,W,Zr,Fe等の金属、あるいはこれらの合金等の導電性金属(合金)材料を基板とし、これら基板の表面に白金層を形成させた電極、あるいはこの白金層上に酸化イリジウム層を形成させた電極が使用でき、好ましくは白金層上に更に酸化イリジウム層を形成させた電極である。
この白金系電極も、上記の導電性ダイヤモンド電極と同様に、一般には板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたもの等をも使用することができる。
【0013】
上記の陰極としての導電性ダイヤモンド電極と、陽極としての白金系電極は、導電性ダイヤモンド電極の接液面積(電極が排水と接触する面積)A(cm2)が、白金系電極の接液面積B(cm2)と同等若しくは小さくなるように、すなわちA≦Bの関係を満たすように、電解反応槽に設置して使用する。
導電性ダイヤモンド電極は、白金系電極に比して、高い電流密度で使用することができるため、その接液面積を、白金系電極のそれと同等若しくは小さくすることで、合理的に対応することができる。
この導電性ダイヤモンド電極の接液面積A(cm2)と、白金系電極の接液面積B(cm2)は、A/B=1〜0.05とすることが適している。
A/B>1であると、高い電流密度で使用できる導電性ダイヤモンド電極を陰極とする技術的意義が生じず、0.05未満では、導電性ダイヤモンド電極の接液面積が小さくなりすぎて、高効率での電気分解反応を実現することが困難となる。
【0014】
本発明において、陰極として使用する導電性ダイヤモンド電極は、化学的安定性に優れ、通常の酸やアルカリによって浸食される懸念はない。
また、その結晶は、極めて緻密で安定した構造となっているため、高い電流密度で通電しても、変質したり、消耗する等の虞れもない。
更に、ダイヤモンドの均一結晶構造に由来して、炭酸カルシウム等の他の結晶粒子が析出する現象を抑制することができる。
従って、導電性ダイヤモンド電極からなる陰極は、腐食や、陰極表面へのスケールの付着がなく、長期間に渡って安定した処理性能を維持することができ、電極の取り替えや、電極表面洗浄等が不要になる。
そして、陽極として使用する白金系電極の酸化触媒としての優れた機能をも、有効に活用することができるため、本発明の装置によれば、長期間に渡って、安定した排水処理を実施することができる。
【0015】
このような導電性ダイヤモンド電極と白金系電極を、上記の態様で設置した本発明の装置において、排水流路は、導電性ダイヤモンド電極面と白金系電極面に対して平行になるようにする。これにより、排水と陰・陽両電極表面との接触効率を高めることができ、本発明の装置内に、被酸化性物質の電解反応で炭酸ガス等のガス成分が発生していても、このガスによる排水と陰・陽両電極表面との接触阻害を緩和することができる。
【0016】
図1は、本発明の装置の一実施態様例を示す説明図であって、同図(A)は斜視図、同図(B)は断面模式図である。
同図(A),(B)において、1は、本発明の装置(電解反応槽)本体で、本例では直方体をなす反応槽を用いている。
この装置本体1の相対する両側壁面に、陰極としての導電性ダイヤモンド電極2と、陽極としての白金系電極3をそれぞれ設置している。
なお、同図(A),(B)では、陰極2を、装置1の一方の側壁面に陰極設置用の彫り込みを設け、当該彫り込み内に設置し、陽極3をこの側壁面に相対する側壁表面に密着設置しているが、これに限定されず、陰・陽両極2,3共に、装置1の相対する両側壁面に電極設置用の彫り込みを設け、当該彫り込み内に設置してもよいし、また陰・陽両極2,3共に、相対する両側壁表面に密着設置してもよい。
この導電性ダイヤモンド電極2の接液面積A(cm2)は、白金系電極3の接液面積B(cm2)と、同等若しくは小さく(A≦B)、しかもA/B=1〜0.05の関係を満たしている。
【0017】
このような陰・陽両電極2,3を備えた装置1の下部に排水導入管4、上部に処理水導出管5を備えており、導入管4から装置1内に導入される排水は、図1(B)の矢印で示すような流路で、下部から上部に流れ、この間に陰・陽両電極2,3の表面と平行に接触して電気分解処理される。
このように排水は、陰・陽両極2,3間で電気分解処理されつつ、装置1内を上昇し、処理水導出管5から、オーバーフローして次工程に移送される。
【0018】
図2は、本発明の装置の他の実施態様例を示す説明図であって、同図(A)は斜視図、同図(B)は断面模式図である。
同図(A),(B)において、図1(A),(B)と同一符号は、図1(A),(B)と同一機能部を示している。
本例では、陰極の導電性ダイヤモンド電極2を、図示するように、複数個(本例では、5個)、装置1の一方の側壁面に縦方向に直列に設置しており、これら複数個の合計の接液面積A(cm2)が、陽極の白金系電極3の接液面積B(cm2)との関係で、上記のA≦B、A/B=1〜0.05を満たせばよい。
【0019】
なお、図2(A),(B)では、導電性ダイヤモンド電極2の複数個を側壁面の縦方向に直列に設置する場合を示しているが、この縦方向に加えて、更に同じ側壁面に横方向に複数個(例えば、2個)並列に設置することもでき、この場合も、これら複数個の合計の接液面積A(cm2)と、陽極の接液面積B(cm2)とで、A≦B、A/B=1〜0.05を満たせばよい。
【0020】
勿論、図示は省略するが、陽極の白金系電極3も、図2(A),(B)のような態様で、複数個を設置することもできる。
【0021】
このように、陰・陽両極2,3を複数個設置する態様を採ることにより、大面積の電極を作製する場合のコストより低コストで済むことに加え、電極を個々に取り替えることができるため、排水処理を長期間実施した後に、万一スケール等が付着している電極があれば、その電極のみを取り替えればよく、電極の取り替え作業も容易となり、かつ取り替えに要する時間や費用をも大幅に低減することができる。
【0022】
以上の本発明の装置を用いて行う本発明の方法における処理対象排水は、被酸化性物質と電解質物質を含み、各種の工場から排出される産業排水はもとより、生活排水、その他の排水であってよい。
排水中の被酸化性物質は、各種の有機物、あるいはアンモニア、ヒドラジン、第一鉄イオン等が挙げられ、本発明では、これら有機物、アンモニア、ヒドラジン、第一鉄イオン等のうちの少なくとも1つを含む排水に適用して好ましい効果を得ることができる。排水中のこれら被酸化性物質の濃度は、特に制限されず、被酸化性物質を種々の濃度で含む排水に好ましく適用することができる。
【0023】
一方、電解質物質は、どのようなものであってもよいが、一般には無機化合物であって、例えば、KCl、KClO、NaCl、NaClO、H2SO4、Na2SO4等が挙げられ、特に塩化物が好ましい。これらは単独であってもよいし、適宜の組み合わせによる2種以上であってもよい。
排水中のこれら電解質物質の濃度は、特に制限せず、従来の電解処理に必要な50〜50,000mg/リットル(以下、リットルを「L」、ミリリットルを「mL」と記す)程度であってもよいし、従来の電解処理では効率が極めて悪くなる6,000mg/L未満であっても効率よく処理することができる。
すなわち、電気分解処理の際に電流効率を高める作用をなす電解質物質は、陰・陽両極に酸化イリジウム表面担持の白金系電極を用いる従来の方法では、6,000mg/L以上の濃度を必要としていたのに対し、電流効率の改善効果を得ることができる導電性ダイヤモンド電極を陰極に用いる本発明では、6,000mg/L未満の低濃度領域でも、十分な処理効果を得ることができる。
但し、陰極に導電性ダイヤモンド電極を用い、陽極に白金系電極を用いる本発明においても、電解質物質の濃度があまり低すぎると、排水中の被酸化性物質を電気分解処理するのに十分な電流効率を得ることができない場合もあるため、本発明における好ましい電解質物質の濃度は、上記排水に対して500〜6,000mg/L程度である。
【0024】
上記の電解質物質は、排水中に含まれている場合もあり、この含有電解質物質のみで上記の電解質物質濃度を確保できる場合は、別途電解質物質を投入する必要はない。
含有電解質物質のみで上記の電解質物質濃度を確保できない場合は、本発明の処理に先立って、上記の電解質物質を確保できる量の電解質物質を投入する。
【0025】
本発明の装置を使用する本発明の方法は、導電性ダイヤモンド電極2の表面の電流密度を10〜100,000A/m2とし、導入管4からの排水を、通液線速度(LV)10〜1,000m/hrで、装置1内を通液して、陰・陽両電極2,3表面と接触させて行うことが好ましい。
【0026】
電流密度が上記未満であると、陰極に電流効率の良い導電性ダイヤモンド電極を使用しても、排水中の被酸化性物質の十分な電気分解処理を行うための必要電極面積を大きくする必要が生じ、本発明の装置を大容量にしなければならず、装置コストが膨大となる。
逆に、上記を超えると、極間抵抗が増大し、熱エネルギーに消費されてしまうため、不経済となる。
【0027】
また、排水の通液速度を線速度(LV)で10〜1,000m/hrとするのは、これより速すぎると、排水と電極表面との接触時間を十分に取ることができず、被酸化性物質の電気分解を十分に進行させることができなくなり、これより遅すぎても、この効果は飽和してしまい、排水の処理効率が却って低下してしま。
【0028】
なお、電解反応槽内の温度は、特に限定しないが、低温すぎると、排水の電気分解が良好に進行せず、逆に高温すぎると、排水と電極表面との接触を阻害するガス成分の生成が多くなるため、本発明では、10〜95℃程度とすることが望ましい。
【0029】
【実施例】
実施例1
図2(A),(B)に示す態様の装置を、図3に示すフローで設定した。
装置1は、アクリル製で、電極設置部の内寸が幅0.6cm×奥行き4cm×高さ25cmの直方体であって、下部に排水導入管4、上部に処理水導出管5を設けた。
なお、図3に示すように、装置1と隣接させて排水貯槽6(2L容量)を設置し、排水導入管4の端部を排水貯槽6の下部に開口させ、処理水導出管5の端部を排水貯槽6の上部に開口させた。
また、この排水貯槽6にはスターラー7を設け、スターラー7とポンプ8を起動させて、排水貯槽6と装置1とを排水が連続循環するようにした。
【0030】
このアクリル製装置1の一方の側壁面に、陽極として、幅4cm×高さ25cm×厚さ3mmのチタン板表面に厚さ1.8μmの白金層を形成し、この上に厚さ0.2μmの酸化イリジウム層を形成した白金系電極3を設置した。なお、この設置態様は、側壁表面への密着設置とした。
【0031】
また、反対の側壁面に、陰極として、ボロンドープ法を用いて気相析出合成した積層状多結晶ダイヤモンド電極板(2cm×2cm×0.05cm)5枚を、各電極2,2,・・・の中央部が装置1内の底面からそれぞれ25,75,125,175,225mmとなるように側壁面に設けた深さ0.05cm×幅2cm×高さ2cmの彫り込み内に設置した。
これら5枚の電極2,2,・・・は、図2(A)に示すように、互いに導線で接続して電源装置に接続した。
【0032】
上記の排水貯槽に、モノエタノールアミン(NH2C2H4OH)2,000mg/LとFeイオン10mg/Lを含むpH10.5の合成排水(COD濃度960mg/L、全窒素濃度《T−N》160mg/L)を2L貯留し、電解処理に供した。
【0033】
陽極の電流密度が1,000A/m2(陰極の電流密度は5,000A/m2)となるように、投入電気量を設定した。
【0034】
図3に示すように、スターラー7を起動させて排水貯槽6内の合成排水を、ポンプ8により導入管4から、110mL/minの流速で装置1内に通液させ、導出管5からオーバーフローした排水を再び排水貯槽6に戻し、連続循環させて電気分解処理する操作を行った。
この連続循環操作を2時間行った後、装置1出口水(排出管5内の水)を分析した。
この結果は、COD:5mg/L以下(実測値:3.2mg/L)、T−N:27mg/Lであった。
【0035】
2時間後に処理を停止し、その状態で20時間静置後、陽極に用いた白金系電極2,2,・・・と陰極に用いた導電性ダイヤモンド電極3の表面を目視観察した結果、どの電極にも異常は認められなかった。
【0036】
排水貯槽6の処理済水を全量(2L)、上記と同じ組成の合成排水に入れ替え、上記と同じ操作による電気分解処理を行い、これを3回繰り返した。
この3回繰り返した後の結果(処理済水の水質及び、陰・陽両電極表面状態)は、上記の1回目の結果と同じであった。
【0037】
比較例1
実施例1のアクリル製の装置1を幅9mmのものとし、陰極を幅4cm×高さ25cm×厚さ3mmのSUS316Lとした以外は、実施例1と同様にして合成排水の電気分解処理を行った。
この結果、1回目の処理では、装置1出口水(排出管5内の水)はCOD:19.2mg/L、T−N:64mg/Lであり、20時間静置後の陰極(SUS316L)表面は、鉄酸化物の付着と、局部的な腐食が認められた。
【0038】
また、実施例1と同様に、排水貯槽の処理済水を全量(2L)、上記と同じ組成の合成排水に入れ替え、上記と同じ操作による電気分解処理を行い、これを3回繰り返した後の結果、処理済水の水質は1回目より悪質となり、陰極の表面状態)は鉄酸化物の付着量が増加し、かつ局部腐食も進行していることが観察された。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、排水中の無機化合物に起因するスケールが電極に付着することはなく、電極の性能を長期間に渡って良好に維持することができるばかりでなく、電極材料の腐食の問題も解消することができる。
このため、本発明では、長期に渡って、電極の取り替えや、電極表面の洗浄を不要とし、排水処理のランニングコストはもとより、処理装置のメンテナンスコストをも低く抑えることができる。
従って、本発明では、被酸化性物質を含む排水を、長期間安定して、しかも低コストで電解処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の一実施態様例を説明するための図で、(A)が斜視図、(B)が断面模式図である。
【図2】本発明に係る処理装置の他の実施態様例を説明するための図で、(A)が斜視図、(B)が断面模式図である。
【図3】本発明の実施例で使用した処理装置のフローを説明するための図である。
【符号の説明】
1 装置本体
2,3 電極
4 排水導入管
5 処理水導出管
6 第2の電解反応槽
7 処理水貯槽
8 ポンプ
11 導電性ダイヤモンド電極
Claims (8)
- 被酸化性物質と電解質物質を含む排水を電解処理する装置であって、
陰極に導電性ダイヤモンド電極を、陽極に白金系電極を使用し、かつ
導電性ダイヤモンド電極の接液面積≦白金系電極の接液面積
の関係を満たすように設置してなることを特徴とする排水処理装置。 - 導電性ダイヤモンド電極の接液面積/白金系電極の接液面積=1〜0.05であることを特徴とする請求項1に記載の排水処理装置。
- 少なくとも導電性ダイヤモンド電極が、複数個に分割されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理装置。
- 排水流路を、導電性ダイヤモンド電極表面及び白金系電極表面と平行にしてなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の排水処理装置。
- 白金系電極が、導電性基材表面に酸化イリジウム層を形成したものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の排水処理装置。
- 請求項1〜5の何れかに記載の排水処理装置を用いて、被酸化性物質と電解質物質を含む排水を、電気分解処理することを特徴とする排水処理方法。
- 電気分解処理は、導電性ダイヤモンド電極の電流密度を10〜100,000A/m2とし、排水の通液線速度を10〜1,000m/hrとすることを特徴とする請求項6に記載の排水処理方法。
- 電解質物質が、塩化物イオンであることを特徴とする請求項6又は7に記載の排水処理方法。
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