JP3921271B2 - グルクロン酸転移酵素をコードするdna - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルクロン酸転移酵素(グルクロニルトランスフェラーゼ)をコードする塩基配列を有する新規なDNAに関するものである。より詳しくは神経細胞及び免疫系細胞で特異的に発現するHNK−1エピトープの合成に関与するグルクロン酸転移酵素をコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】
神経系組織及び免疫系細胞に特異的に存在することが知られているHNK−1抗原は、神経系の伸展や相互の接着などに重要な役割を果たすこと及び自己免疫疾患に伴う末梢神経障害の発症の際に上記抗原に対する抗体が増加することが知られている(ファルマシア,32,11,1361-1369(1996))。また、ナチュラルキラーT細胞(NK細胞)に上記抗原は発現しており、また腫瘍細胞に選択的に集まる細胞は上記抗原が発現したT細胞であることが知られている為(Clin. Exp. Immunol.,102,159-166(1995))、上記抗原はNK細胞の異物認識機構及び異物除去機構に関与していると考えられるが、従来の研究においては、NK細胞上に発現した当該抗原は当該細胞のマーカーとして利用されているのみであり、その機能は全く解明されていない。上記抗原はその特異的構造として通常の糖タンパク質や糖脂質には見られない3位が硫酸化されたグルクロン酸を有し、当該抗原の生体内における合成には、グルクロン酸転移酵素が働いていることが明らかである。グルクロン酸転移酵素はグルクロン酸転移酵素−Lとグルクロン酸転移酵素−Pの2種類に大別される(J. Biol. Chem., 267, 32, 22711-22714(1992))が、これらの酵素について詳細は未だ不明である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにHNK−1抗原が神経系の発達、障害に大きく関与していることは明かであるが、そのメカニズムの解明が未だなされていない。特に自己免疫疾患に伴う末梢神経障害は深刻な問題となっているが、その根本的治療法の解明は遅れており、この点からも上記メカニズムの解明が期待される。また、免疫系細胞の異物認識機構及び異物除去機構の解明はされておらず、その解明にはHNK−1抗原の機能を解明することが必要とされる。
【0004】
本発明者らは、HNK−1抗原の機能を解明するために、その生体内での合成において律速段階となる反応を制御するグルクロン酸転移酵素−P(以下「GlcAT−P」とも記載する)を生体組織から抽出・精製することに既に成功していたが、その操作は複雑であり、さらに当該酵素は微量しか得ることができなかった。また、cDNAが未だクローニングされていなかったため、特に生体(細胞)内でのHNK−1抗原の機能解明を進めることが不可能であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題に鑑み、HNK−1抗原の機能解明を早期に実現するべく、その生体内及び生体外での合成の律速段階となるグルクロン酸転移反応を制御する酵素であるグルクロン酸転移酵素−Pの大量生産及び細胞内における当該酵素の機能の解明を可能とするために、グルクロン酸転移酵素−Pの遺伝子を得るべく鋭意検討した結果、上記酵素のcDNAのクローニングに成功し、該cDNAによりGlcAT−Pが発現することを確認して本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、以下の性質を有するグルクロン酸転移酵素のポリペプチドをコードする塩基配列を有するDNAを提供する。
▲1▼作用:
グルクロン酸供与体から、グルクロン酸受容体にグルクロン酸を転移する。
▲2▼基質特異性:
アシアロオロソムコイド及び神経細胞接着分子のN−アセチルラクトサミン残基に特異的にグルクロン酸を転移する。
▲3▼至適反応pH:
pH6.0〜6.5付近(100mM MES緩衝液、37℃)。
▲4▼阻害及び活性化:
Mn2+により活性化される。5mMのネオラクトテトラオース−フェニル−C14H29共存下において活性が維持される。
▲5▼分子量:
還元条件下におけるSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定される分子量が約45,000。ゲルろ過により測定される分子量が約90,000。
【0007】
本発明は、また、配列番号2に示すアミノ酸配列を有し、グルクロン酸供与体から、受容体であるアシアロオロソムコイドにグルクロン酸を転移する活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入又は転位を有していてもよいグルクロン酸転移酵素のポリペプチドの少なくとも一部をコードする塩基配列を有するDNAを提供する。
【0008】
本発明のDNAとして具体的には、配列番号2においてアミノ酸番号1〜347及び75〜347で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAが挙げられる。
【0009】
また、本発明は、上記DNAで形質転換された細胞を、好適な培地で培養し、該DNAが有する塩基配列によってコードされる本酵素のポリペプチドを培養物中に生成蓄積させ、その培養物から前記ポリペプチドを採取することを含む、ポリペプチドの製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<1>本発明のグルクロン酸転移酵素のポリペプチドをコードする塩基配列を有するDNA(本発明DNA)
本発明のDNAが有する塩基配列によってコードされるポリペプチドを含むグルクロン酸転移酵素は、本発明者らによってラットの脳から抽出、精製されたグルクロン酸転移酵素−P(Oka, S., Terayama, K., Kawashima, C., and Kawasaki, T.(1992) J. Biol. Chem. 267, 22711-22714)であり、下記のような理化学的性質を有する。
▲1▼作用:
グルクロン酸供与体から、グルクロン酸受容体にグルクロン酸を転移する。
▲2▼基質特異性:
アシアロオロソムコイド及び神経細胞接着分子のN−アセチルラクトサミン残基に特異的にグルクロン酸を転移する。
▲3▼至適反応pH:
pH6.0〜6.5付近(100mM MES緩衝液、37℃)。
▲4▼阻害及び活性化:
Mn2+により活性化される。5mMのネオラクトテトラオース−フェニル−C14H29共存下において活性が維持される。
▲5▼分子量:
還元条件下におけるSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量が約45,000。ゲルろ過による分子量が約90,000。
【0011】
上記グルクロン酸転移酵素−Pの活性は上記文献に記載の方法に従って測定することができる。グルクロン酸受容体であるアシアロオロソムコイド及び神経細胞接着分子のN−アセチルラクトサミン残基に特異的であるとは、一般に、その残基へのグルクロン酸転移活性が、上記グルクロン酸受容体をグルクロン酸の受容体として使用した際に糖脂質のN−アセチルラクトサミン残基を受容体として使用した際と比較して5倍以上であることをいう。至適pHは同文献に記載の反応液において、100mMHEPES緩衝液を100mM MES緩衝液で置き換えて測定することが可能である。阻害及び活性化は、同反応液に種々の試験物質を加えて活性を測定することにより判定できる。Mn2+での活性化は少なくとも20 mMの濃度で認められる。また、活性の維持とは通常には糖脂質性阻害剤非存在下に比べ70%以上の活性を維持することをいう。糖脂質性阻害剤の例としては、ネオラクトテトラオース−フェニル−C14H29が挙げられる。
【0012】
また、上記グルクロン酸転移酵素−Pは、通常は、次の性質も有する。2価陽イオン非存在下では活性が著しく低下する。N−エチルマレイミドにより活性が阻害される。スフィンゴミエリンにより活性化される。
【0013】
分子量の測定は、酵素タンパク質について一般に採用される条件で行われる。
本発明のDNAは、本発明により初めて単離されたDNAであり、GlcAT−Pのポリペプチドの少なくとも一部をコードしているのであればその塩基配列は特に限定はされない。また、本発明DNAが有する塩基配列がコードするGlcAT−Pのポリペプチドはグルクロン酸供与体から、グルクロン酸受容体であるアシアロオロソムコイドにグルクロン酸を転移する活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入又は転位を有していてもよく、そのようなDNAの何れもが本発明のDNAに包含される。該活性の測定方法は公知であり(例えば、J. Biol. Chem., 267,22711-22714(1992)など)、当業者であれば、目的とする酵素活性の有無を指標として、該活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入及び転位をアミノ酸配列に有する本酵素を容易に選択することができる。
【0014】
本発明DNAとして具体的には配列番号2においてアミノ酸番号1〜347で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAが挙げられ、かつ好ましい。本発明DNAが有する塩基配列として更に具体的には、配列番号1に示す塩基配列の少なくとも一部又は全てを有するDNAが挙げられ、かつ好ましい。このようなDNAとして具体的には、配列番号に示す塩基配列における塩基番号195〜1238の塩基配列を有するDNAが挙げられる。
【0015】
配列番号1に示す塩基配列において、GlcAT−PcDNAのオープンリーディングフレームには7つのイン・フレームのATGコドンが含まれている。第1番目のATGコドンの周囲の塩基配列は、真核細胞の翻訳開始部位の共通配列と比較すると、−3の位置のプリンが保存されており、+4の位置のG(グアニン)も保存されている。このことは、効率的な翻訳に関するKozakの知見(Kozak, M. (1986)Cell, 44,283-292)を満足している。また、第2、第5〜第7番目のATGコドンの周囲の塩基配列も、−3の位置がプリン(それぞれG、A(アデニン)、G、G)であり、第4番目のATGコドンの周囲の塩基配列は−3の位置がプリンではない(C(シトシン))が、+4の位置のGが保存されており、第3番目のATGコドン以外は何れのATGコドンも開始コドンとして機能する可能性がある。
【0016】
ところで、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼは、フレーム内に2つのATGコドンを含むことが知られている(Nakazawa, K. et al. (1988) J. Biochem. 104, 165-168、Shaper, N. et al. (1988) J. Biol. Chem., 263, 10420-10428)。また、Shaperらは、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼは、2箇所からの翻訳開始の結果、長いものと短いものとの両方の形態が合成されることを示している。さらに、Lopezらは、長い形態のものは原形質膜を優先的に標的とし、短い形態のものは主としてゴルジ体内に存在することを示唆する証拠を示している。(Lopez, L. et al. (1991) J. Biol. Chem., 266, 15984-15991)。同様に、GlcAT−Pについても、複数のATGコドンが開始コドンとして機能する可能性はあるが、定かではない。しかし、何れのATGコドンが開始コドンであっても、上記のグルクロン酸転位酵素−Pをコードする点では同じであり、第2番目、第4番目〜第7番目のATGコドンから始まる塩基配列を有するDNAも本発明に包含されるものである。
【0017】
第1番目のATGコドンで始まる単一のオープンリーディングフレームからは、347アミノ酸残基からなり、39,706Daのタンパク質が予測される。このアミノ酸配列から作成したハイドロパシープロットから、N−末端から20〜36番目のアミノ酸残基に渡る長さ17残基の1つの顕著な疎水性部分を認められ、トランスメンブレン(膜貫通)ドメインを有するTypeIIの膜タンパク質であることが予想される。また、この膜貫通ドメインのすぐC末端側には比較的プロリンが多く存在することが認められる。このようなプロリンに富む領域は、他のいくつかの糖転移酵素においてもみつかっており、膜貫通ドメインと活性ドメインを結ぶネック領域を形成していると考えられる。したがって、この領域よりN末端側を短縮化しても活性には影響しないと考えられ、また、膜貫通ドメインのほとんどを短縮化により欠失させれば、可溶化形態のグルクロン酸転移酵素を得ることができる。本発明は、このような可溶化タンパク質形態のグルクロン酸転移酵素のポリペプチドの少なくとも一部をコードするDNAも包含する。このようなポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号2においてアミノ酸番号75〜347で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAが挙げられる。
【0018】
本発明DNAは、このDNAが有する塩基配列によってコードされるGlcAT−Pのポリペプチドが、グルクロン酸供与体からグルクロン酸受容体である糖タンパク質の構成糖にグルクロン酸を転移する活性を実質的に害さない限り、1つ又は2つ以上のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入又は転位を起こすようなヌクレオチドの置換、欠失、挿入又は転位を有していてもよい。ヌクレオチドの置換、欠失、挿入又は転位は、両末端に制限酵素切断末端を持ち、変異点の両側を含む配列を合成し、未変異DNAが有する塩基配列の相当する部分と入れ換えることにより、DNAに挿入することができる。また、部位特異的変異法(Kramer, W. and Frits, H. J., Meth. in Enzymol., 154, 350(1987);Kunkel, T.A. et al., Meth. in Enzymol., 154, 367(1987))などの方法によっても、DNAに置換、欠失、挿入又は転位を導入することができる。本酵素の活性の測定方法は公知であり(例えば、J. Biol. Chem., 267,22711-22714(1992)など)、当業者であれば、目的とする酵素活性の有無を指標として、該活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入又は転位をアミノ酸配列に有する本酵素をコードするDNAにおける塩基配列の置換、欠失、挿入又は転位を容易に選択することができる。
【0019】
なお、遺伝暗号の縮重による異なった塩基配列を有するDNAも本発明DNAに包含されることは、当業者であれば容易に理解されるところである。
さらに、染色体由来のGlcAT−P遺伝子は、コード領域にイントロンを含むことが予想されるが、そのようなイントロンで分断されているDNA断片であっても、GlcAT−Pのポリペプチドの少なくとも一部をコードする限り、本発明のDNA断片に包含される。すなわち、本明細書において「コードする」とは、転写時にプロセッシングを受けて最終的に目的のポリペプチドを生じうる塩基配列を有することも包含する。
【0020】
また、本明細書において「ポリペプチドの少なくとも一部をコードする」とは、好ましくは、GlcAT−P活性を有する、抗原性を有するなどの何らかの活性ないし機能を有する部分、あるいは、その部分に相当する塩基配列がそのGlcAT−Pに特異的であって、プライマーやプローブとして使用できる部分をコードすることを意味する。
【0021】
なお、本発明DNAには、本発明DNAに相補的なDNA又はRNAも包含される。さらに本発明のDNAは、GlcAT−Pをコードするコード鎖のみの一本鎖であってもよく、この一本鎖及びこれと相補的な配列を有するDNA鎖またはRNA鎖からなる二本鎖であってもよい。
【0022】
また、本発明DNAは、GlcAT−Pのポリペプチド全体をコードするコード領域全長の塩基配列を有していてもよく、またGlcAT−Pのポリペプチドの一部分をコードする塩基配列を有するものであってもよい。
【0023】
以下、本発明DNAを得る方法について説明する。本発明により本発明DNAが有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列が明らかにされたので、その配列に基づいて作成したオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCR法(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法)によって染色体DNAあるいはmRNAから本発明のDNAを増幅することによって取得することも可能であり、また、特に以下の工程からなるcDNAクローニングにより製造することも可能である。
(1)精製したGlcAT−Pのポリペプチドの少なくとも一部のアミノ酸を決定する。
(2)上記アミノ酸配列に基づいてオリゴヌクレオチドプライマーを作成する。(3)哺乳類の組織より抽出したRNAから上記プライマーを用いてPCR法によりcDNAを増幅することによって前記転移酵素のプローブを作成する。
(4)上記プローブによって哺乳類の組織由来のcDNAライブラリーをスクリーニングする。スクリーニングによって、通常には上記転移酵素の完全長cDNAを選択する。
【0024】
しかし、本発明のDNAの製造方法はこれに限定されるものではなく、上記PCR法や、他の公知のcDNAクローニングの手法によっても本発明DNAを製造することができる。
【0025】
以下に、本発明のDNAを製造する方法を具体的に説明する。
(1)グルクロン酸転移酵素−P(GlcAT−P)のアミノ酸配列の決定
(i)GlcAT−Pの精製
GlcAT−Pは、例えばヒト、ラット、マウス、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ等の哺乳類の脳などのGlcAT−Pを発現する組織の細胞から、通常のタンパク質の精製方法、およびGlcAT−Pの基質(例えばウリジン2リン酸(UDP)−グルクロン酸など)あるいは阻害剤(前記糖脂質性阻害剤など)を用いたアフィニティークロマトグラフィを組み合わせることによって精製することが可能であるが、ラットの脳を使用することが好ましい。具体的には、例えばJ. Biol. Chem. 267, (32),22711-22714(1992)に記載された方法に従って行うことができる。
【0026】
(ii)GlcAT−Pの部分アミノ酸配列の決定
精製したGlcAT−Pを断片化する方法は特に限定はされず、タンパク質分解酵素と共にインキュベートするなど公知の方法でタンパク質を断片化することができる。具体的なタンパク質分解酵素の例としてはトリプシンが挙げられる。トリプシンでGlcAT−Pを処理し、その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いて分離することができる。タンパク質分解酵素消化後に生じたペプチドは、公知の方法によりアミノ末端配列決定を行うことが可能である。具体的には例えばモデル476Aプロテインシークエンサー(アプライド バイオシステムス(Applied Biosystems)製)などを用いてアミノ酸の配列を分析することが好ましいがこれに限定はされない。なお、業者に依頼してアミノ酸配列を決定してもらうことも可能である。
【0027】
(iii)オリゴヌクレオチドプライマーの合成
GlcAT−Pの部分的アミノ酸配列に基づき、PCR用オリゴヌクレオチドプライマーを作成する。アミノ酸配列のうち、なるべくコドンの縮重の少ない部位を用いることが好ましい。このような縮重オリゴヌクレオチドプライマーの例を、図1に示す(センスプライマー:配列番号6、9、10;アンチセンスプライマー:配列番号7、8、11)。
【0028】
(2)GlcAT−P部分的cDNAの調製とプローブの作成
▲1▼mRNAは、公知の方法(Kingston, R. S., (1991) in Current Protocols in Molecular Biology, Suppl. 14, Unit 4.2, Greene Publishing Associates and Wiley Interscience, New Yorkなど)で得ることができる。材料は、GlcAT−PのmRNAを発現している材料であれば限定はされないが、前記例示の哺乳類の組織が好ましく特にラットの大脳皮質が好ましい。特に上記酵素のmRNAを強く発現していることから、2週齢前後のラットの大脳皮質が好ましい。
【0029】
全RNAは、前述の材料から通常用いられるmRNAの調製法により得ることができるが、グアニジンチオシアネート/CsCl法(Kingston, R. B., (1991) in Current Protocols in Molecular Biology, Suppl. 14, Unit 4.2, Greene Publishing Associates and Wiley Interscience, New York)あるいはグアニジウムチオシアネート−フェノール−クロロホルム法(Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem., 162, 156-159(1987))で調製することが簡便なため好ましい。
【0030】
▲2▼逆転写反応及びPCR法を用いたGlcAT−P部分的cDNAの増幅
上記mRNAを鋳型として、ランダムプライマー或いはオリゴdTプライマーを用いた逆転写反応により鋳型DNAを作成し、この鋳型DNAを基にPCR法により、GlcAT−P部分的cDNAを増幅することができる。逆転写反応は、通常の方法と同様にして行えばよいが、具体的方法を示すならば以下の通りである。20μgのmRNA、40pmolのランダムプライマー又は縮重オリゴヌクレオチドプライマー、それぞれ500μMの4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、200単位のM−MLV逆転写酵素(ギブコ(Gibco BRL))、10mMジチオスレートール(DTT)、30単位のヒト胎盤由来リボヌクレアーゼ(RNase)インヒビターを含む緩衝液(終体積40μ)を、42℃で1時間インキュベートする。このようにして得られた逆転写反応産物を基に、前述の縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCR法を行う。具体的には上記の逆転写反応混合液2μl(mRNA1μg相当)、100pmolの上記の縮重オリゴヌクレオチドプライマー、それぞれ500μMの4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、1.25単位のTaqポリメラーゼを含む反応液(終体積25μl)に対し、94℃30秒、45℃60秒、72℃90秒を35サイクル繰り返し行う。その後、更に上記縮重オリゴヌクレオチドプライマーの内部プライマーを用いて94℃30秒、45℃60秒、72℃90秒を20サイクル繰り返し行う。このPCR法による産物を例えばpCRIIなどの適当なプラスミドにサブクローニングして既知の一般的な方法により塩基配列を決定する。この塩基配列より上記縮重オリゴヌクレオチドプライマーの内、正確な塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーのみを合成する。上記オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCR法を行う。上記逆転写反応混合液1μl、20pmolの上記の正確な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー、それぞれ500μMの4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、1.25単位のTaqポリメラーゼを含む反応液(終体積25μl)に対し、94℃30秒、45℃60秒、72℃90秒を35サイクル繰り返し行う。このようにして得られた部分的cDNAは、cDNAライブラリーから完全長cDNA(コード領域全長を含むcDNA)をスクリーニングするためのハイブリダイゼーションプローブとして用いられる。特にハイブリダイゼーションプローブとして使用する部分的cDNAを増幅する際は、例えばランダムプライマーラベル法などにより[32P]dCTPで標識したcDNAライブラリースクリーニングのための放射性プローブを作成することができる。
【0031】
(3)cDNAライブラリーの作成
(i)cDNAの合成と組み換えDNAの作成
cDNAは、mRNAを鋳型とした逆転写反応により通常の方法を用いて合成することができる。合成する際は市販のcDNA合成用キットを用いるのが便利である。例えばTimeSaver cDNA synthesis kit(ファルマシアLKBバイオテクノロジー)を用いると、cDNAの合成及びcDNAをクローニングベクターに連結することもできる。また、市販のcDNAライブラリーを用いることにより、より簡便にcDNAを得ることも可能である。本発明においては、クロンテック製の18日齢のSD−ラットの胎児脳から得られたmRNAから構築したcDNAをλgt11に導入したライブラリーを用いている。クローニングベクターに結合した状態のこれらの組み換えDNAを宿主細菌細胞中に導入(トランスフェクション)する。用いる宿主細菌細胞は、用いるクローニングベクターにより選択する必要があるが、通常は大腸菌(エシェリキア・コリ:Escherichia coli(E. coli))を宿主とするクローニングベクターと大腸菌との組合せが頻用されているがこれに限定はされない。トランスフェクションは通常、組み換えDNAと30mM塩化カルシウムの存在下で細胞膜の透過性を変化させた大腸菌とを混合することにより行われる。λgt11やLamda ZAPのようなλファージベクターの場合、組み換えDNAを直接塩化カルシウム処理した大腸菌に導入もできるが、予め試験管中でファージ外殻にいれて(in vitroパッケージングという)、大腸菌に効率よく感染させる方法が一般に使用されており、市販されているパッケージング用のキット(Gigapack II packaging extract、ストラタジーン(Stratagene)製など)を用いてパッケージングを行うことも可能である。パッケージングした組み換えDNAは、大腸菌にトランスフェクションするが、用いるクローニングベクターによって用いる大腸菌株を選択する必要がある。すなわち、抗生物質耐性遺伝子を含むクローニングベクターを用いる場合は、大腸菌に抗生物質に対する耐性の性質があってはならず、また、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)などの遺伝子を含むクローニングベクターを用いる場合は、β−ガラクトシダーゼ活性を発現しない大腸菌を選択する必要がある。このことは、組み換えDNAがトランスフェクションされた大腸菌をスクリーニングするために必要なことである。例えば、λgt11やLamda ZAPクローニングベクターを用いる場合、E.coli Y1090r-やE.coli XL−1 Blueなどの大腸菌を選択すればよい。組み換えDNAや組み換えプラスミドが導入された大腸菌は抗生物質に対する耐性の獲得や、β−ガラクトシダーゼ活性の獲得などによりスクリーニングすることが可能である。具体的には、大腸菌を寒天培地にまき、形成されたプラークを選択すればよい。生育した大腸菌(組み換えDNAがトランスフェクションされた大腸菌)は、cDNAライブラリーを構成する。プラスミドにブルースクリプトを用いた場合は、指示菌と共に、軟寒天培地に懸濁し、寒天培地上に重層してプラークを形成させればよい。DNA断片が挿入されたプラスミドを保持するファージプラークはβ−ガラクトシダーゼ活性を発現しないので、容易に選択することができる。
【0032】
(ii)GlcAT−P完全長cDNAスクリーニング
次に上記のようにして得られたcDNAライブラリーから、GlcAT−P完全長cDNAを有するファージクローンを、GlcAT−P部分的cDNAをプローブとしてハイブリダイゼーションによりスクリーニングすることができる。スクリーニングは例えば、上記のプラスミドを保持した大腸菌のコロニーをニトロセルロース膜やナイロン膜等にレプリカし、当該膜上で部分的cDNAプローブとハイブリダイゼーションすることによって容易に行うことができる。選択された陽性クローンから、ファージDNAを調製し、適当な制限酵素で切断することによりGlcAT−PcDNAを切り出すことができる。
【0033】
(iii)GlcAT−PcDNAの塩基配列の決定
上述のPCR法を様々なオリゴヌクレオチドプライマー及びオリゴdTプライマーの組合せにより行い作成したDNA断片及び上記のクローニングにより得られたcDNAをそのまま、あるいはpCRIIなどの適当なプラスミドにサブクローニングして、既知の一般的な方法により塩基配列を決定する。
【0034】
上記のようにして決定されたGlcAT−PcDNAの塩基配列及びこの塩基配列から予想されるアミノ酸配列を配列番号1に、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。
【0035】
可溶化タンパク質形態のGlcAT−PのポリペプチドをコードするDNAは以下のようにして取得できる。すなわち、先ず、配列番号1に示す塩基配列に基づき、N−末端側で適当な短縮化形態となるように選択したプライマーを合成し、クローン化したGlcAT−PのcDNAを鋳型としてPCR法により増幅する。例えば、N−末端の74残基が欠失した短縮化形態のポリペプチドをコードするDNAを得る場合には、配列番号19及び20に示す塩基配列を有するプライマーをそれぞれ5’プライマー及び3’プライマーとして用いてPCRを行えばよい。次いで、増幅して得られたPCR産物を必要により精製して目的DNAを得る。
【0036】
<2>本発明DNAを利用したGlcAT−Pポリペプチドの製造方法
上記本発明DNAで形質転換された細胞を、好適な培地で培養し、本発明DNAがコードするポリペプチドを培養物中に生成蓄積させ、その培養物から本発明ポリペプチドを採取することによって、GlcAT−Pのポリペプチドを製造することができる。
【0037】
本発明DNAで形質転換された細胞は、発現ベクターに本発明DNAの断片を挿入して組み換えプラスミドを構築し、この組み換えプラスミドを用いて形質転換を行うことによって得ることができる。細胞としては大腸菌などの原核細胞や、哺乳類などの真核細胞が例示される。
【0038】
組み換えプラスミドの構築の具体例としては以下の方法が挙げられる。すなわち、本発明のDNAをpGIR201protA(Kitagawa,H. and Paulson,J.C.,J. Biol. Chem.,269,1394-1401(1994))のEcoRI−BamHI領域に通常の方法により組み込み、GlcAT−Pとインスリンシグナル配列及びプロテインAの融合タンパク質の遺伝子を同一読み出し領域に有するベクターを構築する。次いで、このベクターから融合タンパク質をコードするNheI断片を切り出し、上記と同様の操作によりpEF−BOS(Mizushima, S. and Nagata, S., Nucleic Acids Res., 18, 5322(1990))のXbaI領域に連結させる。
【0039】
本製造方法においては、タンパク質の製造に通常用いられる宿主−ベクター系を使用することができ、例えば、COS−1細胞などの哺乳類細胞と、pEF−BOSなどの哺乳類細胞用発現ベクターの組合せを採用することが好ましい。培地や培養条件は、用いる宿主すなわち細胞に合わせて適宜選択される。
【0040】
本発明DNAは、直接発現させてもよいし、他のポリペプチドとの融合ポリペプチドとして発現させてもよく、また、本発明DNAは、全長を発現させてもよいし、一部を部分ペプチドとして発現させてもよい。上記のようなポリペプチドを発現させるためのDNAやそのDNAを発現させるための方法も本発明に包含される。
【0041】
培養物からの上記ポリペプチドの採取は、公知のポリペプチドの精製方法によって行うことができる。具体的には例えば、アシアロオロソムコイドあるいはUDP−グルクロン酸などを結合したセファロースカラムを用いるアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。なお培養物には、培地及び当該培地中の細胞が包含される。
【0042】
このようにして得られるGlcAT−P及びその融合タンパク質を用いて前述のHNK−1を大量に合成することが可能である。合成したHNK−1抗原は、例えば該抗原に対する抗体が血中で増加することが知られている自己免疫疾患に伴う末梢神経障害を検出する診断薬としての医薬用途などに使用することが可能である。すなわち具体的には、前記抗体を該抗原に結合させ、結合した抗体量を測定することにより前記疾患を検出することができる。また、GlcAT−P、その融合タンパク質及び本発明DNAを組み込んだ細胞などは、HNK−1抗原の神経系の発達や機能、免疫系の機構、更に生体内におけるGlcAT−Pの機能の解明を進める為の試薬として研究用途に使用することも可能である。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はその要旨を超えない限りこれに限定されるものではない。
<1>ラットのGlcAT−Pの調製及びアミノ酸配列の分析
J. Biol. Chem. 267, 22711−22714に記載の方法に準じ、UDP−グルクロン酸を結合したセファロースカラムを使ったアフィニティークロマトグラフィーによりGlcAT−Pを精製した。GlcAT−Pは、同文献に記載された条件でUDP−グルクロン酸を結合したセファロースカラムを使ったアフィニティークロマトグラフィーを行うと、0.4%(v/v)Nonidet P−40(商品名)、1M NaCl及び10mM EDTAを含む10mM HEPES緩衝液(pH 6.5)で溶出される。
【0044】
精製したGlcAT−PをpH9.0の50mM Tris−HCl緩衝液中で37℃の条件下で一晩トリプシンにより消化した。この消化産物を回収してフィルターにかけ、凍結乾燥した。1%(V/V)アセトニトリルを含む移動相A(0.06%(V/V)トリフルオロ酢酸(TFA))18μlにこの凍結乾燥物を溶解し、逆相カラム(2.1×150mm)でHPLCを行った。ペプチドの溶出は、流速3.3μl/min、100分間で2%〜100%までの移動相B(0.052%(V/V)TFAを含む80%(V/V)アセトニトリル)の濃度勾配により行った。ペプチドの画分は214nmの吸光度をモニターしながら手作業で回収して、アミノ酸配列を決定した。アミノ酸配列決定はモデル476Aプロテインシークエンサー(アプライド バイオシステムス(Applied Biosystems)製)で行った。表−1に結果を示す。下線は縮重オリゴヌクレオチドプライマーの合成の基となったアミノ酸配列である。また、小文字で表したアミノ酸は同定が不確かであったものを示す。
【0045】
【表1】
【0046】
<2>GlcAT−P部分cDNAのPCRによる増幅
(1)PCR用プライマーの作成
上記ペプチドの1、2及び3の下線のアミノ酸配列に基づいて、図1に示すデオキシイノシン置換を有する末端及び内部のプライマーの縮重オリゴヌクレオチドを作成した(鋳型DNA配列を持つプライマーPr.1-s(配列番号6)、Pr.2-so(配列番号9)、Pr.2-si(配列番号10)、鋳型の相補的配列を持つプライマーPr.1-ao(配列番号7)、Pr.1-ai(配列番号8)、Pr.2-a(配列番号11))。
【0047】
(2)PCR法
2週齢のラットの大脳皮質からグアニジンチオシアネート−フェノール−クロロホルム法により調製した全RNA(20μg)を鋳型とし、ランダムプライマーを用いてcDNAの一本鎖を合成し(全量40μl)、これを逆転写反応混合液としてPCRの鋳型として使用した。PCR反応液は、2μlの上記逆転写反応混合液、100pmolの末端プライマーpr.1-s及びpr.1-aoの混合物(又はpr.2-so及びpr.2-a)、それぞれ500μMの4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、及び1.25UのAmpliTaqポリメラーゼ(パーキン エルマー(Perkin Elmer)製)を含む混合液25μlとした。増幅は以下のように行った。解離反応は94℃で30秒、アニーリングは45℃で60秒、伸長反応は72℃で90秒の条件で35サイクル行った。この操作によって生じた増幅物質1μlに対し、プライマーとしてpr.1-s及びpr.1-aiの混合物(又はpr.2-si及びpr.2-a)を用いて再度PCRを行った。増幅は、94℃で30秒、45℃で60秒、72℃で90秒のサイクルを20回繰り返して行った。この操作によって生じた増幅物質を常法によりアガロースゲル電気泳動を行い解析すると、pr.1-s及びpr.1-aiを用いて作製した増幅物質では約260bp(A1)、pr.2-si及びpr.2-aを用いて作製した増幅物質では約210bp(A2)のDNAのバンドが検出された。
【0048】
<3>GlcAT−P完全長cDNA
(1)ハイブリダイゼーション用プローブの作成
上記A1及びA2の増幅物質を常法によりpCRII(インビトロゲン(Invitrogen)製)にサブクローンし、塩基配列を解析した。塩基配列はABI PRISM Dyeterminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit(パーキン エルマー(PERKIN ELMER)製)を使用して解析した。解析結果に基づいて、A1増幅時に使用したプライマーpr.1-sの隣に位置する配列(pr.a(配列番号12))及びA2増幅時に使用したプライマーpr.2-siの隣に位置する配列(pr.b(配列番号13))を合成した。20pmolのpr.a及びpr.b、2μlの逆転写反応混合液、ならびに500μMの4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸を含む最終量25μlの溶液でPCRを行い増幅物質を調製した(gf.a)。PCRは上記同様、94℃30秒、47℃60秒、72℃50秒のサイクルを35回繰り返すことによって行った。このようにして増幅されたgf.aをpCRIIへサブクローニングし、塩基配列を決定した(配列番号16)。また、このプラスミドを大量に調製後、EcoRIで消化して切り出し、大量のgf.aを得て、スクリーニングに使用した。
【0049】
(2)GlcAT−PcDNAクローンのスクリーニング
SDラットの18日齢の胎児の脳由来のmRNAから構築したλgt11cDNAライブラリーをクロ−ンテック(Clonetec)社から購入した。このラット胎児脳cDNAライブラリーを、宿主の大腸菌(Escherichia coli)Y1090r-に感染させ、プレートに重層し、プラークを形成させた。150mmのディッシュ10枚を用いて約5×105個のプラークをスクリーニングした。生じたプラークをOPTITRAN BA−S 85 ニトロセルロース膜(シュライシャーアンド シュエル(Schleicher & Schuell)製)に転写した後UVクロスリンクを行った後、50%ホルムアミド、50mM、pH7.0リン酸緩衝液、5×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)、0.5% スキムミルク、0.1% SDSと100μg/mlの酵母tRNAを含む溶液中、42℃で16時間プレハイブリダイズした。その後、32Pでラベルしたgf.aを上記バッファーに加え、42℃で16時間ハイブリダイズした。フィルターを、室温で2×SSC、0.5×SDS、65℃で1×SSC、0.1% SDS、更に65℃で0.2×SSCにより洗浄し、オートラジオグラフィーにより17個の陽性クローンを検出し、8つのクローンを単離した。
【0050】
(3)GlcAT−PcDNAクローンの塩基配列
上記8つのクローンからファージDNAを調製し、ベクターDNAからcDNA挿入断片をPCR法を行うことにより得た。このcDNA断片を鋳型としてABI PRISM Dye terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit(パーキン エルマー(PERKIN ELMER)製)を用いたデオキシチェーンターミネーション法(Sanger, F., Nicklens, S., and Coulson, A. R.(1977)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 74, 5463-5467)により、両方の鎖のヌクレオチド配列を独立に決定した。その結果、全てに共通した部位gf.bの塩基配列(配列番号17)が決定された。
【0051】
(4)GlcAT−PcDNA5’末端部の合成と塩基配列の決定
上記gf.bの塩基配列より、5’末端部の塩基配列が欠損していることが明らかとなったため、cDNAの5’末端側は2週齢のラットの大脳皮質由来のmRNAから直接増幅した。pr.bを用いて逆転写反応を行った後、その3’末端にターミナルデオキシトランスフェラーゼを用いてポリAを付加した。この反応生成物を、オリゴdTとpr.c-1(配列番号14)をプライマーとして上記と同条件でPCR法を行い、その後、オリゴdTとpr.c-2(配列番号15)をプライマーとして更に上記と同条件でPCR法により増幅した。その結果、約600bpのDNA断片が得られ(gf.c(配列番号18))、この断片を既知の方法により増幅した後、インビトロゲン製のpCRIIにサブクローニングして、上記同様の方法により両方の鎖のヌクレオチド配列を独立に決定した。
【0052】
(5)GlcAT−PcDNA全長に渡る塩基配列の決定
gf.bとgf.cの塩基配列を組み合わせることによりGlcAT−PcDNAの全塩基配列が決定された。なお、gf.a、gf.b及びgf.cの各断片並びに各プライマーの位置関係を図2に示す。
【0053】
このようにして判明したGlcAT−PのcDNAの塩基配列(配列番号1)から推定されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号2に示す。1つのオープンリーディングフレームは347アミノ酸残基からなり、このcDNAによりコードされるポリペプチドの分子量はそのアミノ酸構成から39706と推定される。また、このポリペプチドはN−結合グリコシレーションが可能な部位を3カ所有する。このポリペプチドが膜貫通領域を有するか否か、有するとすればその位置を決定するために、推定されたアミノ酸配列からハイドロパシープロットを作成した。ハイドロパシープロットは、Hopp and Woodsの方法(Hopp,T.P. and Woods,K.R.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,78,3824-3828(1981))により、5アミノ酸のウィンドウで計算した。プロットの解析から、アミノ末端側に、長さ17残基からなる1つの顕著な疎水領域が認められ、膜貫通領域であることが推定された。このポリペプチドは膜貫通領域のN末端側には19アミノ酸残基からなる領域を有するタイプIIの膜タンパク質であることが明らかになった。
【0054】
(6)ノザンブロッティング
成体ラットの組織(大脳皮質、小脳、脳全体、肺、肝臓、腎臓、回腸、精巣、リンパ節、胸腺、脾臓、心臓及びマクロファージ)からAnal. Biochem. 162, 156-159記載のグアニジウムチオシアネート−フェノール−クロロホルム法により全RNAを調製した。1%アガロース−ホルムアルデヒドゲル電気泳動により各レーン10μgずつの各RNAを分子量分画し、Hybond N+ ナイロン膜(アマシャム(Amersham)製)にブロッティングした。このナイロン膜に32PラベルしたGlcAT−PcDNAを65℃で14時間、7% SDS、1mM EDTA及び1% ウシ血清アルブミン(BSA)を含む0.5M NaH2PO4(pH7.2)溶液中でハイブリダイズさせた。洗浄は、室温で2×SSC、1%SDS、65℃で0.2×SSC、0.1%SDS、更に65℃で0.1%SDS、0.1×SSCで行った。その後、放射活性をイメージアナライザー(Bas 2000、富士フィルム製)で解析した。この結果、大脳皮質、小脳及び脳全体でGlcAT−PのRNA(主要成分の4.0kb及びマイナー成分の9.1kb)が発現していることが明らかになった。肝臓、腎臓などの末梢組織では発現は認められなかった。
【0055】
(7)発現用ベクターの構築
配列番号1記載の塩基配列を有するDNA断片を、2週齢のラットの脳のmRNAから5’側プライマーと、終止コドンの18bp5’寄りにBamHI領域を有する3’側プライマーを用いて上記同様の手法を用いて逆転写反応によりDNAの一本鎖を合成した後、上記PCR法と同様の条件で増幅して得た。このDNA断片を既知の方法により平滑化した後、BstXIで消化して平滑化し、次いで、脱リン酸化した哺乳類細胞用ベクターpEF−BOS(Nagata,S.(大阪バイオサイエンス研究所)より入手)に既知の方法により連結させた。
【0056】
(8)可溶化タンパク質形態のGlcAT−PcDNAを組み込んだ発現用ベクターの構築
GlcAT−Pのトランスメンブレン領域にあたると考えられるN末端から74アミノ酸残基までが欠失したGlcAT−Pの短縮化形態をコードするDNAを、クローン化したGlcAT−PのcDNAを鋳型として、インフレームのEcoRI領域を含む5’側プライマー(配列番号19)と3’側プライマー(配列番号20)を用いてPCR法により増幅した。増幅して得られたDNA断片をpGIR201protA(Kitagawa,H. and Paulson,J.C.,J. Biol. Chem.,269,1394-1401(1994))のEcoRI−BamHI領域に通常の方法により組み込み、GlcAT−Pとインスリンシグナル配列及びプロテインAの融合タンパク質の遺伝子を同一読み出し領域に有するベクターを構築した。正確な配列を有するクローンを選択し、融合タンパク質をコードするNheI断片を切り出し、上記発現ベクターの構築方法同様の操作により目的DNA断片をpEF−BOS(Mizushima, S. and Nagata, S., Nucleic Acids Res., 18, 5322(1990))のXbaI領域に連結させた。
【0057】
(9)COS−1細胞における可溶化タンパク質形態GlcAT−Pのトランジェントな発現
100mmのディッシュ上でCOS−1細胞(ATCC:CRL−1650)を培養し、24時間後に上記可溶化タンパク質形態のGlcAT−PcDNAを連結した発現ベクターpEF−BOS8.2μgをLipofectAMINE(ライフ テクノロジー(Life Technologies)製)を用いトランスフェクションした。トランスフェクション5日後に当該細胞の培養上清を回収し、アシアロオロソムコイドをグルクロン酸受容体として使用してGlcAT−P活性を測定した。活性の測定はJ. Biol. Chem., 267,22711-22714(1992)に従って行った。対照として組換え遺伝子を含まないpEF−BOSベクターをトランスフェクションしたCOS−1細胞の培養上清を用いた。結果を表−2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
また、培地中の可溶化タンパク質形態のGlcAT−Pはアシアロオロソムコイドを結合したセファロースカラムで単離することができた。通常のGlcAT−Pは70位と317位にシステイン残基を有するが、精製した可溶化タンパク質形態のGlcAT−Pは317位のシステイン残基のみを有している。可溶化タンパク質形態のGlcAT−Pが活性を有すること及びSH基のブロッキング剤であるN−エチルマレイミドを添加して当該タンパク質の活性を調べた際に活性が完全に失われるという2つの結果より、それぞれのシステインはジスルフィド結合は形成しておらず、317位のシステイン残基のSH基は当該酵素の活性と関連する部位であることが判明した。
【0060】
(10)Lec2細胞におけるGlcAT−Pのトランジェントな発現
CHO細胞の変異体であり、グルクロン酸の受容体である糖タンパク質のN−アセチルラクトサミン残基を有するLec2細胞(ATCC:CRL−1736)に完全長のGlcAT−PcDNAを接続したpEF−BOSベクターをトランスフェクションした。Lec2はCMP−シアル酸の輸送系を欠き、細胞表面にN−ラクトサミン残基の末端のシアル酸を欠く糖タンパク質を発現している。その為、GlcAT−PによるN−ラクトサミン構造へのグルクロン酸転移活性が、内在性のシアル酸転移酵素活性との競争による阻害が起こらないため、よりGlcAT−Pの生理活性が顕著に表れやすいと考えられる。60mmの培養皿に24時間上記細胞を培養し、完全長のGlcAT−PcDNAを連結、または何も連結していない対照のpEF−BOSベクター3μgをLipofectAMINE(ライフ テクノロジー(Life Technologies)製)を用いトランスフェクションした。72時間後、1mM EDTAを含むPBS緩衝液で回収し、抗パラグロボシド抗体であるH11(Taki,T(東京医科歯科大学)より入手)、HNK−1エピトープ中のグルクロン酸を認識するM6749(Tanaka,H.(熊本大学)より入手)、硫酸化されたグルクロン酸を認識するHNK−1抗体(ATCC:TIB−200)及び対照のマウスIgM抗体をそれぞれ一次抗体として4℃で1時間反応させた。EDTAを含むPBS緩衝液で細胞を洗浄した後、FITCを結合した抗マウスIgM抗体を二次抗体としてそれぞれの一次抗体により処理した細胞に反応させ、FACSで解析した。その結果を図3に示す。完全長GlcAT−PcDNAを導入してもH11抗体による染色が変化しないことから、GlcAT−Pは糖脂質性のグルクロン酸受容体であるパラグロボシドにはグルクロン酸を転移しないことが明らかであり、HNK−1抗体による染色が変化しないことから、Lec2には転移されたグルクロン酸を硫酸化する酵素が欠損していることが明らかである。M6749による染色量が増加していることから、当該cDNAから生じるGlcATが正常にグルクロン酸を転移していることが明らかである。
【0061】
(11)COS−1細胞におけるGlcAT−Pのトランジェントな発現
ラミニンコートした60mm培養皿にCOS−1細胞を培養し、24時間後に完全長のGlcAT−PcDNAを連結したpEF−BOSベクター3μgをLipofectAMINE(ライフ テクノロジー(Life Technologies)製)を用いトランスフェクションした。対照としては何も連結していない対照のpEF−BOSベクターを用いた。72時間後、3%パラホルムアルデヒドを含むPBS緩衝液で上記トランスフェクションした細胞を固定し、10μg/mlのM6749又はHNK−1抗体により室温で2時間インキュベートし、FITCを結合した抗マウスIgMで上記抗体を染色した。対照の細胞は全く染色されなかったが、GlcAT−Pをトランスフェクションした細胞は、M6749及びHNK−1双方の抗体によって染色された。また、GlcAT−Pを発現させたCOS−1細胞は対照と比較して大きな形態の変化が見られた。GlcAT−Pを発現させたCOS−1細胞は多数のマイクロスパイクを有する長く伸長した突起を有していた。
【0062】
【発明の効果】
本発明により、糖タンパク質のラクトサミン残基にグルクロン酸を選択的に転移するグルクロン酸転移酵素−P(GlcAT−P)をコードする塩基配列を有するDNAが得られる。本発明により、GlcAT−Pをコードする塩基配列を有するDNAが得られたので、GlcAT−Pを工業的に使用可能な程度まで大量生産できることが期待される。また、生体内においては細胞膜上に存在する前記酵素を、本発明DNAを利用することによって、その酵素活性を保ったままの状態で可溶化タンパク質形態で得ることが可能となり、当該酵素を利用したHNK−1エピトープの人工的な合成、当該酵素の生体内における働きの解明が容易になる。
【0063】
【配列表】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
配列番号:18
配列の長さ:560
配列の型:核酸
トポロジー:直鎖状
鎖の数:二本鎖
配列の種類:cDNA
配列
GCGCGCGCAT CGCAGGGCAG CAGCCCTGGG TCTCTGGGGC CAGGGCATAG GACTGCCACC 60
CGCTATGGAC CGCGCCAGGG ACGATATGGA CTCGCTGCCG CAGGTATCAA CCTCCGAAGG 120
TTCCTGACCC TGCGCTGGAC TACTTCCCCT TCGCAGACTC CCATCAGGCC GGACTCTGCA 180
AACCTGCTGC CACAATGGGT AATGAGGAGC TGTGGGCGCA GCCAGCCTTG GAGATGCCGA 240
AGAGAAGGGA CATCCTCGCG ATTGTCCTCA TTGTGCTTCC CTGGACACTG CTCATCACCG 300
TCTGGCACCA GAGCAGCCTC GCACCTCTGC TTGCTGTGCA CAAGGATGAG GGAAGTGACC 360
CCCGCCATGA GGCACCACCC GGTGCGGACC CTAGGGAGTA CTGCATGTCC GACCGTGACA 420
TCGTGGAGGT GGTGCGCACA GAGTACGTGT ACACGAGGCC GCCACCGTGG TCCGACACGC 480
TGCCCACCAT CCATGTGGTG ACGCCCACCT ACAGTAGACC GGTGCAGAAG GCAGAGCTGA 540
CGCGAATGGC CAACACGCTA 560
【0081】
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】 GlcAT−P部分アミノ酸配列とPCR用プライマーの塩基配列を示す。
【図2】 各DNA断片並びに各プライマーの位置関係を示す。
【図3】 各種抗体による染色のGlcAT−Pの発現による変化を示す。
Claims (9)
- 以下の(1)又は(2)の塩基配列からなるDNA。
(1)配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列。
(2)配列番号2に示すアミノ酸配列において、グルクロン酸供与体から、グルクロン酸受容体であるアシアロオロソムコイドにグルクロン酸を転移する酵素活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸の置換、欠失又は挿入を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列。 - 以下の(1)又は(2)の塩基配列からなるDNA。
(1)配列番号2においてアミノ酸番号75〜347で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列。
(2)上記配列番号2のアミノ酸番号75〜347で示されるアミノ酸配列において、グルクロン酸供与体から、グルクロン酸受容体であるアシアロオロソムコイドにグルクロン酸を転移する酵素活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸の置換、欠失又は挿入を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列。 - 配列番号1において塩基番号195〜1235で示される塩基配列からなるDNA。
- 配列番号1において塩基番号417〜1235で示される塩基配列からなるDNA。
- 以下の(1)又は(2)のタンパク質。
(1)配列番号2においてアミノ酸番号75〜347で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(2)上記配列番号2のアミノ酸番号75〜347で示されるアミノ酸配列において、グルクロン酸供与体から、グルクロン酸受容体であるアシアロオロソムコイドにグルクロン酸を転移する酵素活性を実質的に害さない1つ以上のアミノ酸の置換、欠失又は挿入を有するアミノ酸配列からなるタンパク質。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のDNAを含有する組換えベクター。
- 請求項6に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のDNAで形質転換された細胞又は請求項7に記載の形質転換体を好適な培地で培養し、前記DNAが有する塩基配列によってコードされるグルクロン酸転移酵素のポリペプチドを培養物中に生成蓄積させ、その培養物から前記ポリペプチドを採取することを含む、ポリペプチドの製造方法。
- 配列番号2においてアミノ酸番号75〜347で示されるアミノ酸配列及びプロテインA配列を含有し、グルクロン酸供与体からグルクロン酸受容体であるアシアロオロソムコイドにグルクロン酸を転移する酵素活性を有する、融合ポリペプチド。
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