JP3941365B2 - ドレッシング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車型砥石と噛合し、ドレッシングするドレッシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドレッシング装置として、たとえば特開平6−320420号公報に開示されているものが知られている。これは、図10に示すように、ギヤホーニング装置100の軸102に歯車(ワーク)104を取り付け、当該歯車104と軸102の周りに回転可能に保持されたギヤホーニング砥石(内歯車式砥石)106とを噛み合わせて歯車104の歯を加工する。
【0003】
軸102には、歯車104の他にギヤ型ドレッサ108またはドレスリング110が取り外し可能である。ギヤ型ドレッサ108は、その歯形が歯車104の歯形とほぼ同一であり、ギヤホーニング砥石106の歯面および歯底を成形する。ドレスリング110は、円筒型でありギヤホーニング砥石106の内径面を成形する。
【0004】
歯車104を加工する際には、まず、ドレスリング110を軸102に取り付け、ギヤホーニング砥石106の内径面をドレッシングし、次に、ギヤ型ドレッサ108を軸102に取り付けギヤホーニング砥石106の歯面および歯底をドレッシングし、最後に、歯車104を軸102に取り付けギヤホーニング砥石106によってホーニング加工を行う。所定量の歯車104を加工した後、ドレスリング110およびギヤ型ドレッサ108によりギヤホーニング砥石106のドレッシングを行い、これを繰り返す。以上の工程を自動で行うため、ギヤホーニング砥石106のドレッシングのタイミングを示す管理曲線が作成され、ギヤホーニング装置100の制御部に記憶されている。
【0005】
なお、ギヤホーニング砥石106とギヤ型ドレッサ108、またはギヤホーニング砥石106とドレスリング110とは、歯車104加工時のギヤホーニング砥石106と歯車104との公差角と同じ公差角を持った状態で噛み合わされる。この公差角によってギヤホーニング砥石106とギヤ型ドレッサ108との間に滑り速度を発生させ、ギヤホーニング砥石106をギヤ型ドレッサ108に押し付けながらドレッシングが行われる。
【0006】
また、ギヤホーニング砥石106の歯のドレッシングは、ギヤ型ドレッサ108の歯の表面に電着された微粒のダイヤモンド(図9参照)による創成運動に基づいて行われる。ギヤ型ドレッサ108は、その尖った歯先部にダイヤモンドを電着され、その歯面部の要求精度が2〜3μm以下である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、一つのギヤ型ドレッサ108がギヤホーニング砥石106の歯面と歯底の両方をドレッシングするので、ギヤ型ドレッサ108の尖った歯先が角を有さない歯面より先に磨耗する。これでは、歯面はまだ使用できるのに、歯先の磨耗によってギヤ型ドレッサ108の全体が使用不能となり、交換しなくてはならない。ギヤ型ドレッサ108は、高い精度を要求されるので、その製作にコストがかかり、たとえば、自動車用トランスミッションの歯車加工で使用されるドレッサにおいては数十万〜数百万円もする。このギヤ型ドレッサ108がすぐに使用不能になるのでは、歯車104一個当たりの生産コストも極めて高いものとなる。
【0008】
特に、ギヤ型ドレッサ108の歯先によってドレッシングされるのは、ギヤホーニング砥石106の歯底であり、歯車104の加工時には使用されない部分であるため、当該歯底まで高精度なギヤ型ドレッサ108でドレッシングすることは不必要である。
【0009】
また、歯先が磨耗したギヤ型ドレッサ108の使用は、当該歯先とギヤホーニング砥石106の歯底との間の摩擦抵抗を大きくし、これが歯面のドレス精度に悪影響を及ぼす。
【0010】
さらに、ギヤホーニング砥石106の歯面のドレッシングは、高い精度が要求されるため、ギヤホーニング砥石106とギヤ型ドレッサ108が回転する際の相対周速度は、20m/秒程度であり、これではドレッシングに時間がかかり、ギヤ型ドレッサ108の表面に電着されたダイヤモンドが脱落し易く、寿命が短いものとなる。
【0011】
加えて、従来のギヤホーニング装置の作業工程では、歯車、ギヤ型ドレッサ、ドレスリングといった、3種類のツールを軸102に順次取り付け、または取り外ししなくてはならず、作業能率も低いものとなっている。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ドレスギヤの歯先の磨耗を抑え、内歯車式砥石の歯面部高精度にドレッシングし、短時間でドレッシングできるドレッシング装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0014】
(1)本発明に係るドレッシング装置は、内歯車型砥石と噛合する突部が周面に形成され、前記内歯車型砥石の歯溝に当接しながら回転する太鼓型のウォーム型ドレッサと、前記内歯車型砥石の所定の回転角に対し、前記ウォーム型ドレッサを一回転させる同期手段と、を有し、前記ウォーム型ドレッサの前記突部の面によって前記内歯車型砥石の歯底をドレッシングするドレッシング装置であって、前記ウォーム型ドレッサは、本体の外周面に一条ねじ状の前記突部が形成され、前記本体内に電動機を内蔵し、前記電動機の駆動によって前記本体が回転するものであり、前記内歯車型砥石と噛合し、前記ウォーム型ドレッサによってドレッシングされた後に前記内歯車型砥石の歯面をドレッシングするギヤ型ドレッサと、前記内歯車型砥石を保持しつつ、前記ウォーム型ドレッサと前記ギヤ型ドレッサとの間で前記ギヤ型ドレッサの軸線に沿って前記内歯車型砥石を移動させるヘッド部と、をさらに有し、前記ヘッド部は、前記ウォームドレッサによってドレッシングされた後に前記内歯車型砥石を保持したまま移動させ、前記ギヤ型ドレッサは、移動された前記内歯車型砥石に歯先を非接触としつつ前記内歯車型砥石の歯面をドレッシングすることを特徴とする。
【0015】
(2)前記ウォーム型ドレッサは、前記内歯車型砥石が噛み合っている個所において、当該砥石の溝に対して平行に前記ドレッサの突部を振動させながら回転する。
【0018】
(3)前記ウォーム型ドレッサは、前記内歯車型砥石と噛合する突部の先端と前記本体の当該突部間の本体外周面に砥粒が固着され、前記内歯車型砥石の歯底および歯先をドレッシングする。
【0020】
(4)前記ウォーム型ドレッサは、前記ギヤ型ドレッサが取り付けられる軸を回動自在に支持するための支持部材に取り付けられる。
(5)前記歯車型砥石は、内歯車かつはすば歯車である。
【0021】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、ウォーム型ドレッサの突部が、歯車型砥石の歯溝に当接しながら回転するので、当該歯車型砥石の歯底をドレッシングすることができる。また、前記突部は、歯車型砥石と接触する先端が面であり、当該面を使って歯車型砥石をドレッシングするので、先端が尖っている従来の砥石に比し、磨耗しにくい。
【0022】
また、ウォーム型ドレッサの突部は、精度を要求しない歯車型砥石の歯底をドレッシングするので、高い精度で製作する必要がなく、低いコストで製作することができる。
【0023】
さらに、同期手段が、歯車型砥石の所定の回転角に対しウォーム型ドレッサを一回転させるので、ウォーム型ドレッサと歯車型砥石との回転の関係を常に一定にすることができ、ウォーム型ドレッサによる歯車型砥石のドレッシング精度を担保することができるので、歯車型砥石とウォーム型ドレッサとの間の相対周速度が変化しても、適度なドレッシングを行うことができる。結果として、当該相対周速度を速くすることができ、ドレッシングの時間を短縮することができる。
また、ウォーム型ドレッサの本体内に電動機が内蔵されているので、当該ドレッサの外部に駆動源を設ける必要がなく、ドレッシング装置が占有する空間を削減することができる。そして、ウォーム型ドレッサにより歯車型砥石の歯先と歯底がドレッシングされた後に保持されたまま移動された前記内歯車型砥石について、ギヤ型ドレッサにより歯面がドレッシングされるので、先に歯底に切り欠きが形成される。したがって、歯面をドレッシングする際には、ギヤ型ドレッサの突部の先端を、当該切り欠きの部分を通過させることができ、結果として、ギヤ型ドレッサの歯先を歯車型砥石に接触させることなく、歯車型砥石の歯面をドレッシングすることができる。したがって、ギヤ型ドレッサの歯先が磨耗することなく、ギヤ型ドレッサ全体の磨耗を遅くすることができる。
さらに、ウェーム型ドレッサの表面に突部が一条ねじとして形成されているので、歯車型砥石の複数の歯を一度にドレッシングすることができる。
【0024】
請求項2に記載の発明は、ウォーム型ドレッサが、歯車型砥石と噛み合っている個所において、当該砥石の溝に対して平行に前記ドレッサの突部を振動させながら回転するので、当該砥石の歯溝全体を均等にドレッシングすることができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、ウォーム型ドレッサの突部の先端面と突部間の本体外周面に砥粒が固着されているので、歯車型砥石の歯底および歯先を同時にドレッシングすることができ、歯先と歯底との間の距離を一定に保つことができる。さらに、歯車型砥石の歯底および歯先を同時にドレッシングするので、ドレッシングの時間を短縮することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明は、ウォーム型ドレッサが、ギヤ型ドレッサが取り付けられる軸を回動自在に支持するための支持部材に取り付けられるので、別途ドレッシングツールを設ける必要がなく、ドレッシング装置による動作を簡略化し、当該装置の小型化を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は本発明に係るドレッシング装置10の一実施例を示す概略構成図、図2はヘッドストック20の側面図、図3はヘッドストック20の正面図、図4はヘッドストック20が有するウォーム型ドレッサ21の断面図、図5はホーニング砥石30の斜視図、図6はウォーム型ドレッサ21とホーニング砥石30との回転を同期させるための構成を示すブロック図である。
【0032】
本発明に係るドレッシング装置10は、テーブル12上に載置されウォーム型ドレッサ21を有するヘッドストック20と、テーブル12上に載置されるテールストック30と、ヘッドストック20とテールストック30との間に回動自在に支持される軸Aと、当該軸Aの中央に取り付けられたギヤ型ドレッサ50とを有する。ドレッシング装置10は、ドレッシングに際して、テーブル12とともに、水平方向に移動できるようになっている。ギヤ型ドレッサ50は、はすば歯車形状をなし、正確な歯形が成形されていると共にその歯形表面にはダイヤモンド砥粒が電着されている。
【0033】
一方、ドレッシングを施すべきギヤホーニング砥石60は、環状の砥石ヘッド70の内周側に回転自在に保持されている。ギヤホーニング砥石60は、はすばを備えた内歯車形をなすものであって(図5参照)、ドレッシング工程において、第1工程としてウォーム型ドレッサ21と噛み合い、次に第2工程としてギヤ型ドレッサ50と噛み合う。砥石ヘッド70は、ギヤホーニング砥石60保持したまま軸Aに沿って移動し、ギヤホーニング砥石60をウォーム型ドレッサ21またはギヤ型ドレッサ50と噛み合わせる。また、砥石ヘッド70は、図示しない駆動手段によって、図1に矢印で示すR方向に傾斜可能であり、ギヤホーニング砥石60とウォーム型ドレッサ21またはギヤ型ドレッサ50との噛み合いについて、それぞれのねじれ角を合わせたり公差角を調整したりするが、この調整機構は公知の技術であるので、詳細は省略する。
【0034】
前記ヘッドストック20は、図2に示すように、テーブル12上に取り付けられる台座22と、当該台座22上に固定されたL字型の本体23と、当該本体23の側面に固定されたウォーム型ドレッサ21とを有する。
【0035】
ウォーム型ドレッサ21は、表面に一条ねじを形成された太鼓型のはすば歯車であり、図3に示すように、太鼓の胴の両端をコの字型の支持部材24によって回動自在に支持される。さらに詳しく説明すると、図4に示すように、ウォーム型ドレッサ21は、固定軸41と、回転部42とを有し、小型で高出力かつ負荷変動に強い同期モータを内蔵することによって、モータビルトインスピンドル構造として組み立てられている。
【0036】
固定軸41の外周の一部には、ステータであるコイル43が固定され、回転部42には、ロータである永久磁石44がコイル43と少しの隙間を置いて配置される。したがって、コイルに電流が供給されると、固定軸41の周りを回転部42が回転する。なお、回転部42は、固定軸41との間に配置された転がり軸受け45によって回動自在に支持されている。
【0037】
回転部42は、中空の太鼓46の内部に嵌挿されている。ウォーム型ドレッサ21が全体としてはすば歯車になるために、太鼓46の外周には突部49が一条ねじ状に形成されている。突部49の先端面と、当該突部間の太鼓46の外周面Sには、ダイヤモンド粒80が電着されている。太鼓46は、外周の突部49が磨耗した場合または、電着されたダイヤモンド粒80が脱落した場合など、適宜回転部42から引き抜き交換することができる。
【0038】
また、ウォーム型ドレッサ21は、ギヤホーニング砥石60の回転軸と電気的に同期をとるために回転量、回転速度などを検出するロータリエンコーダ47と、同期モータの回転を制御するための磁極センサ48とを有する。ロータリエンコーダ47によって検出された値は、図6に示す同期装置25に入力される。同期装置25は、入力された値と、砥石ヘッド70に設けられた回転数検出器71に検出されたギヤホーニング砥石60の回転数値とに基づいて、磁極センサ48を制御する。なお、同期装置25は、ヘッドストック20に設けられても、ヘッドストック20の外部に設けられてもよい。
【0039】
次に、ドレッシング装置10の作用について説明する。
【0040】
図7はドレッシング工程の流れを示すフローチャート、図8は第1工程終了後のホーニング砥石60の歯を示す図、図9はギア型ドレッサ50の歯を示す図である。
【0041】
ドレッシング工程は、大きく、ウォーム型ドレッサ21によってホーニング砥石60の歯先および歯底をドレッシングする第1工程(ステップS61)と、ギヤ型ドレッサ50によってホーニング砥石60の歯面をドレッシングする第2工程(ステップS62)とに分けられる。
【0042】
具体的には、第1工程において、まず砥石ヘッド70は、軸Aの軸線に沿ってウォーム型ドレッサ21の方へ移動する。砥石ヘッド70がドレッシング位置まで移動すると(図2参照)、次に、テーブル12が図3に矢印で示す切り込み方向に移動する。テーブル12に連動してウォーム型ドレッサ21は、ギヤホーニング砥石60の歯車に切り込みを掛ける。同時に、砥石ヘッド70の傾きが調節され、ウォーム型ドレッサ21とギヤホーニング砥石60とのねじれ角が合わされる。本実施の形態は、ウォーム型ドレッサ21およびギヤホーニング砥石60のねじれ角がいかなる角度であろうと、砥石ヘッド70の傾きを自在に調節して対応することができる。
【0043】
そして、ウォーム型ドレッサ21によるギヤホーニング砥石60のドレッシングが開始される。この場合、ウォーム型ドレッサ21は図示しない電源から電力を供給されることによって回転し、ギヤホーニング砥石60は図示しない駆動装置を起動することによって回転する。ウォーム型ドレッサ21の回転は、ロータリエンコーダ47によって検出され、ギヤホーニング砥石60の回転の回転は、砥石ヘッド70に設けられた回転数検出装置71によって検出される。これらの検出された値は、同期装置25に入力される。当該同期装置25は、入力された値に基づいて、磁極センサ48を制御する。磁極センサ48を制御することによって、ウォーム型ドレッサ21の回転が制御される。
【0044】
ウォーム型ドレッサ21およびギヤホーニング砥石60の回転に基づいて、ウォーム型ドレッサ21の回転を制御するので、ギヤホーニング砥石60の所定の回転角に対し、ウォーム型ドレッサ21を1回転させるといった同期回転が可能になる。
【0045】
したがって、ウォーム型ドレッサ21とギヤホーニング砥石60との回転の関係を常に一定にすることができ、ギヤホーニング砥石60とウォーム型ドレッサ21との間の相対周速度が変化しても、適度なドレッシングを行うことができる。結果として、相対周速度を速くしても適正なドレッシングが可能となり、これによりドレッシングの時間を短縮することができる。たとえば、相対周速度を理想的なドレッシング条件である2000m/秒以上にも設定することができ、ドレッシング装置10の寿命も長くなる。
【0046】
なお、同期装置25は、ウォーム型ドレッサ21の回転のみを制御するのではなく、さらにギヤホーニング砥石60の回転を制御してもよい。また、ウォーム型ドレッサ21とギヤホーニング砥石60との回転の同期は、電気的ではなく、摩擦ローラ等を利用して、機械的に行うこともできる。この場合、ウォーム型ドレッサ21およびギヤホーニング砥石60に機械的な抵抗をつけて回転数を調整する。
【0047】
ウォーム型ドレッサ21とギヤホーニング砥石60との回転を同期させるのみでなく、同時に、ウォーム型ドレッサ21に振動を加えルことが好ましい。ウォーム型ドレッサ21の突部49は円形の回転軌跡を有しているので、ギヤホーニング砥石60の歯溝は、円形にドレッシングされるが、これでは、深くドレッシングされる部分と浅くドレッシングされる部分が生じ、均等なドレッシングができない虞がある。
【0048】
そこで、ウォーム型ドレッサ21を、軸Aの軸線と平行に振動を加え、歯溝を均等な深さにドレッシングする。つまり、予めウォーム型ドレッサ21のねじれ角は、ギヤホーニング砥石60のねじれ角と一致するように構成されているので、前記方向に振動を加えることにより、円形軌跡がギヤホーニング砥石60の歯溝全体に沿って往復運動しながらドレッシングすることになる。
【0049】
なお、ウォーム型ドレッサ21の突部49は、一条ねじの先端面と、太鼓46の当該突部相互間の外周面Sにダイヤモンド砥粒80が電着されているので、ギヤホーニング砥石60の歯底がドレッシングされると同時にギヤホーニング砥石60の歯先もドレッシングされる。したがって、ギヤホーニング砥石60の歯底および歯先は同じ割合でドレッシングされることになり、当該歯底と歯先との間の距離を常に一定に保つことができる。結果として、ギヤ型ドレッサ50によるギヤホーニング砥石60の歯面の面積の一定化が図れ、ドレッシング精度を安定させることができる。
【0050】
第1工程において、ドレッシングされたギヤホーニング砥石60の歯は、図8に示すように、歯底65および歯先66がドレッシングされた状態になる。
【0051】
次に、第2工程においては、ギヤホーニング砥石60の歯面をドレッシングする。第2工程においては、まず砥石ヘッド70は、軸Aの中心軸に沿ってギア型ドレッサ50によるドレッシング位置まで移動する(図1参照)。次に、第1工程でウォーム型ドレッサ21がギヤホーニング砥石60に切り込みを掛けた方向と同じ方向に、テーブル12が移動する。テーブル12に連動して同方向にギア型ドレッサ50がギヤホーニング砥石60の歯車に切り込みを掛ける。同時に、砥石ヘッド70が傾斜され、ギア型ドレッサ50とギヤホーニング砥石60とのねじれ角が合わされる。
【0052】
そして、ギヤ型ドレッサ50によるギヤホーニング砥石60のドレッシングを開始する。図示しない駆動装置の起動によって、ギヤホーニング砥石60が回転する。ギヤホーニング砥石60が回転している状態において、ギヤ型ドレッサ50を軸Aの中心線と平行に振動させつつ、当該ギヤホーニング砥石60に切り込みを掛ける。
【0053】
ギヤ型ドレッサ50の歯は、図9に示すように、歯先55が尖っている。しかし、図8に示したように、ギヤホーニング砥石60の歯底65が、第1工程においてドレッシングされているので、ギヤ型ドレッサ50の歯先55は当該歯底65に接触しない。したがって、ギヤ型ドレッサ50の最も磨耗し易い歯先55が非接触状態とない、ここの磨耗が防止され、当該ギヤ型ドレッサ50の寿命を飛躍的に延長することができる。
【0054】
この後、軸Aに歯車(ワーク)を取り付けて、当該歯車をホーニング加工する工程があるが、従来技術と同様なので説明を省略する。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1工程において先にウォーム型ドレッサ21がギヤホーニング砥石60の歯底65および歯先66をドレッシングする。ウォーム型ドレッサ21は、ギヤホーニング砥石60と接触する突部49の先端が面になっており、当該先端の面を使ってギヤホーニング砥石60の歯底65をドレッシングするので、ギヤ型ドレッサ50を使用して歯底65をドレッシングするより磨耗しにくい。
【0056】
また、軸Aに歯車を取り付けギヤホーニング砥石60によって加工する場合、当該ギヤホーニング砥石60の歯底65は、歯車の加工に使用されない。したがって、ウォーム型ドレッサ21は、高い精度のドレッシングを担保する必要がないので、低い製作コストで製作することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態では、軸Aには、ギヤ型ドレッサ50か歯車の2種類しか取り外ししないので、軸Aにドレスリングを取り付ける工程がなく、工程の時間を短縮することができる。
【0058】
加えて、本実施の形態によれば、ウォーム型ドレッサ21の表面に突部49が一条ねじとして形成されているので、ギヤホーニング砥石60の複数の歯を一度にドレッシングすることができ、一枚のディスクホイールを使用してドレッシングする場合に比べて、ドレッシング時間を短縮することができる。
【0059】
本実施の形態におけるウォーム型ドレッサ21には、小型で高出力かつ負荷変動に強い同期モータによるモータビルトインスピンドル方式が採用されているので、ウォーム型ドレッサ21の外部に別途駆動源を設ける必要がなく、ドレッシング装置10が占有する空間を削減することができる。
【0060】
また、ウォーム型ドレッサ21は、ヘッドストック20に固定されるので、軸Aにドレスリングを付け替える動作が必要なくなり、作業工程を簡略化することができる。別途、ウォーム型ドレッサ21用装置も必要ないので、ドレッシング装置10を小型化することもできる。
【0061】
さらに、ギヤホーニング砥石60の歯底および歯先は同時にドレッシングされるので、従来必要であったギヤ型ドレッサ50とドレスリングの実行タイミングを示す管理曲線を作成する必要がなくなる。
【0062】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、請求の範囲内で種々改変することができる。例えば、前記実施形態は、内歯型砥石のドレッシングであるが、本発明は、これのみではなく、外歯型砥石にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るギヤホーニング用砥石のドレッシング装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】 ヘッドストックの側面図である。
【図3】 ヘッドストックの正面図である。
【図4】 ヘッドストックが有するウォーム型ドレッサの断面図である。
【図5】 ホーニング砥石の斜視図である
【図6】 ウォーム型ドレッサとホーニング砥石との回転を同期させるための構成を示すブロック図である。
【図7】 ドレッシング工程の流れを示すフローチャートである。
【図8】 第1工程終了後のホーニング砥石の歯を示す図である。
【図9】 ギア型ドレッサの歯を示す図である。
【図10】 従来のギヤホーニング装置を示す図である。
【符号の説明】
10…ギヤホーニング装置、
20…ヘッドストック、
21…ウォーム型ドレッサ、
50…ギヤ型ドレッサ、
60…ギヤホーニング砥石。
Claims (4)
- 内歯車型砥石と噛合する突部が周面に形成され、前記内歯車型砥石の歯溝に当接しながら回転する太鼓型のウォーム型ドレッサと、前記内歯車型砥石の所定の回転角に対し、前記ウォーム型ドレッサを一回転させる同期手段と、を有し、前記ウォーム型ドレッサの前記突部の面によって前記内歯車型砥石の歯底をドレッシングするドレッシング装置であって、
前記ウォーム型ドレッサは、本体の外周面に一条ねじ状の前記突部が形成され、前記本体内に電動機を内蔵し、前記電動機の駆動によって前記本体が回転するものであり、
前記内歯車型砥石と噛合し、前記ウォーム型ドレッサによってドレッシングされた後に前記内歯車型砥石の歯面をドレッシングするギヤ型ドレッサと、
前記内歯車型砥石を保持しつつ、前記ウォーム型ドレッサと前記ギヤ型ドレッサとの間で前記ギヤ型ドレッサの軸線に沿って前記内歯車型砥石を移動させるヘッド部と、をさらに有し、
前記ヘッド部は、前記ウォームドレッサによってドレッシングされた後に前記内歯車型砥石を保持したまま移動させ、前記ギヤ型ドレッサは、移動された前記内歯車型砥石に歯先を非接触としつつ前記内歯車型砥石の歯面をドレッシングすることを特徴とするドレッシング装置。 - 前記ウォーム型ドレッサは、前記内歯車型砥石が噛み合っている個所において、当該砥石の溝に対して平行に前記ドレッサの突部を振動させながら回転することを特徴とする請求項1に記載のドレッシング装置。
- 前記ウォーム型ドレッサは、前記内歯車型砥石と噛合する突部の先端と前記本体の当該突部間の本体外周面に砥粒が固着され、前記内歯車型砥石の歯底および歯先をドレッシングすることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか一項に記載のドレッシング装置。
- 前記ウォーム型ドレッサは、前記ギヤ型ドレッサが取り付けられる軸を回動自在に支持するための支持部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のドレッシング装置。
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