JP3960257B2 - 光通信モジュール、光通信装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信機、光受信機、及び光トランシーバ等の光通信モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいては、電気信号を光信号に変換する発光素子と光信号を電気信号に変換する受光素子相互間を光ファイバで接続する構成が基本となる。このような発光素子や受光素子などの光素子と光ファイバを着脱あるいは挿脱可能とするために、光素子と光ファィバとを光学的に接続するための光通信モジュール(例:コネクタ)が利用されている。
【0003】
従来の光送信モジュールの多くは、発光素子が缶パッケージによりパッケージングされた構造を有する。缶パッケージは、一般に、金属端子(ピン)を介して、発光素子を駆動するための信号を送信する外部回路に接続され、外部回路が形成されたプリント基板上に固定されている。発光素子と光ファイバは、例えばボールレンズ等を介して光結合される。このような方式では、発光素子から出射された光は、ボールレンズを介してモジュールのスリーブ部により位置決めされた光ファイバに入射される。
【0004】
しかし、この従来の方式では、缶パッケージを使用しているため、金属ピンを介して外部回路に接続されることになり、小型化に限界があった。また、部品点数が多く、製造工程が多い上に、各部品のアラインメント調整に時間がかかるため、製造コストが高くなる傾向にあった。
【0005】
このような課題を解決するために、種々の方法が検討されている。
【0006】
例えば、特許文献1(特開2000−349307号公報)には、光ファイバを挿入する貫通穴を有し、光素子又は外部回路との電気的接続を容易にするための導電層が形成されたプラットフォームと光素子を備えた光通信モジュールが開示されている。このプラットフォームによれば、缶パッケージを用いず、また、貫通穴により光素子に対する光ファイバの位置決めがなされるので、小型化が可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−349307号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光通信モジュールでは、光ファイバを挿入する貫通穴上に光素子を搭載するためには、貫通穴の周囲に光素子を接続固定するためのバンプを形成する必要がある。したがって、貫通穴よりも大きな光素子が必要となり、光素子が大型化し、製造コストが高くなる。また、光ファイバの先端には、通常、ファイバを保持し、アラインメントを取るためのフェルールが接続される。したがって、フェルールの径に合わせて貫通穴の穴径も広がるため、穴径が光素子よりも大きくなり、光素子の搭載が不可能となる場合があった。
【0008】
このような光通信モジュールは、消耗品であるため、より一層の低コスト化が望まれる。
【0009】
また、この光通信モジュールの構成では、光素子の駆動を制御するための外部回路に接続するために、金属端子等の接続端子を別途設けなければならず、作業工程が煩雑であり、外部回路と簡便に接続し得る光通信モジュールの開発が望まれる。さらに、この光通信モジュールの構成では、インピーダンス整合された伝送路を組むことが困難であるため、高周波域での駆動に限界があり、高速駆動に対応した光通信モジュールの開発が望まれる。
【0010】
よって、本発明は、外部回路との接続を簡便に行うことが可能な、高信頼性の安価な小型光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、さらに光通信の高速化に対応し得る光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、外部回路との接続を簡便に行うことが可能な、高信頼性の小型光通信モジュールを簡略に大量に製造し得る製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の光通信モジュールは、光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、前記基板の片面に前記貫通孔全体を覆うように設置され、前記基板から外方に延在する張出し部を有する透光性樹脂膜と、前記透光性樹脂膜の少なくとも片面の、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記張出し部に至るまで配置される配線膜と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子とを含み、前記透光性樹脂膜の張出し部に外部回路との接続部が形成されることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、安価な光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防止することが可能となる。さらに、透光性樹脂膜の一部が接続部となるので、別途外付けの接続部を設ける必要がなく、外部回路との接続を簡便に行うことが可能となる。
【0015】
本発明の光通信モジュールは、光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、前記基板の片面に前記貫通孔全体を覆うように設置され、前記基板から外方に延在する張出し部を有する透光性樹脂膜と、前記透光性樹脂膜の両面の、少なくとも、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記張出し部に至るまで形成されるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップラインに接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子とを含み、前記透光性樹脂膜の張出し部に外部回路との接続部が形成されることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、安価な光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防止することが可能となる。さらに、透光性樹脂膜の一部が接続部となるので、別途外付けの接続部を設ける必要がなく、外部回路との接続を簡便に行うことが可能となる。また、透光性樹脂膜の両面にマイクロストリップラインが形成されているため、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となり、光素子の高速駆動に適した光通信モジュールの提供が可能となる。
【0017】
また、本発明の光通信モジュールは、必要に応じて光素子が封止材により封止されていてもよい。かかる構成により、光素子の密閉性が保たれ、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、本発明では、透光性樹脂膜を介して、光素子が貫通孔上に設置されるので、透光性樹脂膜上で光素子を封止することが可能となり、光素子を封止した状態で、光ファイバの挿脱が可能となる。したがって、光ファイバの挿脱時においても、光素子を外気や湿気から保護することが可能となり、より信頼性の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0018】
前記光素子と前記透光性樹脂膜との接続部が、前記貫通孔上に位置していることが好ましい。貫通孔上に透光性樹脂膜が形成されているので、貫通孔の孔径よりも小さな光素子を搭載することが可能となり、製品のコストを低減し得る。
【0019】
前記透光性樹脂膜の膜厚を利用して、前記マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定することが好ましい。かかる構成によれば、インピーダンスの変動を低減することが可能となる。
【0020】
前記基板を導体として前記マイクロストリップラインの一方の配線を兼ねるようにすることが好ましい。かかる構成によれば、基板自体を接地板として用いることができるので、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0021】
前記透光性樹脂膜がポリイミド膜であり、前記光素子が面発光レーザであることが好ましい。かかる構成によれば、ポリイミド膜を用いるので、光透過性が良好であり、また、面発光レーザを用いることで、小型化が可能となるので、光損失の少ないコンパクトな光通信モジュールの提供が可能となる。
【0022】
本発明の光通信装置は、上記光通信モジュールを含むことを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、上記のような光通信モジュールを用いているので、安価で、高信頼性の小型光通信装置を簡略な工程で提供することが可能となる。
【0024】
このような本発明にかかる光通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(携帯型情報端末装置)など、光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種の電子機器に用いることが可能である。なお、本明細書において「光通信装置」とは、信号光の送信にかかる構成(発光素子等)と信号光の受信にかかる構成(受光素子等)の両方を含む装置のみならず、送信に係る構成のみを備える装置(いわゆる光送信モジュール)や受信にかかる構成のみを備える装置(いわゆる光受信モジュール)も含む。
【0025】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を単位基板領域に有し、該単位基板領域の外方に延長領域を有する基板の該貫通孔に、該貫通孔を埋設する補助剤を充填し、硬化させて支持部材を形成する工程と、前記基板上面の単位基板領域及び前記延長領域に透光性樹脂膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上に、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記延長領域に至るまで配線膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部位に光素子を配置して、該光素子を前記配線膜に接続する工程と、前記基板から、該基板の前記延長領域に該当する部分を取除き、外方に延在する前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子が形成された単位基板を得る工程と、前記単位基板から、前記支持部材を取除く工程とを含むことを特徴としている。
【0026】
かかる構成によれば、接続部が一体となって形成された透光性樹脂膜を形成し得るので、外部回路との接続時に別途外付けの接続部を準備しなくても良く、簡易な工程で外部回路との接続が可能となる。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、補助剤を硬化させて形成した支持部材により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを大量に製造することも可能となる。
【0027】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、単位基板領域に一又は複数の貫通孔を有し、該単位基板領域の外方に延長領域を有する基板の該貫通孔に、該貫通孔に嵌合する冶具を挿入する工程と、前記基板上面の単位基板領域及び前記延長領域に透光性樹脂膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上に、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記延長領域に至るまで配線膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部位に光素子を配置して、前記光素子を前記配線膜に接続する工程と、前記基板から、該基板の前記延長領域に該当する部分を取除き、外方に延在する前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子が形成された単位基板を得る工程と、前記単位基板から、前記冶具を取除く工程とを含むことを特徴としている。
【0028】
かかる構成によれば、接続部が一体となって形成された透光性樹脂膜を形成し得るので、外部回路との接続時に別途外付けの接続部を準備しなくても良く、簡易な工程で外部回路との接続が可能となる。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える支持部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返し利用でき、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを大量に製造することも可能となる。
【0029】
前記貫通孔に冶具を挿入する工程の後に、さらに、前記冶具を前記基板に固定する工程を含むことが好ましい。冶具を基板に固定することで、冶具のずれによる透光性樹脂膜の破損等を防止することが可能となる。
【0030】
前記支持部材又は前記冶具を取除く工程の前又は後に、さらに、前記基板を、前記単位基板領域と延長領域とを含むように小片化する工程を含んでもよい。一の基板上で、光通信モジュールの組立工程の殆どを一括バッチ処理した後、小片化するので、大量のモジュールを簡略な工程で製造することが可能である。また、基板を切断した後、支持部材又は冶具を除去する場合には、基板切断時の水・油等による貫通孔の汚染を防止する工程を別途設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減せしめることが可能となる。また、支持部材又は冶具を除去する工程の後に基板を切断する場合には、支持部材又は冶具を一度に抜くことが可能となるので、製造工程の簡略化が図れ、製造コストを低減せしめることが可能となる。
【0031】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する単位基板を、載置面上に一又は複数の凸部を形成した治具に前記凸部を前記貫通孔に挿通させて配置する工程と、前記単位基板の外周の前記載置面上に補助基板を配置する工程と、前記単位基板上面の単位基板領域及び前記補助基板上面の延長領域に透光性樹脂膜を成膜する工程と、前記透光性樹脂膜上に前記単位基板領域の前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記延長領域に至る配線膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部分に光素子を配置し、これを前記配線膜に接続する工程と、前記単位基板領域から前記延長領域に渡る透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子が形成された単位基板を前記治具及び前記補助基板上から分離する工程とを含むことを特徴としている。
【0032】
かかる構成によれば、接続部が一体となって形成された透光性樹脂膜を形成し得るので、外部回路との接続時に別途外付けの接続部を準備しなくても良く、簡易な工程で外部回路との接続が可能となる。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える支持部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返しの利用が可能となるので、製造コストを低減することが可能となる。また、冶具の各凸部ごとに、予め小片化された基板を装着し、後で取り外すので、基板の小片化の工程が必要なく、また、基板の小片化の際に冶具の凸部間の固定部分を切断する必要もないので、製造工程を簡略化でき、冶具を繰り返し用いることができるので、製造コストを低減することが可能となる。さらに、複数の単位基板を用いた場合には、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の冶具を用いて、一括バッチ処理することができるので、簡易な工程で光通信モジュールを大量に製造することも可能となる。
【0033】
前記補助基板が、前記単位基板と略面一となるものであることが好ましい。補助基板は、単位基板間の間隙を埋め、単位基板間を固定する役割を果たすが、単位基板と面一とすることで、透光性樹脂膜の張出し部を形成するための土台とすることが可能となる。
【0034】
前記単位基板が複数ある場合には、前記透光性樹脂膜を、前記単位基板領域と前記延長領域とを含むように切断する工程を含むことが好ましい。かかる構成によれば、高信頼性、高性能の光通信モジュールを一括して大量に製造することが可能となる。
【0035】
前記透光性樹脂膜を形成する工程、及び前記延長領域に至るまで配線膜を形成する工程の代わりに、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記単位基板領域の外方の延長領域に至るまでマイクロストリップラインが形成された透光性樹脂膜を前記基板上面の単位基板領域及び前記延長領域に取付ける工程を含むことが好ましい。かかる構成によれば、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る光通信モジュールは、貫通孔2を有する基板1、基板1の片面に貫通孔2全体を覆うように設置され、基板1から外方に延在する張出し部9を有する透光性樹脂膜6、及び光素子3を含む。
【0038】
基板1には、光ファイバ(図示せず)が挿脱可能な貫通孔2が形成されている。貫通孔2は、光ファイバを固定し得る形状であればよく、光ファイバを挿入した際に、光ファイバとの間に実質的な隙間が生じない形状であることが好ましい。なお、光ファイバにフェルール又はスリーブが接続されている場合には(図4の15、図5の16参照)、フェルール又はスリーブを固定し得る形状であって、フェルール又はスリーブの挿入時に間隙が生じない形状とされることが好ましい。基板1としては、例えば、ステンレス、アルミニウム又は銅等の導電性材料(導電体)、或いは樹脂又はセラミックス等の非導電性材料を用いることができる。基板1上に、高速駆動に対応可能なマイクロストリップラインを形成する場合、基板1を導電体とすると、基板1をグラウンド電位として用いることができ、別途グラウンド電位に用いる層を設けなくてもよいので、製造工程を簡略化できる。
【0039】
基板1の片面には、透光性樹脂膜6が、基板1の片面に貫通孔2全体を覆うように設置されており、少なくともその一端は、基板1から外方に延在し、可撓性のある張出し部9を形成している。
【0040】
透光性樹脂膜6には、貫通孔2に対応する位置に、光素子3が、発光部又は受光部4が貫通孔2に向かい合うように載置されている。光素子3の発光部又は受光部4と光ファイバは、透光性樹脂膜6を介して光結合している。透光性樹脂膜6は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等の光を透過する樹脂から形成することができる。光透過性が良好であり、可撓性を有し、取扱いが容易という観点からは、ポリイミド膜が好ましい。
【0041】
透光性樹脂膜6上には、銅等の金属の導電体を用いた配線膜7が形成されている。この配線膜7は、少なくとも、貫通孔2上又は貫通孔2近傍の位置から張出し部9に至るまで延在しており、張出し部9上には、例えば光素子3の駆動を制御する外部回路と接続するための接続端子が形成されていてもよい。光素子3の高速動作に対応するためには、透光性樹脂膜6と配線膜7とを含んで、高周波信号の伝送に適したマイクロストリップラインを構成することが好ましい。その場合の詳細については、後述する。
【0042】
VCSEL等の発光素子又はPD等の受光素子といった光素子3は、貫通孔2上又は貫通孔2の近傍で、配線膜7に接続される。具体的には、例えば、光素子3は、貫通孔2上に、発光部又は受光部4が貫通孔2に対向する向きに、フリップチップボンディングにより接続形成される。光素子3として、例えば、発光素子を用いる場合、VCSEL等の面発光レーザを用いると、光素子3の小型化が可能となり、光損失の少ないコンパクトな光発信モジュールの提供が可能となる。本実施形態では、光素子3及び光ファイバが、貫通孔を基準に位置決めされて搭載される。したがって、光ファイバを貫通孔に挿入した際に、従来の缶パッケージを用いた場合に比べて、位置精度の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。光素子3の発光部又は受光部4上には、インクジェット法により、マイクロレンズが形成されていてもよい。
【0043】
光素子3は、透光性樹脂膜6及び配線膜7を介して、貫通孔2上に設けられており、光素子3と配線膜7との接続部であるバンプ5が、貫通孔2上に位置するように設置されている。光素子3は、素子全体が封止材8により封止されている。なお、発光部又は受光部4上にマイクロレンズが形成されている場合には、レンズとして機能させるために、光素子3と透光性樹脂膜6との間には、封止材8は充填しない。また、必要に応じて、光素子3と透光性樹脂膜6との間にアンダーフィル剤(図示せず)が充填されていてもよい。
【0044】
次に、透光性樹脂膜6と配線膜7とを含んでマイクロストリップラインを構成する場合に付いて詳細に説明する。この場合には、透光性樹脂膜6の他面側に、接地電位が接続されるべき導電体層(図2の10参照)が形成される。導電体層10は、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属から構成されていてもよい。このような導電体層10は、光透過部となる部位を残して形成される。これは、導電膜による信号光の遮蔽又は透過率の低減を回避するためである。なお、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)等の透明電極を用いる場合には、光透過部となる部位を覆って形成されていてもよい。このようにマイクロストリップラインが形成されていることにより、高周波域での伝送ロスを防止することが可能となる。また、基板1が導電体である場合には、導電体層10の代わりに基板1をグラウンド電位として、マイクロストリップラインが形成されていてもよい。導電体層10が不要となるので、構造を簡素化し、製造工程を簡略化することができる。
【0045】
透光性樹脂膜6の両面にマイクロストリップラインを形成する場合、透光性樹脂膜の膜厚を利用して、マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定することが可能である。
【0046】
具体的には、マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0(Ω)は、伝送路の線幅をB(mm)、線厚みをC(mm)、伝送路とグラウンドとの間隔をH(mm)、誘電体層として機能する透光性樹脂膜6の比誘電率をεrとすると、次式により求められる。
【0047】
Z0=(87/(εr+1.41)1/2)×ln(5.98H/(0.8B+C))
ここで、例えば、光素子3の入力インピーダンスが例えば50Ωである場合、マイクロストリップラインの特性インピーダンスも光素子3の入力インピーダンスと同様の50Ωに揃えることにより、インピーダンス整合を図って信号減衰を防ぐことが可能となる。例えば、透光性樹脂膜6としてポリイミド(比誘電率は3.4)を用いた場合、上記式より、例えば、H=0.05、B=0.09、C=0.012のときに、マイクロストリップラインのインピーダンスは約50Ωとなる。したがって、この寸法により、光素子3の入力インピーダンスと整合のとれたマイクロストリップラインを構成し得る。
【0048】
また、本実施形態においては、光ファイバを挿入するための貫通孔2は、一つであるが、複数の貫通孔を有していてもよい。貫通孔を複数有することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0049】
以上の構成によれば、透光性樹脂膜の一部が接続部となるので、別途外付けの接続部を設ける必要がなく、外部回路との接続を簡便に行うことが可能となる。また、透光性樹脂膜のマイクロストリップラインを形成することで、透光性樹脂膜の厚みで特性インピーダンスのマッチングが可能となり、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となる。また、基板の一方の面に、貫通孔を覆う透光性樹脂膜が形成されており、光素子を封止する封止材を透光性樹脂膜上に形成するため、光素子を封止した状態で、光ファイバの挿脱が可能となるので、信頼性の高い光通信モジュールが得られる。さらに、光素子を透光性樹脂膜上に形成するため、光ファイバを挿入するための貫通孔の径が大きい場合にも、貫通孔の径に合わせて光素子を大型化する必要がなく、小型の光素子を搭載できるため、光通信モジュールの低コスト化を図ることが可能となる。また、光素子を透光性樹脂膜に位置調整して載置した後に、封止材で固定するため、精度のよい光通信モジュールを提供し得る。
【0050】
このような光通信モジュールは、光通信装置に用いられてもよい。このような光通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(携帯型情報端末装置)など、光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種の電子機器に用いることが可能である。
【0051】
図3から図5に、本実施形態に係る光通信モジュールに光ファイバを挿着し、外部回路と接続した際の光通信装置の種々の態様を示す。なお、図3から図5において、図1で説明した符号については、同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
図3に、本実施形態の光通信モジュールと、光ファイバ11と、外部基板12とを含む光通信装置を説明するための図を示す。
【0053】
図3に示すように、本実施形態の光通信モジュールでは、基板1は、光素子3の駆動を制御する外部回路14が設けられた外部基板12上に、基板1の側壁が接合され、基板1上に設けられた透光性樹脂膜6の可撓性を有する張出し部9が外部基板12上に折り曲げられて設置されている。透光性樹脂膜6上には、配線膜7が形成されており、透光性樹脂膜6の張出し部9上では、配線膜7の末端に接続端子が形成されていてもよい。接続部としての張出し部9と外部基板12上の外部回路14との接続は、例えば、はんだ付け、ワイヤボンディング、金属膜の貼り付け、導電性接着剤による接着、ネジ締結等によって行われる。また、外部基板上に、透光性樹脂膜6の張出し部9が挿入し得るコネクタを形成し、接続端子としての張出し部9をコネクタに装着することで差込接続してもよい。
【0054】
光素子3は、接続部としての例えばはんだバンプ5を介して透光性樹脂膜6上の配線膜7と接続されている。配線膜7は、張出し部9において、外部基板12に設けられた外部回路14と、例えば、はんだ13により接続されている。光素子3は、外部基板12により設けられたこの外部回路14により、駆動が制御される。
【0055】
図4は、基板1の貫通孔2にフェルール15を装着した光ファイバ11を挿入した例を示す。
【0056】
同図では、透光性樹脂膜6の表面に配線膜7が、裏面に導電体層10が形成されることにより、マイクロストリップラインが形成されている。外部基板14上の外部回路14とマイクロストリップラインは、はんだ13で接続されている。また、外部基板は、例えば導電体層18を含む複数の積層膜から構成されていてもよく、透光性樹脂膜6の裏面に形成された導電体層10と例えばスルーホールを介して接続されている。透光性樹脂膜上に設けられたマイクロストリップラインのインピーダンスとの整合を図るために、外部基板上に設けられた外部回路14と導電体層18との距離は適宜調整されることが好ましい。なお、導電体層18は、外部基板14の裏面に形成されていてもよい。
【0057】
図5は、基板1の貫通孔2に、スリーブ16が装着された光ファイバ11を挿入した例を示す。
【0058】
光素子3が発光素子の場合、発光素子3aから出射したビーム20は、スリーブ16の上端に形成されたレンズ17により集光され、光ファイバ11のコア11bに入射する。
【0059】
図4及び図5に示したように、本実施形態によれば、基板1に形成する貫通孔2の大きさを、フェルール又はスリーブの径に合わせて形成した場合においても、透光性樹脂膜6を有するので、貫通孔2より小さい光素子3を設置することが可能である。したがって、光素子3を小型化することが可能となり、光通信装置の低コスト化が図れる。
【0060】
図6(a)〜同(g)は、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための工程図である。以下に、同図を参照しつつ、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法について説明する。
【0061】
まず、光ファイバを挿入可能な、例えば丸形状の貫通孔2を1又は複数個有する基板101を準備する(同図(a))。貫通孔2は、光ファイバ又は光ファイバに接続されたフェルール等の挿入物を挿入した際に、挿入物との間に実質的に空隙が生じないサイズであることが光素子と光ファイバとの位置調整の観点から好ましい。また、基板101は、一の光通信モジュールを構成する部位に相当する単位基板領域xと、透光性樹脂膜の張出し部9を形成するための土台として使用される延長領域yを含めた領域を一単位として一又は複数含み、貫通孔2を単位基板領域xに1又は複数個有するように形成されている。基板101は、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の導電性材料から構成されることが好ましい。高速駆動に対応するためには、基板上にマイクロストリップラインを形成することが好ましく、基板101に導電体を用いた場合には、基板101をグラウンド(接地)電位として用いることが可能となるからである。なお、基板101には、樹脂、又はセラミックス等の非導電性の部材を用いることもできる。この場合には、例えば、金属箔の貼付け、スパッタ等により、基板101の表面に導電体層を形成することにより、この導電体層をグラウンド電位とすることができる。
【0062】
貫通孔2に、補助剤を充填する(同図(c))。ここで、補助剤としては、充填後、後に形成する透光性樹脂膜106上に光素子を載置する際に、透光性樹脂膜106が破損しないように、透光性樹脂膜106を支持し得るようなものであればよい。このような補助剤としては、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができ、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。なお、後の工程(g)で、支持部材103は取除かれることから、支持部材103を形成する補助剤の材料としては、基板101及び透光性樹脂膜106と付着しにくい材料であることがより好ましい。具体的には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を貫通孔2内に充填した後、加熱硬化させ、支持部材103を形成する。なお、補助剤を充填する際、基板101の補助剤を充填する側と反対側の面側に、平坦な板又は底が平坦な容器を設置するとよい。このような板又は容器を用いることで、透光性樹脂膜106を支えることになる支持部材103の先端部を平坦化することができる。
【0063】
また、この際、基板101の板又は容器が設置されているのと反対側の面に、補助剤として用いたのと同様の硬化性樹脂を用いて膜104を形成する。なお、基板101上に設ける膜104は、支持部材103と同じ硬化性樹脂を用いて形成されていてもよく、また、異なる樹脂を用いてもよい。支持部材103と膜104は、同時に形成されてもよく、また、別工程によってもよい。貫通孔2に充填した補助剤を取り除くのが容易という観点からは、膜104は、同一材料で一体的に形成されていることが好ましい。
【0064】
支持部材103の先端が露出している基板101の面側に、透光性樹脂を成膜して、透光性樹脂膜106を形成し、この透光性樹脂膜106上に、例えば銅等の導電体膜をスパッタ又は銅箔の貼り付け等により一面に形成することで、配線膜7を形成する。その後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によりパターニングを行い、配線パターンを形成してもよい(同図(c))。
【0065】
配線膜7は、少なくとも貫通孔2上又は貫通孔2近傍の位置から張出し部9に至るまで形成する。
【0066】
透光性樹脂膜106の材料としては、光を透過させる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等を用いることができる。ポリイミドを用いる場合には、例えば、所定のモノマーを所定の厚さに塗布し、加熱重合させて硬化させることにより形成することができる。なお、透光性樹脂膜106を形成する前に、必要に応じて、基板101表面を研磨等により平坦化処理してもよい。このような処理をすることで、形成される透光性樹脂膜106の表面を平坦にすることが可能となり、光の乱反射を防止することが可能となる。
【0067】
また、このような配線膜7は、マイクロストリップラインとすることが好ましい。例えば、基板101として、ステンレス等の導電体を用いた場合には、基板101を基準電位(グラウンド電位)としたマイクロストリップラインの形成が可能となる。マイクロストリップラインを利用することで、インピーダンス整合を図ることができ、高周波域での伝送ロスを防止することが可能となるので、高周波域での伝送路を確保し得る。なお、基板101と透光性樹脂膜106との間に、例えば金属箔の貼付け、又はスパッタ等により導電体層を設けることで、導電体層をグラウンド電位とするマイクロストリップラインを形成してもよい。
【0068】
次に、配線膜7を形成した基板101上に、光素子3を実装する(同図(d))。例えば、光素子3としての垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を、基板101上の配線膜7に接続するように、例えばフリップチップボンディングにより接合する。なお、同図(d)では、光素子3には、接続部として、はんだバンプ5によるバンプ処理がなされている。
【0069】
上記工程(c)及び(d)において、配線膜7を形成して光素子3を実装する際のアラインメント調整は、基板101に設けた貫通孔2を基準として行う。光ファイバの位置調整は、貫通孔2に固定することにより行われるので、光素子3を貫通孔2を基準にして実装することで、光ファイバと光素子との光軸調整を容易に行うことが可能となる。また、光素子3として、VCSEL等の発光素子を用いる場合には、必要に応じて、発光素子を駆動するための駆動回路(例:レーザドライバ)を同時に搭載してもよい。本実施形態においては、上記のように、貫通孔2に補助剤を充填しているため、透光性樹脂膜106が補助剤により形成される支持部材103により固定されるので、光素子3を実装する際に、樹脂膜が変形したり、破損したりするのを防ぐことができ、透光性樹脂膜106を介して、貫通孔2上に光素子3を確実に載置することが可能となる。
【0070】
さらに、上記のように実装された光素子3と透光性樹脂膜106との間に、透明なアンダーフィル剤(図示せず)を浸透させ、硬化させてもよい。その後、光素子3全体を例えばエポキシ樹脂等の封止材8にて封止する。なお、アンダーフィル剤は、特に限定するものではないが、透光性樹脂膜106の界面での反射を防止し得るという観点からは、透光性樹脂膜106とほぼ等しい屈折率の材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、透光性樹脂膜106としてポリイミドを用いた場合には、アンダーフィル剤としては、ポリイミドに屈折率が近い、透光性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0071】
このように封止した光素子3を搭載した基板101を、例えばダイサー等により縦横に切断して小片にする(同図(e))。この際、一の小片が、単位基板領域x及び延長領域yを含むように切断する。
【0072】
小片にした各基板1から、延長領域yに相当する部分を基板1から、例えば(ダイシング、レーザ等の手段によって、切除する(同図(f))。
【0073】
基板1から、支持部材103と膜104が一体となった支持具105を除去する(同図(g))。
【0074】
なお、本実施形態においては、切断時に生じるゴミ、油等による汚染を防止し得るという観点から、基板101の切断後に、支持具105を取り除いているが、他の汚染防止措置を採る場合には、基板101の切断前に支持具105を取り除いてもよい。支持具105を取除く工程の後に基板を切断する場合には、支持具105を一度に抜くことが可能となるので、製造工程の簡略化が図れ、また、支持具105の再利用が可能となり、製造コストを低減せしめることが可能となる。
【0075】
また、上記例においては、発光素子としてVCSELを用いたが、端面発光レーザ等を用いてもよい。さらに、発光素子の代わりにフォトダイオード等の受光素子を実装してもよく、この場合には、光受信モジュールが得られる。
【0076】
また、上記(c)工程においては、透光性樹脂膜106を、透光性樹脂を被覆することにより形成したが、被覆する代わりに、例えばポリイミドフィルム等のフィルムを透光性樹脂膜として貼り付けてもよい。また、予め、少なくとも一面に配線膜7が形成されたフィルムを貼り付けてもよく、特に、両面にマイクロストリップラインが形成されたポリイミドフィルム等のフレキシブル基板(FPC:flexible printed circuits)を用いると、製造工程をさらに簡略化し得るので好ましい。なお、この場合、後の工程(f)で基板1の延長領域yに相当する部分110を取除くことから、製造工程の簡略化のため、フィルムは単位基板領域xに該当する部分のみと接着することが好ましい。
【0077】
また、上記(e)工程においては、一つの基板1に一つの貫通孔2を備えるように小片化を行ったが、一つの基板1が複数の貫通孔2を備えるようにしてもよい。貫通孔2を複数有する基板を形成することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0078】
以上の構成によれば、単位基板領域x及び延長領域yを一単位として含む基板1から、延長領域y部分を取除くことにより、簡略な工程で外部基板と簡易に接続し得る接続部が一体となった光通信モジュールを提供し得る。また、貫通孔2に、補助剤(硬化性樹脂)を充填して透光性樹脂膜106(又は6)を固定するので、貫通孔2上に貫通孔2の孔径よりも小さな光素子3を載置することができ、安価な光通信モジュールの提供が可能となる。また、光素子3を載置する際、透光性樹脂膜106(又は6)を支持部材103により裏面から支えることが可能となるので、薄い透光性樹脂膜106(又は6)を用いた場合でも、透光性樹脂膜106(又は6)の歪みや破損を防止することが可能となる。したがって、歩留まりよく光通信モジュールを提供することが可能となる。さらに、一度に大量の光通信モジュールを形成することができるので、製造コストを低減することが可能となる。
【0079】
図7(a)〜同(g)に、本実施形態に係る光通信モジュールの他の工程による製造方法を説明するための工程図を示す。図6に記載の製造方法では、貫通孔2に補助剤を充填し、支持部材103を形成することで、光素子3を搭載する際の透光性樹脂膜106(又は6)の支えとしている。これに対し、図7に記載の製造方法では、貫通孔2に補助剤を充填する代わりに、冶具123を挿入することで、光素子3を搭載する際の透光性樹脂膜106(又は6)の支えとする点で異なる。
【0080】
以下、図7を参照しつつ、各工程について説明する。なお、同図中、図6と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
まず、図6の(a)工程と同様に、光ファイバ等の挿入物を挿入可能な、例えば丸形状の貫通孔2を単位基板領域xに1又は複数個有する基板101を準備する(同図(a))。
【0082】
貫通孔2に、貫通孔2に嵌合する冶具123を挿入する(同図(b))。冶具123は、後の工程で取除くことが容易となるという観点から、貫通孔2の高さよりも長いものを用いることが好ましい。冶具123は、冶具123の先端と基板101の片面が略同一平面上に位置するように、基板101に挿入する。冶具123の素材は、特に限定するものではないが、透光性樹脂膜106上に光素子3を載置した後に除去するので、基板101から容易に引き抜くことができ、また、透光性樹脂膜106から容易に剥離し易いものが好ましく、例えば金属製のものが好ましい。また、貫通孔2から下方に突出した冶具123の先端を、図6の工程で用いた補助剤と同様の硬化性樹脂で固定して突出部の側面又は全体を覆う膜104を形成してもよい。なお、膜104は、冶具123の突出した先端と同じか、それ以上の厚さに形成されていることが好ましい。基板101から冶具123の先端が突出した状態にあると、基板101に負荷がかかった時に、冶具123が透光性樹脂膜106を突き抜けてしまう虞があるからである。
【0083】
なお、図7の(c)〜(g)工程については、図6の(c)〜(g)と同様の工程で行うことができる。
【0084】
以上の構成によれば、図4に記載の製造方法と同様の効果が得られる他、透光性樹脂膜106を支持するために、貫通孔に嵌合し得る、繰り返し利用可能な冶具123を用いているので、光通信モジュールの低コスト化が図れる。
【0085】
図8(a)〜同(g)に、本実施形態に係る光通信モジュールの更なる他の工程による製造方法を示す。なお、同図中、図6と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
【0086】
同図(a)に記載するような、載置板上に規則的に縦横に整列された例えば円筒状の凸部120aが複数形成された構造を有する冶具120を準備する。冶具120の各凸部120aに、一又は複数の貫通孔を有する複数の基板1(単位基板)を、各々嵌め込む(同図(b))。
【0087】
冶具120上の各基板1間の間隙(隙間)に、補助基板121を設ける(同図(c))。補助基板121は、予め、各基板1間の間隔に合致しうる大きさの部材を準備して、基板1間の間隙に載置してもよい。また、複数の基板1を設置した冶具120を収容し得る型に、冶具120を収容し、基板1間の間隙に、硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)を充填し、加熱硬化させたものを補助基板121として用いてもよい。補助基板121として樹脂硬化物を用いた場合には、樹脂の硬化後に樹脂硬化物と基板1とが面一になるように、表面を研磨してもよい。また、表面研磨の後に、必要に応じて洗浄操作を行ってもよい。なお、このような基板1間の間隙を埋める樹脂121としては、基板1及び透光性樹脂膜106(又は6)と剥離容易なものが好ましい。後の工程(g)で、各基板1を冶具120から取外す際、特別の操作なしに、基板1を補助基板121(樹脂硬化物)から容易に剥離することが可能となるので、製造工程を簡略にし得る。
【0088】
その後、図6の(c)〜(d)工程と同様に、透光性樹脂膜106及び配線膜7を形成し、光素子3を実装して、封止材8により封止する(図6(d)〜同(e))。
【0089】
透光性樹脂膜106を、単位基板領域x及び延長領域yに相当する領域を含むような大きさに、例えばレーザ、又はダイシング等により切断し(同図(f))、完成した光通信モジュールを冶具120から外す(同図(g))。なお、(g)工程において、基板1又は透光性樹脂膜6と補助基板121との剥離性が良好でない場合には、ダイシング、レーザ等により切断することにより、補助基板121を基板1又は透光性樹脂膜6から取り除いてもよい。
【0090】
なお、基板1と補助基板121は、透光性樹脂膜6を形成する土台とする場合には、基板1及び補助基板121の上面(表面)が面一に形成されていることが好ましい。ただし、例えば、透光性樹脂膜の代わりにフィルムを取付ける場合等には、基板1と補助基板121は、面一に形成されていなくてもよい。
【0091】
上記製造方法によると、図6に記載の製造方法と同様の効果が得られる他、冶具120の載置板を切断することなく、繰り返し利用することができ、簡略な工程で一括して大量に光通信モジュールを製造し得るので、製造コストを削減することが可能となる。
【0092】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本実施形態に係る光通信モジュールの一実施態様を示す断面図である。
【図2】 図2は、本実施形態に係る光通信モジュールの他の実施態様を示す断面図である。
【図3】 図3は、本実施形態の光通信装置の一実施態様を示す断面図である。
【図4】 図4は、本実施形態の光通信装置の他の実施態様を示す断面図である。
【図5】 図5は、本実施形態の光通信装置の更に他の実施態様を示す断面図である。
【図6】 図6は、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための工程図である。
【図7】 図7は、本実施形態に係る光通信モジュールの他の工程による製造方法を説明するための工程図である。
【図8】 図8は、本実施形態に係る光通信モジュールの更に他の工程による製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・貫通孔、3・・・光素子、4・・・発光部又は受光部、5・・・接続部(バンプ)、6・・・透光性樹脂膜、7・・・配線膜、8・・・封止材、9・・・張出し部、10・・・導電体層
Claims (13)
- 光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、
前記基板の片面に前記貫通孔全体を覆うように設置され、前記基板から外方に延在する張出し部を有する透光性樹脂膜と、
前記透光性樹脂膜の少なくとも片面の、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記張出し部に至るまで配置される配線膜と、
前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、
を含み、前記透光性樹脂膜の張出し部に外部回路との接続部が形成される、光通信モジュール。 - 光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、
前記基板の片面に前記貫通孔全体を覆うように設置され、前記基板から外方に延在する張出し部を有する透光性樹脂膜と、
前記透光性樹脂膜の両面の、少なくとも、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記張出し部に至るまで形成されるマイクロストリップラインと、
前記マイクロストリップラインに接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、
を含み、前記透光性樹脂膜の張出し部に外部回路との接続部が形成される、光通信モジュール。 - 前記透光性樹脂膜の膜厚を利用して、前記マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定する、請求項1又は請求項2に記載の光通信モジュール。
- 前記基板を導体として前記マイクロストリップラインの一方の配線を兼ねるようにした、請求項2又は請求項3に記載の光通信モジュール。
- 前記透光性樹脂膜がポリイミド膜であり、前記光素子が面発光レーザである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光通信モジュールを含む、光通信装置。
- 一又は複数の貫通孔を単位基板領域に有し、該単位基板領域の外方に延長領域を有する基板の該貫通孔に、該貫通孔を埋める補助剤を充填し、硬化させて支持部材を形成する工程と、
前記基板上面の単位基板領域及び前記延長領域に透光性樹脂膜を形成する工程と、
前記透光性樹脂膜上に、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記延長領域に至るまで配線膜を形成する工程と、
前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部位に光素子を配置して、該光素子を前記配線膜に接続する工程と、
前記基板から、該基板の前記延長領域に該当する部分を取除き、外方に延在する前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子が形成された単位基板を得る工程と、
前記単位基板から、前記支持部材を取除く工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 単位基板領域に一又は複数の貫通孔を有し、該単位基板領域の外方に延長領域を有する基板の該貫通孔に、該貫通孔に嵌合する冶具を挿入する工程と、
前記基板上面の単位基板領域及び前記延長領域に透光性樹脂膜を形成する工程と、
前記透光性樹脂膜上に、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記延長領域に至るまで配線膜を形成する工程と、
前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部位に光素子を配置して、前記光素子を前記配線膜に接続する工程と、
前記基板から、該基板の前記延長領域に該当する部分を取除き、外方に延在する前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子が形成された単位基板を得る工程と、
前記単位基板から、前記冶具を取除く工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 前記貫通孔に冶具を挿入する工程の後に、さらに、前記冶具を前記基板に固定する工程を含む、請求項8に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 前記支持部材又は前記冶具を取除く工程の前又は後に、さらに、前記基板を、前記単位基板領域と前記延長領域とを含むように小片化する工程を含む、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 一又は複数の貫通孔を有する単位基板を、載置面上に一又は複数の凸部を形成した治具に前記凸部を前記貫通孔に挿通させて配置する工程と、
前記単位基板の外周の前記載置面上に補助基板を配置する工程と、
前記単位基板上面の単位基板領域及び前記補助基板上面の延長領域に透光性樹脂膜を成膜する工程と、
前記透光性樹脂膜上に前記単位基板領域の前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記延長領域に至る配線膜を形成する工程と、
前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部分に光素子を配置し、これを前記配線膜に接続する工程と、
前記単位基板領域から前記延長領域に渡る透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子が形成された単位基板を前記治具及び前記補助基板上から分離する工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 前記単位基板が複数ある場合に、前記透光性樹脂膜を、前記単位基板領域と前記延長領域とを含むように切断する工程を含む、請求項11に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 前記透光性樹脂膜を形成する工程、及び前記配線膜を形成する工程の代わりに、前記貫通孔上又は前記貫通孔近傍の位置から前記単位基板領域の外方の延長領域に至るまでマイクロストリップラインが形成された透光性樹脂膜を前記基板上面の単位基板領域及び前記延長領域に取付ける工程を含む、請求項7乃至9、11及び12のいずれか1項に記載の光通信モジュールの製造方法。
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