JP3984351B2 - ウェットティッシュの包装袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェットティッシュの包装袋に関し、更に詳しくは、ロール状のウェットティッシュを好適に密封包装でき、使用時には、使い勝手がよく、また、使用後の廃棄適性にも優れたウェットティッシュの包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、折り重ね形式のウェットティッシュの包装には、プラスチック成形容器のほか、内袋とカートンを組み合わせたものなどが用いられている。しかし、ロール状のウェットティッシュの包装には、殆どの場合、ブロー成形による容器本体と射出成形によるスリット状などの取り出し口付き内蓋および外蓋を組み合わせたプラスチック成形容器が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプラスチック成形容器は、剛性があり、使い勝手がよい利点を有するものの、プラスチックの使用量が多く、使用後、廃棄する際には嵩張り、また、焼却を必要とするなど環境問題に対しては好ましくない面があり、コスト面でも高価になる欠点があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、生産性および使い勝手がよく、プラスチックの使用量も少なく、使用後、廃棄する際には、嵩張らず、焼却処理などによる環境面に対する影響も少なく、且つ、コスト面でも安価なウェットティッシュの包装袋を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、プラスチックを主とする積層フィルムを袋状にヒートシールしてなるウェットティッシュの包装袋であって、該包装袋の上部ヒートシール部の下の内面にジッパー形式のファスナーが取り付けられ、更に、その下の内面に、該包装袋の内部に収納されるウェットティッシュの先頭部を保持し、使用単位長さに切り取り易くするためのプラスチックシートの打ち抜き体による保持板が取り付けられ、該保持板は、切り欠きにより形成された先細り形状のティッシュ導入部とその先に繋がる円形のティッシュ保持部とを有する保持片と、その一端に、該保持片の角度を調節するための型押し線を介して連設された接着部とで構成され、該保持板の包装袋への取り付けは、前記接着部を包装袋の内面に熱接着する方法で行われていることを特徴とするウェットティッシュの包装袋からなる。
【0006】
上記本発明において、ジッパー形式のファスナーは、互いに嵌合可能な凸条が設けられたテープ体と、凹条が設けられたテープ体との組み合わせで構成され、袋の開口部の内面に、両者をその凸条と凹条とが対向するように配置し、そのテープ体部で袋に熱接着して取り付け、凸条と凹条との嵌合または解離により、袋の開閉を容易に、且つ繰り返し行えるようにするものである。
【0007】
前記のような構成を採ることにより、包装袋に収納されたウェットティッシュを使用する際には、先ず、包装袋の上部ヒートシール部を切り取り、ジッパー形式のファスナーの嵌合を解離して上部を開口させる。
次いで、収納されているウェットティッシュの先頭部を摘んで、ジッパー形式のファスナーの下に取り付けられている保持板のティッシュ保持部を通して、引き出すことにより、ティッシュ保持部とウェットティッシュとの間に抵抗を生じるため、ウェットティッシュは使用単位長さで切断され、取り出される。
この時、残留するウェットティッシュは、その先頭部がティッシュ保持部で保持され、内部に沈み込むことがなく、次回の使用に備えることができる。次いで、ジッパー形式のファスナーを嵌合させることにより、開口部を閉じることができる。
【0008】
このようなウェットティッシュの包装袋は、プラスチック成形容器と比較して、プラスチックの使用量を少なくでき、しかも、使い勝手は良好に維持でき、且つ、使用後は嵩張らず、焼却、或いは埋め立てなど廃棄物としての処理も容易で環境に対する影響も少なく、経済性にも優れたウェットティッシュの包装袋が得られる。
【0009】
請求項2に記載した発明は、前記包装袋が、スタンディングパウチまたはガセットパウチ形式の包装袋であることを特徴とする請求項1記載のウェットティッシュの包装袋である。
【0010】
このような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用、効果に加えて、包装袋に自立性が付加されるため、包装袋を一層安定した状態で立てて置くことができ、外観が向上すると同時に、使い勝手も一層よくすることができる。
【0012】
前記保持板をプラスチックシートの打ち抜き体で形成することにより、保持板の製造を安価に且つ生産性よく行えると同時に、保持板に耐水性および剛性があるため、包装袋内でウェットティッシュと長期間接触しても、その剛性に変化がなく、ウェットティッシュの先頭部が確実に保持され、内部に沈み込むことがなく、また、使用単位長さに切り取る操作の容易さも良好に維持される。
【0013】
請求項3に記載した発明は、前記包装袋の上部ヒートシール部とジッパー形式のファスナーとの間に、易開封性手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェットティッシュの包装袋からなる。
【0014】
上記本発明において、易開封性手段は、通常のパウチでも多用されるノッチのほか、レーザー光照射などによるハーフカット線、或いは、機械的手段で設けられるパウチ端縁部の端縁線と略直角方向に向く細長くて小さな傷痕の群(例えば、特開昭61−142159に開示される)などであり、これらはそれぞれを単独で用いてもよく、また、ノッチとハーフカット線のように組み合わせて用いてもよい。
尚、前記ノッチは、通常、I字型やV字型のノッチが利用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。
【0015】
前記のような構成を採ることにより、前記請求項1または2に記載した発明の作用、効果に加えて、包装袋の上部ヒートシール部を切り取って開封する際、鋏などの道具を使うことなく、手だけで所望の位置で容易に上部ヒートシール部を切り取ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のウェットティッシュの包装袋の製造に用いる材料、および包装袋の製造方法など実施の形態について説明する。
先ず、本発明のウェットティッシュの包装袋の本体部分に用いるフィルムとしては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを用いるが、特に限定はされず、例えば、水分を含む内容物の包装袋用に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができる。
好ましく使用できる積層フィルムの代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
【0017】
(1) OPPフィルム/接着層/LDPE層(シーラント層)
(2) OPPフィルム/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(3) OPPフィルム/接着層/アルミニウム箔/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(4) OPPフィルム/接着層/EVOH層/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(5) PETフィルム/接着層/LDPE層(シーラント層)
(6) PETフィルム/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(7) PETフィルム/接着層/アルミニウム箔/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(8) PETフィルム(シリカ蒸着層)/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着層/EVOH層/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(10)ONフィルム/接着層/LDPE層(シーラント層)
(11)ONフィルム/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(12)ONフィルム/接着層/アルミニウム箔/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(13)ONフィルム(シリカ蒸着層)/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
(14)ONフィルム/接着層/EVOH層/接着層/L・LDPE層(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な構成(材料の組み合わせ)の積層フィルムを使用することができる。
【0018】
尚、上記において、OPPフィルムは2軸延伸ポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、LDPEは低密度ポリエチレン、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、EVOHはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を指すものである。
【0019】
また、LDPE層、L・LDPE層、EVOH層は、それぞれ予め製膜したフィルムを、接着剤を用いて公知のドライラミネーション法で貼り合わせて積層してもよく、また、それぞれの樹脂を、積層面にアンカーコート(一種のプライマーコート)などの前処理を施した後、押し出しコーティング法で積層してもよい。従って、前記積層フィルムの構成で接着層と表示した部分は、ドライラミネーション法で積層する場合は接着剤であり、押し出しコーティング法で積層する場合はアンカーコート剤となる。
【0020】
前記の積層フィルムの構成において、OPPフィルム、PETフィルム、ONフィルムは、基材フィルムとして包装袋に機械的強度や印刷適性を付与し、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOH層などは、特にガスバリヤー性を必要とする場合に積層するものである。
【0021】
また、前記積層フィルムの各構成において、OPPフィルム、PETフィルム、ONフィルムなどの基材フィルムとシーラント層との間には、例えば、基材フィルムの内側に隣接させて、更に一軸延伸ポリプロピレンフィルム、一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどの一軸延伸フィルムを積層することができる。
このような一軸延伸フィルムは、その延伸方向を包装袋の上部ヒートシール部の切り取り方向と一致するように用いることにより、この部分を引き裂いて開封する際、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。
【0022】
そして、シーラント層としては、LDPEと、L・LDPEの2種類の例を挙げたが、L・LDPEは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れている。
シーラント層には上記のほか、ポリプロピレン(無延伸)、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂などを使用することができる。
【0023】
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、ガセットパウチ、スタンディングパウチなどヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、該共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0024】
次に、本発明のウェットティッシュの包装袋の上部ヒートシール部の下の内面に取り付けるジッパー形式のファスナーは、チャックテープなどの名称でポリエチレンのほか各種ポリオレフィン系樹脂で作製されたテープ状のものが市販されている。従って、これらの中から適するものを選択し、製袋前、または製袋とインラインなど適時の段階で、所定の位置にヒートシールにより取り付けることができる。
【0025】
また、包装袋の内面の前記ジッパー形式のファスナーの下に取り付ける保持板は、ウェットティッシュを容易に取り出せるよう、その先頭部を保持し、且つ、引出されたウェットティッシュを使用単位長さにカットする際、押さえの機能を果たすものである。
従って、保持板は、耐水性と適度の剛性を有することが必要であり、特に限定するものではないが、プラスチック材料が適しており、プラスチックシートの打ち抜き体で形成することが生産性もよく、性能、経済性の点でも好ましい。
【0026】
保持板の包装袋への取り付けは、熱接着による方法が簡便であり、包装袋の取り付け面がシーラント層であることから、保持板は、シーラント層と熱接着可能な材質であることが好ましい。
例えば、シーラント層にポリエチレンを用いた場合は、保持板もポリエチレンで形成し、シーラント層にポリプロピレンを用いた場合は、保持板もポリプロピレンで形成することが好ましい。
只、保持板をプラスチックシートの打ち抜き体で形成する場合は、プラスチックシートを多層積層シートとすることもでき、その場合は、接合面の層のみにシーラント層と熱接着可能な材料を用いればよく、その他の層は、異なる材料でも適宜選定して使用することができる。
【0027】
また、保持板の形状は、特に限定するものではないが、例えば、図1の(a)、(b)に示すような形状を採ることができる。このような保持板の厚さは、その材質にもよるが、0.3〜2.0mmの範囲が適当である。
【0028】
次に、以上のような積層フィルム、および、ジッパー形式のファスナー、保持板を用いて製造する本発明のウェットティッシュの包装袋の製造方法について説明する。
本発明のウェットティッシュの包装袋は、先にも説明したように、その上部ヒートシール部の下の内面にジッパー形式のファスナーを取り付け、更に、その下の内面に前記保持板を取り付けたことを主な特徴とするものであり、包装袋本体の形態は、特に限定はされず、例えばピローパウチなどの平パウチのほか、スタンディングパウチ、ガセットパウチなど、いずれの形式も採ることができる。
只、包装袋の自立安定性を一層高め、外観、使い勝手をより良くするためには、スタンディングパウチまたはガセットパウチ形式を採ることが、より好ましい。
【0029】
従って、包装袋の製袋には、その本体部分の形態に応じて、それぞれ従来公知の製袋機を利用することができ、これにジッパー形式のファスナーの取り付け装置、保持板の取り付け装置、そして、易開封性手段の加工装置などを、インラインに組み込むか、或いは、別ラインで準備することにより、インラインまたはオフラインのいずれの方法によっても本発明のウェットティッシュの包装袋を容易に製造することができる。
また、このようにして製造される本発明のウェットティッシュの包装袋は、特に、ロール状のウェットティッシュに対して好適に使用できるものである。
【0030】
【実施例】
以下に、図面および試験例により本発明を更に具体的に説明する。
但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。
【0031】
図1の(a)、(b)は、それぞれ本発明のウェットティッシュの包装袋の上部内面のジッパー形式のファスナーの下に取り付ける保持板の形状を示す平面図である。
図2は、本発明のウェットティッシュの包装袋の一実施例の構成を説明する正面図である。
図3は、本発明のウェットティッシュの包装袋の別の一実施例の構成を説明する正面図である。
また、図4は、前記図2に示したウェットティッシュの包装袋に収納されたウェットティッシュを取り出す際の状態を示す縦断面図である。
【0032】
図1の(a)に示した保持板50は、図において上部に示される保持片1と、その下に延設される接着部2(斜め破線で示される領域)とからなり、保持片1の上部寄りの位置には、その側部から先細り形状の切り欠きによるティッシュ導入部3と、これに繋がる円形のティッシュ保持部4とが設けられており、更に、保持片1と接着部2との間には、ウェットティッシュを取り出す際、保持片1の角度を調節するための型押し線(押し罫)5が設けられた構成である。
そして、保持板50を、包装袋の上部内面のジッパー形式のファスナーの下に取り付ける際には、接着部2の部分で、包装袋の内面のシーラント層に熱接着して取り付けられる。
【0033】
図1の(b)に示した保持板60は、前記図1の(a)に示した保持板50の構成に対して、これを包装袋に取り付けた際、保持片1の固定性を一層安定にするために、接着部2の面積を両側に広げて大きくした構成である。
従って、接着部2以外の部分の構成は、前記図1の(a)に示した保持板50と同じ構成である。
【0034】
上記図1の(a)、(b)に示した保持板50、60において、ティッシュ保持部4の形状は、いずれも円形の例を示したが、これに限定するものではなく、例えば、その中心部に向かって多数のV字形などの突起を設けた形状であってもよい。
【0035】
図2に示したウェットティッシュの包装袋100は、包装袋の本体部分がスタンディングパウチ形式に製袋されている。即ち、底部は、フィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、内側に折り込まれたフィルムの両側下端近傍には半円状の切り欠き部が設けられると共に、底部が舟形の底部ヒートシール部6でヒートシールして形成される。また、胴部は、前後2面の壁面フィルムの両側端縁部を胴部ヒートシール部7でヒートシールして形成される。
【0036】
そして、開口する上部は、内容物の充填後に上部ヒートシール部8の部分をヒートシールして密封されるが、この上部ヒートシール部8の下の包装袋内面の所定の位置にジッパー形式のファスナー10が、製袋時に熱接着により取り付けられ、更に、その下の一方の内面の中央部に、図1の(a)に示した形状の保持板50が、その接着部2で熱接着されて取り付けられた構成である。
尚、上部ヒートシール部8とジッパー形式のファスナー10との間には、前記易開封性手段を設けることができ、図では、左側の端縁部にノッチ11を設けて構成したものである。
【0037】
このような構成を採ることにより、内部にロール状のウェットティッシュが収納され、密封されたウェットティッシュの包装袋100は、その形態がスタンディングパウチ形式の包装袋であるため、自立安定性があり、外観に優れると共に、使用時の使い勝手もよいものとなる。
そして、内部に収納されているロール状のウェットティッシュを取り出す際には、先ず、ノッチ11を利用して包装袋100の上部を横方向に引き裂くことにより、上部ヒートシール部8が切り取られて開封される。
続いて、ジッパー形式のファスナー10の嵌合を解離させることにより、包装袋100の上部が開口される。
【0038】
次いで、包装袋100の内面のジッパー形式のファスナー10の下に取り付けられている保持板50の保持片1を、型押し線(押し罫)5で折り曲げて略水平となし、ロール状のウェットティッシュの巻芯部から引き出されているティッシュの先頭部を、保持板50のティッシュ導入部3から、ティッシュ保持部4に嵌め込むことにより、図4に示すようなウェットティッシュ20の引き出し可能な状態とすることができる。
【0039】
従って、この後は、ティッシュ保持部4から突き出ているウェットティッシュ20の先頭部を摘んで引き出すことにより、ウェットティッシュに設けられている切り取り線で自動的に使用単位長さで切断されると同時に、残っているウェットティッシュ20は、その先頭部がティッシュ保持部4から突き出た状態で保持される。
【0040】
必要なウェットティッシュ20を取り出した後は、再度、ジッパー形式のファスナー10を嵌合させることにより、包装袋の開口部が封鎖され、内部のウェットティッシュ20は、乾燥することなく次回の使用時まで引き出し易い状態で保存することができる。
このようなジッパー形式のファスナー10による開封、ウェットティッシュの取り出し、再封鎖の操作の繰り返しにより、ウェットティッシュ20が乾くことなく最後まで良好な状態で使用することができる。
【0041】
図3に示したウェットティッシュの包装袋200は、包装袋の本体部分を変形ガセットパウチ形式に製袋し、その上部に、前記図2に示したウェットティッシュの包装袋100の場合と同様に、上部ヒートシール部8の下にジッパー形式のファスナー10と、更にその下に保持板50を設けて構成したものである。
ガセットパウチ形式の包装袋は、通常の形態では、ガセット折り部が両側から内側に折り込まれているため、そのままではジッパー形式のファスナー10の取り付けができない。従って、図3に示すように、ガセット折り部12の上部の構造を変え、変形ガセットパウチとすることにより、ジッパー形式のファスナー10の取り付けを可能としたものである。
【0042】
即ち、両側のガセット折り部12の上部を途中から、上部ガセット外折り部13に示すように傾斜状に外側に折り返すと共に、これに伴って外側に突き出た外折り部の中、上側部ヒートシール部9に示したヒートシール部分のみを残し、その他の突出部を切り取ることにより、ジッパー形式のファスナー10の取り付けを可能としたものである。
【0043】
両側のガセット折り部12の構造をこのように変更することにより、ジッパー形式のファスナー10の取り付け部が、両側端縁部、即ち、上部ガセット外折り部13において、部分的にフィルムの重なりの差を生じるが、包装袋の最内面が総てシーラント層となるため、ジッパー形式のファスナー10の熱接着による取り付けに支障はなく、また、ジッパー形式のファスナー10の熱接着、および上側部ヒートシール部9のヒートシールにより、完全に外部と遮断でき、包装袋の内部を密閉することができる。
【0044】
このような変形ガセットパウチ形式の包装袋200は、従来のガセットパウチ用製袋機の改造により、問題なく製袋することができる。また、この包装袋200では、上部ヒートシール部8は製袋時に先にヒートシールして密閉し、底部ヒートシール部6を未シールの開口部として残し、この部分から内容物を充填することが好ましい。
【0045】
そして、内容物(ロール状のウェットティッシュ)を充填し、シールした包装袋200は、底部が通常のガセットパウチと同形態であり、自立性を有するため、前記スタンディングパウチ形式の包装袋100と同様、外観に優れると共に、ウェットティッシュ取り出し時の使い勝手にも優れている。
ロール状のウェットティッシュの取り出し、および再封などの操作方法は、前記図2に示したウェットティッシュの包装袋100と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
〔試験例1〕
図2に示した構成のウェットティッシュの包装袋を下記の材料、構成で作製し、試験例1のウェットティッシュの包装袋とした。
包装袋のフィルムには、外側からPETフィルム(厚さ12μm)、縦一軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)、L・LDPEフィルム(厚さ50μm)の順に、それぞれ2液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法で貼り合わせた積層フィルムを壁面用フィルムと底面用フィルムとに共通に用いて、スタンディングパウチ形式の包装袋を作製した。
包装袋の寸法は、幅156mm(胴部ヒートシール部の幅各7mmを含む)、長さ215mm、底面フィルム折り込み深さは38mmである。
【0047】
ジッパー形式のファスナーには、ポリエチレン製でテープ部の幅10mmのものを使用した。
保持板は、ポリプロピレン(以下PP)層(厚さ500μm)/PPとL・LDPEとのブレンド樹脂層(厚さ30μm)/L・LDPE層(厚さ30μm)〔総厚560μm〕の共押し出しシートを図1の(a)に示す形状に打ち抜いて作製したものである。
保持板の寸法は、外形が幅17mm、長さ43mm(この中、保持片部長さ30mm、接着部長さ13mm)の略長方形で、型押し線は接着部の端から2mm離れた位置に設け、ティッシュ保持部は、直径4mmの円形とし、保持板の上端から5mmの間隔を開け、また、幅方向の略中心部となる位置に、その側部に連続するティッシュ導入部と共に打ち抜きの際、同時に打ち抜いて設けた。
【0048】
尚、上記ジッパー形式のファスナー、および保持板の包装袋への取り付けは、いずれも製袋とインラインであり、その取り付け位置は、ジッパー形式のファスナーが包装袋の上端から17mmの間隔を開けたその下の位置であり、保持板は、ジッパー形式のファスナーの下端から下に5mm間隔を開けた包装袋の中央部にそれぞれ熱接着により取り付けた。
また、ジッパー形式のファスナーの上の長さ17mmのスペースは、その上部7mmが上部ヒートシール部のシール幅に相当し、残りの10mmのスペースは、この間で上部ヒートシール部を切り取って開封できるよう、その中間の位置、即ち、包装袋の上端から12mm下の左側端部にノッチを設けて包装袋を構成した。
【0049】
以上のように作製したウェットティッシュの包装袋に、幅138mmのロール状のウェットティッシュを、その一方の側面を下にして立てた状態で挿入し、ジッパー形式のファスナーを閉じた後、上部端縁部をシール幅7mmでヒートシールして密封し、試験例1のウェットティッシュ入りの包装袋を作製した。
【0050】
上記で得た包装袋は、その密封性、自立安定性がよく、更に、使用適性の試験として、ノッチによる引き裂き性と、その方向の安定性、また、ジッパー形式のファスナーによる開封と再封性、そして、保持板の機能、即ち、型押し線で保持片を水平方向に折り曲げて、ウェットティッシュをティッシュ保持部に導入し、その保持性、および引き出し、切り取り適性などについて繰り返し試験を行った。
その結果は、いずれも問題はなく良好であった。また、使用後の空袋は、容易に偏平にでき、嵩張らず、プラスチックの使用量も少ないため、廃棄適性についても向上させることができた。
【0051】
〔試験例2〕
図3に示した構成のウェットティッシュの包装袋を作製することとし、包装袋のフィルムには、厚さ12μmのPETフィルムと厚さ60μmのL・LDPEフィルムとを、2液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネーション法で貼り合わせた積層フィルムを用い、また、ジッパー形式のファスナーと保持板には前記試験例1で使用したものと同じものを用いて、下記の寸法でジッパー形式のファスナーおよび保持板付きの変形ガセットパウチ形式の包装袋を作製し、試験例2のウェットティッシュの包装袋とした。
【0052】
包装袋の外形寸法は、上部の両側に突出した上側部ヒートシール部を除いた部分の幅が80mmで、長さが240mmとし、両側ガセット折り部の折り込み深さは30mm、そして、上部ガセット外折りにより両側に突出して形成される上側部ヒートシール部の長さが最長部で35mm、幅が6mmとなるように製袋して変形ガセットパウチ形式の包装袋を作製した。
尚、ジッパー形式のファスナーおよび保持板の取り付け位置は、包装袋の上端から、前記試験例1の包装袋と同じ寸法の位置に、製袋とインラインで熱接着により取り付けた。
【0053】
また、上部ヒートシール部は、シール幅6mmで製袋時に先にヒートシールし、底部ヒートシール部を未シールとして内容物充填用の開口部とした。
そして、上側部端部のノッチは省略し、代わりにその部分に切り取り線の印刷を行い、使用時の上部ヒートシール部の切り取りは、鋏で切り取って開封するようにした。
【0054】
以上のように作製した試験例2のウェットティッシュの包装袋に、その底部の開口部から、前記試験例1と同じサイズのロール状のウェットティッシュを挿入し、底部ヒートシール部をシール幅6mmでヒートシールして密封し、試験例2のウェットティッシュ入り包装袋を作製した。
【0055】
上記試験例2の包装袋も自立安定性がよく、外観も良好であった。また、使用適性の試験についても、上部ヒートシール部の切り取りに鋏を使用したほかは、試験例1と同様に行ったが、いずれも特に問題はなく良好であった。
また、使用後の空袋は、試験例1の包装袋と同様に、嵩張ることもなく、プラスチックの使用量も少ないため、廃棄適性についても、良好なものである。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、使用適性に優れると共に、プラスチックの使用量が少なく、使用後、廃棄する際には、嵩張らず、焼却処理などによる環境面に対する影響も少なく、且つ、経済性にも優れたウェットティッシュの包装袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ本発明のウェットティッシュの包装袋の上部内面のジッパー形式のファスナーの下に取り付ける保持板の形状を示す平面図である。
【図2】本発明のウェットティッシュの包装袋の一実施例の構成を説明する正面図である。
【図3】本発明のウェットティッシュの包装袋の別の一実施例の構成を説明する正面図である。
【図4】図2に示したウェットティッシュの包装袋に収納されたウェットティッシュを取り出す際の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 保持片
2 接着部
3 ティッシュ導入部
4 ティッシュ保持部
5 型押し線(押し罫)
6 底部ヒートシール部
7 胴部ヒートシール部
8 上部ヒートシール部
9 上側部ヒートシール部
10 ジッパー形式のファスナー
11 ノッチ
12 ガセット折り部
13 上部ガセット外折り部
20 ロール状ウェットティッシュ
50、60 保持板
100、200 ウェットティッシュの包装袋
Claims (4)
- プラスチックを主とする積層フィルムを袋状にヒートシールしてなるウェットティッシュの包装袋であって、該包装袋の上部ヒートシール部の下の内面にジッパー形式のファスナーが取り付けられ、更に、その下の内面に、該包装袋の内部に収納されるウェットティッシュの先頭部を保持し、使用単位長さに切り取り易くするためのプラスチックシートの打ち抜き体による保持板が取り付けられ、該保持板は、切り欠きにより形成された先細り形状のティッシュ導入部とその先に繋がる円形のティッシュ保持部とを有する保持片と、その一端に、該保持片の角度を調節するための型押し線を介して連設された接着部とで構成され、該保持板の包装袋への取り付けは、前記接着部を包装袋の内面に熱接着する方法で行われていることを特徴とするウェットティッシュの包装袋。
- 前記包装袋が、スタンディングパウチまたはガセットパウチ形式の包装袋であることを特徴とする請求項1記載のウェットティッシュの包装袋。
- 前記包装袋の上部ヒートシール部とジッパー形式のファスナーとの間に易開封性手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェットティッシュの包装袋。
- 前記ウェットティッシュがロール状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウェットティッシュの包装袋。
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JP05004898A JP3984351B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | ウェットティッシュの包装袋 |
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JP05004898A JP3984351B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | ウェットティッシュの包装袋 |
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JPH11227852A JPH11227852A (ja) | 1999-08-24 |
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-
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- 1998-02-17 JP JP05004898A patent/JP3984351B2/ja not_active Expired - Lifetime
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