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JP2000500972A - 哺乳類の合成α―N―アセチルグルコサミニダーゼおよびそれをエンコードする遺伝子配列 - Google Patents

哺乳類の合成α―N―アセチルグルコサミニダーゼおよびそれをエンコードする遺伝子配列

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JP2000500972A
JP2000500972A JP9519238A JP51923897A JP2000500972A JP 2000500972 A JP2000500972 A JP 2000500972A JP 9519238 A JP9519238 A JP 9519238A JP 51923897 A JP51923897 A JP 51923897A JP 2000500972 A JP2000500972 A JP 2000500972A
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acetylglucosaminidase
recombinant
seq
mammalian
nucleic acid
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JP9519238A
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ジョン ジョセフ ホップウッド
ハミッシュ スティール スコット
バージット ウェバー
リアン ブランチ
ドナルド ステュワート アンソン
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ウィメンズ アンド チルドレンズ ホスピタル
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、概して、哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、これをエンコードする遺伝子配列、およびα−N−アセチルグルコサミニダーゼの欠損の疑いがあるかもしくはこれに病んでいる患者の調査,診断および治療におけるこれらの使用に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 哺乳類の合成α−N−アセチルグルコサミニダーゼおよび それをエンコードする遺伝子配列 [技術分野] 本発明は、概して、哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、これをエ ンコードする遺伝子配列、およびα−N−アセチルグルコサミニダーゼの欠損の 疑いがあるかもしくはこれに病んでいる患者の調査,診断および治療におけるこ れらの使用に関するものである。 本明細書中で著者が言及した刊行物の文献目録は明細書の末尾にまとめてある 。また、本明細書中で言及したヌクレオチドとアミノ酸配列の配列番号(SEQ ID NOs.)は、該文献目録に引き続いて規定してある。 本明細書中、文脈上特にことわりのない限りにおいて、“comprise”という語 、あるいは“comprises”や“comprising”等の変形は、記載された要素あるい は全体もしくは要素あるいは全体の集まり,の包含を意味するが、その他の要素 あるいは全体もしくは要素や全体の集まりの排除を意味しないものと理解される であろう。 [背景技術] 組換えDNA技術の洗練化が進むことによって、医学および薬学の研究開発の 領域を含む多くの商業上重要な産業界の効力を大いに促進している。天然タンパ ク質の精製とこれに続いてこれらのタンパク質をエンコードする遺伝子配列をク ローン化する能力は、治療上および診断上の処置範囲の発展における重要な一歩 である。しかしながら、開業医などは標的分子をエンコードする遺伝子配列のク ローン化を補助するために、オリゴヌクレオチドプローブの改良を可能にするア ミノ酸配列を決定するのに十分な程度に標的分子を精製する際において、多くの 困難に直面している。こういった難題には、特にリソソーム酵素の研究開発にお いて直面してきた。 重要なリソソーム酵素としてはα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(EC 2 .1.50)がある。この酵素はヘパラン硫酸とヘパリンのフラグメントの非還 元末端に存在する末端α−N−アセチルグルコサミニダーゼ残基を加水分解する リソソーム中のエキソグリコシダーゼとして作用する(Hopwood,198 9)。このリソソーム加水分解酵素における欠損はサンフィリッポB型(ムコ多 糖症型IIIB[MPS−IIIB])症候群の発病要因である(von−Figur a and Kresse, 1972;O‘Brien, 1972)。これ は過剰量のへパラン硫酸の貯蔵と排出につながるグリコサミノグリカン異化作用 という常染色体性劣性障害であるが、骨格の変形に関連して進行性の精神遅滞が 典型的に引き起こされる(McKusick and Neufeld,198 3)。 そのため、α−N−アセチルグルコサミニダーゼを精製すること、α−N−ア セチルグルコサミニダーゼの欠損に起因する病状の診断および治療において助け となる治療上および診断上の処置範囲を発展させるためにこれをエンコードする 遺伝子配列をクローン化することが必要である。 [発明の開示] 本発明の第1の態様は、哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダーゼあるい はそのフラグメントもしくは誘導体をエンコードする、あるいは、エンコードす る配列に相補的なヌクレオチドの配列を含む単離核酸分子を提供することである 。 本発明の第2の態様は、少なくとも低緊縮条件下で配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ ID NO):3に開示されるヌクレオチ ド配列、もしくは相補鎖、あるいはその同族体,類似体もしくは誘導体にハイブ リッド形成することが可能なヌクレオチド配列を含む単離核酸分子を提供するこ とである。 本発明の別の態様としては、配列番号(SEQ ID NO):1または配列 番号(SEQ ID NO):3に記載されるヌクレオチド配列、もしくはその 相補 鎖、あるいはその同族体,類似体もしくは誘導体と少なくとも40%同一である 単離核酸分子に向けられたものである。 本発明のさらなる態様は、ヘパラン硫酸およびヘパリン残基のフラグメントの 非還元末端に存在する末端α−N−アセチルグルコサミニダーゼ残基を加水分解 することができるポリペプチドをエンコードする、あるいは、エンコードする配 列に相補的なヌクレオチドの配列を含む核酸分子において、前記ヌクレオチド配 列が低緊縮条件下で配列番号(SEQ ID NO):1に開示されるヌクレオ チド配列をハイブリッド形成することができる核酸分子を提供することである。 本発明のさらなる態様は、原核細胞あるいは真核細胞におけるα−N−アセチ ルグルコサミニダーゼの発現あるいは過剰発現のためのセンス分子を含む遺伝子 の構成に向けられたものである。 本発明のさらなる態様は、合成α−N−アセチルグルコサミニダーゼまたはα −N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子に向けられたものである。 本発明のさらなる態様は、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、好ましくは 合成α−N−アセチルグルコサミニダーゼあるいはα−N−アセチルグルコサミ ニダーゼ様分子に対する抗体を企図することである。 本発明のさらに別の態様においては、ヒトあるいは動物の患者のα−N−アセ チルグルコサミニダーゼ遺伝子における突然変異あるいはその他の染色体異常を 診断する方法が企図されている。 別の態様では、MPS−IIIBのようなα−N−アセチルグルコサミニダーゼ 欠損に病む患者の治療方法を企図しており、前記治療法においては、有効量のα −N−アセチルグルコサミニダーゼまたはその活性型を該患者に投与することが 含まれる。 本発明の別の態様は、哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼま たはその活性フラグメントもしくは誘導体と、1種以上の医薬的に許容可能な担 体および/または賦形剤を含む医薬組成物に向けられたものである。 [図面の簡単な説明] 図1は、以下のSDS/PAGEにおいてヒトの胎盤から精製されたα−N− アセチルグルコサミニダーゼの写真図である。1レーン:Mr標準(kDa); 2レーンおよび3レーン:ヒトの胎盤から精製されたα−N−アセチルグルコサ ミニダーゼ。4レーンおよび5レーン、ウシ血清アルブミン。 図2は、CHO細胞におけるPNGase F消化前(−)および後(+)に 産出された組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼペプチドの分子量を表す SDS/ポリアクルアミドゲルの写真図である。50mMのNaclと75mM のNaclの画分が示されている。α−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペ プチドの分子量は図の左側に表示されている。標識タンパク質の分子量は図の右 側(5レーン)に表示されている。 ここで用いられる従来型のアミノ酸残基の1文字および3文字の略語は表1に おいて規定されている。 ここで言及される適当なアミノ酸置換は表2で定義されている。 ここで用いられる非従来型のアミノ酸残基のコードは表3で定義されている。 表2 アミノ酸置換に適した残基原残基 代表的な置換基 Ala Ser Arg Lys Asn Gln;His Asp Glu Cys Ser Gln Asn G1u Asp Gly Pro His Asn;Gln Ile Leu;Val Leu Ile:Val Lys Arg;Gln; Glu Met Leu;Ile Phe Met:Leu;Tyr Ser Thr Thr Ser Trp Tyr Tyr Trp;PheVal Ile;Leu [発明を実施するための最良の形態] 本発明は、哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはそのフラ グメントまたは誘導体、あるいはその分子をエンコードする、もしくはそれらを エンコードする配列と相補的な、ヌクレオチドの配列を含む単離核酸分子を提供 するものである。 哺乳類は、ヒト,家畜動物,伴生種動物,野生動物,あるいは実験室試験動物 (たとえば、ラビット,ラット,マウスあるいはモルモット)であることが好ま しい。哺乳類は、ヒトであることが特に好ましい。また、α−N−アセチルグル コサミニダーゼは肝臓,腎臓,胎盤から単離可能であることが好都合である。し かし、本発明は全哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素に及んでお り、解剖上のあるいは細胞の源泉および/または、これらに限られないが、血漿 ,血清,細胞抽出液もしくはまたはリンパ液のようなあらゆる生物学上の体液の 源から得られるものである。 本発明の好適な実施例においては、ヒトの患者(すなわち、同族系)の調査, 診断および/または治療において、ヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼ 、もしくはそれをエンコードするゲノムまたは組換え(たとえば、cDNA)遺 伝子配列を使用することが企図されているが、当業者であれば、ヒト以外の動物 からそれらをエンコードする酵素あるいは遺伝子配列も有用であるということを 理解するであろう。このような異種系は本発明に包含されている。 ここで用いられている“核酸分子”という用語は、一本鎖あるいは二本鎖、も しくは直鎖状あるいは共有閉鎖状にかかわりなく、あらゆるRNAあるいはDN A(たとえば、cDNA)分子をさすものとする。核酸分子はゲノムの遺伝子全 体、あるいはその実質的な部分、もしくはそれらのフラグメントまたは誘導体に 対応するDNAでもある。 本発明の核酸分子はα−N−アセチルグルコサミニダーゼまたはα−N−アセ チルグルコサミニダーゼ様分子をエンコードするヌクレオチド配列を単独で構成 し、より巨大な核酸分子の一部である。したがって、本発明は単離ゲノムα−N −アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子に及んでいる。より巨大な核酸分子中の未 翻訳配列は、ベクター,転写および/または翻訳調節配列,プロモーター,ター ミネーター,エンハンサー,複製あるいは単離ゲノム遺伝子のシグナル配列また は非コーディング領域(たとえば、イントロン配列)を含んでいる。 ここでいう“遺伝子”とは、広義に解釈されるもので: (i) 転写および/または翻訳調節配列、および/またはコーディング領域、 および/または未翻訳配列(すなわち、イントロン,5’−および3’−未翻訳 配列)からなる典型的なゲノム遺伝子; (ii)遺伝子の5’−または3’−未翻訳配列を任意に含むコーディング領域( すなわち、エキソン)に対応するmRNAまたはcDNA;あるいは、 (iii) 合成、増幅DNAフラグメントあるいは生体外(in vitro)で 産出され、遣伝子のコーディング領域および/または5’−あるいは3’−未翻 訳配列の全体あるいは一部を含んでいるその他の組換え核酸分子、 を含むものとする。 “遺伝子”という用語は、機能性物質の全体あるいは一部をエンコードする合 成または融合分子を表すのにも用いられる。機能性物質はヌクレオチドの配列、 あるいは、とりわけα−N−アセチルグルコサミニダーゼまたはその同族体,類 似体もしくは誘導体の触媒作用を有する機能性ぺプチドをエンコードするヌクレ オチドの配列に相補的な配列、を含んでいる。 本発明の目的にかなうヌクレオチド配列の“同族体”は、本発明の核酸分子と 実質的に同一の単離核酸分子、あるいは、前記配列内での存在にかかわらず、ヌ クレオチド置換,挿入,欠失または転移の1種以上のその相補的ヌクレオチド配 列であ る単離核酸分子をさすものとする。 ここに記載されているヌクレオチド配列の“類似体”は、本発明の核酸分子と 実質的に同一の単離核酸分子、あるいは、前記単離核酸分子において通常存在し ないヌクレオチド以外のあらゆる成分の存在にかかわらず、たとえば、炭水化物 、放射ヌクレオチドを含む放射性化学薬品、これに限られないが、とりわけDI G,アルカリ性ホスファターゼあるいはホースラディッシュペルオキシダーゼ等 のリポーターの相補的ヌクレオチド配列をさすものとする。 ここに記載するヌクレオチド配列の“誘導体”とは、前記配列あるいはその一 部と相似する有効配列を含むあらゆる単離核酸分子をいうものとする。概して、 本発明にかかるヌクレオチド配列は、単一または複数のヌクレオチド置換,欠失 および/または挿入をもたらすための突然変異誘発を受けている。本発明にかか るヌクレオチド配列のヌクレオチド挿入誘導体は、単一または複数のヌクレオチ ドあるいはヌクレオチド類似体の配列内挿入だけでなく、5’および3’末端融 合を含んでいる。ランダム挿入も、挿入された産出物の適当なスクリーニングに よって可能であるが、挿入ヌクレオチド配列の変異型は、1種以上のヌクレオチ ドまたはヌクレオチド類似体が、前記配列のヌクレオチド配列内の所定部位に導 入されているものである。欠失の変異型はヌクレオチド配列から1種以上のヌク レオチドを除去することによって特徴づけられる。置換ヌクレオチドの変異型は 、配列内の少なくとも1種のヌクレオチドが除去され、別のヌクレオチドあるい はヌクレオチド類似体がその位置に挿入されるものである。 ここで記載するあらゆる実施形態に関するα−N−アセチルグルコサミニダー ゼ遺伝子の同族体,類似体あるいは誘導体は、配列番号(SEQ ID NO) :1または配列番号(SEQ ID NO):3あるいはそれらの相補鎖から得 られる少なくとも10の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含むことが 好ましく、前記同族体,類似体あるいは誘導体は、配列番号(SEQ ID N O):1また は配列番号(SEQ ID NO):3、あるいはそれらの相補鎖と少なくとも 40%同一であるか、もしくは、前記同族体,類似体あるいは誘導体は前記配列 を少なくとも低緊縮ハイブリッド形成条件下でハイブリッド形成することが可能 である。 命名の目的上、配列番号(SEQ ID NO):1に記載されたヌクレオチ ド配列は、ヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素をエンコードするc DNAに関係している。 配列番号(SEQ ID NO):3に記載されたヌクレオチド配列は、ヒト の肝臓α−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素をエンコードするcDNAのゲ ノム遺伝子同等物に関係している。当業者であれば、配列番号(SEQ ID NO):3の特定のエキソン配列はα−N−アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子 のコーディング領域に相当するということ、前記エキソン領域は、頭−尾形状に 配列された場合に、配列番号(SEQ ID NO):1に記載されるcDNA 配列のオープンリーディングフレーム全体をさらに含んでいるということを理解 するであろう。ヌクレオチド配列表に与えられたエキソン配列データが与えられ た場合に、その一次転写産物から継ぎ合わされた遺伝子の非コード領域に相当す る配列番号(SEQID NO):3のイントロン配列は、明確には定義されな いが、当業者であれば容易に推測できるであろう。 本発明にかかるヌクレオチド配列は自然発生α−N−アセチルグルコサミニダ ーゼの配列に相当するか、または、単一あるいは複数のヌクレオチド置換,欠失 および/または付加物を含むそれらの同族体,類似体あるいは誘導体を含む。こ のような全ての同族体,類似体あるいは誘導体は、本発明において企図されてい るように、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼ様分子、もしくはそれらの同族体,類似体あるいは誘導体をエ ンコードする。ヌクレオチド配列の長さは、核酸プローブあるいはプライマーの ような少数の塩基から配列の全長の間で変動する。 本発明は、特に発現ベクターに挿入された場合にcDNA型における核酸に向 けられたものである。発現ベクターは、真核または原核細胞内で複製可能であり 、その何れかでmRNAを産出し、該mRNAは続いてα−N−アセチルグルコ サミニダーゼあるいはα−N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子に翻訳される 。特に好適な真核細胞としては、CHO細胞が含まれるが、それ以外の、適当な 哺乳類の細胞、あるいは細胞系または酵母や昆虫細胞のような非哺乳類の細胞で あってもよい。 別の実施形態において、本発明は、ヘパラン硫酸およびヘパリンフラグメント の非還元末端からα−N−アセチルグルコサミニダーゼ残基を加水分解すること ができるポリペプチドをエンコードする、あるいはエンコードする配列に相補的 なヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供するものである。ここで、前記ヌクレ オチド配列は、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ ID NO):3に記載されたヌクレオチド配列、もしくはその同族体,類似体 あるいは誘導体を、少なくとも低緊縮条件下において、ハイブリッド形成するこ とが可能である。 本発明の第2の態様は、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号 (SEQ ID NO):3に記載されたヌクレオチド配列、あるいは相補鎖、 もしくはその同族体,類似体または誘導体を、少なくとも低緊縮条件下において 、ハイブリッド形成することが可能であるヌクレオチドの配列を含む単離核酸分 子を提供することである。 ハイブリッド形成は少なくとも中程度の緊縮条件下で可能であることが好まし い。また、ハイブリッド形成は高緊縮状況下で可能であることがより好ましい。 緊縮の度合を明確にすることを目的として、ここに参照文献として組み込まれ るSambrook et al(1989)やAusubel et al( 1987)が、好都合に掲載される。 ここで規定する低緊縮とは、ハイブリッド形成および/または洗浄(was h)が、4−6X SSC/0.1−0.5% w/v SDS、37−45℃で2 −3時間行われることである。また、中程度の緊縮ハイブリッド形成および/ま たは洗浄とは、1−4X SSC/0.25−0.5%w/vSDS、45℃以 上で2−3時間行われることであり、高緊縮ハイブリッド形成および/または洗 浄とは、0.1−1X SSC/0.1%w/v SDS、60℃で1−3時間行 われることである。 緊縮の選択条件としてはここで特記したものが用いられる。一般に、SSC緩 衝濃度を下げること、および/またはSDS濃度を上げること、および/または ハイブリッド形成および/または洗浄の温度をげることによって、緊縮性は高め られる。当業者であれば、ハイブリッド形成および/または洗浄の条件は、使用 されるハイブリッド形成膜の性質またはハイブリッド形成プローブの種類次第で 変更可能であるということが認識できるであろう。ハイブリッド形成および洗浄 の条件は当業者であれば十分に理解できるであろう。核酸分子間のハイブリッド 形成に影響するパラメーターを説明する目的で、ここに参考文献として組み込ま れたAusubel et al(1987)の2.10.8から2.10.1 6頁において論及が見出される。 当業者であれば、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SE Q ID NO):3に記載されたヌクレオチド配列は、必要以上の実験を行わ ずに、他のヒトの組織か、もしくは他の種の組織または細胞から対応する遺伝子 を単離するのに用いることができるということが理解できるであろう。このよう な同族配列の単離方法は、たとえば、核酸のハイブリッド形成,ポリメラーゼ連 鎖反応,発現ライブラリーの抗体スクリーニング,発現ライブラリーの機能性ス クリーニング,もしくは突然変異体の相補性、があることは、当業者であれば周 知である。本発明は、ここに記載された特定の遺伝子配列を単離した起源、ある いは前記配列を単離するために用いる手段によって限定されるものではない。 −実施形態において、ゲノムDNA,mRNAまたはcDNAを含む同族遺伝 子配列は、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはその相補ヌクレオチ ド配列、もしくはその同族体,類似体,誘導体または機能部分(functio nal part)をエンコードする遺伝子配列のハイブリッド形成有効量に関 係があり、前記ハイブリッド形成は適当な検知手段を用いて検知される。 同族遺伝子配列は、組換え型,ウイルス粒子,バクテリオファージ粒子,酵母 細胞,動物細胞または植物細胞である。同族遺伝子配列は動物種またはヒトに由 来することが好ましい。また、同族遺伝子配列はヒトに由来することがより好ま しい。 α−N−アセチルグルコサミニダーゼ(すなわち、プローブもしくは後者の遺 伝子配列)をエンコードする遺伝子配列は、配列番号(SEQ ID NO): 1または配列番号(SEQ ID NO):3に記載されたヌクレオチド配列、 あるいは相補配列、もしくはそれらの同族体,類似体または誘導体に由来する少 なくとも10ヌクレオチド,より好ましくは20ヌクレオチド,さらに好ましく は50ヌクレオチド、さらにより好ましくは、100ヌクレオチドのヌクレオチ ド配列を含んでいることが好ましい。 検知手段としては、α−N−アセチルグルコサミニダーゼプローブに共有的に 付着する確認シグナル(たとえば、32Pまたは35S、もしくはビオチニル化分子 等の放射性同位元素)を付与することができるリポーター分子であることが好ま しい。 別の実施形態においては、検知手段はポリメラーゼ連鎖反応である。本実施形 態によれば、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ I DNO):3に記載されたヌクレオチド配列に由来する少なくとも10ヌクレオ チド、好ましくは少なくとも20ヌクレオチドの長さを有する2つの対向する非 相補核酸“プライマー分子”は、核酸“鋳型分子”とポリメラーゼ連鎖反応にお いて増幅された鋳型分子の特定の核酸分子のコピーと接触する。 対向プライマー分子は、何れかがその鋳型分子の相補鎖にハイブリッド形成で きるように選択され、第2の対向プライマー分子に対する方向である第1の対向 プライマー分子からDNAポリメラーゼ依存性DNA合成が生じる。 したがって、DNAポリメラーゼ酵素,共同因子,適当な基質の存在下、両方 のプライマーがこのような前記鋳型分子にハイブリッド形成し、その他のプライ マー分子がハイブリッド形成されたDNAの位置に向かう各プライマー分子から 5’−3’の方向にDNA合成が起こり、それによって、介在DNAが増幅する 。 当業者であれば、ポリメラーゼ連鎖反応の技術的要件を理解しており、反応条 件を決定するあらゆる変更を行うことが可能である。たとえば、ポリメラーゼ連 鎖反応は、とりわけ増幅フラグメント長の多形性(AFLP),一本鎖多形性( SSCP),増幅およびミスマッチの検知(AMD)、散在反復配列ポリメラー ゼ連鎖反応(IRS−PCR),逆ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)および逆 転写ポリメラーゼ連鎖反応等のあらゆる適当な形式において、同族α−N−アセ チルグルコサミニダーゼ遺伝子配列を単離するか、あるいはα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼ遺伝子配列における突然変異を見分けるために用いられる。ポ リメラーゼ連鎖反応のこのような変形は、ここで参照文献として組み込まれるM cPherson et al(1991)で詳細に論じられている。本発明は このような変形を全て包含するものであり、反応による最終産出物がα−N−ア セチルグルコサミニダーゼあるいはその同族体,類似体または誘導体をエンコー ドすることができる単離核酸分子であることが唯一の要件である。 好適な実施形態において、第1のプライマ一分子は、α−N−アセチルグルコ サミニダーゼをエンコードする遺伝子のセンス鎖に、とりわけ配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ ID NO):3に記載されるヌ クレオチド配列、あるいはそれらの同族体,誘導体または類似体に由来すること が好ましく、第2のプライマー分子は、前記遺伝子のアンチセンス鎖に由来する ことが好ま しい。 当業者であれば、プライマー分子を同様の遺伝子から得るという本発明の行為 が必須ではないということを理解するであろう。 本実施形態によれば、核酸プライマー分子はさらに、少なくとも低緊縮条件下 で配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ ID NO) :3に記載される核酸分子、もしくはそれらの同族体,類似体または誘導体をで ハイブリッド形成することができるのであれば、ポリヌクレオチド分子に組み込 むことができるそれらのヌクレオチドアデニン,シスチジン,グアニン,チミジ ンまたはイノシン、もしくはそれらの機能上の類似体または誘導体の何れかの組 み合わせからなる。 核酸プライマー分子はさらに他の核酸分子を含む水性プールにおいて、それぞ れ含まれている。核酸プライマー分子は実質的に純粋な形質であることが、なお 好ましい。 核酸鋳型分子は、組換え型,ウイルス粒子,バクテリオファージ粒子,酵母細 胞,動物細胞または植物細胞である。同族遺伝子配列は、動物種あるいはヒトか ら得られる細胞,組織または器官に由来することが好ましい。また、同族遺伝子 配列はヒトから得られる細胞,組織または器官に由来することがより好ましい。 したがって、本発明にかかる第3の態様は、配列番号(SEQ ID NO) :1または配列番号(SEQ ID NO):3に記載されるヌクレオチド配列 、あるいはそれらの相補鎖、もしくはそれらの同族体,類似体または誘導体と少 なくとも40%同一の単離核酸分子に及ぶものである。 配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ ID NO) : 3と同一である割合は、少なくとも約55%、より好ましくは少なくとも約65 %、さらに好ましくは少なくとも約75−80%、さらにより好ましくは少なく とも85−90%であることが好ましい。。 さらにより好適な実施形態において、本発明は配列番号(SEQ ID NO ):1または配列番号(SEQ ID NO):3に記載されたヌクレオチド配 列と、あるいはそれらの相補鎖、もしくはそれらの同族体,類似体または誘導体 に少なくとも40%同一であり、かつ、配列番号(SEQ ID NO:1)あ るいは(SEQ ID NO:3)に記載されるヌクレオチドの配列を、少なく とも低緊縮条件下でハイブリッド形成することができる単離核酸分子を提供する ものである。 特に好適な実施形態において、ここで記載される単離核酸分子は、さらに、α −N−アセチルグルコサミニダーゼによって触媒する酵素反応を行うことが可能 なアミノ酸の配列をエンコードすることができる。 本発明にかかる単離核酸分子は、原核または真核細胞中のα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼの発現あるいは過剰発現のために、センス分子を含む遺伝子の 構成を改良するのにも有用である。さらに好適な真核細胞はCHO細胞を含み、 その他のあらゆる適当な哺乳類の細胞または細胞系、あるいは酵母や昆虫細胞等 の非哺乳類細胞を含む。 ここで用いられる“センス分子”という用語は、前記センス分子が宿主細胞に 導入されるときに、組換えポリペプチドを産出するための発現に適した形式にお いて備えられた、ここに記載する本発明の単離核酸分子をさすものとする。 特に好適な実施形態において、α−N−アセチルグルコサミニダーゼをエンコ ードするセンス分子は、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号( SEQ ID NO):3に記載されるヌクレオチドの配列、あるいはそれらの 相補鎖, 同族体,類似体または誘導体を含んでいる。 さらに好ましい実施形態において、本発明にかかるセンス分子は、配列番号( SEQ ID NO):1に記載されるヌクレオチドの配列、あるいはその相補 鎖,同族体,類似体または誘導体を含んでいる。 当業者であれば、センス分子の発現は“センス構造(sense const ruct)”を産出するためのプロモーター配列を操作可能な関係で配置される 本発明の核酸分子を必要とすることを理解するであろう。この目的によるプロモ ーターの選択は、必要とされるセンス分子の発現の段階および/または必要とさ れるセンス分子の発現にかかる組織特異性あるいは成長特異性によって変更され る。センス構造は、さらにターミネーター配列を含み、組換えペプチド遺伝子産 物を産出するために発現させることのできる適当な宿主細胞に導入される。 本発明において、α−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペプチドあるいは 、適当なプロモーター配列の調整下で操作可能に配置されたそれらの同族体,類 似体または誘導体をエンコードする遺伝子配列あるいは単離核酸分子に対応する センス分子は、前記細胞の形質転換のためのあらゆる適当な方法を用いる細胞に 導入され、前記遺伝子配列あるいは単離核酸分子は前記ポリペプチドを産出する ためにその中で発現する。 本発明は、明らかに、ここに記載するあらゆる核酸分子の発現を容易にするこ とを意図した遺伝子構造に及ぶものである。 本発明にかかる遺伝子構造は、原核または真核細胞内、好ましくはCHO細胞 ,酵母細胞,昆虫細胞または細菌細胞等の哺乳類細胞内で、前記核酸分子の発現 を調節することができるプロモーター配列の調整下で操作可能に配置された前述 のセンス分子を備えている。前記遺伝子構造は、プロモーターとセンス分子の他 に、ター ミネーター分子を選択的に備えている。 “ターミネーター”という用語は、転写の終結の信号を与える転写単位の末端 に位置するDNA配列のことをいう。ターミネーターは、ポリアデニレート配列 を、1次転写産物の3’末端への添加を容易にするポリアデニル化信号を含む3 ’−未翻訳DNA配列である。植物細胞内で活動するターミネーターとは文献に おいて周知であり、かつ記載されている。これらは、細菌,真菌類,ウイルス, 動物および/または植物から単離することができる。 ここでいう“プロモーター”とは、広義に解釈されるべきであり、成長および /または外部の刺激あるいは組織特有の方法に対応する遺伝子の発現を変えるC CAATボックおよび付加調節要素(すなわち、上流活性配列,エンハンサーお よびサイレンサー)の有無にかかわらず、正確な転写開始に必要とされるTAT Aボックスを含む典型的なゲノム遺伝子の転写調節配列を含んでいる。プロモー ターは、通常、必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の上流もしくは5’に位置 しており、その発現は調節される。さらに、プロモーターを含む調節要素は、通 常、遺伝子の転写開始部位の2kb以内に位置している。 本文脈において、“プロモーター”という用語は、合成または融合分子、ある いは細胞内における前記センス分子の発現を付与する,活性化する,か、もしく は高める誘導体を表現するためにも用いられる。 好適なプロモーターは、前記センス分子の発現をさらに増強するためおよび/ または前記センス分子の空間的な発現および/または時間的な発現を変更するた め、1種以上の特定な調節要素の付加コピーを含んでいる。たとえば、銅の誘導 性を付与する調節要素は、センス分子の発現を促進する異種のプロモーター配列 に隣接して配置され、これによって、前記分子の発現にかかる銅の誘導性が付与 される。 プロモーター配列の調節制御下にセンス分子を配置することは、発現がプロモ ーター配列によって調整されるというような前記分子を配置することを意味して いる。プロモーターは通常、制御する遺伝子の5’(上流)に位置している。 異型のプロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構成において、プロモーター を遺伝子の転写開始部位から離して配置するほうが、通常は好ましい。遺伝子の 転写開始部位は、プロモーターと遺伝子がその本来の設定において調整する、す なわち、プロモーターが由来する遺伝子との間の距離とほぼ同一である。当業界 において周知のように、この距離において様々な変形を、プロモーターの機能を 損なうことなく適応させることができる。同様に、その調整下で配置される異型 遺伝子に関する調整配列要素の好ましい配置は、本来の設定における要素の配置 、すなわち、要素が由来する遺伝子によって規定される。さらに、当業界におい て周知のように、この距離において様々な変形を行うことができる。 本発明にかかる遺伝子の組み立てに使用するのに適したプロモーターとしては 、動物,ヒト,酵母,昆虫または細菌細胞において機能しうるプロモーターに由 来するウイルス,菌類,細菌類,動物および植物が含まれる。プロモーターは、 とりわけ、前記細胞の発現を構造的に,あるいは発現が起こる組織に関して特異 的に、もしくは発現が起こる成長段階において,さらに生理学上のストレスのよ うな外部刺激に対応して,また植物病原体,もしくは金属イオンを、調整する。 プロモーターは、動物種あるいはヒトに由来する細胞内のセンス分子の発現を調 製できることが好ましい。 特に好適な実施形態において、α−N−アセチルグルコサミニダーゼをエンコ ードするゲノム遺伝子に由来するプロモーターは、ヒトのα−N−アセチルグル コサミニダーゼであることが好ましい。しかしながら、さらに好適な実施形態に おいて、プロモーターは、配列番号(SEQ ID NO):3に記載されたヌ クレオチド配列に由来するか、あるいは少なくとも配列番号(SEQ ID N O):3の1 から989までのヌクレオチド残基、もしくはそれらに由来する少なくとも20 の連続したヌクレオチドをハイブリッド形成することができる。 さらに好適な実施形態において、プロモーターはCMVプロモーター配列また はそれに由来するプロモーター配列である。 本発明にかかる別の実施形態は、配列番号(SEQ ID NO):3によっ て規定されるα−N−アセチルグルコサミニダーゼに由来するプロモーター、も しくはその機能的誘導体,部分フラグメント,同族体または類似体を含む遺伝子 構造に向けられたものである。 前記遺伝子構造はさらに、前記プロモーターに関連して操作可能に配置された 配列番号(SEQ ID NO):1によって定義されるα−N−アセチルグル コサミニダーゼを含んでいる。 本発明にかかるさらに別の態様は、合成α−N−アセチルグルコサミニダーゼ またはα−N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子に向けられたものである。 ここで用いられる“合成”という用語は、組換えおよびアミノ酸残基あるいは アミノ酸残基の集合を規定された順序で連続的に加えることにより産出された化 学的に合成された分子の両方を含むものとする。 一実施形態において、本発明は、前記した核酸分子によってエンコードされた 、あるいは発現した組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはα− N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子に関するものである。 別の実施形態において、合成α−N−アセチルグルコサミニダーゼあるいは合 成α−N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子は、配列番号(SEQ ID N os): 2,4,5,または6の何れかに記載されたアミノ酸配列と少なくとも40%同 一であるアミノ酸配列を含んでいる。 同一性の割合は少なくとも60%であることが好ましく、さらに好ましくは、 少なくとも80%あるいは85−90%であることが好ましい。 本発明にかかる好適な実施形態は、以上に規定したように、配列番号(SEQ ID Nos):2,4,5,または6の何れかに実質的に記載されたアミノ酸 配列、もしくはそれらの同族体,類似体または誘導体を含むα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼを提供するものである。 命名の目的上、配列番号(SEQ ID NO):2に記載されたアミノ酸配 列は、配列番号(SEQ ID NO):1によって規定されたcDNA配列、 あるいは配列番号(SEQ ID NO):3によって規定されたゲノム遺伝子 の何れかの発現によって産出されたヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼ の翻訳産出物(すなわち、以下、“α−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペ プチド”もしくは“配列番号(SEQ ID NO):2”と称する)の全長を 備えている。 α−N−アセチルグルコサミニダーゼペプチドは少なくとも7つの潜在的グリ コシル化Asn残基を261,272,435,503,513,526および 532の位置に備えている。さらに、α−N−アセチルグルコサミニダーゼポリ ペプチドのアミノ酸配列は、Gly23とAsp24の間で起こるシグナルペプチド ペプチダーゼの分断の推定部位に長さが23のアミノ酸残基のシグナルペプチド を備えている。 配列番号(SEQ ID Nos):4−6に記載されているアミノ酸配列は 、実施例1に記載されているように、精製されたヒトのα−N−アセチルグルコ サミニダーゼに由来するN−末端および内部の(すなわち、CNBr)アミノ酸 配列に 関するものである。実施例2に記載されているように、酵素の精製型は約82k Daおよび77kDaの分子量を有する2つのポリペプチドからなる。配列番号 (SEQ ID NO):4に記載された配列は、82kDaポリペプチドのN −末端配列に関係するものでり、一方、配列番号(SEQ ID NO):5に 記載された配列は、77kDaポリペプチドのN−末端配列に関係するものであ る。さらに、配列番号(SEQ ID NO):4は、配列番号(SEQ ID NO):2の24−43のアミノ酸残基を含み、一方、配列番号(SEQ I D NO):5は、配列番号(SEQ ID NO):2の59−76のアミノ 酸残基を含む。 配列番号(SEQ ID NO):6で定義されるアミノ酸配列は精製された ヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼのCNBr−切断ペプチドに関する ものである。このアミノ酸配列は、α−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペ プチド(配列番号(SEQ ID NO):2)の540−554のアミノ酸残 基とともに配列されている。 本文において、ポリペプチドの“同族体”はそれに対するあらゆるアミノ酸の 置換,付加または欠失にもかかわらず、似たようなα−N−アセチルグルコサミ ニダーゼ酵素の作用を有するポリペプチド,酵素またはタンパク質を意味する。 同族体は、同種あるいは別の動物種から、単離もしくは得ることができる。 さらに、同族ポリペプチドのアミノ酸は、たとえば、疎水性,親水性,疎水性 のモーメント、チャージまたは抗原性等の相似性を有するその他のアミノ酸に置 き換えることができる。 “類似体”は、自然発生でないアミノ酸の類似体がその内部で発生するにもか かわらず、α−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペプチドおよびそのペプチ ド誘導体を包含するものである。 本発明のポリペプチドに関する“誘導体”という用語は、機能分子の突然変異 体、断片またはフラグメントを意味している。誘導体は、リガンドが、炭水化物 、酵素、タンパク質、ポリペプチドあるいは放射性ヌクレオチドあるいは蛍光化 合物等のリポーター分子に含まれるアミノ酸残基の1種以上に付着する変形され たペプチドを含む。被検ペプチドのグリコシル化、蛍光、アシル化、もしくはア ルキル化の形態は、とりわけ本発明によって企図されている。さらに、ポリペプ チドの誘導体は、ここに開示されるアミノ酸配列のフラグメントあるいは断片を 含み、発明の範囲内であり、被検ポリペプチドの2種以上のコピーを含むホモポ リマーあるいはへテロポリマーである。ぺプチドを誘導体化する手順は当該技術 において周知である。 したがって、本発明のこの態様は、哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼ酵素あるいはα−N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子の全長に対応する アミノ酸配列を含むあらゆるタンパク質性の分子に向けられている。したがって 、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子は機能的であろうとなかろうと、 α−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素の断片、誘導体および/またはポーシ ョンを含む。 哺咄乳類はヒトであることが好ましいが、上述のようにヒト以外の起源であっ てもよい。 本発明にかかる合成あるいは組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは自 然発生のアミノ酸に対応するアミノ酸配列を備え、単一あるいは複数のアミノ酸 置換、欠失および/または付加を含む。アミノ酸配列の長さは少量の残基から分 子の全長に至るまで並べることができる。 アミノ酸置換は、単一の残基であることが典型的である。アミノ酸挿入は通常 約1−10のアミノ酸残基の順番であり、欠失は、約1−20残基にまで及ぶ。 欠失あるいは挿入は隣接する対、すなわち、2つの残基の欠失もしくは2つの残 基の挿入によってなされることが好ましい。 本発明にかかるα−N−アセチルグルコサミニダーゼのアミノ酸挿入誘導体は 、1以上のアミノ酸を配列内挿入だけでなく、アミノおよび/またはカルボキシ ル末端の融合を含んでいる。挿入アミノ酸配列の変異体は、産出物の適当なスク リーニングとともにランダムな挿入が可能であるが、1種以上のアミノ酸残基が タンパク質の所定位置に導入されている。欠失変異体は配列から1種以上のアミ ノ酸を除去することで特徴づけられる。置換アミノ酸変異体は、配列中の少なく とも1つの残基が取り除かれ、別の残基がその位置に挿入されている。代表的な 置換は、以下の表2に記載されているものがある。 上記記載のアミノ酸変異体は、固相ぺプチド合成(メリフィールド合成)等の ような、当業界において周知のペプチド合成技術を用いることによって、あるい は、組換えDNA操作によって容易に作ることができる。DNAにおいて知られ ているあるいは一部が知られている所定部位において置換突然変異体を産出する 技術は、たとえばM13突然変異誘発がよく知られ、かつ含まれている。置換、 挿入あるいは欠失変異体として現れる変異体タンパク質を産出するためのDNA 配列の操作は、Sambrook et al,1989 Molecular Cloning:ALaboratory Manual Co1d Spr ingHarbor Laboratories,Cold Spring H arbor,NY.等の他に記載されているようなものが好都合である。 誘導体あるいは誘導体様分子は炭水化物、脂質および/またはその他のタンパ ク質性成分のようなα−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素に自然にあるいは 人工的に関連するあらゆる成分の1または複数の置換、欠失および/または付加 を含んでいる。たとえば、本発明は、グルコシル化および非グルコシル化の分子 形態に及ぶものである。このような分子は、“突然変異”,“誘導体”,“フラ グメント”,“ポーシヨン”および“様”分子といった表現によって包含されて いる。これらの分子は、活性もしくは不活性であり、触媒領域のような特殊な領 域を含んでいる。とりわけ、好適な誘導体分子は、自然発生的分子に関連するグ リコシル化のパター ンを変化するものを含んでいる。さらに、組換え分子は自然発生的分子よりもよ り高度にグリコシル化されている。このような高度のグリコシル化誘導体はテイ クアップ特性を改善し、半減期を増やしている。 実施例において示すように、ヒトの精製α−N−アセチルグルコサミニダーゼ (すなわち、82kDaおよび77kDa)およびCHO細胞(すなわち、89 kDaおよび79kDa)において産出された組換え哺乳類α−N−アセチルグ ルコサミニダーゼの分子量は、配列番号(SEQ ID NO):2(すなわち 、70kDa)に記載されたα−N−アセチルグルコサミニダーゼペプチドの推 定分子量よりも多く、精製および組換えポリペプチドが翻訳後修飾されることを 示唆している。 実施例8に示されるデータは、さらに、CHO細胞で産出された組換えα−N −アセチルグルコサミニダーゼ酵素は少なくともグリコシル化され、組換えポリ ペプチドおよび配列番号(SEQ ID NO):2のポリペプチドによって決 定される分子量の相違は、CHO細胞によって組換え細胞をほとんど完全にグリ コシル化するためであるということを示唆している。図9に示されるように、グ リコシル化組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは酵素活性を示している 。 本発明は、他のタンパク質性分子に融合する場合に、合成α−N−アセチルグ ルコサミニダーゼあるいはその分子についても及ぶものである。後者は、シグナ ル配列のような細胞から分子の移動を容易にする別の酵素、リポーター分子、精 製部位あるいはアミノ酸配列を含んでいる。 本発明は、さらに、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素の翻訳後修飾に も及んでいる。修飾は自然発生酵素あるいは組換え技術による合成によってなさ れる。修飾は構成レベルにおいて、あるいは、たとえば、実効電荷調整のような 電気化学レベルにおいて、あるいは酵素の構造配置において、行われる。 このような修飾は軟骨あるいは血液−脳関門のような選択された組織に酵素を 搬 入あるいは浸透させるのを容易にするのに、または、半減期の循環を増やすため に重要である。 ここで企図されているα−N−アセチルグルコサミニダーゼの類似体は、側鎖 への修飾、ペプチド合成の間の異常アミノ酸および/またはそれらの誘導体を組 み入れること、および配置的な制約を酵素に課すクロスリンカーとその他の方法 の使用を含むが、これに限定されるものではない。 本発明において企図されている側鎖修飾の例としては、NaBH4による還元 でアルデヒドを反応させることによる、還元アルキル化等のアミノ基の修飾を含 んでいる。メチルアセチミデートによるアミジネーション,無水酢酸にいよるア シル化,シアン酸によるアミノ基のカルバミル化,2,4,6−スルホン酸トリ ニトロベンゼン(TNBS)によるアミノ基のトリニトロベンジル化,無水コハ ク酸によるアシル化,ピリドキサール−5’−リン酸によるピリドキシル化がN aBH4による還元に続いて行われる。 アルギニン残基のグアニジノ基は2,3−ブタンジオール、フェニルグリオキ サールおよびグリオキサール等の試薬を含んだ複素環縮合物の形成によって修飾 される。 カルボキシル基は、たとえば、対応するアミドに続く誘導体化によるO−アシ ルイソ尿素を通じたカルボジイミドの活性化によって修飾される。 スルフィドリル基は、ヨード酢酸またはヨードアセタミドを用いたカルボキシ メチル化;過ギ酸をシステイン酸に酸化;その他のチオール化合物を含む混合さ れた二硫化物の形成;マレインイミド,無水マレイン酸あるいはその他の置換マ レインイミドによる反応;4−クロロ水銀安息香酸,4−クロロ水銀スルホン酸 ,フェニル塩化水銀,2−クロロ水銀−4−ニトロフェノールおよびその他の水 銀物を用い る水銀誘導体の形成;アルカリ性のpHでシアン酸によるカルバミル化、等の方 法によって修飾することができる。 トリプトファン残基は、たとえばN−ブロモスクシンイミドによる酸化、もし くは2−ヒドロキシ−5ニトロベンジル臭化物またはスルフェニルハロゲン化物 によりインドールリングのアルキル化によって修飾される。一方、チロシン残基 は、3−ニトロチロシン誘導体を形成するためのテトラニトロメタンによるニト ロ化によって、修飾される。 ヒスチジン残基のイミダゾールリングの修飾は、ヨード酢酸誘導体によるアル キル化あるいはジエチルピロカルボネートによるN−カルボエトキシル化によっ て行われる。 ぺプチド合成の間に異常アミノ酸および誘導体を組み入れる例としては、ノル ロイシン,4−アミノ酪酸,4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ ン酸,6−アミノヘキサン酸,t−ブチルグリシン,ノルバリン,フェニルグリ シン,オルニチン,サルコシン,4−アミノ−3ヒドロキシ−6−メチルヘプタ ン酸,2−チエニルアラニンおよび/またはアミノ酸のD−異性体の使用を含む が、これに限られるものではない。本発明によって企図される非自然発生アミノ 酸は、表3のように、ここに組み込まれる。 クロスリンカーは、3次元の配置を安定化させるために用いることができるが 、たとえば、N−ヒドロキシスクシンイミド等のアミノ活性成分およびマレイン イミド、あるいはジチオ成分(SH)もしくはカルボジイミド(COOH)等の 別の基の特殊活性成分を通常含んでいる、(CH2nのスペーサー基において、 n=1〜n=6を有する二機能性のイミドエステル,グルタルアルデヒド,N− ヒドロキシスクシンアミドエステルおよびへテロ二機能性試薬等が用いられる。 さらに、たとえば、CαおよびNα−メチルアミノ酸の組み入れ,アミノ酸のC αとCβ原子と の二重結合の導入,NおよびC末端の問、2つの側鎖の間、あるいは側鎖とNあ るいはC末端との間のアミド結合を形成する共有結合を導入することによる環状 ペプチドあるいは類似体の形成によって、酵素の配置的な制限が強いられる。 α−N−アセチルグルコサミニダーゼの電気化学調整は、酵素の実効電荷の全 体の変化に作用するポリリシン,ポリエチレングリコールまたはその他の作用物 質による相互作用を含んでいる。 好都合なことには、組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは、他のタン パク質および/または非タンパク質性物質から様々な精製がなされるという、生 物学的に純粋な精製の意味がある。試料の純度は、重量,活性,アミノ酸の相同 性もしくは類似性,抗体反応性あるいはその他の都合の良い手段によって規定さ れるα−N−アセチルグルコサミニダーゼ以外の物質に対して、少なくとも40 %の、好ましくは少なくとも60%の、より好ましくは少なくとも75%の、さ らに好ましくは少なくとも85%の、さらにより好ましくは少なくとも95%の 酵素によって表される。 組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの調製あるいは精製に、とりわけ 好適な方法は、実施例7および8に規定するとおりである。 当業者であれば、必要以上の試験を行わずともいくつかの方法から合成あるい は組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼを精製し、このように精製された 酵素の純度を表す方法を理解するであろう。 本発明はさらに、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、好ましくは合成α− N−アセチルグルコサミニダーゼ、もしくは合成α−N−アセチルグルコサミニ ダーゼ様分子に対する抗体を企図するものである。抗体は、ポリクローナルある いはモノクローナルであり、自然発生あるいは合成によるものである(組換え、 フラグメ ント、あるいは融合の形態を含む)。このような抗体は、α−N−アセチルグル コサミニダーゼに対する免疫検定を発達させるのに、また、α−N−アセチルグ ルコサミニダーゼポリペプチドあるいはそれらの同族体、類似体、誘導体を表現 することができる付加遺伝子配列を明らかにするのに有用である。 ポリクローナルおよびモノクローナルの両抗体は、適当な合成または組換え遺 伝子産物、あるいはエピトロープ、もしくは遺伝子産物ぺプチドフラグメント、 特に、α−N−アセチルグルコサミニダーゼペプチドあるいはその同族体,類似 体または誘導体で免疫処置することによって得ることができる。 また、抗体のフラグメントは、Fabフラグメント等で用いられる。本発明は 、さらに、組換え体および合成抗体を包含し、抗体のハイブリッドにも及ぶもの である。ここで考えられる“合成抗体”とは、抗体のフラグメントおよびハイブ リッドを含んでいる。 本発明にかかるさらに別の態様は、ヒトあるいは動物の患者におけるα−N− アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子に、変異あるいはその他の異常をスクリーニ ングする方法を企図するものである。このような方法は被検DNAのあるいはm RNAの起源から単離し、そこで核酸分子をハイブリッド形成することを含む、 以上に示す多数の方法によって達成することができる。通常、核酸はプローブあ るいはプライマーの大きさであり、ポリメラーゼ連鎖反応はRNAやDNAを分 析するのに便利な手段である。その他の適当な分析としては、連結鎖反応および 鎖置換増幅法が含まれる。α−N−アセチルグルコサミニダーゼ配列は自然発生 配列で規定され、かつ比較される。このような方法は、成人におよび小児に対し ても有用であり、出生前テストで採用されることもある。被検DNAは、α−N −アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子、cDNAクローンおよび/または増幅物 を搬送するゲノム試料を含んでいる。 本発明のこの態様において、前記DNAの領域に対応するDNAあるいはmR NAのサンプルを単離すること,α−N−アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子内 でそれらを1つ以上の相補的配列にハイブリッド形成することができるようにオ リゴヌクレオチドプローブに結合させること,それによって、ハイブリッド化, ハイブリッド化の範囲あるいはハイブリッド化の欠損を検知すること、を含むこ のような遺伝子、あるいはそれらの一部、もしくは実質的な部分の欠損を含むα −N−アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子における異常をスクリーニングすろ方 法が提供されている。 あるいは、プローブはプライマーであり、前記α−N−アセチルグルコサミニ ダーゼ遺伝子の1以上の領域を増幅に向けることが可能であり、増幅および/ま たは増幅のプロファイルは、個々に搬送される完全遺伝子または参照データベー スと比較されろ。 好都合なことには、増幅物は完全遺伝子の存在あるいは不在を決定するために 配列される。 本発明は、ヒトあるいは動物の患者のα−N−アセチルグルコサミニダーゼ遺 伝子に関する異常の診断のために、DNAベースあるいは核酸ベースのあらゆる 全てのハイブリダイゼーションおよび/またはここに記載されるポリメラーゼ連 鎖反応形式の使用に及ぶものである。 本発明はさらに、MPS−IIIB等のα−N−アセチルグルコサミニダーゼ欠 損に病む患者を治療する方法に及ぶものであり、該方法はα−N−アセチルグル コサミニダーゼあるいはそれらの活性様の型を有効量で該患者に投与することを 含んでいる。 α−N−アセチルグルコサミニダーゼは組換え型であることが好ましい。この よ うな方法は、“酵素療法”と呼ばれる。一方、遺伝子療法は活性遺伝子(すなわ ち、ここに記載される核酸分子)を自然発生α−N−アセチルグルコサミニダー ゼ遺伝子の発現を容易にする遺伝子あるいはその他の配列の一部に導入すること を含んで用いられる。 酵素療法によるα−N−アセチルグルコサミニダーゼの投与には、経口,静脈 注射,座薬,腹腔内,筋肉内,鼻腔内,皮内または皮下投与、あるいは注入、も しくは移植がある。ここで記載するα−N−アセチルグルコサミニダーゼはその 活性突然変異体あるいは誘導体およびそのグリコシル化変異体であることが好ま しい。投与は治療される動物(たとえば、ヒト)ホストに導入されるウイルス性 のベクター内の遺伝子を含有による遺伝子の発現を含む遺伝子治療を通じても行 われる。あるいは、遺伝子は細菌類ホストにおいても発現し、被検動物内に導入 されて細菌類フローラの一部となる。 本発明にかかるさらに別の態様は、活性誘導体あるいはそのフラグメントを含 む合成(たとえば、組換え)α−N−アセチルグルコサミニダーゼあるいはα− N−アセチルグルコサミニダーゼ様分子を単独であるいはその他の活性分子と組 み合わせて含んだ医薬組成物に向けられたものである。このような、その他の分 子は酵素と相乗的に作用し、標的セルへの進入を容易にする。該組成物は1種以 上の医薬上許容可能な担体および/または賦形剤も含んでいる。該組成物は遺伝 子療法において有用な遺伝子成分を選択的に含んでいる。 合成あるいは組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、それらの変異体、 フラグメントあるいは誘導体を含む医薬組成物の有効成分は、特定の場合に応じ た量を投与することで、酵素中の欠損を伴う患者の治療に優れた作用を発揮する ことを企図するものである。その量はたとえば、患者と使用されるα−N−アセ チルグルコサミニダーゼによって変更される。たとえば、動物の体あたり約0. 5μg〜20mgの酵素が、あるいは、その動物あるいはその他の要素にしたが って、体重キ ログラムあたりで投与される。投与量は最適な治療反応が与えられるように調整 される。たとえば、いくつかの異なる量が、日、週、月あるいはその他適当な時 間間隔で投与されるか、あるいは状況の必要が示すのに比例して投与量は減らさ れる。したがって、1.0μg〜15mg)2.0μg〜10mgもしくは10 μg〜5mgの順の何れかの容量を、1回もしくは複数回投与の一部として投与 される。活性化合物は、経口,静脈内(水溶性),筋肉内,皮下,鼻腔内,皮内 または座剤を経路に、もしくは移植(たとえば緩効性分子)等の都合のよい方法 で投与される。投与経路に応じて、合成(たとえば組換え)α−N−アセチルグ ルコサミニダーゼあるいはそのフラグメント、誘導体もしくは変異体を含む有効 成分は、前記成分を不活性にする酵素、酸およびその他の自然状況による作用か ら該成分を保護する物質で被覆される必要がある。たとえば、親油性が低いα− N−アセチルグルコサミニダーゼは、ぺプチド結合を分裂することができる酵素 によって胃腸道で、また、酸の加水分解によって胃で破壊される。非経口投与以 外の方法でワクチンを投与するためには、酵素はその不活性化を避けるための物 質を被覆、もしくは一緒に投与する。たとえば、酵素はアジュバントに投与され るか、酵素阻害剤とともに投与されるか、リポソームに投与される。アジュバン トは広い範囲で用いられ、インターフェロン等のあらゆる免疫刺激化合物を含ん でいる。ここで企図するアジュバントは、レゾルチノール,ポリオキシエチレン オレイルエーテル等のノニオン性界面活性剤およびn−へキサデシルポリエチレ ンエーテルを含んでいる。該アジュバントは、完全フロイントあるいは不完全フ ロイントアジュバントであることが好ましい。酵素阻害剤は、膵臓トリプシンイ ンヒビター,ジイソプロピルフルオロリン酸(DEP)およびトラジロールを含 む。リポソームは、従来のリポソームだけでなく、水中油中水型エマルジョンを 含む。 活性物質は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよび/またはその 混合物および油に調製された分散に投与される。通常の保存および使用条件下で は、これらの調製物は微生物の成長を予防するための保存剤が含まれている。 注射の使用に適した医薬上の形態は、無菌水溶液(水溶性)あるいは分散と、 無菌の注射溶液あるいは分散媒を即座に調製するための無菌粉末を含んでいる。 この形態は、あらゆる場合において無菌でなければならず、注射を打ちやすいよ うにある程度は液状でなければならない。さらに、製造および保存状態は安定で なければならず、細菌類および菌類等の微生物による汚染作用に対して、保存さ れなければならない。担体は、たとえば、水,エタノール,ポリオール(たとえ ば、グリセロール,ポリエチレングリコール,液体ポリエチレングリコール等) 、それらの適当な混合物および植物油を含む溶媒あるいは分散媒である。レシチ ン等の被覆剤を使用することで、また、分散媒の場合には必要な粒子径を維持す ることで、さらに、スーパーファクタント(superfactant)を使用 することによって、適当な流動性を維持することができる。微生物の作用を予防 するのには、多様な抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン,クロロブタノ ール,フェノール,ソルビン酸,サーメロザール(thirmerosal)等 によってなされる。多くの場合、等張性作用物質、たとえば、糖類あるいは塩化 ナトリウムを含むのが好ましい。注射用組成物の吸収を長くするには、吸収を遅 らせる物質、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成を 用いることによってなされる。 無菌注射溶液は必要量の活性化合物を上に列挙した他の成分とともに、適当な 溶媒に組み入れることによって、濾過による滅菌に続いて、精製される。通常、 分散媒は色々な滅菌された活性剤を、塩基性分散媒および上に列挙したその他の 必要な成分を含む無菌賦形剤に組み入れることによって調製される。無菌注射溶 媒を精製するための無菌粉末の場合、好ましい製法としては、活性成分の粉末に 加え、先に滅菌濾過された溶液からのあらゆる好ましい付加成分を産する真空乾 燥および凍結乾燥の技術がある。 本発明にかかるα−N−アセチルグルコサミニダーゼが、上述のように適当に 保護されている場合には、該組成物は、たとえば不活性賦形剤あるいは同化可能 な食用担体と一緒にして,あるいは固いもしくは柔らかい殻のゼラチンカプセル で囲ま れるか,錠剤に圧縮されるか,もしくは食事の際の食品に直接取り込まれること で経口投与することができる。経口による治療的な投与を行うために、活性化合 物は、経口摂取可能な錠剤,バッカル錠剤,トローチ剤,カプセル剤,エリキシ ル剤,懸濁液,シロップ剤,カシェ剤等の形態を用いて賦形剤とともに取り込ま れる。このような組成物および調製物は、少なくとも1重量%の活性化合物を含 んでいる。該組成物および調製物の割合は、もちろん、ユニットの約5〜80重 量%の間で適当に変更することができる。ワクチン組成物における活性化合物の 量は、適当な用量が得られるような量である。本発明にかかる組成物あるいは精 製物は、約0.5μg−20gの問の活性化合物を含む経口投薬の単位形式で精 製されることが好ましい。 錠剤,トローチ剤,丸剤,カプセル剤等は、以下のものも含む。すなわち、グ ラガカントゴム(gum gragacanth),アカシア,トウモロコシデ ンプン,ゼラチン等の結合剤;リン酸二カルシウム等の賦形剤;トウモロコシデ ンプン,ジャガイモデンプン,アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウ ム等の潤滑剤;スクロース,ラクトースまたはサッカリン等の甘味料、あるいは 、ハッカ,冬緑油またくはサクラ香味料を加えることができる。投与形態がカプ セル剤の場合には、上記の型の物質に加えて、液状担体を加えることができる。 その他の様々な物質が被覆剤として、あるいは、投与ユニットの物理的な形態を 変更して存在している。たとえば、錠剤,丸剤あるいはカプセル剤は、シェラッ ク,糖あるいはその両方で被覆される。シロップ剤またはエリキシール剤は活性 化合物,甘味料としてのスクロース,防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロ ピルパラベン,染料および香味料としてチェリーあるいはオレンジフレーバーを 含んでいる。もちろん、あらゆる投与単位形式を調製するのに用いられる物質は 、医薬上純粋であり、使用量においては実質的に非毒性でなければならない。さ らに、活性化合物は持続放出の修復および調剤に取り込まれる。 ここで用いられる、“医薬上許容可能な担体および/または賦形剤”はあらゆ る 全ての溶媒,分散媒,水溶液,被覆剤,抗菌剤,抗真菌剤,等張性作用物質,吸 収を遅らせる物質等を含んでいる。薬効力のある物質にこのような媒介物および 作用物質を用いることは当業界では周知のことである。あらゆる従来の媒介物あ るいは作用物質が、活性物質と禁忌である場合を除く限りでは、医薬組成物にそ れらを用いることが企図される。補足的な活性組成物も組成物に取り込むことが できる。 本発明はさらに、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはその活性フ ラグメント、変異体、または誘導体を、自然発生酵素(たとえば、MPS−III B)の欠損に病む患者の治療のための薬剤を製造する際に、使用することに関す る。 本発明は、以下の限定されない実施例に関してさらに説明を加える。 実施例1 α−N−アセチルグルコサミニダーゼの精製 α−N−アセチルグルコサミニダーゼは、Weber et al.(199 6)に記載されている方法に基づいて精製される。酵素はヒトの胎盤から同質の ものに精製される。純度の証拠が、図1に表される以下のSDS/PAGEに示 されている。全ての試料は電気泳動に先だってジチオスレイトールで還元する。 実施例2 α−N−アセチルグルコサミニダーゼの特性 図1に表される結果は、実施例1に基づくヒトの胎盤から精製されたα−N− アセチルグルコサミニダーゼポリペプチドに対応する、約82kDaおよび77 kDaの分子量を有する2つのポリペプチドを示している。 実施例3 アミノ酸配列決定 77kDaおよび82kDaのα−N−アセチルグルコサミニダーゼのN− 末端アミノ酸配列は、これらのぺプチド内部のCNBr分裂物のアミノ酸配列に 加えて、Weber et al.(1996)の方法を用いて決定される。 アミノ酸配列を表4に示す。 1 この位置で確認できる残基はなく、この残基はホスホリル化あるいはグ リコシル化することを示している。 実施例4 α−N−アセチルグルコサミニダーゼcDNAのクローニング オリゴヌクレオチドのプローブは、精製α−N−アセチルグルコサミニダーゼ ポリペプチド(実施例3)から得られた部分的なアミノ酸配列に基づいて調製さ れる。プローブは、後にヒト末梢血の白血球のcDNAライブラリーを選別する のに用いられる。約2.6kbpのcDNAクローンがヒトのα−N−アセチル グルコサミニダーゼ(配列番号(SEQ ID NO):1)の配列の大部分を エンコードしながら単離される。 剰余のα−N−アセチルグルコサミニダーゼコーディング配列は、ヒト染色体 1 7ライブラリーにハイブリッド化することで単離された(Weber et a l.1996)対応するゲノム遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号(SEQ IDNO):3)から得られる。 完全オープンリーディングフレームは、2232ヌクレオチドの長さで、74 3(停止コドンを加えた)アミノ酸タンパク質をエンコードする。最長の成熟タ ンパク質の予測分子量(23アミノ酸N−末端シグナルペプチドを引く)は約7 9,622ドルトンである。 α−N−アセチルグルコサミニダーゼのアミノ酸配列は配列番号(SEQ I D NO):2に示されている。α−N−アセチルグルコサミニダーゼの要求ア ミノ酸配列の推定分子量は、およそ70kDaである。シグナルペプチドペプチ ダーゼの分断が行われると思われる部位はアミノ酸23および24の間である。 配列中には、7つの潜在的なN−グリコシル化部位が存在する。 α−N−アセチルグルコサミニダーゼゲノム遺伝子に対応するヌクレオチド配 列(配列番号(SEQ ID NO):3)は、α−N−アセチルグルコサミニ ダーゼプロモーター配列の少なくとも一部に対応する5’上流配列の889bp を含めた10380bpが、イントロンI,II,III,IV,Vのヌクレオチド配列 に加えて、さらに3’−未翻訳配列の1326bpに加えて、含まれている。 実施例5 α−N−アセチルグルコサミニダーゼcDNA配列を含む発現ベクターの構造 α−N−アセチルグルコサミニダーゼcDNAの塩基107から2575を含 むγクローンpbl33のcDNA挿入は、EcoRIで切除され、pBlue script II SK−(Stratagene)にサブクローン化される。 出発コドンを含むコスミドサブクローン6.3からの178bpXmaIフラ グ メント(α−N−アセチルグルコサミニダーゼcDNAの塩基1から178)は 、ポリアデニル化部位を含む3’未翻訳領域の245bpだけでなく5’未翻訳 配列の101bp、ポリ(A)尾部およびリンカーDNAのほかに、通常の長さ のcDNAを作るためのpBluescriptサブクローンにクローン化され る。全長cDNAは、EcoRIおよびBamHI部位を経由してpCDNA3 発現ベクター(Invitorogen)に直接クローン化される。 実施例6 組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの発現 チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞は、製造者の指示に従ってDO TAPトランスフェクション試薬(ボーリンガーマンハイム)を用いて発現ベク ターに移入される。細胞は、それぞれ牛胎児血清10%(V/V)、ペニシリン 、およびストレプトマイシンをそれぞれ100μg/mlのハムのF12培地に おいて成長する。細胞は非選択的培地で48時間成長し、その後、耐性コロニー が発現するまで、G418硫酸(Geniticin)を750μg/m培地で 定温保存される。 単細胞クローンは成長し、それらの26のクローンは発蛍光性α−N−アセチ ルグルコサミニダーゼ基質(すなわち、N−アセチルグルコサミンの4−メチル ウンベリフェロンとのα結合)と共に組換えα−N−アセチルグルコサミニダー ゼ発現するための分析がされる。 実施例7 大規模のα−N−アセチルグルコサミニダーゼの生成 2マイクロキャリアビードのシトデックス(Cytodex)2gをPBS2 5mlに、3種のPBSで、37度で3時間膨張(増加)させ、120℃で15 分間(ウェットサイクル)高圧滅菌した。その後、ビードは、無菌増殖培地(C oo ns/DMEM,10%v/vの牛胎児血清,ぺニシリンおよびストレプトマイ シン硫酸をそれぞれ100μg/mlと0.1%w/vのプルロニックF68) ですすがれ、テクネ(Techne)撹拌培養フラスコに移入される。マイクロ キャリアービードは、組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの高い発現を 示す細胞クローンの7つの融合性175フラスコと共に植え付けられる。増殖培 地は200mlにまで加えられ、培養は、ビード上に細胞が一様に分布するよう に20rpmの撹拌速度で定温保存される。細胞は低速度で16時間ビードに付 着させることができ、その後培地は500mlにまで加えられ、撹拌速度は30 rpmに上昇する。ガス交換をするために発育相を毎日通気した状態で、48時 間から72時間後、ビードは細胞で完全に覆われ、培地は生産培地(Coons /DMEM,牛胎児血清はなく,ペニシリンおよびストレプトマイシン硫酸をそ れぞれ100μg/mlと0.1%w/vのプルロニックF68および5mMの NH4Cl)に交換される。グルコース濃度は毎日記録され、グルコース濃度が 毎203日間で5mM以下に下落したときに培地は取り換えられる。回収された 培地は生産培地のdm3おきに約2mgのα−N−アセチルグルコサミニダーゼ タンパク質を含んでいた。 実施例8 組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの精製 生産培地は、pH5.5で50mMのNaAcに対して透析され、同一のバッ ファー中で平衡するようにへパリンアガロースカラムに加えられる。NaAcバ ッファーおよびNaAc/50mlのNaClで洗浄した後、カラムはNaAc バッファーにおいて75mMのNaC1で溶離される。溶出液はpH7.5の2 0mMTris/HClに対して透析され、DEAE Scphacelカラム に加えられ、20mMのTris/HCl内で25mMのNaClによって洗浄 され、その後20mMのTris/HCl内で50および75mMのNaClに よって、それぞれ溶離される。 2つの溶離液のSDS−PAGEは79kDaおよび89kDaの見かけの分子 量で酵素活性を伴う2つのポリペプチドバンドを示している。より小さいα−N −アセチルグルコサミニダーゼは50mMのNaClの画分で圧倒的に溶離され るが、89kDaのα−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペプチドは75m MのNaCl画分で集積される(図2)。 組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペブチドの見かけの分子量に おける相違は、N−グルコシル化基を分解させるPNGase Fを含む消化物 は、70kDaおよび89kDaの両ポリペプチドを、一次アミノ酸配列データ (配列番号(SEQ ID NO):2)から推定されるおおよその分子量に対 応する約70kDa(図2)の見かけの分子量を有するポリペプチドバンドに還 元されるために、追加の炭水化物側鎖が存在することによるものである。 実施例9 組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの特徴 実施例7および8に基づくCHO細胞で産出される79kdaおよび89kD aの組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼポリペプチドの酵素活性につい ては、両者に何の相違も見られない。4−メチルウンベリフェロン(4−MU) 基質にα結合する発蛍光性N−アセチルグルコサミンとともに、酵素は5.34 mMのkMおよび3.97×106pmol/min/mgのVmaxとともに4. 6の最適pHを有している。a3H−標識化(labelled)ジサッカライ ド基質に対しては0.0166mMのkMおよび4.48×104 pmol/mi n/mgのVmaxとともに4.1の最適pHを有している。 実施例10 サンフィリッポB患者の突然変異分析 ゲノムDNAは、フェノール/クロロホルムの抽出により、患者の培養された 皮膚の線維芽細胞から単離され、PCRにより8つのエキソンおよび隣接するイ ント ロン配列を個々に増幅するのに用いられる。 増幅反応において用いられるプライマー配列は、配列番号(SEQ ID N O):1または3に記載されるα−N−アセチルグルコサミニダーゼcDNAお よびゲノムクローンのヌクレオチド配列からから容易に決定される。増幅条件に ついても、無用な実験を行うことなく容易に決定される。PCRプライマーおよ び増幅条件を設計する手順としては、たとえばMcPherson et al . (1991)において、詳細に記述されている。プライマリー配列内におけ る相違は、PCR産物を無変性状態(SSCPゲル)下でポリアクリルアミドゲ ル上に単離することによって確認することができる。塩基の変化、挿入および欠 失はたいていの場合、PCRの間にDNAを標識化した後のゲルのオートラジオ グラフィーか、ゲル中の無標識化DNAを銀で着色するかの何れかによって視覚 化できる野生型と比較される異なるバンドパターンに導入される。異なるバンド パターンを示すPCR産物は変化を確認するための配列である。その他の被験者 のサンプルは、野生型および突然変異特殊型のオリゴヌクレオチド(ASO)で ハイブリッド形成されることで発見される突然変異および多型性を分析すること ができる。 当業者であれば、ここに記述された本発明が、特に記載したもの以外の変形お よび改良をおこなうことが可能であるということを理解されるであろう。また、 本発明がこのような、変形および改良の全てを含んでいるということも理解され るべきである。本発明はさらに、本明細書で言及された、あるいは示された全て の手段,特徴,組成物および化合物を、個々にあるいは集合的に、そして前記手 段また特徴の2つ以上の組み合わせのあらゆる全てのものを含んでいる。 引用文献: 1.Ausbel,F.M.,Brent,R,Kingston,RE,Moore,D.D.,Seidman,J.G.,Smith,J.A.,an dStmhl,K(1987).In: Current Protocols in Molecular Biology.Wiley Intersc ience(ISBN047150338). 2.Hopwood JJ(1989)In:“HeParin: ChemiCal and Biological Properties,Cl iniCalAPPlications”(Lane DW and Lindahl U,eds.),190-229,Edward Arno1d,L ondon. 3.McKusick V and Neufeld E(1983)In:“The Metabolic Basis of Inherited Disease”(Stanbury JB,Wyngaarden JB,Fredrickson DS,Goldstein JL and Brow n MS,eds),5th Ed.,751-771,McGraw-Hi1l,NewYork. 4.McPherson,M.J.,Quirke,P. and Taylor,G.R.,(1991)in:PCR A Practical A pproach.Oxford University Press,Oxford.(ISBN O-19-96322L-X). 5.0'Briens JS,(1972)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69:1720-1722 6.Sambrook,J.,Fritshch,E.,and Maniatis,T.(1989)In:“Molecular Cloning ”a laboratorymanual,Cold Spring Harbour. 7.Von Figura,K,and Kresse H,(1972)Biochem Biophys,Res Commun,48:262-269 8.Weber B,Scott H,Blanch L,Clements P,Morris CP,Anson D,Hopwood J,(1996 )Nature Genetics(submitted)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/08 9/24 C12N 5/00 C C12P 21/08 A61K 37/52 //(C12N 9/24 C12R 1:91) (72)発明者 ウェバー バージット オーストラリア国、サウス オーストラリ ア5069、ハックニー、ボタニックストリー ト 5/15 (72)発明者 ブランチ リアン オーストラリア国、サウス オーストラリ ア5022、グレーンジ、ジ エスプラナーデ 469 (72)発明者 アンソン ドナルド ステュワート オーストラリア国、サウス オーストラリ ア5031、ザバートン、ロス ストリート 12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 哺乳類のα−N−アセチルグルコサミニダーゼあるいはそのフラグメ ントまたは誘導体をエンコードする、あるいは、エンコードする配列に相補的な ヌクレオチドの配列を含む単離核酸分子。 2. 請求項1に記載の単離核酸分子において、前記ヌクレオチドはデオキ シリボヌクレオチドであることを特徴とする単離核酸分子。 3. 請求項2に記載の単離核酸分子において、前記分子はcDNAである ことを特徴とする単離核酸分子。 4. 請求項2に記載の単離核酸分子において、前記分子はゲノムDNA分 子であることを特徴とする単離核酸分子。 5. 請求項1ないし4の何れかに記載の単離核酸において、前記哺乳類は ヒトであることを特徴とする単離核酸。 6. 請求項5に記載の単離核酸分子において、前記α−N−アセチルグル コサミニダーゼは、肝臓,腎臓または胎盤を起源とすることを特徴とする単離核 酸分子。 7. 請求項1ないし6の何れかに記載の単離核酸分子において、実質的に 配列番号(SEQ ID NO):1に記載された、あるいはそれに相補的なヌ クレオチド配列を有するか、もしくはそれらの全体または一部と少なくとも40 %の類似性を有することを特徴とする単離核酸分子。 8. 請求項1ないし6の何れかに記載の単離核酸分子において、実質的に 配 列番号(SEQ ID NO):3に記載された、あるいはそれに相補的なヌク レオチド配列を有するか、もしくはそれらの全体または一部と少なくとも40% の類似性を有することを特徴とする単離核酸分子。 9. 請求項7または8に記載の単離核酸分子において、該類似性の割合は 少なくとも60%であることを特徴とする単離核酸分子。 10. 請求項9に記載の単離核酸分子において、該類似性の割合は少なくと も80%であることを特徴とする単離核酸分子。 11. 請求項1ないし10の何れかに記載の単離核酸分子において、前記分 子によってエンコードされるα−N−アセチルグルコサミニダーゼあるいはその フラグメントまたは誘導体は、配列番号(SEQ ID NO):2と実質的に 同一、あるいはその全体または一部と少なくとも40%相似しているアミノ酸配 列を備えることを特徴とする単離核酸分子。 12. 請求項11に記載の単離核酸分子において、配列番号(SEQ ID NO):2に対する類似性の割合は少なくとも60%であることを特徴とする単 離核酸分子。 13. 請求項12に記載の単離核酸分子において、配列番号(SEQ ID NO):2に対する類似性の割合は少なくとも60%であることを特徴とする単 離核酸分子。 14. 請求項1ないし13の何れかに記載の単離核酸分子において、前記分 子は真核細胞および/または原核細胞ないで複製可能なべクターによって運ばれ ることを特徴とする単離核酸分子。 15. 請求項14に記載の単離核酸分子において、前記ベクターは発現べク ターであることを特徴とする単離核酸分子。 16. 請求項15に記載の単離核酸分子において、前記発現ベクターは真核 生物に由来する細胞内で発現可能であることを特徴とする単離核酸分子。 17. 請求項16に記載の単離核酸分子において、前記発現べクターはさら に、哺乳類に由来する細胞内で発現可能であることを特徴とする単離核酸分子。 18. 請求項17に記載の単離核酸分子において、前記発現べクターはさら に、CHO細胞内で発現可能であることを特徴とする単離核酸分子。 19. 哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはその フラグメントまたは誘導体。 20. 実質的に純粋な形態である請求項19に記載の哺乳類の組換えα−N −アセチルグルコサミニダーゼ。 21. 哺乳類細胞,酵母細胞または昆虫細胞内で発現する請求項19または 20に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ。 22. 哺乳類細胞内で発現する請求項21に記載の哺乳類の組換えα−N− アセチルグルコサミニダーゼ。 23. 請求項21または22に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグル コサミニダーゼにおいて、該細胞は前記哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコ サミニダーゼをグリコシル化することが可能であることを特徴とする哺乳類の組 換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ。 24. 請求項23に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼにおいて、該細胞は前記哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダー ゼをN−グリコシル化することが可能であることを特徴とする哺乳類の組換えα −Nーアセチルグルコサミニダーゼ。 25. 請求項24に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼにおいて、該細胞はCHO細胞であることを特徴とする哺乳類の組換えα− N−アセチルグルコサミニダーゼ。 26. 請求項19ないし25の何れかに記載の哺乳類の組換えα−N−アセ チルグルコサミニダーゼにおいて、前記哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコ サミニダーゼはグリコシル化型であることを特徴とする哺乳類の組換えα−N− アセチルグルコサミニダーゼ。 27. 請求項26に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼにおいて、SDS/PAGEを用いて規定した該グリコシル化型の分子量は 、少なくとも約79kdaであることを特徴とする哺乳類の組換えα−N−アセ チルグルコサミニダーゼ。 28. 哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼにおいて、SD S/PAGEを用いて規定した該グリコシル化型の分子量は、少なくとも約79 kdaから89kDaであることを特徴とする哺乳類の組換えα−N−アセチル グルコサミニダーゼ。 29. ヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼと実質的に同一のアミノ 酸配列を含む請求項19ないし28の何れかに記載の哺乳類の組換えα−N−ア セチルグルコサミニダーゼ。 30. 別のタンパク質性分子に融合する請求項19ないし29の何れかに記 載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ。 31. 請求項30に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼにおいて、別のタンパク質性分子は酵素,リポーター分子,精製部位および /またはシグナル配列であることを特徴とする哺乳類の組換えα−N−アセチル グルコサミニダーゼ。 32. 実質的に配列番号(SEQ ID NO):2に記載された、あるい はその全体または一部と少なくとも40%の類似性を有するアミノ酸配列を含む 請求項19ないし31の何れかに記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコ サミニダーゼ。 33. 請求項32に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼにおいて、配列番号(SEQ ID NO):2に対する類似性の割合は少 なくとも60%であることを特徴とする哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコ サミニダーゼ。 34. 請求項33に記載の哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼにおいて、配列番号(SEQ ID NO):2に対する類似性の割合が少 なくとも80%以上であることを特徴とする哺乳類の組換えα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼ。 35. 請求項14ないし18の何れかに記載の核酸分子の発現によって産出 される組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ。 36. グリコシル化される請求項35に記載の組換えα−N−アセチルグル コ サミニダーゼ。 37. ヒトの患者におけるα−N−アセチルグルコサミニダーゼをエンコー ドする遺伝子内の突然変異を診断する方法において、前記診断方法は 該患者に由来するゲノムDNAまたはRNΛを、発生するハイブリッ ド形成に十分な時間および条件下で、配列番号(SEQ ID NO):1また は配列番号(SEQ ID NO):3に由来する少なくとも10の連続したヌ クレオチド、もしくはそれらの相補鎖を含む1種以上の単離DNA分子またはオ リゴヌクレオチドに接触させること、および 検知手段を用いて前記ハイブリッド形成を検知すること、を含むこと を特徴とする診断方法。 38. 請求項37に記載の診断方法において、前記検知手段は該単離分子ま たはオリゴヌクレオチドに共有結合付着するリポーターであることを特徴とする 診断方法。 39. 請求項38に記載の診断方法において、前記リポーター分子は32P,35 Sまたはビオチンであることを特徴とする診断方法。 40. 請求項37に記載の診断方法において、前記検知手段はポリメラーゼ 連鎖反応形式であることを特徴とする診断方法。 41. 請求項40に記載の診断方法において、前記ポリメラーゼ連鎖反応形 式は、とりわけSSCP,AMD,AFLP,IRS−PCR,iPCRまたは RT−PCRからなるリストから選択されることを特徴とする診断方法。 42. ポリメラーゼ連鎖反応形式がSSCPである請求項41に記載の診断 方法。 43. 請求項37ないし42の何れかに記載の診断方法において、前記単離 DNA分子またはオリゴヌクレオチドは、配列番号(SEQ ID NO):1 または配列番号(SEQ ID NO):3に由来する少なくとも20の連続し たヌクレオチドあるいはその相補鎖を含むことを特徴とする方法。 44. 請求項43に記載の診断方法において、前記単離DNA分子またはオ リゴヌクレオチドは、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(S EQ ID NO):3に由来する少なくとも50の連続したヌクレオチドある いはその相補鎖を含むことを特徴とする方法。 45. 請求項44に記載の診断方法において、前記単離DNA分子またはオ リゴヌクレオチドは、配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(S EQ ID NO):3に由来する少なくとも100の連続したヌクレオチドあ るいはその相補鎖を含むことを特徴とする方法。 46. α−N−アセチルグルコサミニダーゼ欠損に病む患者の治療方法にお いて、前記治療方法は、哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、 あるいはその活性フラグメントまたは誘導体の有効量を該患者に投与することを 含む治療方法。 47. 請求項46に記載の治療方法において、哺乳類のα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼは、ヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼのアミノ酸配 列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むことを特徴とする治療方法。 48. 請求項47に記載の治療方法において、該患者はムコ多糖症IIIB型 に病んでいることを特徴とする治療方法。 49. 請求項46ないし49の何れかに記載の治療方法において、前記組換 えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは哺乳類の細胞内で産出されることを特 徴とする治療方法。 50. 請求項49に記載の治療方法において、前記哺乳類の細胞は、その内 部で産出される該組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼをグリコシル化す ることが可能であることを特徴とする治療方法。 51. 請求項50に記載の治療方法において、前記組換えα−N−アセチル グルコサミニダーゼはグリコシル化型であることを特徴とする治療方法。 52. 請求項51に記載の治療方法において、前記組換えα−N−アセチル グルコサミニダーゼのグルコシル化型はSDS/PAGEを用いて規定された少 なくとも約79kDaの分子量を有することを特徴とする治療方法。 53. 請求項52に記載の治療方法において、前記組換えα−N−アセチル グルコサミニダーゼのグリコシル化型はSDS/PAGEを用いて規定された少 なくとも約79kDaから89kDaの分子量を有することを特徴とする治療方 法。 54. 請求項46ないし53の何れかに記載の治療方法において、前記組換 えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは実質的に配列番号(SEQ ID N O):2に記載された、あるいはその全体または一部と少なくとも40%の類似 性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする治療方法。 55. 請求項54に記載の治療方法において、配列番号(SEQ ID N O):2に対する類似性の割合は少なくとも60%であることを特徴とする治療 方法。 56. 請求項55に記載の治療方法において、配列番号(SEQ ID N O): 2に対する類似性の割合は少なくとも80%であることを特徴とする治療方法。 57. α−N−アセチルグルコサミニダーゼ欠損に病む患者の治療方法に おいて、該治療方法は、哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、 あるいはその活性フラグメントまたは誘導体の有効量を該患者に投与することを 含み、前記哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは請求項14か ら18の何れかに記載の核酸分子の発現によって産出されることを特徴とする治 療方法。 58. 請求項46ないし57の何れかに記載の治療方法において、哺乳類の 組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの投与は、注入または移植による経 口,静脈内,座薬,腹腔内,筋肉内,鼻腔内,皮内または皮下投与、あるいは酵 素補充療法または遺伝子療法によることを特徴とする治療方法。 59. 請求項58に記載の治療方法において、前記投与方法は酵素補充療法 であることを特徴とする治療方法。 60. 哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはその 活性フラグメントまたは誘導体と、1種以上の医薬上許容可能な担体および/ま たは賦形剤と、を含む医薬組成物。 61. 請求項60に記載の医薬組成物において、前記哺乳類の組換えα−N −アセチルグルコサミニダーゼは実質的にヒトのα−N−アセチルグルコサミニ ダーゼと同一のアミノ酸配列を含むことを特徴とする医薬組成物。 62. 請求項60または61に記載の医薬組成物において、前記哺乳類の組 換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは哺乳類の細胞中で産出されることを 特徴とする医薬組成物。 63. 請求項62に記載の医薬組成物において、前記哺乳類の細胞は哺乳類 の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼをグリコシル化することが可能な CHO細胞であることを特徴とする医薬組成物。 64. 請求項60ないし63の何れかに記載の医薬組成物において、前記α −N−アセチルグルコサミニダーゼはグリコシル化されることを特徴とする医薬 組成物。 65. 請求項64に記載の医薬組成物において、前記組換えα−N−アセチ ルグルコサミニダーゼはSDS/PAGEを用いて規定された少なくとも約79 kDaの分子量を有することを特徴とする医薬組成物。 66. 請求項65に記載の医薬組成物において、前記組換えα−N−アセチ ルグルコサミニダーゼはSDS/PAGEを用いて規定された少なくとも約79 kDaから89kDaの分子量を有することを特徴とする医薬組成物。 67. 請求項60ないし66の何れかに記載の医薬組成物において、前記組 換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼは、実質的に配列番号(SEQ ID NO):2に記載された、あるいはその全体または一部と少なくとも40%の 類似性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする医薬組成物。 68. 請求項67に記載の医薬組成物において、配列番号(SEQ ID NO):2に対する類似性の割合は少なくとも60%であることを特徴とする医 薬組成物。 69. 請求項68に記載の医薬組成物において、配列番号(SEQ ID NO):2に対する類似性の割合は少なくとも80%であることを特徴とする医 薬組 成物。 70. 哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはその 活性フラグメントまたは誘導体と、1種以上の医薬上許容可能な担体および/ま たは賦形剤を含む医薬組成物において、前記哺乳類の組換えα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼは請求項14から18の何れかに記載の核酸分子の発現によっ て産出されることを特徴とする医薬組成物。 71. 請求項46ないし59の何れかに記載の治療方法において使用される 、咄乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、あるいはその活性フラ グメントまたは誘導体と、1種以上の医薬上許容可能な担体および/または賦形 剤を含む医薬組成物。 72. α−N−アセチルグルコサミニダーゼ欠損患者の治療用薬剤の製造 における、哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼあるいは、その 活性フラグメントまたは誘導体の使用法。 73. 請求項72に記載の使用法において、該哺乳類の組換えα−N−アセ チルグルコサミニダーゼは、ヒトのα−N−アセチルグルコサミニダーゼのアミ ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むことを特徴とする使用法。 74. 請求項72または73に記載の使用法において、該患者はムコ多糖症 IIIB型であることを特徴とする使用法。 75. 請求項74に記載の使用法において、該組換えα−N−アセチルグル コサミニダーゼは哺乳類の細胞内で発現することを特徴とする使用法。 76. 請求項61にかかる医薬組成物の使用法において、該細胞がCHO細 胞 であることを特徴とする使用法。 77. 請求項72ないし76の何れかに記載の使用法において、前記α−N −アセチルグルコサミニダーゼはグリコシル化されることを特徴とする使用法。 78. 請求項77に記載の使用法において、前記組換えα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼはSDS/PAGEを用いて規定された少なくとも約79kD aの分子量を有することを特徴とする使用法。 79. 請求項78に記載の使用法において、前記組換えα−N−アセチルグ ルコサミニダーゼはSDS/PAGEを用いて規定された少なくとも約79kD aから89kDaの分子量を有することを特徴とする使用法。 80. 請求項72ないし79に記載の使用法において、前記組換えα−N− アセチルグルコサミニダーゼは、実質的に配列番号(SEQ ID NO):2 に記載された、あるいはその全体または一部と少なくとも40%の類似性を有す るアミノ酸配列を含むことを特徴とする使用法。 81. 請求項80に記載の使用法において、配列番号(SEQ ID NO ):2に対する類似性の割合は少なくとも60%であることを特徴とする使用法 。 82. 請求項80に記載の使用法において、配列番号(SEQ ID NO ):2に対する類似性の割合は少なくとも80%であることを特徴とする使用法 。 83. へパラン硫酸およびへパリンのフラグメントの非還元末端において存 在する末端α−N−アセチルグルコサミン残基を加水分解することが可能なポリ ペプチドをエンコードする、あるいは、エンコードする配列に相補的なヌクレオ チドの配列を含む核酸分子において、前記ヌクレオチド配列は配列番号(SEQ ID NO):1に記載されるヌクレオチド配列を少なくとも低緊縮条件下でハイブリ ッド形成することが可能であることを特徴とする核酸分子。 84. ヘパラン硫酸およびヘパリンのフラグメントの非還元末端において存 在する末端α−N−アセチルグルコサミン残基を加水分解することが可能なポリ ペプチドをエンコードする、あるいは、エンコードする配列に相補的なヌクレオ チドの配列を含む核酸分子において、前記ヌクレオチド配列は配列番号(SEQ IDNO):3に記載されるヌクレオチド配列を少なくとも低緊縮条件下でハ イブリッド形成することが可能であることを特徴とする核酸分子。 85. 配列番号(SEQ ID NO):2に記載される、あるいはそれら と少なくとも40%の類似性を有するアミノ配列に対応し、かつ、少なくとも低 緊縮条件下で配列番号(SEQ ID NO):1または配列番号(SEQ I D NO):3に記載されるヌクレオチド配列をハイブリッド形成することが可 能である核酸分子によってエンコードされたアミノ酸配列を含む組換えポリペプ チド。 86. 請求項1ないし18または83ないし84の何れかに記載の核酸分子 を含む遺伝子構造において、哺乳類組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ あるいはそのフラグメントまたは誘導体を産出するために前記遺伝子構造は、原 核細胞または真核細胞において発現すること可能なように、センス配向において プロモーター配列を操作可能に結合される。 87. 請求項86に記載の遺伝子構造において、前記プロモーターは哺乳類 の細胞において組み換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの発現を調節する ことが可能であることを特徴とする遺伝子構造。 88. 請求項87に記載の遺伝子構造において、前記プロモーターはCMV プロモーター配列またはそれに由来するプロモーターであることを特徴とする遺 伝子 構造。 89. 請求項86ないし88に記載の遺伝子構造において、さらに転写ター ミネーター配列を含むことを特徴とする遺伝子構造。 90. 原核細胞または真核細胞内においてα−N−アセチルグルコサミニダ ーゼを発現または過剰発現するために使用される請求項86ないし89のいずれ かに記載の遺伝子構造。 91. 請求項19ないし36の何れかに記載のα−N−アセチルグルコサミ ニダーゼまたは組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、もしくはそれらの 抗原フラグメントに対する抗体。 92. ポリクローナル抗体分子としてさらに規定されることを特徴とする請 求項91にかかる抗体。 93. モノクローナル抗体分子としてさらに規定されることを特徴とする請 求項92にかかる抗体。
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