JP3937127B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバに塗布された電子線硬化性樹脂の液状組成物を照射効率の高い電子線を用いて硬化する光ファイバの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子線は物質中を進む際に、物質中の軌道電子を励起し、化学反応を起こしたり、二次電子やX線を発生させたりすることにより、徐々にエネルギを物質に分け与え、失速すると共に、散乱を受け、進行方向がばらばらになり、拡散する。この傾向は、特に固体のような密度の高い物質中では顕著である。このような性質をもつ電子線は、印刷インク、塗料、粘着物質を剥離する剥離剤などの硬化に既に使用されている。一方、その電子線を照射する装置については、何らかの電子発生手段と電子加速手段を有しているが、従来の樹脂の硬化に使用されるものは、一般的に、生産性を上げるために広い面積を照射するように設計され、比較的低加速電圧の装置では幅広い電子線の帯を作り出す電子発生手段・電子加速手段からなるいわゆるカーテン方式が、比較的高加速電圧の装置では細い線状のビームを作り出す電子発生手段・電子加速手段とそのビームを幅広く振り分ける電子走査手段からなるいわゆる走査方式が採用されていた。
【0003】
また、電子の発生と加速は真空中で行うが、照射は生産性を考えて連続処理が容易な大気圧雰囲気中で行われていた。大気圧と真空の境界は、薄い金属箔からなるウインドウで仕切り、電子線はそのウインドウを透過させて真空から大気圧に取り出すのが一般的である。電子線はウインドウを透過する時に著しく散乱されるため透過後は拡散してしまうが、そもそも広い面積に照射するものであるから問題はなかったが、光ファイバのように非常に細いものに照射する場合、その照射効率は著しく低いものであった。一方、電子線を真空下で照射する場合は、磁場で電子線を収束する技術が既に実用化されており、電子線溶接機などに使用されているが、光ファイバに真空中で電子線を連続的に照射した場合、真空度の均一性を維持することが困難であると同時に、樹脂が発泡、飛散するという問題があった。
【0004】
なお、特開平5−50454号公報には、光ファイバ被覆材の電子線硬化について記載されているものの、電子線の照射効率については言及されておらず、大気圧下、照射効率の高い電子線を光ファイバに連続して照射する技術は未だ確立されていない。
【0005】
光ファイバには、石英ガラス系、多成分ガラス系、プラスチック系等の種々のものがあるが、実際には石英ガラス系光ファイバが、軽量、低損失、高耐久、大伝送容量という特長から広範囲の分野で大量に使用されている。しかし、この石英ガラス系光ファイバは、最も一般的なもので直径が125μmと極めて細いので、わずかな傷がついても切れ易く、また曲げなどの外的応力により伝送損失が増大することから、柔らかい一次被覆層とそれを囲む硬い二次被覆層の二層からなる樹脂被覆が施される。通常は光ファイバが溶融線引きされた直後に裸光ファイバ上に液状樹脂をダイコート法などで塗工後、熱や放射線(一般的には紫外線)照射により硬化し、被覆が施される。二次被覆は一次被覆の塗工・硬化後に塗工・硬化する場合と、一次被覆と同時に塗工・硬化する場合がある。更に被覆された光ファイバは識別用にインクで着色されるのが一般的である。被覆された光ファイバを数本(通常は4本又は8本)束ねて、液状樹脂を塗工後、熱や紫外線等の放射線照射により硬化することにより、光ファイバテープが製造されている。
【0006】
これらの被覆材としては、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂組成物が提案されており、特公平1−19694号公報、特許第2522663号公報、特許第2547021号公報に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマと、反応性希釈剤、光重合開始剤からなる紫外線硬化性樹脂の液状組成物が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、光ファイバの生産において、生産性向上のため光ファイバの線引き速度が高速化しており、樹脂被覆材を硬化させるのに必要な単位時間あたりのエネルギも増大している。しかし、一般的に行われている紫外線硬化では、紫外線ランプの出力の増加がその進歩に追いつかないのが現状である。従って紫外線照射装置を何台も直列に設置する必要があり、設置可能な空間の大きさによって生産速度が頭打ちになってしまう問題があった。
【0008】
一方、電子線硬化は紫外線硬化に比べ、一般的にエネルギ効率が高いといわれるが、それはコート紙や印刷インキなどの樹脂硬化のように被照射物が幅広く、電子線が拡散しても被照射物のどこかに当たる場合に限られる。光ファイバに電子線を照射するために従来のカーテン方式の電子線照射装置を使用すると、たとえ電子線の帯の方向を細線の方向に合わせても、金属箔透過時の電子線の散乱が著しいため、細線に命中する電子の割合が極めて小さく、エネルギ効率が低いという問題があった。また、走査方式の電子線照射装置を使用しても、たとえ走査せずに細線上に静止することができたとしても、同様に金属箔透過時の電子線の散乱が著しいため効率が低いという問題があった。このためポリエチレン被覆電線の電子線架橋では、電線を折り返しながら走行させ、照射装置中を多数回通過させることでこの問題を克服しているが、光ファイバのように液状組成物を塗工したものを電子線硬化させる場合は、硬化が完全ではないうちに折り返すと被覆が損なわれるので、この方法は採用できないという問題があった。
【0009】
また、光ファイバ被覆材の電子線硬化には、電子線が光ファイバのコアにドープされたゲルマニウムを変化させ、伝送損失の増大を招くという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、走行する光ファイバ裸線に電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工し、均一かつ効率よく連続的に電子線照射することにより、線引き速度の高速化に対応すると共に、光ファイバの伝送特性を損なわない光ファイバ心線の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、真空の電子線発生部と大気圧照射部の仕切りである金属箔からなるウインドウを透過する時に散乱された電子線を光ファイバ裸線に塗工された電子線硬化性樹脂の液状組成物に大気圧下で照射し硬化させるにあたり、光ファイバ通過部に電子線照射方向と平行で光ファイバに垂直な向きの磁場を設けることにより、照射効率が向上することを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
即ち、本発明は、下記光ファイバの製造方法を提供する。
請求項1:
光ファイバ裸線に電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工し、概ね大気圧下で電子線を照射し硬化させるにあたり、光ファイバ通過部に電子線照射方向と平行で光ファイバに垂直な向きの磁場を設けて照射効率を向上させることを特徴とする光ファイバの製造方法。
請求項2:
光ファイバ通過部の磁束密度が0.1T以上であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの製造方法。
請求項3:
光ファイバ通過部が不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバの製造方法。
請求項4:
不活性ガスがヘリウムであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバの製造方法。
請求項5:
電子線が電圧60〜160kVで加速された電子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光ファイバの製造方法。
請求項6:
電子線硬化性樹脂の液状組成物が、ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマーと反応性希釈剤を含むものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の光ファイバの製造方法。
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
図1は、本発明方法の実施に用いる光ファイバ製造装置の一例を示し、図中10は、両端面が閉塞された筒状の電子線照射部であり、その両端面には、それぞれ光ファイバ1の入口部及び出口部となる開口部11,12が設けられ、光ファイバ1は一方の開口部(入口部)11から電子線照射部10内に入り、この照射部10内中心を通り、この際電子線2が照射された後、他方の開口部(出口部)12から出るようになっている。なお、13は、電子線照射部内を不活性ガス雰囲気にする手段として、他方の端面に配された不活性ガス用配管で、この配管13よりヘリウム、窒素等の不活性ガスが照射部10内に供給され、照射部10内における光ファイバ1の電子線照射を不活性ガス雰囲気で行うことができるようになっている。
【0014】
20は、密閉箱状の電子線発生部であり、内部に電子を発生する電子発生手段21と、発生した電子を加速する電子加速手段22と、加速された電子を収束する電子収束手段23とがそれぞれ配設され、これによって電子線2が電子線照射部10に向けて照射されるようになっている。
【0015】
この電子線発生部20は、1台又は複数台配設される。複数台を配設する場合、複数台の電子線発生部20は、上記電子線照射部10を取り囲んで互いに概ね等間隔づつ離間して配設することが好適である。例えば、3台の電子線発生部20を配設する場合、これらが電子線照射部10を中心として互いに120°離間した位置に配置されることが好適である。
【0016】
30はウインドウであり、このウインドウ30により、電子線照射部10と電子線発生部20とが仕切られ、電子線発生部20内が真空に維持されると共に、この電子線発生部20で発生した電子線2がウインドウ30を透過してほぼ大気圧下にある電子線照射部10内に入り、電子線硬化性樹脂の液状組成物が塗工された光ファイバ1を照射するようになっている。
【0017】
40は電子線照射部10内に配設された磁場発生手段であり、この磁場発生手段40により、ウインドウ30を通って、電子線照射部10内に侵入した電子線2が、上記光ファイバ1に向けて収束するようになっている。
【0018】
ここで、電子線発生部は、電子発生手段、電子加速手段を具備しており、場合によっては電子収束手段を備えていてもよい。電子発生手段としては、熱電子放出、二次電子放出、電界電子放出、光電子放出などの現象を利用した従来公知の電子発生源、例えばタングステン、硼化ランタンなどの熱陰極やグロー放電冷陰極が使用できる。電子加速手段としては、直流電界又は高周波電界による従来公知の電子加速手段、例えば平行平板電極間に直流高電圧をかけて作った直流電界や空洞共振器に高周波電圧をかけて作った高周波電界が使用できる。電子収束手段としては、電界レンズ、磁界レンズなど従来公知の電子収束手段、例えば3枚の電極板で作られた電界レンズや永久磁石又はソレノイドで作られた磁界レンズが使用できる。
【0019】
電子線発生部は、光ファイバに向け、電子が放出・加速できる構造であればよく、棒状、板状、あるいは円形状フィラメントや同一形状で孔の開いたグリッドなどが使用できる。
【0020】
真空の電子線発生部と大気圧下にある電子線照射部の仕切りであるウインドウは、真空は保持するが、電子は透過するものでなくてはならない。強度があり、かつ、電子を透過させ易い原子番号が比較的小さい、Ti,Al,Si,Cなどの箔が一般に使用され、箔の厚みは上記要求を満足するよう、通常3〜15μmに設定されている。
【0021】
ここで、ウインドウを通過した電子は散乱するが、散乱した電子を磁場で収束することにより、光ファイバヘの照射効率を向上することができる。磁場は永久磁石又はソレノイドで作られた電磁石が使用できる。
【0022】
磁場の向きについては、照射効率が向上するかぎり限定されるものではなく、光ファイバに対し、垂直、水平、あるいは斜めのいずれの方向でも可能であるが、例えば、光ファイバに対し電子が垂直に照射される場合は電子と平行な磁場が好ましい。磁束密度は電子の方向を変えることが可能な0.1T以上が望ましい。磁場が強力になると磁場発生のための装置も大がかりとなる割には照射効果の向上が少なくなるため、0.1〜5Tがより望ましい。磁場の向きと強度の設計においては、電子の加速電圧、ウインドウの材質、ウインドウから光ファイバまでの距離等を考慮することが重要である。この場合、ウインドウから光ファイバまでの距離は、3〜50mm、特に5〜30mmとすることが好ましい。
【0023】
なお、本発明の効果を更に向上させるため、電子線発生部及び磁場を複数設けることも可能である。
【0024】
上述したように、電子線照射装置の電子線照射部(光ファイバ通過部)は不活性ガス雰囲気で、圧力は概ね大気圧であることが必要である。電子線照射部に酸素が存在すると電子を散乱し易いばかりでなく、樹脂のラジカル重合を妨げ、樹脂の表面が硬化不良になる。不活性ガスとしては、例えば、原子番号の小さいHe,N2が望ましく、特にHeが電子の散乱が少ないため望ましい。また、連続照射において、真空系は、その真空度を一定に維持することが困難であるばかりでなく、樹脂の発泡などの問題が生じ易くなり、加圧系は電子の散乱が大きくなるため、照射効率が低下するために、そのような問題が生じない圧力(概ね大気圧)下が好ましい。
【0025】
電子線の照射強度は、電子を発生させるフィラメントに流す電流を変えることによって調節でき、光ファイバの走行速度に連動して調節するのが望ましい。
【0026】
本発明の光ファイバの製造方法においては、光ファイバに電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した後、加速電子の最大エネルギが約120keV以下でかつ平均エネルギが約60keV以上である電子線を照射し、設置した磁場により効率的に被覆材を硬化させると、電子線が光ファイバのコアまで到達しないため、伝送損失の増大を招かず好ましい。
【0027】
電子線硬化性樹脂の液状組成物としては従来公知のもの、例えばポリエーテルウレタンアクリレートを主成分とするものが使用でき、粘度を調整する目的で反応性希釈剤が併用できる。
【0028】
ポリエーテルウレタンアクリレートは、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルに2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネートを反応させ、更にヒドロキシエチルアクリレートなどの水酸基を有するアクリレートを反応させることで得ることができる。硬化皮膜の特性から、望ましい数平均分子量は800〜10,000である。反応性希釈剤はエチレン性不飽和基を有する化合物が望ましく、ラウリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどが例示される。
【0029】
光ファイバに電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工する方法としては、従来公知の方法、例えばダイコート法等が採用できる。電子線硬化性樹脂の液状組成物にポリエーテルウレタンアクリレートを主成分とするものを採用する場合、吸収線量が約10〜約100kGyになるように照射するのが好ましい。吸収線量が約10kGyより小さいと樹脂が硬化不十分であり、約100kGyより大きいと電子線による樹脂の劣化が起こる可能性がある。雰囲気中の酸素濃度は約1,000ppm以下、より望ましくは10〜300ppmにすることが望ましい。酸素濃度が約1,000ppmより高いと表面が硬化不良になるおそれがある。また、本発明の光ファイバの製造方法は光ファイバテープの製造も包含する。この場合には加速電子の最大エネルギが約160keV以下でかつ平均エネルギが約120keV以上の電子線を照射するのが好ましい。
【0030】
なお、光ファイバ裸線に電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工し、電子線照射装置に供給し、電子線を照射し硬化させた後に、光ファイバを巻き取る手段が別途設けられていて、巻き取ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
[実施例1]
真空中(10-4Pa)で発生した熱電子を100kVで加速し、得られた電子線を厚さ10μmのチタン箔に照射し、大気圧下、窒素雰囲気で、加速した電子に平行で光ファイバに垂直な向きに磁束密度1Tの磁場を設けた場合の電子線の飛跡を、下記文献に開示された方法に、磁場によるローレンツ力と相対論効果を加味した方法を用いて、計算機でシミュレートした結果を図2に示す。チタン箔から10mmの距離にある直径が250μmの光ファイバヘの照射効率(=光ファイバに入射する電子線エネルギ/照射した電子線のエネルギ)は8.7%であった。
【0033】
J.Appl.Phys.,Vol.l0,No.6,June 1971 p.678〜686.
J.Appl.Phys.,Vol.43,No.l0,October 1972 p.4233〜4249.J.Appl.Phys.,Vol.52,No.7,July 1981 p.4396〜4405.J.Appl.Phys.,Vol.66,No.12,December 1989 p.6059〜6064.
【0034】
[実施例2]
窒素雰囲気の代わりにヘリウム雰囲気とした以外は実施例1と同一条件で電子の飛跡を同様にシミュレートした。結果を図3に示す。チタン箔から10mmの距離にある直径が250μmの光ファイバヘの照射効率は17.8%であった。
【0035】
[比較例1]
実施例1と同一条件で磁場を設けなかった場合について同様にシミュレートした。結果を図4に示す。チタン箔から10mmの距離にある直径が250μmの光ファイバヘの照射効率は0.7%であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、光ファイバ裸線に電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工し、これを電子線硬化させる場合に、電子線の照射効率が向上したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる光ファイバ製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】実施例1における電子線飛跡状態の説明図である。
【図3】実施例2における電子線飛跡状態の説明図である。
【図4】比較例1における電子線飛跡状態の説明図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 電子線
10 電子線照射部
11,12 開口部
13 不活性ガス用配管
20 電子線発生部
21 電子発生手段
22 電子加速手段
23 電子収束手段
30 ウインドウ
40 磁場発生手段
Claims (6)
- 光ファイバ裸線に電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工し、概ね大気圧下で電子線を照射し硬化させるにあたり、光ファイバ通過部に電子線照射方向と平行で光ファイバに垂直な向きの磁場を設けて照射効率を向上させることを特徴とする光ファイバの製造方法。
- 光ファイバ通過部の磁束密度が0.1T以上であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの製造方法。
- 光ファイバ通過部が不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバの製造方法。
- 不活性ガスがヘリウムであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバの製造方法。
- 電子線が電圧60〜160kVで加速された電子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光ファイバの製造方法。
- 電子線硬化性樹脂の液状組成物が、ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマーと反応性希釈剤を含むものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の光ファイバの製造方法。
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